説明

カード作成用台紙

【課題】カード作成用台紙からカード基材を剥離する際、カード基材が破れにくい、2つ以上に折り畳んで使用するカードを作成するためのカード作成用台紙を提供する。
【解決手段】カード基材10と支持台紙とが剥離可能に接着したカード作成用台紙1であって、前記カード基材10には該カード基材10を折り畳むための筋押し部18が形成されており、該筋押し部の末端が、カード基材の外縁10bから0.5mm以上離れていることを特徴とするカード作成用台紙1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上に折って使用するカードのカード作成用台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、個人用カードは、病院の診察券や健康保険証等といった場面で広く使用されている。その中でも、薄手で携帯性が優れ、情報記録面の保護が可能な、カードの表面が透明フィルム等でラミネートされたラミネートカードがよく使用される。また、カード作成後にボールペン等により書き込めるように、片面のみがラミネート加工されたカードの利用も多い。このような片面ラミネートカードでは、2つ折り構造のものがよく利用される。
【0003】
2つ折り構造のラミネートカードは、同じ形状をした第1のカード部分と第2のカード部分を有し、これらを2つに折り畳んで使用する。したがって、カードを大きくすることなく記録情報量を増大できる点や、非ラミネート面を内側にすることで、その面の耐久性及び防汚性が高められる点等で優れている。
【0004】
従来、上記のようなラミネートカードの作成には、透明フィルムとカード台紙とが貼着されたカード基材と、支持台紙とが剥離可能に疑似接着され、前記カード基材に折り畳むための筋押しが設けられたカード作成用台紙が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。この場合には、カード作成用台紙からカード基材を剥離し、その後に、剥離したカード基材を筋押し部分に沿って2つ折りにするだけで、容易に2つ折り構造のラミネートカードが作成できる。
【0005】
また、近年はデザイン性の点から、四隅が丸いカードが好んで使用されるため、2つ折り構造のラミネートカードの四隅を丸くすることが求められる。そこで、第1のカード部分と第2のカード部分の四隅が全て丸くなったカード基材が、支持台紙に疑似接着されたカード作成用台紙が利用される。このときには、カード基材は、第1のカード部分と第2のカード部分の四隅が全て丸くなっているため、第1のカード部分と第2のカード部分との間に、カード基材の内側へと切れ込んだくびれ部分を有することとなる。
【特許文献1】実用新案登録第3091335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これまでに説明したような、2つ折り構造のラミネートカードを作成するための、カード基材と支持台紙とが疑似接着されたカード作成用台紙では、カード基材をカード作成用台紙から剥離する際に、カード基材が途中から破れてしまうことがあった。本発明は、カード作成用台紙からカード基材を剥離する際に、カード基材が破れにくい、2つ以上に折り畳んで使用するカードを作成するためのカード作成用台紙を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、カード基材と支持台紙とが剥離可能に接着したカード作成用台紙であって、前記カード基材には該カード基材を折り畳むための筋押し又はミシン目加工線が形成されており、該筋押し又はミシン目加工線の末端が、カード基材の外縁から0.5mm以上離れていることを特徴とするカード作成用台紙を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カード作成用台紙からカード基材を剥離する際に、カード基材が破れにくい、2つ以上に折り畳んで使用するカードを作成するためのカード作成用台紙が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態の一例として、片面が透明フィルムでラミネート加工された、2つ折り構造のカードを作成するための枚葉のカード作成用台紙について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
カード作成用台紙1は、図2に示すように、カード台紙11と透明フィルム12とが貼着剤41により貼着された積層体2と、支持台紙20とが疑似接着層30を介して剥離可能に疑似接着されている。
【0010】
積層体2には、カード台紙11から透明フィルム12まで、2つ折り構造のカードの形状でカード状打ち抜き13が設けられ、カード基材10が形成される。したがって、カード作成用台紙1では、カード基材10と支持台紙20とが剥離可能に疑似接着されている。したがって、カード台紙11aと透明フィルム12aとが貼着されたカード基材10が、作成用台紙から剥離できるようになっている。
【0011】
カード基材10は、図1に示すように、第1のカード部分14と第2のカード部分15を有する。また、デザイン性の点からカード部分14、15の隅角部14a、14b、15a、15bが円弧状になっている。そのため、第1のカード部分14と第2のカード部分15との間には、カードの隅角部14b、15bによって、くびれ部分16が形成される。
【0012】
カード基材10のくびれ部分16の形状は、図4に示すように、角のない形状であるのが好ましい。例えば、図4(a)、(b)のようにくびれ部分16の底の形状が円弧状になっているものや、図4(c)のように、角が円弧状になっている四角型のくびれ部分16等が好ましい。また、図4(d)のように、カードの隅角部14b、15bの形状は違っているが、くびれ部分16の底の形状が円弧状となっているものも好ましい。
このように、くびれ部分16に角がなければ、カード基材10を作成用台紙1から剥離する際、カード基材10がくびれ部分16から破れにくくなる。
【0013】
また、カード基材10には、カード基材の表面10aに、カード基材の中心線17に沿って筋押し部18が設けてある。そのため、カード基材10は、カード表面10aを内側にして、筋押し部18に沿って容易に折り畳むことができる。
本発明のカード作成用台紙1では、図3に示す、カード基材の外縁10bから筋押し部の末端18aまでの距離aが0.5mm以上であることを特徴とする。また、距離aが1mm〜20mmの範囲であるのが好ましい。距離aが1mm以上であれば、カード基材10を支持台紙20から剥離する際、カード基材10がより破れにくくなる。また、距離aが20mm以内であれば、カード基材10が筋押し部18に沿って綺麗に折り畳みやすくなる。
【0014】
筋押し部18の幅bは、0.5mm〜2.5mmの範囲であるのが好ましく、1.0mm〜2.0mmであるのがより好ましい。幅bが0.5mm以上であれば、カード基材10が筋押し部18に沿って折り畳みやすい。また、幅bが2.5mm以内であれば、カード基材10を綺麗に折り畳みやすくなる。
ここで、筋押し部18は、筋押し刃等による筋押しにより設けられる。また、筋押し部18は、図5に示すように、ミシン目加工線19に代えてもよい。また、筋押しとミシン目加工線を混合して設けてもよく、筋押し部18を破線状に設けてもよい。
【0015】
また、カード作成用台紙1のうち、カード台紙11を除く部分である積層体3(図2参照)は、カード台紙11よりも小さく(カード台紙11の外縁から0.5mm〜1.0mm程度)設計するのが好ましい。これにより、カード作成用台紙1のカード基材の表面10aにプリンタにより印字する際に、貼着剤41がプリンタのドラム等に付着して、印字不良や紙詰まりが起きることを防げる。
【0016】
ここで、カード基材10のカード台紙11としては、例えば、紙類、フィルム類等が適宜使用できる。紙類としては、例えば、キャストコート紙、アート紙、コート紙、上質紙等の紙類が挙げられ、フィルム類としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、塩化ビニル等の各種高分子フィルム等が挙げられる。また、蒸着紙、合成紙、布、不織布、金属ホイル等も使用できる。
【0017】
透明フィルム12としては、例えば、疑似接着層30がポリエチレン層からなるときは、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル製フィルム、あるいは、疑似接着層側にポリエステル製フィルムがラミネートされた樹脂フィルムが好適に用いられる。また、カード台紙11が透明フィルム12と同質の材料からなり、カード台紙11が支持台紙20と剥離可能に疑似接着できる場合には透明フィルムを用いなくてもよい。
【0018】
貼着剤41としては、接着剤や粘着剤等が好ましい。ここで、接着剤とは、貼着後に硬化させることにより粘着性を失うものであり、粘着剤とは、貼着後もある程度の粘着性を維持するものである。
接着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、酢酸ビニル系、シアノアクリレート系、シリコーン系、ウレタン系の各種接着剤が挙げられる。これらは、溶剤系、無溶剤系、一液系、二液系、紫外線硬化型など各種のものが使用できる。また、接着剤として、スチレン系ブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの各種ホットメルト接着剤なども使用できる。
粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等の任意の粘着剤を使用できる。これらの中でも、耐候性、透明性等に優れ、広範な用途に使用できることから、アクリル系粘着剤が好ましく、アクリル系粘着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等が使用できる。なかでも、安全性、品質面、コスト面からエマルジョン型アクリル系粘着剤が好ましい。さらに、このような粘着剤では、必要に応じて他の任意成分を含有してもよい。他の任意成分としては、タッキファイヤー、粘着性微球体、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等が挙げられる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。
【0019】
支持台紙20としては、例えば、紙類、フィルム類等を使用できる。紙類としては、キャストコート紙、アート紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙等が挙げられ、フィルム類としては、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等の各種高分子フィルムが使用可能であり、さらには蒸着紙、合成紙、布、不織布、金属ホイル等も目的や用途に応じて適宜使用できる。
【0020】
疑似接着層30は、剥離したい層(本実施形態ではカード基材10)に対して剥離可能に接着する熱可塑性樹脂からなる層であり、支持台紙20と透明フィルム12とが疑似接着できれば特に制限されない。本実施形態例では、この層はポリエチレンからなっている。疑似接着層30の厚さは、10〜60μmの範囲であるのが好ましい。疑似接着層30の厚さが10μm以上であれば疑似接着層30の形成が容易であり、また、60μm未満であれば経済的に優れている。
【0021】
カード作成用台紙1を製造するには、まず、カード台紙11の少なくとも一部に、貼着剤41を介して透明フィルム12を貼着し、積層体2を得る(図2参照)。また、支持台紙20上に、貼り合わせや押出ラミネート等によりポリエチレン膜を積層する。次いで、図6に示すような、ポリエチレン膜が積層された支持台紙20aを繰り出す支持台紙用繰り出しロール51と、溶融状態のポリエチレン52aを吐出するTダイ押出機52と、積層体2を繰り出す積層体2用繰り出しロール53と、冷却ロール54と、冷却ロールに対向して設けられたニップロール55とを具備するサンドイッチラミネート装置50を用いて、サンドイッチラミネートを行う。具体的には、支持台紙用繰り出しロール51からポリエチレン膜が積層された支持台紙20aを繰り出し、そのポリエチレン膜上に、Tダイ押出機52から吐出した溶融状態のポリエチレン52aを積層する。ここで、ポリエチレン膜及び溶融状態のポリエチレンは別々に積層されたものであるが、これらは同じ材質であるため、一体化して疑似接着層30を形成する。続いて、溶融状態のポリエチレンが固化する前に、その上に積層体2を重ねる。このとき、積層体2は、透明フィルム12が疑似接着層30側になるように重ねる。そして、これらを、冷却ロール54とニップロール55との間に通して、圧着しつつ冷却してカード作成用台紙1aを得る。
次に、カード作成用台紙1aに、カード台紙11から透明フィルム12まで、カード基材10の形状の歯形を食い込ませてカード状打ち抜き13を設ける。また、カード基材10の表面10aにカード基材の中心線17に沿って、筋押し刃による筋押し又はミシン目加工を行い、筋押し部18を形成させる。以上のようにしてカード作成用台紙1を得る。
【0022】
なお、支持台紙20がポリエチレンをラミネートした紙や樹脂フィルム、あるいはポリエチレンフィルムである場合には、疑似接着層を設ける際にポリエチレン膜を積層する工程を省くことができる。つまり、支持台紙20を繰り出し、その上にTダイ押出機52から溶融状態のポリエチレンを積層し、その溶融状態のポリエチレンが固化する前に積層体2を重ねることができる。
【0023】
次に、本発明のカード作成用台紙の別の実施形態の一例を以下に示し、詳細に説明する。図7〜図9に、片面が透明フィルムでラミネート加工された、2つ折り構造のカードを作成するための、連続帳票のカード作成用台紙101について示す。
連続帳票のカード作成用台紙101は、図8のように、長尺のカード台紙111に該カード台紙111の長手方向に沿って、複数の透明フィルム112が一定の間隔をおいて貼着剤141により貼着された積層体102と、支持台紙120とが疑似接着層130を介して剥離可能に疑似接着されている。このとき、支持台紙120は、カード台紙111に貼着されたそれぞれの透明フィルム112に疑似接着される。
【0024】
積層体102には、カード台紙111から透明フィルム112まで、2つ折り構造のカードの形状でカード状打ち抜き113が設けられ、カード基材110が形成される。したがって、カード作成用台紙101では、複数のカード基材110が連続して形成されており、それぞれのカード基材110が支持台紙120に剥離可能に疑似接着されている。
これにより、カード基材111aと透明フィルム112aが貼着剤141により貼着されたカード基材110が、カード作成用台紙101から剥離できるようになっている。
【0025】
また、長尺のカード台紙111には、図7に示すように、カード基材110とカード基材110の間に、ミシン目加工が施されており、折りミシン部61と中間ミシン部62が交互に設けられる。折りミシン部61は、カード台紙の端縁111aから端縁111bまで設けられる。一方、中間ミシン部62は、端縁111a、111bからそれぞれ2mm〜15mm内側の部分まで設けられる。これにより、カード作成用台紙101は、折りミシン部61に沿って、台紙部分4ごとに折り畳むことができる。台紙部分4は、中間ミシン部62によって、第1の台紙部分4aと第2の台紙部分4bとに分かれており、台紙部分4a、4bはそれぞれ1つのカード基材110を有する。
このように、カード作成用台紙101は、枚葉のカード作成用台紙1に相当する台紙部分4a、4bが連続して連なったカード作成用台紙である。
【0026】
カード基材110は、カード基材10と同様に、第1のカード部分114と第2のカード部分115を有する。また、カード部分114、115の隅角部114a、114b、115a、115bは丸くなっている。そのため、第1のカード部分114と第2のカード部分115との間には、カードの隅角部114b、115bによって、くびれ部分116が形成される。カード基材110のくびれ部分116の形状は、カード基材10の場合と同様に、角のない形状であるのが好ましい(図4参照)。くびれ部分116に角がなければ、カード基材110をカード作成用台紙101から剥離する際に、カード基材110が破れにくくなる。
【0027】
また、カード基材110には、カード基材の表面110aに、カード基材の中心線117に沿って筋押し部118が設けてある。そのため、カード基材110は、カード表面110aを内側にして、筋押し部118に沿って容易に折り畳むことができる。
本発明のカード作成用台紙101では、図9に示す、カード基材の外縁110bから筋押し部の末端118aまでの距離aが0.5mm以上であることを特徴とする。また、距離aが1mm〜20mmの範囲であるのが好ましい。距離aが1mm以上であれば、カード基材110を支持台紙120から剥離する際、カード基材110が破れにくくなる。また、距離aが20mm以内であれば、カード基材110が筋押し部118に沿って綺麗に折り畳みやすくなる。
【0028】
筋押し部118の幅bは、0.5mm〜2.5mmの範囲であるのが好ましい。幅bが0.5mm以上であれば、カード基材110が筋押し部118に沿って折り畳みやすい。また、幅bが2.5mm以内であれば、カード基材110をより綺麗に折り畳みやすくなる。
ここで、筋押し部118は、筋押し刃等による筋押し以外に、ミシン目加工線を設けてもよく、筋押しとミシン目加工線を混合して設けても構わない。また、筋押し部118は破線状に設けてもよい。
【0029】
また、カード作成用台紙101のうち、カード台紙111を除く、それぞれの積層体103は、以下のようにするのが好ましい。
カード作成用台紙101を折りミシン部61に沿って折り畳む際には、台紙部分4が、積層体103の、折りミシン部61に並行する端縁103aの周辺で湾曲してしまうことがある。この場合には、その湾曲によって、カード基材110が、折りミシン部61に並行するカード状打ち抜き辺113aの近傍で、カード作成用台紙101から剥離してしまう。
【0030】
そこで、積層体103を大きくし、積層体103の、折りミシン部61と並行する端縁103aと、折りミシン部61との距離cを1mm〜10mmの範囲とするのが好ましい。距離cを小さくして、積層体の端縁103aをカード基材110から遠くすれば、上記の湾曲部分がカード基材110から遠くなる。また、積層体103は、積層構造を有しているため折れ曲がりにくいので、カード基材110周辺まで湾曲が伝わりにくくなる。したがって、カード基材110がカード作成用台紙101から剥離しにくくなる。また、連続印字後に再度折り畳む際に、折りミシン部61に沿って確実に折り畳める。
【0031】
また、カード状打ち抜き辺113aの部分をマイクロミシン加工しておくことも好ましい。カード状打ち抜き辺113aの部分をマイクロミシン加工すれば、マイクロミシン目中の非打ち抜き部によりカード状打ち抜き辺113a部に腰をもたせることができる。したがって、カード作成用台紙101を折りミシン部61に沿って折り畳んでも、カード基材110がカード作成用台紙101から剥離しにくくなる。また、連続印字後に再度折り畳む際に、折りミシン部61にて確実に折り畳める。
このマイクロミシン加工は、カード作成用台紙101に設けられたカード基材110の向きにかかわらず、カード状打ち抜き113のうち、折りミシン部61と並行するカード状打ち抜き辺にて行う。
【0032】
カード作成用台紙101を製造する方法を以下に示す。まず、長尺のカード台紙111に該カード台紙111の長手方向に沿って、一定の間隔を開けて、複数の透明フィルム112を順次貼着剤141で貼着していき、積層体102を形成する。また、支持台紙120上に、貼り合わせや押出ラミネート等によりポリエチレン膜を形成する。次いで、図6のように、支持台紙用繰り出しロール51からポリエチレン膜が積層された支持台紙120aを繰り出し、そのポリエチレン膜上に、Tダイ押出機52から吐出した溶融状態のポリエチレンを積層する。ここで、ポリエチレン膜及び溶融状態のポリエチレンは別々に積層されたものであるが、これらは同じ材質であるため、一体化して疑似接着層130を形成する。続いて、溶融状態のポリエチレンが固化する前に、その上に積層体102を重ねる。このとき、積層体102は、透明フィルム112が疑似接着層130側になるように重ねる。そして、これらを、冷却ロール54とニップロール55との間に通して、圧着しつつ冷却してカード作成用台紙101aを得る。
次に、カード作成用台紙101aに、カード台紙111側から、カード基材110の形状の歯形を食い込ませ、カード状打ち抜き113を設ける。また、カード基材の表面110aに筋押し又はミシン目加工を施して筋押し部118を設ける。また、カード台紙111にミシン目加工し、折りミシン部61及び中間ミシン部62を形成させる。また、カード状打ち抜き辺113aをマイクロミシン加工する。その後、折りミシン部61に沿ってカード作成用台紙を折り畳み、連続帳票のカード作成用台紙101を得る。
【0033】
なお、カード作成用台紙101の場合も、支持台紙120がポリエチレンをラミネートした紙や樹脂フィルム、あるいはポリエチレンフィルムである場合には、疑似接着層を設ける際にポリエチレン膜を積層する工程を省くことができる。つまり、支持台紙120を繰り出し、その上にTダイ押出機52から溶融状態のポリエチレンを積層し、その溶融状態のポリエチレンが固化する前に積層体102を重ねることができる。
【0034】
次に、本発明の枚葉のカード作成用台紙1を例にして、カード基材10を剥離する様子について、図10に基づいて説明する。連続帳票のカード作成用台紙101におけるカード基材110の剥離については、枚葉のカード作成用台紙1の場合と同様である。
【0035】
カード作成用台紙からカード基材を剥離するには、カードの隅角部から順に剥がしていくのが一般的である。例えば、第1のカード部分14の隅角部14aから順に剥がすことが考えられる。この場合には、筋押し部18のある部分までカード基材10が剥がされたとき、つまり、本実施形態例では、くびれ部分16までカード基材10が剥がされたときには、くびれ部分の外縁16aに、カード部分15の内側方向へと力が加わる。
このとき、くびれ部分の外縁16aに加えられた力によって、カード部分15の隅角部15bを剥離させなければならない。したがって、くびれ部分の外縁16aには大きなせん断力が加わる。
【0036】
本発明のカード作成用台紙1では、筋押し部の末端18aがカード基材の外縁10bから0.5mm以上離れるように筋押し部18が形成されているため、くびれ部分の外縁16aは筋押しもミシン目加工も施されていない。したがって、くびれ部分の外縁16aの強度が低下していないため、カード基材10がくびれ部分から破れにくい。
くびれ部分のないカード基材であっても、筋押し又はミシン目加工線の末端が、カード基材の外縁10bから0.5mm以上離れて形成されていれば、カード基材をカード作成用台紙から剥離する際に、カード基材が途中から破れにくくなる。
【0037】
尚、本発明のカード作成用台紙は、上述したものに限られない。例えば、2つ折り構造のカード用のカード作成用台紙には限定されず、3つ折り構造や4つ折り構造のカード用のカード作成用台紙であってもよい。また、くびれ部分のないカード用のカード作成用台紙であってもよい。また、片面のみがラミネート加工されたカード用に限定されることもなく、両面がラミネート加工されたカード用、両面ともラミネート加工されていないカード用のカード作成用台紙であってもよい。
また、支持台紙とカード基材との接着は剥離可能であれば、上述したような疑似接着には限られない。例えば、支持台紙として剥離紙を用い、カード基材と剥離紙とが貼着剤で貼着されたカード作成用台紙であってもよい。このようなカード作成用台紙を用いれば、カード基材をカード作成用台紙から剥離した後に、カード基材を折り畳んで第1のカード部分と第2のカード部分とを貼着剤で貼着できるカードが作成できる。
また、例えば、注意書き等でカード基材を剥がし始める場所を図10に示すような場所に限定するときには、反対側の筋押し部の末端18a’がカード基材の外縁に到達していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明した、本発明のカード作成用台紙は、カード基材をカード作成用台紙から剥離する際に、カード基材が破れにくい。したがって、個人用カード等のカード作成用台紙として広い応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態である、枚葉のカード作成用台紙の一例を示した正面図である。
【図2】図1のA−A’線で切断した時の断面図である。
【図3】図1のくびれ部分を拡大した正面図である。
【図4】カード基材のくびれ部分の好適な形状の例を示した正面図である。
【図5】筋押し部がミシン目加工線であるカード基材のミシン目加工線部分の拡大図である。
【図6】サンドイッチラミネート装置の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態である、連続帳票のカード作成用台紙の一例を示した正面図である。
【図8】図7のB−B’線で切断した時の断面図である。
【図9】図7のくびれ部分の拡大図である。
【図10】図1のカード作成用台紙から、カード基材を剥離する様子の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 カード作成用台紙
10 カード基材
10b カード基材の外縁
18 筋押し部
18a 筋押し部の末端
20 支持台紙
101 カード作成用台紙
110 カード基材
110b カード基材の外縁
118 筋押し部
118a 筋押し部の末端
120支持台紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード基材と支持台紙とが剥離可能に接着したカード作成用台紙であって、前記カード基材には該カード基材を折り畳むための筋押し又はミシン目加工線が形成されており、該筋押し又はミシン目加工線の末端が、カード基材の外縁から0.5mm以上離れていることを特徴とするカード作成用台紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−229975(P2008−229975A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71181(P2007−71181)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【出願人】(390023940)エニカ株式会社 (12)
【出願人】(595178748)王子タック株式会社 (76)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】