説明

カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料のコンディショニング方法

【課題】
顔料側で分解または減成反応を起こさずに、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料のコンディショニングに適当な溶剤を見出すこと。
【解決手段】
本発明は、グリコールモノアルキルエーテルを用いてまたはグルコールとグリコールジアルキルエーテルとの混合物を用いて、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料をコンディショニングする方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料のコンディショニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの顔料が、それらの合成において、どのような用途にも直接は適していない粗製の形で得られる。それ故、これらの粗製の顔料は、適切な結晶多形または粒度分布にするためにまたは不純物を除去するために後処理しなければならない。コンディショニングのための一つの確立された技術は、溶剤中で粗製顔料を処理することである。この場合、粒度の成長のために、しばしば高められた温度が必要である。
【0003】
欧州特許第0 894 831 B1号明細書は、非プロトン性双極性溶剤、例えばジメチルホルムアミド、ジオキサン、N−メチルピロリドンまたはジメチルスルホキシド中で顔料をコンディショニングすることを記載している。これらの溶剤の溶解力(solvency)は高いが、これらは工業的規模で使用するのが困難である。
【0004】
独国特許出願公開第102 27 527A1号明細書は、塩基性または中性pHにおいてプロトン性及び非プロトン性溶剤を用いてジアゾ顔料を処理することを記載している。このコンディショニング方法は、一部の顔料には実行可能ではない。なぜならば、顔料の官能基、特にエステル基が、高いpHまたは高い温度によって攻撃を受ける恐れがあるからである。加水分解及び加溶媒分解がしばしば観察され、ペイント及びインキにおけるオーバーコートに対する堅牢性を低下させるか、またはプラスチックにおけるマイグレーションを大きくする。
【0005】
慣用の方法によるカルボン酸エステル基を含む顔料のコンディショニングには不利点が伴う。特にこのようなエステル基を含むアゾ顔料の場合には、慣用のコンディショニング方法は必ずしも好適ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第0 894 831 B1号
【特許文献2】独国特許出願公開第102 27 527 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、顔料側で分解または減成反応を起こさずに、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料のコンディショニングに適当な溶剤を見出すという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料を、グリコールモノアルキルエーテルを用いて、またはグリコールとグリコールジアルキルエーテル、場合によっては及びグリコールモノアルキルエーテルとの混合物を用いてコンディショニングすると、分解または減成反応を起こすことなく、有利な顔料形態が生ずることが見出された。
【0009】
それ故、本発明は、カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料をコンディショニングする方法であって、カルボン酸エステル基(末端フェニル環上に位置する少なくとも一つのアルコキシカルボニル基も包含される)を含む、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ジアゾ縮合顔料、ナフトール顔料及び金属錯体顔料の群からの粗製アゾ顔料を、グルコールモノアルキルエーテルでの、またはグルコールとグリコールジアルキルエーテル、場合によっては及びグリコールモノアルキルエーテルとの混合物での処理に付すことを含む前記方法を提供する。
【0010】
アルコキシカルボニルとは、好ましくはC1〜C4−アルコキシ−カルボニル基、より好ましくはメトキシカルボニルを意味する。
【0011】
このようなアゾ顔料の例は、C.I.ピグメントイエロー120、155、175、182、213、219、C.I.ピグメントレッド119、139、175、188、208、220、221及び248である。
【0012】
本発明の目的に好ましいものは、以下の一般式(1)のジアゾ顔料並びに以下の一般式(2)のモノアゾ顔料である。
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、
1、R2、R3及びR4は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C5アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチルであり、
5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチル、COOH、COOR15、CONH2、CONCH3、CON(CH32またはSO2NR1516であり、ここで
15は、C1〜C4アルキルであり、そしてR16は水素、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり、そしてR5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13またはR14からの少なくとも一つの基はエステル基−COOR15であり、
Aは、3,4−または4,5−または5,6−位置の縮合複素環式環であり、そして以下の一般式(3)、(4)、(5)または(6)
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、
17及びR18は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C6シクロアルキル、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、この際、フェニル及びナフチルは、ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルキル、C5〜C6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、ナフチル、COO(C1〜C6)アルキル、C1〜C3アルコキシまたはトリフルオロメチルの一つまたはそれ以上の基で置換されていることができる)
で表される基から構成される]
上記式(1)の特に好ましい顔料は、対称的化合物、すなわち二つの末端フェニル基である−フェニルR56789及び−フェニルR1011121314が同一である化合物である。
【0017】
1、R2、R3及びR4基は、好ましくは水素、C1〜C4アルコキシ、メチルまたは塩素である。
【0018】
上記式(1)の特に好ましい顔料の例は、C.I.ピグメントイエロー155及び219である。
【0019】
上記式(2)の特に好ましい顔料の例は、C.I.ピグメントイエロー120、175及び213である。
【0020】
特に好ましいナフトール顔料の例は、C.I.ピグメントレッド119、175、188、及び208である。
【0021】
特に好ましいジアゾ縮合顔料の例は、C.I.ピグメントレッド220、221及び248である。
【0022】
本発明の目的のためのグリコールモノアルキルエーテルは、以下の一般式(7)で表されるものである。
【0023】
【化3】

【0024】
[式中、
nは0〜3の整数、好ましくは0または1であり、
19及びR20は、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキル、好ましくは水素またはメチルであり、そして
21は、C1〜C6アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである]
驚くべきことに、本発明のコンディショニングは、次の一般式(8)
【0025】
【化4】

【0026】
[式中、n、R19及びR20は上に定義した通りである]
で表されるグリコールと、次の一般式(9)
【0027】
【化5】

【0028】
[式中、n、R19、R20及びR21は上に定義した通りである]
で表される少なくとも一種のグリコールジアルキルエーテルとの混合物中で行うこともできることが見出された。
【0029】
前記グリコールとグリコールジアルキルエーテルとの混合比は、各々の成分が0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上の量で存在する限りは任意であり得る。特に好ましい溶剤混合物は、前記グリコール及びグリコールジアルキルエーテル成分を、70:30〜30:70、非常に好ましくは60:40〜40:60の比率で含む混合物である。
【0030】
本発明のコンディショングに特に好ましい溶剤は、2(2−メトキシエトキシ)エタノール、2(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールとジエチレングリコールジメチルエーテルとの混合物、特には約1:1の重量比のジエチレングリコールとジエチレングリコールジメチルエーテルとの混合物、並びにジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの混合物、特には約1:1の重量比のジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの混合物である。
【0031】
コンディショニングは、溶剤中の粗製顔料の濃度を十分な攪拌性が保証されるような濃度にして行うことができる。一般的に、懸濁液中の粗製顔料の濃度は0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%である。
【0032】
本発明の方法は、有利には、水を加えずに及び塩基性添加剤無しで行われる。本発明の方法で使用されるグリコール及びグリコールエーテルは、なおも残留水を含み得るが、しかし、これは、コンディショニングのための全液相中の5重量%未満の含水率に相当する。
【0033】
本発明のコンディショニング方法は、有利には、攪拌機を備えた加熱可能な容器中で行われる。コンディショニングのための好ましい温度範囲は30〜200℃、より好ましくは80〜200℃である。コンディショニング時間は、広い範囲で変えることができ、10分〜10時間が有利であり、30分〜6時間が好ましい。
【0034】
コンディショニングの終了後、適当ならば大気圧下または減圧下に蒸留して、有機溶剤を一部または完全に分離することができるか、あるいは顔料懸濁液を直接濾過し、顔料を水で溶剤不含に洗浄し、慣用の方法で乾燥し、そして適当ならば粉砕する。
【0035】
本発明のコンディショニングにより得られた顔料は、高い純度、優れた色特性及び性能を示す。
【0036】
上記の方法では、分解反応は全く観察することができなかった。これは、一定した収量及び濾液の鮮明な色合いから明らかである。更に、分解または反応生成物、例えばグリコールエステルまたはカルボン酸は濾液中に検出されなかった。各々の場合において、オーバーコートに対する堅牢性及び溶剤に対する堅牢性は非常に良好乃至優秀であった。
【実施例】
【0037】
例1
ジメチルアミノテレフタレート塩酸塩 0.1モルを、0〜10℃で亜硝酸ナトリウムでジアゾ化する。澄ましたこのジアゾニウム塩溶液を、N−アセトアセチル−6−メトキシ−7−アミノキノキサリン−2,3−ジオン0.1モルの酢酸塩緩衝溶液に、室温で1時間かけて滴下する。カップリングが完了したら直ぐに、生じた懸濁液を95℃に加熱し、濾過し、そして得られた粗製生成物を塩不含に洗浄し、そして乾燥する。この粗製顔料を、1リットルの2−(2−メトキシエトキシ)エタノール中に懸濁し、次いで120〜180℃で4時間攪拌する。次いで、生じた懸濁液を70℃に冷却し、濾過し、そして生成物を乾燥、粉砕する。これにより、溶剤及びオーバーコートに対し優れた堅牢性を有する緑帯びた黄色顔料48gが得られる。
【0038】
【化6】

【0039】
例2
例1と同様にして粗製顔料を製造したが、但し、1リットルの2−(2−エトキシエトキシ)エタノール中でコンディショニングした。これにより、例1に記載のものに匹敵する性質を有する49gの黄色顔料が得られる。
例3
例1と同様にして粗製顔料を製造したが、但し、ジエチレングリコールとジエチレングリコールジメチルエーテルとの50:50混合物1リットル中でコンディショニングした。これにより、例1に記載のものに匹敵する性質を有する顔料が得られる。
例4
例1と同様にして粗製顔料を製造したが、ジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの50:50混合物1リットル中でコンディショニングした。これにより、例2に記載のものに匹敵する性質を有する顔料が得られる。
例5
例1と同様にして粗製顔料を製造したが、コンディショニングのために1リットルの2−ブトキシエタノールを使用した。これにより、溶剤に対する優れた堅牢性及びオーバーコートに対する非常に高い堅牢性を有する48gの緑色帯びた黄色顔料が得られる。
例6
ジメチルアミノテレフタレート塩酸塩0.1モルを、0〜10℃で亜硝酸ナトリウムでジアゾ化する。澄ましたこのジアゾニウム塩溶液を、1,4−ビスアセトアセチルフェニレンジアミン0.05モルの酢酸塩緩衝溶液に、室温下に1時間かけて滴下する。カップリングが終了したら直ぐに、生じた懸濁液を95℃に加熱しそして濾過し、次いで得られた粗製生成物を塩不含に洗浄し、乾燥する。この粗製生成物を、次いで、1リットルの2−(2−エトキシエトキシ)エタノール中に懸濁し、そして100〜180℃の温度で1時間攪拌する。次いで、生じた懸濁液を70℃に冷却しそして濾過し、次いで得られた生成物を乾燥、粉砕する。これにより、溶剤に対し非常に良好な堅牢性及びオーバーコートに対し高い堅牢性を有する32gの黄色の顔料が得られる。
【0040】
【化7】

【0041】
例7
例6に記載のようにして顔料を製造し、ジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの50:50混合物1リットル中で、100〜180℃の温度で1時間攪拌する。これにより、例6に記載のものに匹敵する性質を有する顔料が得られる。
例8
ジメチルアミノテレフタレート塩酸塩0.1モルを0〜10℃で亜硝酸ナトリウムでジアゾ化する。澄ましたこのジアゾニウム塩溶液を、2−クロロー1,4−ビス(アセトアセチル)フェニレンジアミン0.05モルの酢酸塩緩衝溶液に室温下に1時間かけて滴下する。カップリングが終了したら直ぐに、生じた懸濁液を95℃に加熱しそして濾過し、次いで得られた粗製生成物を塩不含に洗浄しそして乾燥する。得られた粗製顔料を1リットルの2−(2−メトキシエトキシ)エタノール中に懸濁し、次いで120〜180℃で1時間攪拌する。次いで生じた懸濁液を70℃に冷却しそして濾過し、次いで得られた生成物を乾燥、粉砕する。これにより、溶剤及びオーバーコートに優れた堅牢性を有する29gの緑色帯びた黄色顔料が得られる。
【0042】
【化8】

【0043】
例9
例8と同様にして粗製顔料を製造するが、但し、コンディショニングに1リットルの2−ブトキシエタノールを使用した。これにより、溶剤に対して優れた堅牢性及びオーバーコートに対し非常に高い堅牢性を有する30gの黄色顔料が得られる。
例10
例8と同様にして粗製顔料を製造するが、コンディショニングに1リットルの2−(2−エトキシエトキシ)エタノールを使用した。これにより、溶剤に対する優れた堅牢性及びオーバーコートに対する非常に高い堅牢性を有する30gの黄色の顔料が得られる。
例11
例8に記載のように顔料を製造し、そしてジエチレングリコールとジエチレングリコールジメチルエーテルとの50:50混合物1リットル中で100〜180℃の温度で1時間攪拌する。これにより、例8に記載のものに匹敵する性質を有する顔料が得られる。
例12
例8に記載のように顔料を製造し、そしてジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの50:50混合物1リットル中で100〜180℃の温度で1時間攪拌する。これにより、例10に記載のものに匹敵する性質を有する顔料が得られる。
例13
ジメチルアミノテレフタレート塩酸塩0.1モルを0〜10℃で亜硝酸ナトリウムでジアゾ化する。澄ましたこのジアゾニウム塩溶液を、N−アセトアセチル−4−アミノ−1,2−ベンズイミダゾロン0.1モルの酢酸塩緩衝懸濁液に室温下に1時間かけて滴下する。カップリングが終了したら直ぐに、生じた懸濁液を95℃に加熱しそして濾過し、次いで得られた粗製生成物を塩不含に洗浄しそして乾燥する。得られた粗製生成物を1リットルの2−(2−エトキシエトキシ)エタノール中に懸濁し、次いで80〜120℃の温度で3時間攪拌する。次いで、得られた懸濁液を70℃に冷却しそして濾過し、次いで得られた生成物を乾燥、粉砕する。これにより、溶剤及びオーバーコートに対して非常に高い堅牢性を有する40gのくすんだ黄色の顔料が得られる。
【0044】
【化9】

【0045】
オーバーコートに対する堅牢性及び溶剤に対する堅牢性の評価
オーバーコートに対する堅牢性は、DIN EN 20105−A03に従い、1〜5のグレースケールと比べて、白色のニトロセルロースコンビネーションワニス(nitro combination varnish)及び白色の焼き付けワニス中で、120℃及び160℃の温度で30分間、評価した。
【0046】
溶剤に対する堅牢性は、DIN EN 20105−A03に従い、同じグレースケールで評価した。
【0047】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸エステル基を含むアゾ顔料のコンディショニング方法であって、カルボン酸エステル基(末端フェニル環上に位置する少なくとも一つのアルコキシカルボニル基も包含する)を含む、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ジアゾ縮合顔料、ナフトール顔料及び金属錯体顔料の群からの粗製アゾ顔料を、グリコールモノアルキルエーテルでの、またはグリコールとグリコールジアルキルエーテル、場合によっては及びグリコールモノアルキルエーテルとの混合物での処理に付すことを含む、前記方法。
【請求項2】
アルコキシカルボニル基が、C1〜C4―アルコキシ−カルボニル基である、請求項1の方法。
【請求項3】
カルボン酸エステル基を含む前記アゾ顔料が、C.I.ピグメントイエロー120、155、175、182、213、219、C.I.ピグメントレッド119、139、175、188、208、220、221及び248からなる群からの顔料である、請求項1または2の方法。
【請求項4】
カルボン酸エステル基を含む前記アゾ顔料が、以下の一般式(1)
【化1】

[式中、
1、R2、R3及びR4は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C5アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチルであり、
5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチル、COOH、COOR15、CONH2、CONCH3、CON(CH32またはSO2NR1516であり、ここで、
15は、C1〜C4アルキルであり、そしてR16は水素、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり、そしてR5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13またはR14からの少なくとも一つの基はエステル基−COOR15である]
で表されるジアゾ顔料である、請求項1または2の方法。
【請求項5】
カルボン酸エステル基を含む前記アゾ顔料が、以下の一般式(2)
【化2】

[式中、
1、R2及びR3は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C5アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチルであり、
5、R6、R7、R8及びR9は、同一かまたは異なり、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェノキシまたはトリフルオロメチル、COOH、COOR15、CONH2、CONCH3、CON(CH32またはSO2NR1516であり、ここで、
15は、C1〜C4アルキルであり、そして
16は、水素、C1〜C4アルキルまたはフェニルであり、そして
5、R6、R7、R8及びR9からの少なくとも一つの基はエステル基−COOR15であり、
Aは、3,4−または4,5−または5,6−位置の縮合複素環式環であり、そして以下の一般式(3)、(4)、(5)または(6)
【化3】

(式中、
17及びR18は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C6シクロアルキル、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、この際、フェニル及びナフチルは、ハロゲン、ニトロ、C1〜C8アルキル、C5〜C6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、ナフチル、COO(C1〜C6)アルキル、C1〜C3アルコキシまたはトリフルオロメチルの一つまたはそれ以上の基によって置換されていることができる)
で表される基から構成される]
で表されるモノアゾ顔料である、請求項1または2の方法。
【請求項6】
コンディショニングが、以下の一般式(7)
【化4】

[式中、
nは0〜3の整数であり、
19及びR20は、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり、そして
21は、C1〜C6アルキルである]
で表されるグリコールモノアルキルエーテルの存在下に行われる、請求項1〜5のいずれか一つの方法。
【請求項7】
コンディショニングが、以下の一般式(8)
【化5】

[式中、
nは、0〜3の整数であり、そして
19及びR20は、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキルである]
で表されるグリコールと、以下の一般式(9)
【化6】

[式中、
nは、0〜3の整数であり、
19及びR20は、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり、そして
21は、C1〜C6アルキルである]
で表されるグリコールジアルキルエーテルとの混合物を用いて行われる、請求項1〜6のいずれか一つの方法。
【請求項8】
コンディショニングが、30〜200℃の温度範囲で行われる、請求項1〜7のいずれか一つの方法。
【請求項9】
コンディショニングが、2(2−メトキシエトキシ)エタノール、2(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールとジエチレングリコールジメチルエーテルとの混合物、またはジエチレングリコールとジエチレングリコールジエチルエーテルとの混合物中で行われる、請求項1〜8のいずれか一つの方法。

【公開番号】特開2009−179799(P2009−179799A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19221(P2009−19221)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)