カメラ装置、制御方法、及び制御プログラム
【課題】供給電力が少ない場合でも、カメラ装置の機能ごとに、適切に電力を割り当てることができるカメラ装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】カメラ装置は、電力の供給形態を判定する(S1)。第一供給形態の際、外部電源モード処理(S80)を実行する。一方、第二供給形態の際、操作指示がプリセット指示である場合、プリセットモード処理(S40)が実行される。また、操作指示が手動指示である場合、手動操作モード処理(S60)が実行される。プリセット処理の場合、映像の取得を中止し、消費電力を抑え、各モータの駆動を高速にする。一方、手動操作モードの場合、映像の取得が必要であるので、各モータ駆動を低速にする。
【解決手段】カメラ装置は、電力の供給形態を判定する(S1)。第一供給形態の際、外部電源モード処理(S80)を実行する。一方、第二供給形態の際、操作指示がプリセット指示である場合、プリセットモード処理(S40)が実行される。また、操作指示が手動指示である場合、手動操作モード処理(S60)が実行される。プリセット処理の場合、映像の取得を中止し、消費電力を抑え、各モータの駆動を高速にする。一方、手動操作モードの場合、映像の取得が必要であるので、各モータ駆動を低速にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置、制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ会議端末に接続して使用するカメラ装置として、例えば被写体を撮像するカメラをパン方向及びチルト方向に移動可能に支持する機構と、ズーム調節機構を備えたパンチルトカメラ(以下、「PTZカメラ」という。)が知られている。PTZカメラは例えばUSBを介してテレビ会議端末やPCなどの制御装置から電力の供給を受けることができる。USBを介して電力が供給される場合、例えば、AC100Vのような外部電源から電力を供給される場合よりも、供給される電力は小さい。例えば、信号伝達手段を介して電力が供給される監視カメラが開示されている(例えば特許文献1参照)。この監視カメラでは、電力を消費する手段が3つのグループに分けられている。第1のグループの手段は、他のグループの手段に対して優先的に駆動し、第2のグループの手段は、第3のグループの手段に対して優先的に駆動する。特に映像出力は他の全ての手段に対して優先的に駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−140665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビ会議においてPTZカメラを使用する場合、PTZカメラに、USBを介してテレビ会議端末から電力を供給することがある。ところが、特許文献1の技術を、このPTZカメラに適用した場合、テレビ会議においては、例えば、PTZカメラの撮像方向を変える際、パン方向、チルト方向への移動や、ズーム、オートフォーカス(以下、「AF」という。)の調整の方が、映像出力よりも、重要となることがある。また、映像出力を最優先とした場合、映像出力に多くの電力が使用され、パン方向、チルト方向への移動や、ズーム、AFの調整が可能となるように電力が割り当てられないという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、供給される電力が少ない場合でも、カメラ装置の機能に、適切に電力を割り当てることができるカメラ装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るカメラ装置は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断手段と、前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また請求項2に係る発明のカメラ装置は、前記条件決定手段は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記撮像条件について、前記撮像手段によって撮像する画像の解像度又は単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くし、前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする。
【0008】
また請求項3に係る発明のカメラ装置は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記撮像条件について、少なくとも前記撮像手段が前記パン方向又は前記チルト方向に移動している間、前記撮像手段による撮像を中止し、前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする。
【0009】
また請求項4に係る発明のカメラ装置は、前記カメラ装置は、前記撮像手段のズームを調節するズーム調節機構を備え、前記手動指示は、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とし、更に前記ズーム調節機構を駆動させることによって前記ズームを調節可能とする指示であって、前記プリセット指示は、予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させ、更に予め設定された前記ズームの位置に前記ズーム調節機構を駆動させる指示であって、前記条件決定手段は、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件と、前記ズーム調節機構の駆動条件とをそれぞれ決定することを特徴とする。
【0010】
また請求項5に係る発明のカメラ装置は、前記条件決定手段は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値よりも遅くし、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値に決定することを特徴とする。
【0011】
また請求項6に係る発明のカメラ装置は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、前記カメラ装置に供給される電力の供給レベルが所定値よりも小さいか否かを判断する電力判断手段と、前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値以上であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値よりも小さいと判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また請求項7に係る発明の制御方法は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置によって行われる制御方法であって、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付工程と、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断工程と、前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行工程と、前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断工程と、前記指示判断工程における判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定工程と、前記条件決定工程において決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
また請求項8に係る発明の制御プログラムは、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置を機能させる制御プログラムであって、コンピュータに、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付ステップと、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断ステップと、前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行ステップと、前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断ステップと、前記指示判断ステップにおける判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定ステップと、前記条件決定ステップにおいて決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0015】
また請求項2に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示が手動指示であると判断した場合、カメラ装置は、撮像手段によって撮像する画像の解像度及び単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くする。また、カメラ装置は、撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、電力の供給形態が電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くする。電力の供給レベルに応じた撮像条件を撮像基準値よりも低くし、動作条件を動作基準値よりも遅くすることによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0016】
また請求項3に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示がプリセット指示であると判断した場合、少なくとも撮像装置がパン方向又はチルト方向に移動している間、カメラ装置は、撮像手段による撮像を中止する。また、カメラ装置は、撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にする。電力の供給レベルに応じた撮像条件を撮像基準値よりも低くすることによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0017】
また請求項4に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、ズームを調節するズーム調節機構を備えている。手動指示は、さらに、ズーム調節機構を駆動させる指示を含み、プリセット指示も同様に、さらに、ズーム調節機構を駆動させる指示を含んでいる。条件決定手段が、撮像条件、動作条件、及び駆動条件をそれぞれ決定することによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0018】
また請求項5に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示が手動指示であると判断した場合、カメラ装置は、ズーム調節機構を駆動させる駆動条件について、駆動速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される駆動基準値よりも遅くする。また、指示判断手段が、操作指示がプリセット指示であると判断した場合、カメラ装置は、駆動速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される駆動基準値に決定する。電力の供給レベルに応じた駆動条件を決定することによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0019】
また請求項6に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、電力の供給レベルが所定値よりも小さい場合、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0020】
また請求項7に係る発明の制御方法では、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0021】
また請求項8に係る発明の制御プログラムでは、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カメラシステム100の斜視図である。
【図2】カメラ装置1の正面図である。
【図3】図2に示すI−I線矢視方向断面図である。
【図4】カメラ装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】プリセットテーブル70の概念図である。
【図6】カメラ装置制御処理のフローチャートである。
【図7】外部電源モード処理のフローチャートである。
【図8】プリセットモード処理のフローチャートである。
【図9】手動操作モード処理のフローチャートである。
【図10】プリセット指示登録処理のフローチャートである。
【図11】カメラ装置制御処理の変形例1のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態であるカメラシステム100、及びカメラ装置1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本開示が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0024】
図1を参照し、カメラシステム100の構成について説明する。カメラシステム100は、テレビ会議端末2、及びカメラ装置1を備えている。テレビ会議端末2は、他拠点にあるテレビ会議端末2A(図4参照)とネットワーク65を介して画像と音声を送受信することにより、遠隔会議を実施できるものである。テレビ会議端末2、2Aは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)であるが、専用機であってもよい。
【0025】
図1に示すように、カメラ装置1はテレビ会議端末2に接続して使用される。カメラ装置1はテレビ会議端末2、又は外部電源から電力の供給を受けて駆動する。カメラ装置1はカメラ8をパン方向及びチルト方向に回転可能に支持する。カメラ8は自拠点にある撮像対象物を撮像する。カメラ装置1はカメラ8で撮像した画像データをテレビ会議端末2に出力する。テレビ会議端末2は、カメラ装置1から出力された画像データを、ネットワーク65を介して他のテレビ会議端末2Aに送信する。他のテレビ会議端末2Aは受信した画像データをディスプレイ(図示略)に表示する。他拠点のユーザは、自拠点においてカメラ装置1で取得された映像を見ながら自拠点のユーザと通話ができる。
【0026】
このカメラ装置1は、リモコン63(図4参照)、及びテレビ会議端末2からの操作が可能である。カメラ装置1は少なくとも二種類の操作指示で駆動可能である。プリセット指示と手動指示である。プリセット指示は、例えば、カメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率等について予め設定された位置、倍率等に一括制御する指示である。手動指示は、ユーザがディスプレイを見ながらカメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率等を自由に調節できる指示である。プリセット指示の具体例は後述する。ユーザはこれらの操作指示を適宜切り換えて使用できる。
【0027】
なお、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aを操作することにより、自拠点のカメラ装置1のプリセット指示、及び手動指示が可能である。また、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aに接続のリモコンを操作することにより、プリセット指示、及び手動指示が可能である。この場合、テレビ会議端末2Aは、ユーザの操作に基づき、ネットワーク65を介してテレビ会議端末2にカメラ制御信号を送信する。テレビ会議端末2はカメラ制御信号に基づき、カメラ装置1の動作を制御する。
【0028】
上記の通り、カメラ装置1は、第一供給形態又は第二供給形態によって、電力供給を受けることができる。第一供給形態は、外部電源から電力が供給される形態である。外部電源は例えばAC100V電源である。第二供給形態は、テレビ会議端末2とのUSB接続によって電力が供給される形態である。一般的に、第二供給形態は、第一供給形態に比べ、供給される電力は低い。
【0029】
そこで、本実施形態のカメラ装置1は、現在の電力供給形態が第一供給形態か第二供給形態か、さらに第二供給形態であれば、ユーザの操作指示がプリセット指示か手動指示かを判断する。それら判断結果に基づき、カメラ装置1の後述する各制御条件を決定する。各制御条件は供給される電力レベルに応じて予め設定されている。それ故、例えば第二供給形態のような電力の供給レベルが低い状況であっても、カメラ装置1の消費電力を節約しつつ、ユーザの操作指示の種類に応じて各種機能を不便なく使用できる。以下、上記効果を得る為のカメラ装置1の構成、制御方法等について詳細に説明する。
【0030】
先ず、カメラ装置1の全体構造について説明する。以下説明において、図1の右斜め下方、左斜め上方、右斜め上方、左斜め下方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の前方、後方、右方、左方、下方、上方とする。図2の紙面手前方向、紙面奥行き方向、右方、左方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の前方、後方、右方、左方、下方、上方とする。図3の紙面手前方向、紙面奥行き方向、右方、左方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の右方、左方、前方、後方、下方、上方とする。また、パン方向とは水平方向、チルト方向とは垂直方向を意味する。図1、図2、及び図3に示すように、カメラ装置1は、筐体3、回転台座4、支持枠7、固定枠6、カメラ8等を備えている。
【0031】
筐体3について説明する。筐体3は略直方体状である。筐体3は前壁3A、右側壁3B、左側壁3C、背壁3D、底壁3E、及び天壁3Fを備える。天壁3Fの略中央には穴部(図示略)が設けられている。天壁3Fの下面の右後方部には、パンモータ12が取り付けられている。パンモータ12の駆動軸12Aは天壁3Fに設けた貫通穴(図示略)を介して上方に突出している。左側壁3Cの後方下部にはUSB接続部13が設けられている。USB接続部13にはテレビ会議端末2に接続したUSBケーブル20の端子22が着脱可能に接続される。
【0032】
次に、回転台座4について説明する。回転台座4は略円柱状である。回転台座4は軸方向を上下方向に向けた状態で、その下部が筐体3の天壁3F上に配置されている。回転台座4の上端部の外周には径方向外側に突出するフランジ部5が設けられている。回転台座4の上面の略中央には上方に突出する回転軸5Bが設けられている。回転軸5Bには水平方向に延出する被係止部16が設けられている。被係止部16は平面視略長方形状の板部材である。被係止部16の長手方向の両端部は円弧状に形成されている。さらに、回転台座4の外周面と、パンモータ12の駆動軸12Aとの間には、無端ベルト14が架け渡されている。駆動軸12Aが回転すると、無端ベルト14によって回転台座4が回転する。
【0033】
次に、支持枠7について説明する。図2に示すように、支持枠7は正面視略U字状である。支持枠7は固定部7A、右側支持部7B、及び左側支持部7Cを備える。固定部7Aは平面視略長方形状の板部材である。固定部7Aの中央には位置決め穴部21が設けられている。位置決め穴部21は略円形状である。位置決め穴部21の内側には、回転台座4の被係止部16が挿入されている。被係止部16の長手方向の円弧状の両端部は、位置決め穴部21の内周面に当接している。位置決め穴部21の周囲には、固定部7Aを回転台座4の上端面に固定する為の4つの固定穴(図示略)が設けられている。これら固定穴にはビス15が各々締結されている。これにより支持枠7は回転台座4の上面に固定されている。
【0034】
右側支持部7B及び左側支持部7Cは、固定部7Aの互いに対向する両端部に略垂直上方に各々立設されている。左側支持部7C及び右側支持部7Bは側面視略長方形状の板部材である。左側支持部7Cの外面の略中央にはチルトモータ25が固定されている。チルトモータ25の駆動軸25Aは、左側支持部7Cに設けた貫通穴(図示略)を介して支持枠7の内側において略水平に突出している。駆動軸25Aの先端部にはギア28が設けられている。
【0035】
左側支持部7Cの上端部の略中央には下方に湾曲する略U字状の溝部23が設けられている。右側支持部7Bの上端部の略中央にも下方に湾曲する略U字状の溝部31が設けられている。左側支持部7Cの内面においてチルトモータ25の駆動軸25Aが貫通する貫通穴の上側にはガイド軸32が設けられている。ガイド軸32は略水平に延設し、後述するギア29に設けられたガイド穴29A(図3参照)に挿入されている。
【0036】
次に、固定枠6について説明する。固定枠6は略直方体の筒状である。固定枠6の内側にはカメラ8が挿入されて固定されている。固定枠6の左側壁6Aの外面には回転軸26が左方に突出して設けられている。固定枠6の右側壁6Bの外面には回転軸33が右方に突出して設けられている。回転軸26、33は互いに同軸上にある。固定枠6は支持枠7の内側に配置される。さらに回転軸26、33の各先端側は、支持枠7の左側支持部7C及び右側支持部7Bに各々設けられた溝部23、31に各々軸支されている。
【0037】
回転軸26における左側支持部7Cと固定枠6との間の部分にはギア29が設けられている。ギア29はギア28と噛合する。図3に示すように、ギア29には軸中心を囲むように円弧状のガイド穴29Aが設けられている。ガイド穴29Aには、左側支持部7Cの内面に設けられたガイド軸32が挿入されている。ガイド軸32はギア29の回動範囲を制限する。
【0038】
次に、カメラ8について説明する。カメラ8は固定枠6の内側に固定される。カメラ8が固定枠6に固定された状態では、レンズ9は固定枠6の前方を向くようになっている。
【0039】
次に、カメラ8のパン方向の回転動作について説明する。パンモータ12が回転すると駆動軸12Aが回転する。駆動軸12Aが回転すると、無端ベルト14により回転台座4が回転する。回転台座4が回転すると、回転台座4の上面に固定された支持枠7が回転する。支持枠7の内側に支持されている固定枠6がパン方向に回転する。固定枠6がパン方向に回転することにより、カメラ8がパン方向に回転する。カメラ8のパン角度は、パンモータ12の駆動軸12Aの回転角度に対応している。テレビ会議端末2は、駆動軸12Aの回転角度を制御することにより、カメラ8のパン角度を制御する。
【0040】
次に、カメラ8のチルト方向の回転動作について説明する。チルトモータ25が回転すると駆動軸25Aが回転する。駆動軸25Aが回転するとギア28が回転する。ギア28が回転するとギア29が回転する。ギア29が回転すると回転軸26が回転する。回転軸26が回転すると固定枠6がチルト方向に回転する。固定枠6がチルト方向に回転することにより、カメラ8がチルト方向に回転する。カメラ8がチルト方向に回転すると、ギア29に設けられたガイド穴29Aの範囲において、左側支持部7Cの内面に設けられたガイド軸32が移動する。これによりカメラ8のチルト角度が制限される。
【0041】
次に、図4を参照して、カメラ装置1の電気的構成について説明する。カメラ装置1は、CPU51、カメラセンサ52、信号処理部53、画像圧縮部54、USBコントローラ55、モータ制御部56、リモコン受信部57、ROM58A、RAM58B、フラッシュROM58C、電源制御部59、ズームモータ61、オートフォーカスモータ(以下、「AFモータ」という。)62、パンモータ12、及びチルトモータ25等を備えている。CPU51は、カメラ装置1の動作を制御する。カメラセンサ52、信号処理部53、画像圧縮部54、USBコントローラ55、モータ制御部56、リモコン受信部57、ROM58A、RAM58B、フラッシュROM58C、及び電源制御部59は、CPU51に電気的に接続されている。
【0042】
カメラセンサ52はカメラ8に搭載されている。カメラセンサ52はカメラ8に格納されたレンズ群(図示略)を通して被写体を撮像し、画像信号を生成する。信号処理部53はカメラセンサ52から出力された画像信号を処理して画像データに変換する。画像圧縮部54は、信号処理部で生成した画像データを圧縮する。USBコントローラ55は外部装置に接続する為のインタフェイスである。本実施形態の外部装置はテレビ会議端末2である。画像データはUSBコントローラ55からテレビ会議端末2を介して他拠点のテレビ会議端末2Aに送信される。
【0043】
モータ制御部56には、ズームモータ61、AFモータ62、パンモータ12、及びチルトモータ25が各々接続されている。モータ制御部56は各種モータの駆動を各々制御する。ズームモータ61は、レンズ群(図示略)中のズームレンズ(図示略)を移動させて、カメラ8により撮像される画像の拡大(ズームイン)・縮小(ズームアウト)を行う為のモータである。AFモータ62は、レンズ群(図示略)の中のフォーカスレンズ(図示略)を移動させて、焦点距離を調整する為のモータである。パンモータ12及びチルトモータ25は上述の通りである。
【0044】
リモコン受信部57は、リモコン63から発信される赤外線信号を受信する。ユーザは、リモコン63を操作してカメラ装置1を操作する。ROM58Aは、カメラ装置1を制御する為の各種プログラムを記憶する。RAM58Bは下記プログラムを実行中に算出される各種演算値等を一時的に記憶する。フラッシュROM58Cは後述するプリセットテーブル70(図5参照)、各種制御情報等を記憶する。電源制御部59は、カメラ装置1への電力の供給形態を制御する。例えば、AC100V電源による外部電源60からの電力の供給形態や、USBバスパワーによるテレビ会議端末2からの電力の供給形態など、カメラ装置1への電力供給形態について判断する。
【0045】
次に、図5を参照して、プリセットテーブル70について説明する。プリセットテーブル70には、プリセット番号に対して、パン設定値、チルト設定値、ズーム設定値等が各々記憶されている。パン設定値はカメラ8のパン角度の情報である。チルト設定値はカメラ8のチルト角度の情報である。ズーム設定値はカメラ8のズーム倍率の情報である。例えば、プリセット番号1のパン設定値には60度、チルト設定値には30度、ズーム設定値には5倍が記憶されている。プリセット番号2のパン設定値には30度、チルト設定値には−15度、ズーム設定値には3倍が記憶されている。プリセット番号3のパン角度には−30度、チルト設定値には0度、ズーム設定値には10倍が記憶されている。
【0046】
次に、カメラ装置1の原点検出処理について説明する。原点検出処理とは、チルトモータ25(図2参照)、パンモータ12、およびズームモータ61(図4参照)を駆動させる場合の原点回転位置を特定するために実行される処理である。例えばチルトモータ25の場合、ギア29(図3参照)が回転してガイド穴29A(図3参照)の端部にガイド軸32が接触した状態となった場合のチルトモータ25の回転位置が、原点回転位置に相当する。例えば図3に示す例では、カメラ8が水平方向を向いている状態を0度、水平方向に対して上側を+、水平方向に対して下側を−とした場合、カメラ8の角度が−45度及び+90度となった状態が、チルトモータ25の原点回転位置ということになる。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でチルトモータ25を回転させることによって、カメラ8がチルト方向における所望の方向を向くように調整することができる。
【0047】
同様に、例えばパンモータ12の場合、回転台座4(図3参照)が回転して突設部(図示外)が溝部(図示外)の端部に接触した状態となった場合のパンモータ12の回転位置が、原点回転位置に相当する。例えば、カメラ8が正面方向を向いている状態を0度、右側を+、左側を−とした場合、カメラ8の角度が−180度および+180度となった状態が、パンモータ12の原点回転位置ということになる。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でチルトモータ25を回転させることによって、カメラ8がパン方向における所望の方向を向くように調整することができる。
【0048】
同様に、例えばズームモータ61の場合、レンズ群中のズームレンズが拡大(ズームイン)側に最大限移動した状態、および縮小(ズームアウト)側に最大限移動した状態となった場合のズームモータ61の回転位置が、原点回転位置に相当する。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でズームモータ61を回転させることによって、所望の倍率で撮影されるように調整することができる。
【0049】
次に、プリセット指示、及び手動指示について説明する。上記の通り、ユーザは、カメラ装置1の操作指示について、プリセット指示、及び手動指示の何れかを選択できる。プリセット指示は、図5に示すプリセットテーブル70に基づき、ユーザがテレビ会議端末2、又はリモコン63において選択したプリセット番号に対応するパン設定値、チルト設定値、及びズーム設定値に従ってカメラ装置1を一括制御する指示である。手動指示は、例えばユーザがテレビ会議端末2、又はリモコン63を操作することにより、カメラ8のパン角度、チルト角度、ズーム倍率を適宜調節する指示である。また、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aを操作することにより、自拠点のカメラ装置1に対してプリセット指示又は手動指示が可能である。
【0050】
次に、カメラ装置1の制御条件について説明する。制御条件は、カメラ装置1の撮像条件、動作条件、駆動条件、及び補正条件を含む。撮像条件は、例えば、カメラ8により撮像される画像データの解像度、フレームレートである。解像度は、例えば、カメラ8により撮像される画像データの1インチ当たりの画素数である。フレームレートは、例えば、単位時間あたりのカメラ8により撮像される画像データのフレーム数である。
【0051】
動作条件は、例えば、パン速度、チルト速度である。パン速度は、例えば、パンモータ12を駆動して、カメラ8の撮像方向をパン方向へ移動させる時の速度である。チルト速度は、例えば、チルトモータ25を駆動して、カメラ8をチルト方向へ移動させる時の速度である。
【0052】
駆動条件は、例えば、ズーム速度、AF速度である。ズーム速度は、例えば、ズームモータ61を駆動して、レンズ群(図示略)のズームレンズ(図示略)の位置を調節し、カメラ8により撮像される画像の拡大や縮小を実行する時の速度である。AF速度は、例えば、AFモータ62を駆動して、レンズ群(図示略)のフォーカスレンズ(図示略)の位置を調整し、カメラ8により撮像される被写体の焦点距離を調整する時の速度である。
【0053】
補正条件は、画像圧縮処理、画像補正処理の各条件である。画像圧縮処理の条件は、例えば、H.264、及びMJPEG(Motion JPEG)などの圧縮形式である。H.264はMJPEGよりも圧縮率が高い。H.264はプロファイルとレベルで定義される。プロファイルは、例えば、ハイプロファイル(HP)、メインプロファイル(MP)、及びベースプロファイル(BP)などがある。カメラ装置1の消費電力は、例えば、ハイプロファイル(HP)、メインプロファイル(MP)、ベースプロファイル(BP)の順に小さくなる。レベルには、CPUの処理の負荷や使用メモリ量等を表すパラメータの上限が定められており、画面解像度やフレームレートの上限が決定される。プロファイル及びレベルに応じて、画像圧縮にかかる消費電力は変化する。他方、MJPEGは、それぞれのフレームをJPEG形式で圧縮、伸長し、連続してこれらを表示することで動画としている。MJPEGは、H.264と比べて、圧縮率は低いが、データの圧縮や展開が容易で、カメラ装置1の消費電力を低く抑えることができる。
【0054】
画像補正処理は、例えば、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理、色補正処理、輪郭補正処理等である。欠陥補正処理は、発生している黒欠陥や白欠陥を補正する処理である。シェーディング補正処理は、カメラ装置1の光学系や撮像系の特性による輝度のムラを補正し、画像を一様な明るさとなるように補正する処理である。ホワイトバランス処理は、カメラ装置1の分光特性を人間の視感度に合わせて補正する。色補正処理は、カメラ装置1のカラーフィルタが持つ分光特性の分離をよくして理想特性に近づける処理である。輪郭補正処理は、被写体の輪郭部分を強調した信号を生成して、本来の信号に重ねることで輪郭のシャープさを強調する処理である。
【0055】
これら画像補正処理の補正条件をまとめて設定する為に、補正モード0と補正モード1をフラッシュROM58Cに予め設定してある。補正モード0は、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理、色補正処理、及び輪郭補正処理のすべてを実行するモードである。補正モード1は、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理を実行し、色補正処理、輪郭補正処理を実行しないモードである。
【0056】
次に、図6を参照し、CPU51によって実行されるカメラ制御処理について説明する。本処理は、カメラ装置1の電源がオンされた時にCPU51が実行する処理である。なお、本処理は、第一供給形態か第二供給形態かによって制御動作が異なるので、各供給形態で実行される処理動作について順に説明する。
【0057】
[第一供給形態の場合]
まず、カメラ装置1の電力の供給形態が、第一供給形態か否か判断される(S1)。例えば、カメラ装置1の電源ケーブル(図示略)の端子が外部電源に接続されている場合、電力の供給形態は第一供給形態である。この場合(S1:YES)、外部電源モード処理が実行される(S20)。
【0058】
図7を参照して、外部電源モード処理について説明する。第一供給形態では、カメラ装置1の各機能を実行可能するために十分な電力が外部電源から供給されている。よって、カメラ8の撮像条件として、解像度は1080p、フレームレートは30fpsに各々設定される。これらは撮像基準値である。これにより、高解像度の動画を撮り続けることができる。さらに画像圧縮処理の補正条件として、画像圧縮方式はH.264(HP)に設定される。それ故、カメラ8で撮像した画像を高い圧縮率で処理できる。さらに画像補正処理の補正条件として、補正モード0が設定される(S21)。補正モード0は補正基準値である。補正モード0は上記の各補正処理を全て実行するので画質をさらに向上できる。外部電源モード処理で設定される各制御条件でカメラ装置1を動作させると、消費電力は大きくなるが、外部電源から電力が十分供給されているので、上記制御条件での動作が可能となる。
【0059】
次いで、カメラ8による映像の取得が開始される(S22)。カメラ8による映像取得は他機能に比べて消費電力を大きく消費するが、外部電源から電力が十分に供給されているので、安定した映像取得を継続して実行できる。ここで、ユーザが、例えばリモコン63等を操作して、カメラ8の撮影方向を変える場合がある。そこで、リモコン63等によるパン駆動の操作指示が有るか否か判断される(S23)。パン駆動の操作指示が有ると判断された場合(S23:YES)、高速パン駆動処理が開始される(S24)。高速パン駆動処理は、カメラ8をパン方向に高速で移動させる為に、パンモータ12を高速で回転させる処理である。高速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。例えば、ステッピングモータの場合は500Hz、DCモータの場合は60mAで駆動させる。高速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、動作基準値である。
【0060】
次いで、リモコン63等によるチルト駆動の操作指示が有るか否か判断される(S25)。チルト駆動の操作指示が有ると判断された場合(S25:YES)、高速チルト駆動処理が開始される(S26)。高速チルト駆動処理は、カメラ8をチルト方向に高速で移動させる為に、チルトモータ25を高速で回転させる処理である。高速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。高速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値も、動作基準値である。
【0061】
さらに、リモコン63等によるズーム駆動の操作指示が有るか否か判断される(S27)。ズーム駆動の操作指示が有ると判断された場合(S27:YES)、高速ズーム駆動処理が開始される(S28)。高速ズーム駆動処理は、カメラ8のズームを高速で調節する為に、ズームモータ61を高速で回転させる処理である。高速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。高速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、動作基準値である。
【0062】
なお、リモコン63等によって、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の各操作指示が重複した場合でも(S23:YES,S25:YES、S27:YES)、高速パン駆動処理、高速チルト駆動処理、高速ズーム駆動処理がそれぞれ実行される(S24、S26、S28)。外部電源から電力が十分に供給されているので、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動を同時に実行できる。また、パン指示が単独でなされた場合(S23:YES、S25:NO、S27:NO)、チルト指示が単独でなされた場合(S23:NO、S25:YES、S27:NO)、ズーム指示が単独でなされた場合(S23:NO、S25:NO、S27:YES)、対応する各駆動処理が各々実行される(S24、S26、S28)。
【0063】
次いで、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が停止しているか否か判断される(S29)。パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の何れかがまだ実行中である場合(S29:NO)、処理が図6のS10に移行され、カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオフされた場合(S10:YES)、処理が終了される。電源がオフされていない場合(S10:NO)、S1に戻って上記の処理が繰り返される。
【0064】
一方、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が停止していると判断された場合(S29:YES)、リモコン63等によって、プリセット指示を登録する操作指示が有るか否か判断される(S30)。ユーザは現在のカメラ8の撮影方向、ズーム倍率等を、プリセット登録しておきたい場合がある。この場合、ユーザは例えばリモコン63等を操作してプリセット指示の登録を行う。プリセット指示を登録する操作指示が有ると判断された場合(S30:YES)、プリセット登録処理が実行される(S31)。
【0065】
図10を参照して、プリセット登録処理(S31)について説明する。ユーザからの操作指示により、プリセットの登録番号が選択される(S81)。カメラ装置1のフラッシュROM58Cに記憶されたプリセットテーブル70において、選択されたプリセット登録番号に対応して、現在のカメラ装置1のパン設定値、チルト設定値、ズーム設定値が記憶される(S82)。例えば、プリセット番号5が選択された場合、プリセット番号5に対して、パン設定値は−20度、チルト設定値は60度、ズーム設定値は3倍がそれぞれ記憶される。これにより、ユーザは、次回からは、登録したプリセット番号5を選択すれば、自動的にその位置にカメラ8を移動させ、かつズーム倍率を3倍に調節できる。プリセット登録処理が終了し、図7のS32に処理が移行される。なお、プリセット指示を登録する操作指示が無い場合(S30:NO)、プリセット登録処理は実行せずに、そのままS32に処理が移行される。
【0066】
次いで、高速AF駆動処理が開始される(S32)。高速AF駆動処理は、レンズ群(図示略)の中のフォーカスレンズ(図示略)を移動させて、焦点距離を高速で調整する為に、AFモータ62を高速で回転させる処理である。高速AF駆動処理におけるAFモータ62の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。続いて、高速AF駆動処理が終了したか否か判断される(S33)。高速AFの駆動処理が終了するまでは(S33:NO)、S33に戻って待機状態となる。
【0067】
そして、高速AF駆動処理が終了したと判断された場合(S33:YES)、外部電源モード処理が終了し、処理が図6のS10に移行される。カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオフされた場合(S10:YES)、処理が終了される。電源がオフされていない場合(S10:NO)、S1に戻って上記の処理が繰り返される。
【0068】
[第二供給形態の場合]
第二供給形態は、テレビ会議端末2のUSBバスパワーにより電力の供給を受ける形態である。上記の通り、第二供給形態は、第一供給形態よりもカメラ装置1に供給できる電力は小さい。それ故、第一供給形態のときよりも消費電力を抑える必要がある。そこで、第二供給形態である場合(S1:NO)、先ず、リモコン63等によってプリセット指示が有るか否か判断される(S2)。プリセット指示があると判断された場合(S2:YES)、プリセットモード処理が実行される(S40)。
【0069】
プリセットモード処理について、図8を参照して説明する。はじめに、カメラ8による映像の取得が停止される(S41)。プリセット指示では、予め設定した位置にカメラ8を移動させるので、カメラ8の移動中において映像を取得しなくてもユーザは不便を感じない。それ故、カメラ8による映像の取得が停止されることで、消費電力を大幅に節約できる。次に、フラッシュROM58Cに記憶したプリセットテーブル70から、操作指示に対応するプリセット番号に割り当てられたパン設定値、チルト設定値、ズーム設定値が読み出される(S42)。
【0070】
次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、先ず、高速パン駆動処理が開始される(S43)。高速パン駆動処理が終了したか否か判断される(S44)。高速パン駆動処理が終了するまでは(S44:NO)、S44に戻って待機状態となる。高速パン駆動処理が終了したと判断された場合(S44:YES)、次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、高速チルト駆動処理が開始される(S45)。高速チルト駆動処理が終了したか否か判断される(S46)。高速チルト駆動処理が終了するまでは(S46:NO)、S46に戻って待機状態となる。高速チルト駆動処理が終了したと判断された場合(S46:YES)、次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、高速ズーム駆動処理が開始される(S47)。高速ズーム駆動処理が終了したか否か判断される(S48)。高速ズーム駆動処理が終了するまでは(S48:NO)、S48に戻って待機状態となる。高速ズーム駆動処理が終了したと判断された場合(S48:YES)、プリセットモード処理を終了する。
【0071】
このように、プリセットモード処理では、消費電力を節約する為に、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が同時に実行されないように、それぞれの駆動終了を待ってから各駆動を実行する。そして、上述の通り、プリセットモード処理中では、映像取得を停止して消費電力をさらに節約しているので、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を高速で実行できる。ユーザはカメラ8の撮影方向及びズーム倍率を、プリセットテーブル70に登録した撮影方向及びズーム倍率に高速で調節できる。続いて、処理が図6に示すS2に戻る。
【0072】
そして、プリセット指示がない場合(S2:NO)、続いて、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示があるか否か判断される(S3)。パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示は手動指示である。手動指示が有ると判断された場合(S3:YES)、手動操作モード処理が実行される(S60)。
【0073】
手動操作モード処理について、図9を参照して説明する。手動指示では、ユーザが画面を見ながらカメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率を調整するので、カメラ8により取得された映像を確認する必要がある。それ故、カメラ8による映像取得を停止しないで、カメラ装置1の消費電力を低減する必要がある。そこで、カメラ装置1の各制御条件について、解像度は720p、フレームレートは5fps、画像圧縮方式はMJPEG、補正モード1に各々設定される(S61)。
【0074】
解像度及びフレームレートは上記の撮影基準値よりも低い値である。それ故、カメラ8による撮像にかかる消費電力を低減できる。さらに画像圧縮方式はMJPEGであるので、H.264と比べて、圧縮率は低いが、データの圧縮や展開が容易で、カメラ装置1の消費電力を低減できる。さらに画像補正処理の補正条件として、補正モード1であるので、補正モード0に比べて実行する補正処理が少ないので、消費電力を低減しつつ必要最低限の画像補正を施すことができる。
【0075】
続いて、カメラ8による映像取得が開始される(S62)。そして、リモコン63等によるパン駆動の操作指示が有るか否か判断される(S63)。パン駆動の操作指示が有ると判断された場合(S63:YES)、低速パン駆動処理が開始される(S64)。低速パン駆動処理は、カメラ8をパン方向に低速で移動させる為に、パンモータ12を低速で回転させる処理である。低速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。例えば、ステッピングモータの場合は100Hz、DCモータの場合は10mAで駆動させる。
【0076】
次いで、パン駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S65)。パン駆動を終了する操作指示が有るまでは(S65:NO)、S65に戻って待機状態となる。パン駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S65:YES)、低速パン駆動処理を終了し(S66)、チルト駆動の操作指示が有るか否か判断される(S67)。チルト駆動の操作指示が有ると判断された場合(S67:YES)、低速チルト駆動処理が開始される(S68)。低速チルト駆動処理は、カメラ8をチルト方向に低速で移動させる為に、チルトモータ25を低速で回転させる処理である。低速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。
【0077】
次いで、チルト駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S69)。チルト駆動を終了する操作指示が有るまでは(S69:NO)、S69に戻って待機状態となる。チルト駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S69:YES)、低速チルト駆動処理を終了し(S70)、ズーム駆動の操作指示が有るか否か判断される(S71)。ズーム駆動の操作指示が有ると判断された場合(S71:YES)、低速ズーム駆動処理が開始される(S72)。低速ズーム駆動処理は、カメラ8のズームを低速で調節する為に、ズームモータ61を低速で回転させる処理である。低速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。
【0078】
次いで、ズーム駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S73)。パン駆動を終了する操作指示が有るまでは(S73:NO)、S73に戻って待機状態となる。ズーム駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S73:YES)、低速ズーム駆動処理を終了し(S74)、手動操作モード処理を終了する。なお、パン指示が単独でなされた場合(S63:YES、S67:NO、S71:NO)、チルト指示が単独でなされた場合(S63:NO、S67:YES、S71:NO)、ズーム指示が単独でなされた場合(S63:NO、S67:NO、S71:YES)、対応する各駆動処理が各々実行される(S64、S68、S72)。そして、処理が図6のS3に移行される。
【0079】
このように、手動操作モード処理では、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を低速で実行する。さらに、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が同時に実行されないように、それぞれの駆動終了を待ってから各駆動を実行する。それ故、カメラ8による映像を取得しながらでも消費電力を効果的に節約できる。
【0080】
続いて、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示が無い場合、(S3:NO)、プリセット指示の登録があるか否か判断される(S4)。プリセット指示の登録があると判断された場合(S4:YES)、プリセット登録処理(S80)が実行される。プリセット登録処理の処理内容は、図10に示すプリセット登録処理と同じである。プリセット登録処理が終了すると、処理がS5に移行される。なおプリセット指示の登録は無いと判断された場合(S4:NO)、何もせずに、処理がS5に移行される。
【0081】
そして、カメラ装置1の制御条件について、撮像の解像度は720p、フレームレートは5fps、画像圧縮処理はMJPEG、補正モード1にそれぞれ設定される(S5)。さらに、カメラ8による映像取得が開始される(S6)。低速AF駆動処理が開始される(S7)。撮像対象物に対してカメラ8のレンズの焦点が低速で調節される。これによりカメラ装置1の消費電力を低減できる。
【0082】
低速AF駆動処理が終了したか否か判断される(S8)。低速AF駆動処理が終了したと判断された場合(S8:YES)、カメラ装置1のパンモータ12、チルトモータ25、ズームモータ61、AFモータ62は全て停止している。即ち、これら各モータで消費していた電力を利用できるので、カメラ装置1の制御条件について、解像度は1080p、フレームレートは30fps、画像圧縮処理はH.264(HP)、補正モード0に設定される(S9)。これにより、図7に示す外部電源モード処理と同じ制御条件にすることができるので、カメラ装置1の各モータが駆動していない間は、外部電源モード処理と同様に高画質の映像をテレビ会議端末2に出力することができる。そして、カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオンである場合(S10:NO)、S1に戻って処理が繰り返される。電源がオフされていると判断された場合(S10:YES)、カメラ制御処理を終了する。
【0083】
なお、以上の説明において、図6のS2を実行するCPU51が、本発明の「指示受付手段」の一例である。図6のS1を実行するCPU51が、本発明の「供給形態判断手段」の一例である。図6のS20を実行するCPU51が、本発明の「第一実行手段」の一例である。図6のS2を実行するCPU51が、本発明の「指示判断手段」の一例である。図7のS21を実行するCPU51が、本発明の「条件決定手段」の一例である。図6のS40を実行するCPU51が、本発明の「第二実行手段」の一例である。図4のズームモータ61が、本発明の「ズーム調節機構」の一例である。
【0084】
以上説明したように、本実施形態のカメラ装置1では、カメラ装置1への電力の供給形態が、外部電源による電力供給形態である第一供給形態の場合は、カメラ装置1の各機能を実行可能するために十分な電力が供給される。一方、USBバスパワーによる電力供給形態である第二供給形態の場合は、第一供給形態の場合と比べて、カメラ装置1に供給される電力が小さい。この場合、カメラ装置1の各機能を実行可能するために、各機能の実行に割り当てられる電力が調整される。カメラ装置1は、ユーザによる操作指示によって動作する。ユーザによる操作指示には、プリセット指示と手動指示がある。プリセット指示は、プリセットテーブル70にあるように、各プリセット番号に登録された設定に基づいてカメラ装置1の撮像方向を移動させる指示である。ユーザは、プリセット番号を選択する。
【0085】
手動指示は、ユーザがリモコン63を操作してカメラ8を移動させることによりカメラ装置1のパン方向の位置、チルト方向の位置、及びズームレンズ(図示略)の位置を調節可能とする指示である。例えば、プリセット指示の場合、ユーザは、カメラ装置1が取得した映像を見ながら撮像方向を調整する必要はない。よって、パン駆動時、またはチルト駆動時、またはズーム駆動時は、カメラ装置1による映像の取得を中止し、消費電力を抑え、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を高速にすることで、カメラ装置1に供給される電力を有効に利用することができる。
【0086】
一方、手動操作の場合、ユーザは、カメラ装置1が取得した映像を見ながら撮像方向を調整する。よって、カメラ装置1による映像の取得は必要であるので、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を低速にすることで、カメラ装置1に供給される電力を有効に利用することができる。よって、カメラ装置1に供給される電力が小さい場合でも、ユーザが必要とする機能を実行することができる。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、図6に示すカメラ制御処理のS1の処理において、カメラ装置1の電力の供給形態が、第一供給形態か否か判断されるが、カメラ装置1に供給される電力が所定値以上であるか否か判断するようにしてもよい。
【0088】
そこで、カメラ制御処理の変形例について、図11を参照して説明する。図11に示すカメラ制御処理では、図6に示すカメラ制御処理におけるS1の処理の代わりに、S101の処理が実行される。まず、カメラ装置1に供給される電力が所定値以上か否か判断される(S101)。カメラ装置1に供給される電力が所定値以上であると判断された場合(S101:YES)、上述した、外部電源モード処理(S20)が実行される。一方、カメラ装置1に供給される電力が所定値より小さいと判断された場合(S101:NO)、上述した、ユーザからの操作指示がプリセット指示であるか否か判断される(S2)。これ以降の処理については、上述した通りである。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
このような変形例の他にも種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、プリセットモード時に、カメラ装置1による映像の取得を停止している。例えば、動作条件と駆動条件を遅くすることによりカメラ装置1の消費電力を抑え、その抑えた消費電力をカメラ装置1による映像の取得に充てるようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、手動操作モード時に、カメラ装置1による映像の取得を行っている。例えば、パン駆動処理、チルト駆動処理、ズーム駆動処理の実行中には、カメラ装置1による映像の取得を中止することでカメラ装置1の消費電力を抑え、パン駆動処理、チルト駆動処理、ズーム駆動処理を同時に実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 カメラ装置
51 CPU
61 ズームモータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置、制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ会議端末に接続して使用するカメラ装置として、例えば被写体を撮像するカメラをパン方向及びチルト方向に移動可能に支持する機構と、ズーム調節機構を備えたパンチルトカメラ(以下、「PTZカメラ」という。)が知られている。PTZカメラは例えばUSBを介してテレビ会議端末やPCなどの制御装置から電力の供給を受けることができる。USBを介して電力が供給される場合、例えば、AC100Vのような外部電源から電力を供給される場合よりも、供給される電力は小さい。例えば、信号伝達手段を介して電力が供給される監視カメラが開示されている(例えば特許文献1参照)。この監視カメラでは、電力を消費する手段が3つのグループに分けられている。第1のグループの手段は、他のグループの手段に対して優先的に駆動し、第2のグループの手段は、第3のグループの手段に対して優先的に駆動する。特に映像出力は他の全ての手段に対して優先的に駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−140665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビ会議においてPTZカメラを使用する場合、PTZカメラに、USBを介してテレビ会議端末から電力を供給することがある。ところが、特許文献1の技術を、このPTZカメラに適用した場合、テレビ会議においては、例えば、PTZカメラの撮像方向を変える際、パン方向、チルト方向への移動や、ズーム、オートフォーカス(以下、「AF」という。)の調整の方が、映像出力よりも、重要となることがある。また、映像出力を最優先とした場合、映像出力に多くの電力が使用され、パン方向、チルト方向への移動や、ズーム、AFの調整が可能となるように電力が割り当てられないという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、供給される電力が少ない場合でも、カメラ装置の機能に、適切に電力を割り当てることができるカメラ装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るカメラ装置は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断手段と、前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また請求項2に係る発明のカメラ装置は、前記条件決定手段は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記撮像条件について、前記撮像手段によって撮像する画像の解像度又は単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くし、前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする。
【0008】
また請求項3に係る発明のカメラ装置は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記撮像条件について、少なくとも前記撮像手段が前記パン方向又は前記チルト方向に移動している間、前記撮像手段による撮像を中止し、前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする。
【0009】
また請求項4に係る発明のカメラ装置は、前記カメラ装置は、前記撮像手段のズームを調節するズーム調節機構を備え、前記手動指示は、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とし、更に前記ズーム調節機構を駆動させることによって前記ズームを調節可能とする指示であって、前記プリセット指示は、予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させ、更に予め設定された前記ズームの位置に前記ズーム調節機構を駆動させる指示であって、前記条件決定手段は、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件と、前記ズーム調節機構の駆動条件とをそれぞれ決定することを特徴とする。
【0010】
また請求項5に係る発明のカメラ装置は、前記条件決定手段は、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値よりも遅くし、前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値に決定することを特徴とする。
【0011】
また請求項6に係る発明のカメラ装置は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、前記カメラ装置に供給される電力の供給レベルが所定値よりも小さいか否かを判断する電力判断手段と、前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値以上であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値よりも小さいと判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また請求項7に係る発明の制御方法は、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置によって行われる制御方法であって、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付工程と、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断工程と、前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行工程と、前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断工程と、前記指示判断工程における判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定工程と、前記条件決定工程において決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
また請求項8に係る発明の制御プログラムは、被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置を機能させる制御プログラムであって、コンピュータに、使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付ステップと、前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断ステップと、前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行ステップと、前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断ステップと、前記指示判断ステップにおける判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定ステップと、前記条件決定ステップにおいて決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0015】
また請求項2に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示が手動指示であると判断した場合、カメラ装置は、撮像手段によって撮像する画像の解像度及び単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くする。また、カメラ装置は、撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、電力の供給形態が電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くする。電力の供給レベルに応じた撮像条件を撮像基準値よりも低くし、動作条件を動作基準値よりも遅くすることによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0016】
また請求項3に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示がプリセット指示であると判断した場合、少なくとも撮像装置がパン方向又はチルト方向に移動している間、カメラ装置は、撮像手段による撮像を中止する。また、カメラ装置は、撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にする。電力の供給レベルに応じた撮像条件を撮像基準値よりも低くすることによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0017】
また請求項4に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、ズームを調節するズーム調節機構を備えている。手動指示は、さらに、ズーム調節機構を駆動させる指示を含み、プリセット指示も同様に、さらに、ズーム調節機構を駆動させる指示を含んでいる。条件決定手段が、撮像条件、動作条件、及び駆動条件をそれぞれ決定することによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0018】
また請求項5に係る発明のカメラ装置では、指示判断手段が、操作指示が手動指示であると判断した場合、カメラ装置は、ズーム調節機構を駆動させる駆動条件について、駆動速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される駆動基準値よりも遅くする。また、指示判断手段が、操作指示がプリセット指示であると判断した場合、カメラ装置は、駆動速度を、電力の供給形態が第一供給形態である場合に各々設定される駆動基準値に決定する。電力の供給レベルに応じた駆動条件を決定することによって、カメラ装置の消費電力を節約できる。
【0019】
また請求項6に係る発明のカメラ装置では、カメラ装置は、電力の供給レベルが所定値よりも小さい場合、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0020】
また請求項7に係る発明の制御方法では、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【0021】
また請求項8に係る発明の制御プログラムでは、カメラ装置は、電力の供給形態が、第一電力供給形態か、第一電力供給形態よりも低い電力を供給する第二電力供給形態かの何れであるか判断する。供給形態が第二電力供給形態であると判断された場合、カメラ装置は、使用者からの指示が、手動指示かプリセット指示であるかを判断し、撮像条件と動作条件を決定する。決定した撮像条件と動作条件とに基づき操作指示に対応する処理を実行する。電力の供給レベルに応じた撮像条件と動作条件を決定し、操作指示に対応した処理を、電力の供給レベルに適した撮像条件と動作条件で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カメラシステム100の斜視図である。
【図2】カメラ装置1の正面図である。
【図3】図2に示すI−I線矢視方向断面図である。
【図4】カメラ装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】プリセットテーブル70の概念図である。
【図6】カメラ装置制御処理のフローチャートである。
【図7】外部電源モード処理のフローチャートである。
【図8】プリセットモード処理のフローチャートである。
【図9】手動操作モード処理のフローチャートである。
【図10】プリセット指示登録処理のフローチャートである。
【図11】カメラ装置制御処理の変形例1のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態であるカメラシステム100、及びカメラ装置1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本開示が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0024】
図1を参照し、カメラシステム100の構成について説明する。カメラシステム100は、テレビ会議端末2、及びカメラ装置1を備えている。テレビ会議端末2は、他拠点にあるテレビ会議端末2A(図4参照)とネットワーク65を介して画像と音声を送受信することにより、遠隔会議を実施できるものである。テレビ会議端末2、2Aは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)であるが、専用機であってもよい。
【0025】
図1に示すように、カメラ装置1はテレビ会議端末2に接続して使用される。カメラ装置1はテレビ会議端末2、又は外部電源から電力の供給を受けて駆動する。カメラ装置1はカメラ8をパン方向及びチルト方向に回転可能に支持する。カメラ8は自拠点にある撮像対象物を撮像する。カメラ装置1はカメラ8で撮像した画像データをテレビ会議端末2に出力する。テレビ会議端末2は、カメラ装置1から出力された画像データを、ネットワーク65を介して他のテレビ会議端末2Aに送信する。他のテレビ会議端末2Aは受信した画像データをディスプレイ(図示略)に表示する。他拠点のユーザは、自拠点においてカメラ装置1で取得された映像を見ながら自拠点のユーザと通話ができる。
【0026】
このカメラ装置1は、リモコン63(図4参照)、及びテレビ会議端末2からの操作が可能である。カメラ装置1は少なくとも二種類の操作指示で駆動可能である。プリセット指示と手動指示である。プリセット指示は、例えば、カメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率等について予め設定された位置、倍率等に一括制御する指示である。手動指示は、ユーザがディスプレイを見ながらカメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率等を自由に調節できる指示である。プリセット指示の具体例は後述する。ユーザはこれらの操作指示を適宜切り換えて使用できる。
【0027】
なお、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aを操作することにより、自拠点のカメラ装置1のプリセット指示、及び手動指示が可能である。また、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aに接続のリモコンを操作することにより、プリセット指示、及び手動指示が可能である。この場合、テレビ会議端末2Aは、ユーザの操作に基づき、ネットワーク65を介してテレビ会議端末2にカメラ制御信号を送信する。テレビ会議端末2はカメラ制御信号に基づき、カメラ装置1の動作を制御する。
【0028】
上記の通り、カメラ装置1は、第一供給形態又は第二供給形態によって、電力供給を受けることができる。第一供給形態は、外部電源から電力が供給される形態である。外部電源は例えばAC100V電源である。第二供給形態は、テレビ会議端末2とのUSB接続によって電力が供給される形態である。一般的に、第二供給形態は、第一供給形態に比べ、供給される電力は低い。
【0029】
そこで、本実施形態のカメラ装置1は、現在の電力供給形態が第一供給形態か第二供給形態か、さらに第二供給形態であれば、ユーザの操作指示がプリセット指示か手動指示かを判断する。それら判断結果に基づき、カメラ装置1の後述する各制御条件を決定する。各制御条件は供給される電力レベルに応じて予め設定されている。それ故、例えば第二供給形態のような電力の供給レベルが低い状況であっても、カメラ装置1の消費電力を節約しつつ、ユーザの操作指示の種類に応じて各種機能を不便なく使用できる。以下、上記効果を得る為のカメラ装置1の構成、制御方法等について詳細に説明する。
【0030】
先ず、カメラ装置1の全体構造について説明する。以下説明において、図1の右斜め下方、左斜め上方、右斜め上方、左斜め下方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の前方、後方、右方、左方、下方、上方とする。図2の紙面手前方向、紙面奥行き方向、右方、左方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の前方、後方、右方、左方、下方、上方とする。図3の紙面手前方向、紙面奥行き方向、右方、左方、下方、上方を、夫々、カメラ装置1の右方、左方、前方、後方、下方、上方とする。また、パン方向とは水平方向、チルト方向とは垂直方向を意味する。図1、図2、及び図3に示すように、カメラ装置1は、筐体3、回転台座4、支持枠7、固定枠6、カメラ8等を備えている。
【0031】
筐体3について説明する。筐体3は略直方体状である。筐体3は前壁3A、右側壁3B、左側壁3C、背壁3D、底壁3E、及び天壁3Fを備える。天壁3Fの略中央には穴部(図示略)が設けられている。天壁3Fの下面の右後方部には、パンモータ12が取り付けられている。パンモータ12の駆動軸12Aは天壁3Fに設けた貫通穴(図示略)を介して上方に突出している。左側壁3Cの後方下部にはUSB接続部13が設けられている。USB接続部13にはテレビ会議端末2に接続したUSBケーブル20の端子22が着脱可能に接続される。
【0032】
次に、回転台座4について説明する。回転台座4は略円柱状である。回転台座4は軸方向を上下方向に向けた状態で、その下部が筐体3の天壁3F上に配置されている。回転台座4の上端部の外周には径方向外側に突出するフランジ部5が設けられている。回転台座4の上面の略中央には上方に突出する回転軸5Bが設けられている。回転軸5Bには水平方向に延出する被係止部16が設けられている。被係止部16は平面視略長方形状の板部材である。被係止部16の長手方向の両端部は円弧状に形成されている。さらに、回転台座4の外周面と、パンモータ12の駆動軸12Aとの間には、無端ベルト14が架け渡されている。駆動軸12Aが回転すると、無端ベルト14によって回転台座4が回転する。
【0033】
次に、支持枠7について説明する。図2に示すように、支持枠7は正面視略U字状である。支持枠7は固定部7A、右側支持部7B、及び左側支持部7Cを備える。固定部7Aは平面視略長方形状の板部材である。固定部7Aの中央には位置決め穴部21が設けられている。位置決め穴部21は略円形状である。位置決め穴部21の内側には、回転台座4の被係止部16が挿入されている。被係止部16の長手方向の円弧状の両端部は、位置決め穴部21の内周面に当接している。位置決め穴部21の周囲には、固定部7Aを回転台座4の上端面に固定する為の4つの固定穴(図示略)が設けられている。これら固定穴にはビス15が各々締結されている。これにより支持枠7は回転台座4の上面に固定されている。
【0034】
右側支持部7B及び左側支持部7Cは、固定部7Aの互いに対向する両端部に略垂直上方に各々立設されている。左側支持部7C及び右側支持部7Bは側面視略長方形状の板部材である。左側支持部7Cの外面の略中央にはチルトモータ25が固定されている。チルトモータ25の駆動軸25Aは、左側支持部7Cに設けた貫通穴(図示略)を介して支持枠7の内側において略水平に突出している。駆動軸25Aの先端部にはギア28が設けられている。
【0035】
左側支持部7Cの上端部の略中央には下方に湾曲する略U字状の溝部23が設けられている。右側支持部7Bの上端部の略中央にも下方に湾曲する略U字状の溝部31が設けられている。左側支持部7Cの内面においてチルトモータ25の駆動軸25Aが貫通する貫通穴の上側にはガイド軸32が設けられている。ガイド軸32は略水平に延設し、後述するギア29に設けられたガイド穴29A(図3参照)に挿入されている。
【0036】
次に、固定枠6について説明する。固定枠6は略直方体の筒状である。固定枠6の内側にはカメラ8が挿入されて固定されている。固定枠6の左側壁6Aの外面には回転軸26が左方に突出して設けられている。固定枠6の右側壁6Bの外面には回転軸33が右方に突出して設けられている。回転軸26、33は互いに同軸上にある。固定枠6は支持枠7の内側に配置される。さらに回転軸26、33の各先端側は、支持枠7の左側支持部7C及び右側支持部7Bに各々設けられた溝部23、31に各々軸支されている。
【0037】
回転軸26における左側支持部7Cと固定枠6との間の部分にはギア29が設けられている。ギア29はギア28と噛合する。図3に示すように、ギア29には軸中心を囲むように円弧状のガイド穴29Aが設けられている。ガイド穴29Aには、左側支持部7Cの内面に設けられたガイド軸32が挿入されている。ガイド軸32はギア29の回動範囲を制限する。
【0038】
次に、カメラ8について説明する。カメラ8は固定枠6の内側に固定される。カメラ8が固定枠6に固定された状態では、レンズ9は固定枠6の前方を向くようになっている。
【0039】
次に、カメラ8のパン方向の回転動作について説明する。パンモータ12が回転すると駆動軸12Aが回転する。駆動軸12Aが回転すると、無端ベルト14により回転台座4が回転する。回転台座4が回転すると、回転台座4の上面に固定された支持枠7が回転する。支持枠7の内側に支持されている固定枠6がパン方向に回転する。固定枠6がパン方向に回転することにより、カメラ8がパン方向に回転する。カメラ8のパン角度は、パンモータ12の駆動軸12Aの回転角度に対応している。テレビ会議端末2は、駆動軸12Aの回転角度を制御することにより、カメラ8のパン角度を制御する。
【0040】
次に、カメラ8のチルト方向の回転動作について説明する。チルトモータ25が回転すると駆動軸25Aが回転する。駆動軸25Aが回転するとギア28が回転する。ギア28が回転するとギア29が回転する。ギア29が回転すると回転軸26が回転する。回転軸26が回転すると固定枠6がチルト方向に回転する。固定枠6がチルト方向に回転することにより、カメラ8がチルト方向に回転する。カメラ8がチルト方向に回転すると、ギア29に設けられたガイド穴29Aの範囲において、左側支持部7Cの内面に設けられたガイド軸32が移動する。これによりカメラ8のチルト角度が制限される。
【0041】
次に、図4を参照して、カメラ装置1の電気的構成について説明する。カメラ装置1は、CPU51、カメラセンサ52、信号処理部53、画像圧縮部54、USBコントローラ55、モータ制御部56、リモコン受信部57、ROM58A、RAM58B、フラッシュROM58C、電源制御部59、ズームモータ61、オートフォーカスモータ(以下、「AFモータ」という。)62、パンモータ12、及びチルトモータ25等を備えている。CPU51は、カメラ装置1の動作を制御する。カメラセンサ52、信号処理部53、画像圧縮部54、USBコントローラ55、モータ制御部56、リモコン受信部57、ROM58A、RAM58B、フラッシュROM58C、及び電源制御部59は、CPU51に電気的に接続されている。
【0042】
カメラセンサ52はカメラ8に搭載されている。カメラセンサ52はカメラ8に格納されたレンズ群(図示略)を通して被写体を撮像し、画像信号を生成する。信号処理部53はカメラセンサ52から出力された画像信号を処理して画像データに変換する。画像圧縮部54は、信号処理部で生成した画像データを圧縮する。USBコントローラ55は外部装置に接続する為のインタフェイスである。本実施形態の外部装置はテレビ会議端末2である。画像データはUSBコントローラ55からテレビ会議端末2を介して他拠点のテレビ会議端末2Aに送信される。
【0043】
モータ制御部56には、ズームモータ61、AFモータ62、パンモータ12、及びチルトモータ25が各々接続されている。モータ制御部56は各種モータの駆動を各々制御する。ズームモータ61は、レンズ群(図示略)中のズームレンズ(図示略)を移動させて、カメラ8により撮像される画像の拡大(ズームイン)・縮小(ズームアウト)を行う為のモータである。AFモータ62は、レンズ群(図示略)の中のフォーカスレンズ(図示略)を移動させて、焦点距離を調整する為のモータである。パンモータ12及びチルトモータ25は上述の通りである。
【0044】
リモコン受信部57は、リモコン63から発信される赤外線信号を受信する。ユーザは、リモコン63を操作してカメラ装置1を操作する。ROM58Aは、カメラ装置1を制御する為の各種プログラムを記憶する。RAM58Bは下記プログラムを実行中に算出される各種演算値等を一時的に記憶する。フラッシュROM58Cは後述するプリセットテーブル70(図5参照)、各種制御情報等を記憶する。電源制御部59は、カメラ装置1への電力の供給形態を制御する。例えば、AC100V電源による外部電源60からの電力の供給形態や、USBバスパワーによるテレビ会議端末2からの電力の供給形態など、カメラ装置1への電力供給形態について判断する。
【0045】
次に、図5を参照して、プリセットテーブル70について説明する。プリセットテーブル70には、プリセット番号に対して、パン設定値、チルト設定値、ズーム設定値等が各々記憶されている。パン設定値はカメラ8のパン角度の情報である。チルト設定値はカメラ8のチルト角度の情報である。ズーム設定値はカメラ8のズーム倍率の情報である。例えば、プリセット番号1のパン設定値には60度、チルト設定値には30度、ズーム設定値には5倍が記憶されている。プリセット番号2のパン設定値には30度、チルト設定値には−15度、ズーム設定値には3倍が記憶されている。プリセット番号3のパン角度には−30度、チルト設定値には0度、ズーム設定値には10倍が記憶されている。
【0046】
次に、カメラ装置1の原点検出処理について説明する。原点検出処理とは、チルトモータ25(図2参照)、パンモータ12、およびズームモータ61(図4参照)を駆動させる場合の原点回転位置を特定するために実行される処理である。例えばチルトモータ25の場合、ギア29(図3参照)が回転してガイド穴29A(図3参照)の端部にガイド軸32が接触した状態となった場合のチルトモータ25の回転位置が、原点回転位置に相当する。例えば図3に示す例では、カメラ8が水平方向を向いている状態を0度、水平方向に対して上側を+、水平方向に対して下側を−とした場合、カメラ8の角度が−45度及び+90度となった状態が、チルトモータ25の原点回転位置ということになる。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でチルトモータ25を回転させることによって、カメラ8がチルト方向における所望の方向を向くように調整することができる。
【0047】
同様に、例えばパンモータ12の場合、回転台座4(図3参照)が回転して突設部(図示外)が溝部(図示外)の端部に接触した状態となった場合のパンモータ12の回転位置が、原点回転位置に相当する。例えば、カメラ8が正面方向を向いている状態を0度、右側を+、左側を−とした場合、カメラ8の角度が−180度および+180度となった状態が、パンモータ12の原点回転位置ということになる。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でチルトモータ25を回転させることによって、カメラ8がパン方向における所望の方向を向くように調整することができる。
【0048】
同様に、例えばズームモータ61の場合、レンズ群中のズームレンズが拡大(ズームイン)側に最大限移動した状態、および縮小(ズームアウト)側に最大限移動した状態となった場合のズームモータ61の回転位置が、原点回転位置に相当する。カメラ装置1は、原点回転位置の範囲内でズームモータ61を回転させることによって、所望の倍率で撮影されるように調整することができる。
【0049】
次に、プリセット指示、及び手動指示について説明する。上記の通り、ユーザは、カメラ装置1の操作指示について、プリセット指示、及び手動指示の何れかを選択できる。プリセット指示は、図5に示すプリセットテーブル70に基づき、ユーザがテレビ会議端末2、又はリモコン63において選択したプリセット番号に対応するパン設定値、チルト設定値、及びズーム設定値に従ってカメラ装置1を一括制御する指示である。手動指示は、例えばユーザがテレビ会議端末2、又はリモコン63を操作することにより、カメラ8のパン角度、チルト角度、ズーム倍率を適宜調節する指示である。また、他拠点のユーザは、テレビ会議端末2Aを操作することにより、自拠点のカメラ装置1に対してプリセット指示又は手動指示が可能である。
【0050】
次に、カメラ装置1の制御条件について説明する。制御条件は、カメラ装置1の撮像条件、動作条件、駆動条件、及び補正条件を含む。撮像条件は、例えば、カメラ8により撮像される画像データの解像度、フレームレートである。解像度は、例えば、カメラ8により撮像される画像データの1インチ当たりの画素数である。フレームレートは、例えば、単位時間あたりのカメラ8により撮像される画像データのフレーム数である。
【0051】
動作条件は、例えば、パン速度、チルト速度である。パン速度は、例えば、パンモータ12を駆動して、カメラ8の撮像方向をパン方向へ移動させる時の速度である。チルト速度は、例えば、チルトモータ25を駆動して、カメラ8をチルト方向へ移動させる時の速度である。
【0052】
駆動条件は、例えば、ズーム速度、AF速度である。ズーム速度は、例えば、ズームモータ61を駆動して、レンズ群(図示略)のズームレンズ(図示略)の位置を調節し、カメラ8により撮像される画像の拡大や縮小を実行する時の速度である。AF速度は、例えば、AFモータ62を駆動して、レンズ群(図示略)のフォーカスレンズ(図示略)の位置を調整し、カメラ8により撮像される被写体の焦点距離を調整する時の速度である。
【0053】
補正条件は、画像圧縮処理、画像補正処理の各条件である。画像圧縮処理の条件は、例えば、H.264、及びMJPEG(Motion JPEG)などの圧縮形式である。H.264はMJPEGよりも圧縮率が高い。H.264はプロファイルとレベルで定義される。プロファイルは、例えば、ハイプロファイル(HP)、メインプロファイル(MP)、及びベースプロファイル(BP)などがある。カメラ装置1の消費電力は、例えば、ハイプロファイル(HP)、メインプロファイル(MP)、ベースプロファイル(BP)の順に小さくなる。レベルには、CPUの処理の負荷や使用メモリ量等を表すパラメータの上限が定められており、画面解像度やフレームレートの上限が決定される。プロファイル及びレベルに応じて、画像圧縮にかかる消費電力は変化する。他方、MJPEGは、それぞれのフレームをJPEG形式で圧縮、伸長し、連続してこれらを表示することで動画としている。MJPEGは、H.264と比べて、圧縮率は低いが、データの圧縮や展開が容易で、カメラ装置1の消費電力を低く抑えることができる。
【0054】
画像補正処理は、例えば、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理、色補正処理、輪郭補正処理等である。欠陥補正処理は、発生している黒欠陥や白欠陥を補正する処理である。シェーディング補正処理は、カメラ装置1の光学系や撮像系の特性による輝度のムラを補正し、画像を一様な明るさとなるように補正する処理である。ホワイトバランス処理は、カメラ装置1の分光特性を人間の視感度に合わせて補正する。色補正処理は、カメラ装置1のカラーフィルタが持つ分光特性の分離をよくして理想特性に近づける処理である。輪郭補正処理は、被写体の輪郭部分を強調した信号を生成して、本来の信号に重ねることで輪郭のシャープさを強調する処理である。
【0055】
これら画像補正処理の補正条件をまとめて設定する為に、補正モード0と補正モード1をフラッシュROM58Cに予め設定してある。補正モード0は、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理、色補正処理、及び輪郭補正処理のすべてを実行するモードである。補正モード1は、欠陥補正処理、シェーディング補正処理、ホワイトバランス処理を実行し、色補正処理、輪郭補正処理を実行しないモードである。
【0056】
次に、図6を参照し、CPU51によって実行されるカメラ制御処理について説明する。本処理は、カメラ装置1の電源がオンされた時にCPU51が実行する処理である。なお、本処理は、第一供給形態か第二供給形態かによって制御動作が異なるので、各供給形態で実行される処理動作について順に説明する。
【0057】
[第一供給形態の場合]
まず、カメラ装置1の電力の供給形態が、第一供給形態か否か判断される(S1)。例えば、カメラ装置1の電源ケーブル(図示略)の端子が外部電源に接続されている場合、電力の供給形態は第一供給形態である。この場合(S1:YES)、外部電源モード処理が実行される(S20)。
【0058】
図7を参照して、外部電源モード処理について説明する。第一供給形態では、カメラ装置1の各機能を実行可能するために十分な電力が外部電源から供給されている。よって、カメラ8の撮像条件として、解像度は1080p、フレームレートは30fpsに各々設定される。これらは撮像基準値である。これにより、高解像度の動画を撮り続けることができる。さらに画像圧縮処理の補正条件として、画像圧縮方式はH.264(HP)に設定される。それ故、カメラ8で撮像した画像を高い圧縮率で処理できる。さらに画像補正処理の補正条件として、補正モード0が設定される(S21)。補正モード0は補正基準値である。補正モード0は上記の各補正処理を全て実行するので画質をさらに向上できる。外部電源モード処理で設定される各制御条件でカメラ装置1を動作させると、消費電力は大きくなるが、外部電源から電力が十分供給されているので、上記制御条件での動作が可能となる。
【0059】
次いで、カメラ8による映像の取得が開始される(S22)。カメラ8による映像取得は他機能に比べて消費電力を大きく消費するが、外部電源から電力が十分に供給されているので、安定した映像取得を継続して実行できる。ここで、ユーザが、例えばリモコン63等を操作して、カメラ8の撮影方向を変える場合がある。そこで、リモコン63等によるパン駆動の操作指示が有るか否か判断される(S23)。パン駆動の操作指示が有ると判断された場合(S23:YES)、高速パン駆動処理が開始される(S24)。高速パン駆動処理は、カメラ8をパン方向に高速で移動させる為に、パンモータ12を高速で回転させる処理である。高速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。例えば、ステッピングモータの場合は500Hz、DCモータの場合は60mAで駆動させる。高速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、動作基準値である。
【0060】
次いで、リモコン63等によるチルト駆動の操作指示が有るか否か判断される(S25)。チルト駆動の操作指示が有ると判断された場合(S25:YES)、高速チルト駆動処理が開始される(S26)。高速チルト駆動処理は、カメラ8をチルト方向に高速で移動させる為に、チルトモータ25を高速で回転させる処理である。高速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。高速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値も、動作基準値である。
【0061】
さらに、リモコン63等によるズーム駆動の操作指示が有るか否か判断される(S27)。ズーム駆動の操作指示が有ると判断された場合(S27:YES)、高速ズーム駆動処理が開始される(S28)。高速ズーム駆動処理は、カメラ8のズームを高速で調節する為に、ズームモータ61を高速で回転させる処理である。高速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。高速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、動作基準値である。
【0062】
なお、リモコン63等によって、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の各操作指示が重複した場合でも(S23:YES,S25:YES、S27:YES)、高速パン駆動処理、高速チルト駆動処理、高速ズーム駆動処理がそれぞれ実行される(S24、S26、S28)。外部電源から電力が十分に供給されているので、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動を同時に実行できる。また、パン指示が単独でなされた場合(S23:YES、S25:NO、S27:NO)、チルト指示が単独でなされた場合(S23:NO、S25:YES、S27:NO)、ズーム指示が単独でなされた場合(S23:NO、S25:NO、S27:YES)、対応する各駆動処理が各々実行される(S24、S26、S28)。
【0063】
次いで、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が停止しているか否か判断される(S29)。パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の何れかがまだ実行中である場合(S29:NO)、処理が図6のS10に移行され、カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオフされた場合(S10:YES)、処理が終了される。電源がオフされていない場合(S10:NO)、S1に戻って上記の処理が繰り返される。
【0064】
一方、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が停止していると判断された場合(S29:YES)、リモコン63等によって、プリセット指示を登録する操作指示が有るか否か判断される(S30)。ユーザは現在のカメラ8の撮影方向、ズーム倍率等を、プリセット登録しておきたい場合がある。この場合、ユーザは例えばリモコン63等を操作してプリセット指示の登録を行う。プリセット指示を登録する操作指示が有ると判断された場合(S30:YES)、プリセット登録処理が実行される(S31)。
【0065】
図10を参照して、プリセット登録処理(S31)について説明する。ユーザからの操作指示により、プリセットの登録番号が選択される(S81)。カメラ装置1のフラッシュROM58Cに記憶されたプリセットテーブル70において、選択されたプリセット登録番号に対応して、現在のカメラ装置1のパン設定値、チルト設定値、ズーム設定値が記憶される(S82)。例えば、プリセット番号5が選択された場合、プリセット番号5に対して、パン設定値は−20度、チルト設定値は60度、ズーム設定値は3倍がそれぞれ記憶される。これにより、ユーザは、次回からは、登録したプリセット番号5を選択すれば、自動的にその位置にカメラ8を移動させ、かつズーム倍率を3倍に調節できる。プリセット登録処理が終了し、図7のS32に処理が移行される。なお、プリセット指示を登録する操作指示が無い場合(S30:NO)、プリセット登録処理は実行せずに、そのままS32に処理が移行される。
【0066】
次いで、高速AF駆動処理が開始される(S32)。高速AF駆動処理は、レンズ群(図示略)の中のフォーカスレンズ(図示略)を移動させて、焦点距離を高速で調整する為に、AFモータ62を高速で回転させる処理である。高速AF駆動処理におけるAFモータ62の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。続いて、高速AF駆動処理が終了したか否か判断される(S33)。高速AFの駆動処理が終了するまでは(S33:NO)、S33に戻って待機状態となる。
【0067】
そして、高速AF駆動処理が終了したと判断された場合(S33:YES)、外部電源モード処理が終了し、処理が図6のS10に移行される。カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオフされた場合(S10:YES)、処理が終了される。電源がオフされていない場合(S10:NO)、S1に戻って上記の処理が繰り返される。
【0068】
[第二供給形態の場合]
第二供給形態は、テレビ会議端末2のUSBバスパワーにより電力の供給を受ける形態である。上記の通り、第二供給形態は、第一供給形態よりもカメラ装置1に供給できる電力は小さい。それ故、第一供給形態のときよりも消費電力を抑える必要がある。そこで、第二供給形態である場合(S1:NO)、先ず、リモコン63等によってプリセット指示が有るか否か判断される(S2)。プリセット指示があると判断された場合(S2:YES)、プリセットモード処理が実行される(S40)。
【0069】
プリセットモード処理について、図8を参照して説明する。はじめに、カメラ8による映像の取得が停止される(S41)。プリセット指示では、予め設定した位置にカメラ8を移動させるので、カメラ8の移動中において映像を取得しなくてもユーザは不便を感じない。それ故、カメラ8による映像の取得が停止されることで、消費電力を大幅に節約できる。次に、フラッシュROM58Cに記憶したプリセットテーブル70から、操作指示に対応するプリセット番号に割り当てられたパン設定値、チルト設定値、ズーム設定値が読み出される(S42)。
【0070】
次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、先ず、高速パン駆動処理が開始される(S43)。高速パン駆動処理が終了したか否か判断される(S44)。高速パン駆動処理が終了するまでは(S44:NO)、S44に戻って待機状態となる。高速パン駆動処理が終了したと判断された場合(S44:YES)、次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、高速チルト駆動処理が開始される(S45)。高速チルト駆動処理が終了したか否か判断される(S46)。高速チルト駆動処理が終了するまでは(S46:NO)、S46に戻って待機状態となる。高速チルト駆動処理が終了したと判断された場合(S46:YES)、次いで、プリセットテーブル70から読み出された設定値に基づいて、高速ズーム駆動処理が開始される(S47)。高速ズーム駆動処理が終了したか否か判断される(S48)。高速ズーム駆動処理が終了するまでは(S48:NO)、S48に戻って待機状態となる。高速ズーム駆動処理が終了したと判断された場合(S48:YES)、プリセットモード処理を終了する。
【0071】
このように、プリセットモード処理では、消費電力を節約する為に、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が同時に実行されないように、それぞれの駆動終了を待ってから各駆動を実行する。そして、上述の通り、プリセットモード処理中では、映像取得を停止して消費電力をさらに節約しているので、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を高速で実行できる。ユーザはカメラ8の撮影方向及びズーム倍率を、プリセットテーブル70に登録した撮影方向及びズーム倍率に高速で調節できる。続いて、処理が図6に示すS2に戻る。
【0072】
そして、プリセット指示がない場合(S2:NO)、続いて、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示があるか否か判断される(S3)。パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示は手動指示である。手動指示が有ると判断された場合(S3:YES)、手動操作モード処理が実行される(S60)。
【0073】
手動操作モード処理について、図9を参照して説明する。手動指示では、ユーザが画面を見ながらカメラ8のパン方向の位置、チルト方向の位置、ズーム倍率を調整するので、カメラ8により取得された映像を確認する必要がある。それ故、カメラ8による映像取得を停止しないで、カメラ装置1の消費電力を低減する必要がある。そこで、カメラ装置1の各制御条件について、解像度は720p、フレームレートは5fps、画像圧縮方式はMJPEG、補正モード1に各々設定される(S61)。
【0074】
解像度及びフレームレートは上記の撮影基準値よりも低い値である。それ故、カメラ8による撮像にかかる消費電力を低減できる。さらに画像圧縮方式はMJPEGであるので、H.264と比べて、圧縮率は低いが、データの圧縮や展開が容易で、カメラ装置1の消費電力を低減できる。さらに画像補正処理の補正条件として、補正モード1であるので、補正モード0に比べて実行する補正処理が少ないので、消費電力を低減しつつ必要最低限の画像補正を施すことができる。
【0075】
続いて、カメラ8による映像取得が開始される(S62)。そして、リモコン63等によるパン駆動の操作指示が有るか否か判断される(S63)。パン駆動の操作指示が有ると判断された場合(S63:YES)、低速パン駆動処理が開始される(S64)。低速パン駆動処理は、カメラ8をパン方向に低速で移動させる為に、パンモータ12を低速で回転させる処理である。低速パン駆動処理におけるパンモータ12の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。例えば、ステッピングモータの場合は100Hz、DCモータの場合は10mAで駆動させる。
【0076】
次いで、パン駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S65)。パン駆動を終了する操作指示が有るまでは(S65:NO)、S65に戻って待機状態となる。パン駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S65:YES)、低速パン駆動処理を終了し(S66)、チルト駆動の操作指示が有るか否か判断される(S67)。チルト駆動の操作指示が有ると判断された場合(S67:YES)、低速チルト駆動処理が開始される(S68)。低速チルト駆動処理は、カメラ8をチルト方向に低速で移動させる為に、チルトモータ25を低速で回転させる処理である。低速チルト駆動処理におけるチルトモータ25の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。
【0077】
次いで、チルト駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S69)。チルト駆動を終了する操作指示が有るまでは(S69:NO)、S69に戻って待機状態となる。チルト駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S69:YES)、低速チルト駆動処理を終了し(S70)、ズーム駆動の操作指示が有るか否か判断される(S71)。ズーム駆動の操作指示が有ると判断された場合(S71:YES)、低速ズーム駆動処理が開始される(S72)。低速ズーム駆動処理は、カメラ8のズームを低速で調節する為に、ズームモータ61を低速で回転させる処理である。低速ズーム駆動処理におけるズームモータ61の駆動制御値は、フラッシュROM58Cに記憶されている。
【0078】
次いで、ズーム駆動を終了する操作指示が有るか否か判断される(S73)。パン駆動を終了する操作指示が有るまでは(S73:NO)、S73に戻って待機状態となる。ズーム駆動終了の操作指示が有ると判断された場合(S73:YES)、低速ズーム駆動処理を終了し(S74)、手動操作モード処理を終了する。なお、パン指示が単独でなされた場合(S63:YES、S67:NO、S71:NO)、チルト指示が単独でなされた場合(S63:NO、S67:YES、S71:NO)、ズーム指示が単独でなされた場合(S63:NO、S67:NO、S71:YES)、対応する各駆動処理が各々実行される(S64、S68、S72)。そして、処理が図6のS3に移行される。
【0079】
このように、手動操作モード処理では、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を低速で実行する。さらに、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動が同時に実行されないように、それぞれの駆動終了を待ってから各駆動を実行する。それ故、カメラ8による映像を取得しながらでも消費電力を効果的に節約できる。
【0080】
続いて、パン駆動、チルト駆動、及びズーム駆動の指示が無い場合、(S3:NO)、プリセット指示の登録があるか否か判断される(S4)。プリセット指示の登録があると判断された場合(S4:YES)、プリセット登録処理(S80)が実行される。プリセット登録処理の処理内容は、図10に示すプリセット登録処理と同じである。プリセット登録処理が終了すると、処理がS5に移行される。なおプリセット指示の登録は無いと判断された場合(S4:NO)、何もせずに、処理がS5に移行される。
【0081】
そして、カメラ装置1の制御条件について、撮像の解像度は720p、フレームレートは5fps、画像圧縮処理はMJPEG、補正モード1にそれぞれ設定される(S5)。さらに、カメラ8による映像取得が開始される(S6)。低速AF駆動処理が開始される(S7)。撮像対象物に対してカメラ8のレンズの焦点が低速で調節される。これによりカメラ装置1の消費電力を低減できる。
【0082】
低速AF駆動処理が終了したか否か判断される(S8)。低速AF駆動処理が終了したと判断された場合(S8:YES)、カメラ装置1のパンモータ12、チルトモータ25、ズームモータ61、AFモータ62は全て停止している。即ち、これら各モータで消費していた電力を利用できるので、カメラ装置1の制御条件について、解像度は1080p、フレームレートは30fps、画像圧縮処理はH.264(HP)、補正モード0に設定される(S9)。これにより、図7に示す外部電源モード処理と同じ制御条件にすることができるので、カメラ装置1の各モータが駆動していない間は、外部電源モード処理と同様に高画質の映像をテレビ会議端末2に出力することができる。そして、カメラ装置1の電源がオフされたか否か判断される(S10)。電源がオンである場合(S10:NO)、S1に戻って処理が繰り返される。電源がオフされていると判断された場合(S10:YES)、カメラ制御処理を終了する。
【0083】
なお、以上の説明において、図6のS2を実行するCPU51が、本発明の「指示受付手段」の一例である。図6のS1を実行するCPU51が、本発明の「供給形態判断手段」の一例である。図6のS20を実行するCPU51が、本発明の「第一実行手段」の一例である。図6のS2を実行するCPU51が、本発明の「指示判断手段」の一例である。図7のS21を実行するCPU51が、本発明の「条件決定手段」の一例である。図6のS40を実行するCPU51が、本発明の「第二実行手段」の一例である。図4のズームモータ61が、本発明の「ズーム調節機構」の一例である。
【0084】
以上説明したように、本実施形態のカメラ装置1では、カメラ装置1への電力の供給形態が、外部電源による電力供給形態である第一供給形態の場合は、カメラ装置1の各機能を実行可能するために十分な電力が供給される。一方、USBバスパワーによる電力供給形態である第二供給形態の場合は、第一供給形態の場合と比べて、カメラ装置1に供給される電力が小さい。この場合、カメラ装置1の各機能を実行可能するために、各機能の実行に割り当てられる電力が調整される。カメラ装置1は、ユーザによる操作指示によって動作する。ユーザによる操作指示には、プリセット指示と手動指示がある。プリセット指示は、プリセットテーブル70にあるように、各プリセット番号に登録された設定に基づいてカメラ装置1の撮像方向を移動させる指示である。ユーザは、プリセット番号を選択する。
【0085】
手動指示は、ユーザがリモコン63を操作してカメラ8を移動させることによりカメラ装置1のパン方向の位置、チルト方向の位置、及びズームレンズ(図示略)の位置を調節可能とする指示である。例えば、プリセット指示の場合、ユーザは、カメラ装置1が取得した映像を見ながら撮像方向を調整する必要はない。よって、パン駆動時、またはチルト駆動時、またはズーム駆動時は、カメラ装置1による映像の取得を中止し、消費電力を抑え、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を高速にすることで、カメラ装置1に供給される電力を有効に利用することができる。
【0086】
一方、手動操作の場合、ユーザは、カメラ装置1が取得した映像を見ながら撮像方向を調整する。よって、カメラ装置1による映像の取得は必要であるので、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を低速にすることで、カメラ装置1に供給される電力を有効に利用することができる。よって、カメラ装置1に供給される電力が小さい場合でも、ユーザが必要とする機能を実行することができる。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、図6に示すカメラ制御処理のS1の処理において、カメラ装置1の電力の供給形態が、第一供給形態か否か判断されるが、カメラ装置1に供給される電力が所定値以上であるか否か判断するようにしてもよい。
【0088】
そこで、カメラ制御処理の変形例について、図11を参照して説明する。図11に示すカメラ制御処理では、図6に示すカメラ制御処理におけるS1の処理の代わりに、S101の処理が実行される。まず、カメラ装置1に供給される電力が所定値以上か否か判断される(S101)。カメラ装置1に供給される電力が所定値以上であると判断された場合(S101:YES)、上述した、外部電源モード処理(S20)が実行される。一方、カメラ装置1に供給される電力が所定値より小さいと判断された場合(S101:NO)、上述した、ユーザからの操作指示がプリセット指示であるか否か判断される(S2)。これ以降の処理については、上述した通りである。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
このような変形例の他にも種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、プリセットモード時に、カメラ装置1による映像の取得を停止している。例えば、動作条件と駆動条件を遅くすることによりカメラ装置1の消費電力を抑え、その抑えた消費電力をカメラ装置1による映像の取得に充てるようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、手動操作モード時に、カメラ装置1による映像の取得を行っている。例えば、パン駆動処理、チルト駆動処理、ズーム駆動処理の実行中には、カメラ装置1による映像の取得を中止することでカメラ装置1の消費電力を抑え、パン駆動処理、チルト駆動処理、ズーム駆動処理を同時に実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 カメラ装置
51 CPU
61 ズームモータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断手段と、
前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、
前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、
前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段と
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、
前記撮像条件について、前記撮像手段によって撮像する画像の解像度又は単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くし、
前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、
前記撮像条件について、少なくとも前記撮像手段が前記パン方向又は前記チルト方向に移動している間、前記撮像手段による撮像を中止し、
前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記カメラ装置は、前記撮像手段のズームを調節するズーム調節機構を備え、
前記手動指示は、
前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とし、更に前記ズーム調節機構を駆動させることによって前記ズームを調節可能とする指示であって、
前記プリセット指示は、
予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させ、更に予め設定された前記ズームの位置に前記ズーム調節機構を駆動させる指示であって、
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件と、前記ズーム調節機構の駆動条件とをそれぞれ決定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値よりも遅くし、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値に決定することを特徴とする請求項4に記載のカメラ装置。
【請求項6】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給レベルが所定値よりも小さいか否かを判断する電力判断手段と、
前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値以上であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、
前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値よりも小さいと判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、
前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段と
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項7】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置によって行われる制御方法であって、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付工程と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断工程と、
前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行工程と、
前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断工程と、
前記指示判断工程における判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定工程と、
前記条件決定工程において決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行工程と
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置を機能させる制御プログラムであって、
コンピュータに、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断ステップと、
前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行ステップと、
前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断ステップと、
前記指示判断ステップにおける判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定ステップと、
前記条件決定ステップにおいて決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行ステップと
を実行させる制御プログラム。
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断手段と、
前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、
前記供給形態判断手段によって前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、
前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段と
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、
前記撮像条件について、前記撮像手段によって撮像する画像の解像度又は単位時間あたりのフレーム数であるフレームレートを、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される撮像基準値よりも低くし、
前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値よりも遅くして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、
前記撮像条件について、少なくとも前記撮像手段が前記パン方向又は前記チルト方向に移動している間、前記撮像手段による撮像を中止し、
前記動作条件について、前記撮像手段をパン方向に移動するパン速度及びチルト方向に移動するチルト速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に各々設定される動作基準値にして、前記撮像条件及び前記動作条件をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記カメラ装置は、前記撮像手段のズームを調節するズーム調節機構を備え、
前記手動指示は、
前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とし、更に前記ズーム調節機構を駆動させることによって前記ズームを調節可能とする指示であって、
前記プリセット指示は、
予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させ、更に予め設定された前記ズームの位置に前記ズーム調節機構を駆動させる指示であって、
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件と、前記ズーム調節機構の駆動条件とをそれぞれ決定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記条件決定手段は、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記手動指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値よりも遅くし、
前記指示判断手段によって前記操作指示は前記プリセット指示であると判断された場合、前記駆動条件について、前記ズーム機構を駆動させる駆動速度を、前記電力の供給形態が前記第一供給形態である場合に設定される駆動基準値に決定することを特徴とする請求項4に記載のカメラ装置。
【請求項6】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置において、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付手段と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給レベルが所定値よりも小さいか否かを判断する電力判断手段と、
前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値以上であると判断された場合、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行手段と、
前記電力判断手段によって前記供給レベルが所定値よりも小さいと判断された場合、前記指示受付手段によって受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断手段と、
前記指示判断手段の判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定手段と、
前記条件決定手段によって決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付手段が受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行手段と
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項7】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置によって行われる制御方法であって、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付工程と、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断工程と、
前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行工程と、
前記供給形態判断工程において前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付工程において受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断工程と、
前記指示判断工程における判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定工程と、
前記条件決定工程において決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付工程において受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行工程と
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
被写体を撮像する撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動可能に支持するカメラ装置を機能させる制御プログラムであって、
コンピュータに、
使用者による前記カメラ装置への操作指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記カメラ装置に供給される電力の供給形態が、所定値以上の電力を供給する第一供給形態、及び前記所定値よりも低い電力を供給する第二供給形態の何れであるか判断する供給形態判断ステップと、
前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第一供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第一実行ステップと、
前記供給形態判断ステップにおいて前記電力の供給形態が、前記第二供給形態であると判断された場合、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた前記操作指示が、前記使用者が操作部を操作して前記撮像手段を移動させることによって前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置を調節可能とする手動指示であるか、又は予め設定された前記撮像手段のパン方向の位置及びチルト方向の位置に前記撮像手段を移動させるプリセット指示であるかを判断する指示判断ステップと、
前記指示判断ステップにおける判断結果に基づき、前記撮像手段によって撮像される画像の撮像条件と、前記撮像手段をパン方向及びチルト方向に移動させる前記撮像手段の動作条件とをそれぞれ決定する条件決定ステップと、
前記条件決定ステップにおいて決定された前記撮像条件と前記動作条件とに基づき、前記指示受付ステップにおいて受け付けた前記操作指示に対応する処理を実行する第二実行ステップと
を実行させる制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−78069(P2013−78069A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218055(P2011−218055)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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