説明

カード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法

【課題】カードとともに確認番号を乱数表で表示した確認番号表を送付するのに適した、カード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法を提供する。
【課題の解決手段】カード送付台紙11は、折り用ミシン目2,3を介して連接された3枚の紙片4,5,6の同一面側に、カード送付先情報印字部と、カード保持部材形成部と、確認番号表印字部とを、設けてなるカード送付台紙用シートに、カード送付先情報印字部には、カードの送付先情報12を印字し、カード保持部材形成部には、カード13を取り外し可能に保持するカード保持部材を形成してカード13を保持し、確認番号表印字部には、カードの利用対象サービスを提供するインターネット銀行が、正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表14を印字してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法に関し、特に、カードの利用対象サービスを提供する企業が、サービスの開始に際して、確認番号を用いた登録を要求する場合、例えば、企業がバンクカードを発行するインターネット銀行である場合に好適な、カード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した金融が盛んになってきているが、インターネットバンキングに際して使用されるバンクカードは、従来知られている送付台紙(特許文献1、2参照)を用いて封筒に封入されて送付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2562449号公報
【特許文献2】特開平6−316189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インターネットバンキングを利用するにあたっては、通常、送付されてきたバンクカードとともに知らされた情報に基いて、いわゆる初回登録をすることが求められる。この初回登録に必要な情報の一つに、申込者が正規のカード所有者か否かを確認するためにあらかじめインターネット銀行側で設定し、乱数表で表示した数字を組み合わせてなる確認番号がある。従来、この確認番号を示す乱数表は、カードの一部に表示したり、送付台紙とともに同封した別の用紙に表示している。ところが、カードの一部に表示する場合はスペースが充分確保できず、乱数表が小さくなって字を読取りにくいという不都合がある。また、別の用紙に表示した場合には、この用紙を余分なものと勘違いして廃棄したり、あるいは紛失しやすいという不都合がある。これらの不都合は、カードの利用対象サービスを提供する企業がインターネット銀行以外の場合でも、サービスの開始に際して、確認番号を用いた登録を要求する場合に共通するものである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カードとともに確認番号を乱数表で表示した確認番号表を送付するのに適した、カード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係るカード送付台紙用シートは、折り部を介して連接された複数枚の紙片からなり、同一面側に、カードの送付先情報を印字するためのカード送付先情報印字部と、カードを取り外し可能に保持する保持部材を設けるためのカード保持部材形成部と、カードの利用対象サービスを提供する企業、例えば金融機関、とりわけインターネット銀行が、正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字するための確認番号表印字部とを、設けたものである。
【0007】
同じく上記目的を達成するために、本発明の請求項2に係るカード送付台紙は、請求項1記載のカード送付台紙用シートにおいて、カード送付先情報印字部にはカードの送付先情報を印字し、カード保持部材形成部にはカードを取り外し可能に保持するための保持部材を設けて、この保持部材によって送付先情報に対応するカードを取り外し可能に保持し、確認番号表印字部にはカードの利用対象サービスを提供する企業、例えば金融機関、とりわけインターネット銀行が、正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字してなるものである。
【0008】
同じく上記目的を達成するために、本発明の請求項3に係るカード送付台紙の作成方法は、請求項2に係るカード送付台紙の作成方法であって、請求項1記載のカード送付台紙用シートにおけるカード送付先情報印字部にカードの送付先情報を印字し、カード保持部材形成部にはマッチング検査用のバーコードを印字し、確認番号表印字部にはカードの利用対象サービスを提供する企業が正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字する印字工程と、カード保持部材形成部にカードを取り外し可能に保持するための保持部材を形成する保持部材形成工程と、カードのID番号と前記バーコードがマッチングしていることを確認するマッチング検査工程と、マッチングを確認したカードをカード保持部材によって取り外し可能に保持するカード保持工程とからなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るカード送付台紙用シート、このシートを用いたカード送付台紙及びその作成方法によれば、利用サービスの提供開始にあたって、カード所有者が正規の者であることを確認番号で確認する企業が発行するカードを送付するのに最適な送付台紙を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】カード送付台紙用シートの平面図。
【図2】カード送付台紙用シートに印字工程を施した状態の平面図。
【図3】同じく保持部材形成工程を施した状態の平面図。
【図4】同じくカード保持工程を施してカード送付台紙を作成した状態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をインターネット銀行の発行するバンクカードの送付に適用した場合の好適な実施形態について添付図面に基づき説明する。
【0012】
図1に示すように、カード送付台紙用シート1は、折り用ミシン目2,3を介して連接された第1紙片4、第2紙片5、第3紙片6の3枚の紙片からなる。第1紙片4の表面側は、後述するカードの送付先情報を印字するカード送付先情報印字部7となっている。また、第2紙片5の表面側のほぼ左半分が、カードを取り外し可能に保持する保持部材を設けるためのカード保持部材形成部8となっている。さらに、第2紙片5の表面側のほぼ右半分には、カードの利用対象サービスを提供するインターネット銀行が、いわゆる初回登録に際して、正規の使用者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字する確認番号表印字部9を設けている。この確認番号表印字部9は、切り用ミシン目10で切り取り可能に形成されている。
【0013】
図4に示すのはカード送付台紙用シート1から作成したカード送付台紙11であり、第1紙片4のカード送付先情報印字部にはカード13の送付先の郵便番号、住所、氏名からなる送付先情報12を印字し、第2紙片5のカード保持部材形成部にはカード13を保持部材たる弱粘着剤19(図3参照)で剥離可能に接着して保持し、確認番号表印字部には確認番号表14を印字してなる。前記送付先情報12の一つとして印字された氏名が、正規のカード所有者名である。また、前記カード13の表面には、「○×銀行」というインターネット銀行名、「○× BANK CARD」というカード名のほか、ID番号として使用する会員番号16、カード所有者名17を表示し、また、IC部15を設けている。
【0014】
確認番号表14は2桁の数字を乱数表として表したものであり、インターネット銀行では、カード13の送付に先立って、カード所有者毎にこれら数字を組み合わせて4桁の確認番号を設定している。なお、前記確認番号表14に表示される2桁の数字は、行数と列数に応じた一定数のカード所有者に共通して使用可能であるが、前記一定数に達しない場合であっても、適宜変更することができる。
【0015】
次に、上述のカード送付台紙用シート1からカード送付台紙11を作成する方法を説明する。まず、図1状態にあるカード送付台紙用シート1を適宜なプリンタ、例えばインクジェットプリンタにかけて、図2に示すように、第1紙片4のカード送付先情報印字部7にカード13の送付先情報12を印字し、第2紙片5のカード保持部材形成部8に保持するカード13と送付先とのマッチングを検査するためのバーコード18を印字し、確認番号表印字部9には確認番号表14を印字する(印字工程)。前記バーコード18は、送付すべきカード13に数字で表示したID番号たる会員番号16と同一内容である。
【0016】
次いで、図3に示すように、カード保持部材形成部8のバーコード18の下に、弱粘着剤19を所定範囲にわたって塗布する(保持部材形成工程)。続いて、第2紙片5に表示されたバーコード18をバーコードリーダ(図示せず)で読み取って、あらかじめコンピュータ(図示せず)に入力されている会員番号データと照合し、一致しているか否かを判断して(マッチング検査工程)、一致している場合には、図4に示すように、弱粘着剤16塗布部分にカード13を載置して、カード13を剥離可能に保持する(カード保持工程)。
【0017】
上述のように作成した、カード送付台紙11は、第1紙片4の送付先情報12が表出するように、折り用ミシン目2,3でジグザク状に折り曲げられて三つ折り状態とされ、前記送付先情報12が窓部に対応するように窓開き封筒に封入されて、郵送される。この三つ折り状態で、第3紙片6はカード13表面を被覆保護する。
【0018】
図4状態のカード送付台紙11を受領したカード所有者は、カード13を第2紙片5から剥離するとともに、切り用ミシン目10を破断して確認番号表14を第2紙片5から切り離す。インターネットバンキングの開始にあたって必要となる、いわゆる初回登録を行うにあたって、カード所有者は、カード発行者であるインターネット銀行のホームページにアクセスし、画面表示にしたがって、ID番号たる会員番号16を入力し、次画面で指定された確認番号、例えばB2,A3と指定されれば確認番号表14でB2に対応する「55」とA3に対応する「39」を確認番号「5539」として入力する。この入力された確認番号が、あらかじめインターネット銀行が設定した確認番号と一致すると、初回登録画面に移る。そして、表示された初回登録画面において、必要事項を入力し、初回登録を終了する。
【0019】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、カード保持部材形成部8へのカード13の取り外し可能な保持部材は、弱粘着剤19を用いるほか、カード隅部を挿入する切り欠きやスリットで構成してもよい。この場合には、切り欠きやスリットを形成する工程が、保持部材形成工程となり、この場合の保持部材形成工程は、印字工程に先立って施すことも可能である。また、確認番号表14は切り用ミシン目10で切り離し可能に形成するほか、第2紙片5の裏面に支持片を剥離可能に接着し、この支持片に対応する部分にスリットで区画した部分に印字して形成してもよい。さらに、確認番号表14は、紙片を第2紙片5に剥離可能に接着し、この接着した紙片に印字して形成してもよいし、第2紙片5に分離不能に直接印字して形成してもよい。またさらに、カード13のID番号は会員番号16を利用するほか、独立したID番号として、カード13の裏面などに表示してもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 カード送付台紙用シート
2,3 折り用ミシン目
4 第1紙片
5 第2紙片
6 第3紙片
7 カード送付先情報印字部
8 カード保持部材形成部
9 確認番号表印字部
10 切り用ミシン目
11 カード送付台紙
12 送付先情報
13 カード
14 確認番号表
15 IC部
16 会員番号
17 カード所有者名
18 バーコード
19 弱粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り部を介して連接された複数枚の紙片からなり、同一面側に、
カードの送付先情報を印字するためのカード送付先情報印字部と、
カードを取り外し可能に保持する保持部材を設けるためのカード保持部材形成部と、
カードの利用対象サービスを提供する企業が正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字するための確認番号表印字部と、
を設けたことを特徴とするカード送付台紙用シート。
【請求項2】
請求項1記載のカード送付台紙用シートにおいて、
カード送付先情報印字部にはカードの送付先情報を印字し、
カード保持部材形成部にはカードを取り外し可能に保持するための保持部材を設けて、この保持部材によって送付先情報に対応するカードを取り外し可能に保持し、
確認番号表印字部にはカードの利用対象サービスを提供する企業が正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字して
なることを特徴とするカード送付台紙。
【請求項3】
請求項1記載のカード送付台紙用シートから請求項2記載のカード送付台紙を作成する方法であって、
カード送付台紙用シートにおけるカード送付先情報印字部にカードの送付先情報を印字し、カード保持部材形成部にはマッチング検査用のバーコードを印字し、確認番号表印字部にはカードの利用対象サービスを提供する企業が正規のカード所有者であることを確認するための確認番号を乱数表で表した確認番号表を印字する印字工程と、
カード保持部材形成部にカードを取り外し可能に保持するための保持部材を形成する保持部材形成工程と、
カードのID番号と前記バーコードがマッチングしていることを確認するマッチング検査工程と、
マッチングを確認したカードをカード保持部材によって取り外し可能に保持するカード保持工程と、
からなることを特徴とするカード送付台紙の作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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