説明

カードキー装置

【課題】奥行き方向の取り付け寸法を抑制することが可能なカードキー装置を提供する。
【解決手段】カードキー1を内部ユニット4に差し込んでタンブラ部材を駆動させるとき、内部ユニット4を、閂部材9が外部ケース3から出っ張る施錠位置と、外部ケース3内に没する解錠位置との間をスライドさせ、閂部材9を内部ユニット4と連動して施解錠操作を行う。また、内部ユニット4は外部ケース3に対して着脱自在に収納され、カードキーを変換用カードキー5で形成し、この変換用カードキー5を施錠位置にある内部ユニット4に差し込むことにより、内部ユニット4を解錠位置へスライドさせ、かつ、この解錠位置において内部ユニット4を変換用カードキー5が差し込まれた状態で、外部ケース3から取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、オフィス向けの机、ワゴン、ロッカー、キャビネット等に使用される収納装置の施解錠機構におけるカードキー装置に係り、殊に板状のタンブラ部材(ディスクタンブラ)を使用し、その配置を工夫することで、奥行き方向の寸法を抑制し、使用状態においてスマート感覚にあふれ、かつデザイン面でも優れた機能美を有するカードキー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキー装置は、金属製のキーブランクを使用し、外筒内に設けた内筒としてのシリンダを回転させることにより施解錠する構造であった。このキー装置では、キーの差し込み方向、すなわち奥行き方向に寸法が長くなり、キー装置の取り付けスペースが小さいと、キー装置を取り付けるのが困難となり、取り付けに制約があった。
【0003】
従来、カードキー装置として、例えば特許文献1〜3に記載された技術が知られている。これら技術は、カードキーを錠本体に抜き差しして使用することで、錠装置を施解錠する構成のものである。また、カードキーを用いて内筒を交換可能に構成した技術として特許文献4の技術が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−13866号公報
【特許文献2】特開昭58−123980号公報
【特許文献3】特開平4−26388号公報
【特許文献4】実用新案登録第3059496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のカードキーシステムにあっては、本体ケースの鍵片挿通空隙部にカードキーを抜き差しするだけで錠の施解錠を行う構成であるため、本体ケースの奥行き寸法が大きくなる。その結果、本体ケースはその奥行き方向に大型化し、カードキーシステムを取り付けるスペースが大きくなる問題がある。特許文献2および特許文献3の技術に使用されるタンブラはディスク型ではなく、逆T字型形状のタンブラである。これによりタンブラの両側からカードキーを抜き差しすることで施解錠を行うため、カードキー装置自体の外形寸法が大型化する問題がある。さらに、特許文献4はキー孔に内筒交換キーを差し込んで内筒を外筒から抜き出して交換できる構成ではあるが、開示された技術はシリンダ錠をベースにした技術であり、キーをスライドさせて施解錠を行うシステムにはなっておらず、スマート感のあるデザイン性に劣る問題がある。このように、上記の各特許文献に記載された技術では、取り付けスペースの制約を考慮したカードキー装置に関する開示はない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、板状のタンブラ部材を使用し、その配置を工夫することで、奥行き方向の寸法を抑制し、デザイン面においてもスマート感ある優れた機能美を有するカードキー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、カードキーの差し込みにより揺動駆動する複数の板状タンブラ部材が内部ケースに配置されて成る内部ユニットを、外部ケースに対して、前記カードキーの差し込み方向とほぼ直交する方向にスライドさせるように収納すると共に、前記内部ユニットに前記外部ケースから出没自在な閂部材を設けるカードキー装置であって、前記カードキーを前記内部ユニットに差し込んで前記タンブラ部材を駆動させるとき、前記内部ユニットを、前記閂部材が前記外部ケースから出っ張る施錠位置と、前記外部ケース内に没する解錠位置との間をスライドさせることにより、前記閂部材が前記内部ユニットに連動して施解錠操作されることを特徴とするカードキー装置である。
【0008】
本発明によれば、外部ケースに対して施錠または解錠位置にある内部ユニットに、カードキーを差し込む(挿入する)と、タンブラ部材は揺動駆動する。これにより、それまで外部ケースのタンブラ部材に対する拘束力が解放される。このため、カードキーを把持しながら内部ユニットを解錠または施錠位置へスライドできる。すなわち、解錠位置では閂部材は外部ケース内へ没して解錠がなされ、施錠位置では閂部材は外部ケースから出っ張り、錠前を施錠する。施解錠操作が終えた後は、カードキーを内部ユニットから引き抜く。これにより、施解錠操作した状態が維持される。
【0009】
このように、施解錠操作を行う場合には、カードキーを内部ユニットに差し込んだ状態で内部ユニットを外部ケースに対してスライドさせるだけの簡単な操作で、閂部材を外部ケースから出没させ、施解錠操作を行うことができる。これにより、例えば、机、ワゴン、ロッカー、キャビネット等に装備される本カードキー装置の施解錠操作を容易に行えるようになる。
【0010】
(2)本発明はまた、前記内部ユニットは前記外部ケースに対して着脱自在に収納され、前記カードキーを変換用カードキーで形成し、この変換用カードキーを施錠位置にある前記内部ユニットに差し込むことにより、前記内部ユニットを前記解錠位置へスライドさせ、かつ、この解錠位置において前記内部ユニットを前記変換用カードキーが差し込まれた状態で、前記外部ケースから取り外しできることを特徴とする前記(1)記載のカードキー装置である。
【0011】
本発明によれば、施錠状態の位置にある内部ユニットに変換用カードキーを差し込むことで、タンブラ手段はスライド可能な状態に駆動される。これと同時に、それまで内部ユニットが外部ケースから離脱するのを拘束していた拘束力が解放される。変換用カードキーには施解錠用カードキーと同様に内部ユニットをスライドさせる機能を有するので、変換用カードキーと共に内部ユニットは解錠位置までスライドできる。内部ユニットが解錠位置までスライドされてくると、閂部材を外部ケース内に残した状態で、内部ユニットを外部ケースに拘束されることなく取り出しできる。
【0012】
(3)本発明はまた、外部ケースと、前記外部ケースに脱着自在に収納され前記外部ケースの長手方向に沿ってスライド可能に設けた内部ケースおよび前記内部ケースに前記長手方向に沿うタンブラ軸に積層枢支された複数のタンブラ部材で形成される内部ユニットと、前記内部ユニットに設けられ該内部ユニットに連動して前記外部ケースから出没自在な閂部材と、前記内部ユニットに前記長手方向とほぼ直交する方向に設けられる差し込み路と、前記差し込み路に抜き差し自在に形成されるカードキーとを具備し、前記差し込み路に前記カードキーを差し込んで前記タンブラ部材を駆動し、かつ、前記内部ユニットを前記カードキーと一体となってスライドさせることにより、前記閂部材が、前記外部ケースから外部へ出っ張る施錠位置と、外部ケース内へ没する解錠位置との間に亘って変位するように構成されたことを特徴とする、カードキー装置である。
【0013】
本発明によれば、内部ユニットとタンブラ部材とで形成される内部ユニットが施錠位置または解錠位置にあるとき、内部ユニットの差し込み路にカードキーを差し込む(挿入する)ことで、タンブラ部材がタンブラ軸を中心に揺動駆動される。これにより、内部ユニットはカードキーと共に外部ケースに対して解錠位置と施錠位置との間をスライドする。この結果、解錠位置では、閂部材は外部ケースの内部に没し、施錠位置では、外部ケースから外部へ出っ張ることで施解錠操作が行われるようになる。
【0014】
(4)本発明はまた、前記カードキーは、施解錠用カードキーとして形成され、前記タンブラ部材を、前記施解錠用カードキーで駆動される施解錠用タンブラで形成し、前記内部ケースに前記タンブラ部材を弾性付勢させるバネ部材を担持し、前記外部ケースに前記バネ部材の付勢力で常時付勢される前記施解錠用タンブラを弾接させる判定部を設け、前記施解錠カードキーの非差し込み時、前記施解錠用タンブラはバネ部材の付勢力により前記判定部に干渉して内部ユニットのスライドを拘束するが、前記施解錠用カードキーの差し込み時、前記施解錠用タンブラを前記バネ部材の付勢力に抗して駆動させることにより、前記施解錠用タンブラが前記判定部から強制的に解脱され、前記内部ユニットのスライドが許容されることを特徴とする、前記(3)記載のカードキー装置である。
【0015】
本発明によれば、施錠用カードキーが差し込み路に差し込まれない状態では、施解錠用タンブラはバネ部材に付勢されて外部ケースに設けた判定部に干渉する。このため、内部ユニットの外部ケースに対するスライドが拘束され、カードキー装置の施解錠は行われない。一方、施解錠用カードキーを差し込み路に差し込む(挿入する)と、施解錠用タンブラはバネ部材の付勢力に抗してタンブラ軸を中心に強制的に揺動駆動される。これにより、施解錠用タンブラは判定部との干渉から解放される状態へ揺動し、内部ユニットはスライド可能な状態となる。この結果、カードキーを施錠位置から解錠位置へ、または解錠位置から施錠位置へとスライドして閂部材を施解錠操作できるようになる。
【0016】
(5)本発明はまた、前記カードキーは、変換用カードキーとして形成され、前記タンブラ部材の一部分は、前記タンブラ軸に枢支される板状の変換用タンブラで形成され、前記変換用タンブラを、前記バネ部材により前記外部ケースに設けたスライド用レール部に係合するように付勢させ、前記変換用カードキーの非差し込み時、前記変換用タンブラは前記スライド用レール部に係合して、内部ユニットが外部ケースから引き抜かれるのを阻止されるが、前記内部ユニットのスライドは許容せしめられる一方で、前記変換用カードキーの差し込み時には、前記施解錠用タンブラおよび前記変換用タンブラを前記バネ部材の付勢力に抗して揺動させることにより、前記施解錠用タンブラは前記判定部から解脱し、かつ、前記変換用タンブラは前記スライド用レール部から強制的に解脱され、前記内部ユニットが外部ケースから引き抜かれるのを可能とする前記(4)記載のカードキー装置である。
【0017】
本発明によれば、変換用カードキーを差し込み路に挿入しない状態では、変換用タンブラはスライド用レール部に係合しているので、内部ユニットを外部ケースから引き抜くことはできない。また、この状態では施解錠用タンブラは判定部に弾接するので、内部ユニットのスライドは阻止される。このため、内部ユニットを施錠または解錠位置へスライドして施解錠できない。一方、変換用カードキーを差し込み路に挿入した場合には、施解錠用タンブラおよび変換用タンブラは変換用カードキーによりバネ部材の付勢力に抗して揺動される。これにより、施解錠用タンブラについては、それまで判定部に干渉(係合)していた施解錠用タンブラが解脱(離脱)し、内部ユニットの外部ケースに対するスライドを可能な状態とする。変換用タンブラについては、それまでスライド用レール部に弾接(係合)していた変換用タンブラが該レール部から強制的に解脱し、内部ユニットが外部ケースから引き抜かれるのを可能な状態とする。そして、この状態から変換用カードキーを施錠位置から解錠位置へスライドさせると、閂部材を外部ケース内に残した状態で内部ユニットを変換用カードキーと一体に外部ケースから引き抜くことができるようになる。
【0018】
(6)本発明はまた、前記内部ユニットが外部ケースから引き抜かれた後に、前記変換用カードキーを差し込んだ前記内部ユニットとは異なる新しい内部ユニットを前記外部ケースに差し込めるように構成されたことを特徴とする、前記(2)または(5)に記載のカードキー装置である。
【0019】
本発明によれば、カードキー装置の解錠位置において、変換用カードキーと一体に内部ユニットを外部ケースから取り出した後に、別の新たな変換用カードキーが差し込まれた内部ユニットを装填して交換することにより、新しいカードキーによる施解錠操作が可能となる。その結果、カードキー装置のセキュリティを維持しながら、オフィス向けの机、ワゴン、ロッカー、キャビネット等の収納装置を多くのユーザが効率的に利用しうるようになる。
【0020】
(7)本発明はまた、前記外部ケースに設けられる前記判定部は、前記スライド方向にほぼ直交して陥没する凹条溝であることを特徴とする前記(4)〜(6)のいずれかに記載のカードキー装置である。
【0021】
本発明によれば、スライド方向に沿って積層配列されるタンブラ部材に応じて設けられる判定部としての凹状溝が、スライド方向とはほぼ直交する方向に形成されている。このため、タンブラ部材が凹状溝に嵌り込んで弾接している場合には、内部ユニットのスライドが不用意に惹起されないので確実なセキュリティを得ることができるようになる。
【0022】
(8)本発明はまた、前記内部ケースに設けられる前記タンブラ軸を平行配置した二本のタンブラ軸で形成し、前記各タンブラ軸に、前記タンブラ部材をタンブラ軸を交互に配置して枢支したことを特徴とする、前記(4)〜(7)のいずれかに記載のカードキー装置である。
【0023】
本発明によれば、二本のタンブラ軸にタンブラ部材を交互に配置して、スライド方向に積層配置されるタンブラ部材の数を増やすことができる。これにより、カードキー装置のセキュリティ性を高められるようになる。
【0024】
(9)本発明はまた、前記バネ部材は、スライド方向に伸びる基部と、該基部の両側に伸びる枝部とを有する肋骨形状の板バネで形成され、前記交互に配置される前記タンブラ部材を前記枝部に弾接させることを特徴とする、前記(4)〜(8)のいずれかに記載のカードキー装置である。
【0025】
本発明によれば、板バネを1本の部材で形成するので、部品点数の削減を図り、構成をシンプルにできるようになる。
【0026】
(10)本発明はまた、前記タンブラ軸に、前記施解錠用タンブラまたは前記変換用タンブラとは別に、前記判別部に干渉しない0番タンブラを枢支したことを特徴とする、前記(4)〜(9)のいずれかに記載のカードキー装置である。
【0027】
本発明によれば、外部ケース、具体的には判定部に対しては何の干渉(係脱)もしない0番タンブラを設けることで、施解錠用タンブラや変換用タンブラが枢支される位置をわからないようにすることができる。これにより、カードキー装置のセキュリティ性を高めることができるようになる。
【0028】
(11)本発明はまた、前記カードキーをアクリル、ウレタンポリマー等の合成樹脂材で成形されることを特徴とする、前記(1)〜(10)のいずれかに記載のカードキー装置である。
【0029】
本発明によれば、施解錠用カードキーや変換用カードキーを合成樹脂材を用いて成形しているので、カードキーを例えば、色つきの透明にすることで、自己と他者とのカードキーの識別が容易で、ソフトタッチの斬新なデザイン性を有するカードキー装置を得ることができるようになる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、部品点数が少なく、構成がシンプルで、奥行き長さが小さな取り付けスペースによる制約を受けることなく取り付けることができ、スライド方式の施解錠操作によりセキュリティ性に優れ、デザイン面においてもスマート感覚あふれた機能美を有するカードキー装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係るカードキー装置の外観図である。
【図2】同じく、(a)は施錠位置でカードキーを挿入した状態におけるカードキー装置の外観図、(b)はカードキーを解錠位置に挿入した状態における外観図、(c)は変換用カードキーを挿入したまま内部ケースを取り出した状態を示す外観図である。
【図3】同じく、外部ケースのケースに係り、(a)はケースの外観図、(b)はケースを裏返しにした状態を示す外観図である。
【図4】同じく、外部ケースのカバーに係り、(a)はカバーの外観図、(b)はカバーを裏返しにした外観図、(c)は(a)のB−B線における矢視縦断面図、(d)はC−C線における矢視縦断面図である。
【図5】同じく、(a)は内部ケースの外観図、(b)は内部ケースを裏返しにした外観図、(c)は板バネの外観図、(d)は板バネの平面図、(e)は板バネの側面図、(f)は閂部材の外観図である。
【図6】同じく、タンブラ部材に係り、(a)は1番山用タンブラの側面図、(b)は2番山用タンブラの側面図、(c)は0番タンブラの側面図、(d)は変換用タンブラの側面図である。
【図7】同じく、(a)はカードキー装置における(b)のA−A線における矢視平断面図、(b)はカードキー装置の正面図、(c)は(b)のB−B線における矢視横断面図、(d)はC−C線における矢視横断面図である。
【図8】同じく、1番山用タンブラを組み込んだカードキー装置の作用を説明する横断面図である。
【図9】同じく、2番山用タンブラを組み込んだカードキー装置の作用を説明する横断面図である。
【図10】同じく、0番タンブラを組み込んだカードキー装置の作用を説明する横断面図である。
【図11】同じく、(a)はカードキー装置の正面外観図、(b)および(c)は変換用タンブラを組み込んだカードキー装置の作用を説明する横断面図である。
【図12】同じく、(a)は施解錠用カードキーの平面図、(b)は変換用カードキーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明のカードキー装置に係る実施形態を図に基づいて詳述する。カードキー装置の構成要素を説明する前に、カードキー装置の概要構成を使用態様と共に簡略に説明する。なお、本実施形態に使用されるカードキーとしては、施解錠用カードキーと変換用カードキーの二種類があるが、断りのない限り単に「カードキー」と称するときは、「施解錠用カードキー」を指すものとする。
【0033】
図1は上記カードキー1をカードキー装置本体2に差し込む(挿入する)直前の状態を示す外観図、図2(a)は施錠位置にあるカードキー装置本体2にカードキー1を挿入した状態を示す外観図、同図(b)はカードキー1を施錠位置から解錠位置へスライドさせた状態を示す外観図、同図(c)は外部ケース3から内部ユニット4を変換用カードキー5と一体に引き抜かれた状態を示す外観図である。
【0034】
カードキー装置本体2はほぼ箱状の外部ケース3と、この外部ケース3に着脱自在に収納される内部ユニット4とからなる。内部ユニット4は内部ケース7と、この内部ケース7に組み込まれた複数の板状タンブラ部材6等とから成る。内部ユニット4は外部ケース3の図1に示す長手方向L、すなわち、図2(a)の矢印Aまたはその反対方向へスライドするように収納される。こうしてカードキー装置本体2は例えば不図示の机の引き出し前面部位に装設され、内部ケース7の前面にカードキー1や変換用カードキー5が図2(c)の矢印Bまたはその反対方向へ抜き差し口8(挿入口)に抜き差しできるようになっている。外部ケース3には内部ユニット4のスライドに連動して図2(a)の矢印Cまたはその反対方向へ出没する閂部材(デッドボルト)9が収容される。
【0035】
以上のように概要構成を有するカードキー装置において、図1に示す施錠状態から解錠操作を行うときは、カードキー1を図2(a)のように抜き差し口8に挿入する。その状態から図2(b)に示す解錠位置まで矢印A方向へ内部ユニット4をスライドさせる。これにより、それまで出っ張っていた閂部材9は外部ケース3内部へ没入し、相手側の不図示の錠前から解脱し、解錠が行われる。こうして、引き出しを開けることができる。引き出しを締めてロック(施錠)する場合には、上記と逆の操作、換言するとカードキー1を内部ユニット4と共に矢印Aと反対方向へスライドさせる。これにより、閂部材9が内部ユニット4から出っ張り、錠前との間で施錠が行われる。
【0036】
図2(c)のように内部ユニット4を外部ケース3から取り出す場合には、カードキー1にはない変換用キー溝を有する変換用カードキー5を使用して、図1に示す施錠位置にある内部ユニット4に挿入する。挿入された変換用カードキー5を図2(a)と同じ状態から矢印A方向へスライドさせる。内部ユニット4が解錠位置までスライドさせることで解錠操作が行われると同時に、外部ケース3と閂部材9を取り残して内部ユニット4を矢印B方向へ取り出すことができる。これにより、別の変換用カードキーを差し込んだ内部ユニット4が外部ケース3に装着し、新たなカードキー1および変換用カードキーによる施解錠操作が可能となる。
【0037】
<外部ケース>
以下、本実施形態におけるカードキー装置の構成を説明する。外部ケース3は図3のケース3aと図4で示されるカバー3bとの二部品を組み合わせて形成される。組み合わせは、カバー3bのビス孔3fに通したビス3g(図1参照)をケース3a側のビス孔3h(図3(a)参照)にねじ込むことで図2(c)に示される外部ケース3が形成される。
【0038】
ケース3aの前面、すなわち内部ユニット4の前面には内部ユニット4の出し入れを行う開口部3cが形成される。一方、カバー3bの天井には複数の判定部3dが設けられる。判定部3dは図4に示すように、長手方向Lにほぼ直交する方向に後述するタンブラ部材6が設置される位置に対応する位置に凹状溝に形成される。この判定部3dに内筒ケースタンブラ部材6が係脱することで、内部ユニット4が勝手にスライドするのを制御する。
【0039】
カバー3bに図4(b)に示すスライド用レール部3eがスライド方向に沿って設けられる。後述する変換用タンブラ15がスライド用レール部3eに係脱するようになっている。変換用タンブラ15がスライド用レール部3eに係合あるいは解脱する状態に関係なく内部ユニット4がスライドするのに支障を来さない。すなわち、変換用カードキー5を内部ユニット4に挿入した状態で内部ユニット4を自由にスライドできる。しかし、変換用タンブラ15がスライド用レール部3eに係合している限りは、内部ユニット4を外部ケース3から取り出すことができないようになっている。
【0040】
なお、外部ケース3には、図5(f)に示す閂部材9の出没を許容するガイド溝3jが図3(a)のように設けられている。
【0041】
<内部ユニット>
内部ユニット4は内部ケース7と、内部ケース7に担持されるバネ部材としての板バネ10と、板バネ10に支持されて内部ケース7に組み込まれるタンブラ部材6とで成る。
【0042】
<内部ケース>
内部ケース7は図5(a)および同図(b)に示すように、前面にカードキー1や変換用カードキー5を抜き差しする抜き差し口8(挿入口)が設けられる。抜き差し口8の後方には、有底の箱部7aが形成される。箱部7aに穿った軸孔7bに、長手方向Lに指向する二本の二点鎖線で示す平行配置した円柱棒状のタンブラ軸11が軸支される。
【0043】
<板バネ>
板バネ10は図5(c)〜同図(e)のように、全体がほぼ肋骨形状に形成され、長手方向Lに沿う基部10aと、基部10aの両側を斜め上方に互い違いに伸ばした複数の枝部10bと、基部10aの両端に設けた端部10cとからなる。
【0044】
端部10cには2つの孔10dが穿たれ、この孔10dにタンブラ軸11が挿通される。これにより、板バネ10はタンブラ軸11を介して内部ケース7に宙吊り状態で担持される。このとき、タンブラ軸11には、後述するように種々の外形形状を有する板状のタンブラ12〜15がタンブラ軸11に揺動可能に枢支される。
【0045】
<タンブラ部材>
タンブラ部材6について説明する。タンブラ部材としての種類には、図6(a)に示す1番山用タンブラ12,同図(b)の2番山用タンブラ13,同図(c)の0番タンブラ14,同図(d)に示される変換用タンブラ15がある。各タンブラ12〜15は上記したタンブラ軸11に揺動可能に枢支されるための孔12a〜15a、カードキー1や変換用カードキー5とカム接触するカム部12b〜15bが設けられる。
【0046】
タンブラ12,13,15において、孔12a、13a、15aに関してカム部12b、13b、15bと反対側の端部には、判別部3dに係脱する爪12c、13c、15cが形成される。また、1番山用タンブラ12および2番山用タンブラ13のカム部側には、補助爪12d、13dが形成される。符合しないカードキーが挿入された場合に、爪12c、13c、15cと相まって判別部3dに入り込み、内部ユニット4のスライドを拘束するようになっている。これにより、不用意な施解錠が行われるのが禁止される。
【0047】
一方、0番タンブラ14は上記のような爪を一切有しないタンブラである。判別部3dに入り込んだりして係脱することがない。0番タンブラ14は判別部3dに対してなにも作用しないタンブラであり、1番山用タンブラ12や2番山用タンブラ13が設けられる位置をわからないようにする。
【0048】
変換用タンブラ15のカム部15b側には、補助カム部15dが設けられる。補助カム部15dはスライド用レール部3eにカム接触をしながら係脱するように形成される。該レール部3eに係合する場合には、その状態で内部ユニット4のスライドを許容するが、内部ユニット4が抜脱する力に対しては抵抗して抜脱を禁止する。補助カム部15dが該レール部3eから解脱することで、内部ユニット4のスライドおよび抜脱を許容するようになっている。なお、上記の各タンブラ12〜15の他に、いわゆるダミーとして機能する不図示のダミータンブラも適宜に設ける。
【0049】
上記各タンブラ12〜15の配列を適宜組み合わせ、タンブラ軸11に積層配列し、板バネ10と一体に内部ケース7に組み込むことで、内部ユニット4が形成される。この内部ユニット4を外部ケース3に組み込むと、図7(a)に示す構造を有するカードキー装置を組み立てることができる。なお、上記の各タンブラ12〜15の向きは、例えば1番山用タンブラ12を例に挙げると、図7(c)に示すように交互に配置する。
【0050】
こうして、カードキー装置に組み込まれた各タンブラの状態を具体的に示すと、1番山用タンブラ12については図8(a)、2番山用タンブラ13は図9(a)、0番タンブラ14は図10、変換用タンブラ15は図11(b)に示す横断面図のようになる。
【0051】
すなわち、各タンブラ12〜15は板バネ10の自由状態ではそのバネ力に付勢され、爪12c、13c、15cは判別部3dに入り込む。一方、カム部12b、13b、15bはカードキーの差し込み路(挿入路)16に臨むこととなる。
【0052】
<カードキーおよび変換用カードキー>
カードキー1および変換用カードキー5は透明の合成樹脂材を成形して形成される。カードキー1は図12(a)に示す平面形状を有し、各タンブラのカム部12b〜15bにカム接触し易いように、先端縁に例えば約20°の傾斜角を有するテーパ部1aが形成される。上面には1番山用タンブラ12のカム部12bに係合する断面山形のキー溝1bと、2番山用タンブラ13のカム部13bに係合する断面山形のキー溝1cとが刻設される。2番山用のキー溝1cの深さは、1番山用のキー溝1bのそれよりも大きく設定される。 変換用カードキー5は図12(b)に示す平面形状を有し、その上面には上記カードキー1と共通する形状のキー溝1b、1cが配置される。カードキー1と異なる点は、変換用タンブラ15のカム部15bに係合する断面山形のキー溝1dが刻設される点のみである。
【0053】
<閂部材>
閂部材9は図5(f)および図7(a)に示すように、門型部9aと、門型部9aから伸びるL型部9bとで形成される。門型部9aは内部ケース7の箱部7aの両側を抱き込むように設けられる。L型部9bは外部ケース3のガイド溝3jを出没自在となるように設けられる(図3(a)参照)。これにより、図7(a)のようにカードキー1、15が施錠位置にあるときは、L型部9bは外部ケース3から出っ張り、不図示の錠前を施錠する。逆に、カードキー1、15が左方の解錠位置へスライドされると、L型部9bは外部ケース3内に没し、錠前を解錠する。なお、変換用カードキー5を使用して上記の解錠位置において、内部ユニット4を外部ケース3から取り出し他の内部ユニット4と交換する場合には、閂装置9は外部ケース3に取り残されるように構成される。
【0054】
次に、カードキー装置の作用を図8〜図11を参照して説明する。図8(a)の状態においてカードキー1を差し込み路16に挿入すると、1番山用タンブラ12は図8(b)に示すように、カム部12bが1番山用のキー溝1aに乗りあがる。板バネ10の付勢力に抗してタンブラ12はタンブラ軸11を中心にして反時計回りの方向へ揺動駆動される。それまで、判別部3dに入り込んでいた爪12cが解脱する。補助爪12dは判別部3dに入り込まない。これにより、内部ケース7はカードキー1と一体にスライドが可能な状態となり、施解錠操作が可能となる。
【0055】
なお、キー溝が一致しない場合には、図8(c)に示すように、爪12cは判別部3dに残ったままとなり、スライド不可の状態となる。また、図示はしないが、カム部12bがキー溝でないカードキー1の平坦面に乗り上げた場合には、補助爪12dが判別部3dに入り込み、スライドを不可能にする。
【0056】
図9(a)の状態において、カードキー1を挿入すると、同図(b)のようにカム部13bはカードキー1の2番山用のキー溝1cに乗り上がる。上記1番山用タンブラ12の場合と同様にして、タンブラ13の爪13cおよび補助爪13dは判別部3dから解脱した状態となる。これにより、それまで拘束状態にあった内部ユニット4はスライドが可能、すなわち施解錠操作が可能な状態となる。
【0057】
なお、同図(c)に示すように、キー溝1cと異なるキー溝に乗り上げた場合には、補助爪13dは判別部3dに入り込む。これにより、内部ユニット4のスライド、すなわち施解錠操作は拘束される。
【0058】
0番タンブラ14に関しては、図10に示すように、施解錠用カードキー1または変換用カードキー5のいずれのカードキーを挿入しても、0番タンブラ14はカードキーの平坦面に乗り上げ揺動する。しかし、0番タンブラ14は爪を有しないので、判別部3dに入り込むことはない。このため、内部ユニット4のスライドを終始拘束するようなことはない。
【0059】
以上のように、カードキー装置はカードキー1を挿入すると、内部ユニット4をカードキー1と一体に外部ケース3に対してスライドさせることができる。その結果、閂装置9を施解錠操作することができる。
【0060】
次に、変換用タンブラ15については、図11(b)に示すように、タンブラ15のカム部15bは変換用カードキー5の平坦面に乗り上がる。変換用タンブラ15は板バネ10の付勢力に抗してタンブラ軸11を中心に時計回りの方向へ揺動する。補助カム部15dはスライド用レール部3eに対面接触する。これにより、内部ユニット4が左方へ抜脱するのを拘束するが、補助カム部15dはスライド用レール部3eに沿ってスライドが可能であるので、内部ユニット4のスライドは可能にする。
【0061】
変換用カードキー5が図11(a)に示す施錠位置に挿入して使用すると、図11(c)のように通常のカードキー1が挿入された場合には、図11(b)に示すようにカム部15bは変換用山のキー溝1dに乗り上がる。補助カム部15dはスライド用レール部3eの接触から解脱するので、内部ユニット4の抜脱が可能な状態にできる。なお、施錠位置では内部ユニット4は取り出すことはできないようになっている。
【0062】
この状態で変換用カードキー5を内部ユニット4と共に施錠位置から解錠位置へスライドさせると、閂装置9は解錠されると共に、内部ユニット4を変換用カードキー5を差し込んだ状態のまま外部ケース3から取り出すことができる。その結果、取り出した外部ケース3を持ち運びできると共に、別の新たな内部ユニット4に交換して外部ケース3に収納セットして使用することができる。
【0063】
新たな内部ユニット4をセットした場合には、変換用カードキー5を挿入したまま、変換用カードキー5を内部ユニット4と共に解錠位置から施錠位置へスライドさせる。施錠位置までスライドさせた後に、変換用カードキー5だけを引き抜けば、閂装置9を施錠できる。以後、通常のカードキー1を使用してカードキー装置の施解錠操作を再び行えるようになる。
【0064】
本実施形態によれば、従来のようにキーブランクを回転させて使用する態様のものと異なり、カードキー1をスライドすることにより施解錠操作を行う。このため、他社製品との差別化が図れ、使用感においてもスマート感覚にあふれた操作性能を得ることができる。また、カードキーの挿入方向における奥行きの浅い設置スペースがあればカードキー装置を容易に取り付けが可能となる。また変換用カードキー5を使用することで、内部ユニット4を交換してカードキー装置を利用でき、セキュリティを確保しつつ便利性の良いカードキー装置を得ることができる。また、多数のタンブラを使用しているが、一枚の板バネ10ですべてのタンブラ12〜15の揺動を制御するため、部品点数の大幅な削減が可能で、構成のシンプルなカードキー装置を実現できる。さらに、カードキー1、5を透明にすることで、デザイン性を向上できる。また、変換用カードキー5を施解錠用カードキー1と同じカードを使用して製造できるので、コスト安価なカードキー装置を得ることができる。
【0065】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0066】
例えば、上記実施形態ではタンブラ軸11を2本設けたが、1本にして各タンブラの向きを交互に配置しなくてもよい。また、変換用タンブラ15を設ける位置はスライド方向のいずれの位置であってもよい。
【0067】
また、上記では閂部材9をスライドさせて錠前に施解錠させる態様であったが、閂部材としては、例えば、外部ケース3と内部ユニット4との間に、外部ケース3または内部ユニット4のいずれか一方にラック歯を、いずれか他方にピニオン歯車を設けたラック・アンド・ピニオン機構を使用して内部ユニット4のスライドを回転運動に変換する閂機構としてもよい。
【0068】
また、カードキー1、5を合成樹脂材を使用して形成したが、メタルを使用してもよい。また、板バネ10はタンブラ軸11を利用して内部ケース7の箱部7aに軸支したが、タンブラ軸11を介することなく箱部7aに取り付ける構成にしてもよい。
【0069】
また、上記では、バネ部材として一本の板バネ10を使用したが、タンブラごとにタンブラを揺動付勢する板バネ、コイルバネ等を設ける態様とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明はオフィス向けの机、ワゴン、ロッカー、キャビネット、食器棚等の各種装置類に採用される施解錠装置としてのカードキー装置に利用される。
【符号の説明】
【0071】
1 カードキー(施解錠カードキー)
2 カードキー装置本体
3 外部ケース
3d 判別部
3e スライド用レール部
4 内部ユニット
5 変換用カードキー
6 タンブラ部材
7 内部ケース
7a 箱部
8 抜き差し口(挿入口)
9 閂部材(デッドボルト)
10 板バネ
10a 基部
10b 枝部
11 タンブラ軸
12 1番山用タンブラ
13 2番山用タンブラ
14 0番タンブラ
15 変換用タンブラ
15d 補助カム部
16 差し込み路
L 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードキーの差し込みにより揺動駆動する複数のタンブラ部材が内部ケースに配置されて成る内部ユニットを、外部ケースに対して、前記カードキーの差し込み方向とほぼ直交する方向にスライド可能に収納すると共に、前記内部ユニットに前記外部ケースから出没自在な閂部材を設けるカードキー装置であって、
前記カードキーを前記内部ユニットに差し込んで前記タンブラ部材を駆動させるとき、前記内部ユニットを、前記閂部材が前記外部ケースから出っ張る施錠位置と、前記外部ケース内に没する解錠位置との間をスライドさせることにより、前記閂部材が前記内部ユニットに連動して施解錠操作されることを特徴とする、
カードキー装置。
【請求項2】
前記内部ユニットは前記外部ケースに対して着脱自在に収納され、
前記カードキーを変換用カードキーで形成し、この変換用カードキーを施錠位置にある前記内部ユニットに差し込むことにより、前記内部ユニットを前記解錠位置へスライドさせ、かつ、この解錠位置において前記内部ユニットを前記変換用カードキーが差し込まれた状態で、前記外部ケースから取り外されることを特徴とする、
請求項1に記載のカードキー装置。
【請求項3】
外部ケースと、
前記外部ケースに脱着自在に収納され前記外部ケースの長手方向に沿ってスライド可能に設けた内部ケースおよび前記内部ケースに前記長手方向に沿うタンブラ軸に積層枢支された複数のタンブラ部材で形成される内部ユニットと、
前記内部ユニットに設けられ該内部ユニットに連動して前記外部ケースから出没自在な閂部材と、
前記内部ユニットに前記長手方向とほぼ直交する方向に設けられる差し込み路と、
前記差し込み路に抜き差し自在に形成されるカードキーと、を具備し、
前記差し込み路に前記カードキーを差し込んで前記タンブラ部材を駆動し、かつ、前記内部ユニットを前記カードキーと一体となってスライドさせることにより、前記閂部材が、前記外部ケースから外部へ出っ張る施錠位置と、前記外部ケース内へ没する解錠位置との間に亘って変位するように構成されたことを特徴とする、
カードキー装置。
【請求項4】
前記カードキーは、施解錠用カードキーとして形成され、
前記タンブラ部材を、前記施解錠用カードキーで駆動される施解錠用タンブラで形成し、 前記内部ケースに前記タンブラ部材を弾性付勢させるバネ部材を担持し、
前記外部ケースに前記バネ部材の付勢力で常時付勢される前記施解錠用タンブラを弾接させる判定部を設け、
前記施解錠用カードキーの非差し込み時、前記施解錠用タンブラはバネ部材の付勢力により前記判定部に干渉して前記内部ユニットのスライドを拘束するが、前記施解錠用カードキーの差し込み時、前記施解錠用タンブラを前記バネ部材の付勢力に抗して駆動させることにより、前記施解錠用タンブラが前記判定部から強制的に解脱され、前記内部ユニットのスライドが許容されることを特徴とする、
請求項3に記載のカードキー装置。
【請求項5】
前記カードキーは、変換用カードキーとして形成され、
前記タンブラ部材の一部分は、前記タンブラ軸に枢支される変換用タンブラで形成され、 前記変換用タンブラを、前記バネ部材により前記外部ケースに設けたスライド用レール部に係合するように付勢させ、
前記変換用カードキーの非差し込み時、前記変換用タンブラは前記スライド用レール部に係合して、前記内部ユニットが前記外部ケースから引き抜かれるのを阻止されるが、前記内部ユニットのスライドは許容せしめられる一方で、前記変換用カードキーの差し込み時には、前記施解錠用タンブラおよび前記変換用タンブラを前記バネ部材の付勢力に抗して揺動させることにより、前記施解錠用タンブラは前記判定部から解脱し、かつ、前記変換用タンブラは前記スライド用レール部から強制的に解脱され、前記内部ユニットが外部ケースから引き抜かれるのを可能とすることを特徴とする、
請求項4に記載のカードキー装置。
【請求項6】
前記内部ユニットが前記外部ケースから引き抜かれた後に、前記変換用カードキーを差し込んだ前記内部ユニットとは異なる新しい内部ユニットを前記外部ケースに差し込めるように構成されたことを特徴とする、
請求項2または5に記載のカードキー装置。
【請求項7】
前記外部ケースに設けられる前記判定部は、前記スライド方向にほぼ直交して陥没する凹条溝であることを特徴とする、
請求項4〜6のいずれかに記載のカードキー装置。
【請求項8】
前記内部ケースに設けられる前記タンブラ軸を平行配置した二本のタンブラ軸で形成し、前記各タンブラ軸に、前記タンブラ部材を交互に配置して枢支したことを特徴とする、
請求項4〜7のいずれかに記載のカードキー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−203106(P2010−203106A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48295(P2009−48295)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000131038)株式会社オプナス (51)