カード決済による購入に連動したポイント年金化システム及びポイント年金化方法
【課題】カード決済の契約をした顧客が加盟店で商品を購入することによって獲得したポイントを個人年金の原資として顧客ごとに積み立てる。
【解決手段】システムの管理コンピュータ1は、加盟店端末4と通信可能であり、契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含み、加盟店端末4から、商品を購入した契約者と当該加盟店のIDとともに購入代金を含む購入情報を受信する手段と、当該加盟店のポイントの還元率を購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する手段と、当該契約者のIDに関連づけて年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記算出した加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新する手段と、を含む。
【解決手段】システムの管理コンピュータ1は、加盟店端末4と通信可能であり、契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含み、加盟店端末4から、商品を購入した契約者と当該加盟店のIDとともに購入代金を含む購入情報を受信する手段と、当該加盟店のポイントの還元率を購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する手段と、当該契約者のIDに関連づけて年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記算出した加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新する手段と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カード決済の契約をした顧客が加盟店で商品を購入することによって獲得したポイントを個人年金の原資として顧客ごとに積み立てるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客サービスの一環として商品の購入金額に応じポイントを付与するポイントサービスを取り入れる業者が多くなってきている。
一定のポイントが貯まると景品をプレゼントしたり、自己の店舗で使用できる商品券と引き換えたり等の特典を顧客に与えるものである。
特許文献1に開示されている「カード決済に連動した個人年金積立システム」は、顧客が取得したポイントを将来の個人年金としてシステム側でプールしようとするものである。高齢者となったら、公的年金とは別に、積み立てておいたポイントを個人年金として受け取ることができる。このシステムの利用者は、カード決済による買い物を楽しむと同時に、将来の経済的な安心感をも買うことができる。
なお、若い時に消費し、老後に備えるという発想は、特許文献2、3にも認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−366767号公報
【特許文献2】特開2007−87360号公報
【特許文献3】特開2007−157098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
年金の積み立ては貯蓄の一種であることから、特許文献1に記載された発明は、消費しつつ貯蓄もするというバランスのとれた行動をシステムの利用者に期待でき、内需拡大という国民経済的見地からも意義がある。
しかしながら、特許文献1の発明は、ポイントサービスを複数の事業主体が取り入れた場合、それらを統一的に取り扱う手段について言及されていない。
また、消費者がクレジットカードを用いて提携業者で買い物をした場合、提携業者の発行するポイントとクレジットカード会社が発行するポイントの両者を取得できることが多いが、特許文献1では、これらの2種類のポイントがあることについて考慮されていない。
さらに、業者によっては、自社が発行したポイントは、年金の積立としてではなく、自社の商品との引き換えに使用されることを希望することも考えられる。特許文献1では、このような業者の扱いについても考慮されていない。
【0005】
かかる問題点に鑑み、本発明は、ポイントサービスを導入する複数の業者のポイントを統一的に処理し、業者発行のポイントとカード会社等のシステム運営者側が発行するポイントを統一的に処理することを目的とする。
同時に、ポイント還元率やシステム運営者側への支払手数料のレートなどの変更が業者ごとに行えるなどの裁量も保証して、独自のポイントサービスを志向する業者も加入しやすいシステムとすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うポイント年金化システムであって、このシステムのシステム管理コンピュータは、通信ネットワークを介して、加盟店の利用する加盟店端末と接続可能であり、契約者の属性情報(例えば、氏名、住所、生年月日、購入代金を決済するための口座に関する情報、パスワードなどの認証用情報)を記憶する契約者情報データベースと、加盟店の属性情報(例えば、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報)と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含むとともに、契約者購入情報受信手段と加盟店ポイント算出手段と年金化ポイント管理手段とを少なくとも含んでいる。
契約者購入情報受信手段は、加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信する。
加盟店ポイント算出手段は、加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する。
年金化ポイント管理手段は、契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新する。
【0007】
「カード決済の契約をした顧客」とは、主としてクレジットカード会社からカードの発行を受け、このカードを使用して買い物をする消費者を想定している。しかし、クレジットカードに限らず、デビットカード、電子マネー、デポジットカードなどにもこのシステムを適用できる。
「加盟店」には、リアルな店舗だけでなく、オンラインショッピングのサイトも含まれる。
「商品」には有形の商品だけでなく、無形の商品(サービス)も含まれる。
「ポイント」とは、1単位(1ポイント)が例えば1円に相当し、商品や金券と引き換え可能な有価価値情報をいう。
「個人年金」は、長期間にわたって積み立てられ、将来、特に老齢になってから積立額を使用できる点で、厚生年金・国民年金などの公的年金や生命保険会社の商品である個人年金保険と類似するものである。
「システム管理コンピュータ」は、本発明のシステムを管理運営する者が利用するコンピュータであるが、システムの管理運営を行う者としてクレジットカード会社に代表されるカード発行者を想定している。しかし、ソーシャルネットワークサービス(以下、「SNS」という。)の運営者や、インターネット上のショッピングモールの運営者が本システムの管理運営者であってもかまわない。この場合は、SNSやショッピングモールの運営者が自らカードを発行してもよいし、或いはクレジットカード会社と提携してもよい。
後者の場合は、この会社のクレジットカードを使用して当該ショッピングモールで買い物をした場合に本システムが適用される。要は、カード決済で買い物をする消費者が取得したポイントを積み立てるシステムでありさえすれば、その管理運営主体は特に限定しない。
「ポイント還元率」とは、代金のうち契約者にポイントとして還元する割合のことをいう。
1ポイントが金額に換算して1円に相当するとした場合において、代金100円につき5ポイントが付与されるときには、100円の買い物で5円が還元されることになり、ポイント還元率は5%(=5円/100円)ということになる。
【0008】
ここで、既存のポイントサービスを図8に、本システムのポイントサービスを図9に示す。図8では、消費者は、カード決済により購入代金を支払うが、購入代金に連動したポイント(P1)が消費者に直接付与される。ポイント(P1)は当該加盟店の商品を購入する際の割引、あるいは当該加盟店の商品の購入にのみ用いる金券への引き換え等に使用できる。このように、ポイント(P1)は、使途が限定されることが多い。
カード会社は、商品の購入代金から手数料を差し引いた金額を加盟店に支払う。カード会社によっては手数料の一部を、カードを使用してくれた消費者への特典としてカードポイント(P2)を付与することがある。このカードポイント(P2)も飲食サービスへの招待といったように使途が限定されていることがほとんどである。
一方、本システムのポイントサービスである図9では、消費者は、カード決済により購入代金を支払うが、購入代金に連動したポイント(P3)およびカード会社の手数料が控除された金額が加盟店に支払われる。
【0009】
次に、図8と図9を比較検討する
図8のポイント(P1)は、カード会社等のシステムと無関係に、加盟店独自に設けたポイントサービスシステムによって発行・管理される。そのため、加盟店によっては負担が大きく、販売促進のために有意義とはいえポイントサービスを導入できないことがある。また、加盟店の廃業などによってポイントサービスを終了させるときも、顧客への連絡などの後処理が必要となって負担が大である。
しかし、本発明のポイント年金化サービスでは、図9のポイント(P3)は、カード会社やSNS等のシステムによってポイント決済やカード決済による購入代金から差し引かれる。このポイント(P3)の発行・管理などはカード会社等のシステムが行い、加盟店は、ポイント(P3)に相当する分の金銭的負担を負うだけであり、加盟店独自にポイントカードを発行する必要もない。そのため、加盟店側は、ポイントサービスシステムの運用という点では、人員面でもコスト面でもほとんど負担することなく、顧客にポイントサービスを提供できる。加盟店独自のポイントサービスから本発明のポイント年金化サービスへの移行は、本システムに通知し登録されるだけで自由にできる。同様にポイント年金化サービスの廃止も、本システムに通知し登録されるだけで自由にできる。
また、本発明では、加盟店ポイントは、原則として個人年金の原資として統一的に扱われるので、カード会社等のシステムは、加盟店ごとに異なった扱いをしなくてもよいので、システムの運用・保守が容易である。もっとも、加盟店によってポイント還元率は異なるかもしれないが、システムは加盟店とポイント還元率とを対応づけて記憶し管理すればよいことである。
一方、契約者にとっては、使途が限られることの多かった従来のポイントサービスと異なり、本発明ではポイントが金額に換算されて自分のために設定された口座に蓄積していく。商品の購入によって発行したポイントは、逐次口座に蓄積されていくので、1回限りの利用をした加盟店で取得したポイントであっても無駄にならない。また、加盟店ごとのポイントカードを不要とするシステムであるため、契約者は財布がいろいろな加盟店のポイントカードでいっぱいになるといった煩わしさから解放される。従来のポイントサービスでは、ポイントカードを紛失した場合の再発行に関しての問題点が指摘されていた。しかし、本発明では、そもそもポイントカードは不要なので、かかる問題の生ずる余地はない。
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明は、前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、前記システム管理コンピュータは、前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するカードポイント算出手段を備え、前記年金化ポイント管理手段は、前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の現在残高に、前記加盟店ポイントと前記カードポイントとの合計を加算して年金化ポイント額の現在残高を更新することを特徴とする。
加盟店は、カード発行者に対し、代金のうち、所定の割合を手数料として支払うことが行われる。例えば、代金の5%を手数料とする約束になっているならば、この5%が「手数料のレート」に相当する。
【0011】
カード発行者は、加盟店から手数料を受け取るとともに、受け取った手数料から契約者に対してポイントを与えることが通常である。これが、図8のポイント(P2)および図9のポイント(P4)であり、例えば、手数料が100円で、カードポイント還元率が20%ならば、カードポイントは20円(=100円×20%)となる。従来のカードポイント(P2)は、食事や宿泊といった特典の形態をとることが多い。しかし、本発明のポイント(P4)は、金額に換算されて契約者のために金融機関やSNS運営者などに蓄積されていく。蓄積されたポイントは、長期の預貯金も同然なので、使途が限定されず、従来のカードポイントに比べて使い勝手がよい。
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項3に係る発明では前記年金化ポイント額は、当該システムが契約者ごとに開設した金融機関の口座に預け入れて管理され、請求項4に係る発明では、前記年金化ポイント額は、当該システムが開設した金融機関の口座に一括して預け入れられ、契約者ごとの年金化ポイント額の変動は前記年金化ポイント情報データベース上で管理されることを特徴とする。
【0013】
これにより、本システムでは、契約者に帰属するポイントを確実に管理することができる。
なお、請求項4の「当該システムが開設した金融機関の口座」は、本システムに専用の口座か否かは問わない。例えば、通常の預貯金口座に預け入れ、帳簿上は借方が預金、貸方が契約者からの預り金として処理し、ポイント額の変動をデータベースで管理してもよい。要は、契約者ごとのポイント額の現在残高が常に把握可能であって、契約者が将来引き出せるように確実に保全されていることが重要なのである。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項5に係る発明は、前記加盟店情報データベースは、加盟店IDと関連づけてポイント年金化フラグを含み、このポイント年金化フラグには、当該加盟店が発行するポイントを当該ポイント年金化システムによって年金化することに同意しているならばTRUE、同意していないならばFALSEが設定されているとともに、前記加盟店ポイント算出手段は、このポイント年金化フラグがTRUEのときにのみ加盟店ポイントを算出することを特徴とする。
【0015】
これにより、本発明によってポイントを年金化することに同意する業者も、同意しない業者も、いずれも加盟店になることができる。自社で発行するポイントは、自社の商品の購入や引き換えのために顧客が使用することを希望する加盟店もありうるからである。
なお、このシステムのポイントサービスを採用しつつ、独自のポイントサービスを実施し、顧客にいずれかを選択させる余地も本発明では排除していない。
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項6に係る発明は、前記システム管理コンピュータは、加盟店端末から通知されるポイント還元率の変更を受信し、前記加盟店情報データベースを受信した内容で更新するポイント還元率更新手段をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、加盟店は、適宜ポイント還元率を変更して、販売促進や顧客獲得を図ることができる。例えば、お中元やお歳暮のシーズンには、それ以外の時期よりも還元率をアップするといったことが考えられる。
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項7に係る発明は、前記システム管理コンピュータは、加盟店IDおよび契約者IDを含む商品購入情報を購入IDと関連付けて記憶する購入情報データベースと、契約者IDに基づいて、前記年金化ポイント情報データベースから抽出した年金化ポイント額を含むシステムの利用情報や前記購入情報データベースから抽出した商品購入情報を、当該契約者に通知する利用明細通知手段とを、さらに備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、契約者は自分のカードが他人によって不正使用されているか否かを早期に把握できる。また、年金化ポイント額がどれだけ貯まったかがわかる。
このような利用明細は、カード会社によって利用者に郵送されることが通常であるが、本システムによる顧客への通知は、郵送に限らず、契約者の利用する契約者端末からの照会に応じて、ウェブページの形式に編集したHTMLファイルを当該端末に送信してもよい。
【0020】
コンピュータを、上記ポイント年金化システムのシステム管理コンピュータとして動作させる方法も、本発明の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0021】
加盟店にとって、本発明のシステムを利用することにより、システムがポイントを管理するので、加盟店自らがポイントサービスのためのシステムを開発・運用・保守などしなくても済む。このことは、加盟店にとってポイントサービスの導入や廃止が自由にできることも意味する。本発明のポイント年金化サービスを採用していない加盟店についても、ポイント還元率を0%とすることでシステム上同一の扱いができる。つまり、従来は加盟店ごとに設けていたポイントサービスを、本システムでは統一的に扱うことができる。
【0022】
契約者にとって、本システムを利用することで商品の購入と連動して年金額を増加させることができる。つまり、消費と貯蓄とが同時にでき、特に意図しなくても可処分所得のバランスよい配分ができる。現在の消費を楽しむ人ほど将来の蓄えが増えることから、先憂後楽ならぬ先遊後楽を実現するシステムといえる。
また、契約者が取得したポイントは、使途が限られることなく、預貯金と同様に蓄積されていく。従来のポイントサービスであれば、例えば旅行先の加盟店で1回限りの買い物をして獲得したポイントは、活用されることもなく、いずれ有効期限が到来して失効する。しかし、本発明のシステムでは、このようなポイントも無駄にすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るポイント年金化方法を実現するためのシステムを概略的に示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシステム管理コンピュータの機能を簡略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る契約者情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る加盟店情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る購入情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る年金化ポイント情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来のポイントサービスの特徴を説明する図である。
【図9】本発明のポイント年金化サービスの特徴を説明する図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に係るポイント年金化方法を実現するためのシステムを概略的に示す全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態において、SNSサイトの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この実施の形態のシステム(以下「本システム」)を概略的に示す全体構成図であり、図2は、本システムに用いられるシステム管理コンピュータにおける構成を簡略的に示す機能ブロック図である。
【0025】
本発明のシステムのカード発行者は、契約者の購入代金を加盟店に立替払いする、契約者から返済を受ける、といったお金の流れを実行しなくてはならない。このお金の流れのどのタイミングで年金化されたポイントを蓄積するかは、システムの実際の運用においては極めて重要である。しかし、これらは、本発明にとって本質的な問題ではないので、以下の実施形態では、お金の流れについては特に言及しない。
また、システムが契約者に代わって蓄積するポイントは、将来年金替わりとなるものの原資である。そのため、信託銀行や保険会社などの金融機関によって長期にわたる運用がなされることが好ましい。しかし、これも本発明にとって本質的ではないので、以下の実施形態では、どのような金融機関にどのような形態で預け入れ、どのように運用するか等については特に言及しない。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態で用いるシステムは、このシステムで必要な各種データとプログラムを格納したシステム管理コンピュータ1と、年金化ポイントを蓄積する口座2を開設した金融機関3の端末と、このシステムに加盟した店舗(以下、「加盟店」)が利用する加盟店端末4と、カード決済による買い物をし、かつ、このシステムと契約をしている消費者(以下、「契約者」)が利用する契約者端末5とを有する。そして、システム管理コンピュータ1は、金融機関3の端末、加盟店端末4及び契約者端末5と、通信回線網Nを介して情報の授受が可能に構成されている。
【0027】
ここで、加盟店端末4および契約者端末5は、パソコンや携帯電話などであり、入力キーやマウスなどの入力手段と、ディスプレイやプリンタなどの出力手段を適宜備えるものとする。また、加盟店はリアルな店舗を構えている場合、契約者がクレジットカード類を提示して買い物をするのが通常であるので、加盟店端末4は図示しないカードリーダと接続可能になっていることが望ましい。
契約者および加盟店側と、システム管理コンピュータ1との情報の送受信はWebページを介して行うのが便利なので契約者端末5および加盟店端末4は画面表示手段とWebブラウザと呼ばれるソフトウェアを備えていることが望ましい。
【0028】
このシステム管理コンピュータ1は、図2に示すように、記憶部6、処理部7、通信インターフェース手段8から構成される。
記憶部6は、少なくとも契約者情報データベース9と、加盟店情報データベース10と、購入情報データベース11と、各種パラメータ記憶手段12と、年金化ポイント情報データベース13から構成されている。この記憶部6は、ハードディスクドライブ装置あるいはシステム管理コンピュータ1とは別体のデータベースサーバなどによって実装される。
【0029】
処理部7は、少なくとも契約者情報登録手段14と、加盟店情報登録手段15と、契約者購入情報受信手段16と、加盟店ポイント算出手段17と、カードポイント算出手段18と、ポイント還元率更新手段19と、年金化ポイント管理手段20と、利用明細通知手段21から構成されている。これらの処理部7の各手段は、主として図示しないCPUが所定のプログラムをCD−ROMなどの記憶媒体からメモリ上に読みこんで実行することにより実現される。
【0030】
また、システム管理コンピュータ1は、図示しないがオペレーティング・システムや各種アプリケーションプログラムや各種データ及びWebページを記述したHTMLファイル等を、ハードディスクドライブ装置やRAM等に記憶している。また、キーボードやマウスなどの入力手段とディスプレイやプリンタなどの出力手段も適宜備える。
なお、システム管理コンピュータ1の機能は、複数のコンピュータに分散させてもよい。たとえば、契約者および加盟店との情報の送受信はWebページを介して行うことが多いが、このWebサイトを管理するWebサーバを別個に設けてもよい。
【0031】
契約者情報登録手段14は、本システムを利用して加盟店でのカード決済による買い物をしようとする契約者に関する属性情報を受付け、契約者情報データベース9に契約者IDと関連付けてこれらの情報を記憶する。この契約者IDは、契約者情報登録手段14が予め決められた規則に基づいて発行する。
ここで、契約者に関する属性情報とは、氏名、住所、生年月日、性別、購入代金を決済するための口座に関する情報などをいう。これらは、通常契約の際に開示される情報である。また、パスワードなどの認証用情報も適宜登録する。
【0032】
加盟店情報登録手段15は、本システムの運営者(カード会社が運営者である場合もある)あるいは本システムと提携するカード会社による代金の決済を受けようとする加盟店に関する情報を受付け、本システムが加盟店に対して付与した加盟店IDとともに、加盟店情報データベース10にこれらの情報を記憶する。なお、加盟店IDは、加盟店情報登録手段15が予め決められた規則に基づいて発行する。
ここで、加盟店に関する情報には、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報などの当該加盟店の属性情報のほかに、加盟店ポイントの還元率も含まれる。加盟店によってポイント還元率が異なりうるからである。
【0033】
契約者購入情報受信手段16は、いずれかの加盟店において、いずれかの契約者が買い物をする都度、加盟店端末から送信される情報を受信する。
受信する情報には、当該加盟店の加盟店IDと、当該契約者の契約者IDと、購入商品および購入金額を含む購入情報が含まれており、購入情報データベース11に記憶される。
【0034】
加盟店ポイント算出手段17は、購入代金に加盟店ごとに設定されているポイント還元率を乗じて、加盟店ポイントを算出する。この加盟店ポイントは購入代金から控除される。
【0035】
カードポイント算出手段18は、購入代金に加盟店ごとに設定されている手数料のレートを乗じて算出された加盟店から支払われる手数料に、カードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出する。
【0036】
ポイント還元率更新手段19は、加盟店端末4からポイント還元率変更の通知を受信すると、加盟店情報データベース10のポイント還元率を更新する。
【0037】
年金化ポイント管理手段20は、契約者が加盟店での買い物によって得た加盟店ポイントとカードポイントとを合計し、年金化ポイント情報データベース13に記憶されている年金化ポイント額の現在残高に加算する。また、適当なタイミングで、口座を設けている金融機関に資金移動を行う指示を出す。指示の内容は、金融機関との取り決めなどに基づくので説明は省略する。
【0038】
利用明細通知手段21は、契約者の加盟店での買い物の履歴や年金化ポイント額の現在残高などを当該契約者に通知する処理を行う。個々の契約者からの照会に応じる場合と本システムが定期的に全契約者に通知する場合が考えられる。
【0039】
契約者情報データベース9は、たとえば図3に示すように、契約者IDと対応づけて、氏名、住所、生年月日、購入代金を決済するための口座に関する情報などが記憶される。他に、契約者本人と認証するための暗証番号や指紋データなどの認証情報やその他必要な情報(例えば、女性客を優待する加盟店もあるので性別)も適宜記憶される。
【0040】
加盟店情報データベース10は、たとえば図4に示すように、加盟店IDに対応づけて、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報などの属性情報、ポイント還元率が記憶される。また、ポイント年金化フラグも記憶される。加盟店であっても、顧客に独自のポイントサービスを提供したいと考える場合は、自分が発行するポイントを年金化することに同意しないことがある。そのため、ポイントを年金化するか否かを示すフラグを加盟店ごとにセットすることにした。さらに、代金の内から本システムあるいはカード発行者に支払う手数料のレートも記憶させる。加盟店によって、レートが異なることがあるからである。他に、正当な店舗であることを認証するための情報も適宜記憶される。
【0041】
購入情報データベース11は、たとえば図5に示すように、システムが付与した購入IDとともに、誰が・どの店で・いつ・何を・いくらで購入したか、といった購入情報が記憶される。
【0042】
各種パラメータ記憶手段12は、システム管理コンピュータ1による処理に必要なパラメータ類を記憶する。記憶されるパラメータ類には、加盟店から支払われる手数料の内から契約者に還元するカードポイントのレートが含まれる。
【0043】
年金化ポイント情報データベース13は、たとえば図6に示すように、契約者ごとに、年金化ポイント額の現在残高が記憶される。
【0044】
次に、上述のように構成された本システムにおける処理を、図7を参照しながら説明する。ここで、図3で例示する契約者Aが、図4に例示する加盟店Xで買い物をすると想定して説明する。また、契約者Aの年金化ポイント額の現在の残高は図6の上段に示すとおりとする。
なお以下の説明に於いて、表記「U*」はユーザ即ち契約者あるいは加盟店の処理を示し、表記「ステップS*」はシステム管理コンピュータ1の処理を示す。
【0045】
契約者Aが、加盟店Xにて買い物をする(ステップ〔U1〕)。買い物の形態は、複数が考えられる。
たとえば、
例1として、実際の店舗に出向いて買い物をし、支払い時に決済用のカードを提示するとともに、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が認証情報を入力する形態、
例2として、購入しようとする商品を決めた後、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が契約者IDと認証情報を入力する形態、
例3として、加盟店が開設するネットショッピングサイトに、契約者が自分の端末5からアクセスし、購入しようとする商品を特定するとともに、契約者IDと認証情報を入力する形態、
などが考えられる。
【0046】
加盟店は、システム管理コンピュータ1に、買い物をした契約者のIDと購入した商品・代金などの情報を加盟店IDとともに送信する(ステップ〔U2〕)。
契約者購入情報受信手段16は、受信した情報を購入情報データベース11に登録する(ステップS1)。図5の例では契約者A(契約者ID=0123)が、加盟店X(加盟店ID=S1001)にて、平成20年12月30日に30000円のネックレスを購入している。
【0047】
加盟店ポイント算出手段17は送信されてきた加盟店IDに基づいて、加盟店情報データベース10からポイント年金化フラグと加盟店ポイント還元率を抽出する(ステップS2)。加盟店ポイント算出手段17は、ポイント年金化フラグがTRUEであれば(ステップS3でYes)、代金(図5の例では30000円)に還元率(図4の例では10%)を乗じて加盟店ポイントを算出する(ステップS4)。もし、ポイント年金化フラグがFALSEであれば(ステップS3でNo)、加盟店ポイントは発行されないので、ステップS5の処理に移る。
【0048】
次に、カードポイント算出手段18が、カード発行者側が契約者に還元するカードポイントを算出する(ステップS5)。算出の手順としては、加盟店IDに基づき加盟店情報データベース10から支払手数料のレートを抽出する。図4の例ではこのレートは3%なので、カード発行者の手数料は900円(=30000円×3%)となる。次に、各種パラメータ記憶手段12から、カード還元率を参照し、手数料にこの還元率を乗じて、契約者に還元されるカードポイントを算出する。カード還元率が20%であるとすると、カードポイントは180円(=900円×20%)になる。
なお、カード発行者側ではカードポイントを発行しないときは、カード還元率を0%にセットしておけばよい。
【0049】
年金化ポイント管理手段20は、契約者IDに基づき年金化ポイント情報データベース13から年金化ポイント額の現在残高を抽出し、これに上記の算出された加盟店ポイントとカードポイントとの合計額3180円(=3000円+180円)を加算して、年金化ポイント額の現在残高を更新する(ステップS6)。更新後の年金化ポイント情報データベース13は、図6の下段のようになる。今回の買い物によって発生した年金化ポイント額を口座2に積み立てるように金融機関のシステムに所定の情報を送信する(ステップS7)。
【0050】
システム管理コンピュータ1は、適当なタイミング(契約者の買い物の都度、あるいは一定期間分を一括して)で、加盟店端末4に加盟店へ支払われる金額(この例では、30000円から加盟店ポイント3000円および手数料900円を控除した26100円)、振込み日などを通知する(ステップS8)。
また、利用明細通知手段21は、今回発生した年金化ポイント額や購入履歴などを契約者端末5に送信する(ステップS9)。携帯電話やパソコンを持っていない契約者もいるので、所定のタイミングで郵送用の利用明細書を生成し、生成したデータを印刷手段へ出力してもよい。
なお、購入決済後にキャンセルになる場合もある。このような場合は、クレジットカード会社などはマイナス決済を行うのが通常であるが、年金化ポイント額の現在残高からの減額処理も同時に行うことが適当である。
以上が、契約者が加盟店で買い物をしてから、ポイントが年金化され、積み立てられるまでの処理のあらましである。
【0051】
ところで、加盟店ポイントの還元率は、常に一定の値がセットされると考えることは適当でない。シーズンによって、あるいは曜日によって、適宜変更されうるが、変更の都度、加盟店端末4は、加盟店IDとともに変更後の還元率をシステム管理コンピュータ1に送信する。ポイント還元率更新手段19が、これを受信して、加盟店情報データベース10のポイント還元率を受信した値に更新する。
なお、加盟店によっては、例えば、自分の店の上得意客には他の客よりも高い還元率を設定することもある。その場合は、加盟店IDと契約者IDとポイント還元率とを対応づけたデータテーブルが必要となるが、これは設計的事項にすぎないので詳細は省略する。
【0052】
上記の実施の形態では、年金化ポイント額を信託銀行などの専用の口座に預け入れることを想定していた。しかし、契約者からカード会社の口座に振り込まれる返済額の内の年金化ポイント額相当分を、専用の口座に資金移動させることなく振り込まれた口座にそのまま預け入れ、データベース上でのみ契約者ごとの年金化ポイント額の増減を管理してもよい。
【0053】
要は、本発明のシステムでは、システムの契約者が、システムの加盟店で買い物をして得たポイントをシステム側で蓄積し、いずれ将来預貯金と同様に引き出して使える点が重要なのである。したがって、上述した実施形態におけるデータベースのデータ構造や処理フローは一例にすぎず、これに限るものではない。
【0054】
また、本発明のシステムでは、システムの契約者が、システムの加盟店で買い物をしてポイントを得るものとしているが、システムの加盟店は、SNSサイト内にショッピングサイト等へのリンクを設け、SNSサイトの利用者であると同時にシステムの契約者である者から買い物を受け付けることが出来るようにしてもよい。以下、この場合の実施形態について詳述する。
【0055】
図10に示すように、本実施の形態で用いるシステムは、このシステムで必要な各種データとプログラムを格納したシステム管理コンピュータ1と、年金化ポイントを蓄積する口座2を開設した金融機関3の端末と、加盟店が利用する加盟店端末4と、契約者が利用する契約者端末5と、SNSサイトを提供するSNS運営サーバ30とを有する。
そして、システム管理コンピュータ1及びSNS運営サーバ30は、加盟店端末4及び契約者端末5と通信回線網Nを介して情報の送受が可能に構成されている。さらに、少なくともシステム管理コンピュータ1は、金融機関の端末3と通信回線網Nを介して情報の送受が可能に構成されている。
なお、本例においては、システム管理コンピュータ1とSNS運営サーバ30は、同一の運営者によって運営・管理され、LAN等の通信回線によって通信可能に構成されているが、それぞれ別の事業者によって運営・管理されていてもよい。
【0056】
ここで、システム管理コンピュータ1、金融機関3の端末、加盟店端末4、及び契約者端末5の構成は、前述した実施形態と同様である(システム管理コンピュータ1については図2を参照)。
また、SNS運営サーバ30は、いわゆるコンピュータによって構成され、既知のSNSを提供するのに必要な資源、各種のデータやプログラム等を備えている。
【0057】
次に、上述のように構成された本システムにおける処理を、図11を参照しながら説明する。ここで、契約者はSNSサイトにアクセスする(ステップ〔U3〕)。
【0058】
このときのSNSサイトの一例を図12に示す。
図12に示されるように、SNSサイト40には、SNSサイトとしてのコンテンツのほかに、商品情報掲載欄41が設けられている。そして、この商品情報掲載欄41には、加盟店によるオンラインショッピングサイトへ移行するためのリンクが貼られている。
【0059】
商品に興味を抱いた契約者は、商品情報掲載欄41から、リンクを辿って商品購入のためのウェブページにアクセスし、加盟店にて買い物をする(ステップ〔U4〕)。
買い物の形態は、前述の実施形態におけるのと同様に、たとえば、
例1として、実際の店舗に出向いて買い物をし、支払い時に決済用のカードを提示するとともに、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が認証情報を入力する形態、
例2として、購入しようとする商品を決めた後、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が契約者IDと認証情報を入力する形態、
例3として、加盟店が開設するネットショッピングサイトに、契約者が自分の端末5からアクセスし、購入しようとする商品を特定するとともに、契約者IDと認証情報を入力する形態、
などが考えられる。
【0060】
加盟店は、システム管理コンピュータ1に、買い物をした契約者のIDと購入した商品・代金などの情報を加盟店IDとともに送信する(ステップ〔U2〕)。
【0061】
これに対して、システム管理コンピュータ1が前述したS1〜S9の処理を実行し、買い物によるポイントが年金化され、積み立てられる。
本実施形態によれば、SNSサイトとの連携によって、ポイントの年金化が可能な買い物の機会を増やすことが出来る。
【0062】
なお、本実施形態においては、加盟店端末4を利用する加盟店がSNSの運営者自体であってもよい。
また、買い物による加盟店ポイントを、SNSサイト運営者が、SNSサイト用ポイントとして受け取るものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のシステムが普及すれば、国民経済の家計部門が、消費と貯蓄を同時に行うという合理的な行動を自ずと執ることになり、外需依存型経済からの脱却という時代の要請に適合することとなる。
【符号の説明】
【0064】
1 システム管理コンピュータ
2 ポイント蓄積口座
3 金融機関
4 加盟店端末
5 契約者端末
6 記憶部
7 処理部
8 通信インターフェース手段
9 契約者情報データベース
10 加盟店情報データベース
11 購入情報データベース
12 各種パラメータ記憶手段
13 年金化ポイント情報データベース
14 契約者情報登録手段
15 加盟店情報登録手段
16 契約者購入情報受信手段
17 加盟店ポイント算出手段
18 カードポイント算出手段
19 ポイント還元率更新手段
20 年金化ポイント管理手段
21 利用明細通知手段
30 SNSサイト運営サーバ
N 通信ネットワーク
【技術分野】
【0001】
カード決済の契約をした顧客が加盟店で商品を購入することによって獲得したポイントを個人年金の原資として顧客ごとに積み立てるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客サービスの一環として商品の購入金額に応じポイントを付与するポイントサービスを取り入れる業者が多くなってきている。
一定のポイントが貯まると景品をプレゼントしたり、自己の店舗で使用できる商品券と引き換えたり等の特典を顧客に与えるものである。
特許文献1に開示されている「カード決済に連動した個人年金積立システム」は、顧客が取得したポイントを将来の個人年金としてシステム側でプールしようとするものである。高齢者となったら、公的年金とは別に、積み立てておいたポイントを個人年金として受け取ることができる。このシステムの利用者は、カード決済による買い物を楽しむと同時に、将来の経済的な安心感をも買うことができる。
なお、若い時に消費し、老後に備えるという発想は、特許文献2、3にも認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−366767号公報
【特許文献2】特開2007−87360号公報
【特許文献3】特開2007−157098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
年金の積み立ては貯蓄の一種であることから、特許文献1に記載された発明は、消費しつつ貯蓄もするというバランスのとれた行動をシステムの利用者に期待でき、内需拡大という国民経済的見地からも意義がある。
しかしながら、特許文献1の発明は、ポイントサービスを複数の事業主体が取り入れた場合、それらを統一的に取り扱う手段について言及されていない。
また、消費者がクレジットカードを用いて提携業者で買い物をした場合、提携業者の発行するポイントとクレジットカード会社が発行するポイントの両者を取得できることが多いが、特許文献1では、これらの2種類のポイントがあることについて考慮されていない。
さらに、業者によっては、自社が発行したポイントは、年金の積立としてではなく、自社の商品との引き換えに使用されることを希望することも考えられる。特許文献1では、このような業者の扱いについても考慮されていない。
【0005】
かかる問題点に鑑み、本発明は、ポイントサービスを導入する複数の業者のポイントを統一的に処理し、業者発行のポイントとカード会社等のシステム運営者側が発行するポイントを統一的に処理することを目的とする。
同時に、ポイント還元率やシステム運営者側への支払手数料のレートなどの変更が業者ごとに行えるなどの裁量も保証して、独自のポイントサービスを志向する業者も加入しやすいシステムとすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うポイント年金化システムであって、このシステムのシステム管理コンピュータは、通信ネットワークを介して、加盟店の利用する加盟店端末と接続可能であり、契約者の属性情報(例えば、氏名、住所、生年月日、購入代金を決済するための口座に関する情報、パスワードなどの認証用情報)を記憶する契約者情報データベースと、加盟店の属性情報(例えば、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報)と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含むとともに、契約者購入情報受信手段と加盟店ポイント算出手段と年金化ポイント管理手段とを少なくとも含んでいる。
契約者購入情報受信手段は、加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信する。
加盟店ポイント算出手段は、加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する。
年金化ポイント管理手段は、契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新する。
【0007】
「カード決済の契約をした顧客」とは、主としてクレジットカード会社からカードの発行を受け、このカードを使用して買い物をする消費者を想定している。しかし、クレジットカードに限らず、デビットカード、電子マネー、デポジットカードなどにもこのシステムを適用できる。
「加盟店」には、リアルな店舗だけでなく、オンラインショッピングのサイトも含まれる。
「商品」には有形の商品だけでなく、無形の商品(サービス)も含まれる。
「ポイント」とは、1単位(1ポイント)が例えば1円に相当し、商品や金券と引き換え可能な有価価値情報をいう。
「個人年金」は、長期間にわたって積み立てられ、将来、特に老齢になってから積立額を使用できる点で、厚生年金・国民年金などの公的年金や生命保険会社の商品である個人年金保険と類似するものである。
「システム管理コンピュータ」は、本発明のシステムを管理運営する者が利用するコンピュータであるが、システムの管理運営を行う者としてクレジットカード会社に代表されるカード発行者を想定している。しかし、ソーシャルネットワークサービス(以下、「SNS」という。)の運営者や、インターネット上のショッピングモールの運営者が本システムの管理運営者であってもかまわない。この場合は、SNSやショッピングモールの運営者が自らカードを発行してもよいし、或いはクレジットカード会社と提携してもよい。
後者の場合は、この会社のクレジットカードを使用して当該ショッピングモールで買い物をした場合に本システムが適用される。要は、カード決済で買い物をする消費者が取得したポイントを積み立てるシステムでありさえすれば、その管理運営主体は特に限定しない。
「ポイント還元率」とは、代金のうち契約者にポイントとして還元する割合のことをいう。
1ポイントが金額に換算して1円に相当するとした場合において、代金100円につき5ポイントが付与されるときには、100円の買い物で5円が還元されることになり、ポイント還元率は5%(=5円/100円)ということになる。
【0008】
ここで、既存のポイントサービスを図8に、本システムのポイントサービスを図9に示す。図8では、消費者は、カード決済により購入代金を支払うが、購入代金に連動したポイント(P1)が消費者に直接付与される。ポイント(P1)は当該加盟店の商品を購入する際の割引、あるいは当該加盟店の商品の購入にのみ用いる金券への引き換え等に使用できる。このように、ポイント(P1)は、使途が限定されることが多い。
カード会社は、商品の購入代金から手数料を差し引いた金額を加盟店に支払う。カード会社によっては手数料の一部を、カードを使用してくれた消費者への特典としてカードポイント(P2)を付与することがある。このカードポイント(P2)も飲食サービスへの招待といったように使途が限定されていることがほとんどである。
一方、本システムのポイントサービスである図9では、消費者は、カード決済により購入代金を支払うが、購入代金に連動したポイント(P3)およびカード会社の手数料が控除された金額が加盟店に支払われる。
【0009】
次に、図8と図9を比較検討する
図8のポイント(P1)は、カード会社等のシステムと無関係に、加盟店独自に設けたポイントサービスシステムによって発行・管理される。そのため、加盟店によっては負担が大きく、販売促進のために有意義とはいえポイントサービスを導入できないことがある。また、加盟店の廃業などによってポイントサービスを終了させるときも、顧客への連絡などの後処理が必要となって負担が大である。
しかし、本発明のポイント年金化サービスでは、図9のポイント(P3)は、カード会社やSNS等のシステムによってポイント決済やカード決済による購入代金から差し引かれる。このポイント(P3)の発行・管理などはカード会社等のシステムが行い、加盟店は、ポイント(P3)に相当する分の金銭的負担を負うだけであり、加盟店独自にポイントカードを発行する必要もない。そのため、加盟店側は、ポイントサービスシステムの運用という点では、人員面でもコスト面でもほとんど負担することなく、顧客にポイントサービスを提供できる。加盟店独自のポイントサービスから本発明のポイント年金化サービスへの移行は、本システムに通知し登録されるだけで自由にできる。同様にポイント年金化サービスの廃止も、本システムに通知し登録されるだけで自由にできる。
また、本発明では、加盟店ポイントは、原則として個人年金の原資として統一的に扱われるので、カード会社等のシステムは、加盟店ごとに異なった扱いをしなくてもよいので、システムの運用・保守が容易である。もっとも、加盟店によってポイント還元率は異なるかもしれないが、システムは加盟店とポイント還元率とを対応づけて記憶し管理すればよいことである。
一方、契約者にとっては、使途が限られることの多かった従来のポイントサービスと異なり、本発明ではポイントが金額に換算されて自分のために設定された口座に蓄積していく。商品の購入によって発行したポイントは、逐次口座に蓄積されていくので、1回限りの利用をした加盟店で取得したポイントであっても無駄にならない。また、加盟店ごとのポイントカードを不要とするシステムであるため、契約者は財布がいろいろな加盟店のポイントカードでいっぱいになるといった煩わしさから解放される。従来のポイントサービスでは、ポイントカードを紛失した場合の再発行に関しての問題点が指摘されていた。しかし、本発明では、そもそもポイントカードは不要なので、かかる問題の生ずる余地はない。
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明は、前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、前記システム管理コンピュータは、前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するカードポイント算出手段を備え、前記年金化ポイント管理手段は、前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の現在残高に、前記加盟店ポイントと前記カードポイントとの合計を加算して年金化ポイント額の現在残高を更新することを特徴とする。
加盟店は、カード発行者に対し、代金のうち、所定の割合を手数料として支払うことが行われる。例えば、代金の5%を手数料とする約束になっているならば、この5%が「手数料のレート」に相当する。
【0011】
カード発行者は、加盟店から手数料を受け取るとともに、受け取った手数料から契約者に対してポイントを与えることが通常である。これが、図8のポイント(P2)および図9のポイント(P4)であり、例えば、手数料が100円で、カードポイント還元率が20%ならば、カードポイントは20円(=100円×20%)となる。従来のカードポイント(P2)は、食事や宿泊といった特典の形態をとることが多い。しかし、本発明のポイント(P4)は、金額に換算されて契約者のために金融機関やSNS運営者などに蓄積されていく。蓄積されたポイントは、長期の預貯金も同然なので、使途が限定されず、従来のカードポイントに比べて使い勝手がよい。
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項3に係る発明では前記年金化ポイント額は、当該システムが契約者ごとに開設した金融機関の口座に預け入れて管理され、請求項4に係る発明では、前記年金化ポイント額は、当該システムが開設した金融機関の口座に一括して預け入れられ、契約者ごとの年金化ポイント額の変動は前記年金化ポイント情報データベース上で管理されることを特徴とする。
【0013】
これにより、本システムでは、契約者に帰属するポイントを確実に管理することができる。
なお、請求項4の「当該システムが開設した金融機関の口座」は、本システムに専用の口座か否かは問わない。例えば、通常の預貯金口座に預け入れ、帳簿上は借方が預金、貸方が契約者からの預り金として処理し、ポイント額の変動をデータベースで管理してもよい。要は、契約者ごとのポイント額の現在残高が常に把握可能であって、契約者が将来引き出せるように確実に保全されていることが重要なのである。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項5に係る発明は、前記加盟店情報データベースは、加盟店IDと関連づけてポイント年金化フラグを含み、このポイント年金化フラグには、当該加盟店が発行するポイントを当該ポイント年金化システムによって年金化することに同意しているならばTRUE、同意していないならばFALSEが設定されているとともに、前記加盟店ポイント算出手段は、このポイント年金化フラグがTRUEのときにのみ加盟店ポイントを算出することを特徴とする。
【0015】
これにより、本発明によってポイントを年金化することに同意する業者も、同意しない業者も、いずれも加盟店になることができる。自社で発行するポイントは、自社の商品の購入や引き換えのために顧客が使用することを希望する加盟店もありうるからである。
なお、このシステムのポイントサービスを採用しつつ、独自のポイントサービスを実施し、顧客にいずれかを選択させる余地も本発明では排除していない。
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項6に係る発明は、前記システム管理コンピュータは、加盟店端末から通知されるポイント還元率の変更を受信し、前記加盟店情報データベースを受信した内容で更新するポイント還元率更新手段をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、加盟店は、適宜ポイント還元率を変更して、販売促進や顧客獲得を図ることができる。例えば、お中元やお歳暮のシーズンには、それ以外の時期よりも還元率をアップするといったことが考えられる。
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項7に係る発明は、前記システム管理コンピュータは、加盟店IDおよび契約者IDを含む商品購入情報を購入IDと関連付けて記憶する購入情報データベースと、契約者IDに基づいて、前記年金化ポイント情報データベースから抽出した年金化ポイント額を含むシステムの利用情報や前記購入情報データベースから抽出した商品購入情報を、当該契約者に通知する利用明細通知手段とを、さらに備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、契約者は自分のカードが他人によって不正使用されているか否かを早期に把握できる。また、年金化ポイント額がどれだけ貯まったかがわかる。
このような利用明細は、カード会社によって利用者に郵送されることが通常であるが、本システムによる顧客への通知は、郵送に限らず、契約者の利用する契約者端末からの照会に応じて、ウェブページの形式に編集したHTMLファイルを当該端末に送信してもよい。
【0020】
コンピュータを、上記ポイント年金化システムのシステム管理コンピュータとして動作させる方法も、本発明の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0021】
加盟店にとって、本発明のシステムを利用することにより、システムがポイントを管理するので、加盟店自らがポイントサービスのためのシステムを開発・運用・保守などしなくても済む。このことは、加盟店にとってポイントサービスの導入や廃止が自由にできることも意味する。本発明のポイント年金化サービスを採用していない加盟店についても、ポイント還元率を0%とすることでシステム上同一の扱いができる。つまり、従来は加盟店ごとに設けていたポイントサービスを、本システムでは統一的に扱うことができる。
【0022】
契約者にとって、本システムを利用することで商品の購入と連動して年金額を増加させることができる。つまり、消費と貯蓄とが同時にでき、特に意図しなくても可処分所得のバランスよい配分ができる。現在の消費を楽しむ人ほど将来の蓄えが増えることから、先憂後楽ならぬ先遊後楽を実現するシステムといえる。
また、契約者が取得したポイントは、使途が限られることなく、預貯金と同様に蓄積されていく。従来のポイントサービスであれば、例えば旅行先の加盟店で1回限りの買い物をして獲得したポイントは、活用されることもなく、いずれ有効期限が到来して失効する。しかし、本発明のシステムでは、このようなポイントも無駄にすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るポイント年金化方法を実現するためのシステムを概略的に示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシステム管理コンピュータの機能を簡略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る契約者情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る加盟店情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る購入情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る年金化ポイント情報データベースのデータ構造及びデータ例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来のポイントサービスの特徴を説明する図である。
【図9】本発明のポイント年金化サービスの特徴を説明する図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に係るポイント年金化方法を実現するためのシステムを概略的に示す全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態において、SNSサイトの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この実施の形態のシステム(以下「本システム」)を概略的に示す全体構成図であり、図2は、本システムに用いられるシステム管理コンピュータにおける構成を簡略的に示す機能ブロック図である。
【0025】
本発明のシステムのカード発行者は、契約者の購入代金を加盟店に立替払いする、契約者から返済を受ける、といったお金の流れを実行しなくてはならない。このお金の流れのどのタイミングで年金化されたポイントを蓄積するかは、システムの実際の運用においては極めて重要である。しかし、これらは、本発明にとって本質的な問題ではないので、以下の実施形態では、お金の流れについては特に言及しない。
また、システムが契約者に代わって蓄積するポイントは、将来年金替わりとなるものの原資である。そのため、信託銀行や保険会社などの金融機関によって長期にわたる運用がなされることが好ましい。しかし、これも本発明にとって本質的ではないので、以下の実施形態では、どのような金融機関にどのような形態で預け入れ、どのように運用するか等については特に言及しない。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態で用いるシステムは、このシステムで必要な各種データとプログラムを格納したシステム管理コンピュータ1と、年金化ポイントを蓄積する口座2を開設した金融機関3の端末と、このシステムに加盟した店舗(以下、「加盟店」)が利用する加盟店端末4と、カード決済による買い物をし、かつ、このシステムと契約をしている消費者(以下、「契約者」)が利用する契約者端末5とを有する。そして、システム管理コンピュータ1は、金融機関3の端末、加盟店端末4及び契約者端末5と、通信回線網Nを介して情報の授受が可能に構成されている。
【0027】
ここで、加盟店端末4および契約者端末5は、パソコンや携帯電話などであり、入力キーやマウスなどの入力手段と、ディスプレイやプリンタなどの出力手段を適宜備えるものとする。また、加盟店はリアルな店舗を構えている場合、契約者がクレジットカード類を提示して買い物をするのが通常であるので、加盟店端末4は図示しないカードリーダと接続可能になっていることが望ましい。
契約者および加盟店側と、システム管理コンピュータ1との情報の送受信はWebページを介して行うのが便利なので契約者端末5および加盟店端末4は画面表示手段とWebブラウザと呼ばれるソフトウェアを備えていることが望ましい。
【0028】
このシステム管理コンピュータ1は、図2に示すように、記憶部6、処理部7、通信インターフェース手段8から構成される。
記憶部6は、少なくとも契約者情報データベース9と、加盟店情報データベース10と、購入情報データベース11と、各種パラメータ記憶手段12と、年金化ポイント情報データベース13から構成されている。この記憶部6は、ハードディスクドライブ装置あるいはシステム管理コンピュータ1とは別体のデータベースサーバなどによって実装される。
【0029】
処理部7は、少なくとも契約者情報登録手段14と、加盟店情報登録手段15と、契約者購入情報受信手段16と、加盟店ポイント算出手段17と、カードポイント算出手段18と、ポイント還元率更新手段19と、年金化ポイント管理手段20と、利用明細通知手段21から構成されている。これらの処理部7の各手段は、主として図示しないCPUが所定のプログラムをCD−ROMなどの記憶媒体からメモリ上に読みこんで実行することにより実現される。
【0030】
また、システム管理コンピュータ1は、図示しないがオペレーティング・システムや各種アプリケーションプログラムや各種データ及びWebページを記述したHTMLファイル等を、ハードディスクドライブ装置やRAM等に記憶している。また、キーボードやマウスなどの入力手段とディスプレイやプリンタなどの出力手段も適宜備える。
なお、システム管理コンピュータ1の機能は、複数のコンピュータに分散させてもよい。たとえば、契約者および加盟店との情報の送受信はWebページを介して行うことが多いが、このWebサイトを管理するWebサーバを別個に設けてもよい。
【0031】
契約者情報登録手段14は、本システムを利用して加盟店でのカード決済による買い物をしようとする契約者に関する属性情報を受付け、契約者情報データベース9に契約者IDと関連付けてこれらの情報を記憶する。この契約者IDは、契約者情報登録手段14が予め決められた規則に基づいて発行する。
ここで、契約者に関する属性情報とは、氏名、住所、生年月日、性別、購入代金を決済するための口座に関する情報などをいう。これらは、通常契約の際に開示される情報である。また、パスワードなどの認証用情報も適宜登録する。
【0032】
加盟店情報登録手段15は、本システムの運営者(カード会社が運営者である場合もある)あるいは本システムと提携するカード会社による代金の決済を受けようとする加盟店に関する情報を受付け、本システムが加盟店に対して付与した加盟店IDとともに、加盟店情報データベース10にこれらの情報を記憶する。なお、加盟店IDは、加盟店情報登録手段15が予め決められた規則に基づいて発行する。
ここで、加盟店に関する情報には、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報などの当該加盟店の属性情報のほかに、加盟店ポイントの還元率も含まれる。加盟店によってポイント還元率が異なりうるからである。
【0033】
契約者購入情報受信手段16は、いずれかの加盟店において、いずれかの契約者が買い物をする都度、加盟店端末から送信される情報を受信する。
受信する情報には、当該加盟店の加盟店IDと、当該契約者の契約者IDと、購入商品および購入金額を含む購入情報が含まれており、購入情報データベース11に記憶される。
【0034】
加盟店ポイント算出手段17は、購入代金に加盟店ごとに設定されているポイント還元率を乗じて、加盟店ポイントを算出する。この加盟店ポイントは購入代金から控除される。
【0035】
カードポイント算出手段18は、購入代金に加盟店ごとに設定されている手数料のレートを乗じて算出された加盟店から支払われる手数料に、カードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出する。
【0036】
ポイント還元率更新手段19は、加盟店端末4からポイント還元率変更の通知を受信すると、加盟店情報データベース10のポイント還元率を更新する。
【0037】
年金化ポイント管理手段20は、契約者が加盟店での買い物によって得た加盟店ポイントとカードポイントとを合計し、年金化ポイント情報データベース13に記憶されている年金化ポイント額の現在残高に加算する。また、適当なタイミングで、口座を設けている金融機関に資金移動を行う指示を出す。指示の内容は、金融機関との取り決めなどに基づくので説明は省略する。
【0038】
利用明細通知手段21は、契約者の加盟店での買い物の履歴や年金化ポイント額の現在残高などを当該契約者に通知する処理を行う。個々の契約者からの照会に応じる場合と本システムが定期的に全契約者に通知する場合が考えられる。
【0039】
契約者情報データベース9は、たとえば図3に示すように、契約者IDと対応づけて、氏名、住所、生年月日、購入代金を決済するための口座に関する情報などが記憶される。他に、契約者本人と認証するための暗証番号や指紋データなどの認証情報やその他必要な情報(例えば、女性客を優待する加盟店もあるので性別)も適宜記憶される。
【0040】
加盟店情報データベース10は、たとえば図4に示すように、加盟店IDに対応づけて、名称、所在地、決済に必要な口座に関する情報などの属性情報、ポイント還元率が記憶される。また、ポイント年金化フラグも記憶される。加盟店であっても、顧客に独自のポイントサービスを提供したいと考える場合は、自分が発行するポイントを年金化することに同意しないことがある。そのため、ポイントを年金化するか否かを示すフラグを加盟店ごとにセットすることにした。さらに、代金の内から本システムあるいはカード発行者に支払う手数料のレートも記憶させる。加盟店によって、レートが異なることがあるからである。他に、正当な店舗であることを認証するための情報も適宜記憶される。
【0041】
購入情報データベース11は、たとえば図5に示すように、システムが付与した購入IDとともに、誰が・どの店で・いつ・何を・いくらで購入したか、といった購入情報が記憶される。
【0042】
各種パラメータ記憶手段12は、システム管理コンピュータ1による処理に必要なパラメータ類を記憶する。記憶されるパラメータ類には、加盟店から支払われる手数料の内から契約者に還元するカードポイントのレートが含まれる。
【0043】
年金化ポイント情報データベース13は、たとえば図6に示すように、契約者ごとに、年金化ポイント額の現在残高が記憶される。
【0044】
次に、上述のように構成された本システムにおける処理を、図7を参照しながら説明する。ここで、図3で例示する契約者Aが、図4に例示する加盟店Xで買い物をすると想定して説明する。また、契約者Aの年金化ポイント額の現在の残高は図6の上段に示すとおりとする。
なお以下の説明に於いて、表記「U*」はユーザ即ち契約者あるいは加盟店の処理を示し、表記「ステップS*」はシステム管理コンピュータ1の処理を示す。
【0045】
契約者Aが、加盟店Xにて買い物をする(ステップ〔U1〕)。買い物の形態は、複数が考えられる。
たとえば、
例1として、実際の店舗に出向いて買い物をし、支払い時に決済用のカードを提示するとともに、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が認証情報を入力する形態、
例2として、購入しようとする商品を決めた後、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が契約者IDと認証情報を入力する形態、
例3として、加盟店が開設するネットショッピングサイトに、契約者が自分の端末5からアクセスし、購入しようとする商品を特定するとともに、契約者IDと認証情報を入力する形態、
などが考えられる。
【0046】
加盟店は、システム管理コンピュータ1に、買い物をした契約者のIDと購入した商品・代金などの情報を加盟店IDとともに送信する(ステップ〔U2〕)。
契約者購入情報受信手段16は、受信した情報を購入情報データベース11に登録する(ステップS1)。図5の例では契約者A(契約者ID=0123)が、加盟店X(加盟店ID=S1001)にて、平成20年12月30日に30000円のネックレスを購入している。
【0047】
加盟店ポイント算出手段17は送信されてきた加盟店IDに基づいて、加盟店情報データベース10からポイント年金化フラグと加盟店ポイント還元率を抽出する(ステップS2)。加盟店ポイント算出手段17は、ポイント年金化フラグがTRUEであれば(ステップS3でYes)、代金(図5の例では30000円)に還元率(図4の例では10%)を乗じて加盟店ポイントを算出する(ステップS4)。もし、ポイント年金化フラグがFALSEであれば(ステップS3でNo)、加盟店ポイントは発行されないので、ステップS5の処理に移る。
【0048】
次に、カードポイント算出手段18が、カード発行者側が契約者に還元するカードポイントを算出する(ステップS5)。算出の手順としては、加盟店IDに基づき加盟店情報データベース10から支払手数料のレートを抽出する。図4の例ではこのレートは3%なので、カード発行者の手数料は900円(=30000円×3%)となる。次に、各種パラメータ記憶手段12から、カード還元率を参照し、手数料にこの還元率を乗じて、契約者に還元されるカードポイントを算出する。カード還元率が20%であるとすると、カードポイントは180円(=900円×20%)になる。
なお、カード発行者側ではカードポイントを発行しないときは、カード還元率を0%にセットしておけばよい。
【0049】
年金化ポイント管理手段20は、契約者IDに基づき年金化ポイント情報データベース13から年金化ポイント額の現在残高を抽出し、これに上記の算出された加盟店ポイントとカードポイントとの合計額3180円(=3000円+180円)を加算して、年金化ポイント額の現在残高を更新する(ステップS6)。更新後の年金化ポイント情報データベース13は、図6の下段のようになる。今回の買い物によって発生した年金化ポイント額を口座2に積み立てるように金融機関のシステムに所定の情報を送信する(ステップS7)。
【0050】
システム管理コンピュータ1は、適当なタイミング(契約者の買い物の都度、あるいは一定期間分を一括して)で、加盟店端末4に加盟店へ支払われる金額(この例では、30000円から加盟店ポイント3000円および手数料900円を控除した26100円)、振込み日などを通知する(ステップS8)。
また、利用明細通知手段21は、今回発生した年金化ポイント額や購入履歴などを契約者端末5に送信する(ステップS9)。携帯電話やパソコンを持っていない契約者もいるので、所定のタイミングで郵送用の利用明細書を生成し、生成したデータを印刷手段へ出力してもよい。
なお、購入決済後にキャンセルになる場合もある。このような場合は、クレジットカード会社などはマイナス決済を行うのが通常であるが、年金化ポイント額の現在残高からの減額処理も同時に行うことが適当である。
以上が、契約者が加盟店で買い物をしてから、ポイントが年金化され、積み立てられるまでの処理のあらましである。
【0051】
ところで、加盟店ポイントの還元率は、常に一定の値がセットされると考えることは適当でない。シーズンによって、あるいは曜日によって、適宜変更されうるが、変更の都度、加盟店端末4は、加盟店IDとともに変更後の還元率をシステム管理コンピュータ1に送信する。ポイント還元率更新手段19が、これを受信して、加盟店情報データベース10のポイント還元率を受信した値に更新する。
なお、加盟店によっては、例えば、自分の店の上得意客には他の客よりも高い還元率を設定することもある。その場合は、加盟店IDと契約者IDとポイント還元率とを対応づけたデータテーブルが必要となるが、これは設計的事項にすぎないので詳細は省略する。
【0052】
上記の実施の形態では、年金化ポイント額を信託銀行などの専用の口座に預け入れることを想定していた。しかし、契約者からカード会社の口座に振り込まれる返済額の内の年金化ポイント額相当分を、専用の口座に資金移動させることなく振り込まれた口座にそのまま預け入れ、データベース上でのみ契約者ごとの年金化ポイント額の増減を管理してもよい。
【0053】
要は、本発明のシステムでは、システムの契約者が、システムの加盟店で買い物をして得たポイントをシステム側で蓄積し、いずれ将来預貯金と同様に引き出して使える点が重要なのである。したがって、上述した実施形態におけるデータベースのデータ構造や処理フローは一例にすぎず、これに限るものではない。
【0054】
また、本発明のシステムでは、システムの契約者が、システムの加盟店で買い物をしてポイントを得るものとしているが、システムの加盟店は、SNSサイト内にショッピングサイト等へのリンクを設け、SNSサイトの利用者であると同時にシステムの契約者である者から買い物を受け付けることが出来るようにしてもよい。以下、この場合の実施形態について詳述する。
【0055】
図10に示すように、本実施の形態で用いるシステムは、このシステムで必要な各種データとプログラムを格納したシステム管理コンピュータ1と、年金化ポイントを蓄積する口座2を開設した金融機関3の端末と、加盟店が利用する加盟店端末4と、契約者が利用する契約者端末5と、SNSサイトを提供するSNS運営サーバ30とを有する。
そして、システム管理コンピュータ1及びSNS運営サーバ30は、加盟店端末4及び契約者端末5と通信回線網Nを介して情報の送受が可能に構成されている。さらに、少なくともシステム管理コンピュータ1は、金融機関の端末3と通信回線網Nを介して情報の送受が可能に構成されている。
なお、本例においては、システム管理コンピュータ1とSNS運営サーバ30は、同一の運営者によって運営・管理され、LAN等の通信回線によって通信可能に構成されているが、それぞれ別の事業者によって運営・管理されていてもよい。
【0056】
ここで、システム管理コンピュータ1、金融機関3の端末、加盟店端末4、及び契約者端末5の構成は、前述した実施形態と同様である(システム管理コンピュータ1については図2を参照)。
また、SNS運営サーバ30は、いわゆるコンピュータによって構成され、既知のSNSを提供するのに必要な資源、各種のデータやプログラム等を備えている。
【0057】
次に、上述のように構成された本システムにおける処理を、図11を参照しながら説明する。ここで、契約者はSNSサイトにアクセスする(ステップ〔U3〕)。
【0058】
このときのSNSサイトの一例を図12に示す。
図12に示されるように、SNSサイト40には、SNSサイトとしてのコンテンツのほかに、商品情報掲載欄41が設けられている。そして、この商品情報掲載欄41には、加盟店によるオンラインショッピングサイトへ移行するためのリンクが貼られている。
【0059】
商品に興味を抱いた契約者は、商品情報掲載欄41から、リンクを辿って商品購入のためのウェブページにアクセスし、加盟店にて買い物をする(ステップ〔U4〕)。
買い物の形態は、前述の実施形態におけるのと同様に、たとえば、
例1として、実際の店舗に出向いて買い物をし、支払い時に決済用のカードを提示するとともに、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が認証情報を入力する形態、
例2として、購入しようとする商品を決めた後、システム管理コンピュータ1と通信可能に接続された状態の加盟店端末4に契約者本人が契約者IDと認証情報を入力する形態、
例3として、加盟店が開設するネットショッピングサイトに、契約者が自分の端末5からアクセスし、購入しようとする商品を特定するとともに、契約者IDと認証情報を入力する形態、
などが考えられる。
【0060】
加盟店は、システム管理コンピュータ1に、買い物をした契約者のIDと購入した商品・代金などの情報を加盟店IDとともに送信する(ステップ〔U2〕)。
【0061】
これに対して、システム管理コンピュータ1が前述したS1〜S9の処理を実行し、買い物によるポイントが年金化され、積み立てられる。
本実施形態によれば、SNSサイトとの連携によって、ポイントの年金化が可能な買い物の機会を増やすことが出来る。
【0062】
なお、本実施形態においては、加盟店端末4を利用する加盟店がSNSの運営者自体であってもよい。
また、買い物による加盟店ポイントを、SNSサイト運営者が、SNSサイト用ポイントとして受け取るものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のシステムが普及すれば、国民経済の家計部門が、消費と貯蓄を同時に行うという合理的な行動を自ずと執ることになり、外需依存型経済からの脱却という時代の要請に適合することとなる。
【符号の説明】
【0064】
1 システム管理コンピュータ
2 ポイント蓄積口座
3 金融機関
4 加盟店端末
5 契約者端末
6 記憶部
7 処理部
8 通信インターフェース手段
9 契約者情報データベース
10 加盟店情報データベース
11 購入情報データベース
12 各種パラメータ記憶手段
13 年金化ポイント情報データベース
14 契約者情報登録手段
15 加盟店情報登録手段
16 契約者購入情報受信手段
17 加盟店ポイント算出手段
18 カードポイント算出手段
19 ポイント還元率更新手段
20 年金化ポイント管理手段
21 利用明細通知手段
30 SNSサイト運営サーバ
N 通信ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うポイント年金化システムであって、
このシステムのシステム管理コンピュータは、
通信ネットワークを介して、加盟店の利用する加盟店端末と接続可能であり、
契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、
加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、
積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含むとともに、
加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信する契約者購入情報受信手段と、
加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する加盟店ポイント算出手段と、
当該契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の残高に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額の残高を更新する年金化ポイント管理手段と、
を含むことを特徴とするポイント年金化システム。
【請求項2】
前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、
前記システム管理コンピュータは、
前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するカードポイント算出手段を備え、
前記年金化ポイント管理手段は、前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の現在残高に、前記加盟店ポイントと前記カードポイントとの合計を加算して年金化ポイント額の現在残高を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のポイント年金化システム。
【請求項3】
前記年金化ポイント額は、当該システムが契約者ごとに開設した金融機関の口座に預け入れて管理される、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポイント年金化システム。
【請求項4】
前記年金化ポイント額は、当該システムが開設した金融機関の口座に一括して預け入れられ、契約者ごとの年金化ポイント額の変動は前記年金化ポイント情報データベース上で管理される、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポイント年金化システム。
【請求項5】
前記加盟店情報データベースは、加盟店IDと関連づけてポイント年金化フラグを含み、
このポイント年金化フラグには、当該加盟店が発行するポイントを当該ポイント年金化システムによって年金化することに同意しているならばTRUE、同意していないならばFALSEが設定されているとともに、
前記加盟店ポイント算出手段は、このポイント年金化フラグがTRUEのときにのみ加盟店ポイントを算出する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載のポイント年金化システム。
【請求項6】
前記システム管理コンピュータは、
加盟店端末から通知されるポイント還元率の変更を受信し、前記加盟店情報データベースを受信した内容で更新するポイント還元率更新手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1記載のポイント年金化システム。
【請求項7】
前記システム管理コンピュータは、
加盟店IDおよび契約者IDを含む商品購入情報を購入IDと関連付けて記憶する購入情報データベースと、
契約者IDに基づいて、前記年金化ポイント情報データベースから抽出した年金化ポイント額を含むシステムの利用情報や前記購入情報データベースから抽出した商品購入情報を、当該契約者に通知する利用明細通知手段とを、
さらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のポイント年金化システム。
【請求項8】
カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うために、
加盟店の利用する加盟店端末と通信ネットワークを介して接続が可能なコンピュータにより行われる方法であって、
前記コンピュータは、
契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、
加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、
積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースを含む記憶手段を備えるとともに、
加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信するステップと、
加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出するステップと、
当該契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新するステップと、
を含む処理を行うことを特徴とするポイント年金化方法。
【請求項9】
前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、
前記コンピュータは、さらに、前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するステップを実行し、
前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額を更新するステップでは、前記加盟店ポイントだけでなく前記カードポイントも加算して年金化ポイント額の更新をする、
ことを特徴とする請求項8に記載のポイント年金化方法。
【請求項1】
カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うポイント年金化システムであって、
このシステムのシステム管理コンピュータは、
通信ネットワークを介して、加盟店の利用する加盟店端末と接続可能であり、
契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、
加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、
積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースとを含むとともに、
加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信する契約者購入情報受信手段と、
加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出する加盟店ポイント算出手段と、
当該契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の残高に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額の残高を更新する年金化ポイント管理手段と、
を含むことを特徴とするポイント年金化システム。
【請求項2】
前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、
前記システム管理コンピュータは、
前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するカードポイント算出手段を備え、
前記年金化ポイント管理手段は、前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額の現在残高に、前記加盟店ポイントと前記カードポイントとの合計を加算して年金化ポイント額の現在残高を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のポイント年金化システム。
【請求項3】
前記年金化ポイント額は、当該システムが契約者ごとに開設した金融機関の口座に預け入れて管理される、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポイント年金化システム。
【請求項4】
前記年金化ポイント額は、当該システムが開設した金融機関の口座に一括して預け入れられ、契約者ごとの年金化ポイント額の変動は前記年金化ポイント情報データベース上で管理される、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポイント年金化システム。
【請求項5】
前記加盟店情報データベースは、加盟店IDと関連づけてポイント年金化フラグを含み、
このポイント年金化フラグには、当該加盟店が発行するポイントを当該ポイント年金化システムによって年金化することに同意しているならばTRUE、同意していないならばFALSEが設定されているとともに、
前記加盟店ポイント算出手段は、このポイント年金化フラグがTRUEのときにのみ加盟店ポイントを算出する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載のポイント年金化システム。
【請求項6】
前記システム管理コンピュータは、
加盟店端末から通知されるポイント還元率の変更を受信し、前記加盟店情報データベースを受信した内容で更新するポイント還元率更新手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1記載のポイント年金化システム。
【請求項7】
前記システム管理コンピュータは、
加盟店IDおよび契約者IDを含む商品購入情報を購入IDと関連付けて記憶する購入情報データベースと、
契約者IDに基づいて、前記年金化ポイント情報データベースから抽出した年金化ポイント額を含むシステムの利用情報や前記購入情報データベースから抽出した商品購入情報を、当該契約者に通知する利用明細通知手段とを、
さらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のポイント年金化システム。
【請求項8】
カード決済の契約をした顧客(以下、「契約者」)が加盟店で商品を購入することによって獲得した加盟店ポイントを個人年金の原資として契約者ごとに積み立てるとともに、加盟店へは購入金額から加盟店ポイントを控除した後の金額を支払うために、
加盟店の利用する加盟店端末と通信ネットワークを介して接続が可能なコンピュータにより行われる方法であって、
前記コンピュータは、
契約者の属性情報を記憶する契約者情報データベースと、
加盟店の属性情報と加盟店ポイントの還元率を記憶する加盟店情報データベースと、
積み立てられる個人年金の原資に関する情報を記憶する年金化ポイント情報データベースを含む記憶手段を備えるとともに、
加盟店端末から、商品を購入した契約者の契約者IDと当該加盟店の加盟店IDとともに購入代金を含む購入情報を受信するステップと、
加盟店情報データベースから加盟店IDに関連づけられた加盟店ポイントの還元率を読み出して、これを前記購入代金に乗じて加盟店ポイントを算出するステップと、
当該契約者の契約者IDに関連づけて前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額に、前記加盟店ポイントを加算して年金化ポイント額を更新するステップと、
を含む処理を行うことを特徴とするポイント年金化方法。
【請求項9】
前記加盟店情報データベースには、カード発行者が各加盟店から支払われる手数料のレートも記憶されるとともに、
前記コンピュータは、さらに、前記手数料のレートを前記購入代金に乗じて手数料を算出し、この手数料に所定のカードポイント還元率を乗じてカードポイントを算出するステップを実行し、
前記年金化ポイント情報データベースに記憶されている年金化ポイント額を更新するステップでは、前記加盟店ポイントだけでなく前記カードポイントも加算して年金化ポイント額の更新をする、
ことを特徴とする請求項8に記載のポイント年金化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−205256(P2010−205256A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241040(P2009−241040)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(500481732)株式会社メキキ (15)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(500481732)株式会社メキキ (15)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
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