説明

カートリッジ化配管接続装置及び回分生産システム

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定タンクと固定配管との特定間隔に合わせて選択された所定長さの配管を主体に、それの駆動機構及び接続手段などを一対にして、所定の、剛性のフレーム内に収納してカートリッジとなした自動接続装置に関する。さらに詳しくは、タンクと切り替え用ヘッダー配管との間で、タンク内容物の切り替え移送を行う回分生産システムにおいて、この切替えと接続作業を自動的に行うのに適する接続装置に関するものであり、その装置を用いる生産システムに関する。
【0002】
【従来の技術】食品、ならびに飲料製造プラントにあって、複数のタンク群から例えば原料や中間製品などのタンク内容物を他の位置にある、複数のタンク群に所望の目的に応じて移送する場合がある。この場合、タンク群に併設して複数の配管からなるヘッダーを設けることが行われる。これは、例えば、中間製品の受け入れ、払い出し、洗浄の目的に用いられるものである。従来例えば、受け入れから、払い出しに切替えるに際しては、バルブの切替え操作による場合や、フレキシブルホースによるラインのつなぎ変えが行われていた。ところで、近年装置の大型化、労働環境の変化に伴いこれらの切替え作業を自動化する必要が生じてきている。
【0003】このような配管のバルブの切替えは図15に示される。図中41、42は中間製品のタンク、43、44、45はライン配管、46…、47…はタンク41又はタンク42系統のバルブである。したがって、例えば、タンクの群に対して、共通に受け入れ、払い出し、洗浄の3本のライン配管がある場合に、それらの切替えのために図15に示すような多くのバルブ46、47が必要である。バルブの切替え操作による場合、例えば、製品と洗浄液の混合を防止するために、また、洗浄がしやすいように、特殊な構造のバルブを必要とし、高価なものとなっている。また、切替えするラインが多数ある場合には、このバルブを設備する数が増すとともに、制御入出力点数が増加し、制御関係の設備の費用が大きなものとなる。
【0004】一方、フレキシブルホースによるつなぎ作業の場合には、従来は、人手により、ホースの移動、位置合わせ、芯合わせ、接続、絞め込みなどの作業がなされてきた。しかし、ホースの太さが比較的小さい範囲では人手による操作が可能であるが、これが大きく太くなる場合には、その作業は重作業となる。フレキシブルホースによるつなぎ作業を自動化するために、ホースを例えば台車の上に乗せて、所定の位置まで移動させ、必要な配管口との接続を自動的に行う方式が提案されている(特開平3−26328号)。この方式は、フレキシブルホースを台車に積載してタンクと配管ヘッダーの間を移動し、必要な位置にて台車が停止した後、台車側に設けたカップリング位置変動手段にて、フレキシブルホースの両端に設備したカップリングを所望のノズルに接続するためのものである。接続が完了すると、台車は立ち去り、フレキシブルホースが例えばタンク側と配管側のノズル間に位置することになる。
【0005】この方式には次のような欠点がある。
■台車には、その駆動方式、制御方式、軌道の有無などにより固有の停止精度があり、停止の都度にその位置が変わることになる。有軌道方式では停止の精度がよいが、無軌道方式の台車では、スピード、誘導方式により異なるが、数ミリメートルから十数ミリメートルの範囲とかなり大きい停止精度となるのが通例である。一方、タンク側、配管側は、固定されたものであり、その位置関係、空間における相対位置関係は停止の都度変わることとなる。したがってその微調整が必要となる。これらの微調整を行うにあたっては、お互いの位置関係を検知するためのセンサーと目標物との間の距離を補正する機構が必要となる。すなわち、接続する際には、3次元での高度な位置確認操作が必要とされる。
■接続した後に運転されるが、内容物の性状によっては、運転後に接続時と同じ形状に維持されているとは限らず、台車がホースの切り離しのために再度到着してから、ホースをつかむ際や、台車がホースの下部を通過する際などに、高度な3次元での形状確認が必要となる。
【0006】■フレキシブルホースには最小曲率半径が定められており、変形を十分に吸収するためには、ホースの長さをある程度長くする必要がある。また、ホースの寿命を長くする上でも、適切な曲率半径を守ることが必要である。短い場合には、ホースの寿命が低下することのほか極端な場合には、端部のつぶれ(いわゆる竹の子の終わった部分)により、内容物の流通ができない場合がある。
■台車が去った後には、フレキシブルホースのみが接続されたままであり、運転状況の把握ができない、タンク内の液レベルなどをタンク側にて判断して、上位コンピューターに伝え、それに基づいて台車がホースを取り外しにくるなど、集中管理的な管理しか取れないなどの難点がある。そのため提唱されているパイプレスプラントの基本理念である自律作業には適さない。
■複数本のフレキシブルホースを台車に積載して移動しているが、ホースの形状は常に一定とは限らず、繰り返し使用によるネジレなどが生じてくるのが通例であり、複数本のホースを扱うことは現実的に無理がある。さらに、タンク側の複数の接続口と配管側の複数の接続口との間で、複数のホースを組み合わせて接続しようとする際には、ホースのからみをまねき、からまないように所定の位置に自動的にセットすることは非常に高度な技術を要することとなり、現実的ではない。取り外した後の形状が一定しないことにより、さらにこの事態が生じやすい。
【0007】要するに、上記の提案では、柔軟体であるホースをホースとしてそのままの形で取り扱っており、これが高度な認識技術と制御技術が必要とさせる要因となっており、自動化の実現に大きな障害となっている。これらを解消し、操作の柔軟性を高めるために台車に高度な知能レベルを持つロボットを搭載して、柔軟体であるホースを扱うことも考えられるが、問題解決にあたっては、高度な認識処理や制御方式が必要である状況には変わりはなく、さらに、カップリングの押し込みに大きな力がいることなどからして、ロボットが大型化することは避けられない。これに対し、本発明者らは先に、フレキシブルホースの取扱いにくさを勘案して、形態を変えて、タンクと配管ヘッダーの間の接続を自動化する装置とシステムを提案した(特願平4−69063号)。これは、ホースを剛性のあるフレーム内に収納して、全体をカートリッジとなして物流の一単位とし、取扱い性能の向上を実現したものである。ホースの両端にはカップリング手段としての自動接続装置が設備されており、またホースのカートリッジ内での移動も駆動装置によってなされている。そしてカートリッジ化されているので、位置合わせがFA技術で用いられている通常の方法でよく、また、形状もフレームのまま用いられ、取り付け時及び運転後にもその形状は変わらない。
【0008】しかしながら、次のような理由によって、業界や製品によっては、品質管理の点から、フレキシブルホースの多用が適切でないか、好ましくない場合があり、またホースの使用を最小限にしたい場合もある。特に、食品、飲料などの製造業界にあっては、この傾向がある。したがって上記の本発明者らの提案も必ずしも満足しうるものではなかった。
■ビールなどの発酵製品を扱う場合、ホース内の凹凸部に内容物が滞留残存して、内容物の腐敗による発酵が生じる。ホース内面の凹部はもちろんのこと、思わぬ隙間や滞留部へ内容物が侵入して滞留し、腐敗発酵を招く。
■食品や飲料を製造する場合には、上記■のような腐敗を防止するために、洗浄が頻繁に行われなければならないが、洗浄には弱アルカリ性溶液、弱酸性溶液、清水などが繰り返して流され、時として熱水が用いられ、使用環境が厳しい。移送に際しては、内圧が繰り返し作用することにもなり、ますます条件としては過酷になる。このため、ホースでは材料の損傷が激しく、縦割れなどが生じやすい。
以上のように、フレキシブルホースを用いる場合には、業界や製品によっては、その使用が適切ではないか、好ましくないため、その使用を最小限にしなければならない場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明はフレキシブルホースをそのまま取り扱うような場合の難点である高度な認識技術と制御技術が必要となるという難点を克服し、ファクトリーオートメーションにおいて自動化を容易に実現しうるカートリッジ化配管接続装置、その接続システム及びそれを用いた回分生産システムを提供することを目的とする。 さらに本発明は、接続装置内の残留内容物の腐敗等の問題を回避でき、厳しい使用環境でも繰り返し使用できるカートリッジ化配管接続装置、それの接続システム及びそれによる回分生産システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、(1)2つの接続継手の接続機能を有し、両者の特定の間隔に合わせて選ばれた特定長さで、途中に変位吸収機構を有する配管と、その配管両端に設けられる接続手段と、この配管を一方向に駆動させる配管支持機構と、その支持機構に連結された駆動装置とが枠体内に収納されてカートリッジ化され、これが移動手段上に設けられてなることを特徴とするカートリッジ化配管接続装置、()固定タンクと固定配管との接続機能を有し、両者の特定の間隔に合わせて選ばれた特定長さで、途中に変位吸収機構を有する配管と、その配管両端に設けられる接続手段と、この配管を一方向に駆動させる配管支持機構と、その支持機構に連結された駆動装置とが枠体内に収納されてカートリッジ化され、これが移動手段上に設けられてなることを特徴とするカートリッジ化配管接続装置、()カートリッジがバッテリー又は空気ボンベを内蔵する(1)項又は(2)項記載のカートリッジ化配管接続装置、()配管の一部に検出装置を設けたことを特徴とする(1)項又は(2)項記載のカートリッジ化配管接続装置、()駆動機構及び接続手段が自動的に制御される(1)項又は(2)項記載のカートリッジ化配管接続装置、()固定したタンクと、固定配管との間の所定の位置に(1)項記載のカートリッジ化配管接続装置を移動させ、前記固定タンクと固定配管との間をそれぞれの接続手段により接続するようにしたことを特徴とする接続システム、()カートリッジ化配管接続装置が自動カップリング装置を内蔵し、これにより前記固定タンクとの接続及び固定配管との接続を行うことを特徴とする()項記載の接続システム、()複数の固定されたタンクと併設される複数の固定された配管を有し、固定タンク列が配管に対し、平面的にみて平行に配置されていることを特徴とする()項記載の接続システム、()固定タンクと固定配管との間を各々の長さに応じた配管を有する(1)項記載のカートリッジ化配管接続装置を移動させて所定の固定タンクに対する所定の位置に停止させ、固定タンクと固定配管を、それぞれの接続継手手段を介して配管カートリッジにより接続するようにしたことを特徴とする接続システム、及び(10)()項、()項、()項又は()項記載の接続システムを用いることを特徴とする回分生産システムにより達成された。
【0011】
【実施例】次に本発明を図示の一実施例に従って説明する。図1は本発明のカートリッジ化配管接続装置の一実施例の側面図である。カートリッジ13内には、配管15が設けられている。配管15は、後述する所定の長さをもった直管部、両端に設けられる接続継手16、17および直管部途中に設けられる変位吸収機構50、51で構成される。配管15は例えば食品業界で用いられているサニタリー用ステンレス製鋼管でよい。内面が平滑であるので、凸凹を最小限にすることができる。タンクとヘッダー間で取り合いが図2のようになされる場合において、タンク側接続継手12とヘッダー側接続継手9又は10又は11各々との接続を考えるに当たっては長さの異なる配管を3種類考えればよい。接続継手12と9を接続する場合は、前述の配管15にあって両端接続継手16、17間の長さが接続継手12と9の中心を結ぶ長さに等しいものを用いる。これを長さ1 の配管とする。同様に接続継手12と10を接続する場合は、配管15にあって両端接続継手16、17間の長さが接続継手12と10の中心を結ぶ長さに等しいものを用いる。これを長さ2の配管とする。さらに11と接続する場合は、接続継手12と11を接続する場合は配管15にあって両端接続継手16、17間の長さが接続継手12と11の中心を結ぶ長さに等しいものを用いる。これを長さ3の配管とする。このように、長さ1、長さ2又は長さ3のカートリッジ化配管接続装置3種類を用意すればよい。接続継手12、9、10、11間が等しい間隔であれば、例えば長さ3の配管の長さは、長さ1の配管の3倍の長さとなることは明らかである。
【0012】図1において、配管15の両端にはカートリッジ側接続継手16、17が設けられており、駆動装置18により配管全体を接続、離脱の為に上下方向に動かした後に、タンク側接続継手12、ヘッダー側接続継手9、11、12と結合接続および離脱される。図1中、配管15の途上には、変位吸収機構50、51が設けられているが、これは両端の接続継手がタンク側接続継手、ヘッダー側接続継手と接続する際の扁心(芯ずれ)、曲げなどを吸収するためのものである。例えば、樹脂製ベローズなどが用いられる。配管15は、支持機構60を介して駆動装置18とつながっており、この駆動装置により配管は上下一方向のみ移動される。駆動装置18はフレームに固定されている。駆動装置は、カートリッジに供給されるエネルギー源の種類によりモータであってもよく、空気シリンダーでもよく、いろいろ選択できる。カートリッジ13内には駆動装置へのエネルギー源28を内蔵することができる。駆動に電気エネルギーを用いる場合には、バッテリーを内蔵すればよく、また、空気エネルギーを用いる場合にはバッテリーに代えて小さな圧縮ボンベを内蔵するなどの方法がある。
【0013】カートリッジ13内には、接続継手16、17、駆動装置18に加えて、補助機能を持つその他の装置25、26(例えば、機械的なロックを実現するためのクランプ機構や、切り離し後のカップリング面を洗浄するための装置など)やカートリッジの頭脳に当たるCPU機能を果たす制御ユニット21、上位制御システムとの通信を行うための通信ユニット24、運転状態を知るための検出装置(例えば、導電率計19、流量計20)、補助タンク27(例えば洗浄装置用洗浄液及び廃液回収タンクなど)、駆動エネルギー源ユニット28(空気ボンベやバッテリーなど)などが収められており、剛性を有する強度部材の枠組み(フレーム)29内に固定されている。カートリッジ13はこの枠組み29により、剛性を有するものとして、すなわち物流単位として取り扱いが可能となり、物流の通常の手段により、取り扱いできる。さらに、枠組み29の外に薄い板をはりめぐらして、一種の容器のようにすることも可能であり、配管の接続が外れた場合や、運転の手違いにより液が漏れても、床上にこぼれるまでの一時的なホルダーとして機能も持たせることができる。この場合に、内部に漏れてきたことを検知するものを設けておけば、直ちにタンクの元弁を閉めるなどの処理が迅速に行える。カートリッジ13内には運転状況を知るために、色々なセンサー類を特に配管15に設置することができる。例えば、配管途上に導電率計19を設けておき、内容物の切り替えに際して導電率が違うことより流体の流れてきたことを感知することができる。
【0014】また、流量計20を配管途上に設置しておき、流量を検出し、積算して通過流量を知ることも容易にできる。これらの計測に際しては、非接触方式によることもでき、例えば、電磁流量計などを用いれば、洗浄が面倒な製品を流す場合にも用いることができる。これらの計測値は、通信ユニット24があるので、接続中やホームステーションに帰還した際に上位システムに情報を伝えることができる。また、エネルギー源の容量が低下してきた場合には、通信手段により、サービスステーションに通信することもできる。通信手段として、いろいろな方法が広く用いられている。光通信などの非接触方法が考えられる。いわゆる、パイプレスプラントの基本概念である「自律性のある移動体」を実現する上で、タンクに知能を持たせるのと同様な位置付けで、移動されるカートリッジにも、知能を持たせることができる。そのために、カートリッジ内に頭脳としての制御ユニット(CPU21)を設備するようにする。具体的には、自動操作できるようにシーケンサーなどが設備される。もちろんCPUを内蔵するまでもない、簡単なシステムにあっては省略できる。
【0015】さらに、接続部位のOリングを洗浄するための、アルコール噴霧装置や、薬液洗浄装置などの補助機能ユニットを同時に搭載することができる。また、当然これらの溶液のための小容量のタンクを内蔵することはもちろんである。また、殺菌機能をもつ装置(例えば、紫外線殺菌装置、火炎殺菌装置)などを所望の目的に応じて搭載することができる。このようにカートリッジとしたので、必要な装置などが自在に搭載可能であり、種々の業界または製品の要求にあわせて、搭載する設備を変更できることはもちろんである。本発明においては、駆動装置18をカートリッジ内に持たず、すべての駆動を台車側より行って、必要な接続などの作業を行わせることも可能である。これにより、カートリッジ内に内蔵する設備を少なくすることができる。ただし、この場合には、作業の度に台車がその位置にあり、駆動させるための位置合わせを被駆動体との間で行う必要がある。カートリッジ内に駆動エネルギー源を内蔵していて、情報処理用制御ユニット(CPU)も内蔵されているので、運転操作が全てカートリッジ側より行うことができ、カートリッジ自身による自律的な作業がなされ得る。カートリッジ自身による自律的な作業がなされ得るので、運転の自律性がより高まる。このようにすれば、人間の足にあたる機能については台車に依存するとしてもカートリッジは頭脳(CPU)と筋力(駆動機構とエネルギー源)を有することになる。このように、配管およびそれらを移動し接続させるための駆動装置、エネルギー源、頭脳に相当するCPU、通信手段などを一つのフレーム枠組み内に設置し、剛性を持つカートリッジとなして、自律性を高めたので、通常の物流操作手段による取り扱いが容易になり、さらにフレキシブルホースの持つ欠点も克服されるので、種々の効果が生まれる。カートリッジ内にエネルギー源を持つことが得策でない場合には、カートリッジが所定の位置にセットされる際に、固定されているエネルギーライン(例えば空気ライン)と自動的に接続することも行われる。例えば、セットされる位置に、空気ラインや電気ラインを設けておき、カートリッジ内に設けられている自動接続継手装置により、カートリッジがセットされると、これらのラインとの接続がなされるようにしておけばよい。この場合には、タンク毎に空気ライン、電気ラインを設ける必要がある。
【0016】カートリッジ内にCPUと情報伝達手段を搭載すれば、接続が完了したことを検出装置などで感知し、その信号を光通信などにより、上位コンピューターに伝えることも可能であり、接続装置の解除に際しても、タンク内の液レベルの検知信号や、カートリッジ内CPUと配管途中に設けられている流量計により通過流量が検知され、この通路流量検知信号により、移送が完了したことが検知されると、離脱作業が自らの判断で行われる。もちろん、離脱作業にあたっては、タンク側との情報のやり取りが行われる。すべての作業を終えてから、台車への信号を光通信を介して送り、台車の到着を待つなどのことができるようになる。
【0017】以下では、このようなカートリッジ化された配管接続装置を用いた例を示す。図2は本発明のカートリッジ化配管接続装置を用いた生産システムの一実施例の平面図である。なお、図2以降の説明において同符号は同じものを示す。図中1、2、3、4、5は異なる内容物(原料、中間製品など)をそれぞれ入れたタンク、6、7、8はライン配管を示し、13は搬送台車(以下単に台車という)14の上に搭載したカートリッジである。12はタンク1〜5にそれぞれ設けた接続継手であり、一方9、10、11はライン配管、6、7、8それぞれに設けた接続継手である。この実施例においては5基のタンクが一列に配置されてタンクが配置されている方向に沿うように3本の配管からなる配管ヘッダーが設けられているがタンク数、配管の数については特に制限はない。図2は、接続を所望するヘッダーの位置により、長さ1、2、3の配管長をもつカートリッジを自動選択し、それを台車14に搭載し、タンク2の位置で停止させる運転の場合が示されている。台車14がタンク2の位置に停止すると、台車に付属される移載装置61(例えばプッシュプル方式のローラーコンベア)によりカートリッジ13が、所定の位置にセットされる。
【0018】図3は図2のタンク2の位置でのカートリッジ13の接続を説明する正面図である(X−X′断面図)。カートリッジ13は図3の台車14より移載装置61により移載され、接続継手9、10、11、12と機械的な干渉することなく、所定の位置に置かれる。カートリッジは、継手9、10、11、12をまたいで設けられるステーション36にセットされる。カートリッジをセットした後に、台車14は別の位置に移動可能で他のカートリッジを搭載して移動し別のタンクへカートリッジを移送する。なお、カートリッジの位置決めに当たっては、従来用いられているガイドコーン、ガイドピンなどの方式が用いられてよい。このガイドコーンによって、タンクおよび配管との接続継手との位置が定まる。タンクおよび配管の溶接工事にあたって、ガイドコーンから適切な治具を用いて工事を行えば位置関係はきわめてよい精度の範囲に収まることになり、停止精度の悪い無軌道の台車を用いる場合にあっても、所定の位置関係が得られることとなる。図3において、カートリッジ13内にはタンク側接続継手12とヘッダー側接続継手10を接続する長さ2の配管15が内蔵されている。カートリッジ内の駆動装置18により、タンク2の接続継手12と配管ヘッダー側(図3では、ライン7)の接続継手10との間を接続するように動作を行う。カップリング装置について説明すると、両端の接続継手16、17を含む配管15が駆動装置18(例えば空気シリンダー)により自動的に下降させられ、必要な接続がなされる。配管15を駆動装置18により下降させ、上部接続継手16、17を下部接続継手12、10と接合させる。この際にクランプ駆動装置46a、46bにより半割りクランプ47を内側へ移動させ結合部の締め込みを行う。クランプ締め込み作業は従来人手によって行われているがこの場合は、カートリッジ内補助装置25、26に納められる駆動装置46a、46bを用い自動化するものとする。図3は駆動エネルギーとしてカートリッジ内蔵バッテリーによる電気を用いる場合である。30、31は台車又はカートリッジに対する固定側通信ユニットを示す。33は台車のCPUを、34は台車の情報処理ユニットを示す。
【0019】図4はタンクおよびヘッダーの接続継手と配管の長さの関係を表したものである。タンク側接続継手12とヘッダー側接続継手9を接続する場合は、図4−aの如く接続継手12と接続継手9の中心を結ぶ長さの配管38を備えたカートリッジ13を用意する。同様に接続継手10と接続する場合は接続継手12と接続継手10の中心を結ぶ長さの配管39を、11と接続する場合は接続継手12と接続継手11の中心を結ぶ長さの配管40をそれぞれb、cの様に用意する。このようにカートリッジ13は、配管の長さに応じて3タイプ備えておき、必要に応じて選択され接続されるものとする。タンク側接続継手12とヘッダー側接続継手9、および接続継手9、10、11の間を等しい距離にしておけば、接続継手12と接続継手9の間を単位長さとすると、他の接続継手とは、この単位長さの整数倍とする配管長さになる。接続継手には種々のものが考えられるが、図5は内弁付き接続継手の例を示す断面図である。カートリッジ側接続継手16、17は、内弁49、接続継手ボディー52、内弁の軸内に二重構造にして設けられる先端洗浄チャンバー56、およびボディー天板54を貫通している内弁軸57、軸の先端に設けられる内弁駆動用アクチュエータ100、110で構成される。15、19は配管である。さらに、ボディー52の下部には、内弁49に対応する弁座52a、機械的ロックを行うための半割りクランプ47が挟み込むフェルール端52b、およびヘッダー側接続継手との間をシールするためのOリング52cが設けられる。
【0020】ヘッダー側の接続継手9、10、11、12は、内弁48、ボディー53、ボディー底板55を貫通している弁軸58、および弁軸の先端に設けられる自動復帰バネユニット59で構成される。この継手は従来より食品業界で使用されているサニタリーバルブを接続継手部に利用したものである。即ち従来型ダブルシートバルブを中央部で横半分に切断し、上部をカートリッジ13内の接続継手16、17に、下部をタンク側接続継手12、ヘッダー側接続継手9、10、11に用いたものである。尚、クランプ72、73は、天板および底板とボディーを連結するためのものである。
【0021】タンク側接続継手12、ヘッダー側接続継手9、10、11の内弁は、バネにより自動復帰させられて閉となるために、開閉動作のために特別にエネルギー供給ライン(例えば空気式開閉バルブの場合にあっては空気ライン)を設ける必要もなく、コスト上、工事上も好都合である。下部接続継手内の内弁48の下面はほぼ配管の内面と同一とされて、洗浄の際によどみ部分を少なくするのがよい。接続継手同志の接続にあたっては、機械的ロックを必要とする場合があり、この目的のためには、取り扱いの容易な半割りクランプ47よる締込みがなされるのがよい。この半割りクランプ47を駆動するために補助装置内にクランピング装置46a、46bが用意される。このように接続継手に内弁を設けることによって切り離し時の液漏れを防止できると共に、開閉を一つのアクチュエータで行うことができる。また、サニタリー仕様のバルブを使用することにより高いサニタリー性を得ることができる。
【0022】図6は、接続締込みがおこなわれる前の状態を示している。図7は、締め込んだ状態を図示している。この後に、接続継手16、17のボディ天板を貫通する内弁軸の先端部につく上部アクチュエータ100、110が作動し、内弁49を押下げ、次いで下部の内弁48と接触し、押し下げて開けることによって流通をおこなわせしめることができる。配管を上下させるための駆動装置18を駆動するためのエネルギー源として、電気または空気エネルギーを用いることができ、それらがカートリッジ内に設けられてもよく又、タンク毎に設けた固定供給側とカートリッジ側に設ける接続装置が接続して供給されてもよい。なお、上記の説明ではカートリッジの位置決めにガイドコーン、ガイドピンなどが用いられるが、ガイドコーンの一例を図8に示した。同図に示すようにオス側コーン62とメス側凹部63が合致することにより相対的な位置関係が調整される。なお、上述の構成において、台車は有軌道方式のものでも、無軌道方式のものでも良く、無軌道方式の場合には、その誘導方法については任意のものをその目的に応じて選択し用いることができる。
【0023】具体的には、台車14及びカートリッジ13は、例えばホームステーションでの上位コンピュータからの指令に基づき動作制御がなされるようになっている。また、カートリッジ13には、移動状態、接続状態を検知する検知装置が内蔵されており、移送状態、接続状態が所定のものとなったことが検知されたときに、自律的に作業する。すなわち、無軌道方式であれ有軌道方式であれ無人搬送台車14およびカートリッジ13を制御する制御方法や信号の送受については、種々の仕方があり、広くFA(ファクトリーオートメーション)システムに用いられているようなものを用いることができる。信号送受の代表的な方法として、例えば、非接触方式の光通信による情報伝達方式を用いることができる。又、その他の方法として、例えば多数のピンコネクタ接続等をもちいることもできるが、この場合には芯合わせを必要とするので、自動的な接続作業が難しくなる。従って、光通信による情報伝達方式のような非接触方式が用いられるのがよい。このときには、ホームステーションには、光通信ユニットが設けられ、また、台車14及びカートリッジ13にも光通信ユニットが設けられる。また、台車14とカートリッジ13がホームステーションに戻った場合には、上位コンピュータからの信号により、内蔵した通信ユニットを介して次の接続実行位置、配管タイプ(長さ)の指示を受け取る。また、内容物の移送に際し、バルブを開閉する動作が必要とされるが、カートリッジ内接続装置の接続が完了したことを上述のように検知装置(例えばセンサー)により検知して、その信号を光通信ユニットを介して上位コンピュータに伝え、条件が全て整ったことが確認されてからタンクの元バルブの開動作がなされるようにもすることができる。また、接続装置の解除に際しても、タンク内の液レベルの検知信号や、流量の検知信号により移送が行われたことが上位コンピュータで確認されると、カートリッジ13の取り外しを行うために上位コンピュータからは台車14に呼び出し信号が送られると、台車14のマイクロコンピュータは、台車14を所定位置に移動させるよう制御し、これにより切り離しの動作がなされてもよいし、自ら待機中の台車に移載申請の信号を出すことも可能である。
【0024】次に、本実施例の接続継手の動作について述べる。固定側に設けられているガイドコーン64(又は、ガイドピン)に合わせて、カートリッジ13が位置決めされる。したがって、例えばタンク下部の接続継手12との相対的な位置関係は自ずと決まってしまう。これは、ライン6、7、8の接続継手9、10、11との間でも同様である。(図3参照)
このようにして、カートリッジ13内接続継手16、17と接続継手側12と9は10又は11とが相対するようになる。次いで、駆動装置18によりカートリッジ側の接続継手16、17が下降させられ、接続部位が押し込まれて結合する。クランプ機構により機械的に固持がなされる。解放離脱にあたっては、駆動装置により上昇されられる。この際に多少の芯ずれがあってもそれを吸収して接続するように、変位吸収機構50、51(例えば樹脂製ベローズ)などが用いられる。次いで、継手16、17上部に設けられるアクチュエータを動作させて、内弁を押し込んで、ラインを形成してタンク内容物をカートリッジを介して、ヘッダー配管へ移送する。タンク内容物の移送が終わると、カートリッジ内の流量計により検知され、その終了検知信号がカートリッジ内CPUに向けて発せられ、その信号に基づいてカートリッジ内継手16、17に設けられるアクチュエータを作動し、内弁が閉とされる。
【0025】次いで、機械ロックがはずされ、ついで駆動装置により配管はもとの位置に戻る。このようにして、移送作業が完了したカートリッジは、ステーションを離れ再び台車に搭載されて洗浄ステーション(図示せず)に行き、管内の必要な洗浄が行われた後にホームステーション(洗浄ステーションであってもよい)に送られて待機させられる。このような本発明のシステムの制御回路の例を図9に基づいてさらに説明する。例図にあっては、カートリッジ毎にバッテリーを持たせ外部よりのエネルギー供給を受けない場合である。カートリッジ化配管接続装置101には、全体を制御するマイクロコンピュータ102と、上位コンピュータ109や台車などとの情報の送受を制御する情報通信ユニット103と、接続クランプ装置105、配管の上下駆動制御を行うユニット駆動装置104、接続継手アクチュエーター駆動装置107、計測用装置108とが設けられている。ここで、接続クランプ装置105は、該配管継手のフェルール部をクランプにて機械的固持させる機構を有しており、上記ユニット駆動装置104は、マイクロコンピュータ102から指令を受けると、配管を所定位置に下降/上昇させるようになっている。ユニット駆動装置104の駆動によって、配管が所定位置まで移動し結合し、次いで接続クランプ装置により機械的固持を完了すると、結合完了信号をマイクロコンピュータ102に通知するようになっている。アクチュエーター駆動装置107は、接続継手16、17の上部に設けたアクチュエーターを駆動するための装置である。また、計測用装置108は、例えばカートリッジ内の配管に取付けられた流量計等で構成されており、タンク内容物の移送量を計測し、計測結果をマイクロコンピュータ102に与えるようになっている。バッテリー106は、バッテリーで容量が低下した場合にはマイクロコンピュータに警告信号を与える。
【0026】この生産システムに用いられる情報システムの動作について説明する。まず、台車108はカートリッジ101が待機するホームステーションにいき、上位コンピュータと通信を行って、次の作業に必要な所定の配管長さを持つ洗浄済みのカートリッジを選択する。その際に、台車には情報通信手段を介して、上位コンピュータからどのタンクにカートリッジを運ぶのかの情報が伝えられる。このような移動指令信号は通信ユニット74、情報処理ユニット103、マイクロコンピュータ102を介して送られる。カートリッジ101が所定のタンクに進み、これにセットされると、あらかじめホームステーションで記憶させられた情報(すなわちセット完了信号がでたら、接続のために上下移動するような指示)により、作業がなされる。ユニット駆動装置104はモーターなどにより、配管を移動させる。移動にしたがって、移動量を確認し、モーター側にフィードバックしながら、最終的な位置決めを行う。移動が完了し、所定の位置に来たら、ユニット駆動装置104は移動完了信号をマイクロコンピュータ102に出す。これには、例えばリミットスイッチなどが使える。
【0027】次いで接続クランプ装置内部の駆動装置が作動して、クランプ動作がなされ機械的にロックがなされる。最終的にクランプが完了したことを確認する信号が出され、マイクロコンピュータに伝えられる。次いで、接続継手内弁を駆動するアクチュエータに信号が送られる。タンク内容物が移送されるが、移送量をカートリッジ内の配管に取り付けられた計測用装置(例えば、流量計など)にて計測し、移送量を監視することができる。所定の移送量に達したなら、移送を停止するために、信号をカートリッジからタンク側へ発して、タンクの元弁を閉とすることができる。全量が払い出される場合には、その量についての情報が伝えられてもよい。次いで、移送完了信号が伝えられ、別の場所に待機する台車を呼び出してカートリッジの取り外し移動がなされる。カートリッジ101内には、エネルギー源として例えばバッテリー106が内蔵されているが、その容量低下にさいしては、事前に警告を出しておくことが望まれる。このために、容量を監視(例えば、電圧の低下を測定して)しておき、所定の値になったら、警告信号を外部に出すこともできる。
【0028】以上、一実施例として従来型ダブルシートバルブを応用した内弁付き接続継手を用いたカートリッジ化配管接続装置の構造および動作を述べたが、他の接続継手の代表的な例としてゴム製環状袋体を用いた実施例を以下に説明する。図10は、ゴム製環状袋体を用いたカートリッジ化配管接続装置の側面図である。接続継手部以外の構造、動作については基本的にはダブルシートタイプの接続継手を用いる場合と同様である。カートリッジ13内の配管15はダブルシートタイプと同様所定の長さを持つ直管部と、その両端に曲管(90°エルボー)を介して直管の軸と直交する方向に所望の長さをもつ短管および短管先端部に設けられる接続継手16、17で構成される。即ち配管15は、所定の長さをもつ直管部、両端に接続継手16、17で構成され、配管途中に変位吸収機構を有していない。図11は、接続継手として内弁のない特開平3133789号にあるような先端部にゴム製環状袋体70を設けた例の拡大断面図で接続される前を示している。継手の上部は配管15側の先端に付けられたゴム製環状袋体で構成され、下部は上部のゴム製環状袋体の径よりも大きい内径をもつ円筒部75を持つヘッダー側取り合口とその下部の短管76から構成される。この場合、カートリッジ側接続継手16、17はカートリッジ側とし、これに対する下部をタンク側、ヘッダー側接続継手9、10、11、12とする。
【0029】図中小孔65より空気圧力が供給されるとゴム製環状袋体が膨張して、接続継手9、10、11、12の内面との間でシールを行って、流路を形成するものである。図12は接続時を表している。この場合、芯ずれはゴムの膨張によりそのずれが吸収され、尚且つ十分にシールできる利点があるが、内弁がないので、液だれについては、液だれ受けパンを設けるなどの工夫が必要である。図13はタンクおよびヘッダーの接続継手と配管の長さの関係を表したものである。ダブルシートタイプと同様にタンク側接続継手12とヘッダー側接続継手9を接続する場合は、図13−aの如く接続継手12と接続継手9を結ぶ長さの配管38を備えたカートリッジ13を用意する。同様に接続継手10と接続する場合は接続継手12と接続継手10を結ぶ長さの配管39を、11と接続する場合は接続継手12と接続継手11を結ぶ長さの配管40をそれぞれb、cの様に用意する。この場合カートリッジ13は、配管の長さに応じて3タイプ備えておき、必要に応じて選択され接続されるものとする。タンク側接続継手12とヘッダー側接続継手9、および接続継手9、10、11の間を等しい距離にしておけば、接続継手12と接続継手9の間を単位長さとすると、他の接続継手とは、この単位長さの整数倍とする配管長さになる。一方、前述図2のような接続継手の配管あっては、図14に示す様に、タンク2には開閉バルブ69を介して、取り出しラインの先端に接続継手12が、前述接続継手16に対応して設けられている。また配管ヘッダー側には接続継手17と接続するヘッダー側の接続継手9、10、11が設けられている。ヘッダー側接続継手は、開閉バルブ66、67、68各々を介してヘッダー配管に接続する。図14の場合は長さ2の配管によりヘッダー側継手10に接続する。所望する接続継手と合致する長さの配管をもったカートリッジ13は、台車14に搭載され所定位置まで運ばれ、移載装置により所定の位置に固定される。次に両端の接続継手16、17を持った配管15が駆動装置18により自動的に下降させられ、必要な接続がなされる。
【0030】この際、ゴムにより芯ずれを吸収することができるので、前述ダブルシートタイプにある変位吸収機構は設置せずに済み、それに伴う制御も行わずに簡単に芯合わせを行うことができる。接続確認後に、各々の元弁69、67を開き内容物の移送を行う。また、切り離し時には元弁を閉めたことを確認した後に、ゴム製環状袋体を空気を抜くことにより収縮させて後に駆動装置18により配管15が自動的に上昇させられ切り離しが完了する。タンク毎に情報通信手段や、エネルギー供給手段を設ける方法では、台車14の移動制御、カートッリッジ13の移載は、上位コンピュータからの指令を固定ユニット、光通信ユニットを介して台車14が受信することによってなされ、工程の進捗に従って、上位コンピュータからの所定の信号、例えば移動、移載の信号が台車14に伝えられるようになっている。台車14には、例えばマイクロコンピュータが搭載されており、該マイクロコンピュータは、上位コンピュータからの所定の信号を受けることにより、所定の作業、例えば移動、移載等を行うようになっている。タンクには、タンク側情報通信手段が設けられており、タンクは、このタンク側情報通信手段を介して上位コンピュータとの間で情報の送受を行うようになっている。タンク側情報通信手段を介して上位コンピュータからの信号が伝えられるか、または、その信号は情報通信手段を介して、上位コンピュータに伝えられ、タンクの元弁が開閉される。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、タンクと配管ヘッダーとの間の自動接続システム用として、配管及び移動接続継手装置を一体的に収納する、カートリッジ化された装置を用いるので、通常の物流操作技術による取扱いを容易とし、なおかつフレキシブルホースや伸縮継手をまったく使用していないので、フレキシブルホースや伸縮継手を用いるのが適切でないか、好ましくない場合にあっても適用が可能となり、そのような要求が強い業界及び製品の製造にあっても、プラントの自動化を促進でき、品種切り替えの要求に素早く対応が可能となり、多様な生産の要求に柔軟に対応できる。さらに、カートリッジ内にCPUを内蔵しているので、自律的な操作が可能となりより自在なプラントの運転が可能となる。本発明によるシステムにあっては、タンク内の内容物を切り替える場合に、容器ごと移動させる必要がなく、容器を固定させ、配管ヘッダーへの内容物の移送を容易に行え、回分生産システムをフレキシブルに運転し得るようにするのもで、安全上及び品質管理上の問題を起こさずに、生産規模の拡大が容易にできる。また、本発明の装置並びに同装置を用いるシステムによれば、切り替えバルブの数が少なくてすみ、システムの制御も容易となることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカートリッジ化接続配管の構成図である。
【図2】カートリッジ化接続配管を用いた生産システムの例図である。
【図3】カートリッジ化接続配管を用いた生産システムの例図である。
【図4】接続配管長さと接続継手との位置関係の説明図である。
【図5】内弁付き接続継手の断面図である。
【図6】継手接続前を表す例図である。
【図7】継手接続後を表す例図である。
【図8】ガイドコーンとガイドピンの図である。
【図9】システムの制御回路例図である。
【図10】内弁なし接続継手によるカートリッジ化配管接続装置の構成図である。
【図11】内弁なし継手構成図である。
【図12】内弁なし継手構成図である。
【図13】接続配管長さと接続継手との位置関係の説明図である。
【図14】カートリッジ化接続配管を用いた生産システムの例図である。
【図15】従来の固定タンクと固定配管との接続、切替え状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 タンク
6、7、8 配管
9、10、11 ヘッダー側接続継手
12 タンク側接続継手
13 カートリッジ
14 搬送台車
15 配管
16、17 接続継手
18 駆動装置
19 配管
20 流量計
21 制御ユニット
24 通信ユニット
25 補助装置
26 補助装置
29 フレーム

【特許請求の範囲】

【請求項1】
2つの接続継手の接続機能を有し、両者の特定の間隔に合わせて選ばれた特定長さで、途中に変位吸収機構を有する配管と、その配管両端に設けられる接続手段と、この配管を一方向に駆動させる配管支持機構と、その支持機構に連結された駆動装置とが枠体内に収納されてカートリッジ化され、これが移動手段上に設けられてなることを特徴とするカートリッジ化配管接続装置。
【請求項2】 固定タンクと固定配管との接続機能を有し、両者の特定の間隔に合わせて選ばれた特定長さで、途中に変位吸収機構を有する配管と、その配管両端に設けられる接続手段と、この配管を一方向に駆動させる配管支持機構と、その支持機構に連結された駆動装置とが枠体内に収納されてカートリッジ化され、これが移動手段上に設けられてなることを特徴とするカートリッジ化配管接続装置。
【請求項3】 カートリッジがバッテリー又は空気ボンベを内蔵する請求項1又は2記載のカートリッジ化配管接続装置。
【請求項4】 配管の一部に検出装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のカートリッジ化配管接続装置。
【請求項5】 駆動機構及び接続手段が自動的に制御される請求項1又は2記載のカートリッジ化配管接続装置。
【請求項6】 固定したタンクと、固定配管との間の所定の位置に請求項1記載のカートリッジ化配管接続装置を移動させ、前記固定タンクと固定配管との間をそれぞれの接続手段により接続するようにしたことを特徴とする接続システム。
【請求項7】 カートリッジ化配管接続装置が自動カップリング装置を内蔵し、これにより前記固定タンクとの接続及び固定配管との接続を行うことを特徴とする請求項記載の接続システム。
【請求項8】 複数の固定されたタンクと併設される複数の固定された配管を有し、固定タンク列が配管に対し、平面的にみて平行に配置されていることを特徴とする請求項記載の接続システム。
【請求項9】 固定タンクと固定配管との間を各々の長さに応じた配管を有する請求項1記載のカートリッジ化配管接続装置を移動させて所定の固定タンクに対する所定の位置に停止させ、固定タンクと固定配管を、それぞれの接続継手手段を介して配管カートリッジにより接続するようにしたことを特徴とする接続システム。
【請求項10】 請求項、請求項、請求項又は請求項記載の接続システムを用いることを特徴とする回分生産システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図8】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【特許番号】第2641119号
【登録日】平成9年(1997)5月2日
【発行日】平成9年(1997)8月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−351802
【出願日】平成4年(1992)12月8日
【公開番号】特開平6−170216
【公開日】平成6年(1994)6月21日
【出願人】(000222174)東洋エンジニアリング株式会社 (69)
【参考文献】
【文献】特開 平6−159600(JP,A)
【文献】特開 平4−231790(JP,A)
【文献】特開 平5−215300(JP,A)
【文献】特開 平5−256739(JP,A)
【文献】特開 平4−264797(JP,A)
【文献】特開 平6−26600(JP,A)
【文献】特開 平3−26328(JP,A)
【文献】特開 平4−97095(JP,A)
【文献】実開 平1−117158(JP,U)