説明

カバーおよび関連製品、ならびにそれらの製造

本発明は、2つ以上のストリップグループがあることによって特徴付けられるカバー、特にベッド用のカバーに関連し、各グループは2本以上のストリップを含む。これらのストリップグループは互いに対して異なる方向に配置され、特に織り合わされる。本発明はさらに、例えばクッションにおける、本構成原理のさらなる応用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の技術分野
本発明は、カバー、特にベッド用のカバー、寝袋、動物用毛布、旅行用および日常使いの毛布、並びに枕および衣料品に関する。
【背景技術】
【0002】
2.発明の背景
現在、従来技術から知られているカバーは、例えば目の詰まった木綿素材のケーシングによって特徴付けられ、また、フェザーおよび/またはダウンが詰められている。小さい合成繊維球が詰め物材として用いられるカバーも知られている。さらに、詰め物としての不織布の多少ボリュームのある層が織り外層とキルティングされる、いわゆるキルトカバーがある。また、特に南国では、例えばウールから作られ折畳まれてベッドシートにされる簡素なカバーがカバーとして用いられる。
【0003】
すべてのこれらのカバーの変形は、均一かつ連続的な外側ケーシングと外側境界面を共通して有する。
【0004】
EP1499221によるClimaBalance製品レンジによって、この基本的な設計原理から初めて脱却された。この革新的なカバーの構想は、明確な通気性を有するメッシュワークが各々張られた通気開口が多数あることによって特徴付けられる。しかし、これらは通気開口が開いていても弾性断熱材の一定のかつ連続的な層でもある。
【0005】
弾性断熱材の連続層を含む公知のカバー設計のこの特徴では、その下で寝る人の体型にある程度しか適応できない。さらに、特定の断熱効果を達成するために必要な詰め物の量は多く、満足のいくものではない。さらに従来技術のカバーの外観は常に軽視され、せいぜいキルティングの縫い目および畝の幾何学的配置によって決定される。上述したClimaBalanceカバー以外に、従来技術のカバーでは人体から出る熱および水分が十分に放散されない。
【0006】
上述した従来技術に関して、本発明の基礎を形成する目的は、例えば下に寝る人の体型に対する適応性を向上可能なカバーを提供することである。本発明の基礎となるさらなる目的は、詰め物の重量を減少する一方で同じ断熱効果を維持できる毛布を提供することである。さらに、本発明は、十分な温かさと水分放散を保証し、それによりカバーの下の睡眠者によって占められる空間の空気調節を与えるカバーを提供する目的に基づいている。さらに、本発明は、現行の従来技術とは明らかに異なる外観によって特徴付けられるカバーを提供することを目的とする。さらに、本発明は、病院で用いられる場合に実用的な使用における利点を提供するカバーを提供する目的に基づいている。最後に、本発明の基礎となる目的は、取扱いまたはクリーニングについての関連する欠点を有することなく本段落に記載した有利な特性のすべてを同程度に提供することである。
【0007】
さらに、本発明は、空気調節と、寝袋およびクッションの中またはそれらの上で寝る人の体型に対する適応性とが向上された寝袋およびクッションの提供に関する。
【0008】
さらに、本発明は、本発明による設計原理に基づき、かつ、本発明に不可欠である上述の有利な特性(外形適応、詰め物の重量の減少、空気調節、および魅力的な外観)を有する衣料品の提供に関する。
【0009】
加えて、本発明の基礎となる目的は上述した製品を製造する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0010】
3.発明の概要
上述した目的は、以下に示す請求項1に記載のカバーによって本発明に従って達成される。本発明では、少なくとも部分的に重なり合う個別のストリップからなる2つ以上のグループがあることによって、従来のカバーの連続的な表面から脱却された。
【0011】
本発明のカバーの好適な実施形態は、以下に示す請求項2から9および13から15に記載される。
【0012】
加えて、本発明は、寝袋および衣料品における本発明のカバーの使用に関する。このような使用は以下に示す請求項10および11に記載される。
【0013】
さらに、本発明は、以下に示す請求項12に記載の枕に関する。
【0014】
また、本発明は、対応して準備されるストリップと共に用いられて本発明のカバーを形成できるサポートフレーム構造に関する。これらのサポートフレームは、例えば請求項16に、ストリップは請求項17に記載される。
【0015】
本発明はさらに、以下に示す請求項18、19、および20において特徴付けられるように本発明のカバーを製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
4.図面の説明
【図1】図1は、本発明による層状構造を図示する。
【図2】図2は、本発明によるカバーの織られたバージョンを図示する。
【図3】図3は、従来設計の管状スリーブによって囲まれた本発明によるカバーの織られたバージョンを図示する。
【図4】図4は、幾つかの織りカバー領域が従来の管状カバー領域によって囲まれかつ互いに接続される、本発明によるカバーの代替実施形態を示す。
【図5】図5は、図2と類似するが固定点を有する本発明によるカバーの織られたバージョンを図示する。
【図6】図6は、横ストリップがその中に挿入される、実施形態Aによる、以下に説明するサポートフレーム構造を図示する。
【図7】図7は、実施形態B21による、以下に説明するサポートフレーム構造を図示し、図7aはサポートフレーム構造を平面図で示し、図7bは側面図で示す。
【図8】図8は、実施形態B22による、以下に説明するサポートフレーム構造を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
5.発明の詳細な説明
5.1 定義
本発明の文脈において、用語「ダウンプルーフ」とは、用いられるべき詰め物材用の問題のケーシング材が規格EN12132―2(Stumppテスト)に従って満たされるべき特性を有することを意味する。
【0018】
本発明の文脈において、用語「ファイバプルーフ」とは、用いられるべき詰め物材用の問題のケーシング材が規格EN12132−2(Stumppテスト)に従って満たされるべき特性を有することを意味する。
【0019】
「ケーシング」とは、例えばダウンである詰め物と直接的または間接的に接触する、詰め物を包むテキスタイル材を意味するものとして理解される。
【0020】
本発明の文脈において、「カバー」とは、人、動物、または素材を覆うまたは包むのに適した任意の製品を意味するものとして理解され、人用のカバーが好適な実施形態を構成している。
【0021】
本発明の文脈において、「クッション」とは、人、動物、または素材用のサポートとして柔らかい詰め物材が詰められた1つ以上のケーシングを含むあらゆる品物を意味するものとして理解される。この例としては、枕、シートクッション、医療用シートクッション、補助枕、犬用クッション、加熱パッド、または、壊れ易い素材の保存または運搬用の柔らかいサポート、ならびにベッドまたはマットレス上敷きが挙げられる。本発明は、人用の枕に関連することが好適である。
【0022】
「メッシュワーク」とは、通常、200 l/dm2・分(200Paの圧力における降下で測定される)〜1000 l/dm2・分(13Paの圧力における降下で測定される)、好適には250 l/dm2・分(200Pa)〜800 l/dm2・分(13Pa)、より好適には300 l/dm2・分(200Pa)〜600 l/dm2・分(13Pa)、さらにより好適には800 l/dm2・分(200Pa)〜100 l/dm2・分(13Pa)である高水準の通気性を有するテキスタイル布を意味するものとして理解される。このタイプのメッシュワークは、目の粗い組織の形態であってもよいが、織布、編布、細糸等から作られる孔の開いた平らな素材から構成されてもよい。これらは、特に透かし細工が施されたポリエステル編布である、例えば透かし細工を施した編布といった編布、または、菱形シャルムーズ若しくは透かし細工が施されたシャルムーズといったシャルムーズ製品の分野におけるテキスタイルである。織布の分野からは、カーゼまたはメッシュ布が適切なメッシュワークを構成する。さらに、切欠け孔、または、繊維強化プラスチック内の強化素材としても用いられる2軸または多軸型の層状構造における繊維を任意選択的に有する、特にサーモボンドスパン不織材である不織材といったテキスタイルオープンメジャード(open-measured)材もメッシュワークと考えられる。10〜40%、好適には15%〜30%の比率の孔、ポア、自由メッシュ空間等といった開口を有するメッシュワークの好都合な例を平面図またはファントム図として観察することができる。
【0023】
5.2 カバーの構造
本発明によるカバーは、2つ以上のストリップから各々なる2つ以上のグループが異なる方向に互いに対して配置され、ストリップグループは少なくとも部分的に互いに重なり合い、かつ、互いに対して固定される構造によって特徴付けられる。
【0024】
様々なストリップグループがあることによって、本発明によるカバーを用いて、高い度合いの外形適応性を達成できる。これは、ストリップの互いに対するある程度の移動可能性によってもたらされうる。しかし、本発明は必ずしもこの動作原理に縛られない。織りストリップの場合、ストリップの伸張した長さは、カバーの幅および長さより大きい。これは、織り合わされたストリップ(縫込み(working-in))の蛇行経路による。この追加の長さは伸張長さとして作用できるので、一層よい外形適応がもたらされる。より良好な外形適応が、ストリップの大部分の連続可能な固定(fixing)が端部にない場合、ストリップの開放端部によっても達成される。特に、開放端部は、例えばストリップのセルのパネル/パネルステッチングと関連して、長手および横方向において同程度に特に良好な外形適応をもたらす。
【0025】
さらに、少なくとも部分的に互いに重なり合う2つ以上のストリップグループがあることによって、空気の閉じ込めがもたらされる。この閉じ込められた空気によって、用いられる断熱材量を減少できる一方で、カバーの断熱効果は同じままとなる。
【0026】
例えば交差領域におけるストリップの開放端部といった本発明によるカバーの開放構造によって、カバーの下の睡眠者によって占められる空間と外部領域との間で、従来のカバーに比べて向上された空気交換、したがって、カバー下の睡眠者によって占められる空間内の小空気環境の向上が可能となる。
【0027】
ストリップを少なくとも部分的に互いに重ね合わせることにより、詰め物がずれることによってカバーの断熱特性が部分的にまたは完全に失われる危険性を減少する。さらには、カバーの厚さ全体にわたる詰め物の分布が達成される。
【0028】
1つの好適な実施形態では、少なくとも2つのストリップグループは互いに直角に配置される。しかし、互いに対して、例えば45〜135°、好適には60〜120°、より好適には80〜100°の角度範囲内の別の向きも想到可能である。
【0029】
一実施形態では、2つ以上のストリップグループは互いに重ね合わせることができ、したがって、いわゆる層構造を形成する。
【0030】
これに代わり、2つ以上のストリップグループは織り合わされてよく、それにより織布が形成される。基本的に組織のタイプに関しては制限はない。しかし、問題の組織のタイプが、ストリップの長さ、幅、および厚さに関して製造できるものであることを確実にしなければならない。特に平織および綾織、マット織(matt weave)等が好適である。
【0031】
ストリップは三つ編みのように編まれてもよい。本実施形態では、必ずしも2つの別個のストリップグループを与える必要はない。
【0032】
層状構造および多くの組織タイプでは、3つ以上のストリップグループを用いることが想到可能である。ここでは、すべてのストリップグループが互いに関連して異なる向きを有することが可能である(例えばA−B−C構造)。2つ以上のストリップグループが同じ向きを有するが、さらなるストリップグループに関連して互いに異なることも可能である。例えば2つのストリップグループは互いに平行に配置され、かつ、これらのストリップグループ間に直交するストリップグループによって織り合わされてもよい(A−B−A構造)。2、3、または4つのストリップグループを有する構造、また、特に2または3つのストリップグループを有する構造が好適である。
【0033】
二重カバーまたは四季対応型カバーの原理に従って、本発明によるカバーを2つ互いに分離不可能にまたは分離可能に接続することも可能である。
【0034】
1グループあたりのストリップ数は具体的には定義されない。1グループあたり少なくとも2本のストリップであり、また、1グループあたり例えば40本またはさらには80本のストリップといった非常に大きい数も含みうる。本発明の典型的な例示実施形態は、2〜10本のストリップ、具体的には4〜6本を含む。ストリップグループが互いに直角に配置される矩形カバーでは、カバーの長手方向に沿って4本のストリップ、および横方向に沿って6本のストリップを有する構造が特に好適である。
【0035】
本発明のさらなる実施形態では、ストリップから形成された領域が、従来タイプのカバーの領域と組み合わされてもよい。この実施形態の典型的なバージョンは、織りまたは層状のストリップ構造が連続的な従来のフレームによって囲まれるバージョンである。同様に多数のこれらのタイプの織りストリップ領域を従来のカバーに織り込んでもよい。特に、2〜20個、好適には2、3、4、5、6、7、および8個のこれらのタイプの領域を有するカバー、また、特に2、3、および4個のこれらのタイプのストリップ領域を有するカバーが、本発明に従っていると考えられる。これらの領域は任意の形状であってよいが、矩形およびダイアモンド形が好適である。本実施形態では、詰め物入り(filled)または空の(unfilled)ストリップおよびこれらの組み合わせを用いることができる。
【0036】
本発明のさらなる態様は、様々なストリップグループに対して異なる詰め物および/またはケーシング材および/または詰め物重量を用いる可能性に関する。したがって、例えば、ダウンが詰められたストリップグループに、第2の不織布ベースのキルトカバータイプのストリップグループを組み合わせて提供することも想到可能である。さらなる典型的な組み合わせの可能性としては、詰め物入りストリップグループと、例えばウール組織から作られたストリップである第2の空のストリップグループとの組み合わせが含まれる。さらに、本発明の構想において本発明によるカバーの外観を、異なる色がついたストリップを用いた3次元構造によって既に独特かつ興味深いが、さらに強調することも可能である。
【0037】
ストリップグループは、同じグループの隣接するストリップが互いに接触するかまたは任意の距離で離間されるように組み合わされて(例えば織られて)よい。隣接するストリップ間の距離は、各ストリップグループに対して選択することができ、また、ストリップグループ内で互いに独立して選択することができる。好適な距離は0〜100cmであり、より好適には0〜20cmであり、さらにより好適には0〜10cmであり、典型的には0.5〜5cmである。この距離によってもたらされる開口には、EP1499221に記載されるように1つ以上のメッシュワーク層が張られてもよい。
【0038】
本発明の1つの不可欠な態様は、2つのストリップグループの互いへの少なくとも部分的な固定(fixing)である。これにより、ストリップグループがバラバラになるおよび/または形状を失うことを防止できる。したがって、各ストリップは、少なくとも1つの固定によって、カバーの残りの部分に接続されるべきである。実用面から、各ストリップを、少なくともストリップの両端において隣接ストリップおよび/または上に若しくは下にあるストリップに固定することが望ましい。2つのストリップグループのストリップの各交差点または1つおきの交差点に少なくとも1つの固定が与えられる、広範囲に亘るストリップ固定は、安定性の観点から有利であることが分かっている。
【0039】
しかし、その一方で、ストリップの互いに関連して最小限の移動可能性を保証するために、各々のストリップグループの過度に集中した固定を考えることは回避すべきである。
【0040】
このようなタイプの、ストリップグループの互いへの緩いかつ部分的のみの固定によって、睡眠者の体型への適応のための本発明の適切性を特に強調できる。
【0041】
上述の固定は、ストリップをステッチングまたはキルティングすることによって実施できる。しかし、マジックテープ(登録商標)、スナップ、ジップファスナー、ダブルマッシュルームボタン等を用いた固定も考えられる。マジックテープ(登録商標)等を用いた解放可能な固定が選択される場合、カバーは、個々のストリップまたはストリップグループを最終消費者が別々に洗濯可能であるという格別な利点を提供する。
【0042】
既に述べたように、適切な固定点およびその密度を選択する際に、体型への良好な適応性を確実にすることが不可欠である。例えば魅力的な外観を得るために規則正しい固定が望まれる場合、1つの選択肢としては、互いに重なり合う2つのストリップグループを、各々、交差領域の隅点において互いに対して固定することである。しかし、他の固定点、線、または領域を用いること、および/または、固定点の密度を減少/増加することも可能である。例えば、図5に示す1交差点あたり4つの固定点のうち固定点を1つおきに省略することが考えられる。線が固定点として設けられる場合、2本のストリップの各交差点につき、4本以下の線が設けられることが好適であり、線の長さは、各々、問題の2本のストリップの平均幅の50%以下、好適には10〜40%である。領域が固定点として設けられる場合、2本のストリップの各交差点につき、4個以下の固定領域が設けられることが好適であり、領域の総面積は交差点の面積の20%以下、好適には1〜10%である。同様に、固定点の不規則な配置も、結果として生じる外観に関して容認可能であるならば、考えられる。
【0043】
本発明の代替の実施形態は、ストリップが少なくとも部分的に分離可能であり、後から最終消費者によって再び互いに接続かつ固定されるカバー構造に関する。これらの実施形態の利点は、個々のストリップを新しくする、または、異なる断熱効果、色等を有する代替ストリップと交換可能である点である。本発明の構想では、最終消費者が自身の要件および個人的嗜好に従ってカバーを組み立てることが可能でありかつそのように準備がされている。例えば、足用の領域と体用の領域の両方において特に強力な断熱効果が達成されるが、その他の領域ではそうならないカバーを組み立てることが考えられる。個々のストリップの特定の省略も可能である。
【0044】
本発明のこのタイプの第1実施形態Aでは、2つのストリップグループから形成されるカバーが提供され、2つのストリップグループのうちの一方(以下「第1のストリップグループ」)のストリップは互いに対して固定される。これらは「サポートフレーム」を形成し、この中に、もう一方の第2のストリップグループの「固定されていない(loose)」ストリップが、例えば平織のように縫い込まれてよい。本実施形態の構想では、第1のストリップグループのストリップが互いに平行に配置されかつ各々の隣接ストリップに対して一定の距離において固定されることが好適である。このような取り付けは永久的であることが好適である。このことは、例えばダーツによって実施される。隣接する取付けによって形成される空間が第2のストリップグループのストリップの幅に対応するように取付け点間の距離を選択することが、ここでの選択肢である。第1のストリップグループの取付け点間の距離を測定する際、約10%以下、より好適には約5%以下の小さい偏差しか認めないことが有利である。その一方で、このことは、第2のストリップグループのストリップが、これらのストリップが大幅に押し付けられるまたはしわくちゃにされ過ぎることなく導入されることを可能にする。その一方で、距離を適切に選択することによって、第2のストリップグループのストリップをずれないように固定できる。
【0045】
本実施形態の構想では、サポートフレームを形成する第1のグループのストリップは、カバーの長手方向および横方向の両方に配置できる。
【0046】
本発明のさらなる実施形態Bでは、カバーは、適切な方法で配置かつ固定される、固定されていないストリップの2つのグループによって形成される。
【0047】
本実施形態の第1のバージョンB1では、ストリップは分離可能に互いに直接固定される。このバージョンでは、ストリップの、特に互いに関連する固定点の相対位置を正確に指定し、それによりカバーが所望の形状を得ることを確実にすることが特に重要である。このことは、例えばスナップまたはマジックテープ(登録商標)接続要素といった複数の局所的に正確に指定された固定要素によって達成できる。
【0048】
本実施形態のより好適なバージョンB2では、ストリップのために与えられる配置は、追加のサポートフレームによって保証される。このサポートフレームは次の通りに実施できる。
【0049】
1つの可能性B21としては、二重バンドのグリッドを含むサポートフレームを提供することである。ここでは、二重バンドは、各々、互いに重なり合うように配置された2つの平行の個別のバンドによって形成される。二重バンドは、2つのグループに分けられ、1つのグループの二重バンドは長手方向において互いに平行に配置され、もう1つのグループの二重バンドは横方向に配置される。両グループの二重バンドは、各々、交差点において互いに固定される(すなわち、二重バンド内での固定と、互いに関連する2つの二重バンドの固定)。両寸法における二重バンド間の距離は、導入されるべき各々のストリップの幅に対応し、上段の要件がここで適用される。すなわち、10%未満の偏差が好適であり、また、5%未満の偏差がより好適である。二重バンドは包囲バンドによってさらに固定される。二重バンドの長さは、各々の寸法におけるカバーの長さおよび幅に対応する。バンド幅は最も重要なものではない。バンド幅は1〜6cmであってよい。バンドの好適な幅は2〜4cmである。さらに、サポートフレーム構造上に両ストリップグループのストリップに対して解放可能な固定を設けることがさらに好適である。これらの解放可能な固定は、各々のストリップの少なくとも両端にかつ包囲バンド上におよび/または二重バンドの両端に位置付けられることが有利である。ストリップ端をもう一方のストリップグループの最も外側のストリップに固定することも可能である。
【0050】
代替のサポートフレーム構造B22は、テキスタイル布、好適には織素材または不織素材のウェブによって形成されうる。テキスタイル布には長手および横方向におけるスロットが設けられ、スロットの幅は、導入されるべきストリップの幅に対応する。同様に、偏差を10%未満、より好適には5%未満に制限することが望ましい。20〜30g/m、好適には40〜200g/m、特に好適には60〜120g/mである低い単位面積質量をテキスタイル布に与えることも望ましい。1つの有利な素材は、Freudenberg Evolon KG社によって製造される商標名「Evolon」である不織布である。本実施形態の構想において、サポートフレーム構造上に両ストリップグループのストリップの解放可能な固定を設けることも望ましい。これらの解放可能な固定は、少なくとも、各々のストリップの両端にかつテキスタイル布の対応する縁領域上に位置付けられることが有利である。ストリップ端をもう一方のストリップグループの最も外側のストリップ上に固定することも可能である。
【0051】
サポートフレームB22に基本的に対応するが、スロット付きの織布がカバーの覆いの上部層を形成するサポートフレーム構造B23を提供することも可能である。
【0052】
本実施形態の第1のバージョンB1では、固定されていないストリップの2つのグループを互いに対して可能な限り正確にかつ頻繁に固定することが重要である。分離可能なストリップを有する実施形態の他のバージョンでは、カバーの内側領域において、さらなる固定が可能であるがこれは強制ではない。
【0053】
上述した実施形態AおよびB、並びに後者の変形の各々では、カバーの外縁に沿って固定されていないストリップを固定することが有利である。
【0054】
これらの固定は上述したように達成でき(ストリップの分離可能性を保証するためにキルティングは除く)、マジックテープ(登録商標)、スタッド、スナップ、ループ、適合するボタン孔を有するボタン、フック、および小穴が望ましい。
【0055】
これらの実施形態AおよびBの構想では、分離可能なストリップに関して、以下に説明するあらゆるストリップの形態を用いてよい。キルトされたカバー素材、ウール、綿、カシミア、およびラクダ毛から作られるストリップを用いることが望ましい。
【0056】
さらに、本発明の主題は、上述した実施形態Aのサポートフレーム構造、並びにサポートフレームB21、B22、およびB23、並びに上述した固定されていないストリップであり、これらのストリップは、しかしながら、適切な位置において、例えば問題の位置、特に縁にあるボタン孔、スナップ、またはバンドに嵌めることによる固定のために準備される。少なくともバージョンB1では、例えば第2のストリップグループの交差点においてさらなる固定が設けられる。
【0057】
本発明によるカバーの型は決められていない。典型的な実施形態は、カバーの通常寸法:135×200cmおよび155×220cmを有するが、例えば220×260cmの特殊寸法を有するカバーである。
【0058】
本発明によるカバーを永久ケーシング内に導入することが可能である。しかし、バージョンB23では、ケーシングはカバー構造に既に組み込まれているので、(さらなる)ケーシング内への導入は可能であるが賢明ではない。
【0059】
5.3 ストリップ
本発明に従って使用されるストリップは、詰め物が入れられたケーシングであっても、または、弾性テキスタイル素材から作られる空のストリップであってもよい。
【0060】
ストリップの長さは、通常、スパンされる領域の長さ(すなわち、カバーの長さか、または、カバー内の問題のストリップ領域の長さ)に一致させられる。織ったカバーでは、これは、ストリップは、ストリップの蛇行経路を保証するために、スパンされる領域より長いことを意味する。
【0061】
ストリップの幅は詳細には指定しない。本発明に従って用いるストリップは、通常、2〜80cmの幅を有し、5〜20cmの範囲に及び、特に10〜60cmが望ましい。より好適なのは20〜55cmの幅を有するストリップであり、非常に特に好適なのは30〜50cmの幅を有するストリップである。ストリップグループが互いに直角に配置される4×6のカバーの本発明による実施形態では、現在の確立されたカバー寸法について、36〜39cmの理想的なストリップ幅が、通常の型(135*200cm)を有するカバーに対して生成され、大型サイズのカバー(155*220cm)のストリップ幅に対しては40〜44の好適な範囲が生成される。
【0062】
個々のストリップにはさらにEP1499221による1つ以上の空気環境(climate)ゾーンが設けられてもよい。ストリップを交差すると、問題のストリップの空気環境ゾーンは互いに重なり合ってよい。
【0063】
本発明では、例えば各々の幅が互いに異なる様々なストリップグループを用いることも考えられる。
【0064】
5.4 ストリップケーシング
本発明の典型的な実施形態では、弾性素材から作られる上部および下部パネルを含むケーシングからなるストリップが用いられる。このケーシングは、例えばダウンおよび/またはフェザーである従来の詰め物を収容できる目の詰まった繊維およびダウンプルーフ綿組織(いわゆるティッキング)から作られるケーシングであってよい。詰め物のタイプに依存して、ケーシングに用いられる素材は様々であってよい。キルトカバーでは一般的であるように、不織詰め物の場合は例えばケーシング素材がダウンプルーフである必要はない。
【0065】
基本的に、あらゆる入手可能な色のあらゆるケーシング素材が考えられる。様々なストリップにおける様々な色の組み合わせも可能である。
【0066】
ケーシングの素材は、独国出願番号第102007001433.5号によるカシミア繊維または独国出願番号第102007010851.8号によるカポック繊維も含みうる。当然ながら、本発明の構想において適切な合成繊維の使用も考えられる。
【0067】
編布およびスパンボンド布も用いてよい。これらは、天然および/または合成繊維およびフィラメントから作られる。用いることが好適な天然繊維は綿である。合成繊維およびフィラメントは、例えばテレフタル酸ポリエチレン(PET)であるポリエステル、ポリプロピレン(PP)といったポリオレフィン、例えばCordura(R)であるポリアミド、または、Kevlar(R)、Nomex(R)、またはこれらの混合物といったポリアラミドから選択されることが好適である。セラミック素材を含む繊維の使用も、本発明の構想において可能である。適切な繊維は、例えばTrevira Bioactive(R)繊維である。或いは、DE20310279U1およびWO01/47383A1に記載されるように例えばFreudenberg Evolon KG社によって製造されているEvolon(R)である例えば不織布または超極細繊維フリースであるフィラメント組織を用いてもよい。これらの超極細繊維フリースは、その通気性および水蒸気透過性だけでなく、ダニ‐アレルゲン耐性によっても特徴付けられる。
【0068】
上述した素材の混合物も本発明の構想において用いてよい。
【0069】
本発明の構想では、ストリップ長および幅全体に亘って詰め物をより良好に固定するためにストリップケーシングを個別のセルに分割することがさらに好適である。ここではあらゆる従来の実施形態が可能であり、特にケーシングの上部および下部パネルの直接接続が可能である、または、いわゆるリブである分離壁をケーシングの上部および下部パネルの間に挿入することが可能である。ダウン、フェザー、繊維球等といったバルク素材を詰める場合、上部および下部パネルの接続点に詰め物用の開口が設けられる。
【0070】
当然ながら、本発明では、用いられるケーシング素材によって互いに異なる様々なストリップグループを用いることが考えられる。
【0071】
5.5 ストリップの詰め物
個々のストリップには、従来のカバーに用いられるあらゆる詰め物が入れられてよい。ここでは制限はない。フェザー、ダウン、例えばカポック繊維またはウールといった天然繊維および動物の毛、繊維球および繊維不織ウェブといった合成繊維、および、例えば天然ゴムであるラテックスから作られる詰め物が望ましい。適切な合成繊維は、ポリエステルおよび/またはポリアミドから作られてよい。中空繊維も、本発明の構想において有利に用いられうる。さらに、発泡体も詰め物材として用いることができる。ここでは、いわゆるポリウレタンスティック(すなわち、通常9〜40mm(好適には18〜20mm)の長さと、通常(4〜12mm)×(2〜6mm)、好適には(7〜9mm)×(3〜5mm)の断面を有し、以下「PUスティック」と呼ぶ小さいポリウレタンロッド)または発泡球を指定しうる。好適な発泡材は、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、および粘弾性ゴムによって形成される発泡体等である。好適な発泡体の単位体積当りの重量は、15〜55kg/mの範囲であり、PUスティックは、18〜24kg/mの単位体積当りの重量を有する素材から生成されることがより好適である。素材の圧縮硬度は、DIN53577に従って測定して1.0〜5.0kPaであることが好適である。1.0〜2.0kPaの圧縮硬度を有するPUスティック素材が好適である。さらなる好適な詰め物材は、発泡構造プレートである。どの寸法においても5〜50cm、より好適には10〜35cm、特に好適には10〜20cm辺りの小さいセグメントサイズを有する発泡構造プレートが好適である。詰め物材として好適なのは、ゲルクッションまたはゲル構造プレート(例えばハニカム構造)の形態で利用可能であるゲルである。発泡構造プレートおよびゲル構造プレートの組み合わせも可能である。スペルト小麦粒子およびサクランボの種といった天然素材を用いてもよい。後者の詰め物材(発泡体および天然素材)は、特にクッションにおける使用のためのオプションである。
【0072】
本発明の構想では、異なる詰め物重量および/または異なる詰め物材を有するストリップを組み合わせることもさらに可能である。このことは、1つのストリップグループにおいてまたはストリップグループ間の両方で可能である。
【0073】
5.6 空のストリップ
上述した詰め物が入れられたストリップに加えて、本発明の構想では、詰め物がされていない(unfilled)素材からのみなる1つ以上のストリップグループを設けることも可能である。これは、典型的には、例えば、織布、編布、不織布、メッシュワーク、シャルムーズ製品、2軸または多軸組織といったテキスタイル布であってよい。このテキスタイル布の典型的な例は、例えばカシミアウールから作られる織りおよび編みウール素材;織綿素材;市販されるキルトカバーの詰め物に用いられるような特にポリエステル、フリース素材、ロンバスシャルムーズまたは透かし細工が施されたシャルムーズ、ガーゼ、ボリュームのある不織布から作られる透かし細工が施された編布;任意選択的に切欠け孔を有するサーモボンドスパン不織素材;ポリアクリロニトリル繊維(PAN)でできている素材等である。これらの素材の混合物、例えばPANと綿の混合物を用いてもよい。原則的に制限はない。実際に、用いるストリップ素材は、柔らかさ、断熱特性、水分放散適性、価格、機器バリエーション、機能特徴等に関して必要に応じて選択できる。詰め物が入れられたストリップから形成されたさらなるストリップグループと組み合わせて空のストリップを用いることはオプションである。
【0074】
5.7 製造方法
本発明によるカバーは、次の通りに製造することができる。詰め物入りストリップを使用する場合、以下に方法aおよび方法bと特定される2つの代替の製造方法がある。
【0075】
方法aでは、個々のストリップが最初に詰め物が入れられ、その後、例えば既に詰め物が入れられたストリップをより合わせるまたは織り合わせることによって、互いに所望の空間向きにされる。最終ステップでは、ストリップグループは、例えばステッチングすること、互いへのボタン掛け、またはキルティングすることによって互いに対して固定される。したがって、方法aの方法ステップは、次の通りに特徴付けることができる。すなわち、
a1. 所望の数のストリップケーシングを提供すること
a2. 所望の詰め物でストリップケーシングを詰めること
a3. 所望の空間配置にストリップを互いに対して位置決めすること
a4. 互いに関連してストリップグループを固定すること。
【0076】
方法bは、方法ステップの順番が部分的に逆にされることにより特徴付けられる。ここでは、まず、第1のステップにおいて、互いに関連してストリップケーシングの空間向きが確立された後に初めて詰め物が個々のストリップ内に導入される。2つの代替の方法では、ストリップの固定は、詰め物をする前または詰め物をした後に行われてよい。方法bの方法ステップは次のようにまとめることができる。すなわち、
b1. 所望の数のストリップケーシングを提供すること
b2. 所望の空間配置にストリップケーシングを互いに対して位置決めすること
b3. 所望の詰め物材でストリップケーシングを詰めること
b4. 互いに関連してストリップを固定すること。
【0077】
上記方法の代替としては次の方法バージョンがある。すなわち、
b1. 所望の数のストリップケーシングを提供すること
b2. 所望の空間配置にストリップケーシングを互いに対して位置決めすること
b3’. 互いに関連してストリップを固定すること
b4’. 所望の詰め物材でストリップケーシングを詰めること。
【0078】
この代替の方法バージョンは望ましい。空のストリップが用いられる場合、当然ながら、ストリップを詰めるステップは省略される。この場合、次の方法が適用される。キルトカバータイプのストリップおよび/またはカバーの場合、次の方法cが望ましい。
c1. 所望の数の詰め物入りストリップを提供すること
c2. 所望の空間配置にストリップを互いに対して位置決めすること
c3. 互いに関連してストリップグループを固定すること。
【0079】
キルトカバータイプのストリップを、代替の詰め物入りストリップを組み合わせて用いる場合、方法cを、例えば順番(b1)−(c1)−(b2またはc2)−(b3’またはb3)−(b4’)によって上述した方法aおよびbのそれぞれと適切に組み合わされてよい。
【0080】
5.8 機器
本発明に従って用いられるストリップには、従来のカバーでも用いられているあらゆる機器が設けられてよい。これに関して制限はない。したがって、例えばストリップにセラミックを含有する繊維、Simtex繊維(金属を含有する繊維および/または金属によってコーティングされた繊維)、または炭素繊維を備えることが考えられる。詰め物は、独国出願第102006017338.4号に記載されるようにセラミックの小粒子でコーティングされてもよい。さらに、ストリップには計測プローブが付けられていてもよい。ストリップは、また、加熱グリッドが設けられていてもよい。ストリップに、抗菌性素材、芳香性素材、相変化素材、電磁振動を消散するための素材、照明および機能要素としての光ファイバ、および、当然ながら視覚的な装飾物が付けられてもよい。
【0081】
5.9 応用
本発明によるカバーの1つの利点は、詰め物入りストリップの球状構造と、ストリップが互いに重なり合うことによるデュオカバー効果とによって、詰め物重量に関連して著しく良好な断熱特性をカバーが有するという事実である。したがって、本発明のカバーは、カバー重量を減少し、および/または、必要に応じて断熱効果を向上させることを可能にする。それにより、良好な断熱効果があるにも関わらず、カバー下の睡眠者によって占められる空間において汗ばんでベトベトした感覚が生じない。カバーの開放的な織り構造によって、カバー下の睡眠者によって占められる空間と周囲領域との間で空気および水分の交換が可能となるからである。下で眠る人の体型へのカバーの優れた適応もさらに強調すべきである。この特性は、変形状態であっても曲げ応力のないカバーの構造によって達成される。ストリップのパネル/パネルステッチングによって、この効果をさらに強化することができる。
【0082】
本発明によるカバーの最も重要な実用的な応用は、ベッド用のカバーの分野にある。これは、一方で、個人的な最終消費者に関連するが、他方で、商業的な分野、例えばホテルや病院におけるカバーの使用にも関連する。病院では、特に、本発明によるカバーの開放的な構造は有利でありうる。本発明によるカバーは従来のカバーのように閉じられた表面を形成せず、個々のストリップ間に開口があり、それらによってIVラインまたは類似のラインを容易に導入できるからである。
【0083】
本発明によるカバーのさらなる応用は、例えばソファで使用するスナグル用毛布といったように家庭内および健康の分野において見出せる。この応用では、本発明によるカバーの人目を引くかつ魅力的な外観が特に有利である。
【0084】
本発明によるカバーのさらに可能な応用は、特に、良好な外形適応および/または呼吸活動が重要である場合に他の物体および/または生き物のカバーにおいて見出せる。この応用の典型例は、家具用のカバーおよび/または馬着である。
【0085】
さらに、本発明によるカバーは、寝袋に作られてもおよび/または寝袋として使用されてもよい。本発明による寝袋はスポーツ、キャンプ、および/または旅行における使用に適している。本発明による寝袋は屋外および屋内の使用のために提供されうるが、後者の形態が望ましい。寝袋では、ストリップに基づいた本発明による構造は使用時に際立った利点をもたらす。すなわち、より良好な外形適応、および、余剰な体熱および水分を散逸する向上された適切性によって、睡眠者の体を完全に包む寝袋の、特に高水準の快適さがもたらされる。さらに、必要な詰め物量を減少することによって、寝袋の運搬重量および荷造り量を減少することができる。好適には、寝袋の上面(カバー側)を本発明に従って形成すればよい。
【0086】
本発明による構想のさらに可能な応用は、詰め物入りまたは空のストリップのグループから衣料品を製造することである。例えば織り合わされたダウン詰め物入りストリップからダウンジャケットまたはダウンコートを製造することが考えられる。
【0087】
5.10 クッション
本発明のさらなる、特に不可欠な可能な応用はクッションにおける使用に関する。本発明によるカバーに関連して上述したように基本的に同じ設計原理、使用素材、および加工ステップをここで適用することができる。当然ながら、ここでは適応が必要となりうるクッションに固有の特性が考慮に入れられる。例えばクッションの型は、本発明によるカバーの型よりも小さい。典型的なクッション型は、40×40cm、40×80cm、80×80cmおよび他の寸法である。
【0088】
特定のクッションに固有の適応を詰め物に行うことができる。カバーに比べて、よりボリュームがありおよび/またはより剛性のある詰め物材を有する詰め物が、クッションの高められた支持効果を達成するためのオプションである。従来のクッションに用いられるあらゆる詰め物および素材、特に、ダウン、フェザー、繊維球、超極細繊維、スペルト小麦粒子、およびサクランボの種、並びにPUスティックおよび発泡体および/またはゲル構造プレートを本発明の構想内で用いることができる。
【0089】
1ストリップグループあたりのストリップ数は、本発明によるカバーと比較してより小さい型であることにより、少なくなる。典型的なストリップグループは約2〜6本のストリップ、好適には2〜4本のストリップを含む。
【0090】
睡眠者の下であっても有利な外形適応に加えて、本発明によるカバーの組み合わせにおいて、本発明によるクッションの使用は均一な外観を達成するために有利である。対応して、本発明は、追加的に、このようなタイプの均一な外観を有するカバーとクッションのセットに関連する。
【0091】
6.具体的な例示実施形態
図1は、層状構造を形成する2つのストリップグループがある本発明の一実施形態を示す。1つのストリップグループのストリップ(1)は、第2のストリップグループのストリップ(2)の上方に連続的に位置付けられている。図1では、2つのストリップグループが互いに直角に配置されている布の好適な一実施形態を示す。
【0092】
図2は、ストリップ(3)および(4)の2つのグループが織り合わされ、それにより布が形成される本発明のさらなる実施形態を示す。図2に示す実施形態では、織布は、ここでも互いに直角に配置されたストリップによって特徴付けられる。平織が示される。図2から、ストリップ(3)のグループのストリップは、ストリップ(4)のグループのストリップの上と下に交互に位置付けられることが容易に見て取れる。
【0093】
図3は、本発明のさらなる実施形態を示す。本実施形態では、互いに直角に配置されたストリップ(5)および(6)の2つのグループから作成され、従来タイプの詰め物入りスリーブ(7)によって縁取りされた織布が提供される。このスリーブの幅または織り領域の空気比(aerial proportion)は詳細には指定しないが、織り領域が全領域の少なくとも60%を占める場合、より好適には全領域の80%、特に90%を占める場合、本発明による利点は特に重要となる。さらに、本発明の構想では、スリーブの代わりにウール組織といった詰め物がされていない素材の縁取りを与えることも可能である。
【0094】
図4は、図3による実施形態とは、単一の織り領域が用いられる代わりに、多数の(本例示では4つの)織り領域(8、9、10、11)が縁取りに用いられ従来の詰め物入りスリーブ(12)に接続される点で異なる、本発明のさらなる実施形態を示す。当然ながら、1織り領域あたりのストリップ数は織り領域数が増加すれば少なくなり、したがって各個々の織り領域の面積も減少する。
【0095】
図5は、図2におけるような本発明によるカバーを示すが、固定点(13、明確さを上げるために、図5においてすべての固定点が参照番号によって特定されているわけではない)を配置するための可能性もさらに示す。
【0096】
本実施形態でも、従来の詰め物入りスリーブ(12)を、例えばウール組織といった詰め物がされていないテキスタイル布と置き換えることが考えられる。
【0097】
図6は、実施形態Aによるサポートフレーム構造を示す。このサポートフレーム構造は、第1のストリップグループのストリップ(4)によって形成され、各ストリップ(4)は、取付け点(13)によって各々の隣接ストリップ(4)に接続される。第2のストリップグループのストリップ(3)は、このサポートフレーム構造内に横に挿入される。第2のグループのストリップ(3)の、第1のグループのストリップ(4)との解放可能な固定を、例えばストリップ(3)の両端かつ任意選択的に交差点における中心領域(図6では明瞭とするために図示していない)に与えることが有利である。
【0098】
図7は、実施形態B21によるサポートフレーム構造を示す。本実施形態のサポートフレーム構造は、二重バンド(15、16)のグリッドによって形成される。ここでは、二重バンド(15および16)は、各々、互いに重なり合うように配置された2つの平行の個別のバンド(15aと15b、および、16aと16b)によって形成される。二重バンドは、2つのグループ(15、16)に分けられ、1つのグループ(15)の二重バンドは長手方向に互いに平行に配置され、もう1つのグループ(16)の二重バンドは横方向に配置される。両グループの二重バンドは、各々、交差点(17)において互いに固定される。両ストリップグループ(図7には図示せず)のストリップは、二重バンド15aおよび15bと二重バンド16aおよび16bによって形成される開口を通り導かれ、それらの位置で固定される。
【0099】
図8は、実施形態B22によるサポートフレーム構造を示す。これは、長手方向(20)におけるスロットと横方向(19)におけるスロットが設けられた布(18)である。2つのストリップグループ(図8には図示せず)のストリップは、スロット(19)および(20)を通り導かれ、それらの位置で固定される。
【0100】
上述した実施形態の各々において、図示したストリップグループの各々を詰め物入りの形態または詰め物が入れられていない形態で与えることが可能である。当然ながら、特に、小さい織り領域では、例えばポリエステル、ウール、および/または綿組織から形成されるより柔軟性のある、空のストリップが好適である。各々のストリップの幅を織り領域の全体のサイズに適応させることがさらに好適である。すなわち、小さい織り領域には細いストリップ、また、大きい織り領域には幅広のストリップが与えられることが好適である。通常、個々のストリップの幅は、織りまたは層状領域の各々の幅の約5〜50%、好適には10〜40%である。
【0101】
7.実施例
矩形にキルティングされ、135×200cmであり、1/1の平織りの形態で互いに関連して直角に配置される4本の長手方向ストリップおよび6本の横方向ストリップから形成される、4×6のカバー。
【0102】
ケーシング素材:
100%綿、平織、Gebr.Sanders GmbH&Co.KG社の織布品質、FB135
縦糸: 糸番手 Nm135、threads/cm:62
横糸: 糸番手 Nm135、threads/cm:59
総重量: 約90g/m
【0103】
ケーシング:
長手スリーブは、6個の同サイズのセルに分割され、各々、上部および下部パネルがパネル/パネルステッチングされる。横スリーブは4個の同サイズのセルに分割され、各々、上部および下部パネルがパネル/パネルステッチングされる。各々のセルの分離縫い目上には5cm幅の詰め物用の開口が考慮される。互いに関連したスリーブの固定は、図5による交差点のすべての隅において20mmの直径を有する円形キルティング縫い目によって実施された。
【0104】
平織でのスリーブの蛇行経路によって、いわゆる完成ケーシングのサイズ(詰め物無しの伸張されたスリーブの長さ)は、長手スリーブ:207cm、横スリーブ:139cmである。
【0105】
詰め物:
EN規格EN12934に従って100%の1級クラスのハンガリー産ガンのダウンを用い、1セルあたり8g、全部で48セルあるので384gの総詰め物。
【0106】
カバーは、方法バージョンb1〜b4’に従って製造された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のストリップグループを有するカバー、特にベッド用のカバーであって、
各グループは2本以上のストリップを含み、
少なくとも2つのストリップグループは互いに対して異なる方向に配置され、
前記少なくとも2つのストリップグループは少なくとも部分的に重なり合って配置され、
前記2つ以上のストリップグループは互いに対して固定される、カバー。
【請求項2】
少なくとも1つのストリップグループが、ティッキング素材で作られ、かつフェザーおよび/またはダウン、天然繊維、合成繊維、および発泡粒子から選択される詰め物が入れられたケーシングから製造される、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記2つ以上のストリップグループは織り合わされる、請求項1または2に記載のカバー。
【請求項4】
前記ストリップの1本以上、および/または、前記ストリップグループの1つ以上は、空のストリップ、および好適には織りウール素材で構成される、請求項1から3の一項以上に記載のカバー。
【請求項5】
平織に編まれた2つのストリップグループが提供される、請求項1から4の一項以上に記載のカバー。
【請求項6】
前記カバーは、従来のカバー素材で作られた周囲縁が設けられる、請求項1から5の一項以上に記載のカバー。
【請求項7】
前記カバーは、従来のカバー素材によって互いから離される2つ以上の領域の存在によって形成され、前記領域は、請求項1に記載されるように、各々、2本以上のストリップからなる2つ以上のグループから形成される、請求項1から5の一項以上に記載のカバー。
【請求項8】
前記ストリップグループは、ステッチング、キルティング、マジックテープ(登録商標)、ボタン、ダブルマッシュルームヘッドボタン、またはスナップによって互いに対して固定される、先行する請求項1から7の一項以上に記載のカバー。
【請求項9】
前記2つ以上のストリップグループは、素材および/または幅に関して互いから異なる、先行する請求項1から8の一項以上に記載のカバー。
【請求項10】
先行する請求項1から9のいずれかに記載のカバーで作られた少なくとも1つの領域を有する寝袋。
【請求項11】
先行する請求項1から9の一項以上に記載のカバーで作られた少なくとも1つの領域を有する衣料品。
【請求項12】
先行する請求項1から9の一項以上の特徴を有するクッション。
【請求項13】
前記個々のストリップの1本以上は、メッシュワークが張られた1つ以上の通気開口が設けられ、前記各ストリップの前記空気環境ゾーンは好適には前記ストリップが互いを交差すると好適に重なり合って置かれる、先行する請求項1から9の一項以上に記載のカバー。
【請求項14】
前記ストリップまたはストリップグループの1つ以上は、メッシュワークで作られる、先行する請求項1から9の一項以上に記載のカバー。
【請求項15】
2つ以上の空のストリップが提供され、同じストリップグループの前記詰め物入りおよび空のストリップは、セクションで、交互に、またはブロックで配置される、先行する請求項4に記載のカバー。
【請求項16】
(a)平行に配置され、3つ以上の固定によって隣接ストリップに各々取り付けられる3本以上のストリップからなるグループと、
(b)互いとのおよび周囲バンドとの交差点において各々固定される2つの交差二重バンドグループと、
(c)長手および横方向に定期間隔にあるスロットが設けられたテキスタイル布と、
で構成されるサポートフレーム。
【請求項17】
さらなるストリップまたは請求項16に記載のサポートフレームを取り付けるための1つ以上のデバイスが設けられる、請求項2または4に記載のストリップ。
【請求項18】
請求項1から9の一項以上に記載のカバーを製造する方法であって、
a1. 所望の数のストリップケーシングを提供するステップと、
a2. 前記所望の詰め物で前記ストリップケーシングを詰めるステップと、
a3. 前記所望の空間配置に前記ストリップを互いに対して位置決めするステップと、
a4. 互いに関連して前記ストリップグループを固定するステップと、
または、
b1. 所望の数のストリップケーシングを提供するステップと、
b2. 前記所望の空間配置に前記ストリップケーシングを互いに対して位置決めするステップと、
b3. 前記所望の詰め物材で前記ストリップケーシングを詰めるステップと、
b4. 互いに関連して前記ストリップを固定するステップと、
または、
b1. 所望の数のストリップケーシングを提供するステップと、
b2. 前記所望の空間配置に前記ストリップケーシングを互いに対して位置決めするステップと、
b3’. 互いに関連して前記ストリップを固定するステップと、
b4’. 前記所望の詰め物材で前記ストリップケーシングを詰めるステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
ステップb1、b2、b3’、b4’、をこの順番で含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から9の一項以上に記載のカバーを製造する方法であって、キルトカバーに対応する構造および素材のストリップが用いられ、
c1. 所望の数の詰め物入りストリップを提供するステップと、
c2. 前記所望の空間配置に前記ストリップを互いに対して位置決めするステップと、
c3. 互いに関連して前記ストリップグループを固定するステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−529360(P2011−529360A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520525(P2011−520525)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059944
【国際公開番号】WO2010/012826
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(504078202)ザンデルス・ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】SANDERS GMBH
【Fターム(参考)】