説明

カメラケース

【課題】本体部からレンズ部が突出するカメラを保護するものであって、デザイン性を高くすることのできるカメラケースを提供する。
【解決手段】本体部51に筒状のレンズ部52を有するカメラ50を収納自在なカメラ収納部1と、カメラ収納部1に取付けられる装飾部2と、カメラ収納部1から伸びる肩掛け部3とを有し、カメラ収納部1は、カメラ50の本体部51を収納する本体収納部10と、本体収納部10と連通しカメラ50のレンズ部52を収納するレンズ収納部11とを有し、レンズ収納部11は本体収納部10から突出自在とされ、装飾部2はカメラ収納部1のうちレンズ収納部11を有する側を覆うと共に、レンズ収納部11を露出させるリング状に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズを有するカメラを収納して肩から掛けることのできるカメラケースに関し、特にカメラを収納する部分の外側を装飾して意匠性を高くしたカメラケースに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを持ち歩く際に、カメラを傷付けたり落としたりすることを防止するため、これを収納できるカメラケースが広く用いられている。カメラケースは、カメラを収納できる硬質あるいは軟質の部材からなる収納部を有し、この収納部にさらにストラップなどが取付けられて、手で持ったり肩に掛けたりすることが可能となるように構成されている。このようなカメラケースとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−45160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカメラケースは、実用性が重視されており、一見してカメラを収納するケースであることが分かるようなデザインのものが多かった。しかし、最近では女性もカメラを持つ機会が多くなってきたことに伴い、デザイン性の高いカメラケースも求められるようになった。
【0005】
また、従来はコンパクトカメラが小型で気軽に撮影できるカメラで、一眼カメラが大型でより本格的な撮影を行うカメラとして棲み分けがなされていたが、最近、より小型でかつ本格的な撮影も行うことのできる一眼カメラも販売されている。コンパクトカメラでは、カメラの本体部からレンズ部が突出したものは少ないが、一眼カメラにおいては、カメラの本体部からレンズ部が突出しているため、カメラケースもそれに沿った形状とすることで、レンズ部を確実に保護できるようにしている。しかし、カメラケースを突出するレンズ部に沿う形状とすると、デザイン的な制約が大きく、女性に好まれるデザインとすることが困難であった。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、本体部からレンズ部が突出するカメラを保護するものであって、デザイン性を高くすることのできるカメラケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るカメラケースは、本体部に筒状のレンズ部を有するカメラを収納自在なカメラ収納部と、該カメラ収納部に取付けられる装飾部と、前記カメラ収納部から伸びる肩掛け部とを有するカメラケースであって、
前記カメラ収納部は、前記カメラの本体部を収納する本体収納部と、該本体収納部と連通し前記カメラのレンズ部を収納するレンズ収納部とを有し、該レンズ収納部は前記本体収納部から突出自在とされ、
前記装飾部は前記カメラ収納部のうち前記レンズ収納部を有する側を覆うと共に、前記レンズ収納部を露出させるリング状に形成されることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係るカメラケースは、前記カメラ収納部と装飾部は軟質材からなることを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係るカメラケースは、前記カメラ収納部はクッション性を有する布材からなることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係るカメラケースは、前記カメラ収納部は筒状に形成され、両側に開口を有することを特徴として構成されている。
【0011】
そして、本発明に係るカメラケースは、前記肩掛け部は前記カメラ収納部の一方の開口側に固定される第1の紐部と、前記カメラ収納部の他方の開口側に固定される第2の紐部とからなり、前記第1の紐部と第2の紐部は、それぞれ前記カメラに対して固定自在なカメラ固定部を有することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカメラケースによれば、カメラ収納部は、カメラの本体部を収納する本体収納部と、本体収納部と連通しカメラのレンズ部を収納するレンズ収納部とを有し、レンズ収納部は本体収納部から突出自在とされ、装飾部はカメラ収納部のうちレンズ収納部を有する側を覆うと共に、レンズ収納部を露出させるリング状に形成されることにより、レンズ部が突出したカメラをカメラ収納部に収納しつつ、カメラの形状を目立たせることなくデザイン性を高くすることができる。
【0013】
また、本発明に係るカメラケースによれば、カメラ収納部と装飾部は軟質材からなることにより、肩に掛けて持ち歩きしやすくすることができる。
【0014】
さらに、本発明に係るカメラケースによれば、カメラ収納部はクッション性を有する布材からなることにより、カメラに対する衝撃を吸収して確実に保護を図ることができる。
【0015】
さらにまた、本発明に係るカメラケースによれば、カメラ収納部は筒状に形成され、両側に開口を有することにより、カメラ収納部の構造を簡単にして、製造も容易にすることができる。
【0016】
そして、本発明に係るカメラケースによれば、肩掛け部はカメラ収納部の一方の開口側に固定される第1の紐部と、カメラ収納部の他方の開口側に固定される第2の紐部とからなり、第1の紐部と第2の紐部は、それぞれカメラに対して固定自在なカメラ固定部を有することにより、カメラを両吊り状として確実に保持すると共に、肩掛け部を肩に掛けた際に、装飾部を確実に露出させることができて、ファッション性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のカメラケースの使用時における斜視図である。
【図2】カメラケースの正面図である。
【図3】カメラケースを本体収納部の側方から見た側面図である。
【図4】カメラケースを本体収納部の正面側から見た側面図である。
【図5】図2のA−A端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態のカメラケースの使用時における斜視図を示している。この図では、カメラ50にカメラケースを装着しようとする状態を表している。カメラ50は、本体部51から筒状に突出するレンズ部52を有してなり、カメラケースはカメラ50の本体部51及びレンズ部52を収納できるように構成されている。
【0019】
カメラケースは、カメラ50を収納することのできるカメラ収納部1と、カメラ収納部1に取付けられてこれを装飾する装飾部2と、カメラ収納部1から伸びる肩掛け部3とからなっている。カメラ収納部1と装飾部2は、軟質部材である布材によって形成されており、特にカメラ収納部1は、衝撃を吸収してカメラ50を破損しないように、クッション性を有する布材によって形成されている。
【0020】
図2にはカメラケースの正面図を、図3にはカメラケースを本体収納部10の側方から見た側面図を、図4にはカメラケースを本体収納部10の正面側から見た側面図を、それぞれ示している。なお、これら各図では肩掛け部3を省略している。カメラ収納部1は、カメラ50の本体部51を収納する筒状の本体収納部10と、本体収納部10と連通しカメラ50のレンズ部52を収納するレンズ収納部11とを有して構成されている。
【0021】
本体収納部10は、筒状に形成されているから、両側にそれぞれ開口部12を有しており、カメラ50を出し入れ自在としている。レンズ収納部11は、本体収納部10の一方側の周面から大きく張り出すように形成されていることにより、本体収納部10から突出自在となっている。これにより、レンズ収納部11は、カメラ50の本体部51から突出するレンズ部52を収納することができる。
【0022】
装飾部2は、布材をリング状としてなり、表面に多数のヒダを設けて凹凸状とし、花びらを模したようなデザインを施されているものであり、カメラ収納部1のうちレンズ収納部11を有する側を覆うように設けられる。装飾部2のリング状により形成される中心の空間部には、カメラ収納部1のレンズ収納部11が配置され、露出する。これにより、レンズ収納部11を中心に装飾部2がリング状に配されることとなり、より花を模したデザインとすることができる。
【0023】
装飾部2は、筒状に形成された布材を、中間位置の絞り部30で絞って、その両側にそれぞれ多数のヒダを形成しつつ広げることにより、その形状を形成している。これにより、前面側に露出する前面部31は花びらを模したシュシュのような形状となり、後面側も凹凸が形成されつつカメラ収納部1を覆う覆い部32となる。
【0024】
肩掛け部3は、図1に示すように、カメラ収納部1の一方の開口部12付近に固定されて外部に向かって伸びる第1の紐部20と、カメラ収納部1の他方の開口部12付近に固定された外部に向かって伸びる第2の紐部21とからなっている。第1の紐部20は、先端側に根元側より細い先端紐部20aを備え、またその先端近傍には固定具20bが設けられている。先端紐部20aをカメラ50に設けられる固定部53に通し、折り返して固定具20bに固定することで、第1の紐部20をカメラ50に固定することができる。
【0025】
第2の紐部21も、先端側に根元側より細い先端紐部21aを備え、その先端近傍に固定具21bが設けられている。図1では、第1の紐部20をカメラ50に固定し、第2の紐部21はカメラ50にまだ固定していない状態を表している。第2の紐部21も、第1の紐部20と同様に先端紐部21aと固定具21bによってカメラ50に固定することができる。これにより、カメラ50は肩掛け部3によって両吊りの状態となり、カメラ50を安定的に保持することができる。
【0026】
図5には、カメラケースの端面図を示している。前述のように、カメラ収納部1はクッション性を有する布材によって形成されているので、若干の肉厚を有している。筒状の本体収納部10は、前述のように一面側が大きく張り出しており、これによってレンズ収納部11が形成されている。レンズ収納部11は、本体収納部10の内部と連通すると共に、カメラ50のレンズ部52を収納するのに十分な空間を形成する。
【0027】
本実施形態のカメラケースは、このようにカメラ収納部1にレンズ収納部11を突出自在に設け、レンズ収納部11を囲むように花びらを模したリング状の装飾部2を設けてなることにより、レンズ部52が突出したカメラ50をカメラ収納部1に収納しつつ、カメラ50の形状を目立たせることなくデザイン性を高くすることができる。
【0028】
このカメラケースを使用するには、まず、肩掛け部3を構成する第1の紐部20と第2の紐部21をそれぞれカメラ50に固定する。この状態で肩掛け部3を肩に掛けることにより、カメラ50から手を離した状態で、カメラ50を体に保持して携帯することができる。
【0029】
カメラ50を持ち歩く際には、カメラ50をカメラ収納部1内に納めておく。これによって、カメラ50を保護することができる。また、カメラ50を露出させずにシュシュのような形状のバッグを肩に掛けているように見えるため、ファッション性も高くすることができる。
【0030】
カメラ50を使用する際には、カメラ50をカメラ収納部1から取り出す。肩掛け部3は、第1の紐部20が短く、第2の紐部21が長く形成されているから、カメラ50を構えた際には、カメラ収納部1及び装飾部2が、一方の手元にぶら下がった状態となる。このとき、装飾部2が手首付近に位置して、手首にシュシュを装着しているように見えるから、より女性に受け入れられやすいデザイン性を実現していると言える。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。また、本実施形態では、カメラケースにはレンズ部52が突出するカメラ50を収納して使用するものとしたが、レンズ部が突出しないカメラを収納することも、もちろん可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 カメラ収納部
2 装飾部
3 肩掛け部
10 本体収納部
11 レンズ収納部
12 開口部
20 第1の紐部
20a 先端紐部
20b 固定具
21 第2の紐部
21a 先端紐部
21b 固定具
50 カメラ
51 本体部
52 レンズ部
53 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に筒状のレンズ部を有するカメラを収納自在なカメラ収納部と、該カメラ収納部に取付けられる装飾部と、前記カメラ収納部から伸びる肩掛け部とを有するカメラケースであって、
前記カメラ収納部は、前記カメラの本体部を収納する本体収納部と、該本体収納部と連通し前記カメラのレンズ部を収納するレンズ収納部とを有し、該レンズ収納部は前記本体収納部から突出自在とされ、
前記装飾部は前記カメラ収納部のうち前記レンズ収納部を有する側を覆うと共に、前記レンズ収納部を露出させるリング状に形成されることを特徴とするカメラケース。
【請求項2】
前記カメラ収納部と装飾部は軟質材からなることを特徴とする請求項1記載のカメラケース。
【請求項3】
前記カメラ収納部はクッション性を有する布材からなることを特徴とする請求項2記載のカメラケース。
【請求項4】
前記カメラ収納部は筒状に形成され、両側に開口を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラケース。
【請求項5】
前記肩掛け部は前記カメラ収納部の一方の開口側に固定される第1の紐部と、前記カメラ収納部の他方の開口側に固定される第2の紐部とからなり、前記第1の紐部と第2の紐部は、それぞれ前記カメラに対して固定自在なカメラ固定部を有することを特徴とする請求項4記載のカメラケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−102996(P2013−102996A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249454(P2011−249454)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390023191)ハクバ写真産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】