説明

カルマン渦流発生装置付浴槽

【目的】 入浴した時に、人体をフラッグボディとするカルマン渦を発生させるようにし、このカルマン渦が引き起こすフラッタリング現象を利用して皮下脂肪や筋肉を振動させる浴槽を提供する。
【構成】 浴槽10内には、該浴槽10の底部10aより所定の間隔をもって該底部10aに平行に仕切板1が配設されている。浴槽10はの前部A側及び後部B側において、仕切板1の上部と下部が連通しており、該浴槽10内の湯(又は水)2は、図中に矢印で示すように還流できるようになっている。ファン3により作られた水流6は、保護板4を通して浴槽10内に入り入浴者5に当って、該入浴者5の両側に交互にカルマン渦7を発生し、入浴者5の側部に交互に断続的に働くフラッタリング現象により、該入浴者の皮下脂肪や筋肉を振動させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、カルマン渦流発生装置付浴槽、より詳細には、浴槽内に水流を発生させ、入浴した時に、人体をフラッグボディとしてカルマン渦を発生させ、このカルマン渦発生時に生じるフラッタリング現象を利用して、入浴者の皮下脂肪や筋肉に断続的振動を加えるようにした浴槽に関する。
【0002】
【従来技術】最近、健康や美容を目的として種々の浴槽が提案されている。最も一般的には、浴槽中に気泡を発生させてキャビテーション効果を狙ったものであるが、その他にジェット流によるマッサージ効果を狙ったものも提案されている。
【0003】
【目的】本発明は、上述のごとき従来技術とは全く異なる原理に基く健康或いは美容を兼ねた浴槽を提供することを目的としてなされたものであり、特に、浴槽内に水流を発生させ、入浴した時に人体をフラッグボディとするカルマン渦を発生させ、このカルマン渦による断続的な振動(フラッタリング現象)を人浴者に加え、入浴者の皮下脂肪や筋肉に振動を加えるようにすることを目的としてなされたものである。
【0004】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、浴槽と、該浴槽内において該浴槽の底部より所定の間隔をもって該底部に平行に配設された仕切板と、該仕切板の上方において前記浴槽の前方より後方に向けて流れる水流を作り出す水流発生装置と、前記浴槽の底部と前記仕切板との間に配設されて該浴槽の底部と仕切板との間に流れ込んだ流体を前記水流発生装置側へ強制還流させる強制還流発生装置とを有することを特徴としたものである。以下、本発明の実施例に基いて説明する。
【0005】図1は、本発明によるカルマン渦流発生装置付浴槽の一実施例を説明するための要部構成図で、図中、10は浴槽で、該浴槽10内には、該浴槽10の底部10aより所定の間隔をもって該底部10aに平行に仕切板1が配設されている。この仕切板1は、浴槽の前部A側及び後部B側において、上部と下部が連通しており、該浴槽10内の浴水(湯又は水)2は、図中に矢印で示すように、浴槽10内で還流できるようになっている。3は浴槽10内の前部に設けられたファン、4は該ファン2の前に配設された保護板で、これらによって、浴槽内に水流を発生させるようにしている。なお、保護板4は、ファン3が回転している時に、入浴中の人が該ファン3に触れるのを防止するもので、実際には、多数の孔を有する網状板である。
【0006】図2は、上述のごとき浴槽10内に人5が入浴している時の湯(又は水)の流れ方を示す図で、前述のように、ファン3及び保護板4により作られた水流6は、入浴中の人体5に当って、カルマン渦7を発生する。このカルマン渦7は、水流6に対して人体5がフラッグボディとして働き、その両側に交互に発生する渦で、周知のように、フラッグボディ(人体)の側部を流れる流体が該フラッグボディから剥離する時に発生する。
【0007】上述のように、本発明は、入浴中の人体をフラッグボディとしてカルマン渦を発生させ、このカルマン渦が発生する時に入浴者の側部に交互に断続的(パルス的)に働くフラッタリング現象を利用して、入浴者の皮下脂肪や筋肉を振動させるようにしたものである。
【0008】而して、上述のごとくしてフラッタリング現象を利用して皮下脂肪や筋肉を勢よく振動させるためには、浴槽中を流れを流体の速さをかなり高速なものにしなければならず、現実的には、3−5m/s程度の流速を必要とする。しかしながら、一般家庭用の浴槽を考えた場合、浴槽をあまり大きくすることは得策ではなく、実現的には、仕切板1の上部を出来るだけ広く、下側の部分を出来だけ狭くするのが得策である。しかし、このように構成した場合、仕切板1の下側の流路が狭く、従って、この部分での流体抵抗が大きく、そのため、仕切板1の上側において、上述のごとき高速な流速を得ることは困難である。
【0009】図1において、仕切板1の下部の帰還流路中に設けられたファン8は、上述のごとき問題点を解決するためのもので、図示のように、仕切板1の下側の流路に強制帰還ファン8を設け、該帰還流路の流速を大きくしてやれば、理想的には、仕切板1の上部を流れる単位時間当りの流量と、仕切板1の下部を流れる単位時間当りの流量を等しくしてやれば、流体抵抗が少なく、従って、大型のファン3を使用することなく、より効果的に大きな流速を得ることができる。このようにして、流体速度を大きくすることができれば、強力なフラッタリング現象を得ることができるだけでなく、高圧水流を入浴中の人体にかけることができ、この高圧水流によるマッサージ効果をも期待することができる。
【0010】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明によると、カルマン渦と呼ばれる間接流が起こすフラッタリング現象により、入浴者の皮下脂肪や筋肉を勢よく振動させることができるとともに、高圧水流によるマッサージ効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるカルマン渦流発生装置付浴槽の一実施例を説明するための要部構成図である。
【図2】 本発明による浴槽内の水流による作用効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1…仕切板、2…浴水、3…ファン、4…整流兼保護板、5…入浴者、6…水流、7…カルマン渦、8…強制帰還ファン、10…浴槽、10a…浴槽10の底部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 浴槽と、該浴槽内において該浴槽の底部より所定の間隔をもって該底部に平行に配設された仕切板と、該仕切板の上方において前記浴槽の前方より後方に向けて流れる水流を作り出す水流発生装置と、前記浴槽の底部と前記仕切板との間に配設されて該浴槽の底部と仕切板との間に流れ込んだ流体を前記水流発生装置側へ強制帰還させる強制帰還装置とを有することを特徴とするカルマン渦流発生装置付浴槽。

【図1】
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【図2】
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