説明

カラー陰極線管

【課題】消磁等による振動音を低減し、かつ、外部磁界の影響による画面上の色むらの発生を抑制する。
【解決手段】シャドウマスクを保持する略矩形枠状のフレーム2に、電子銃から射出された電子ビームを外部磁界から遮へいする磁気シールド1が保持されている。磁気シールド1は蛍光体スクリーン側端に底板15を備え、フレーム2は底板15と重ね合わされた底面部21を備える。底板15及び底面部21には、互いに対向する位置に複数の取付孔13,23がそれぞれ形成されている。底板15の取付孔13の端縁及びその近傍領域は底面部21に近づくように弾性変形し、底板15が底面部21に押し付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像機、コンピューターディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管に関する。
【背景技術】
【0002】
図10はカラー陰極線管の一例の概略構成を示した断面図である。カラー陰極線管10は、パネル6とファンネル7とが接合一体化されてなり、内部が真空に維持されたガラス容器を備える。パネル6の内面には蛍光体スクリーン4が形成されている。蛍光体スクリーン4に対向して、多数のスロット状の電子ビーム通過孔(開孔)が形成されたシャドウマスク(色選別電極)3が設けられている。シャドウマスク3は、略矩形枠状のフレーム2に保持されている。フレーム2には、更に、地磁気などの外部磁界から電子ビーム5を遮蔽して電子ビーム5の軌道に対する影響を軽減する磁気シールド1が保持されている。フレーム2の側壁の外側面にはスプリング11が溶接固定されている。スプリング11の一端は、パネル6の内壁面に植設されたスタッドピン12に係合されている。かくして、フレーム2はパネル6の内壁面に保持されている。ファンネル7のネック部には電子銃9が内蔵されている。ファンネル7の外周面上には偏向ヨーク8が搭載されている。電子銃9から出射された電子ビーム5は、偏向ヨーク8が発する偏向磁界により水平方向及び垂直方向に偏向され、シャドウマスク3の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン4を走査する。
【0003】
以下の説明の便宜のために、図10に示したように、カラー陰極線管10の管軸をZ軸、Z軸と直交し、フレーム2の長辺と平行な方向軸(水平方向軸)をX軸、Z軸と直交し、フレーム2の短辺と平行な方向軸(上下方向軸)をY軸とするXYZ−3次元直交座標系を設定する。ここで、X軸とY軸とは管軸(Z軸)上で交差する。
【0004】
図4は、磁気シールド1とフレーム2の概略構成を示した分解斜視図、図5は、磁気シールド1とフレーム2の取付状態の一例を示した断面図である。磁気シールド1は、X軸とほぼ平行な略台形状の一対の長辺側板1aと、Y軸とほぼ平行な略台形状の一対の短辺側板1bと、一対の長辺側板1a及び一対の短辺側板1bの各蛍光体スクリーン4側端に設けられた底板15とを備える。底板15はXY面に対してほぼ平行であり、所定箇所に複数の取付孔(貫通孔)13が形成されている。フレーム2は、XY面に対してほぼ平行な底面部21と、Z軸に対してほぼ平行な側壁22とを備え、これらにより略L字状断面を有している。底面部21には底板15に設けられた複数の取付孔13と対向する位置に複数の取付孔(貫通孔)23が形成されている。磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21とを重ね合わせて、取付孔13及び取付孔23にバネ性を有するクリップ14を挿入することにより、磁気シールド1とフレーム2とが一体化される。
【0005】
取付孔13及び取付孔23の近傍では、底板15と底面部21とは、クリップ14の弾性力によりお互いに押し合う方向の応力(密着力)が印加された状態で密着しているが、取付孔13及び取付孔23から離れた地点では、底板15と底面部21との間に微小な隙間が生じたり、ほとんど応力が印加されることなく単に接触している程度であったりしていることが多い。その結果、カラー陰極線管に装着された消磁用コイルに消磁用交番電流が流れた時やスピーカー駆動時等に生じる振動によって、磁気シールド1が振動し、底板15と底面部21とが接触/非接触を繰り返したり擦れ合ったりすることにより振動音が発生するという問題があった。
【0006】
特許文献1には、図6及び図7に示すように、フレーム2の取付孔23の周囲及び磁気シールド1の取付孔13の周囲のうちの少なくとも一方に他方の側に突出した凸部24を設けることが記載されている。これにより、クリップ14の弾性力による密着力がほとんど発生しない領域では底板15と底面部21とを離間させることができるので、振動音の発生を防止することができる。
【0007】
特許文献2には、図9に示すように、磁気シールド1の取付孔13を挟むように底板15にフレーム2側に突出した複数の突起部16を設けることが記載されている。これにより、クリップ14を取付孔13及び取付孔23に挿入すると、磁気シールド1の底板15は弾性変形して、突起部16の頂部及びクリップ14の近傍領域において底面部21に応力を印加した状態で接触して固定されるので、振動音の発生を防止することができる。
【特許文献1】特開昭60−133636号公報
【特許文献2】特開昭61−99248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような従来の磁気シールドおよびフレームを用いたカラー陰極線管には、以下のような問題があった。
【0009】
特許文献1では、外部磁界に対する遮へい効果が低減し、電子ビームの軌道がずれ、所望する蛍光体が照射されず、色むらが発生するという問題があった。
【0010】
上記の理由は以下の通りである。カラー陰極線管に外部磁界(特に管軸(Z軸)方向磁界)がかかると、磁気シールド1とフレーム2との間の隙間から電子ビーム5側に磁界が漏れ、且つ、磁気シールド1に吸収されフレーム2を通ってシャドウマスク3内に流れる磁束が少なくなる。このため、電子ビーム5の軌道がずれ、色むらが発生する。この問題は、シャドウマスク3が透磁率が小さい材料(例えば、鉄材)からなる場合に特に顕著である。
【0011】
また、特許文献2では、製造上のばらつき等によっては磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21との間の隙間が所望の通りとならず、例えば、クリップ14の近傍領域において底板15と底面部21とが密着せず、両者間に微小な隙間が生じることにより、振動音が発生するという問題があった。さらに、上記の特許文献1と同様に、磁気シールド1とフレーム2との間に隙間が形成されることにより、外部磁界に対する遮へい効果が低減し、電子ビーム5の軌道がずれ、所望する蛍光体が照射されず、色むらが発生するという問題があった。
【0012】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、簡単かつ低コストな方法で、磁気シールドとフレームとの密着性を向上させることにより、消磁等による振動音を低減し、磁気特性が良好で色むらの発生が抑制されたカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のカラー陰極線管は、蛍光体スクリーンが形成されたパネルと、前記パネルと一体化されたファンネルと、前記ファンネル内に設置された電子銃と、前記蛍光体スクリーンに対向して配置された多数の開孔を有するシャドウマスクと、前記電子銃から射出された電子ビームを外部磁界から遮へいする磁気シールドと、前記シャドウマスク及び前記磁気シールドを保持する略矩形枠状のフレームと、前記フレームの側壁に設けられたスプリングと、前記パネルの内面に植設され、前記スプリングの一端が係合されたスタッドピンとを備える。
【0014】
前記磁気シールドは前記蛍光体スクリーン側端に底板を備え、前記フレームは前記底板と重ね合わされた底面部を備え、前記底板及び前記底面部には、互いに対向する位置に複数の取付孔がそれぞれ形成されており、前記底板の前記取付孔の端縁及びその近傍領域は前記底面部に近づくように弾性変形し、前記底板が前記底面部に押し付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単かつ低コストな方法で、磁気シールドとフレームの密着性を向上させることにより、消磁等による振動音を低減し、地磁気等の外部磁界による色むらの発生が抑制されたカラー陰極線管を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明に係るカラー陰極線管の全体構成は、以下に説明する磁気シールド及びフレームの形状を除いて特に制限はなく、例えば図10に示した従来のカラー陰極線管と同じであっても良い。以下に、図10に示したカラー陰極線管に本発明を適用した実施形態を説明する。上述の従来のカラー陰極線管と同じ構成部材には同じ符号を付してそれらについての重複する説明を省略し、従来と相違する点を中心に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るカラー陰極線管における磁気シールド1とフレーム2の概略構成を示した分解斜視図、図2は、磁気シールド1とフレーム2の取付状態を示した断面図、図3(A)は、磁気シールド1の取付孔13およびその周辺部を示した断面図、図3(B)はその正面図である。
【0019】
従来のカラー陰極線管と同様に、磁気シールド1は蛍光体スクリーン4側端に底板15を備え、フレーム2は底板15と重ね合わされる底面部21を備える。底板15には複数の取付孔(貫通孔)13が形成されており、底面部21には底板15に設けられた複数の取付孔13と対向する位置に複数の取付孔(貫通孔)23が形成されている。磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21とを重ね合わせて、取付孔13及び取付孔23にバネ性を有するクリップ14を挿入することにより、磁気シールド1とフレーム2とが一体化される。
【0020】
本発明では、従来のカラー陰極線管と異なり、図3(A)及び図3(B)に示すように、クリップ14が挿入される前の状態において、磁気シールド1の取付孔13の端縁及びその近傍領域がこれより外側の領域に対して電子銃9側(フレーム2と反対側)に突出している。より詳細に説明すると、L1×S1の取付孔13の端縁13aを含むL2×S2(L2>L1,S2>S1)の領域を上面とし、L3×S3(L3>L2,S3>S2)の領域を底面とし、L3×S3の領域よりも外側の領域に対する高さをH1とする、電子銃9側に突出した四角錐台形状が、磁気シールド1の取付孔13の周辺に形成されている。
【0021】
磁気シールド1の底板15の底面部21と対向する側の面には、底面部21側に突出した凸形状部が無く、かつ、フレーム2の底面部21の底板15と対向する側の面には、底板15側に突出した凸形状部が無いことが好ましい。
【0022】
これにより、簡単かつ低コストな方法で、磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21との密着性を向上させることができ、また、磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21との接触面積を大きくすることができる。従って、消磁等による振動音をさらに低減することができ、また、地磁気等の外部磁界による色むらの発生をより確実に抑制することができる。
【0023】
図2に示すように磁気シールド1とフレーム2とは、底板15と底面部21とを重ね合わせて、底板15に形成された複数の取付孔13及び底面部21に形成された複数の取付孔23にバネ性を有する複数のクリップ14をそれぞれ挿入することにより一体化され固着されていることが好ましい。
【0024】
これにより、図2に示すように、取付孔13の端縁13a及びその近傍領域がフレーム2側に近づくように上記四角錐台形状が弾性変形する。この四角錐台形状の変形により発生した弾性復元力が、磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21との間に互いに押し合う向きの応力を発生させる。従って、底板15と底面部21とが、四角錐台形状よりも外側の領域において両者間に応力が印加された状態で強固に密着して固定される。かくして、磁気シールド1とフレーム2との密着性をさらに向上させることができるので、消磁等による振動音をさらに低減することができ、また、地磁気等の外部磁界による色むらの発生をより確実に抑制することができる。また、バネ性を有するクリップ14を用いて磁気シールド1とフレーム2とを一体化することにより、一体化のための作業性が向上し、安定した一定の弾性復元力を発生させることができ、更に、必要に応じて行う分解作業も容易である。
【0025】
図3(A)及び図3(B)に示すように、クリップ14が挿入される前の状態において、底板15の取付孔13の端縁13a及びその近傍領域の、これより外側の領域に対する突出高さをH1、底板15の厚さをT1としたとき、3×T1≦H1≦10×T1を満足することが好ましい。
【0026】
これにより、底板15の取付孔13の近傍領域を効果的に弾性変形させることができるので、底板15と底面部21との間に適度な応力を発生させることができる。従って、磁気シールド1とフレーム2との密着性をさらに向上させることができるので、消磁等による振動音をさらに低減することができる。突出高さH1が上記の範囲より小さいと、底板15の取付孔13の近傍領域の弾性変形量が小さくなるので、底板15と底面部21との間に発生する応力が小さくなり、両者間の密着性が低下する。突出高さH1が上記の範囲より大きいと、底板15の取付孔13の近傍領域が塑性変形してしまうので、弾性変形に起因して発生する弾性復元力が低下し、底板15と底面部21との間の密着性が低下する。また、取付孔13,23にクリップ14を挿入する作業に大きな力が必要となり、生産性が低下する。
【0027】
具体的な実施例を示す。
【0028】
総偏向角104°、アスペクト比4:3の25型の図10に示す構造のカラー陰極線管を作製した。磁気シールド1は、厚み0.15mmの低炭素鋼板を用いて作製し、長辺側板1aに連設された底板15のX軸方向寸法は約450mm、短辺側板1bに連設された底板15のY軸方向寸法は約340mmとした。フレーム2は、厚み1mmの低炭素鋼板を用いて作製し、対角方向の外寸法は約580mmとした。シャドウマスク3は、厚み0.25mmの低炭素鋼板を用いて所定の曲面にプレス成形して作製した。
【0029】
フレーム2の取付孔23の寸法を7.0mm×7.0mmとした。
【0030】
磁気シールド1の底板15に、取付孔13と、その近傍領域に図3(A)及び図3(B)に示す四角錐台形状とをプレス成形により形成した。図3(A)及び図3(B)に示す取付孔13とその周辺部の寸法を以下の通りとした。
【0031】
H1=0.8mm
W1=15.0mm
S1=3.3mm
S2=7.0mm
S3=10.0mm
L1=7.0mm
L2=13.0mm
L3=16.0mm
このカラー陰極線管を「実施例」とする。
【0032】
上記の実施例とは別に、以下の2種類のカラー陰極線管を作製した(「比較例1」、「比較例2」とする)。
【0033】
比較例1では、図4に示す磁気シールド1を用いる以外は実施例と同様にしてカラー陰極線管を作成した。即ち、比較例1の磁気シールド1では、図4に示すように、底板15の取付孔13の近傍領域に四角錐台形状を形成せずに平坦とした。
【0034】
比較例2では、図6に示す磁気シールド1及びフレーム2を用いる以外は実施例と同様にしてカラー陰極線管を作製した。即ち、比較例2の磁気シールド1では、図6に示すように、底板15の取付孔13の近傍領域に四角錐台形状を形成せずに平坦とした。また、フレーム2の取付孔23の端縁及びその近傍領域をこれより外側の領域に対して電子銃9側(磁気シールド1側)に突出させた。より詳細に説明すると、図8(A)及び図8(B)に示すように、L4×S4の取付孔23の端縁を含むL5×S5の領域を上面とし、L6×S6の領域を底面とし、L6×S6の領域よりも外側の領域に対する高さをH2とする、磁気シールド1側に突出した四角錐台形状を、フレーム2の取付孔23の周辺に形成した。各部の寸法を以下の通りとした。
【0035】
H2=0.8mm
S4=7.0mm
S5=13.0mm
S6=16.0mm
L4=7.0mm
L5=13.0mm
L6=16.0mm
実施例及び比較例1,2のカラー陰極線管に消磁用コイルを装着して、これに消磁用交番電流を流した際の振動音を評価した。さらに、50μTの外部磁界(地磁気)を印加した際の画面上での電子ビーム移動量を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
表1より、実施例は、比較例1と比較して、消磁による振動音を低減できた。さらに比較例2と比較して、地磁気による電子ビーム移動量が約28%減少しており、その結果、色むらの発生を抑制することができた。従って、本実施形態によれば、簡単かつ低コストな方法で、消磁による振動音を低減し、かつ、外部磁界による色むらの発生を抑制することができることを確認した。
【0038】
上記の実施形態では、磁気シールド1の取付孔13の端縁13a及びその近傍領域の突出形状を四角錐台としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、四角錐台以外の角錐台、角錐台に類似した形状、円錐台、円錐台に類似した形状、球面の一部、又は、球面の一部に類似した形状などであっても良い。これらのいずれの場合でも上記の実施形態と同様の効果が得られる。いずれの場合であっても、磁気シールド1とフレーム2とが一体化される前の状態において、取付孔13の端縁13aが突出形状の頂部であることが好ましい。これにより、クリップ14を挿入したときに、突出形状の弾性変形量が大きくなるので、磁気シールド1の底板15とフレーム2の底面部21との間により大きな応力を発生させることができる。
【0039】
上記の実施形態では、磁気シールド1とフレーム2とを接合一体化させるためにバネ性を有するクリップ14を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば溶接により接合一体化させても良い。即ち、磁気シールド1の底板15の取付孔13の端縁13aをフレーム2の底面部21側に近づくように取付孔13の近傍領域の突出形状を弾性変形させた状態で取付孔13の端縁13aと取付孔23の端縁とを溶接する。この場合も上記の実施形態と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、消磁等による振動音を低減し、磁気特性が良好で色むらの発生が抑制できるので、動作時の異常音が小さく、画面全域での色純度が向上したカラー陰極線管として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラー陰極線管における磁気シールドとフレームの概略構成を示した分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るカラー陰極線管における磁気シールドとフレームの取付状態を示した断面図である。
【図3】図3(A)は、本発明の一実施形態に係るカラー陰極線管における磁気シールドの取付孔及びその周辺部を示した断面図、図3(B)はその正面図である。
【図4】図4は、従来のカラー陰極線管における磁気シールドとフレームの概略構成の一例を示した分解斜視図である。
【図5】図5は、従来のカラー陰極線管における磁気シールドとフレームとの取付状態の一例を示した断面図である。
【図6】図6は、従来のカラー陰極線管において、消磁等による振動音が低減された磁気シールドとフレームの概略構成の一例を示した分解斜視図である。
【図7】図7は、図6のカラー陰極線管において、磁気シールドとフレームの取付状態を示した断面図である。
【図8】図8(A)は、図6のカラー陰極線管において、フレームの取付孔及びその周辺部を示した断面図、図8(B)はその正面図である。
【図9】図9は、従来のカラー陰極線管において、消磁等による振動音が低減された磁気シールドとフレームの概略構成の別の例を示した断面図である
【図10】図10は、カラー陰極線管の一例の概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 磁気シールド
2 フレーム
3 シャドウマスク(色選別電極)
4 蛍光体スクリーン
5 電子ビーム
6 パネル
7 ファンネル
8 偏向ヨーク
9 電子銃
10 カラー陰極線管
11 スプリング
12 スタッドピン
13 取付孔
14 クリップ
15 底板
16 突起部
21 底面部
22 側壁
23 取付孔
24 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体スクリーンが形成されたパネルと、前記パネルと一体化されたファンネルと、前記ファンネル内に設置された電子銃と、前記蛍光体スクリーンに対向して配置された多数の開孔を有するシャドウマスクと、前記電子銃から射出された電子ビームを外部磁界から遮へいする磁気シールドと、前記シャドウマスク及び前記磁気シールドを保持する略矩形枠状のフレームと、前記フレームの側壁に設けられたスプリングと、前記パネルの内面に植設され、前記スプリングの一端が係合されたスタッドピンとを備えたカラー陰極線管であって、
前記磁気シールドは前記蛍光体スクリーン側端に底板を備え、前記フレームは前記底板と重ね合わされた底面部を備え、前記底板及び前記底面部には、互いに対向する位置に複数の取付孔がそれぞれ形成されており、前記底板の前記取付孔の端縁及びその近傍領域は前記底面部に近づくように弾性変形し、前記底板が前記底面部に押し付けられていることを特徴とするカラー陰極線管。
【請求項2】
前記底板の前記底面部と対向する側の面には前記底面部側に突出した凸形状部が無く、かつ、前記底面部の前記底板と対向する側の面には前記底板側に突出した凸形状部が無い請求項1に記載のカラー陰極線管。
【請求項3】
前記磁気シールドと前記フレームとは、前記底板と前記底面部とを重ね合わせて、前記底板に形成された前記複数の取付孔及び前記底面部に形成された前記複数の取付孔にバネ性を有する複数のクリップをそれぞれ挿入することにより一体化されている請求項1又は2に記載のカラー陰極線管。
【請求項4】
前記底板が前記底面部に重ね合わされる前の状態において、前記底板の前記取付孔の端縁及びその近傍領域は、これより外側の領域に対して前記電子銃側に突出している請求項1〜3のいずれかに記載のカラー陰極線管。
【請求項5】
前記底板が前記底面部に重ね合わされる前の状態において、前記底板の前記取付孔の端縁及びその近傍領域の、これより外側の領域に対する突出高さをH1、前記底板の厚さをT1としたとき、3×T1≦H1≦10×T1を満足する請求項1〜4のいずれかに記載のカラー陰極線管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−128729(P2007−128729A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320004(P2005−320004)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(503217783)松下東芝映像ディスプレイ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】