説明

カーボンナノチューブの水蒸気補助オゾン分解

本発明は、水蒸気により補助された、向上したカーボンナノチューブのオゾン分解法に関する。向上した方法は、さらなる化学官能基化および複合材料分散のための、酸素含有部分によりカーボンナノチューブを官能基化する、環境に優しく、より安価で、実用的で効率的な取り組みを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気により補助されたカーボンナノチューブの向上したオゾン分解法に関する。向上した方法論は、さらなる化学官能基化および複合材料分散のための、酸素含有部分によりカーボンナノチューブを官能基化する、環境に優しく、より安価で、実用的で効率的な取り組みを提供する。
【背景技術】
【0002】
その高いアスペクト比、軽量性、柔軟性、高い機械的強度、際立った熱および電気特性に起因して、カーボンナノチューブ(CNT)は、過去数十年間、多くの用途、例えば不均一触媒担体、センサー装置、次世代電気装置および新規なポリマーナノ複合材料等について大きな関心を集めている。
【0003】
先行技術によれば、カーボンナノチューブは主に、3〜100nmの直径および該直径の数倍の長さを有する円筒状カーボンチューブであると理解される。該チューブは、配向炭素原子の1以上の層からなり、異なった形態のコアを有する。また、該カーボンナノチューブは、例えば「カーボンフィブリル」または「中空カーボンファイバー」とも称される。
【0004】
カーボンナノチューブは、専門文献において長い間知られている。Iijima(出版物:S.Iijima、Nature第354巻、第56〜58頁、1991年)は、ナノチューブを発見したと一般に考えられるが、これらの物質、特に、複数のグラファイト層を有する繊維状グラファイト物質は、1970年代または1980年代初期から知られている。TatesおよびBaker(GB 1469930A1、1977年およびEP56004A2、1982年)は、炭化水素の触媒分解からの極めて微細な繊維状炭素の堆積物を最初に記載した。しかしながら、短鎖状炭化水素に基づいて製造された炭素フィラメントは、その直径についてさらに詳細に特徴付けられていない。
【0005】
従来法によるこれらのチューブの構造は、円筒型である。円筒構造の場合、単壁モノカーボンナノチューブと多壁円筒状カーボンナノチューブとの間で区別される。その製造のための従来法は、例えば、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学蒸着法(CVD法)および触媒化学蒸着法(CCVD法)である。
【0006】
また、上記円筒状カーボンナノチューブは、アーク放電法により製造することもできる。Iijima、Nature 354、1991年、第56〜58頁は、アーク放電法による、丸くなって途切れのない閉じた円筒を形成し、および互いに入れ子になった2以上のグラフェン層からなるカーボンチューブの形成について報告する。キラル配置およびアキラル配置が、カーボンファイバーの縦軸に沿って、回転ベクトルに応じて可能である。
【0007】
凝集グラフェン層(いわゆるスクロール型)または破壊グラフェン層(いわゆるオニオン型)がナノチューブの構造のための基礎を形成するカーボンチューブの類似構造は、Bacon等、J.Appl.Phys.第34巻、1960年、第283〜90頁により最初に記載された。該構造は通常、スクロール型と称される。その後、類似構造がまた、Zhou等、Science、第263巻、1994年、第1744〜1747頁により、およびLavin等、Carbon 40、2002年、第1123〜1130頁により見出された。
【0008】
しかしながら、CNTの特性に寄与する拡張π共役骨格もまた、CNTを全有機および水性溶媒中で完全に不溶性である大きなバンドル中へ集める、カーボンナノチューブの中で強いファンデルワールス相互作用に関与する。従って、溶媒およびポリマーへの低い分散は、分散CNTに基づくポリマーナノ複合材料を含む多くの潜在的商業用途におけるその開発について大きな障害である。
【0009】
数年にわたり、多大な取り組みが、種々の溶媒およびポリマーマトリックス中でのCNTの分散を強化させるためになされてきた。ナノチューブの表面を変性するために用いる主な方法は、液体強酸化剤、例えば濃縮HNO/HSOまたはH等を用いて、カルボキシル基、ヒドロキシル基および/またはエステル基をナノチューブ表面上に導入するために用いる(J.Am.Chem.Soc.2003年、第125巻、第9761〜9769頁、Langmuir 2005年、第21巻、第4185〜4190頁および公開特許公報第11−502494号参照)。
【0010】
しかしながら、環境および健康に有害な有害化学物質の多くが酸化工程の間に形成されることが強調されなければならない。さらに、湿潤酸化法もまた、固体−液体混合、固体−液体ろ過および過剰酸の除去並びに最終生成物を得る前の乾燥を含む幾つかの工程を含む。強力な酸化の他の好ましくない副作用は、その機械強度および完全性に悪影響を与えるカーボンナノチューブ自体の同時破壊である。
【0011】
幾つかの文献および特許は、そのほとんどを液体層において行うオゾン分解によるカーボンナノチューブ表面の変性を記載する(米国特許US20060159612、CN101112981参照)。他の試みとして、気相オゾン分解によるカーボンナノチューブ表面の酸化は、その便利な処理性、環境への優しさおよび比較的低いコストにより特に実現可能である。しかしながら、幾つかの特許は、カーボンナノチューブを処理するガス状オゾンを用いることを特許請求し、幾つかの現在の方法の制限、例えば極度に厳しい温度の要件(米国特許US20080102020、WO200107694、CN101185900 およびUS7122165)、長い処理時間(3〜45時間、米国特許US20080031802、WO2006135439およびCN101189373参照)、純粋/相対的に高いオゾン濃度(US7122165および米国特許US20080152573参照)がなお存在するか、または得られるカーボンナノチューブが強酸滴定濃度を示す(US7413723)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】英国特許第1469930A1号明細書
【特許文献2】欧州特許第56004A2号明細書
【特許文献3】特開第11/502494号号明細書
【特許文献4】米国特許第20060159612号明細書
【特許文献5】カナダ特許第101112981号明細書
【特許文献6】米国特許第20080102020号明細書
【特許文献7】国際公開第200107694号パンフレット
【特許文献8】カナダ特許第101185900号明細書
【特許文献9】米国特許第7122165号明細書
【特許文献10】米国特許US20080031802号明細書
【特許文献11】国際公開第2006135439号パンフレット
【特許文献12】カナダ特許第101189373号明細書
【特許文献13】米国特許第7122165号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第20080152573号明細書
【特許文献15】米国特許第7413723号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】S.Iijima、「Nature」、第354巻、第56〜58頁、1991年
【非特許文献2】Bacon等、「J.Appl.Phys.」、第34巻、1960年、第283〜290頁
【非特許文献3】Zhou等、「Science」、第263巻、1994年、第1744〜1747頁
【非特許文献4】Lavin等、「Carbon」、第40巻、2002年、第1123〜1130頁
【非特許文献5】「J.Am.Chem.Soc.」、2003年、第125巻、第9761〜9769頁
【非特許文献6】「Langmuir」、2005年、第21巻、第4185〜4190頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、CNTを、水蒸気をオゾン/酸素混合物中へ導入することにより酸化する新規な方法を開発した。記載した方法は、短い暴露時間および相対的に低い濃度(5重量%未満)のオゾンを必要とするだけであり、潜在的商業用途に有益である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図2】図2は、水蒸気の不存在下(D)でのオゾン処理後のMWCNTのTEM像を示す。
【図3】図3は、水蒸気の存在下(G)でのオゾン処理後のMWCNTのTEM像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、酸素含有基、すなわちカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基等が末端キャップおよび側壁に全て結合しているオゾン処理カーボンナノチューブを提供する。(ナノチューブ表面上に結合した酸素部分の特性評価は、XPSおよびFTIRにより行った。)
【0017】
本発明は、モル基準約1%〜20%官能性酸素処理部分がカーボンナノチューブの表面に結合したオゾン処理カーボンナノチューブを提供する。
【0018】
本発明は、極性無機および有機溶媒中へ分散し易いオゾン処理カーボンナノチューブを提供し、形成された分散体は、数日間安定性である。
【0019】
本発明はまた、単壁カーボンナノチューブ、二重壁カーボンナノチューブ、多壁カーボンナノチューブ、例えば魚の骨または血小板構造におけるカーボンナノファイバー、ならびにグラフェンおよびカーボンブラックを含むカーボンナノチューブのオゾン分解法を包含する。さらに、これらのカーボン構造は、窒素、ホウ素等のようなその黒鉛層におけるヘテロ原子により変性され得る。複数のカーボンナノチューブは、95重量%を越える。カーボンナノチューブは、150nm未満の直径を有する。多壁カーボンナノチューブの長さは、0.1ミクロン〜100ミクロンである。
【0020】
本発明は、カーボンナノチューブをオゾン/酸素混合物へ、水蒸気の存在下で暴露してオゾン処理カーボンナノチューブを形成する工程を含む方法を包含する。
【0021】
本発明の主題は、
a)カーボンナノチューブを反応ゾーン中へ設置する工程、
b)オゾン、酸素および水の混合物を前記カーボンナノチューブへ通過させる工程
を含む酸素/オゾンによる気相中での同時処理によるカーボンナノチューブの官能基化法である。
【0022】
カーボンナノチューブのオゾン/酸素混合物への水蒸気の存在下での暴露は、約200℃までの温度で行う。オゾン/酸素混合物を、カーボンナノチューブが供給される垂直反応器へ、カーボンナノチューブ1g当たり約100L/時〜約1000L/時の流速で連続的に通過させる。 カーボンナノチューブの暴露条件は、垂直反応室において約0.1%〜100%の相対湿度である。カーボンナノチューブのオゾン分解の時間は、120分以下である。
【0023】
本発明のオゾン処理カーボンナノチューブおよびその製造方法は、現在の技術を越える幾つかの優位性を提供する。例えば高い温度(200〜600℃)または極めて低い温度(−95℃〜−55℃)における、カーボンナノチューブのオゾン分解中の厳しい温度を必要とする他の方法とは異なって、本発明は、カーボンナノチューブの極めて穏やかなオゾン分解処理をほぼ室温にて提供する。
【0024】
さらに、オゾン分解が純粋オゾンまたは高いオゾン濃度を必要とする現在の技術とは異なって、本発明は、酸素部分を有するカーボンナノチューブを低オゾン濃度下で官能基化する方法を提供する。
【0025】
さらに、オゾン分解がカーボンナノチューブのオゾン酸化剤への長い暴露時間を必要とする現在の方法とは異なって、本発明は、約30分のみ必要とする、カーボンナノチューブをオゾン/酸素混合物で水蒸気の存在下で処理する方法を提供する。
【0026】
オゾン分解は、カーボンナノチューブを設置する底部に金属スクリーンを有する垂直反応器室中で行った。概して、流速は、0〜1000L/時に調節することができ、オゾン濃度は、0〜10%のガス混合物の範囲である。湿度(相対湿度)は、好ましくは0〜90%に調節することができる。水蒸気が存在する例では、相対湿度は、少なくとも50%相対湿度となるように調節した。
【0027】
本発明は、表面に、側壁および末端キャップのいずれにも結合した高度の酸素含有部分を有するオゾン処理カーボンナノチューブに関する。
【0028】
本発明のカーボンナノチューブは、円筒形態の黒鉛シートのことである。カーボンナノチューブの側壁は、黒鉛シートの外側表面であり、カーボンナノチューブの末端キャップは、カーボンナノチューブの一方の端または両端上の半球キャップである。本発明のカーボンナノチューブは、半導電性カーボンナノチューブまたは金属導電性ナノチューブであってよい。
【0029】
好ましくは、高純度でのカーボンナノチューブを、本発明に用いる。ここで、純度とは、カーボンナノチューブと任意の汚染物質、例えば金属残渣および非晶質不純物等との混合物におけるカーボンナノチューブの割合のことである。本発明では、カーボンナノチューブの純度は、95%を越え、好ましくは98%を越える。
【0030】
本発明のカーボンナノチューブは、単壁カーボンナノチューブ(SWCNT)または二重壁カーボンナノチューブ(DWCNT)または多壁カーボンナノチューブ(MWCNT)である。これらは、魚の骨または血小板構造またはグラフェンまたは黒鉛シートにおけるカーボンナノファイバーであってもよい。これらの構造の全ては、黒鉛層において窒素、ホウ素等のようなヘテロ原子を含み得る。
【0031】
本発明によるカーボンナノチューブは、円筒型、スクロール型またはオニオン型構造に基づく全ての単壁または多壁カーボンナノチューブ構造を含む。好ましいのは、円筒型またはスクロール型の多壁カーボンナノチューブまたはこれらの混合物である。
【0032】
好ましくは、5より大きい、より好ましくは100より大きい長さと直径の割合を有するカーボンナノチューブを用いる。
【0033】
より好ましくは、凝集体の形態でのカーボンナノファイバーを用い、該凝集体は、0.05〜5mm、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1mmの範囲での平均径を有する。
【0034】
カーボンナノチューブの平均径は、3〜100nm、好ましくは5〜80nm、特に好ましくは6〜60nmである。
【0035】
単一連続または不連続のグラフェン層を有する文献に記載の先行技術のCNTとは対照的に、カーボンの新規な形態では、複数のグラフェン層が組み合わさって丸くなった形態(マルチスクロール型)である積み重なりを形成する。このようなカーボンナノチューブおよびカーボンチューブ凝集体は、例えば公式出願番号102007044031.8を有する未公開独国特許出願の主題である(CNTおよびその製造に関するその内容はここに本出願の開示として含まれる)。このCNT構造は、構造について、単壁円筒状カーボンナノチューブ(円筒状SWNT)に対する多壁円筒状モノカーボンナノチューブ(円筒状MWNT)のように単純スクロール型の既知のカーボンナノチューブに対して振る舞う。
【0036】
先行技術においてなお記載されることがあるオニオン型構造とは異なって、新規なカーボンナノチューブにおける個々のグラフェンまたは黒鉛層は、断面から見た場合、明らかに、CNTの中心から外縁に途切れることなく連続的に伸びる。これは、例えば、単純スクロール構造を有するCNT(Carbon 34、1996年、第1301〜1303頁)またはオニオン型構造を有するCNT(Science 263、1994年、第1744〜1747頁)と比較して、より開放した端が挿入のための入り口ゾーンとして利用可能であるので、他の物質の管状構造中への、向上したより速い挿入を可能とすることができる。
【0037】
カーボンナノチューブの製造のために今日知られている方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法および触媒法が挙げられる。これらの方法の多くにおいて、カーボンブラック、非晶質炭素および大径を有する繊維が副生成物として形成される。触媒法の場合、担持触媒粒子上の堆積物とインサイチュで形成されるナノメーター範囲の直径を有する金属中心の堆積物とを区別することができる(いわゆる流れ法)。反応条件下でガス状である炭化水素からの炭素の触媒的堆積による製造の場合(以下、CCVD;触媒的炭素蒸着)、アセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼンおよび更なる炭素含有出発物質が可能性のある炭素供与体として挙げられる。好ましくは、触媒法により得られるCNTを用いる。
【0038】
一般に、触媒は、金属、金属酸化物または分解性もしくは還元性金属成分を含む。例えばFe、Mo、Ni、V、Mn、Sn、Co、Cu等が金属として先行技術に記載される。ほとんどの個々の金属は、ナノチューブを形成する傾向を有するが、高収率および非晶質炭素の低含有量が先行技術に従って、上記金属の組合せを含有する金属触媒を用いて有利に達成される。好ましくは、混合触媒を用いて得られるCNTを用いる。
【0039】
CNTの合成のための特に有利な触媒系は、系列Fe、Co、Mn、MoおよびNiからの2以上の元素を含有する金属または金属化合物の組み合わせに基づく。
【0040】
カーボンナノチューブの形成および形成されたチューブの特性は、触媒として用いる金属成分または複数の金属成分の組合せ、用いる担体材料、および触媒と担体との間の相互作用、出発物質ガスおよび分圧、水素またはさらなるガスの添加、反応温度および滞留時間または用いる反応器について複雑な様式において依存性を有する。
【0041】
本発明の好ましい実施態様は、WO2006/050903A2に従う方法により製造されるカーボンナノチューブの使用である。
【0042】
異なった触媒を用いる上記の全ての異なった方法では、異なった構造のカーボンナノチューブが製造され、これは、該方法から、通常、カーボンナノチューブ凝集体の形態で得られる。
【0043】
本発明にとって、好適なカーボンナノチューブは、以下の文献に記載されている方法により得られる:
【0044】
100nm未満の直径を有するカーボンナノチューブの製造は、EP205556B1に初めて記載された。この場合、該製造は、軽質(すなわち、短鎖および中鎖脂肪族または単核または二核芳香族)炭化水素および鉄系触媒が用いて行われ、これによって炭素担体化合物は、800℃超〜900℃の温度にて分解される。
【0045】
WO86/03455A1には、3.5〜70nmの一定直径、100を越えるアスペクト比(長さと直径の比)およびコア領域を有する円筒構造を有するカーボンフィラメントの製造が記載されている。これらのフィブリルは、多くの配向炭素原子の連続層からなり、これらはフィブリルの円筒軸の周りに同心円上に配置されている。これらの円筒状ナノチューブは、CVD法によって炭素含有化合物から金属含有粒子を用いて850℃〜1200℃の温度で製造された。
【0046】
また、円筒構造を有する従来法によるカーボンナノチューブの製造に適している触媒の製造のための方法が、WO2007/093337A2から知られ始めている。この触媒を固定床において用いる場合、5〜30nmの範囲での直径を有する円筒形カーボンナノチューブの比較的高い収率が得られる。
【0047】
円筒カーボンナノチューブの完全に異なった製造方法は、Oberlin、EndoおよびKoyamによって記載されている(Carbon 14、1976年、第133頁)。これにより、芳香族炭化水素、例えばベンゼン等を、金属触媒上で反応させる。得られるカーボンチューブは、グラファイト的にほとんど配向していない炭素がさらに存在する、ほぼ触媒粒子の直径を有する特定のグラファイト中空コアを呈する。該グラファイトコアが、急速触媒成長によりまず形成され、次いでさらなる炭素が熱分解により堆積すると推定されている。チューブ全体は、高温(2500℃〜3000℃)での処理によってグラファイト化することができる。
【0048】
現在、上記方法(アーク放電、噴霧熱分解またはCVD)のほとんどは、カーボンナノチューブの製造に用いられる。しかしながら、単壁円筒形カーボンナノチューブの製造は、装置について極めて高価であり、既知の方法により、極めて遅い形成速度で、しばしば多くの二次反応をも伴って進行し、これは、高い割合の望ましくない不純物を生じさせ、すなわち、このような方法の収率は比較的低い。このため、このようなカーボンナノチューブの製造は今日でも未だ極めて費用がかかり、これらは主に、少量で高度に専門化された用途にのみ用いられる。しかしながら、その使用はまた、本発明について考えられるが、円筒またはスクロール型の多壁カーボンナノチューブの使用より好ましくない。
【0049】
現在、多壁カーボンナノチューブの製造は、入れ子になった途切れのない円筒形チューブの形態またはスクロールまたはオニオン型構造の形態で、商業的に大量に触媒法を用いて行われている。これらの方法は、通常、アーク放電法または他の既知の方法より高い生産性をもたらし、典型的には、キログラム範囲で、すなわち1日あたり数kgの製造で行われている。このような方法から得られるカーボンナノチューブは、通常、単壁カーボンナノチューブより費用効率が高く、従って、種々の物質中で生成物特性の強化のための添加剤として用いられる。本発明は、モル比での約2%〜10%官能性酸素化部分がカーボンナノチューブの表面に結合したオゾン処理カーボンナノチューブを提供する。カーボンナノチューブの表面に結合した酸素含有部分の量は、高分解能XPSスペクトルによって曲線の当てはめにより分析され、および表面上の官能性酸素化部分の割合により定義される。
【0050】
本発明は、幾つかの極性無機および有機溶媒中へ分散し易いオゾン処理カーボンナノチューブを提供し、形成された分散体は、数日間安定性である。該極性溶媒は、好ましくは水およびジメチルホルムアミド(DMF)である。
【0051】
本発明は、カーボンナノチューブのオゾン分解法を提供する。該方法は、カーボンナノチューブを、オゾン/酸素混合物へ、水蒸気の存在下で暴露してオゾン処理カーボンナノチューブを形成する工程を含む方法を包含する。該暴露は、オゾン分解反応を生じさせる。該オゾン分解反応は、好ましくは垂直反応器、より好ましくは移動床または流動床において、ガス供給物として酸素を用いることにより一般的なオゾン発生器により発生させる連続オゾン/酸素混合物流により行う。
【0052】
オゾン/酸素および水混合物は、好ましくは、カーボンナノチューブが供給される垂直反応器へ連続的に通過させ、該流速は、約100L/時〜約1000L/時、好ましくは約100L/時〜約200L/時である。
【0053】
オゾン/酸素混合物におけるオゾンの量は、混合物中のオゾンの重量パーセントを定義することにより表すことができる。好ましくは、カーボンナノチューブの暴露は、1体積%〜約11体積%のオゾンの割合を含むオゾン/酸素混合物を用いて行う。
【0054】
好ましくは、カーボンナノチューブのオゾン/酸素混合物への暴露は、水蒸気の存在下で行う。暴露条件は、特に垂直反応室において、反応ゾーンにおいて100%まで、好ましくは少なくとも10%〜100%まで、特に好ましくは10%〜90%の水蒸気の相対湿度を含む。
【0055】
カーボンナノチューブのオゾン/酸素混合物への水蒸気の存在下での暴露は、少なくとも200℃の温度で行う。好ましくは、カーボンナノチューブを、オゾン/酸素混合物と、水蒸気の存在下で、少なくとも120℃、より好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは10〜60℃、特に好ましくは20〜50℃の反応ゾーンにおける温度で接触させる。
【0056】
カーボンナノチューブのオゾン分解の反応時間は、120分まで、好ましくは60分まで、より好ましくは30分までである。
【0057】
本発明の他の主題は、カーボンナノチューブが少なくとも20%−COOH基を有し、−COOH基に対する遊離−C=O基の割合が少なくとも1〜1.3、好ましくは少なくとも1〜1.4であることを特徴とする、化学基を含有する酸素で官能基化されたカーボンナノチューブ材料である。
【0058】
好ましいカーボンナノチューブ材料は、上記の本発明による方法を行うことにより得られる。
【0059】
本発明のさらなる主題は、電気伝導性添加剤、および/またはポリマー材料における、好ましくはポリエステル、ポリウレタンまたはエポキシ樹脂における機械的強化材としての新規なカーボンナノチューブ材料の使用である。
【0060】
本発明の他の主題は、セメントまたはコンクリート材料における添加剤としての新規なカーボンナノチューブ材料の使用である。これは、官能基化カーボンナノチューブ材料の増大された分散能に起因する。
【実施例】
【0061】
オゾンを、オゾン発生器(CF−G−3−10g、QinDaoGuoLin Industry Co. LTD、中国)により、酸素をガス供給物として製造した。ガス混合物中のオゾン濃度は、初期酸素流速に強く依存した。一般に、初期ナノチューブの1gを、手製垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物を、反応器室へ室温にて酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50〜90%の範囲で変化した。
【0062】
実施例1
1gの初期多壁カーボンナノチューブを手製垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物ガス(流速200L/時、3重量%のオゾン)を、反応器室へ室温で酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50%〜90%に制御した。該反応を、30分〜120分間行った。
【0063】
フーリエ返還赤外(FTIR)スペクトルを、Perkin Elmer Spectrum One spectrometerにより記録した。ナノチューブを、臭化カリウム(KBr)と共にペレット中へプレスし、2cm−1の分解能にて4000cm−1〜800cm−1スキャンした。
【0064】
FTIRは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、キニーネ基および長アルキル基がナノチューブ表面上に首尾良くグラフト化されている場合、カーボンナノチューブの表面変性を特性化する典型的な方法である。初期カーボンナノチューブについて、1580cm−1でのピークは、表面活性位置に近いナノチューブ骨格における二重結合のν(C=C)の伸長状態に割り当てられる。オゾン処理後、カルボキシル基に関する1720cm−1周辺のピークの強度が増加する。割合I1720/I1580は、表面に結合したカルボキシル基の数について適した尺度である。
【0065】
1170cm−1での広いバンドは、エステルのν(O−C−O)またはカルボン酸のν(C−O)の振動状態に起因する。しかしながら、顕著な差異は、O−MWCNTおよびHO補助O−MWCNTについてのFTIRスペクトル中に見出すことができなかった。実験結果により、オゾン/酸素混合物でのカーボンナノチューブのオゾン分解が、カーボンナノチューブの表面上に酸素含有官能性部分を首尾良く導入したことが確認された。
【0066】
ここで、オゾン処理MWCNTについての酸化水準は、FTIRスペクトルのν(C=O)/ν(C=C)の相対強度により明らかにされた。表1は、FTIRピーク比、すなわちν(C=O)/ν(C=C)の、一定の3重量%オゾン濃度での反応時間についての依存性を示す。オゾン処理MWCNTについて、酸化度は、1.5〜2時間の範囲の反応時間により次第に増加し、次いで安定性となる傾向がある。これは、MWCNTについての酸化度が、表面活性位置により主に制御されることを示す。しかしながら、反応室における水蒸気の存在により、ナノチューブの酸化度は、約5倍の向上を示し、増加傾向は、0.5時間の処理後に完全に停止する。この結果は、水蒸気がMWCNT試料についての酸化進展を促進および強化することができたことを示す。
【0067】
【表1】

【0068】
MWCNTの酸化度についての水の影響の他に、オゾン濃度もまた、MWCNTの酸化度について影響を与える。表2は、ν(C=O)/ν(C=C)のオゾン濃度についての3重量%、5重量%および10重量%での相対強度をそれぞれ示す。MWCNTのν(C=O)/ν(C=C)割合は、オゾン濃度が56.7mg/L〜89.9mg/Lに増加した場合、0.5時間にて0.15から0.39に上昇することがわかった。これは、オゾン濃度の増加が、カーボンナノチューブのオゾン分解をも促進させることができることを示す。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例2
1gの初期多壁カーボンナノチューブを、垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物ガス(流速200L/時、3重量%のオゾン)を、反応器室へ室温で酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50%〜90%に制御した。該反応を、120分間行った。
【0071】
X線光電子分光法(XPS)測定は、ESCALab 220I−XL electron spectrometerを用いて、Mg Kα(1253.6 eV)放射線により行った。
【0072】
オゾン処理前およびオゾン処理後でのMWCNTの表面状態を更に特性化するために、XPS分析を、オゾン処理前およびオゾン処理後にMWCNTについて行った。一般XPSスペクトルから見られる通り、酸素の量はそれぞれ、未処理ナノチューブについてごく僅かであり、酸化CNTのために大きく増強させる。さらに、表3にまとめたC原子に対するO原子の相対強度割合により、初期MWCNT試料についての0.01に相当する、O−MWCNT試料について0.07まで、HO−O−について0.14の増大を確認する。この結果はまた、ν(C=O)/ν(C=C)バンドの相対強度比を向上させる場合にFTIR結果と一致する。
【0073】
【表3】

【0074】
曲線当てはめによる高分解能C1s XPSスペクトルについての定量分析を行い、表面官能基の相対割合を決定した。各スペクトルにおいて、C1sピークから推定される284.7eVでの主ピークは、MWCNTについてのC1s結合エネルギーに割り当てられ、これは黒鉛炭素の特性である。主ピークの肩は、ヒドロキシルカーボンのC1s(286.0eV)、カルボニル炭素のC1s(287.4eV)およびC1sの励起のπ−π遷移のC1s(〜291eV)に寄与する、初期MWCNT試料についての3つのピークから構成される。とりわけ、特徴とされるπ−π遷移バンドは、オゾン処理試料について消滅し、これは、MWCNTに沿った導電性πネットワークが、オゾン分解工程中に崩壊することを示す。
【0075】
この結果は、オゾン分解が、MWCNTの末端キャップだけでなく、側壁に沿っても起こることを示す。さらに、ナノチューブ表面上の官能性酸化部分、すなわちヒドロキシル基、カルボニル基およびカルボキシル基(エステル)の割合は、初期MWCNTについて28%からO−MWCNT試料について45%に向上し、HO−O−MWCNT試料については55%に達する。水蒸気雰囲気に記載の向上した酸化炭素種含有量は、水蒸気促進酸化工程から生じる。このような酸化炭素種の向上した傾向により、オゾン分解が、上述のETIR結果に従う、官能性酸素含有基をナノチューブ表面上で効率的に生成することができることが確認される。
【0076】
実施例3
1gの初期多壁カーボンナノチューブを手製垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物ガス(流速200L/時、3重量%のオゾン)を、反応器室へ室温で酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50%〜90%に制御した。該反応を、120分間進行させた。
【0077】
ナノチューブの表面形態は、電界放出走査型電子顕微鏡(SEM、HITACHI S−4800)および透過型電子顕微鏡(TEM、FEI Tecnai G 20)を用いて特性化した。
【0078】
初期MWCNTは、大きなアスペクト比を示し、ナノチューブ表面は、軸に沿って平滑に見える。ナノチューブをより小さい試験片にカットした少量の酸処理ナノチューブとは対照的に、O−MWCNT試料のナノチューブは、2時間の処理後に、図2に示す初期MWCNT試料とほぼ同じアスペクト比を保持する。図3は、水蒸気の存在下でオゾン/酸素混合ガスで処理したナノチューブのSEM像である。
【0079】
ナノチューブ形態は、顕著に変化し、目に見える粗い表面が、非晶質炭素微粒子により覆われ、これは、オゾン/酸素および水蒸気混合物ガスのカーボンナノチューブの側壁の顕著な酸化作用を示す。部分的に破壊されたナノチューブの側壁は、酸化反応が外壁から始まり、黒鉛シートの連続的エッチングにより内壁にて終了することを示す。
【0080】
図2および図3は、水蒸気の不存在下(D)および存在下(G)でのオゾン処理後のMWCNTのTEM像を示す。
【0081】
実施例4
1gの初期多壁カーボンナノチューブを手製垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物ガス(流速200L/時、3重量%のオゾン)を、反応器室へ室温で酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50%〜90%に制御した。該反応を、120分間進行させた。
【0082】
熱重量分析(ダイアモンド TG/DTA、PE)を用いて試料の熱分解を試験した。実験は、5℃/分の加熱速度で窒素雰囲気下、室温〜900℃にて行った。試験前に、全ての試料を120℃にて真空オーブン中で終夜乾燥させた。窒素等温線を、ASAP 2010 analyzerを用いて計測した。全ての試料を150℃にて6時間試験前に脱気した。
【0083】
ガス流におけるオゾン処理前およびオゾン処理後のMWCNTの熱重量分析(TGA)は、初期MWCNT試料が450℃までの温度にて完全に安定性であり、その後、高温にてゆっくり分解し始め、最後に、900℃に達する温度にて初期重量の約12重量%を失うことを示す。オゾン処理後に、O−MWCNT試料の分解が低温領域にて開始され、これは酸素化基のナノチューブ表面上への非官能基化を示す。
【0084】
官能基化試料の最終重量損失は、約14重量%であり、これは、初期MWCNTの最終重量損失より僅かに多い。初期MWCNTとO−MWCNT試料の間での熱安定性の比較により、カーボンナノチューブの表面形態が、オゾン分解の間にあまりダメージを受けないことが更に確認される。しかしながら、反対に、HO−O−MWCNT試料の深刻な分解は、約300℃の低温にて始まる。初期重量損失は、表面上で官能基の分解から起こり、引き続きの約25重量%の重量損失は、カーボンナノチューブおよび表面上に形成された非晶質炭素が豊富な欠陥位置の分解を示す。
【0085】
実施例5
1gの初期多壁カーボンナノチューブを手製垂直反応器中へ設置した。オゾン/酸素混合物ガス(流速200L/時、3重量%のオゾン)を、反応器室へ室温で酸化工程の間、連続的に通過させた。反応室における湿度は、50%〜90%に制御した。該反応を、60〜120分間進行させた。
【0086】
77Kでの窒素吸着測定を、 ASAP 2020 analyzer (Micromeritics)を用いて行った。約0.1gの試料を、各測定について用いた。試料を、まず、試験前に200℃にて6時間真空引きした。
【0087】
表2に、77KでのN物理吸着により測定したオゾン処理前およびオゾン処理後のカーボンナノチューブ試料についての比面積SBETをまとめた。SBETの約14%増大は、初期チューブに対して2時間処理O−MWCNTについて得られた。概して、比表面積の約30%向上が、酸化酸処理ナノチューブについて得られた。このようなO−MWCNTと酸酸化ナノチューブ試料との間の比表面積についての差異は、オゾンを酸化剤として用いる場合、ナノチューブについて低い官能基化度に寄与する。ナノチューブの比表面積をさらに向上させるために、より多孔質構造をチューブ表面に沿って導入する必要がある。非常に多孔質なナノチューブが、水蒸気を反応室中へ導入した場合に形成される。その結果、比表面積SBETの約47%の向上が初期ナノチューブと比べて得られた。
【0088】
【表4】

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)カーボンナノチューブを反応ゾーン中へ設置する工程、
b)オゾン、酸素および水の混合物を前記カーボンナノチューブへ通過させる工程
を含む、酸素/オゾンによる気相中での同時処理によるカーボンナノチューブの官能基化法。
【請求項2】
オゾン、酸素および水の混合物を、カーボンナノチューブ凝集体へ連続的に通過させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応ゾーンにおける温度は、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも120℃、より好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは10〜60℃であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
カーボンナノチューブのオゾン分解の反応時間は、120分まで、好ましくは60分まで、より好ましくは30分までであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
カーボンナノチューブの暴露を、1体積%〜約11体積%のオゾンの割合を含むオゾン/酸素混合物を用いて行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
オゾン、酸素および水の混合物の流速は、カーボンナノチューブ1g当たり約100L/時〜約1000L/時、好ましくは約100L/時〜約200L/時であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
水蒸気の相対湿度は、反応ゾーンにおいて、100%まで、好ましくは少なくとも10%〜100%まで、特に好ましくは10%〜90%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
カーボンナノチューブの処理b)を、垂直反応室中で行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
カーボンナノチューブの処理b)を、移動床中でまたは流動床中で行うことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
カーボンナノチューブが少なくとも20%−COOH基を有し、−COOH基に対する遊離−C=O基の割合が少なくとも1〜1.3、好ましくは少なくとも1〜1.4であることを特徴とする、化学基を含有する、酸素で官能基化されたカーボンナノチューブ材料。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法により得られる、請求項10に記載のカーボンナノチューブ材料。
【請求項12】
電気伝導性添加剤、および/またはポリマー材料における、好ましくはポリエステル、ポリウレタンまたはエポキシ樹脂における機械的強化材としての、請求項10または11に記載のカーボンナノチューブ材料の使用。
【請求項13】
セメントまたはコンクリート材料における添加剤としての、請求項10または11に記載のカーボンナノチューブ材料の使用。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−520223(P2012−520223A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553320(P2011−553320)
【出願日】平成22年2月27日(2010.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001227
【国際公開番号】WO2010/102733
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】