カーボンナノホーンを用いた空気浄化部材およびフィルタ
フィルタ(400)を、本体(415)上に、脱臭フィルタ(408)、ニコチン除去フィルタ(406)、プレフィルタ(404)および取り付け枠(402)をこの順で積み重ね、固定具(401)で固定した構成とする。ニコチン除去フィルタ(406)は、カーボンナノホーンのシート状成形体とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノホーンを用いた空気浄化部材およびフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康指向にともない、人間が吸い込む空気の浄化、居住空間の空気の清浄化に対する関心が高まりをみせている。空気の汚染の原因となる物質には様々なものがあるが、その一つにたばこの煙がある。
【0003】
たばこの煙の浄化技術については大きく分けて2つの種類がある。その一つは、喫煙者が直接吸引するたばこ煙、すなわち、主流煙を浄化する技術と、喫煙者の周りの人達が吸い込む副流煙を浄化する技術とである。
【0004】
主流煙からニコチンやタールを除去する技術は従来から盛んに検討されており(特許文献1)、こうした成分を除去するフィルタが市販されている。代表的なものとして、繊維質フィルタに粒状の活性炭を分散担持させたチャコールフィルタが挙げられる。チャコールフィルタは、フィルタ製造時にシート状に開繊した捲縮繊維束あるいは紙に対して上方から活性炭を添加した後、シート状から円棒状に集束したものである。
【0005】
ところが、こうしたフィルタでは、上記成分の除去性能は必ずしも充分でなかった。活性炭の添加量を増加させれば除去量も増加するが、この場合、フィルタの通気抵抗が増加することなる。すなわち、所定成分の除去性能と良好な通気抵抗とを両立させることは困難であった。
【0006】
一方、近年では、喫煙者だけでなく、喫煙者の周りの人達の受動喫煙の害や不快感を低減させることについても関心が高まっており、たばこの主流煙だけでなく、副流煙への対策も要望されるようになってきた。空気清浄機は、たばこ副流煙中の所定物質及び臭気を取り除く機能を有し、業務用、家庭用、車載用等に広く使用されている。
【0007】
こうした空気清浄機に用いられるフィルタにも、やはり活性炭が頻用されている(特許文献2)。活性炭は、比較的多種類のガスに効果を示しコストも安価であることから、フィルタ材料として好んで用いられてきた。しかしながら、活性炭を用いた空気清浄機では、充分にたばこのヤニ等を除去することが困難である。また、長期にわたり使用していると、たばこヤニ等の臭い物質が付着し、除去性能が低下することがあった。このような問題を解消するため活性炭の担持量を増加させることも考えられるが、その場合、処理風量が低下し空気清浄機自体の除塵効果が低下する。また、風量低下を補うためにファンの能力を上げて風量を増加すると騒音が増大する等の問題が生じる。
【0008】
特許文献3には、活性炭等に代えカーボンナノチューブを用いた空気清浄フィルタが開示されている。同文献には、カーボンナノチューブを含むフィルタを、半導体製造プロセスに利用されるケミカルフィルタへの適用する技術が記載されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、カーボンナノチューブでは充分な除去性能を得ることは困難であることが判明した。特に、たばこに含まれるニコチンを除去する作用は、充分満足できる水準にはないことが明らかになった。
【0009】
以上のように、従来、たばこの煙に含まれる物質を除去し空気を清浄化する目的で利用されてきたたばこ煙用フィルタは、除去効率の点でなお改善の余地を有していた。
【特許文献1】特開2001−95552号公報
【特許文献2】特開平6−319790号公報
【特許文献3】特開平11−221414号公報
【特許文献4】特開2002−159851号公報
【特許文献5】特開2003−225561号公報
【発明の開示】
【0010】
【0011】
本発明は、空気中に含まれる所定の物質を除去する部材、フィルタを提供することを目的とする。具体的には、空気中の汚染物質等の除去効率の高い空気浄化部材を提供すること、たばこの煙からニコチン等の物質を除去するたばこフィルタを提供することを目的とする。
【0012】
本発明によれば、カーボンナノホーンを含むことを特徴とする空気浄化部材が提供される。
【0013】
また本発明によれば、カーボンナノホーンを含むことを特徴とするたばこフィルタが提供される。
【0014】
本発明は、カーボンナノホーンが空気中の汚染物質、特にニコチンを効果的に除去できるとの新たな知見に基づきなされたものである。本発明によれば、カーボンナノホーンの有する空気中の特定成分の除去能力により、顕著な空気浄化作用が得られる。この浄化作用は、従来技術で述べた活性炭やカーボンナノチューブに比べ顕著に優れている。
【0015】
カーボンナノホーンは、水素等のガスを吸蔵する性質を有し、ガス吸蔵体としての工業的応用が検討された例があった。たとえば特許文献5には、水素ガスなどを吸蔵するエレメントが開示されている(要約等)。このエレメントは、ガス容器内に設置し、水素等の吸蔵に利用される。
【0016】
こうした用途については検討された例があるが、空気の浄化に利用する提案はこれまでなされたことがなかった。
【0017】
本発明におけるカーボンナノホーンの配置については様々な態様をとり得るが、たとえば以下の構成を採用することができる。
(i)カーボンナノホーンが充填された室を備える構成
(ii)空気の通る流路と、該流路中に配して設けられたカーボンナノホーンとを備える構成
(iii)フィルタ構造
(iv)内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置されたカーボンナノホーンとを備える構成
(v)カーボンナノホーンを含む成形シートを具備する構成
【0018】
カーボンナノホーンとは、グラファイトシートにより構成された角(ホーン)状の物質をいう。このカーボンナノホーンが複数集合してウニ状の形態をなすものを、カーボンナノホーン集合体とよぶ。
【0019】
本発明においては、カーボンナノホーンおよびカーボンナノホーン集合体のいずれを用いることもできる。
【0020】
本発明において、空気浄化部材とは、外界の空気から所定の成分を除去して浄化する部材をいい、たばこの煙を含む空気を浄化するものも含む。その形態は特に限定されず、種々のものを用いることができる。たばこフィルタとは、空気浄化部材の一形態であり、たばこの一端に装着して、主煙流中に含まれる所定物質を除去するフィルタをいう。たとえば、ニコチン等の成分を除去し、たばこの煙を含む空気を清浄化するフィルタをいう。
【0021】
本発明によれば、カーボンナノホーンを用いているため、空気中に含まれる所定の物質を効率的に除去することができる。特に、ニコチンの除去作用が顕著であり、たばこ煙フィルタとして好適に適用できる。
【0022】
また、本発明によれば、前記空気浄化部材を含むことを特徴とする空気清浄機が提供される。本発明の空気清浄機は、カーボンナノホーンを含む空気浄化部材を含むため、外界の空気を効率的に清浄化し、外界に還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0024】
【図1】ダリア型カーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図2】ダリア型カーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図3】カーボンナノホーンの製造装置の構成例を示す図である。
【図4】図3に示す製造装置における照射角の定義を説明する図である。
【図5】実施例で得られたカーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図6】実施例で得られたカーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図7】実施の形態に係るたばこ用フィルタの概略構成図である。
【図8】実施の形態に係るたばこフィルタの構成の一例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る空気清浄機の概略構成図である。
【図10】図9に示す空気清浄機に取り付けられたフィルタの構成を示す図である。
【図11】たばこフィルタの性能評価方法を説明するための図である。
【図12】たばこフィルタの性能評価結果を示す図である。
【図13】たばこフィルタの性能評価結果を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明においては、フィルタ材料としてカーボンナノホーンを用いる。以下、カーボンナノホーンについて説明する。
【0026】
[カーボンナノホーン]
カーボンナノホーンは、グラファイトシートにより構成された角(ホーン)状の物質をいう。カーボンナノホーンは、従来、その形態的な特徴から、ダリア型、バッド型(bud:つぼみ)等に分類されてきた。
【0027】
ダリア型のカーボンナノホーンを図1および図2に示す。この構造は、冷却手段を有さない装置を用い、グラファイトロッドをターゲットとして製造されたものである。ダリア型では、図1および図2に示すように、グラファイトシートの重なった密な部分(図中、黒く太い部分)が存在している。また、ホーン構造が重なり合ったり折れ曲がったりしていて、集合体中、多様な形態のホーンが含まれている。
【0028】
一方、バッド型はアモルファス構造によく似た構造となっている。形態的には、集合体からのホーンの突出がほとんどみられない点が特徴となっている。
【0029】
これに対し、最近、本発明者は、これらのいずれとも異なる形状を有するカーボンナノホーンを作製することに成功した。こうした特異な形状を有するカーボンナノホーンを、本発明者らは、カーボンナノベビーフィンガー(以下、適宜「CNBF」という)と称し、従来のカーボンナノホーンと区別している。CNBFは、ナノホーンの一つ一つが独立した形態を保持しており、ダリア型のようなホーン構造の重なりは比較的少なく、バッド型のような凝集した集合体とも異なる形状を有している。
【0030】
カーボンナノホーン集合体のサイズは、ダリア型では、カーボンナノホーン集合体の直径が80〜120nm、バッド型はダリア型に比し10%程度小さいサイズとなる。これに対しCNBFでは、直径50nm以下であり、上記タイプのカーボンナノホーンに比べて小さなサイズを有する。
【0031】
CNBFは、上記したように従来のカーボンナノホーンとは異なる特有の構造を有しており、フィルタ材料として好適に用いることができる。
【0032】
次に、カーボンナノホーンの製造方法について説明する。ここでは、CNBFの製造方法について説明する。
【0033】
[カーボンナノホーンの製造方法]
図3は、カーボンナノホーンの製造装置の一例を示す図である。図3の製造装置は、製造チャンバ107とカーボンナノホーン回収チャンバ119とが回収管155を介して連結した構造となっている。
【0034】
製造チャンバ107の内部には、流量計129を介して不活性ガス供給部127よりアルゴンが導入される。カーボンナノホーンの製造中、アルゴンを所定量、流し続ける。
【0035】
製造チャンバ107内には、ターゲット支持部材116によって支持されたグラファイトロッド101が配置されている。グラファイトロッド101は円筒形状を有し、回転装置115によって回転駆動するようになっている。
【0036】
レーザー光源111から出射したレーザー光103は、ZnSeレンズ123、ZnSe窓113を介してグラファイトロッド101の側面に照射される。ZnSeレンズ123は、レーザー光103を集光する。ZnSe窓113は、製造チャンバ107内にレーザー光103を導く窓である。レーザー光103が照射されたグラファイトロッド101側面からは、炭素が蒸発し、プルーム109が発生する。
【0037】
レーザー光103の照射角は、30°以上60°以下とすることが好ましい。照射角とは、図4に示すように、グラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面において、照射位置と円の中心とを結ぶ線分と、水平面とのなす角と定義する。この照射角を30°以上とすることにより、照射するレーザー光103の反射、すなわち戻り光の発生を防止することができる。また、発生するプルーム109がZnSe窓113を通じてZnSeレンズ123へ直撃することが防止される。このため、ZnSeレンズ123を保護し、またカーボンナノホーン集合体117のZnSe窓113への付着防止に有効である。また、レーザー光103を60°以下で照射することにより、アモルファスカーボンの生成を抑制し、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合、すなわちカーボンナノホーン集合体117の収率を向上させることができる。また、照射角は40°〜50°とすることが特に好ましい。45°近辺の角度で照射することにより、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合をより一層向上させることができる。なお、カーボンナノホーンの収率は、以下のようにして測定することができる。すなわち、カーボンナノホーンを液体中で超音波分散した後、当該液体を試料台上に展開し、TEM観察する。倍率はたとえば3万倍程度とする。外観観察により、カーボンナノホーン構造を有する部分とそうでない部分とが明瞭に区別されるので、それぞれの部分の面積比から収率を測定することができる。
【0038】
回収管155は、プルーム109の発生方向に設けられ、プルーム109の一部を覆うように配設されている。回収管155の形状はここでは円筒状としたが、これに限られず種々のものを用いることができる。蒸発した炭素は、この回収管155を経由してカーボンナノホーン回収チャンバ119に導かれ、カーボンナノホーン集合体117として回収される。
【0039】
ここで、液体窒素151を含む冷却タンク150が回収管155内に配置されている。冷却タンク150は、プルーム109の温度を低く制御するとともに、回収管155を通過する際にカーボン蒸気を冷却する。冷却されたカーボン蒸気は、所望の形状、サイズに制御されたカーボンナノホーン集合体117として回収される。カーボン蒸気の冷却温度は、たとえば−50℃以下、好ましくは−100℃以下とすることができる。こうすることにより、カーボンナノホーン集合体117としてCNBFをより一層安定的に製造することができる。カーボン蒸気を−100℃以下に冷却する場合、たとえば、冷却タンク150に液体窒素151(沸点−196℃)を充填した冷却部により、グラファイトロッド101から発生したカーボン蒸気を、アルゴンの液化する温度(−110℃)まで冷却させることができる。また、冷却温度に特に制限はないが、たとえば、−120℃以上とすることができる。
【0040】
このようにして得られるカーボンナノホーンは、たとえば図5、図6のような形態を有している。図示した観察像は、得られたカーボンナノホーンを所定の分散媒中に分散し、透過型電子顕微鏡により観察したものである。
【0041】
次に、図3の製造装置を用いたカーボンナノホーン集合体117の製造方法について具体的に説明する。図3の製造装置において、グラファイトロッド101として、高純度グラファイト、たとえば丸棒状焼結炭素や圧縮成形炭素等を用いることができる。また、レーザー光103として、たとえば、高出力CO2ガスレーザー光などのレーザー光を用いる。レーザー光103のグラファイトロッド101への照射は、Ar、He等の希ガスをはじめとする反応不活性ガス雰囲気、たとえば103Pa以上105Pa以下の雰囲気中で行う。また、製造チャンバ107内をあらかじめ、たとえば10−2Pa以下に減圧排気した後、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。また、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば20±10kW/cm2となるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
【0042】
レーザー光103の出力は、たとえば3kW以上5kW以下、パルス幅はたとえば、200msec以上2000msec以下、好ましくは750msec以上1250msec以下とする。また、好ましい照射角度は、図4を用いて前述した通りである。照射時のレーザー光103のグラファイトロッド101側面へのスポット径は、たとえば0.5mm以上5mm以下とすることができる。
【0043】
レーザー光103照射時に、回転装置115によってグラファイトロッド101を円周方向に一定速度で回転させる。回転数はたとえば0.05rpm以上50rpm以下とする。
【0044】
図3の装置では、レーザー光103の照射によって得られたすす状物質がカーボンナノホーン回収チャンバ119に回収される構成となっているが、適当な基板上に堆積して回収することや、ダストバッグによる微粒子回収の方法によって回収することもできる。また、不活性ガスを反応容器内で流通させて、不活性ガスの流れによりすす状物質を回収することもできる。
【0045】
図3の装置を用いて得られたすす状物質は、カーボンナノホーン集合体117を主として含む。たとえば、カーボンナノホーン集合体117が90wt%以上含まれる物質として回収される。
【0046】
上記方法によれば、均一なホーン構造を有し、純度の高いカーボンナノホーン集合体を得ることができる。すなわち、上記方法により得られるカーボンナノホーンは、グラファイトシート構造を有する部分がきわめて少なく、デバイス応用上、有利である。
【0047】
また、上記方法により得られるカーボンナノホーンは、従来のものに比べてサイズ、形状が大きく異なる。従来型のカーボンナノホーン構造の代表値の範囲は、軸方向に沿うホーン長さが10〜30nm、軸方向に直交する径の大きさは、6nm以下、代表的には、2〜4nmである。これに対して、上記方法によるカーボンナノホーン構造のホーン長さは、10nm以下、代表的には、2〜5nmで、軸方向に直交する径の大きさは、4nm以下、代表的には1〜2nmである。
【0048】
以上、CNBFを製造する方法を例に挙げて説明した。冷却タンク150等の冷却部材を設けなければ、通常のダリア型、バッド型のカーボンナノホーンを作製することができる。
【0049】
次に、カーボンナノホーンを用いたフィルタについて、図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では特にことわりがない限り「カーボンナノホーン」として「カーボンナノホーン集合体」を用いているが、そのような形態でないものを使用することもできる。
【0050】
(第一の実施の形態)
図7は、本実施の形態に係るたばこ用フィルタの概略構成図である。たばこ用フィルタ210は、本体の一端に差込口208を有する収納部202を備え、この部分にたばこ200を着脱可能に差し込んで保持するように構成されている。他端側には、喫煙者が口に含んでたばこの煙を吸引するための吸引口212が設けられている。収納部202から吸引口212に至る部分は、本体内を通る煙道204により連絡されている。煙道204の途中には、ニコチン除去フィルタ206が設けられている。ニコチン除去フィルタ206の前または後に、他のフィルタを設けても構わない。
【0051】
ニコチン除去フィルタ206は、カーボンナノホーン成形体からなる。カーボンナノホーン成形体は、前述の方法により作製されたカーボンナノホーンを圧縮成形することにより得られる。成形に際し、成形用バインダーを適宜用いることも可能である。
【0052】
カーボンナノホーンとしては、前述したCNBF型、ダリア型、つぼみ型のいずれを用いてもよい。
【0053】
成形用バインダーとしては、有機系バインダーおよび/または無機系バインダーが用いられる。これらは、単独、あるいは2種類以上を用いてもよい。成形用バインダーとしては、有機系バインダーまたは無機系バインダーが用いられ、両者を併用することもできる。これらは、単独、あるいは2種類以上を用いてもよい。有機系バインダーとしては、たとえば、多糖類;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース系化合物;グリセリン、エチレングリコールなどの多価ヒドロキシ化合物等を用いることができる。無機系バインダーとしては、たとえば天然粘土、カオリン、ベントナイト、セピオライト等の粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミナ、シリカ、チタニア等の無機酸化物あるいは無機含水酸化物等があげられる。
【0054】
カーボンナノホーン成形体の製造方法としては種々の方法を採用することができるが、たとえば、カーボンナノホーン原料に、水やアルコールなどの溶剤を必要量加え、混合し、押し出し成形法などで目的の形に成形した後、乾燥し、必要により熱処理を行う方法が挙げられる。
【0055】
図7に戻り、本実施の形態に係るたばこ用フィルタの使用方法について説明する。喫煙時には、図7(a)の状態にあるたばこ200およびたばこ用フィルタ210を一体化し、図7(b)に示すように、たばこ200の一端が収納部202に収納された状態とする。たばこの煙は、煙道204を通過し、次いでニコチン除去フィルタ206を通過することとなる。この結果、喫煙者の体内に摂取されるニコチン量を大幅に低減することができる。
【0056】
(第二の実施の形態)
本実施の形態に係るたばこフィルタの構成を図8に示す。このたばこフィルタは、ニコチン除去フィルタ304と、その前後に配置された繊維質フィルタ302、306からなる。
【0057】
ニコチン除去フィルタ304は、第一の実施の形態で述べたカーボンナノホーン成形体を用いることができる。
【0058】
繊維質フィルタ302、306としては、セルロースアセテートの繊維束あるいは紙からなるフィルタを用いることができる。フィルタ素材は、たとえば、セルロース(フィブリル化されていてもよい木材パルプやリンターパルプなど)、再生セルロース(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)、セルロースエステル、合成高分子(ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などで構成でき、フィルター素材の形態は、繊維やシート又は紙(抄紙構造を有するシートなど)などとすることもできる。好ましいフィルタ素材には、セルロース繊維及び/又はセルロースエステル繊維が含まれ、喫味を向上させるため少なくともセルロースエステル繊維を含む場合が多い。セルロースエステル繊維としては、たとえば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル(たとえば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル);セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などが例示される。これらのセルロースエステル繊維も、単独でまたは二種以上混合して使用できる。
【0059】
(第三の実施の形態)
第一および第二の実施の形態では、フィルタとしてカーボンナノホーンの成形体を用いたが、内部を空気が通過できる基体にカーボンナノホーンを付着させた構成とすることもできる。たとえば、セルロースアセテート繊維などの繊維束にカーボンナノホーンを混入させたものを用いることもできる。この場合、カーボンナノホーンは、バインダーを用いて繊維束に付着させてもよいし、単に繊維束中に混ぜた形態としてもよい。基体の種類は、セルロースアセテート繊維に限定されず、第二の実施の形態で例示したものを用いることができる。また、バインダーとしては、たとえば第一の実施の形態に例示された材料を用いることができる。
【0060】
(第四の実施の形態)
本実施の形態では、空気清浄器のフィルタにカーボンナノホーンフィルタを適用した例について説明する。図9は本実施の形態に係る空気清浄機430の概略構成図である。この空気清浄機430は、本体415の天面にフィルタ400を設けた構造を有している。
【0061】
フィルタ400から吸引されたたばこの煙は、フィルタ400で清浄化された後、ファン420により発生させた気流によって本体415内を移動し、排出口425から清浄機外部へ排出される。
【0062】
フィルタ400は、図10のような構造を有している。すなわち、本体415上に、脱臭フィルタ408、ニコチン除去フィルタ406、プレフィルタ404および取り付け枠402をこの順で積み重ね、固定具401で固定した構成となっている。
【0063】
プレフィルタ404は、空気中の塵埃を除去する。脱臭フィルタ408は、たばこの臭い成分であるアルデヒド類等を吸着し脱臭する。
【0064】
ニコチン除去フィルタ406は、カーボンナノホーンのシート状成形体により構成されている。原料となるカーボンナノホーンは、すでに述べた方法により得ることができ、CNBF型、ダリア型、つぼみ型のいずれを用いてもよい。これらを圧縮成形することによりシート状成形体を得ることができる。成形に際し、適宜バインダーを用いることもできる。利用できるバインダーの種類は第三の実施の形態で例示したものとすることができる。
【0065】
図10において、たばこの煙は、まずプレフィルタ404を通過し、空気中の塵埃が除去される。通過した空気は、次にニコチン除去フィルタ406を通過し、これによりニコチンが除去される。その後、脱臭フィルタ408を経てたばこの臭いが低減され、清浄な空気となる。このようなフィルタ400の作用により、図9に示す空気清浄機430は、たばこの煙を清浄化しきれいな空気を室内に還元する。
【0066】
本発明は、上記実施の形態の説明に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更しても構わない。
【0067】
たとえば、上記実施の形態で使用したカーボンナノホーン成形体に代え、カーボンナノホーン集合体を充填した室を利用することもできる。
【0068】
たとえば、図7におけるニコチン除去フィルタ206は、容器内にカーボンナノホーン集合体を充填した構成とすることもできる。また、図8におけるニコチン除去フィルタ304は、繊維質フィルタ302,306および巻紙によって区画された室にカーボンナノホーン集合体を充填した構成とすることもできる。
【0069】
また、上記実施の形態ではたばこ用フィルタの場合について説明したが、たばこ以外でもニコチンの除去用フィルタとして使用することもできる。たとえば、喫煙室を区画するパーティションに、カーボンナノホーンを含有する空気清浄フィルタをはめ込み、室内の空気を清浄にするシステムを構成することもできる。
【0070】
また、マスクの通気部に本発明に係る空気浄化部材を適用することもできる。すなわち、布体を複数枚重ね合わせて本体部を形成し、その本体部の両側縁部に、保持用のゴム紐を設置することにより形成されるマスクにおいて、本体部を構成する布体にカーボンナノホーンを混入させた構成とすることができる。このようなマスクを用いることにより、塵埃や花粉の侵入はもとより、ニコチン等の経口侵入を抑制できる。
【実施例】
【0071】
実施例1
本実施例では、炭素系材料を清浄化剤として用いたたばこ煙用フィルタの評価を行った。図11に示す装置を用いてたばこの煙を発生させ、その成分の捕集性能を測定した。図11中、環状炉503内にたばこ葉502が配置されている。たばこ葉502の量は約20mgである。環状炉503の周囲にはヒーター501が設置され、これにより、たばこ葉502を清浄空気気中流で燃焼できるようになっている。たばこ葉502から発生した煙成分はサンプリングチューブ506に導かれる。サンプリングチューブ506には、フィルタ材料504および石英ウール505が充填されている。
【0072】
この装置を用い、たばこ煙成分をフィルタに捕集した。捕集量を増やす為に3回繰り返し行った。サンプリングチューブ内の試料の充填長さLは約5mmとした。捕集ガス量は約7.5Lとした。
【0073】
評価対象のフィルタ材料504は、以下のものを準備し、それぞれ評価した。なお、本実施例で評価したカーボンナノホーンは、いずれもカーボンナノホーン集合体の形態を維持した状態のものである。
【0074】
(i)アセチレンブラック
(ii)ケッチェンブラック
(iii)カーボンナノホーン(CNBF)
カーボンナノホーンの形態:カーボンナノベビーフィンガータイプ
ホーンの長さ:40〜50nm
(iv)カーボンナノホーン(ダリア型)
カーボンナノホーンの形態:カーボンナノホーン(ダリア型等)
ホーンの長さ:80nm〜120nm
【0075】
試料に吸着したたばこ成分をジクロロメタンに浸漬して抽出し、ガスクロマトグラフ−質量分析法によって定量を行った。各試料は4mmφ×5mmLの容積に充填してたばこ煙を捕集した。この試験の定量下限値は100μg/gである。図12にニコチン吸着量の試験結果を示す。カーボンナノホーンのニコチン吸着量が顕著に大きいことが明らかになった。
【0076】
実施例2
実施例1と同様にして、炭素系材料を清浄化剤として用いたたばこ煙用フィルタの評価を行った。各試料は4mmφ×5mmLの容積に充填してたばこ煙を捕集した。この試験の定量下限値は100μg/gである。図13に、評価した材料とともにニコチン吸着量の試験結果を示す。カーボンナノホーンのニコチン吸着量が顕著に大きいことが明らかになった。なお、実施例1よりも全般的に大きな値となっているが、これは、吸着させる時間の大小によるものと考えられる。
【0077】
なお、カーボンナノチューブを用いて実施例2と同様の試験を行った。同量の供試量1mgにおいて、その吸着量は繰り返し測定誤差が大きく、かつ、いずれもカーボンナノホーンよりも低い値であり、1900(μg/g)程度であった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノホーンを用いた空気浄化部材およびフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康指向にともない、人間が吸い込む空気の浄化、居住空間の空気の清浄化に対する関心が高まりをみせている。空気の汚染の原因となる物質には様々なものがあるが、その一つにたばこの煙がある。
【0003】
たばこの煙の浄化技術については大きく分けて2つの種類がある。その一つは、喫煙者が直接吸引するたばこ煙、すなわち、主流煙を浄化する技術と、喫煙者の周りの人達が吸い込む副流煙を浄化する技術とである。
【0004】
主流煙からニコチンやタールを除去する技術は従来から盛んに検討されており(特許文献1)、こうした成分を除去するフィルタが市販されている。代表的なものとして、繊維質フィルタに粒状の活性炭を分散担持させたチャコールフィルタが挙げられる。チャコールフィルタは、フィルタ製造時にシート状に開繊した捲縮繊維束あるいは紙に対して上方から活性炭を添加した後、シート状から円棒状に集束したものである。
【0005】
ところが、こうしたフィルタでは、上記成分の除去性能は必ずしも充分でなかった。活性炭の添加量を増加させれば除去量も増加するが、この場合、フィルタの通気抵抗が増加することなる。すなわち、所定成分の除去性能と良好な通気抵抗とを両立させることは困難であった。
【0006】
一方、近年では、喫煙者だけでなく、喫煙者の周りの人達の受動喫煙の害や不快感を低減させることについても関心が高まっており、たばこの主流煙だけでなく、副流煙への対策も要望されるようになってきた。空気清浄機は、たばこ副流煙中の所定物質及び臭気を取り除く機能を有し、業務用、家庭用、車載用等に広く使用されている。
【0007】
こうした空気清浄機に用いられるフィルタにも、やはり活性炭が頻用されている(特許文献2)。活性炭は、比較的多種類のガスに効果を示しコストも安価であることから、フィルタ材料として好んで用いられてきた。しかしながら、活性炭を用いた空気清浄機では、充分にたばこのヤニ等を除去することが困難である。また、長期にわたり使用していると、たばこヤニ等の臭い物質が付着し、除去性能が低下することがあった。このような問題を解消するため活性炭の担持量を増加させることも考えられるが、その場合、処理風量が低下し空気清浄機自体の除塵効果が低下する。また、風量低下を補うためにファンの能力を上げて風量を増加すると騒音が増大する等の問題が生じる。
【0008】
特許文献3には、活性炭等に代えカーボンナノチューブを用いた空気清浄フィルタが開示されている。同文献には、カーボンナノチューブを含むフィルタを、半導体製造プロセスに利用されるケミカルフィルタへの適用する技術が記載されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、カーボンナノチューブでは充分な除去性能を得ることは困難であることが判明した。特に、たばこに含まれるニコチンを除去する作用は、充分満足できる水準にはないことが明らかになった。
【0009】
以上のように、従来、たばこの煙に含まれる物質を除去し空気を清浄化する目的で利用されてきたたばこ煙用フィルタは、除去効率の点でなお改善の余地を有していた。
【特許文献1】特開2001−95552号公報
【特許文献2】特開平6−319790号公報
【特許文献3】特開平11−221414号公報
【特許文献4】特開2002−159851号公報
【特許文献5】特開2003−225561号公報
【発明の開示】
【0010】
【0011】
本発明は、空気中に含まれる所定の物質を除去する部材、フィルタを提供することを目的とする。具体的には、空気中の汚染物質等の除去効率の高い空気浄化部材を提供すること、たばこの煙からニコチン等の物質を除去するたばこフィルタを提供することを目的とする。
【0012】
本発明によれば、カーボンナノホーンを含むことを特徴とする空気浄化部材が提供される。
【0013】
また本発明によれば、カーボンナノホーンを含むことを特徴とするたばこフィルタが提供される。
【0014】
本発明は、カーボンナノホーンが空気中の汚染物質、特にニコチンを効果的に除去できるとの新たな知見に基づきなされたものである。本発明によれば、カーボンナノホーンの有する空気中の特定成分の除去能力により、顕著な空気浄化作用が得られる。この浄化作用は、従来技術で述べた活性炭やカーボンナノチューブに比べ顕著に優れている。
【0015】
カーボンナノホーンは、水素等のガスを吸蔵する性質を有し、ガス吸蔵体としての工業的応用が検討された例があった。たとえば特許文献5には、水素ガスなどを吸蔵するエレメントが開示されている(要約等)。このエレメントは、ガス容器内に設置し、水素等の吸蔵に利用される。
【0016】
こうした用途については検討された例があるが、空気の浄化に利用する提案はこれまでなされたことがなかった。
【0017】
本発明におけるカーボンナノホーンの配置については様々な態様をとり得るが、たとえば以下の構成を採用することができる。
(i)カーボンナノホーンが充填された室を備える構成
(ii)空気の通る流路と、該流路中に配して設けられたカーボンナノホーンとを備える構成
(iii)フィルタ構造
(iv)内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置されたカーボンナノホーンとを備える構成
(v)カーボンナノホーンを含む成形シートを具備する構成
【0018】
カーボンナノホーンとは、グラファイトシートにより構成された角(ホーン)状の物質をいう。このカーボンナノホーンが複数集合してウニ状の形態をなすものを、カーボンナノホーン集合体とよぶ。
【0019】
本発明においては、カーボンナノホーンおよびカーボンナノホーン集合体のいずれを用いることもできる。
【0020】
本発明において、空気浄化部材とは、外界の空気から所定の成分を除去して浄化する部材をいい、たばこの煙を含む空気を浄化するものも含む。その形態は特に限定されず、種々のものを用いることができる。たばこフィルタとは、空気浄化部材の一形態であり、たばこの一端に装着して、主煙流中に含まれる所定物質を除去するフィルタをいう。たとえば、ニコチン等の成分を除去し、たばこの煙を含む空気を清浄化するフィルタをいう。
【0021】
本発明によれば、カーボンナノホーンを用いているため、空気中に含まれる所定の物質を効率的に除去することができる。特に、ニコチンの除去作用が顕著であり、たばこ煙フィルタとして好適に適用できる。
【0022】
また、本発明によれば、前記空気浄化部材を含むことを特徴とする空気清浄機が提供される。本発明の空気清浄機は、カーボンナノホーンを含む空気浄化部材を含むため、外界の空気を効率的に清浄化し、外界に還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0024】
【図1】ダリア型カーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図2】ダリア型カーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図3】カーボンナノホーンの製造装置の構成例を示す図である。
【図4】図3に示す製造装置における照射角の定義を説明する図である。
【図5】実施例で得られたカーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図6】実施例で得られたカーボンナノホーンの構造を示すTEM観察結果を示す図である。
【図7】実施の形態に係るたばこ用フィルタの概略構成図である。
【図8】実施の形態に係るたばこフィルタの構成の一例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る空気清浄機の概略構成図である。
【図10】図9に示す空気清浄機に取り付けられたフィルタの構成を示す図である。
【図11】たばこフィルタの性能評価方法を説明するための図である。
【図12】たばこフィルタの性能評価結果を示す図である。
【図13】たばこフィルタの性能評価結果を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明においては、フィルタ材料としてカーボンナノホーンを用いる。以下、カーボンナノホーンについて説明する。
【0026】
[カーボンナノホーン]
カーボンナノホーンは、グラファイトシートにより構成された角(ホーン)状の物質をいう。カーボンナノホーンは、従来、その形態的な特徴から、ダリア型、バッド型(bud:つぼみ)等に分類されてきた。
【0027】
ダリア型のカーボンナノホーンを図1および図2に示す。この構造は、冷却手段を有さない装置を用い、グラファイトロッドをターゲットとして製造されたものである。ダリア型では、図1および図2に示すように、グラファイトシートの重なった密な部分(図中、黒く太い部分)が存在している。また、ホーン構造が重なり合ったり折れ曲がったりしていて、集合体中、多様な形態のホーンが含まれている。
【0028】
一方、バッド型はアモルファス構造によく似た構造となっている。形態的には、集合体からのホーンの突出がほとんどみられない点が特徴となっている。
【0029】
これに対し、最近、本発明者は、これらのいずれとも異なる形状を有するカーボンナノホーンを作製することに成功した。こうした特異な形状を有するカーボンナノホーンを、本発明者らは、カーボンナノベビーフィンガー(以下、適宜「CNBF」という)と称し、従来のカーボンナノホーンと区別している。CNBFは、ナノホーンの一つ一つが独立した形態を保持しており、ダリア型のようなホーン構造の重なりは比較的少なく、バッド型のような凝集した集合体とも異なる形状を有している。
【0030】
カーボンナノホーン集合体のサイズは、ダリア型では、カーボンナノホーン集合体の直径が80〜120nm、バッド型はダリア型に比し10%程度小さいサイズとなる。これに対しCNBFでは、直径50nm以下であり、上記タイプのカーボンナノホーンに比べて小さなサイズを有する。
【0031】
CNBFは、上記したように従来のカーボンナノホーンとは異なる特有の構造を有しており、フィルタ材料として好適に用いることができる。
【0032】
次に、カーボンナノホーンの製造方法について説明する。ここでは、CNBFの製造方法について説明する。
【0033】
[カーボンナノホーンの製造方法]
図3は、カーボンナノホーンの製造装置の一例を示す図である。図3の製造装置は、製造チャンバ107とカーボンナノホーン回収チャンバ119とが回収管155を介して連結した構造となっている。
【0034】
製造チャンバ107の内部には、流量計129を介して不活性ガス供給部127よりアルゴンが導入される。カーボンナノホーンの製造中、アルゴンを所定量、流し続ける。
【0035】
製造チャンバ107内には、ターゲット支持部材116によって支持されたグラファイトロッド101が配置されている。グラファイトロッド101は円筒形状を有し、回転装置115によって回転駆動するようになっている。
【0036】
レーザー光源111から出射したレーザー光103は、ZnSeレンズ123、ZnSe窓113を介してグラファイトロッド101の側面に照射される。ZnSeレンズ123は、レーザー光103を集光する。ZnSe窓113は、製造チャンバ107内にレーザー光103を導く窓である。レーザー光103が照射されたグラファイトロッド101側面からは、炭素が蒸発し、プルーム109が発生する。
【0037】
レーザー光103の照射角は、30°以上60°以下とすることが好ましい。照射角とは、図4に示すように、グラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面において、照射位置と円の中心とを結ぶ線分と、水平面とのなす角と定義する。この照射角を30°以上とすることにより、照射するレーザー光103の反射、すなわち戻り光の発生を防止することができる。また、発生するプルーム109がZnSe窓113を通じてZnSeレンズ123へ直撃することが防止される。このため、ZnSeレンズ123を保護し、またカーボンナノホーン集合体117のZnSe窓113への付着防止に有効である。また、レーザー光103を60°以下で照射することにより、アモルファスカーボンの生成を抑制し、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合、すなわちカーボンナノホーン集合体117の収率を向上させることができる。また、照射角は40°〜50°とすることが特に好ましい。45°近辺の角度で照射することにより、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合をより一層向上させることができる。なお、カーボンナノホーンの収率は、以下のようにして測定することができる。すなわち、カーボンナノホーンを液体中で超音波分散した後、当該液体を試料台上に展開し、TEM観察する。倍率はたとえば3万倍程度とする。外観観察により、カーボンナノホーン構造を有する部分とそうでない部分とが明瞭に区別されるので、それぞれの部分の面積比から収率を測定することができる。
【0038】
回収管155は、プルーム109の発生方向に設けられ、プルーム109の一部を覆うように配設されている。回収管155の形状はここでは円筒状としたが、これに限られず種々のものを用いることができる。蒸発した炭素は、この回収管155を経由してカーボンナノホーン回収チャンバ119に導かれ、カーボンナノホーン集合体117として回収される。
【0039】
ここで、液体窒素151を含む冷却タンク150が回収管155内に配置されている。冷却タンク150は、プルーム109の温度を低く制御するとともに、回収管155を通過する際にカーボン蒸気を冷却する。冷却されたカーボン蒸気は、所望の形状、サイズに制御されたカーボンナノホーン集合体117として回収される。カーボン蒸気の冷却温度は、たとえば−50℃以下、好ましくは−100℃以下とすることができる。こうすることにより、カーボンナノホーン集合体117としてCNBFをより一層安定的に製造することができる。カーボン蒸気を−100℃以下に冷却する場合、たとえば、冷却タンク150に液体窒素151(沸点−196℃)を充填した冷却部により、グラファイトロッド101から発生したカーボン蒸気を、アルゴンの液化する温度(−110℃)まで冷却させることができる。また、冷却温度に特に制限はないが、たとえば、−120℃以上とすることができる。
【0040】
このようにして得られるカーボンナノホーンは、たとえば図5、図6のような形態を有している。図示した観察像は、得られたカーボンナノホーンを所定の分散媒中に分散し、透過型電子顕微鏡により観察したものである。
【0041】
次に、図3の製造装置を用いたカーボンナノホーン集合体117の製造方法について具体的に説明する。図3の製造装置において、グラファイトロッド101として、高純度グラファイト、たとえば丸棒状焼結炭素や圧縮成形炭素等を用いることができる。また、レーザー光103として、たとえば、高出力CO2ガスレーザー光などのレーザー光を用いる。レーザー光103のグラファイトロッド101への照射は、Ar、He等の希ガスをはじめとする反応不活性ガス雰囲気、たとえば103Pa以上105Pa以下の雰囲気中で行う。また、製造チャンバ107内をあらかじめ、たとえば10−2Pa以下に減圧排気した後、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。また、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば20±10kW/cm2となるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
【0042】
レーザー光103の出力は、たとえば3kW以上5kW以下、パルス幅はたとえば、200msec以上2000msec以下、好ましくは750msec以上1250msec以下とする。また、好ましい照射角度は、図4を用いて前述した通りである。照射時のレーザー光103のグラファイトロッド101側面へのスポット径は、たとえば0.5mm以上5mm以下とすることができる。
【0043】
レーザー光103照射時に、回転装置115によってグラファイトロッド101を円周方向に一定速度で回転させる。回転数はたとえば0.05rpm以上50rpm以下とする。
【0044】
図3の装置では、レーザー光103の照射によって得られたすす状物質がカーボンナノホーン回収チャンバ119に回収される構成となっているが、適当な基板上に堆積して回収することや、ダストバッグによる微粒子回収の方法によって回収することもできる。また、不活性ガスを反応容器内で流通させて、不活性ガスの流れによりすす状物質を回収することもできる。
【0045】
図3の装置を用いて得られたすす状物質は、カーボンナノホーン集合体117を主として含む。たとえば、カーボンナノホーン集合体117が90wt%以上含まれる物質として回収される。
【0046】
上記方法によれば、均一なホーン構造を有し、純度の高いカーボンナノホーン集合体を得ることができる。すなわち、上記方法により得られるカーボンナノホーンは、グラファイトシート構造を有する部分がきわめて少なく、デバイス応用上、有利である。
【0047】
また、上記方法により得られるカーボンナノホーンは、従来のものに比べてサイズ、形状が大きく異なる。従来型のカーボンナノホーン構造の代表値の範囲は、軸方向に沿うホーン長さが10〜30nm、軸方向に直交する径の大きさは、6nm以下、代表的には、2〜4nmである。これに対して、上記方法によるカーボンナノホーン構造のホーン長さは、10nm以下、代表的には、2〜5nmで、軸方向に直交する径の大きさは、4nm以下、代表的には1〜2nmである。
【0048】
以上、CNBFを製造する方法を例に挙げて説明した。冷却タンク150等の冷却部材を設けなければ、通常のダリア型、バッド型のカーボンナノホーンを作製することができる。
【0049】
次に、カーボンナノホーンを用いたフィルタについて、図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では特にことわりがない限り「カーボンナノホーン」として「カーボンナノホーン集合体」を用いているが、そのような形態でないものを使用することもできる。
【0050】
(第一の実施の形態)
図7は、本実施の形態に係るたばこ用フィルタの概略構成図である。たばこ用フィルタ210は、本体の一端に差込口208を有する収納部202を備え、この部分にたばこ200を着脱可能に差し込んで保持するように構成されている。他端側には、喫煙者が口に含んでたばこの煙を吸引するための吸引口212が設けられている。収納部202から吸引口212に至る部分は、本体内を通る煙道204により連絡されている。煙道204の途中には、ニコチン除去フィルタ206が設けられている。ニコチン除去フィルタ206の前または後に、他のフィルタを設けても構わない。
【0051】
ニコチン除去フィルタ206は、カーボンナノホーン成形体からなる。カーボンナノホーン成形体は、前述の方法により作製されたカーボンナノホーンを圧縮成形することにより得られる。成形に際し、成形用バインダーを適宜用いることも可能である。
【0052】
カーボンナノホーンとしては、前述したCNBF型、ダリア型、つぼみ型のいずれを用いてもよい。
【0053】
成形用バインダーとしては、有機系バインダーおよび/または無機系バインダーが用いられる。これらは、単独、あるいは2種類以上を用いてもよい。成形用バインダーとしては、有機系バインダーまたは無機系バインダーが用いられ、両者を併用することもできる。これらは、単独、あるいは2種類以上を用いてもよい。有機系バインダーとしては、たとえば、多糖類;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース系化合物;グリセリン、エチレングリコールなどの多価ヒドロキシ化合物等を用いることができる。無機系バインダーとしては、たとえば天然粘土、カオリン、ベントナイト、セピオライト等の粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミナ、シリカ、チタニア等の無機酸化物あるいは無機含水酸化物等があげられる。
【0054】
カーボンナノホーン成形体の製造方法としては種々の方法を採用することができるが、たとえば、カーボンナノホーン原料に、水やアルコールなどの溶剤を必要量加え、混合し、押し出し成形法などで目的の形に成形した後、乾燥し、必要により熱処理を行う方法が挙げられる。
【0055】
図7に戻り、本実施の形態に係るたばこ用フィルタの使用方法について説明する。喫煙時には、図7(a)の状態にあるたばこ200およびたばこ用フィルタ210を一体化し、図7(b)に示すように、たばこ200の一端が収納部202に収納された状態とする。たばこの煙は、煙道204を通過し、次いでニコチン除去フィルタ206を通過することとなる。この結果、喫煙者の体内に摂取されるニコチン量を大幅に低減することができる。
【0056】
(第二の実施の形態)
本実施の形態に係るたばこフィルタの構成を図8に示す。このたばこフィルタは、ニコチン除去フィルタ304と、その前後に配置された繊維質フィルタ302、306からなる。
【0057】
ニコチン除去フィルタ304は、第一の実施の形態で述べたカーボンナノホーン成形体を用いることができる。
【0058】
繊維質フィルタ302、306としては、セルロースアセテートの繊維束あるいは紙からなるフィルタを用いることができる。フィルタ素材は、たとえば、セルロース(フィブリル化されていてもよい木材パルプやリンターパルプなど)、再生セルロース(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)、セルロースエステル、合成高分子(ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などで構成でき、フィルター素材の形態は、繊維やシート又は紙(抄紙構造を有するシートなど)などとすることもできる。好ましいフィルタ素材には、セルロース繊維及び/又はセルロースエステル繊維が含まれ、喫味を向上させるため少なくともセルロースエステル繊維を含む場合が多い。セルロースエステル繊維としては、たとえば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル(たとえば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル);セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などが例示される。これらのセルロースエステル繊維も、単独でまたは二種以上混合して使用できる。
【0059】
(第三の実施の形態)
第一および第二の実施の形態では、フィルタとしてカーボンナノホーンの成形体を用いたが、内部を空気が通過できる基体にカーボンナノホーンを付着させた構成とすることもできる。たとえば、セルロースアセテート繊維などの繊維束にカーボンナノホーンを混入させたものを用いることもできる。この場合、カーボンナノホーンは、バインダーを用いて繊維束に付着させてもよいし、単に繊維束中に混ぜた形態としてもよい。基体の種類は、セルロースアセテート繊維に限定されず、第二の実施の形態で例示したものを用いることができる。また、バインダーとしては、たとえば第一の実施の形態に例示された材料を用いることができる。
【0060】
(第四の実施の形態)
本実施の形態では、空気清浄器のフィルタにカーボンナノホーンフィルタを適用した例について説明する。図9は本実施の形態に係る空気清浄機430の概略構成図である。この空気清浄機430は、本体415の天面にフィルタ400を設けた構造を有している。
【0061】
フィルタ400から吸引されたたばこの煙は、フィルタ400で清浄化された後、ファン420により発生させた気流によって本体415内を移動し、排出口425から清浄機外部へ排出される。
【0062】
フィルタ400は、図10のような構造を有している。すなわち、本体415上に、脱臭フィルタ408、ニコチン除去フィルタ406、プレフィルタ404および取り付け枠402をこの順で積み重ね、固定具401で固定した構成となっている。
【0063】
プレフィルタ404は、空気中の塵埃を除去する。脱臭フィルタ408は、たばこの臭い成分であるアルデヒド類等を吸着し脱臭する。
【0064】
ニコチン除去フィルタ406は、カーボンナノホーンのシート状成形体により構成されている。原料となるカーボンナノホーンは、すでに述べた方法により得ることができ、CNBF型、ダリア型、つぼみ型のいずれを用いてもよい。これらを圧縮成形することによりシート状成形体を得ることができる。成形に際し、適宜バインダーを用いることもできる。利用できるバインダーの種類は第三の実施の形態で例示したものとすることができる。
【0065】
図10において、たばこの煙は、まずプレフィルタ404を通過し、空気中の塵埃が除去される。通過した空気は、次にニコチン除去フィルタ406を通過し、これによりニコチンが除去される。その後、脱臭フィルタ408を経てたばこの臭いが低減され、清浄な空気となる。このようなフィルタ400の作用により、図9に示す空気清浄機430は、たばこの煙を清浄化しきれいな空気を室内に還元する。
【0066】
本発明は、上記実施の形態の説明に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更しても構わない。
【0067】
たとえば、上記実施の形態で使用したカーボンナノホーン成形体に代え、カーボンナノホーン集合体を充填した室を利用することもできる。
【0068】
たとえば、図7におけるニコチン除去フィルタ206は、容器内にカーボンナノホーン集合体を充填した構成とすることもできる。また、図8におけるニコチン除去フィルタ304は、繊維質フィルタ302,306および巻紙によって区画された室にカーボンナノホーン集合体を充填した構成とすることもできる。
【0069】
また、上記実施の形態ではたばこ用フィルタの場合について説明したが、たばこ以外でもニコチンの除去用フィルタとして使用することもできる。たとえば、喫煙室を区画するパーティションに、カーボンナノホーンを含有する空気清浄フィルタをはめ込み、室内の空気を清浄にするシステムを構成することもできる。
【0070】
また、マスクの通気部に本発明に係る空気浄化部材を適用することもできる。すなわち、布体を複数枚重ね合わせて本体部を形成し、その本体部の両側縁部に、保持用のゴム紐を設置することにより形成されるマスクにおいて、本体部を構成する布体にカーボンナノホーンを混入させた構成とすることができる。このようなマスクを用いることにより、塵埃や花粉の侵入はもとより、ニコチン等の経口侵入を抑制できる。
【実施例】
【0071】
実施例1
本実施例では、炭素系材料を清浄化剤として用いたたばこ煙用フィルタの評価を行った。図11に示す装置を用いてたばこの煙を発生させ、その成分の捕集性能を測定した。図11中、環状炉503内にたばこ葉502が配置されている。たばこ葉502の量は約20mgである。環状炉503の周囲にはヒーター501が設置され、これにより、たばこ葉502を清浄空気気中流で燃焼できるようになっている。たばこ葉502から発生した煙成分はサンプリングチューブ506に導かれる。サンプリングチューブ506には、フィルタ材料504および石英ウール505が充填されている。
【0072】
この装置を用い、たばこ煙成分をフィルタに捕集した。捕集量を増やす為に3回繰り返し行った。サンプリングチューブ内の試料の充填長さLは約5mmとした。捕集ガス量は約7.5Lとした。
【0073】
評価対象のフィルタ材料504は、以下のものを準備し、それぞれ評価した。なお、本実施例で評価したカーボンナノホーンは、いずれもカーボンナノホーン集合体の形態を維持した状態のものである。
【0074】
(i)アセチレンブラック
(ii)ケッチェンブラック
(iii)カーボンナノホーン(CNBF)
カーボンナノホーンの形態:カーボンナノベビーフィンガータイプ
ホーンの長さ:40〜50nm
(iv)カーボンナノホーン(ダリア型)
カーボンナノホーンの形態:カーボンナノホーン(ダリア型等)
ホーンの長さ:80nm〜120nm
【0075】
試料に吸着したたばこ成分をジクロロメタンに浸漬して抽出し、ガスクロマトグラフ−質量分析法によって定量を行った。各試料は4mmφ×5mmLの容積に充填してたばこ煙を捕集した。この試験の定量下限値は100μg/gである。図12にニコチン吸着量の試験結果を示す。カーボンナノホーンのニコチン吸着量が顕著に大きいことが明らかになった。
【0076】
実施例2
実施例1と同様にして、炭素系材料を清浄化剤として用いたたばこ煙用フィルタの評価を行った。各試料は4mmφ×5mmLの容積に充填してたばこ煙を捕集した。この試験の定量下限値は100μg/gである。図13に、評価した材料とともにニコチン吸着量の試験結果を示す。カーボンナノホーンのニコチン吸着量が顕著に大きいことが明らかになった。なお、実施例1よりも全般的に大きな値となっているが、これは、吸着させる時間の大小によるものと考えられる。
【0077】
なお、カーボンナノチューブを用いて実施例2と同様の試験を行った。同量の供試量1mgにおいて、その吸着量は繰り返し測定誤差が大きく、かつ、いずれもカーボンナノホーンよりも低い値であり、1900(μg/g)程度であった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノホーンを含むことを特徴とする空気浄化部材。
【請求項2】
請求の範囲第1項に記載の空気浄化部材において、
前記カーボンナノホーンが充填された室を備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項3】
請求の範囲第1項または第2項に記載の空気浄化部材において、
空気の通る流路と、該流路中に配して設けられた前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項4】
請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の空気浄化部材において、
フィルタ構造を有することを特徴とする空気浄化部材。
【請求項5】
請求の範囲第1項乃至第4項いずれかに記載の空気浄化部材において、
内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置された前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項6】
請求の範囲第1項乃至第5項いずれかに記載の空気浄化部材において、
前記カーボンナノホーンを含む成形シートを具備することを特徴とする空気浄化部材。
【請求項7】
請求の範囲第1項乃至第6項いずれかに記載の空気浄化部材において、
カーボンナノホーン集合体を含むことを特徴とする空気浄化部材。
【請求項8】
請求の範囲第1項乃至第7項いずれかに記載の空気浄化部材を具備することを特徴とする空気清浄機。
【請求項9】
カーボンナノホーンを含むことを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項10】
請求の範囲第9項に記載のたばこフィルタにおいて、
カーボンナノホーンが充填された室を備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項11】
請求の範囲第9項または第10項に記載のたばこフィルタにおいて、
空気の通る流路と、該流路中に配して設けられた前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項12】
請求の範囲第9項乃至第11項いずれかに記載のたばこフィルタにおいて、
内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置された前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項13】
請求の範囲第9項乃至第12項いずれかに記載のたばこフィルタにおいて、
カーボンナノホーン集合体を含むことを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項1】
カーボンナノホーンを含むことを特徴とする空気浄化部材。
【請求項2】
請求の範囲第1項に記載の空気浄化部材において、
前記カーボンナノホーンが充填された室を備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項3】
請求の範囲第1項または第2項に記載の空気浄化部材において、
空気の通る流路と、該流路中に配して設けられた前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項4】
請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の空気浄化部材において、
フィルタ構造を有することを特徴とする空気浄化部材。
【請求項5】
請求の範囲第1項乃至第4項いずれかに記載の空気浄化部材において、
内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置された前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とする空気浄化部材。
【請求項6】
請求の範囲第1項乃至第5項いずれかに記載の空気浄化部材において、
前記カーボンナノホーンを含む成形シートを具備することを特徴とする空気浄化部材。
【請求項7】
請求の範囲第1項乃至第6項いずれかに記載の空気浄化部材において、
カーボンナノホーン集合体を含むことを特徴とする空気浄化部材。
【請求項8】
請求の範囲第1項乃至第7項いずれかに記載の空気浄化部材を具備することを特徴とする空気清浄機。
【請求項9】
カーボンナノホーンを含むことを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項10】
請求の範囲第9項に記載のたばこフィルタにおいて、
カーボンナノホーンが充填された室を備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項11】
請求の範囲第9項または第10項に記載のたばこフィルタにおいて、
空気の通る流路と、該流路中に配して設けられた前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項12】
請求の範囲第9項乃至第11項いずれかに記載のたばこフィルタにおいて、
内部に空気が流通することができる基体と、該基体中に配置された前記カーボンナノホーンとを備えることを特徴とするたばこフィルタ。
【請求項13】
請求の範囲第9項乃至第12項いずれかに記載のたばこフィルタにおいて、
カーボンナノホーン集合体を含むことを特徴とするたばこフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【国際公開番号】WO2005/028100
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514032(P2005−514032)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013356
【国際出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/013356
【国際出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]