説明

カード搬送機構およびカードリーダ

【課題】クラッチ機構によって動力伝達が断たれているときの回転軸と回転部材との共回りを防止することが可能なカード搬送機構を提供すること。
【解決手段】カード2を搬送するカード搬送機構5は、カード2に当接してカード2を搬送する搬送ローラ6と、搬送ローラ6が固定される回転軸9と、回転軸9に回転可能に支持される回転部材30と、回転部材30に連結され回転部材30を回転させる駆動機構15と、回転軸9と回転部材30との間の動力伝達を断続するクラッチ機構33とを備えている。回転部材30は、転がり軸受によって回転軸9に回転可能に支持され、回転軸9は、複数の軸受18、21で回転可能に支持されるとともに、少なくとも回転部材30に一番近くに配置される軸受18は、滑り軸受である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを搬送するためのカード搬送機構およびこのカード搬送機構を備えるカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カードリーダの内部でカードを搬送するためのカード搬送装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のカード搬送装置は、カードを送る送りローラと、送りローラが固定される回転軸と、回転軸に回転自在に取り付けられた回転部材と、回転部材を回転させる駆動機構とを備えている。
【0003】
また、このカード搬送装置は、回転軸に固定された送りローラを駆動機構から切り離して回転自在とさせるクラッチ手段を備えている。このクラッチ手段は、回転軸に固定されたピンと、回転部材に形成された2個の係合突起とから構成されている。2個の係合突起は、回転部材の外面部に形成されるとともに、円周方向に離れた状態で形成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−256781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のカード搬送装置のように、クラッチ手段を備えるカード搬送装置では、クラッチ手段を適切に作用させるため、ピンと係合突起とが係合していないときの回転軸と回転部材との共回り(連れ回り)を防止する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のカード搬送装置では、回転軸と回転部材との共回りを防止するための手段は提案されていない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、クラッチ機構によって動力伝達が断たれているときの回転軸と回転部材との共回りを防止することが可能なカード搬送機構を提供することにある。また、本発明の課題は、このカード搬送機構を備えるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のカード搬送機構は、カードに当接してカードを搬送する搬送ローラと、搬送ローラが固定される回転軸と、回転軸に回転可能に支持される回転部材と、回転部材に連結され回転部材を回転させる駆動機構と、回転軸と回転部材との間の動力伝達を断続するクラッチ機構とを備え、回転部材は、転がり軸受によって回転軸に回転可能に支持され、回転軸は、複数の軸受で回転可能に支持されるとともに、回転軸を支持する軸受のうち、少なくとも回転部材に一番近くに配置される軸受は、滑り軸受であることを特徴とする。
【0008】
本発明のカード搬送機構では、回転部材が転がり軸受によって回転軸に回転可能に支持され、回転軸を支持する軸受のうち、少なくとも回転部材に一番近くに配置される軸受が滑り軸受となっている。転がり軸受の摩擦抵抗と比較して滑り軸受の摩擦抵抗は大きいため、回転部材が転がり軸受によって支持され、かつ、回転部材の一番近くに配置される回転軸の軸受が滑り軸受であると、回転部材と回転軸との間の回転抵抗よりも、回転軸を支持する軸受の保持部材と回転軸との間の回転抵抗を大きくすることが可能になる。したがって、クラッチ機構によって回転軸と回転部材との間の動力伝達が断たれているときには、駆動機構の駆動力が回転部材に伝達されても、回転軸に対して回転部材は回転するが、回転軸は回転しないようにすることが可能になる。すなわち、クラッチ機構によって動力伝達が断たれているときの回転軸と回転部材との共回りを防止することが可能になる。
【0009】
本発明において、クラッチ機構は、たとえば、回転軸に形成または固定される第1係合部と、回転部材に形成または固定され第1係合部に係合可能な第2係合部とを備えている。
【0010】
本発明において、転がり軸受は、回転部材と駆動機構との連結部における回転軸の軸方向の略中心位置に配置されていることが好ましい。この場合には、たとえば、回転部材は、プーリであり、駆動機構は、プーリに係合するベルトを備え、連結部となるプーリとベルトとの係合部における軸方向の略中心位置に、1個の転がり軸受が配置されている。このように構成すると、駆動機構から回転部材に伝達される駆動力を少ない数の転がり軸受で受けることが可能になる。したがって、転がり軸受の数を減らすことが可能になる。たとえば、上述のように、転がり軸受の数を1個にすることが可能になる。
【0011】
本発明において、回転部材には、回転軸に対する回転部材の倒れを防止する倒れ防止突起が形成されていることが好ましい。このように構成すると、回転軸の軸方向における回転部材と駆動機構との連結部の略中心位置に転がり軸受を配置することで、転がり軸受の数を減らしても、回転軸に対する回転部材の倒れを防止することができる。
【0012】
本発明のカード搬送機構は、回転軸を支持する軸受が取り付けられるフレームと、カードに記録された情報の再生および/またはカードへの情報の記録を行う再生記録手段とを備えるカードリーダに用いることができる。このカードリーダでは、クラッチ機構によって動力伝達が断たれているときの回転軸と回転部材との共回りを防止することが可能になる。また、このカードリーダは、たとえば、フレームとして、略平行に対向配置される第1フレームと第2フレームとを備え、回転部材は、回転軸の軸方向における第1フレームの外側に配置され、滑り軸受は、第1フレームに取り付けられている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明のカード搬送機構およびカードリーダでは、クラッチ機構によって動力伝達が断たれているときの回転軸と回転部材との共回りを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の概略構成を説明するための斜視図である。図2は、図1に示すプーリ30およびその周辺部分の側面図である。図3は、図1に示すプーリ30およびその周辺部分の断面図である。
【0016】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された情報の再生および/またはカード2への情報の記録を行うための装置である。このカードリーダ1は、図1に示すように、磁気情報の再生や記録を行うための再生記録手段としての磁気ヘッド3と、カードリーダ1内でカード2を搬送するためのカード搬送機構5とを備えている。
【0017】
本形態のカード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の表面には、磁気情報が記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成されている。なお、カード2の表面には、ICチップが固定されても良い。また、カード2には、通信用のアンテナが内蔵されても良いし、カード2の表面に、感熱方式によって印字が行われる印字部が形成されても良い。さらに、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0018】
カード搬送機構5は、カード2の表面に当接してカード2を搬送する搬送ローラ6、7、8と、搬送ローラ6〜8のそれぞれが固定される回転軸9、10、11と、搬送ローラ6〜8のそれぞれに対向するとともに搬送ローラ6〜8のそれぞれに向かって付勢されたパッドローラ12、13、14と、搬送ローラ6〜8を駆動するための駆動機構15を備えている。搬送ローラ6〜8は、たとえば、カードリーダ1のカード挿入口側から奥側に向かってこの順番で配置されている。
【0019】
回転軸9〜11は、カードリーダ1を構成する第1フレーム16および第2フレーム17に支持されている。具体的には、第1フレーム16と第2フレーム17とは、図1に示すように、所定の隙間をあけた状態で略平行に対向配置されており、回転軸9〜11の一端側は、第1フレーム16に取り付けられた軸受18、19、20に支持され、回転軸9〜11の他端側は、第2フレーム17に取り付けられた軸受21、22、23に支持されている。本形態の軸受18〜23はいずれも、樹脂あるいは焼結金属等で形成された滑り軸受である。
【0020】
搬送ローラ6〜8は、外周側にゴム輪が固定されたゴムローラである。この搬送ローラ6〜8は、回転軸9〜11の軸方向の略中心位置に固定されている。また、搬送ローラ6〜8は、カード2が搬送される搬送路の上側に配置されている。パッドローラ12〜14は、搬送路の下側に配置されている。このパッドローラ12〜14は、図示を省略する付勢手段によって、上方向へ付勢されている。
【0021】
搬送ローラ7が固定される回転軸10の一端側には、歯付きのプーリ26が固定され、搬送ローラ8が固定される回転軸11の一端側には、歯付きのプーリ27が固定されている。プーリ26、27は、回転軸10、11の軸方向における第1フレーム16の外側に配置されている。また、磁気ヘッド3は、回転軸10の下方に配置されており、回転軸10には、磁気ヘッド3に対向する対向ローラ28が固定されている。
【0022】
搬送ローラ6が固定される回転軸9の一端側には、回転部材としての歯付きのプーリ30が回転可能に支持されている。具体的には、図3に示すように、1個の転がり軸受31によって、プーリ30が回転軸9に回転可能に支持されている。プーリ30は、回転軸9の軸方向における第1フレーム16の外側に配置されている。
【0023】
また、回転軸9の、プーリ30の取付部分よりもさらに先端側には、細い円柱状の係合ピン32が固定されている。具体的には、係合ピン32の両端が回転軸9の径方向外側に突出するように、回転軸9の一端側に形成された孔に係合ピン32が圧入されて固定されている。
【0024】
プーリ30は、樹脂で形成されるとともに、転がり軸受31の外輪が固定される内周面を有する略円筒状に形成されている。プーリ30の一側面(図3の左側面)には、係合ピン32と係合可能な係合爪30aが一体で形成されている。具体的には、図2に示すように、プーリ30の一側面の外周側に、かつ、円周方向に所定の間隔をあけた状態で、回転軸9の軸方向へ突出する係合爪30aが形成されている。本形態では、略円弧状の係合爪30aが略90°ピッチで4個形成されている。
【0025】
図2に示すように、係合ピン32の両端側は、係合爪30aの間に配置されており、係合爪30aと係合ピン32とによって、回転軸9とプーリ30との間の動力伝達を断続するクラッチ機構33が構成されている。本形態では、係合ピン32は、回転軸9に固定された第1係合部であり、係合爪30aは、プーリ30に形成された第2係合部である。
【0026】
プーリ30の他側面(図3に右側面)側には、回転軸9に対するプーリ30の倒れを防止するための倒れ防止突起30bが形成されている。具体的には、プーリ30の内周面から径方向内側に向かって突出する円環状の倒れ防止突起30bがプーリ30の他側面側に形成されている。この倒れ防止突起30bの内径は、回転軸9の径よりもわずかに大きくなっている。回転軸9の軸方向では、図3に示すように、倒れ防止突起30bは、転がり軸受31から離れた位置に形成されており、倒れ防止突起30bと転がり軸受31との間には隙間がある。
【0027】
転がり軸受31は、玉軸受である。図3に示すように、転がり軸受31は、プーリ30の内周面に形成された位置決め段部30cに一端面(図3の右端面)を当接させた状態で、プーリ30の内周面に配置されている。本形態では、駆動機構15を構成する後述のベルト35とプーリ30との係合部における回転軸9の軸方向の略中心位置に転がり軸受31が配置されている。すなわち、回転軸9の軸方向において、ベルト35の中心と転がり軸受31の中心とがほぼ一致するように、転がり軸受31が配置されている。なお、本形態では、ベルト35とプーリ30との係合部は、プーリ30と駆動機構15との連結部となっている。
【0028】
駆動機構15は、プーリ26、27、30に掛け渡されプーリ26、27、30に係合する歯付きのベルト35を備えている。また、駆動機構15は、駆動源としての駆動モータ(図示省略)と、駆動モータの動力を回転軸10または回転軸11に伝達する伝達機構(図示省略)とを備えている。伝達機構は、プーリやベルト等によって、あるいは、複数の歯車等によって構成されている。
【0029】
駆動モータが回転すると、伝達機構を介して、駆動モータの動力が回転軸10または回転軸11に伝達され、ベルト35が回転する。また、ベルト35が回転すると、プーリ30が回転する。すなわち、駆動機構15は、プーリ30に連結されており、プーリ30を回転させる。
【0030】
(クラッチ機構の作用)
図4は、図1に示すクラッチ機構33の作用を説明するための図である。
【0031】
以下、図4に基づいてクラッチ機構33の作用を説明する。なお、以下では、図1の紙面手前側からカードリーダ1にカード2が挿入され、図1の紙面手前側へカード2が排出される場合を例にクラッチ機構33の作用を説明する。
【0032】
カードリーダ1にカード2が挿入されると、たとえば、カードリーダ1のカード挿入口に配置された検出機構がカード2の先端を検出して、駆動モータが起動する。駆動モータが起動するとプーリ30が回転する。
【0033】
このカード挿入時におけるクラッチ機構33の状態が、たとえば、図4(A)の実線で示す状態であるときには、図4(B)に示すように、プーリ30が時計方向に所定角度回転して、係合ピン32に係合爪30aが当接するまで、クラッチ機構33によって回転軸9とプーリ30との間の動力伝達が断たれている。そのため、回転軸9は回転しない(すなわち、搬送ローラ6は回転しない)。すなわち、プーリ30が時計方向に所定角度回転して、係合ピン32に係合爪30aが当接した後に、駆動機構15の動力がプーリ30から回転軸9に伝達されて、回転軸9が回転する。
【0034】
また、カードリーダ1内で停止しているカード2を排出する前のクラッチ機構33の状態が、たとえば、図4(C)に示す状態であるときには、図4(D)に示すように、プーリ30が反時計方向に所定角度回転して、係合ピン32に係合爪30aが当接するまで、クラッチ機構33によって回転軸9とプーリ30との間の動力伝達が断たれている。そのため、回転軸9および搬送ローラ6は回転しない。すなわち、プーリ30が反時計方向に所定角度回転して、係合ピン32に係合爪30aが当接した後に、駆動機構15の動力がプーリ30から回転軸9に伝達されて、回転軸9が回転する。
【0035】
なお、カードリーダ1内にカード2が挿入されていないときのクラッチ機構33の状態が、たとえば、図4(A)の実線で示す状態である場合に、ユーザがカードリーダ1内にカード2を押し込むと、図4(A)の2点鎖線で示すように、搬送ローラ6とともに回転軸9は、プーリ30に対して時計方向へ相対回転する。
【0036】
また、カード2の一端部が搬送ローラ6とパッドローラ12との間に挟まれ、カード2の他端部がカード挿入口から突出しているときのクラッチ機構33の状態が、たとえば、図4(E)の実線で示す状態である場合に、ユーザがカードリーダ1内からカード2を引き抜くと、図4(E)の2点鎖線で示すように、搬送ローラ6とともに回転軸9は、プーリ30に対して反時計方向へ相対回転する。
【0037】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、プーリ30が転がり軸受31によって回転軸9に回転可能に支持され、回転軸9の一端側は、滑り軸受である軸受18に支持されている。そのため、プーリ30と回転軸9との間の回転抵抗よりも、回転軸9と第1フレーム16との間の回転抵抗の方が大きくなる。また、回転軸9の他端側も滑り軸受である軸受21に支持されているため、回転軸9と第2フレーム17との間の回転抵抗も大きくなる。したがって、本形態では、クラッチ機構33によって回転軸9とプーリ30との間の動力伝達が断たれているときには、駆動機構15の駆動力がプーリ30に伝達されても、回転軸9に対してプーリ30は回転するが、回転軸9は回転しない。すなわち、クラッチ機構33によって動力伝達が断たれているときの回転軸9とプーリ30との共回りを防止することができる。
【0038】
本形態では、転がり軸受31は、ベルト35とプーリ30との係合部における回転軸9の軸方向の略中心位置に配置されている。そのため、駆動機構15からプーリ30に伝達される駆動力(具体的にはベルト35の張力)を1個の転がり軸受31で受けることができる。
【0039】
本形態では、プーリ30に、回転軸9に対するプーリ30の倒れを防止する倒れ防止突起30bが形成されている。そのため、1個の転がり軸受31で回転軸9にプーリ30が支持されても、回転軸9に対するプーリ30の倒れを防止することができる。
【0040】
なお、プーリ30に倒れ防止突起30bが形成されると、プーリ30と回転軸9との間の回転抵抗が大きくなるおそれがある。しかしながら、本形態では、回転軸9の軸方向において、倒れ防止突起30bは、転がり軸受31から離れた位置に形成されているため(すなわち、回転軸9の軸方向において、ベルト35とプーリ30との係合部の中心位置から離れた位置に倒れ防止突起30bが形成されているため)、回転軸9と倒れ防止突起30bとの間には、ベルト35の張力に起因する大きな回転抵抗は発生しにくい。したがって、プーリ30に倒れ防止突起30bが形成されても、クラッチ機構33によって動力伝達が断たれているときの回転軸9とプーリ30との共回りを防止することができる。
【0041】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0042】
上述した形態では、軸受21は、軸受18と同様に滑り軸受である。この他にもたとえば、軸受18は転がり軸受であっても良い。この場合であっても、プーリ30の近くに配置される軸受18が滑り軸受であるため、クラッチ機構33によって動力伝達が断たれているときの回転軸9とプーリ30との共回りを防止することができる。なお、軸受19、20、22、23が転がり軸受であっても良い。
【0043】
上述した形態では、回転軸9は、軸受18、21によって2箇所で支持されている。この他にもたとえば、回転軸9は、軸受等によって3箇所以上で支持されても良い。この場合には、少なくともプーリ30の一番近くに配置される軸受が滑り軸受であれば、上述して形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0044】
上述した形態では、転がり軸受31は玉軸受である。この他にもたとえば、転がり軸受31はころ軸受であっても良い。
【0045】
上述した形態では、回転部材としてのプーリ30が回転軸9に回転可能に支持されている。この他にもたとえば、回転部材としての歯車が回転軸9に回転可能に支持されても良い。この場合には、たとえば、1個の転がり軸受によって、この歯車が回転軸9に回転可能に保持される。また、この場合には、たとえば、回転軸9に支持される歯車とこの歯車に噛み合う歯車との噛み合い部分における回転軸9の軸方向の中心位置に、1個の転がり軸受が配置される。また、この場合には、たとえば、回転軸9に支持される歯車には、回転軸9に対する歯車の倒れを防止する倒れ防止突起が形成される。
【0046】
上述した形態では、係合ピン32が回転軸9に固定されているが、係合爪30aに係合する係合突起が回転軸9と一体で形成されても良い。また、上述した形態では、プーリ30に係合爪30aが一体で形成されているが、係合ピン32に係合する係合部材がプーリ30と別体で形成され、この係合部材がプーリ30に固定されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの概略構成を説明するための斜視図である。
【図2】図1に示すプーリおよびその周辺部分の側面図である。
【図3】図1に示すプーリおよびその周辺部分の断面図である。
【図4】図1に示すクラッチ機構の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0048】
1 カードリーダ
2 カード
3 磁気ヘッド(再生記録手段)
5 カード搬送機構
6 搬送ローラ
9 回転軸
15 駆動機構
16 第1フレーム(フレーム)
17 第2フレーム(フレーム)
18、21 軸受(滑り軸受)
30 プーリ(回転部材)
30a 係合爪(第2係合部)
30b 倒れ防止突起
31 転がり軸受
32 係合ピン(第1係合部)
33 クラッチ機構
35 ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに当接して前記カードを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラが固定される回転軸と、前記回転軸に回転可能に支持される回転部材と、前記回転部材に連結され前記回転部材を回転させる駆動機構と、前記回転軸と前記回転部材との間の動力伝達を断続するクラッチ機構とを備え、
前記回転部材は、転がり軸受によって前記回転軸に回転可能に支持され、
前記回転軸は、複数の軸受で回転可能に支持されるとともに、
前記回転軸を支持する前記軸受のうち、少なくとも前記回転部材に一番近くに配置される前記軸受は、滑り軸受であることを特徴とするカード搬送機構。
【請求項2】
前記クラッチ機構は、前記回転軸に形成または固定される第1係合部と、前記回転部材に形成または固定され前記第1係合部に係合可能な第2係合部とを備えることを特徴とする請求項1記載のカード搬送機構。
【請求項3】
前記転がり軸受は、前記回転部材と前記駆動機構との連結部における前記回転軸の軸方向の略中心位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のカード搬送機構。
【請求項4】
前記回転部材は、プーリであり、
前記駆動機構は、前記プーリに係合するベルトを備え、
前記連結部となる前記プーリと前記ベルトとの係合部における前記軸方向の略中心位置に、1個の前記転がり軸受が配置されていることを特徴とする請求項3記載のカード搬送機構。
【請求項5】
前記回転部材には、前記回転軸に対する前記回転部材の倒れを防止する倒れ防止突起が形成されていることを特徴とする請求項3または4記載のカード搬送機構。
【請求項6】
請求項1から5いずれかに記載のカード搬送機構と、前記回転軸を支持する前記軸受が取り付けられるフレームと、前記カードに記録された情報の再生および/または前記カードへの情報の記録を行う再生記録手段とを備えることを特徴とするカードリーダ。
【請求項7】
前記フレームとして、所定の間隔をあけた状態で略平行に対向配置される第1フレームと第2フレームとを備え、
前記回転部材は、前記回転軸の軸方向における前記第1フレームの外側に配置され、
前記滑り軸受は、前記第1フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項6記載のカードリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−237942(P2009−237942A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83744(P2008−83744)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】