説明

カラム支持装置

【課題】液体クロマトカラムのサイズによらず、カラムを安定して支持することを可能にする。
【解決手段】カラム取付筒36の先端付近のねじ山とカラム7の突起部3の内面に形成されたねじ溝とが僅かに噛み合った状態で、カラム取付筒36のねじ山と突起部3のねじ溝とが螺合する方向にカラム7を回転させる。カラム取付筒36のねじ山と突起部3のねじ溝とが最も締め付けられ螺合し、カラム取付筒36へのカラム7の突起部3の取り付けが完了したとき、可動プレート35は、移動可能な範囲の最下位置よりも上方に位置している。よって、バネ33a、33bはさらに収縮した状態となっており、元に戻ろうとする復元力によって、可動プレート35を含む可動部材32を下方に付勢する付勢力が発生する。従って、カラム7はカラム配置部15に押し付けられるため、安定して支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフに使用されるカラムを支持するためのカラム支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフは、カラム内に充填された固定相内に、複数の溶媒が混合された溶離液である移動相に溶解された試料を通過させ、当該試料内の各成分の固定相との相互作用や移動相との親和性等によるカラムを通過する時間の相違を利用することで、各成分の分離を行うものである。
【0003】
例えば、特許文献1の液体クロマトカラムの液体導入装置では、三方コック61を入口64側へセットしてシリンジ62内のサンプル101を導入路44を通じて管11内に所定量注入した後、コック61を入口69側へ切換え、ポンプ67を駆動して液槽64内の展開液65を圧力供給し、この展開液65を導入路44を介して蓋部材5の筒状壁体53内に導入する。そうすると、管11内のサンプル101が急速に展開移動し、管11の下部側に完全に分離して複数の分離層が形成される。そこで、下部の二方コック94を開くことで、分離されたサンプルがフィルター93を介し流出孔90より順次流下するため、これを分析する。
【特許文献1】特開2002−156370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の液体クロマトカラムの液体導入装置におけるカラムaの下端側には、口部13に嵌合した密閉栓81が配置されていると共に管11に螺着した外蓋86が装着されているため、カラムaを安定して支持することが可能となっている。しかしながら、外蓋86は、管11の下端側のネジ溝15と螺合するネジ溝87が形成された内壁面、即ち、管11の直径に適した円環部分を有するため、使用するカラム毎に、当該カラムの直径に適する外蓋を用いる必要があり、汎用性に欠けるものとなっていた。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、液体クロマトカラムのサイズによらず、カラムを安定して支持することを可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体クロマトグラフ用カラム支持装置は、液体クロマトグラフ用カラムが配置されるカラム配置部を含む支持板と、前記支持板に固定された一端を有し、前記一端から下方へ延在した支柱と、前記支持板の上面よりも下方に位置しており、前記支柱が貫通した孔を有すると共に前記支柱に沿って上下移動可能な可動部材と、前記支柱の外周に配置され、前記可動部材が所定位置よりも上方に位置しているとき前記可動部材を下方に付勢する付勢力を発生する弾性部材とを備えており、前記カラム配置部は、厚さ方向に貫通した空間を有しており、前記可動部材は、前記空間内に配置されたカラム取付部を有しており、前記可動部材には、前記カラム取付部の先端からこれよりも下方位置まで貫通した孔が設けられている。
【0007】
上記の構成によると、カラムを支持板のカラム配置部に配置すると共に、可動部材を上方に移動させ、カラム取付部にカラムの下端を取り付けることができるため、液体クロマトカラムのサイズによらず、弾性部材による下方への付勢力によってカラムを安定して支持することが可能である。従って、様々な直径のカラムを使用することができ、汎用性が向上する。
【0008】
前記カラム取付部の前記先端の外周面には、ねじ山又はねじ溝が形成されていることが好ましい。これによると、ねじ溝又はねじ山が形成されたカラムの先端をカラム取付部に取り付けるときに、カラムの下端とカラム取付部の先端とが螺合可能であるため、カラムとカラム取付部との接続を強力にすることができる。また、カラムの下端をカラム取付部の先端に噛み合わせた状態でカラムとカラム取付部とが螺合する方向にカラムを回転させることによって、可動部材が自動的に上昇するため、カラムの取り付けが容易であると共に、弾性部材による可動部材を下方に付勢する付勢力を強めることができる。従って、カラムをより安定して支持することが可能である。
【0009】
前記カラム配置部の上面には、液体クロマトグラフ用カラムが配置される凹みが形成されていることが好ましい。これによると、凹みは、様々な直径のカラムの下部を収容することが可能であるため、汎用性が向上する。また、凹みによって支持板とカラムとがより密着するため、カラムをより安定して支持することが可能である。
【0010】
前記凹みが、前記カラム取付部の前記先端を通過する上下軸を中心とする円錐形状を有していることが好ましい。これによると、円錐形状を有する凹みは、様々な直径のカラムの下部におけるテーパ部分を収容することが可能であるため、汎用性が向上する。また、円錐形状を有する凹みによって支持板とカラムとがより密着するため、カラムをより安定して支持することが可能である。
【0011】
本発明の液体クロマトグラフ用カラム支持装置は、前記支持板を液体クロマトグラフ用カラムスタンドに高さ調節可能に取り付けるための取り付け部材をさらに備えていてもよい。これによると、取り付け部材によってカラムスタンドに取り付けられた支持板のカラム配置部にカラムを配置することによって、カラムをより安定して支持することが可能である。また、取り付け部材によって、支持板をカラムスタンドに高さ調節可能に取り付けることができるため、様々な長さのカラムを使用することが可能である。従って、汎用性が向上する。
【0012】
前記取り付け部材は、前記支持板と液体クロマトグラフ用カラムスタンドとを固定させるための回動可能なレバーを含んでいることが好ましい。これによると、支持板とカラムスタンドとを固定させるときに、レバーを回動させることによって容易に取り付けが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好適な実施の形態を、図1〜図8に基づいて以下に説明する。図1は、液体クロマトグラフィに用いられる、カラムスタンド20、カラム7、カラム7の上端に接続された流入チューブ8、カラムスタンド20に取り付けられていると共にカラム7が配置されたカラム支持装置10、及び、カラム7の下端にカラム支持装置10を介して接続された流出チューブ9を示したものである。
【0014】
図2は、図1に示されたもののうち、カラムスタンド20、カラム支持装置10、及び、流出チューブ9のみを示したものである。
【0015】
図3は、カラムスタンド20に取り付けられたカラム支持装置10を上から見た図である。ただし、図3において、カラムスタンド20に関しては、支持板11の上面の高さに沿った断面が示されている。
【0016】
カラムスタンド20は、最下部において水平方向に延在し、平面視矩形の底板21と、底板21の上面において長辺の各末端付近から鉛直方向にそれぞれ延在した取付柱22及び補助柱23と、ねじによって、末端それぞれが取付柱22の上端及び補助柱23の上端に取り付けられた接続部材24とから構成されている。取付柱22及び補助柱23は、同じ高さを有する。
【0017】
図1及び図3を参照すると、取付柱22及び補助柱23は、全体的に縦長の四角柱形状を有しており、取付柱22の補助柱23に対向する面、その面と平行な面、及び、これらの面と垂直な面のうちの一方には、上端から下端まで延在した溝が幅方向中央に形成されている。そして、後述するように、取付柱22の中部よりやや下方には、カラム支持装置10が取り付けられている。
【0018】
カラム7は、円筒状を有し、充填剤が充填される本体6、溶離液を本体6に供給するための孔が中央に形成されたカラム栓4、及び、本体6とカラム栓4とをクランプするクランプ部材5によって構成されている。
【0019】
流入チューブ8の上端は、溶離液を本体6内に流入させるための図示しないシリンジに連結されており、下端はカラム栓4の孔に連通している。従って、試料が溶解した溶離液は流入チューブ8を介して本体6内に流入する。
【0020】
次に図3〜6を参照し、カラム支持装置10について説明する。図3は、上述のようにカラムスタンド20に取り付けられたカラム支持装置10を上から見た図である。図4は、カラム支持装置10全体の斜視図である。図5は、図1のカラム支持装置10の正面図である。図5は、カラム取付筒36にカラム7の突起部3が取り付けられていると仮定した状態を示している。したがって、可動部材32は移動可能な範囲の最下位置よりも上に移動しており、バネ33a、33bがさらに収縮した状態である。図6は、カラム支持装置10の側面図である。ただし図6では、支柱31a、31b、及び、バネ33a、33bが省略されている。
【0021】
カラム支持装置10は、カラム7が配置される支持板11、支持板11をカラムスタンド20に取り付けるためのカラムスタンド用取り付け部材12、及び、支持板11の一端において支持板11の上面よりも下方に配置されたカラム取付機構30を含んでいる。
【0022】
支持板11は、その上面が水平面となっており、全体として、厚みのある水平方向に細長い板形状を有しており、カラムスタンド20の取付柱22における溝が形成されていない面の幅よりもやや大きい幅を有する。また支持板11は、一端において、厚さ方向にカラムスタンド20の取付柱22を貫通させるための凹部17が形成されており、それによって側部14a、14bが形成されている。また支持板11は、側部14aの中央において内部に固定された頭部を有すると共にねじ山が形成された先端が凹部17内に突出したボルト19を備えている。さらに支持板11には、他端において、カラム7が配置されるカラム配置部15が設けられている。
【0023】
ボルト19の先端は、図示しないベアリングや締付ねじなどによって、凹部17内を貫通した取付柱22の面に形成された溝内に高さ調節可能に係合する構造となっている。
【0024】
カラム配置部15は、支持板11の端に設けられた窪みによって形成された、厚さ方向に貫通した空間であるU字溝16を有しており、それによって、凸部13a、13bが形成されている。凸部13a及び13bそれぞれの端面、即ち、支持板11の長手方向端面に該当する面は、中部よりも上方付近から最下部にかけて、支持板11の中間部との距離が次第に近くなるように傾斜している。またカラム配置部15の上面には、後述するカラム取付筒36の先端を通過する上下軸を中心とする円錐形状を有する凹み18が形成されており、凹み18にカラム7が配置されている。
【0025】
カラムスタンド用取り付け部材12は、側部14bを水平に貫通したボルト12b、及び、側部14bの外側に配置されていると共に、ボルト12bと連結されたボルト12bと同じ水平軸の回りを回動可能なレバー12aを含んでいる。ボルト12bの外周面にはねじ山が形成されている。したがって、ボルト12bは、連結したレバー12aを一方向に回転させることによって、凹部17内へと入り込む。また、逆方向にレバー12aを回転させると、ボルト12bは凹部17から抜け出る方向に移動する。図3に示されているように、凹部17にはカラムスタンド20の取付柱22が貫通しており、取付柱22における溝が形成されていない面が、カラム配置部15に最も近くなると共に対向するように、且つ、支持板11の長手方向と取付柱22の鉛直方向とが直交するように配置されている。また、図1及び4などを参照すると、支持板11は、取付柱22におけるレバー12aから最も遠い面に形成された溝内に係合したボルト19、及び、レバー12aを回転させることで、取付柱22におけるレバー12aから最も近い面に形成された溝内に締め付けられたボルト12bによって、取付柱22の中部よりやや下方に固定されている。
【0026】
カラム取付機構30は、カラム配置部15の下方に延在した支柱31a、31b、支柱31a、31bに沿って上下移動可能な可動部材32、及び、支柱31a、31bそれぞれの外周に支柱31a、31bを取り巻くように配置されたコイルバネ33a、33bを有している。
【0027】
支柱31aは、カラム配置部15の凸部13aの下面に固定された一端を有し、当該一端から下方へと延在しており、支柱31bは、凸部13bの下面に固定された一端を有し、当該一端から下方へと延在している。これら支柱31a、31bは同形状を有し、互いに平行になるように配置されている。
【0028】
可動部材32は、先端が支持板11の上面よりも下方に位置するように、U字溝16内に配置されたカラム取付筒36、カラム取付筒36の下方に配置された中央部34、及び、中央部34の下部が貫通した孔を有する可動プレート35を含んでおり、これらは互いに固定されている。なお、カラム取付筒36、及び、中央部34はそれぞれ、上端から下端まで貫通した孔を有しているため、可動部材32全体として、上端から下端まで貫通した構造になっている。
【0029】
カラム取付筒36は、全体として円環形状を有し、先端付近の外周面には、ねじ山が形成されている。カラム取付筒36は、カラム配置部15に配置されたカラム7の下端に設けられた突起部3のねじ溝と、カラム取付筒36の先端付近のねじ山とが螺合することでカラム7を取り付け可能である。カラム7をカラム取付筒36に取り付ける際の詳細な動作は後述する。
【0030】
可動プレート35は、支柱31a、31bが貫通した孔を有すると共に支柱31a、31bに沿って上下移動可能である。従って、互いに固定された可動プレート35、中央部34、及び、カラム取付筒36は、一体的に上下移動可能となっている。
【0031】
バネ33a、33bはそれぞれ、上述したように、支柱31a、31bそれぞれの外周に支柱31a、31bを取り巻くように配置されており、両端は固定されていない。可動プレート35が支柱31a、31bに沿って移動可能な範囲の最下位置に位置するとき、バネ33a、33bは僅かに収縮した状態となっており、可動プレート35を下方に付勢する付勢力が発生している。そして、可動プレート35が最下位置よりも上方に位置しているとき(図5参照)、バネ33a、33bはさらに収縮した状態となっている。従って、バネ33a、33bが元に戻ろうとする復元力によって、可動プレート35が下方に付勢されるため、互いに固定された可動プレート35、中央部34、及び、カラム取付筒36、即ち、可動部材32全体が下方に付勢される。
【0032】
流出チューブ9の上端は、可動部材32の中央部34の下端から内部に挿入されており、中央部34内の孔に連通している。従って、カラム7内で分離された液体が、可動部材32内の孔を介して流出チューブ9内に流れるようになっている。よって、流出チューブ9の下端を、分離された液体ごとに図示しない別々の容器内に配置することで、各成分の分離を行うことができる。
【0033】
図7及び図8はそれぞれ、カラム7をカラム取付筒36に取り付ける前の状態、及び、取り付けた後の状態を示したものである。
【0034】
図7及び図8を参照すると、本体6におけるカラム栓4がクランプされない方の一端は、本体6の円筒の中心を中心とする円錐形状且つ凸状になっており、その先端には、後述するカラム取付筒36と係合する突起部3が設けられている。突起部3内において突起部3の軸方向には、分離された液体が通過するための本体6から連通した流路が設けられている。さらに、当該流路を画定する周壁の周囲には筒状空間が設けられており、その筒状空間に後述するようにカラム支持装置10のカラム取付筒36の先端付近が挿入される。また、筒状空間のさらに外側に設けられた突起部3の筒状外壁の内面には、ねじ溝が形成されている。このねじ溝とカラム取付筒36の外周面に形成されたねじ山とは螺合可能である。
【0035】
以下に、図7及び図8を参照し、カラム7をカラム取付筒36に取り付ける動作を説明する。
【0036】
まず、カラム配置部15の凹み18にカラム7の下部のテーパ部分が位置すると共に、突起部3がU字溝16内に位置するようにカラム7を配置する。このとき、図7に示すように、カラム7の突起部3はカラム取付筒36に取り付けられていない状態なので、バネ33a、33bによる可動プレート35を下方に付勢する付勢力によって、可動部材32の可動プレート35は、支柱31a、31bに沿って移動可能な範囲の最下位置に位置している。
【0037】
次に、可動部材32の中央部34の下面を指で僅かに押し上げ、カラム取付筒36の先端のねじ山とカラム7の突起部3の内面に形成されたねじ溝とが僅かに噛み合う程度まで、カラム取付筒36の先端をカラム7の突起部3内に挿入する。その後、カラム取付筒36のねじ山と突起部3のねじ溝とが螺合する方向にカラム7を回転させると、その回転に伴ってカラム取付筒36と突起部3が互いに締め付けられ、可動部材32が徐々に上昇する。このとき、突起部3内の流路の周りに形成された筒状空間に、カラム取付筒36の先端付近が挿入される。このような構成によると、カラム7の本体6の下部において、本体6の直径が最大になる範囲の最下位から突起部3の先端までの距離をlとすると、カラムによって距離lが異なっていても、距離lによらずにカラムをカラム取付筒36に取り付けることが可能である。
【0038】
そして、図8に示されているように、カラム取付筒36のねじ山と突起部3のねじ溝との螺合動作が完了したとき、カラム取付筒36へのカラム7の突起部3の取り付けが完了する。このとき、可動プレート35は、移動可能な範囲の最下位置よりも上方に位置しているため、バネ33a、33bはさらに収縮した状態となっており、元に戻ろうとする復元力によって、可動プレート35を含む可動部材32を下方に付勢する付勢力が発生する。従って、カラム取付筒36に取り付けられたカラム7にも下方に付勢力が働くため、カラム7はカラム配置部15に押し付けられる。よって、カラム7は安定して支持される。
【0039】
上記のように用意されたカラムスタンド20、カラム7、流入チューブ8、カラム支持装置10、及び、流出チューブ9を使用し、充填剤が充填されたカラム7内に、流入チューブ8を介して試料が溶解した溶離液を流入させることで、カラム7内で分離された各成分が、カラム取付機構30の可動部材32内の孔及び流出チューブ9を介して流出され、各成分を得ることが可能である。
【0040】
以上説明した本実施の形態によると、次のような効果が得られる。
【0041】
カラム7を支持板11のカラム配置部15に配置すると共に、可動部材32を上方に移動させ、カラム取付筒36にカラム7の突起部3を取り付けることができるため、バネ33a、33bによる下方への付勢力によってカラム7を安定して支持することが可能である。また、支持板11のカラム配置部15によって、カラムのサイズによらず、カラムをカラム配置部15に配置することが可能である。従って、様々な直径のカラムを使用することができ、汎用性が向上する。
【0042】
また、カラム7の突起部3をカラム取付筒36に取り付けるときに、カラム7の突起部3とカラム取付筒36の先端付近とが螺合可能であるため、カラム7とカラム取付筒36との接続を強力にすることができる。また、カラム7の突起部3をカラム取付筒36の先端に噛み合わせた状態でカラム7とカラム取付筒36とが螺合する方向にカラム7を回転させることによって、可動部材32が自動的に上昇するため、カラム7の取り付けが容易であると共に、バネ33a、33bによる可動部材32を下方に付勢する付勢力を強めることができる。従って、カラム7をより安定して支持することが可能である。
【0043】
また、円錐形状を有する凹みは、様々な直径のカラムの下部におけるテーパ部分を受けることが可能であるため、汎用性が向上する。また、円錐形状を有する凹みによって支持板11とカラム7とがより密着するため、カラム7をより安定して支持することが可能である。
【0044】
また、カラムスタンド用取り付け部材12によってカラムスタンド20に取り付けられた支持板11のカラム配置部15にカラム7を配置することによって、カラム7をより安定して支持することが可能である。また、カラムスタンド用取り付け部材12によって、支持板11をカラムスタンド20に高さ調節可能に取り付けることができるため、様々な長さのカラムを使用することが可能である。従って、汎用性が向上する。
【0045】
さらに、支持板11とカラムスタンド20とを固定させるときに、レバー12aを回動させることによって容易に取り付けが可能である。
【0046】
以上説明した実施形態は本発明の実施形態の一例であり、本発明はこのような構成に限られない。
【0047】
例えば、上記実施形態では、取付柱22の補助柱23に対向する面、その面と平行な面、及び、これらの面と垂直な面のうちの一方には、上端から下端まで延在した溝が幅方向中央に形成されているが、これらのうち、補助柱23に対向する面、及び、その面と平行な面のみに溝が形成されていてもよい。また、カラムスタンド20の取付柱22のみでなく、補助柱23の面にも同様の溝が形成されていてもよい。その場合は、補助柱23にもカラム支持装置を取り付けることが可能である。また、カラムスタンド20において、補助柱23及び接続部材24を省略することも可能である。
【0048】
また、上記実施形態では、2つの支柱31a、31b、及び、バネ31a、31bが設けられているが、支柱及びバネはそれぞれ1つでもあってもよいしそれぞれ3つ以上あってもよい。また、バネの代わりに他の弾性体を用いてもよい。要するに、可動部材32が、設けられた支柱に沿って上下移動可能であり、所定位置よりも上方に位置しているときに、弾性体が可動部材を下方に付勢する付勢力を発生する構成であればよい。
【0049】
また、上記実施形態では、突起部3の筒状外壁の内面にねじ溝が形成されており、カラム取付筒36の外周面にねじ山が形成されているが、ねじ溝及びねじ山が形成される部材は逆であってもよい。即ち、突起部3の筒状外壁の内面にねじ山が形成され、カラム取付筒36の外周面にねじ山が形成されていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、カラム取り付け機構30のカラム取付筒36とカラム7との取り付けは、ねじの作用を利用したものであるが、カラム取付筒36とカラム7とは、ねじ以外の手段によって取り付けられてもよい。例えば、先端にOリングを装着したカラム取付筒36をカラム7の突起部3内に圧入するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係るカラム支持装置とその周辺を示した斜視図である。
【図2】図1のうち、カラムスタンド、カラム支持装置、及び、流出チューブのみを示した斜視図である。
【図3】図1に描かれたカラム支持装置の平面図である。
【図4】図1に描かれたカラム支持装置の斜視図である。
【図5】図1に描かれたカラム支持装置の正面図である。
【図6】図1に描かれたカラム支持装置の側面図である。
【図7】図1に描かれたカラムがカラム支持装置に取り付けられる前の様子である。
【図8】図1に描かれたカラムがカラム支持装置に取り付けられた後の様子である。
【符号の説明】
【0052】
7 カラム
8 流入チューブ
9 流出チューブ
10 カラム支持装置
11 支持板
12 カラムスタンド用取り付け部材
15 カラム配置部
20 カラムスタンド
30 カラム取付機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフ用カラムが配置されるカラム配置部を含む支持板と、
前記支持板に固定された一端を有し、前記一端から下方へ延在した支柱と、
前記支持板の上面よりも下方に位置しており、前記支柱が貫通した孔を有すると共に前記支柱に沿って上下移動可能な可動部材と、
前記支柱の外周に配置され、前記可動部材が所定位置よりも上方に位置しているとき前記可動部材を下方に付勢する付勢力を発生する弾性部材とを備えており、
前記カラム配置部は、厚さ方向に貫通した空間を有しており、
前記可動部材は、前記空間内に配置されたカラム取付部を有しており、
前記可動部材には、前記カラム取付部の先端からこれよりも下方位置まで貫通した孔が設けられていることを特徴とする液体クロマトグラフ用カラム支持装置。
【請求項2】
前記カラム取付部の前記先端の外周面には、ねじ山又はねじ溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラム支持装置。
【請求項3】
前記カラム配置部の上面には、液体クロマトグラフ用カラムが配置される凹みが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカラム支持装置。
【請求項4】
前記凹みが、前記カラム取付部の前記先端を通過する上下軸を中心とする円錐形状を有していることを特徴とする請求項3に記載のカラム支持装置。
【請求項5】
前記支持板を液体クロマトグラフ用カラムスタンドに高さ調節可能に取り付けるための取り付け部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラム支持装置。
【請求項6】
前記取り付け部材は、前記支持板と液体クロマトグラフ用カラムスタンドとを固定させるための回動可能なレバーを含んでいることを特徴とする請求項5に記載のカラム支持装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−229429(P2009−229429A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78790(P2008−78790)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(391048533)山善株式会社 (11)