説明

カラー選択入力装置及び方法

本発明は、特に照明システムのための、例えばカラー選択ホイールまたはパッドによるカラー選択入力に関する。本発明はカラー選択手段(10)を提供する。本手段は、選択可能なカラーを、カラー選択手段の方向に沿う色相グラデーション(12)として表す。色相グラデーションは、それを、ユーザの好む色相のセグメント(20)が、ユーザの好まない色相のセグメント(22)より大きくなるように不均等なセグメント(20、22)に分割することによって、ユーザの好みに適合させる。本発明は、カラー選択の入力をユーザの好みにより良好に適合させ得るという主たる長所を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に照明システムのための、例えばカラー選択ホイールまたはパッドによるカラー選択入力に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが好む照明環境を彼等自信が創作できるようにするために、多くの照明システムは照明強度だけではなく、照明のカラーも調整できるようになっている。照明システムにカラー選択を入力するために、カラーホイールまたはパッドを使用することができる。米国特許第5,012,299号は、カラー画像再生マシンのためのカラー調整装置を開示している。この装置は、全ての実カラーを、彩度及び色相のカラー成分で視覚的に表すカラーチャートを含んでいる。カラー調整データは、タッチキーによって入力することができる。タッチキーは1回のタッチでユーザの好む色相及び彩度を選択できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,012,299号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改良されたカラー選択入力装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明はカラー選択入力装置を提供する。本装置はカラー選択手段を備え、カラー選択手段は、選択可能なカラーをカラー選択手段の方向に沿う色相グラデーションとして表す。この色相グラデーションは、ユーザの好む色相のセグメントがユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することによってユーザの好みに適合されている。
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は更に、カラー選択入力方法を提供する。本方法は、
選択可能なカラーを、ある方向に沿う色相グラデーションとして表すステップと、
色相グラデーションを、ユーザの好む色相のセグメントがユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することによって、色相グラデーションをユーザの好みに適合させるステップと、を含む。
【0007】
本発明の特色は、カラー選択の入力を、ユーザの好みに、特定的にはユーザが好むカラーにより良く適合させることができる長所を提供することである。即ち、本発明はカラーについてのユーザの好みに対して、色相グラデーションを均等にセグメント化する従来のカラー入力装置及び方法よりも良好に対処することができる。本発明によるカラー入力は、ユーザが照明を極めて精細なレベルで彼等の好むカラー設定に調整できるようにするので、近代的な照明システムに特に適している。更に、本発明は、ユーザがカラーを、彼等が好むカラーにより迅速且つ容易に調整できるようにすることを可能にする。本発明によるカラー入力は、例えば、照明システムのためのある種のリモートコントロール(テレビジョンのリモートコントロールに類似のもの)で実現することができる。ユーザが好まない(選択可能な)カラーの選択範囲を縮小させ、一方、不均等なセグメント内のユーザが好むカラーの選択範囲が拡大される。
【0008】
“カラー選択手段”という用語は、あるカラーまたは色相を選択するのに適する何等かの手段、即ち、例えばカラーホイールまたはサークル、ポテンショメータ、電子制御回路、またはタッチパッドのような機械的並びに電子的選択手段、またはそれらの組合せを含む。“カラー選択手段”は、コンピュータのディスプレイ上にカラー選択手段を表示させ、位置決めデバイス、キーボード、またはタッチセンスディスプレイのようなコンピュータの入力装置でユーザ入力を処理するようになっているコンピュータ及びコンピュータプログラムによって実現することもできる。従って、“カラー選択手段”という用語は、ソフトウェアによって実現される“仮想”手段をも含む。
【0009】
“・・・の方向に沿う”という用語は、例えば、カラーの範囲を有する1つの軸、1つの円、または1つの線を含む。カラー選択手段は、例えば、1つの線に沿って、または1つのカラーサークルの円周方向に沿って選択可能なカラーのスペクトルを表示することによって、選択可能なカラーを視覚的に表すこともできる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの好む色相のセグメントを赤−黄とすることができる。殆どの文化及び国のユーザが、赤から黄への色相グラデーションを好むことがユーザ試験によって知られているので、このセグメントをユーザの好む色相の1つとして選択することができる。
【0011】
本発明のさらなる実施形態によれば、
・カラー選択手段はカラーサークルを備え、
・赤−黄セグメントは、カラーサークル上の約70°乃至120°の角度にわたることができる。
【0012】
この実施形態は、赤から黄までの色相グラデーションに広い選択範囲をユーザに提供する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの好む色相のセグメントを赤−黄、黄−緑、及び緑−シアンとすることができ、ユーザの好まない色相のセグメントをシアン−青、青−マゼンタ、及びマゼンタ−赤とすることができる。
【0014】
この実施形態では、ユーザには、赤から緑を経てシアンまでの色相グラデーションに広いカラー選択範囲が提供され、一方シアンから青及びマゼンタを経て赤までの色相グラデーションは狭いカラー選択範囲にされている。
【0015】
本発明のさらなる実施形態によれば、
・カラー選択手段はカラーサークルを備え、
・赤−黄セグメントはカラーサークル上の約80°の角度にわたり、
・黄−緑セグメントはカラーサークル上の約70°の角度にわたり、
・緑−シアンセグメントはカラーサークル上の約60°の角度にわたり、
・シアン−青セグメント、青−マゼンタセグメント、及びマゼンタ−赤セグメントはそれぞれ、カラーサークル上の約50°の角度にわたっている。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの好む色相のセグメントを赤−黄、黄−緑、緑−シアン、及びシアン−青とすることができ、ユーザの好まない色相のセグメントを青−マゼンタ及びマゼンタ−赤とすることができる。
【0017】
この実施形態では、ユーザには、赤から緑及びシアンを経て青までの色相グラデーションに広いカラー選択範囲が提供され、一方、青からマゼンタを経て赤までの色相グラデーションは狭いカラー選択範囲にされている。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、
・カラー選択手段はカラーサークルを備え、
・赤−黄セグメントはカラーサークル上の約150°の角度にわたり、
・黄−緑セグメントはカラーサークル上の約40°の角度にわたり、
・緑−シアンセグメントはカラーサークル上の約40°の角度にわたり、
・シアン−青セグメントはカラーサークル上の約70°の角度にわたり、
・青−マゼンタセグメント、及びマゼンタ−赤セグメントはそれぞれ、カラーサークル上の約30°の角度にわたっている。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、
・カラー選択手段はカラーサークルを備え、
・色相グラデーションは、カラーサークル上を時計回りに黄から赤へ、マゼンタへ、青へ、シアンへ、そして緑へと配列することができる。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、
・カラー選択手段はカラーサークルを備え、
・色相グラデーションは、カラーサークル上を反時計回りに黄から赤へ、マゼンタへ、青へ、シアンへ、そして緑へと配列することができる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、カラー選択手段はカラーサークルを備え、そして選択可能なカラーをカラー選択手段の半径方向に沿う彩度グラデーションとして視覚的に表すこともできる。従って、ユーザは、あるカラーを、色相グラデーションについてだけではなく、彩度グラデーションについても選択することができる。これは、ユーザに例えば照明システムのカラー選択入力のより大きい柔軟性を与えることができる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、入力装置は、
・カラー選択手段からのユーザが選択した色相を表す色相選択信号からユーザの好む色相を決定するように、受信した色相選択信号を処理するカラー選択処理手段と、
・カラー選択処理手段からユーザの好む色相を表す色相選好信号を受信し、色相グラデーションを、ユーザの好む色相のセグメントがユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することにより、カラー選択手段の円周方向に沿う色相グラデーションとして選択可能なカラーの表現を色相選好信号と一致するように調整するカラー表現選定手段と、を備える。
【0023】
これは、カラー選択をユーザ入力に動的に適合可能にする。例えば、もしユーザが赤から黄までの範囲内の色相グラデーションからカラーを選択することが多ければ、カラー選択処理手段はそれに注目し、選択可能なカラーの視覚表現を相応に調整することをカラー表現選定手段に信号する。この実施形態は更に、例えばLCD(液晶ディスプレイ)の如きカラーディスプレイ手段のような、選択可能なカラーを容易に変化させ得る視覚表現を含むことができる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの好む色相のセグメントにおける入力の分解能を、ユーザの好まない色相のセグメントにおける入力の分解能より高くすることができる。“入力の分解能”という用語は、例えば、あるセグメントにおいて可能な入力のグラデーションあるいは推移を意味する。このグラデーションもしくは推移は、通常は入力手段によって、特定的には入力手段の可能な入力領域によって決定することができる。例えば、アナログポテンショメータは極めて高い分解能を呈することができ、一方デジタル入力手段は相対的に低い分解能を呈し得る。この実施形態では、ユーザがより精細に選択できるようにするために、ユーザの好む色相のセグメント内の分解能を増加させている。
【0025】
本発明のさらなる実施形態によれば、コンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、コンピュータによって実行された時に本発明による方法を遂行させることができる。このコンピュータプログラムによれば、複雑な照明システムを制御するために使用することができる例えばパーソナルコンピュータ(PC)によって本発明を実施可能にする。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、本発明によるコンピュータプログラムを格納するために、CD−ROM、DVD、メモリカード、フロッピー(登録商標)ディスク、または類似の記録媒体のようなレコードキャリアを設けることができる。
【0027】
本発明のこれらの、及び他の面は、以下の実施形態の詳細な説明から明白になるであろう。
【0028】
以下に、例示実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの例示実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるカラー選択入力装置のカラーホイールの第1実施形態である。
【図2】本発明によるカラー選択入力装置のカラーホイールの第2実施形態である。
【図3】ユーザが彩度をも入力できるようにした本発明によるカラー選択入力装置のカラーホイールの第3実施形態である。
【図4】ユーザ試験に基づくユーザが最も好む色相を示す図である。
【図5】本発明による選択可能なカラーの視覚表現を動的に選定するカラー選択入力装置の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明を、近代的な照明システムにカラー選択を入力するためにしばしば使用されるカラーホイールまたはカラーサークルによって説明する。しかしながら、本発明がカラーホイールまたはサークルに、及び照明システムに限定されるものではなく、また、カラースライディングコントロール、またはタッチパッドのような他の入力装置、または“色空間”を視覚的に(即ち、利用可能なカラーを二次元的表現で)表し、例えばTVセットまたはコンピュータディスプレイのカラー選択に使用されるコンピュータプログラムによって実現することもできることを理解されたい。更に、添付図面及び以下の説明においては、(機能的に)類似する、または同一の要素については同一の参照番号を付すことにする。
【0031】
近代的な照明システムは、照明の強さを制御するだけではなく、快適な環境を創出するために照明カラーをも制御することができる。光源のカラーをナビゲートし設定するために、いわゆるカラーサークルまたはカラーホイールをそれぞれ使用することができる。カラーサークルは、選択可能なカラーを、サークルの円周方向に沿う色相グラデーションとして表す。また、選択可能なカラーは、例えばテキスト表現を用いる代わりにカラーサークル上に視覚的に表示することができる。従って、カラーサークルは、ユーザのための一種の簡易なカラー選択領域を形成している。ユーザは、カラーサークルを機械的に回転させることによって、またはカラーサークルまたはホイールがタッチセンスカラー入力装置によって実現されている場合には、カラーサークル上の好ましい色相にタッチすることによって、あるカラーを選択することができる。選択された色相はカラーサークルを含むカラー選択入力装置から照明システムへ伝達され、照明システムは照明システムの光源を制御することによって所望のカラーに設定することができる。カラーサークルは、例えば光スイッチ内に、照明システム制御盤内に、照明システム制御PC内に、または照明システムのリモートコントロール内に実現することができる。
【0032】
在宅消費者試験によって、彼等の家庭内で人々が好むカラー設定のデータが図4に示すように記録された。図4に示されているデータは、殆どの時間、消費者は利用可能なカラーの全スペクトルの一部に彼等自身の特定のカラーの選択を設定することを好むことを示している。各ユーザはしばしば特定の好みを有しているが、平均的には、消費者はあるカラーを他のカラーよりも好む。この好みは、文化の差によって、及び異なる国の人々の間で異なることがあり得る。図4の各小円は、ユーザが設定したカラー選択を表している。上記試験によれば、通常は、殆どのユーザがカラーサークル内のカラーの全スペクトルを完全に使用しているのではなく、カラースペクトルの中のユーザが好むカラーを含む僅かな部分だけしか使用しないことが解った。例えば、もしユーザが青色相及び赤色相を好むのであれば、彼女または彼が緑または黄色相を選択することは極めて稀である。従って、ユーザの好みにより良くマッチさせ、ユーザの便宜を増すためには、カラーサークルまたはホイール上の色相グラデーションをより良く選定することが望ましい。
【0033】
本発明は、ユーザの好みの領域における選択により良好に適合させるように、そのユーザのためにカスタマイズされたオプションを提供する。カラー選択は、例えばユーザの選択を光源に導くことができるカラー選択入力装置、例えば上述したカラーサークルのようなユーザインタフェースを介して行われる。本発明は、ユーザが好むカラーが位置しているカラー選択領域内のカラー選択領域を広げ、それ程好まれていないカラーの領域を狭める。
【0034】
図1に示すカラーサークル10は、その円周方向に色相グラデーション12として、選択可能なカラーを表している。図1のカラーサークル10の頂点には黄色相が位置している。色相は、黄から時計回りに約80°の角度の赤まで、約130°の角度のマゼンタまで、そして約180°の角度の青まで広がっている。色相は、黄から反時計回りに約70°の緑まで、及び約130°の角度のシアンまで広がっている。カラーサークル10の色相グラデーションのこのセグメント化法によれば、色相の広めのセグメント20と狭めのセグメント22が得られる。このセグメント化法は、カラーサークル10の円周方向に配列されている短い黒線で示されている。これらの短い黒線は説明の目的だけのためのものであって、これらはユーザにセグメント化法を迅速に認識させるのを援助することはできるが(例えば、原色を表すためにこれらの線をカラーサークル上に直接印刷しておくことができる)、通常は、実際のカラーサークルの一部ではない。
【0035】
図1において、カラーサークル10のセグメントサイズは、
・赤−黄:約80°の角度のサイズ(即ち、赤−黄は約80°の角度に広がっている)
・黄−緑:約70°の角度のサイズ
・緑−シアン:約60°の角度のサイズ
・シアン−青:約50°の角度のサイズ
・青−マゼンタ:約50°の角度のサイズ
・マゼンタ−赤:約50°の角度のサイズ
である。
【0036】
セグメント20を広くしてあるので、これらのセグメント内の色相グラデーションを増加させることができ、従って、狭めのセグメント22内の色相グラデーションよりも精細になるから、これらの広めのセグメント20内ではより多くの選択可能なカラーをユーザに提供することができる。
【0037】
セグメントのサイズが大きく異なっている別の例を図2に示す。図2では、カラーサークル10のセグメントサイズは、
・赤−黄:約150°の角度のサイズ
・黄−緑:約40°の角度のサイズ
・緑−シアン:約40°の角度のサイズ
・シアン−青:約70°の角度のサイズ
・青−マゼンタ:約30°の角度のサイズ
・マゼンタ−赤:約30°の角度のサイズ
である。
【0038】
この実施形態では、ユーザは赤−黄セグメント内において最も多くの選択可能なカラーを選択することができ、シアン−青セグメントにおいても多めの選択が可能である。選択可能なカラーの選択が最も少ないのは、ユーザが好むカラーを全く、または僅かしか含んでいない青−マゼンタ及びマゼンタ−赤セグメントにおいてである。
【0039】
上述した実施形態では、各セグメントが所与のサイズを有するカラーホイールが使用されている。しかしながら、本発明はこれらのサイズに限定されるものではない。セグメントのサイズは、約10°乃至約270°の間で変化させることができる。ある応用の場合には、あるセグメントを省略することさえもできる。
【0040】
以上のように、本発明はユーザに彼/彼女の好みの領域により多くのカラー選択を与え、ユーザはより広いセクションの領域内においてより精細にカラーを選択することができる。例えば、図2に示すカラーホイールを用いると、ユーザは、黄−橙−赤カラーの領域において遙かに多くの選択と、精細な調整の可能性を有する。
【0041】
カラーホイールは、トップが黄ではなく別のカラーが位置するように回転させることもできる。このようにすると、ユーザがインタフェースデバイス上のカラーホイールを使用する場合、ユーザにとって人間工学的に最良の位置に最も好ましいカラーを配置することができる。
【0042】
別の(明白な)変形は、黄−赤変換が時計回りにではなく反時計回りになるように、カラーホイールを鏡映させることである。
【0043】
この概念に基づくさらなる変形は、図3に示すように、サークルの縁に飽和したカラーを、そして中心に白色光を有するカラーパッドを使用することである。この実施形態ではユーザは、例えばカラーサークル上のある点にタッチすることによって、1つの色相だけではなく、彩度をも選択することができる。サークル14上の破線18は彩度の異なるグラデーションを表しており、サークルの中心から境界に向かって彩度16のグラデーションが増している。
【0044】
本発明を実現するカラーホイールまたはパッドは、箔または表面上に印刷されているような静的なものではなく、図形デバイスまたはLCD画面上のように動的に変化させることができる。このような実施形態を図5に示す。例えば、カラーホイール10の位置のようなカラーホイール10の入力は、カラー選択処理手段24への入力である。手段24は、カラーホイール10からのユーザが選択した色相を表す色相選択信号を処理する。色相選択信号は、受信した色相選択信号からユーザの好みの色相を決定するように処理される。典型的には、手段24は、ある時間にわたって色相選択信号を追跡し、次いで、ユーザが好むカラーを決定するために、追跡した信号を処理する。次いで、好ましいカラーが色相選好信号としてカラー表現選定手段26へ伝送される。手段26は、色相グラデーションを、ユーザの好む色相のセグメント20が、ユーザの好まない色相のセグメント22より大きくなるように不均等なセグメント20、22に分割することによって、カラーホイール10の方向に沿う色相グラデーションとして選択可能なカラーの視覚表現を色相選好信号に一致させるように調整する。
【0045】
カラー選択処理手段24及びカラー表現選定手段26は、例えばユーザの好みを検出して相応にセグメントのサイズを調整するある種の学習ソフトウェアによる等のように、ソフトウェアによって実現することができる。典型的な実現は、そのディスプレイ上にカラーホイール10を表示するようになっているプログラムを有するPCであろう。ユーザは、カラーホイール10上の対応する位置をクリックすることによって、またはタッチセンスディスプレイの場合には、カラーホイール10にタッチすることによって好ましいカラーを選択することができる。ユーザ入力は、カラー選択処理手段24及びカラー表現選定手段26を実現しているコンピュータプログラムによって処理することができる。カラーホイール10はこのプログラムによって、ユーザ入力に、即ちユーザが好むカラー選択に動的に適応させることができる。
【0046】
別のオプションは、ユーザが手動でセグメントサイズを調整できるようにすることであろう。
【0047】
本発明は、複雑な照明システムのカラー調整の分野における応用に特に適する。
【0048】
本発明は、ユーザにとって、好ましいカラーまたは色相をそれぞれ選択するのをより容易にすることが主たる長所である。更に、本発明は、カラー選択にユーザの好みを適合させることを可能にする。
【0049】
カラー選択処理手段の機能のような本発明の少なくとも若干の機能は、ハードウェア、またはソフトウェアによって遂行させることができる。ソフトウェアで実現する場合には、本発明を実現する単一の、または複数のアルゴリズムを処理するために、単一の、または複数の標準マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを使用することができる。
【0050】
“・・・からなる”という語は他の要素またはステップを排除するものではなく、また“1つの”または“ある”という語は複数のアイテムを排除するものではない。更に、特許請求の範囲に記述されている参照符号が、本発明の範囲を説明し、制限するものでもない。
【符号の説明】
【0051】
10 カラーサークル
12 色相グラデーション
14 サークル
16 彩度
20 セグメント
22 セグメント
24 カラー選択処理手段
26 カラー表現選定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー選択入力装置であって、
カラー選択手段を備え、
上記カラー選択手段は、上記カラー選択手段の方向に沿う色相グラデーションとして、選択可能な複数のカラーを表し、
上記色相グラデーションは、ユーザの好む色相のセグメントがユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することによってユーザの好みに適合されている、ことを特徴とするカラー選択入力装置。
【請求項2】
上記ユーザの好む色相のセグメントは、赤−黄であることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、
上記赤−黄セグメントは、上記カラーサークル上の約70°乃至120°の角度にわたる、ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
上記ユーザの好む色相のセグメントは赤−黄、黄−緑、及び緑−シアンであり、上記ユーザの好まない色相のセグメントはシアン−青、青−マゼンタ、及びマゼンタ−赤であることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、
上記赤−黄セグメントは、上記カラーサークル上の約80°の角度にわたり、
上記黄−緑セグメントは、上記カラーサークル上の約70°の角度にわたり、
上記緑−シアンセグメントは、上記カラーサークル上の約60°の角度にわたり、
上記シアン−青セグメント、上記青−マゼンタセグメント、及びマゼンタ−赤セグメントはそれぞれ、上記カラーサークル上の約50°の角度にわたる、ことを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
上記ユーザの好む色相のセグメントは赤−黄、黄−緑、緑−シアン、及びシアン−青であり、上記ユーザの好まない色相のセグメントは青−マゼンタ、及びマゼンタ−赤である、ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、
上記赤−黄セグメントは、上記カラーサークル上の約150°の角度にわたり、
上記黄−緑セグメントは、上記カラーサークル上の約40°の角度にわたり、
上記緑−シアンセグメントは、上記カラーサークル上の約40°の角度にわたり、
上記シアン−青セグメントは、上記カラーサークル上の約70°の角度にわたり、
上記青−マゼンタセグメント、及び上記マゼンタ−赤セグメントはそれぞれ、上記カラーサークル上の約30°の角度にわたる、ことを特徴とする請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、
上記色相グラデーションは、上記カラーサークル上を時計回りに黄から赤へ、マゼンタへ、青へ、シアンへ、そして緑へと配列されている、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、
上記色相グラデーションは、上記カラーサークル上を反時計回りに黄から赤へ、マゼンタへ、青へ、シアンへ、そして緑へと配列されている、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
上記カラー選択手段はカラーサークルを備え、上記カラーサークルの半径方向に沿う彩度グラデーションとして、上記選択可能な複数のカラーを視覚的に表すことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項11】
上記入力装置は更に、
上記カラー選択手段からのユーザが選択した色相を表す色相選択信号をから上記ユーザの好む色相を決定するように、受信した上記色相選択信号を処理するカラー選択処理手段と、
上記カラー選択処理手段から上記ユーザの好む色相を表す色相選好信号を受信し、上記色相グラデーションを、上記ユーザの好む色相のセグメントが上記ユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することにより、上記カラー選択手段の円周方向に沿う色相グラデーションとして選択可能なカラーの表現を上記色相選好信号と一致するように調整するカラー表現選定手段と、
を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項12】
上記ユーザの好む色相のセグメント内の入力の分解能は、上記ユーザの好まない色相のセグメント内の入力の分解能より高いことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の入力装置。
【請求項13】
カラー選択入力方法であって、
ある方向に沿う色相グラデーションとして選択可能なカラーを表すステップと、
上記色相グラデーションを、ユーザの好む色相のセグメントがユーザの好まない色相のセグメントより大きくなるように不均等なセグメントに分割することによってユーザの好みに適合させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
コンピュータに、請求項13に記載の方法の少なくとも一部分を遂行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを格納している記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−505225(P2010−505225A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529807(P2009−529807)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053757
【国際公開番号】WO2008/038179
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】