説明

カバー付噴霧試験ミストノズル

【課題】噴霧分布の均一性を保ったまま噴霧発生量の調整ができ、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせが容易で、また空気ノズルの詰まりを防止でき、かつ高い歩留まりを実現できるノズルを提供すること。
【解決手段】噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルにおいて、金属製の空気ノズルと、前記空気ノズルを固着して保持する中空の空気ノズルホルダーと、金属製の液ノズルと、前記液ノズルを固着して保持する中空の液ノズルホルダーと、前記空気ノズルホルダーと前記液ノズルホルダーとを挿入して固着し保持するノズルホルダーと、前記空気ノズルと前記液ノズルとをカバーするノズルカバーとを有し、前記ノズルカバーが、前記液ノズルから噴霧される噴霧液の噴霧方向に開口を有する空洞を有し、前記ノズルホルダーに着脱可能に取付けてある構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧試験機に用いる噴霧用のノズル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
噴霧試験機は、試験槽内に噴霧ノズルを設け、該噴霧ノズルに圧搾空気を送り、NaClの5%水溶液などの腐食液を吸い上げて噴霧するもので、槽内に設置された試験片はこの噴霧粒子を受けて腐食が促進される。噴霧ノズルは、アトマイザーとも言われ、腐食液を吸い上げる液ノズル、空気を供給する空気ノズル、ノズル支持体等よりなるもので、圧搾空気を供給して腐食液を吸い上げ、霧状に噴霧する役割を担う。
【0003】
従来、噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルは、ガラス製の液ノズル及び空気ノズルを有する噴霧ノズルを円筒内に組み込んだ噴霧塔を有して構成されていた(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
【0004】
しかし、特許文献1記載のノズルは、ガラス加工は手作業のため、精度が悪く均一性に欠ける。特に空気ノズルはL字管のため、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせや角度調整が極めて困難である。また、ガラスのため割れやすい。したがって、ノズルは、合格率が50%と大変歩留まりが悪かった。
【0005】
また、噴霧発生量の調整が難しく、ノズル作製後は、噴霧発生量を変化させることができず、噴霧採取量の調整には、噴霧試験機の噴霧塔の噴霧量調整器を上下させて行う必要がある。しかし、噴霧塔上部の噴霧出口開口部の高さを上下させると、噴霧の流れの方向性が変化してしまい、噴霧分布を一定に保てない。
【0006】
また、空気ノズルに塩水が付着し、乾燥して結晶が発生し、ノズルが詰まり、割れてしまう。また、噴霧粒子の粒径分布が、約10〜50μmと広く、不均一である。
【0007】
本出願人は、様々な改良を試み、空気ノズルと液ノズルのそれぞれをブロック形のノズルホルダーに固定したノズルを開発し、ガラス細工特有の問題を解決して歩留まりを上げ、また噴霧粒子の粒径分布を10μmを中心とした5〜40μmの狭い分布とすることに成功した(例えば、特許文献2参照)。
【非特許文献1】JIS Z 2371 (1955年)
【特許文献1】実公昭53−21989号公報(第5図)
【特許文献2】実登3075448号公報(図3、0040段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2に記載の噴霧試験機のノズルは、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせが困難であるという問題があった。また、歩留まりは向上したものの合格率80%に留まるという問題があった。また、空気ノズルに塩水が付着し、乾燥して結晶が発生しノズルが詰まるという問題があった。
【0009】
また、液ノズルの上下移動のみで噴霧量を調整するため、調整が困難であるという問題があった。さらに、ノズル作製後は、噴霧発生量を変化させることができないという問題があった。したがって、上記特許文献2に記載の噴霧試験機では、噴霧採取量の調整には、噴霧試験機の噴霧塔の噴霧量調整器を上下させて行う必要がある。しかし、噴霧塔上部の噴霧出口開口部の高さを上下させると、噴霧の流れの方向性が変化してしまい、噴霧分布を一定に保てないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決し、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせが容易で、また空気ノズルの詰まりを防止でき、かつ高い歩留まりを実現できるノズルを提供することを目的とする。また、噴霧分布の均一性を保ったまま噴霧発生量の調整ができるノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルにおいて、金属製の空気ノズルと、前記空気ノズルを固着して保持する中空の空気ノズルホルダーと、金属製の液ノズルと、前記液ノズルを固着して保持する中空の液ノズルホルダーと、前記空気ノズルホルダーと前記液ノズルホルダーとを挿入して固着し保持するノズルホルダーと、前記空気ノズルと前記液ノズルとをカバーするノズルカバーとを有し、前記ノズルカバーが、前記液ノズルから噴霧される噴霧液の噴霧方向に開口を有する空洞を有し、前記ノズルホルダーに着脱可能に取付けてあることを特徴とするノズルを提供する。液ノズルと空気ノズルが、それぞれ、液ノズルホルダー、空気ノズルホルダーに固着されていて、これをノズルホルダーに挿入してあるので、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせが容易で、高い歩留まりを実現できる。また、空気ノズルと液ノズルとをカバーするノズルカバーを有するので、空気ノズルの詰まりを防止できる。
【0012】
また、前記空気ノズルホルダーが円筒状であり、前記空気ノズルホルダーが前記ノズルホルダー内に摺動可能に挿入して前記空気ノズルの高さ及び空気噴出方向を調整して固着してあることが好ましい。液ノズルの位置や高さにあわせ、空気ノズルの高さや、向きすなわち空気噴出方向を微調整できるので、極めて精度の高いノズルを実現できる。
【0013】
前記ノズルカバーが、前記ノズルホルダーの上部にスライド可能に取付けてあることが好ましい。前記ノズルホルダーが、噴霧発生量に応じた前記ノズルカバーとのスライド位置を表示する目盛を有することがより好ましい。ノズル作製後においても、ノズルカバーをスライドさせることで噴霧発生量を変化させることができるので、噴霧発生量の調整のために噴霧塔の噴霧量調整器を上下させる必要がなく、噴霧の流れの方向性を変化させるおそれがなく、したがって、噴霧分布の均一性を保ったまま噴霧発生量の調整ができる。
【0014】
噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルの製造方法において、金属製の空気ノズルを空気ノズルホルダーに固着するステップ、金属製の液ノズルを液ノズルホルダーに固着するステップ、前記液ノズルホルダーをノズルホルダーに挿入して固着させるステップ、その後に、前記空気ノズルホルダーを前記ノズルホルダーに挿入して、前記空気ノズルと前記液ノズルとの関係位置が所望の噴霧量及び噴霧方向となるように調節し固着するステップを含むことが好ましい。ガラス細工の必要もなく、組立時に液ノズルホルダーに対する空気ノズルホルダーの高さや向きを調整できるので、全ての部品が100%製品として使用でき、したがって、高い歩留まりを実現できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のノズルによれば、上述したように構成されているので、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせが容易で、また空気ノズルの詰まりを防止でき、かつ高い歩留まりを実現できる。また、噴霧分布の均一性を保ったまま噴霧発生量の調整ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のノズルについて、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1のノズルの構成図である。また、図2は、本発明の実施例1のノズルの正面図である。本発明の実施例1のノズルは、塩水等を始めとする腐食液を槽内に並べた試験片に噴霧して耐腐食性を試験する噴霧試験機に用いる噴霧用のカバー付噴霧試験ミストノズルであり、金属製の空気ノズルA2と、空気ノズルA2を固着して保持する中空の空気ノズルホルダー4と、金属製の液ノズルA3と、液ノズルA3を固着して保持する中空の液ノズルホルダー5と、空気ノズルホルダー4と液ノズルホルダー5とを挿入して固着し保持するノズルホルダーA1と、空気ノズルA2と液ノズルA3とをカバーするノズルカバー6とを有し、また、ノズルカバー6が、液ノズルA3から噴霧される噴霧液の噴霧方向に開口を有する空洞を有する。
【0018】
液ノズルホルダー5は、円筒状であり、内部の中空部分は液流路となっており、下部は、噴霧機本体の腐食液溜に接続されたパイプに繋いで腐食液を液流路に導き、上部に接続された液ノズルA3から噴出させる構成となっている。液ノズルA3は、液ノズルホルダー5の上面に直角に固着してある。
【0019】
空気ノズルホルダー4は、円筒状であり、内部の中空部分は空気流路となっており、下部は、噴霧機本体のコンプレッサーに接続されたパイプに繋いで圧縮空気を空気流路に導き、上部に接続された空気ノズルA2から噴出させる構成となっている。空気ノズルA2は、空気ノズルホルダー4の上部の側面に、円周方向に直角になるように、すなわち、半径方向に固着してある。
【0020】
本実施例は、まず、チタン製の細管で空気ノズルA2と液ノズルA3を製作し、口径を検査する。また、アクリル樹脂で空気ノズルホルダー4と液ノズルホルダー5とノズルホルダーA1とノズルカバー6と固定ビスA7とを製作する。全ての部品を洗浄してから、組立工程を行う。
【0021】
組立工程は、空気ノズルA2を空気ノズルホルダー4に固着するステップ、液ノズルA3を液ノズルホルダー5に固着するステップ、液ノズルホルダー5をノズルホルダーA1に挿入して固着させるステップ、その後に、空気ノズルホルダー4をノズルホルダーA1に挿入して、空気ノズルA2と液ノズルA3との関係位置が所望の噴霧量及び噴霧方向となるように調節し固着するステップからなる。
【0022】
液ノズルホルダー5をノズルホルダーA1に挿入して固着させるステップにおいて、液ノズルホルダー5は、ノズルホルダーA1内に摺動可能に挿入して、高さを決めて、固定ビスA7を螺合してノズルホルダーA1に固定し、接着剤で接着する。
【0023】
空気ノズルホルダー4をノズルホルダーA1に挿入して、空気ノズルA2と液ノズルA3との関係位置が所望の噴霧量及び噴霧方向となるように調節し固着するステップにおいては、まず、空気ノズルホルダー4は、ノズルホルダーA1内に摺動可能に挿入する。つぎに、ノズルホルダーA1内における空気ノズルホルダー4の高さを調整することで空気ノズルA2の高さを調整する。また、ノズルホルダーA1内における空気ノズルホルダー4の向きを調整し、すなわち円周方向に回転して空気ノズルA2の向きを調整する。調整後、固定ビスB8を螺合してノズルホルダーA1に固定し、接着剤で接着する。
【0024】
空気ノズルA2の高さと向きを調整することによって、空気噴出方向が調整される。空気噴出方向を調整することによって、空気ノズルA2と液ノズルA3との関係位置が調整される。
【0025】
ノズルを取付けた噴霧試験機で、噴霧塔から、槽内の各噴霧採取箇所における噴霧採取量(ml/80cm/h)が、試験条件に合致するように、噴霧量(ml/min)及び噴霧方向を調整する必要がある。本実施例においては、噴霧量及び噴霧方向の調整を、噴霧塔の噴霧量調整器を上下させて行うのではなく、空気ノズルホルダー4を1に挿入して、ノズルホルダーA1に挿入して固定した液ノズルホルダー5に固着された液ノズルA3の位置に合わせて、空気ノズルA2と液ノズルA3との関係位置が所望の噴霧量及び噴霧方向となるように、空気ノズルホルダー4の位置や向きを調節してから固着することによって行うことができる。
【0026】
ノズルカバー6に有する空洞は円柱状の空洞で、その円の中心が空気ノズルA2の先端部となる高さにある。空気ノズルA2から噴出される空気によって、液ノズルA3から噴出した腐食液は霧状に噴霧される噴霧液となる。ノズルカバー6に有する空洞は、噴霧液の噴霧方向に開口を有する。噴霧液は、空洞内で整流される。
【0027】
本実施例においては、噴霧液の噴霧方向と逆方向にも開口を有し、ノズルカバー6を噴霧方向にスライドさせて空気ノズルA2の先端部が空洞内から外れた場合にも、噴霧液は、空洞内で整流される。
【0028】
本実施例においては、ノズルカバー6が、ノズルホルダーA1の上部にスライド可能に接続されていて、ノズルホルダーA1が、噴霧発生量に応じたノズルカバー6とのスライド位置を表示する目盛9を有する。
【0029】
図3は、本発明の実施例1のノズルのスライド状態を示す図である。ノズルカバー6には、対応する矢印マークがあり、矢印マークを目盛9のどの位置に合わせるのかで、噴霧発生量を調整することができる。ノズルホルダーA1の上部には、ノズルカバー6をスライドさせる溝がついていて、噴霧方向にスライドさせることができる。
【0030】
本実施例のノズルは、塩水などの腐食液を試験片に噴霧して試験する噴霧試験機に用いる。ノズルは、噴霧塔内に設置され、噴霧塔下部の溶液溜から腐食液を吸い上げ、噴霧塔上部から試験槽内全体に腐食液を噴霧する。試験片には、たとえば、自動車や建築材等の金属材料やメッキ、塗膜、プラスチック等が挙げられる。試験機中央に噴霧塔を配し、槽内の試験片保持器に試験片を並べ、一定の条件で噴霧塔から腐食液を槽内全体に噴霧させ、一旦槽内の壁に噴霧を当てて、微粒の霧が試験片に降り注ぐようにして試験を行う。試験片に降り注ぐ噴霧液の量は腐食度合いに影響するため、槽内各所に設けた噴霧採取容器によって噴霧液を採取し、噴霧採取量を測定する。
【0031】
噴霧試験においては、噴霧採取量を変えて試験を行うことがある。その場合にも、従来のノズルでは、ノズルからの噴霧発生量を変えることはできず、噴霧塔の噴霧量調整器を上下させて噴霧採取量を調整していた。本実施例においては、ノズルからの噴霧発生量を、ノズルカバー6をノズルホルダーA1の上部でスライド移動させることで噴霧採取量を調整できる。
【0032】
図4は、比較例1のノズルの構成図である。比較例1は、従来のガラス細工によるノズルである。ノズルホルダーB10には、空気ノズルB11と液ノズルB12が、それぞれ、固定ビスD14、固定ビスC13によって固定されている。
【0033】
また、図5は、比較例2のノズルの構成図である。比較例2は、従来の、空気ノズルC16と液ノズルC17のそれぞれをブロック形のノズルホルダーC15に固定したノズルである。液ノズルC17は、固定ビスE18によってノズルホルダーC15に固定されている。
【0034】
表1は、比較例2と本実施例における噴霧発生量と消費塩水量、噴霧採取量との関係を示す。表において、「従来ノズル」の列は、比較例2での結果を示し、その下の3列は本実施例のノズルでの結果を示す。「カバー装着ナシ」の列は、ノズルカバー6をノズルホルダーA1から外した状態、「1」の列は、図1における目盛位置、すなわち、ノズルカバー6の矢印がノズルホルダーA1の目盛9の一番左である位置にある状態、「2」の列は、ノズルカバー6の矢印がノズルホルダーA1の目盛9の左から2番目である位置にある状態を示す。
【0035】
【表1】

【0036】
比較例2では、噴霧採取量を1.5ml/80cm/hにするためには、噴霧塔の上部開口部の調整を行わなければならない。しかし、上述のように噴霧の流れの方向も変化してしまうため、噴霧の流れを変化させずに噴霧採取量のみを調整することは非常に困難であった。噴霧の流れが変化すると、原則である噴霧の垂直落下が行われないことがあった。
【0037】
本実施例においては、表中の「1」の状態では、噴霧採取量が、規格等で求められている1.5ml/80cm/h±0.5の範囲内の最も理想とされる1.5ml/80cm/hとなり、表中の「カバー装着ナシ」の状態では、2.0ml/80cm/hとなった。また、噴霧採取量を減らした試験を行いたい場合には、「3」の状態、すなわち、ノズルカバー6を、ノズルカバー6の矢印がノズルホルダーA1の目盛9の左から3番目である位置になるようにスライドさせた状態にすることにより、噴霧採取量を1.0ml/80cm/hとすることができる。
【0038】
このように、本実施例によれば、ノズルカバーの装着及び目盛合わせによって、噴霧採取量の異なる試験にも対応することができる。また、本実施例によれば、噴霧の流れの方向性を変化させるおそれがなく、したがって、噴霧分布の均一性を保ったまま噴霧発生量の調整ができる。さらに、本実施例においては、目盛がついているので、極めて容易に調整が可能である。
【0039】
本実施例においては、ガラス細工の必要がない。また、組立時に液ノズルホルダーに対する空気ノズルホルダーの高さや向きを調整できるので、全ての部品が100%製品として使用でき、したがって、高い歩留まりを実現できる。
【0040】
本実施例においては、空気ノズルと液ノズルとをカバーするノズルカバーを有するので、空気ノズルと液ノズルの先端付近が高湿状態となり、空気ノズルに塩水等の腐食液が付着したとしても、乾燥することがないので、先端部分に塩の結晶が発生して生じる空気ノズルの詰まりを防止できる。また、空気ノズルと液ノズルがガラスではないので、割れる心配もない。
【0041】
空気ノズルA2がまっすぐな管(直管)であり、空気ノズルホルダー4の側面に直角に取り付けてあるので、空気ノズルA2の上下及び角度の微調整ができる。したがって、極めて精度の高いノズルを実現できる。また、本実施例においては、液ノズルホルダーと空気ノズルホルダーがともにノズルホルダーに挿入してあり、容易に空気ノズルA2と液ノズルA3との中心位置を合わせることができる。
【0042】
噴霧液は、空洞内で整流されるので、噴霧液の噴出する方向を一定方向に揃えることができる。また、噴霧の広がりを矯正してノズル噴霧分布を一定にできる。さらに、噴霧粒子の粒径分布は、従来のものが10〜50μmの範囲であったが、本発明は、10μmを中心としたより細かい粒子を含む5〜40μmの狭い範囲に分布することを実現できる。
【0043】
また、ノズルカバー6が、空気ノズルA2と液ノズルA3の先端部をカバーするので、空気ノズルA2と液ノズルA3の先端部が損傷することを防止でき、保護できる。
【0044】
本実施例は、精密加工機による切削加工で部品製作が可能であるので、部品精度が向上し、組み立て工数を減らすことができる。また、部品精度が高いので、均一性が高くなり、噴霧量の調整と、液ノズルと空気ノズルの中心位置合わせの調整とが容易となる。
【0045】
空気ノズルA2及び液ノズルA3は、本実施例では、チタン製であるが、溶液の耐食性によってステンレスや他の金属を選択して変更可能であるのでコストダウンが可能である。
【0046】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1のノズルの構成図である。
【図2】本発明の実施例1のノズルの正面図である。
【図3】本発明の実施例1のノズルのスライド状態を示す図である。
【図4】比較例1のノズルの構成図である。
【図5】比較例2のノズルの構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ノズルホルダーA
2 空気ノズルA
3 液ノズルA
4 空気ノズルホルダー
5 液ノズルホルダー
6 ノズルカバー
7 固定ビスA
8 固定ビスB
9 目盛
10 ノズルホルダーB
11 空気ノズルB
12 液ノズルB
13 固定ビスC
14 固定ビスD
15 ノズルホルダーC
16 空気ノズルC
17 液ノズルC
18 固定ビスE

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルにおいて、金属製の空気ノズルと、前記空気ノズルを固着して保持する中空の空気ノズルホルダーと、金属製の液ノズルと、前記液ノズルを固着して保持する中空の液ノズルホルダーと、前記空気ノズルホルダーと前記液ノズルホルダーとを挿入して固着し保持するノズルホルダーと、前記空気ノズルと前記液ノズルとをカバーするノズルカバーとを有し、前記ノズルカバーが、前記液ノズルから噴霧される噴霧液の噴霧方向に開口を有する空洞を有し、前記ノズルホルダーに着脱可能に取付けてあることを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記空気ノズルホルダーが円筒状であり、前記空気ノズルホルダーが前記ノズルホルダー内に摺動可能に挿入して前記空気ノズルの高さ及び空気噴出方向を調整して固着してあることを特徴とする請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記ノズルカバーが、前記ノズルホルダーの上部にスライド可能に取付けてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記ノズルホルダーが、噴霧発生量に応じた前記ノズルカバーとのスライド位置を表示する目盛を有することを特徴とする請求項3に記載のノズル。
【請求項5】
噴霧試験機に用いる噴霧用のノズルの製造方法において、金属製の空気ノズルを空気ノズルホルダーに固着するステップ、金属製の液ノズルを液ノズルホルダーに固着するステップ、前記液ノズルホルダーをノズルホルダーに挿入して固着させるステップ、その後に、前記空気ノズルホルダーを前記ノズルホルダーに挿入して、前記空気ノズルと前記液ノズルとの関係位置が所望の噴霧量及び噴霧方向となるように調節し固着するステップを含むことを特徴とするノズルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−279548(P2009−279548A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136099(P2008−136099)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【特許番号】特許第4318318号(P4318318)
【特許公報発行日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000107583)スガ試験機株式会社 (28)
【Fターム(参考)】