説明

カテーテルのもつれの指示

【課題】プローブの回転を検知して指示するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、近位端及び遠位端を有する細長プローブの操作者が、その遠位端を患者の身体内部で移動させるために近位端を操作する間に、操作者によって近位端に適用された累積回転角を自動的に測定することを含む。累積回転角の指標が、操作者に提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療用プローブに関し、特に、プローブの回転を検知して指示するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医師が医療処置の間にカテーテルを操作する際、カテーテルが、ねじれるか又はもつれるようになる場合がある。そのような状況を探知するか又は回避するために、いくつかの方法及びシステムが提案されている。例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,921,978号は、強化された透視可視度を提供するために、カテーテルの遠位端に配置された透視用マーカー構成要素を含む、カテーテルを記載している。開示されるカテーテルの構成の一部は、カテーテルの遠位端のねじれの方向及び程度に関する視覚情報を、医師に提供するために使用される。
【0003】
その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,352,197号は、ねじれ可能な先端部を備えるカテーテルのための回動制限装置を記載している。このカテーテルは、複雑にねじれている解剖学的構造内で使用するための可撓性の壁を有し、トルクワイヤー又はトルクを与えることが可能なガイドワイヤー内腔を含む。トルクワイヤー又はトルクを与えることが可能なガイドワイヤー内腔は、カテーテルの長さにわたって延び、その遠位端で、又は遠位端付近で、カテーテルに取り付けられている。トルクワイヤーの近位端は、カテーテルの近位端から突出し、回動制限装置に取り付けられている。回動制限装置によって、トルクワイヤー又はトルクを与えることが可能なガイドワイヤー内腔の近位端の、軸転位のない制限された回転が可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、
近位端及び遠位端を有する細長プローブの操作者が、その遠位端を患者の身体内部で移動させるために近位端を操作する間に、操作者によって近位端に適用された累積回転角を自動的に測定することと、
その累積回転角の指標を、操作者に提示することと、を含む、方法を提供する。
【0005】
一部の実施形態では、累積回転角を測定することは、プローブに結合するセンサーを使用して、累積回転角を検知することを含む。一実施形態では、センサーは磁気位置センサーを含み、累積回転角を測定することは、磁気位置センサーを使用して、1つ又は2つ以上の外部印加磁場を検知し、この検知した磁場に対応して累積回転角を推定することを含む。開示される実施形態では、センサーは加速度センサーを含み、累積回転角を測定することは、加速度センサーを使用して、プローブの長手方向軸線に対する角加速度を検知し、この検知した角加速度に対応して累積回転角を推定することを含む。
【0006】
一部の実施形態では、センサーは、プローブの近位端に結合される。代替的な実施形態では、センサーは、プローブの遠位端に結合される。一実施形態では、指標を提示することは、累積回転角が既定の閾値を超過した場合に、操作者に警告を与えることを含む。更には、又は別の方法としては、指標を提示することは、累積回転角を低減させる好適な回転方向を、操作者に指示することを含む。また更には、又は別の方法としては、指標を提示することは、累積回転角を、操作者に対して英数字で表示することを含む。
【0007】
更に、本発明の一実施形態によれば、
近位端及び遠位端を有する細長プローブに接続され、操作者がその遠位端を患者の身体内部で移動させるために近位端を操作する間に、操作者によってプローブの近位端に適用された累積回転角を測定するように構成されたプロセッサと、
累積回転角の指標を操作者に提示するように構成された出力デバイスと、を含む、装置が提供される。
【0008】
また、本発明の一実施形態によれば、近位端及び遠位端を有する細長プローブと共に動作する、コンピュータソフトウェア製品も提供され、この製品は、プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能なメディアを含み、この命令は、コンピュータによって読み取られると、操作者が遠位端を患者の身体内部で移動させるために近位端を操作する間に、操作者によってプローブの近位端に適用された累積回転角を、コンピュータに測定させ、その累積回転角の指標を操作者に提示させる。
【0009】
更に、本発明の一実施形態によれば、
遠位端及び近位端を有する細長本体と、
本体に結合されて、操作者によって近位端に適用された回転を示す信号を生成するように構成されたセンサーと、を含む、プローブ、及び
その信号に対応して累積回転角を推定し、累積回転角の指標を操作者に提示するように構成されたプロセッサ、を含む、装置が提供される。
【0010】
本発明は、以下のより詳細な実施形態と、その図面の記述によって、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による、心臓カテーテルを使用する磁気位置追跡に関するシステムの概略描写図。
【図2】本発明の一実施形態による、心臓カテーテルを使用する磁気位置追跡に関するシステムの概略描写図。
【図3】本発明の一実施形態による、カテーテルのもつれを防ぐための方法を概略的に説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概観
一部の医療処置では、医師は、カテーテルの遠位端を、患者の身体内で誘導操作する。医師は、カテーテルの近位端を操作することによって、例えば、近位端に取り付けられたハンドルを使用することによって、その遠位端を移動させる。具体的には、例えば、カテーテル先端部の視野角若しくは屈曲方向を調整するために、又は特定の経路に沿って誘導操作するために、医師は、カテーテルの長手方向軸線を中心として、カテーテルを回転させる場合がある。
【0013】
ほとんどの場合、時計回り又は反時計回りの回転のいずれかを使用して、同一の結果を達成することができる。しかしながら、実際には、特定の医師は、カテーテルを同一方向(時計回り又は反時計回り)に繰り返し回転させる傾向がある。同一方向での過度の回転によって、カテーテル本体及び/又は相互接続ケーブルが、ねじれてもつれる場合がある。この種のねじれ及びもつれは、カテーテルの操作を困難なものにさせ、場合によっては、カテーテルに損傷を与える恐れがある。場合によっては、カテーテルのケーブルは、ねじれを戻すために、接続を解除しなければならない。
【0014】
以降に記載される本発明の実施形態は、過度のカテーテルの回転を防ぐための方法及びシステムを提供する。開示される技術は、カテーテルの近位端に適用された累積回転角を自動的に測定し、その累積回転角の指標を医師に提示する。一実施形態では、累積回転角は、カテーテルの遠位端内に取り付けられた磁気位置センサーを使用して測定される。代替的な実施形態では、累積回転角は、カテーテルの近位端内、例えばカテーテルのハンドル内に取り付けられた磁気位置センサー又は加速度センサーを使用して測定される。
【0015】
測定された累積回転角に基づいて、様々な指標を医師に提示することができる。一実施形態では、回転角の数値が、モニター画面上で医師に表示される。別の実施形態では、累積回転角が最大許可値を超過した場合に、医師に警告が与えられる。一部の実施形態では、カテーテルのその後の回転に関する好適な方向(累積回転角を低減させる方向)についての指標が、医師に与えられる。
【0016】
開示される技術を使用すると、カテーテルのねじれ及びもつれが低減する。結果として、カテーテルの損傷は回避され、医師は、干渉されることなくカテーテルを操作することができる。本明細書に記載される実施形態は、主に心臓カテーテルについて言及するが、開示される技術は、内視鏡などの様々な他の種類の医療用プローブと共に使用することができる。
【0017】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、心臓カテーテルを使用する磁気位置追跡に関するシステム20の概略描写図である。システム20は、例えば、Biosense−Webster Inc.(Diamond Bar,California)製造の、CARTO(商標)システムに基づくことができる。システム20では、医師24(又は、他の操作者)が、カテーテル28(又は、他のプローブ)を患者30の身体内に挿入する。カテーテル28は、医師によって取り扱われる近位端、及び患者の身体を通って誘導操作される遠位端36を有する。カテーテル28は、ケーブル32を使用して、制御コンソール44に接続される。本明細書に記載される実施形態では、カテーテル28は、患者の心臓内に挿入され、1つ又は2つ以上の心腔の、電気生理学的マッピングを創出するのに使用される。あるいは、カテーテル28は、心臓内又は他の身体器官内で、他の治療目的及び/又は診断目的のために、必要な変更を加えて使用してもよい。
【0018】
コンソール44は、磁気位置検知を使用して、心臓内部の遠位端36の位置座標を決定する。位置座標を決定するために、コンソール44内の駆動回路が、磁界発生器40を駆動して、患者30の身体内部に磁場を生成する。典型的には、磁界発生器40は、患者胴体の下方の既知の位置に設置されるコイルを含む。カテーテル28の遠位端36内部の磁気位置センサー(下記の図2で詳細に示す)が、これらの磁場に反応して電気信号を生成する。コンソール44内のプロセッサ48が、典型的には場所及び配向の座標を含む、遠位端36の位置座標を決定するために、これらの信号を処理する。この種の磁気位置追跡方法は、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に詳細に記載され、これらの開示は全て、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
カテーテル28から受け取った信号に基づいて、プロセッサ44は、ディスプレイ52を駆動して、心臓の電気生理学的活動のマップを医師24に提示し、また、患者身体内での遠位端36の位置に関する視覚的フィードバック、並びに進行中の処置に関する状況情報及びガイダンスを提供する。
【0020】
プロセッサ48は、典型的には、カテーテル28から信号を受け取り、コンソール44の他の構成要素を制御するための、適切なフロントエンド回路及びインターフェイス回路を備える、汎用コンピュータを含む。プロセッサ48は、本明細書に記載される機能を実行するように、ソフトウェアでプログラムすることができる。そのソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサ48にダウンロードしてもよく、あるいは、光学的、磁気的、又は電子的記憶メディアなどの、非一過性の有形のメディア上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ48の一部又は全ての機能を、専用の又はプログラム可能な、デジタルハードウェア構成要素によって実行してもよい。
【0021】
カテーテルのねじれ及びもつれの、探知並びに防止
医療処置を遂行する際に、医師24は、例えば、カテーテル先端部の視野角若しくは屈曲方向を調整するために、又は心臓若しくは血管系内の特定の経路に沿って誘導操作するために、カテーテル28を、その長手方向軸線を中心として回転させる場合がある。ほとんどの場合、時計回り又は反時計回りの回転のいずれかを適用して、同一の結果を達成することができる。しかしながら、実際には、例えば習慣又は利便性のために、医師は、カテーテルを同一方向(時計回り又は反時計回り)に繰り返し回転させる傾向がある。
【0022】
カテーテル28の同一方向での過度の回転によって、カテーテル28及び/又はケーブル32が、ねじれてもつれる場合がある。この種のねじれ及びもつれは、カテーテルの操作を困難なものにさせ、場合によっては、カテーテル又はケーブルに損傷を与える恐れがある。本発明の一部の実施形態では、システム20は、カテーテル28の特定方向における過度の回転を探知するための手段、及び探知した過度の回転を医師24に通知するための手段を含む。
【0023】
一部の実施形態では、プロセッサ48は、医師によってカテーテルに適用された累積回転角を測定し、その測定した累積回転角の指標を医師に提示する。この指標を使用して、医師は、カテーテルが過度に回転した場合に警告を受けることができ、その後の反対方向での回転を実行することができる。用語「累積回転角」とは、カテーテルの長手方向軸線を中心として所定の方向(例えば、時計回り)で適用される、全体としての正味の回転を指す。例えば、2回の完全な時計回りの回転は、+720°の累積回転角と見なされる。2回の完全な反時計回りの回転は−720°の累積回転角と見なされる。完全な時計回りの回転に引き続いて、45°の反時計回りの回転を適用することにより、+315°の累積回転角が作り出される。時計回りの回転を正の角を使用して表し、反時計回りの回転を負の角を使用して表すという選択は任意であり、反対の表記法を使用することもできる。
【0024】
図2は本発明の一実施形態による、システム20の特定の要素の概略描写図である。図2は、カテーテル28、及びコンソール44の一部を詳細に示す。本実施形態では、ハンドル56が、カテーテル28の近位端に取り付けられる。このハンドルは、医師によってカテーテルを操作するために、具体的には、カテーテルをその軸線を中心として回転させるために使用される。コネクタ62は、カテーテル28をケーブル32に接続する。磁気位置センサー66が、上述のように、カテーテル28の遠位端36内に取り付けられることにより、遠位端の磁気位置追跡がシステム20によって実行される。一部の実施形態では、例えば磁気位置センサー又は加速度センサーであるセンサー64が、例えばハンドル56又はコネクタ62内に取り付けられて、カテーテルの近位端に結合される。
【0025】
一部の実施形態では、プロセッサ48は、医師がカテーテル28に適用する累積回転角を測定する。例示的な実施形態では、プロセッサ48は、遠位端内の磁気位置センサー66によって生成される信号に基づいて、累積回転角を測定する。この種の典型的な適用では、システム20は、上述の磁気位置追跡方法を使用して、遠位端36の場所及び配向の座標を測定する。具体的には、プロセッサ48は、センサー66によって生成される信号に基づいて、遠位端の配向を追跡し、カテーテルの累積回転角を算出する。
【0026】
代替的な実施形態では、プロセッサ48は、カテーテルの近位端内のセンサー64から信号を受け取り、それらの信号に基づいて、累積回転角を推定する。例示的な実施形態では、センサー64は加速度センサーを含む。この実施形態では、信号は、カテーテルの(本実施例ではハンドル56の)、その長手方向軸線を中心とする角加速度を示す。プロセッサ48は、カテーテルに適用された累積回転角を推定するために、それらの信号を処理する。一実施形態では、プロセッサは、測定した角加速度を積分してカテーテルの角速度を推定し、この角速度を積分して累積回転角を推定する。代替的な実施形態では、センサー64は、例えばセンサー66に類似したセンサーである、磁気位置センサーを含む。この実施形態では、システム20は、センサー66の追跡と同じように、センサー64の位置を測定し、追跡する。センサー64によって生成される信号を使用して、プロセッサ48は、カテーテルに適用された累積回転角を推定する。
【0027】
代替的な実施形態では、プロセッサ48は、2つ又は3つ以上のセンサーからの入力に基づいて、例えば、遠位端のセンサー66及び近位端のセンサー64の双方に基づいて、累積回転角を算出することができる。更に別の方法としては、プロセッサ48は、任意の他の適切なセンサーに基づき、任意の他の適切な方法を使用して、カテーテル28に適用された累積回転角を、測定するか又は推定することができる。開示される技術は、システム20のような磁気位置追跡システムでの使用に、一切限定されるものではないことに留意されたい。例えば、本明細書に記載される方法は、いずれの種類の位置追跡システムも有さずに、近位端の加速度センサーと共に使用することができる。
【0028】
典型的には、カテーテル内のセンサーによって生成される信号は、カテーテルの絶対回転角を示し、累積回転角を示さない信号を生成する。これらの信号に基づく累積回転角の計算は、プロセッサ48によって実行される。
【0029】
一部の実施形態では、プロセッサ48は、測定された累積回転角の指標を医師24に提示する。図2の例示的な実施形態では、プロセッサ48は、現在の累積回転角の値を示す英数字フィールド67を、ディスプレイ52上に表示する。あるいは、プロセッサ48は、任意の他の適切な英数字方式又は図式方式を使用して、現在の累積回転角の値を表示してもよい。
【0030】
一部の実施形態では、プロセッサ48は、累積回転角が既定の(正又は負の)閾値を超過した場合に、医師に警告を与える。この種の警告は、医師が、カテーテルを反対方向に回転させ始めるか、又は別の方法でカテーテルの過度の回転を回避させることを可能にする。プロセッサ48は、任意の適切な方法を使用して、例えば、特定のメッセージ又はアイコンをディスプレイ52上に表示するか、あるいは可聴警告を鳴らすことによって、医師に警告することができる。
【0031】
一部の実施形態では、プロセッサ48は、以後の回転に関して好適な回転方向を医師に通知する。換言すれば、プロセッサは、累積回転角を低減させる回転方向を医師に通知する。したがって、現在の累積回転角が正(時計回り)の場合には、プロセッサ48は、その後の回転を反時計回りの方式で実行することを医師に推奨することができ、逆もまた同様である。図2の実施例では、プロセッサ48は、推奨される回転方向を医師に指示する矢印68を表示する。あるいは、任意の他の適切な指示方法を使用することもできる。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態による、カテーテルのもつれを防ぐための方法を概略的に説明するフローチャートである。この方法は、カテーテル操作工程70で、医師24が、医療処置の一部として、カテーテル28を患者30の身体内で操作することから始まる。具体的には、医師は、カテーテルに回転を適用する。
【0033】
プロセッサ48が、角測定工程74で、処置の間にカテーテルに適用された累積回転角を測定する。上述のスキームなどの、任意の適切な測定方法及びセンサーを、使用することができる。プロセッサ48が、角提示工程78で、測定された累積回転角を医師に提示する。一部の実施形態では、プロセッサ48は、方向推奨工程82で、以後の回転に関して推奨される方向を指示する。
【0034】
プロセッサ48が、閾値確認工程86で、現在の累積回転角が、既定の最大閾値を超過しているか否かを確認する。現在の累積回転角が許容可能である場合には、本方法は、上記工程70にループして戻る。そうでない場合には、プロセッサ48が、警告工程90で、累積回転角が大き過ぎるという事実を医師に警告する。
【0035】
本明細書に記載される実施形態は、主にカテーテルのもつれに対処するが、本明細書に記載される方法及びシステムはまた、ワイヤーによって固定点に接続され、ユーザーによって回転される任意の他のデバイス(典型的には、手持ち式デバイス)のもつれを回避するためにも使用することができる。これらの方法及びシステムの用途は、医療用途(例えば、手術室用途)、工業用途、又は任意の他の適切な用途を含み得る。
【0036】
したがって、上述の実施形態は例示のために引用され、また本発明は、上記で具体的に示され記述されているものに限定されないことが、理解されるであろう。むしろ本発明の範囲には、上記の様々な特徴の組み合わせ及び一部の組み合わせの双方が含まれ、並びに、当業者が前述の説明を読むことによって見出だすであろう、先行技術では開示されていない変形及び修正も含まれる。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) 近位端及び遠位端を有する細長プローブの操作者が、前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記近位端に適用された累積回転角を自動的に測定することと、
前記累積回転角の指標を、前記操作者に提示することと、を含む、方法。
(2) 前記累積回転角を測定することが、前記プローブに結合するセンサーを使用して、前記累積回転角を検知することを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記センサーが磁気位置センサーを含み、前記累積回転角を測定することが、前記磁気位置センサーを使用して、1つ又は2つ以上の外部印加磁場を検知し、前記検知した磁場に対応して前記累積回転角を推定することを含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記センサーが加速度センサーを含み、前記累積回転角を測定することが、前記加速度センサーを使用して、前記プローブの長手方向軸線に対する角加速度を検知し、前記検知した角加速度に対応して前記累積回転角を推定することを含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記センサーが、前記プローブの前記近位端に結合される、実施態様2に記載の方法。
(6) 前記センサーが、前記プローブの前記遠位端に結合される、実施態様2に記載の方法。
(7) 前記指標を提示することが、前記累積回転角が既定の閾値を超過した場合に、前記操作者に警告を与えることを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記指標を提示することが、前記累積回転角を低減させる好適な回転方向を、前記操作者に指示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記指標を提示することが、前記累積回転角を、前記操作者に対して英数字で表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 近位端及び遠位端を有する細長プローブに接続され、操作者が前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記プローブの前記近位端に適用された累積回転角を測定するように構成されたプロセッサと、
前記累積回転角の指標を前記操作者に提示するように構成された出力デバイスと、を含む、装置。
【0038】
(11) 前記プロセッサが、前記プローブに結合されたセンサーから信号を受け取り、前記信号に基づいて前記累積回転角を算出することによって、前記累積回転角を測定するように構成される、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記センサーが、1つ又は2つ以上の外部印加磁場を検知し、前記検知した場に対応して前記信号を生成する磁気位置センサーを含む、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記センサーが、前記プローブの長手方向軸線に対する角加速度を検知し、前記検知した角加速度に対応して前記信号を生成する加速度センサーを含む、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記センサーが、前記プローブの前記近位端に結合される、実施態様11に記載の装置。
(15) 前記センサーが、前記プローブの前記遠位端に結合される、実施態様11に記載の装置。
(16) 前記出力デバイスが、前記累積回転角が既定の閾値を超過した場合に、前記操作者に警告を与えるように構成される、実施態様10に記載の装置。
(17) 前記出力デバイスが、前記累積回転角を低減させる好適な回転方向を、前記操作者に指示するように構成される、実施態様10に記載の装置。
(18) 前記出力デバイスが、前記累積回転角を、前記操作者に対して英数字で表示するように構成される、実施態様10に記載の装置。
(19) 近位端及び遠位端を有する細長プローブと共に動作する、コンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能なメディアを含み、前記命令は、コンピュータによって読み取られると、操作者が前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記プローブの前記近位端に適用された累積回転角を、前記コンピュータに測定させ、前記累積回転角の指標を前記操作者に提示させる、製品。
(20) 装置であって、
プローブであって、
遠位端及び近位端を有する細長本体と、
前記本体に結合されて、操作者によって前記近位端に適用された回転を示す信号を生成するように構成されたセンサーと、を含む、プローブ、及び
前記信号に対応して累積回転角を推定し、前記累積回転角の指標を前記操作者に提示するように構成されたプロセッサ、を含む、装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有する細長プローブの操作者が、前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記近位端に適用された累積回転角を自動的に測定することと、
前記累積回転角の指標を、前記操作者に提示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記累積回転角を測定することが、前記プローブに結合するセンサーを使用して、前記累積回転角を検知することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサーが磁気位置センサーを含み、前記累積回転角を測定することが、前記磁気位置センサーを使用して、1つ又は2つ以上の外部印加磁場を検知し、前記検知した磁場に対応して前記累積回転角を推定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサーが加速度センサーを含み、前記累積回転角を測定することが、前記加速度センサーを使用して、前記プローブの長手方向軸線に対する角加速度を検知し、前記検知した角加速度に対応して前記累積回転角を推定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記センサーが、前記プローブの前記近位端に結合される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーが、前記プローブの前記遠位端に結合される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記指標を提示することが、前記累積回転角が既定の閾値を超過した場合に、前記操作者に警告を与えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記指標を提示することが、前記累積回転角を低減させる好適な回転方向を、前記操作者に指示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記指標を提示することが、前記累積回転角を、前記操作者に対して英数字で表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
近位端及び遠位端を有する細長プローブに接続され、操作者が前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記プローブの前記近位端に適用された累積回転角を測定するように構成されたプロセッサと、
前記累積回転角の指標を前記操作者に提示するように構成された出力デバイスと、を含む、装置。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記プローブに結合されたセンサーから信号を受け取り、前記信号に基づいて前記累積回転角を算出することによって、前記累積回転角を測定するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記センサーが、1つ又は2つ以上の外部印加磁場を検知し、前記検知した場に対応して前記信号を生成する磁気位置センサーを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記センサーが、前記プローブの長手方向軸線に対する角加速度を検知し、前記検知した角加速度に対応して前記信号を生成する加速度センサーを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記センサーが、前記プローブの前記近位端に結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記センサーが、前記プローブの前記遠位端に結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記出力デバイスが、前記累積回転角が既定の閾値を超過した場合に、前記操作者に警告を与えるように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記出力デバイスが、前記累積回転角を低減させる好適な回転方向を、前記操作者に指示するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記出力デバイスが、前記累積回転角を、前記操作者に対して英数字で表示するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
近位端及び遠位端を有する細長プローブと共に動作する、コンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能なメディアを含み、前記命令は、コンピュータによって読み取られると、操作者が前記遠位端を患者の身体内部で移動させるために前記近位端を操作する間に、前記操作者によって前記プローブの前記近位端に適用された累積回転角を、前記コンピュータに測定させ、前記累積回転角の指標を前記操作者に提示させる、製品。
【請求項20】
装置であって、
プローブであって、
遠位端及び近位端を有する細長本体と、
前記本体に結合されて、操作者によって前記近位端に適用された回転を示す信号を生成するように構成されたセンサーと、を含む、プローブ、及び
前記信号に対応して累積回転角を推定し、前記累積回転角の指標を前記操作者に提示するように構成されたプロセッサ、を含む、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−35080(P2012−35080A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−170853(P2011−170853)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(511099630)バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
【住所又は居所原語表記】4 Hatnufa Street, Yokneam 20692, Israel
【Fターム(参考)】