説明

カード台紙

【課題】 カード用紙が用紙本体から切り離し可能に形成されたカード台紙において、カード用紙の表裏両面にラミネート加工をすることができるカード台紙を提供すること。
【解決手段】 用紙本体10に切り目11によってカード用紙12を切り離し可能に形成し、第1のプラスチックフィルム14をカード用紙12を覆って接着剤15により接着すると共に表面にシリコン塗布層16を形成する。剥離可能に擬似接着した第2及び第3のプラスチックフィルム17,18を第1のプラスチックフィルム14に接着剤20により接着する。擬似接着層19の接着力をシリコン塗布層16を介して接着する面の接着力よりも大にした異差剥離構造とする。カード用紙12を用紙本体10の切り目11から剥離し反転して元の位置に接着する。カード用紙12を擬似接着層19から剥離してカード21とする。カード21はフィルムによって表裏両面にラミネート加工される。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、カード台紙に関しており、詳しくは用紙本体から切り離したカードの表裏両面にラミネート加工ができるカード台紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、会員資格を証明する会員カードのうち、用紙の一部をカードに形成し他の部分を送り状として使用し、用紙ごとに会員に送るようにしたカード台紙が知られている。
【0003】
図5は、従来技術によるカード台紙を示しており、用紙本体1に切り目2によってカード用紙3が切り離し可能に設けられ、又、該カード用紙2と対応する用紙本体1の裏面に当該カード用紙3よりも大きな2枚の第1及び第2のプラスチックフィルム4,5が剥離可能に擬似接着された状態で接着されているものである。プラスチックフィルムのうち、第1のプラスチックフィルム4は用紙本体1に接着剤7によって接着されているので両者が剥離することはなく、又、第1及び第2のプラスチックフィルム4,5を接着した擬似接着部は、接着剤による接着よりは接着力が弱いが通常の取り扱いであれば剥離することはない。
【0004】
用紙本体1及びカード用紙3に必要事項を印刷して用紙本体1ごと会員に送り、これを受け取った会員は切り目2からカード用紙3を切り離してカード8を得る。なお、切り目2は用紙本体1を貫通し第1のプラスチックフィルム4に達するまで設けられている。
【0005】
図5Bに示すように用紙本体1から切り離したカード8は、裏面が第1のプラスチックフィルム4によってラミネート加工されているので、強度があり取扱いが容易なカードとなるが、カード表面には会員の氏名や会員番号などの情報を印字しているので、カード表面の記載事項の改ざん防止のためにも表面側をラミネート加工をしたいという要望がなされている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、カード用紙が用紙本体から切り離し可能に形成されたカード台紙において、カード用紙の表裏両面にラミネート加工をすることができるカード台紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
解決手段は、用紙本体に切り目によりカード用紙を切り離し可能に形成し、第1のプラスチックフィルムを上記カード用紙を覆って用紙本体に接着剤により接着すると共に該第1のプラスチックフィルムの表面にシリコン塗布層を形成し、剥離可能に擬似接着した第2のプラスチックフィルム及び第3のプラスチックフィルムを上記第1のプラスチックフィルムのシリコン塗布層の面に接着剤により接着したものであり、上記切り目を用紙本体及び第1のプラスチックフィルム並びに第2のプラスチックフィルムを貫通して第3のプラスチックフィルムに達するまで形成し、かつ、擬似接着層の接着力をシリコン塗布層を介して接着する面の接着力よりも大きな接着力を備えた異差剥離構造としたことを特徴とするものである。
【0008】
又、擬似接着された第2のプラスチックフィルム及び第3のプラスチックフィルムが、第1のプラスチックフィルムより大きく形成されており周縁部を用紙本体に接着したものであることを特徴としている。
【0009】
この他、用紙本体がカード用紙の他にカードを送付する送り状記載欄を設けたものであることを特徴としている。
【0010】
【考案の実施の形態】
図1はカード台紙の断面を示し、図2はカード台紙の用紙本体からカード用紙を切り離しラミネート加工をする手順を示し、図3はラミネート加工されたカードを示し、図4はカード台紙が連続紙である場合を示している。
【0011】
図1において、10は用紙本体であり、切り目11によってカード用紙12が切り離し可能に形成されており、裏面に上記カード用紙12にラミネート加工を施すラミネート加工層13が設けられている。
【0012】
用紙本体10の裏面にはカード用紙12と対応する位置に当該カード用紙12よりも大きな第1のプラスチックフィルム14が接着剤15によって接着されていると共に、該第1のプラスチックフィルム14の表面にシリコンを塗布したシリコン塗布層16が形成されている。又、上記第1のプラスチックフィルム14には、第2のプラスチックフィルム17と第3のプラスチックフィルム18が剥離可能な擬似接着層19を介して接着されており、具体的には、第2及び第3のプラスチックフィルム17,18が第1のプラスチックフィルムより大きく形成されており、第2のプラスチックフィルム17の表面に接着剤20を塗布して上記第1のプラスチックフィルム14のシリコン塗布層16の面に接着すると共に周縁部を用紙本体10に接着したものである。
【0013】
上述したラミネート加工層13には、シリコン塗布層16と擬似接着層19の2つの剥離可能な接着面を有しているが、実施例では擬似接着層19の接着力がシリコン塗布層16を介して接着する面の接着力よりも大きな接着力を備えた異差剥離構造としている。又、上述した切り目11は、用紙本体10と第2のプラスチックフィルム17を貫通して第3のプラスチックフィルム18に達するまで形成されている。
【0014】
なお、切り目11及びラミネート加工層13の形成は、カード用紙12を含むカード本体10の表裏両面に必要事項を印刷した後に行うものとする。すなわち、カード用紙12の表面には氏名及び会員番号欄など、裏面には注意事項などを印刷し、又、用紙本体10の他の面には、例えば用紙本体を送り状として使用するものであれば送り状としての体裁を印刷する。
【0015】
図中、21はラミネート加工されたカードを示している。カード21は表面に第2のプラスチックフィルム17が接着され、裏面に第1のプラスチックフィルム14が接着されており、これらプラスチックフィルムによって表裏両面にラミネート加工をしたものである。
【0016】
次に、図2によりカード用紙12にラミネート加工をする手順を説明する。図面は、カード用紙12に氏名又は会員番号などカードとしての固有な情報をコンピュータと接続するプリンターなどにより印字し、又、用紙本体10にも必要な情報を印字したものとする。まず、用紙本体10を切り目11の部分から下に曲げるとカード用紙12の縁部がシリコン塗布層16から剥離して浮き上がるので、浮いたカード用紙12を持ち上げてシリコン塗布層16から剥離する(図2A)。
【0017】
次いで、カード用紙12を反転して図2Aでカード用紙12を剥離して形成された窓部分に当該カード用紙12を第1のプラスチックフィルム14を表側に向けて貼着し、カード用紙12の表面に第2のプラスチックフィルム17を接着する(図2C)。
【0018】
さらに続いて、用紙本体10を再び切り目11の部分から曲げると、カード用紙12は第2及び第3のプラスチックフィルム17、18の擬似接着層19から剥離され、用紙本体10から分離し同時に第1及び第2のプラスチックフィルム14,17により両面がラミネート加工されたカード21となる(図2C)。
【0019】
なお、ラミネート加工をしたカード21は図3に示す通りであり、カード裏面はもとより表面に印字された情報もラミネートフィルム(第2のプラスチックフィルム17)によって保護されているので、カード情報の改ざんを防止し得るものとなる。
【0020】
図4は、用紙本体10が連続紙である場合を示しており、用紙本体10はミシン目30によって縦方向に分離可能に連続して形成され、両側部に図示しないプリンターに装着する送り穴31を設けたものである。なお、図中、32は送り穴31の内側に設けたミシン目である。
【0021】
実施例は、用紙本体10が連続紙であるものを説明したが、用紙本体が1枚ずつのカット紙とすることができることは勿論である。
【考案の効果】
本考案は、用紙本体に切り離し可能に設けたカード用紙に第1のプラスチックフィルムを接着剤により接着すると共にフィルム面にシリコン塗布層を形成し、第2及び第3のプラスチックフィルムを剥離可能に擬似接着した2枚のフィルムを接着剤を塗布して上記シリコン塗布層の面に剥離可能に接着したものであって、第2及び第3のプラスチックフィルムの擬似接着層の接着力をシリコン塗布面を介して接着する面の接着力よりも大きな接着力を備えた異差剥離構造とすることによって、カード用紙にカード情報を印字した後に表裏両面にラミネート加工をすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】カード台紙の断面図。
【図2】カード台紙の用紙本体からカード用紙を切り離してラミネート加工をする手順を示す断面図。
【図3】ラミネート加工されたカードを示す斜視図。
【図4】カード台紙が連続紙である場合を示す平面図。
【図5】従来技術によるカード台紙の断面図。
【符号の説明】
10 用紙本体
11 切り目
12 カード用紙
13 ラミネート加工層
14 第1のプラスチックフィルム
15 接着剤
16 シリコン塗布層
17 第2のプラスチックフィルム
18 第3のプラスチックフィルム
19 擬似接着層
20 接着剤
21 カード
30 ミシン目
31 送り穴
32 ミシン目

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 用紙本体(10)に切り目(11)によりカード用紙(12)を切り離し可能に形成し、第1のプラスチックフィルム(14)を上記カード用紙(12)を覆って用紙本体(10)に接着剤により接着すると共に該第1のプラスチックフィルム(14)の表面にシリコン塗布層(16)を形成し、剥離可能に擬似接着(19)した第2のプラスチックフィルム(17)及び第3のプラスチックフィルム(18)を上記第1のプラスチックフィルム(14)のシリコン塗布層(16)の面に接着剤により接着したものであり、上記切り目(11)を用紙本体(10)及び第1のプラスチックフィルム(14)並びに第2のプラスチックフィルム(17)を貫通して第3のプラスチックフィルム(18)に達するまで形成し、かつ、擬似接着層(19)の接着力をシリコン塗布層(16)を介して接着する面の接着力よりも大きな接着力を備えた異差剥離構造としたことを特徴とするカード台紙。
【請求項2】 擬似接着された第2及び第3のプラスチックフィルム(17,18)が、第1のプラスチックフィルム(14)より大きく形成されていて周縁部を用紙本体(10)に接着したものであることを特徴とする請求項1に記載のカード台紙。
【請求項3】 用紙本体(10)が、カード台紙(12)の他にカードを送付する送り状記載欄を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載のカード台紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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