説明

カード種別判定構造を備えたプリペイドカード

【目的】 利用者にとっても、またリーダライタにとってもカード種別の判定が容易に可能なカード種別判定構造を備えたプリペイドカードを提供する。
【構成】 プリペイドカード1の一方の短尺辺(図では1A)にスリットS1を、他の短尺辺(図では1B)にスリットS2を、短尺方向に所定の距離d1だけ隔てて設けて構成する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、プリペイドカードに関し、特にカードの種別判定を容易にするカード種別判定構造を備えたプリペイドカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、プリペイド方式のカードが普及しつつある。このようなプリペイドカードは、例えば五千円カード、三千円カード、千円カードのように、使用限度額等の属性を異にする、数種類のものが発行されるのが一般的である。
ところがこのようなカード形式の媒体は、紙幣等とは異なり、属性に応じて媒体の寸法を変えることがなく、例えば五千円カードも千円カードも、全く同じ寸法形状をしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
前記のように、従来構成のカードでは、表面の印刷図柄はともかく、寸法が1種類に規格化されているから、少額のカードの残高を書き替える等の不正があってもこれに効果的な対処をするのが困難であった。さらに、種別を呈示するため設けられた例えば小さな円弧状の切欠なども、数種類以上のカードのうちのひとつを特定させるには効果的ではなかった。
【0004】
本考案は、このような従来技術の有する問題点を解決するため為されたもので、その目的は利用者にとっても、またリーダライタにとってもカード種別の判定が容易に可能なカード種別判定構造を備えたプリペイドカードを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るカード種別判定構造を備えたプリペイドカードは、該プリペイドカードの一方の短尺辺に1個目のスリットを、他の短尺辺に2個目スリットを、短尺方向に所定の距離だけ隔てて設けて構成したことを特徴とする。
【0006】
【作用】
前記のように構成された本考案のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードは、カード種別に対応した所定の距離を隔てて2個のスリットを両短尺辺上に1個づつ設けたものであるから、利用者ならびにプリペイドカードリーダライタともに容易にカード種別を判定できる。よって誤った使用が避けられるばかりか、例えば限度額を超えた額への不正改竄を検出して排除できる。
【0007】
【実施例】
図1は、本考案のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードの一実施例の正面図である。
図2は、図1のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードの別の実施例の正面図である。
本考案のプリペイドカード1は、一対の短尺辺1A、1Bのうち、一方の短尺辺にスリットS1を、他方の短尺辺にスリットS2を、カード種別に対応している距離d1だけカード短尺方向に隔てて設けて構成される。
したがって、プリペイドカード1の上前端からスリットS1までの距離はd2、スリットS1からスリットS2までの短尺方向距離はd1、スリットS2からプリペイドカード1の下後端までの距離はd3となる。
距離d1を変えて製造することにより、多くの種類のカードに対応させることができる。
スリットは、利用者が指で触れて容易に確認できて、区別でき、また目視でも十分に確認区別できる程度に切り込まれていることが望ましい。
【0008】
前記のように構成することによって、利用者はプリペイドカードの種別を容易に判定できる。また同様に、プリペイドカードリーダライタも、カード種類を、きわめて容易に検出判定できる。
また、前記スリットはプリペイドカードの縁に限定して設けられるものであるから、例えばカード中央部まではみだして、印字記録に悪影響を及ぼすことがない。
【0009】
【考案の効果】
以上の説明のように、本考案のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードは、一方の短尺辺に1個目のスリットを、他の短尺辺に2個目スリットを、短尺方向に所定の距離だけ隔てて設けたものであるから、利用者がリーダライタにカード挿入直前に、目視あるいは触診によってスリット間の隔たる距離を容易に確認することができる。よって誤使用を未然に防止することが可能となり、使い勝手が著しく向上する。
また、プリペイドカードリーダライタにとっても、挿入されたカード種別を容易に確認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードの一実施例の正面図である。
【図2】本考案のカード種別判定構造を備えたプリペイドカードの別の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 プリペイドカード
1A、1B 短尺辺
1C、1D 長尺辺
d1、d2、d3 距離
S1、S2 スリット

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 プリペイドカードの一方の短尺辺に1個目のスリットを、他の短尺辺に2個目スリットを、短尺方向に所定の距離だけ隔てて設けて構成したことを特徴とするカード種別判定構造を備えたプリペイドカード。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3013034号
【登録日】平成7年(1995)4月19日
【発行日】平成7年(1995)6月27日
【考案の名称】カード種別判定構造を備えたプリペイドカード
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−17076
【出願日】平成6年(1994)12月26日
【出願人】(394027397)東京アルテック有限会社 (15)