説明

ガイド環付きテープを備えたカーテン

【課題】本発明は、カーテンの洗濯時にガイド環体が引紐と共に縺れることを防止でき、洗濯後のカーテンにガイド環体を簡単に取付けることができ、更には、外観体裁を良好に保つことができ、耐久性に優れ、製造容易で安価なガイド環付きテープを備えたカーテンの提供を課題とする。
【解決手段】カーテン生地と、その上下方向に設けられる雄スナップと、ガイド環体を雄スナップと対応する雌側テープ基材に列設したガイド環付きテープと、ガイド環体のガイド環に通す引紐を備え、ガイド環体の基体貫通穴内に雄スナップに対応する係止部を有し、雄スナップは雄側テープ基材に列設した雄スナップテープとしてカーテン生地に取着し、ガイド環体の基体貫通穴の内壁周囲の一部に係合段部を設け雄スナップの雄係合子と離脱可能としカーテン生地に取着した雄スナップテープと、引紐を通したガイド環付きテープを着脱可能としたガイド環付きテープを備えたカーテン

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンの引紐をガイドするガイド環を雌側テープ基材上に列設してなるガイド環付きテープと、該ガイド環付きテープに対応する雄スナップテープと、カーテン生地(特には、引紐を備えたローマンシェードタイプのカーテン)とを備えた、ガイド環付きテープを備えたカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ローマンシェードタイプのカーテンは、引紐を引くことによってカーテンを上方へ持ち上げて開放を行うものであり、引紐を円滑に動かすために、カーテンの側縁部等にガイド環付きのスナップを列設する。このガイド環付きのスナップの取付けを、カーテンに直接行うことも現在行われているが、手間がかかるため、長尺のテープ上に一定間隔でスナップボタンを列設した、所謂スナップテープが用いられる。
【0003】
上記スナップテープとしては、例えば、テープ本体の一面に所要の間隔を保って環を起伏自在に付設したテープにおいて、前記環はプラスチックの成型品としてこれにテープ本体の環取付部への取付用嵌合体を備え、テープ本体に形成した環取付部はテープ本体に成型により付設した、雄嵌合体に対応するプラスチック成形の雌嵌合体とし、両嵌合体には嵌合面に、強制離脱可能の係合機構を備えたことを特徴とするカーテン類引き上げ用補助テープ(例えば、特許文献1参照。)が公知である。
【0004】
【特許文献1】実開昭63−27185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に係る発明は、合成樹脂製の雌スナップをテープ上に配列し、これと係合する雄スナップに引紐用ガイド環を形成した構成であり、当該構成は現在においても多用されている。特許文献1に係る構成は、雌スナップをテープ上に配列してあり、カーテン生地を洗濯するとき等には、雌スナップと係合してある全ての引紐用ガイド環を、雌スナップから脱着する必要が生じる。
【0006】
そして、雌スナップから取り外した引紐用ガイド環は、引紐の抜け止めによって引紐から外れることこそないものの、引紐に沿って引紐の最下端まで落下し、複数の引紐用ガイド環が無造作に固まった状態となる。このため、再びカーテン生地に取着された雌スナップに対して引紐用ガイド環の雄係合子を取付けるには、引紐の最下端で固まった引紐用ガイド環を一つずつ引紐の最下端から引上げてから、雌スナップに取付けなければならず、労力を伴うこととなる。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、カーテン生地の洗濯時における引紐とカーテン生地の離脱を容易とし、引紐用ガイド環が引紐と共に縺れることを防止でき、洗濯後のカーテンに引紐用ガイド環を簡単に取付けることができ、更には、外観体裁を良好に保つことができ、耐久性に優れ、製造容易で安価なガイド環付きテープを備えたカーテンの提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カーテン生地と、該カーテン生地の上下方向に設けられる雄スナップと、引紐を通すためのガイド環体を前記雄スナップと対応する雌側テープ基材に列設したガイド環付きテープと、ガイド環体のガイド環に通す引紐を備え、ガイド環体の基体貫通穴内に前記雄スナップに対応する係止部を有する、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、雄スナップは雄側テープ基材に列設した雄スナップテープとして前記カーテン生地に取着し、前記ガイド環体には、基体貫通穴の内壁周囲の一部に係合段部を設けて、前記雄スナップの雄係合子と離脱可能とし、カーテン生地に取着した雄スナップテープと、引紐を通したガイド環付きテープを着脱可能としたことを特徴とするガイド環付きテープを備えたカーテンを、課題を解決するための手段とする。
【0009】
また本発明は、上記発明の構成を前提として、雄スナップの雄係合子の高さ(h)とガイド環体のスナップボタン基体の厚さ寸法(d)とを同一とし、雄係合子と係合段部との係合状態で雄係合子の上端とスナップボタン基体の上端とが同一平面上に配置されることを特徴とするガイド環付きテープを備えたカーテンを、課題を解決するための手段とする。
【0010】
また本発明は、上記いずれかの発明の構成を前提として、ガイド環付きテープの雌側テープ基材は耐熱性合成繊維で形成されるメッシュシートとし、ガイド環体は射出成形によりメッシュシートに固着した構成とした、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、ガイド環体は、基体貫通穴を挟んで対向立設した二本の脚部と、該脚部の上端相互に亘って形成される橋部とからなり、前記基体貫通穴は、ガイド環体のスナップボタン基体の裏面側から貫通してガイド環の紐通し穴を形成した構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載のガイド環付きテープを備えたカーテンガイド環付きテープを備えたカーテンを、課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、カーテン生地と、該カーテン生地の上下方向に設けられる雄スナップと、引紐を通すためのガイド環体を前記雄スナップと対応する雌側テープ基材に列設したガイド環付きテープと、ガイド環体のガイド環に通す引紐を備え、ガイド環体の基体貫通穴内に前記雄スナップに対応する係止部を有する、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、雄スナップは雄側テープ基材に列設した雄スナップテープとして前記カーテン生地に取着し、前記ガイド環体には、基体貫通穴の内壁周囲の一部に係合段部を設けて、前記雄スナップの雄係合子と離脱可能とし、カーテン生地に取着した雄スナップテープと、引紐を通したガイド環付きテープを着脱可能とした構成によって、カーテン生地を洗濯する際に、雄スナップテープの雄側テープ基材とガイド環付きテープの雌側テープ基材を指で摘んで引き離すだけで、カーテン生地に取付けられた雄スナップテープの雄係合子と、ガイド環付きテープの基体貫通穴とを離脱でき、非常に簡単な操作でカーテン生地の取り外しを行うことができる。
【0012】
また、洗濯後、カーテン生地の取付けを行う際には、当該ガイド環付きテープのガイド環が雄側テープ基材に固着されているため、引紐に沿って引紐の最下端まで落下することがなく、常にガイド環付きテープの状態で保持されていることから、一箇所のカーテンに取付けられた雄スナップテープの雄係合子とガイド環付きテープの基体貫通穴を係着すると、他の箇所の雄スナップテープの雄係合子とガイド環付きテープの基体貫通穴が重なる(対応する)位置に位置決めされ、簡単に係着することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の構成に加えて、雄スナップの雄係合子の高さ(h)とガイド環体のスナップボタン基体の厚さ寸法(d)とを同一とし、雄係合子と係合段部との係合状態で雄係合子の上端とスナップボタン基体の上端とが同一平面上に配置される構成としたから、上記請求項1に係る発明の作用効果を得た上で、雄係合子の先端がガイド環の紐通し穴内へ突出させることのない構成とすることができ、引紐の挿通を容易とすることができる。また、雄係合子の先端と引紐が擦れることもないため、雄係合子との係合によって引紐の耐久性を低下させることもない。
【0014】
また請求項3に係る発明によれば、上記請求項1または請求項2に係る発明のいずれかの構成に加えて、ガイド環付きテープの雌側テープ基材は耐熱性合成繊維で形成されるメッシュシートとし、ガイド環体は射出成形によりメッシュシートに固着した構成とした、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、ガイド環体は、基体貫通穴を挟んで対向立設した二本の脚部と、該脚部の上端相互に亘って形成される橋部とからなり、前記基体貫通穴は、ガイド環体のスナップボタン基体の裏面から裏面側から貫通してガイド環の紐通し穴を形成した構成としたから、ガイド環13の紐通し穴を形成するに足りる大きさを確保し、且つ、当該基体貫通穴12が雌係合子として機能することを可能とし、製造容易で安価なガイド環付きテープを備えたカーテンを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、カーテン生地と、該カーテン生地の上下方向に設けられる雄スナップと、引紐を通すためのガイド環体を前記雄スナップと対応する雌側テープ基材に列設したガイド環付きテープと、ガイド環体のガイド環に通す引紐を備え、ガイド環体の基体貫通穴内に前記雄スナップに対応する係止部を有する、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、
雄スナップは雄側テープ基材に列設した雄スナップテープとして前記カーテン生地に取着し、前記ガイド環体には、基体貫通穴の内壁周囲の一部に係合段部を設けて、前記雄スナップの雄係合子と離脱可能とし、カーテン生地に取着した雄スナップテープと、引紐を通したガイド環付きテープを着脱可能とし、
雄スナップの雄係合子の高さ(h)とガイド環体のスナップボタン基体の厚さ寸法(d)とを同一とし、雄係合子と係合段部との係合状態で雄係合子の上端とスナップボタン基体の上端とが同一平面上に配置される構成とし、
ガイド環付きテープの雌側テープ基材は耐熱性合成繊維で形成されるメッシュシートとし、ガイド環体は射出成形によりメッシュシートに固着した構成とした、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、ガイド環体は、基体貫通穴を挟んで対向立設した二本の脚部と、該脚部の上端相互に亘って形成される橋部とからなり、前記基体貫通穴は、ガイド環体のスナップボタン基体の裏面側から貫通してガイド環の紐通し穴を形成した構成としたことを特徴とするガイド環付きテープを備えたカーテンとしたことで、
カーテン生地を洗濯する際に、雄スナップテープ雄側テープ基材とガイド環付きテープの雌側テープ基材を指で摘んで引き離すだけで、カーテン生地に取付けられた雄スナップテープの雄係合子と、ガイド環付きテープの基体貫通穴とを離脱でき、非常に簡単な操作でカーテン生地の取り外しを行え、雄係合子の先端がガイド環の紐通し穴内へ突出させることのない構成とすることができ、引紐の挿通を容易とすることができ、雄係合子の先端と引紐が擦れることもないため、雄係合子との係合によって引紐の耐久性を低下させることもなく、ガイド環付きテープの雌側テープ基材は耐熱性合成繊維で形成されるメッシュシートとし、ガイド環体は射出成形によりメッシュシートに固着した構成とし、ガイド環体は、基体貫通穴を挟んで対向立設した二本の脚部と、該脚部の上端相互に亘って形成される橋部とからなり、前記基体貫通穴は、ガイド環体のスナップボタン基体の裏面側から貫通してガイド環の紐通し穴を形成した構成としたから、ガイド環13の紐通し穴を形成するに足りる大きさを確保し、且つ、当該基体貫通穴12が雌係合子として機能することを可能とし、製造容易で安価なガイド環付きテープを備えたカーテンを実現した。
【実施例】
【0016】
図1は本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるカーテン生地とガイド環付きテープを(1)係着する前の状態を示す斜視図、(2)係着後の状態を示す斜視図、図2は本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンの裏面を表した説明図、図3は同実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンを示す一部拡大断面図、図4は同実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用する当該ガイド環付きテープを示す(1)正面図、(2)背面図、図5は同実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用するガイド環付きテープを示す(1)平面図、(2)右側面図(左側面図は対称につき省略)、図6は図4(1)におけるA−A断面図及びB−B断面図、図7は本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用するガイド環付きテープにおけるガイド環体を示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図、図8は同実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用するガイド環付きテープにおけるガイド環体を示す(1)拡大平面図、(2)拡大右側面図、図9は図7(1)における(1)C−C断面図、(2)D−D断面図である。
図10は実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンのガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す(1)正面図、(2)背面図、図11は同実施例に係るガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す(1)平面図(底面図は平面図と対称につき省略。)(2)右側面図(左側面図は右側面図と対称につき省略。)、図12は本発明の実施例に係るガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す図10(1)における(1)E−E断面図、(2)F−F断面図、図13は同実施例に係る雄スナップテープを示す(1)正面図、(2)背面図、図14は同実施例に係る雄スナップテープを示す(1)平面図(底面図は平面図と対称につき省略。)、及び(2)右側面図(左側面図は右側面図と対称につき省略。)、図15は本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用する図13(1)における雄スナップテープを示す(1)G−G断面図、(2)H−H断面図、図16は本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用するガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図、図17は本発明の実施例に係るガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す(1)拡大平面図(拡大底面図は拡大平面図と対称につき省略。)(2)拡大右側面図(拡大左側面図は拡大右側面図と対称につき省略。)、図18は本発明の実施例に係るガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す図16(1)における(1)拡大J−J断面図、(2)拡大K−K断面図である。図19は本発明の実施例に係る雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図、図20は同実施例に係る雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大平面図(拡大底面図は拡大平面図と対称につき省略。)、(2)拡大右側面図(拡大左側面図は拡大右側面図と対称につき省略。)、図21は同実施例に係る図19(1)における雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大L−L断面図、(2)拡大M−M断面図である。
【0017】
以下、実施例に係る発明は、一般的なローマンシェードカーテン3の上下方向に複数のガイド環体10aを配置する構成である。ガイド環体10aは、基体にガイド環を設けたもので、ガイド環付きテープ1aを有するカーテンを特徴とするものである。
【0018】
以下に示す実施例は、カーテン3において、カーテン生地30に間接的に取着したスナップボタン10bと、ガイド環付きテープ1aのガイド環体10aとを係脱自在とした構成を示すものである。
【0019】
尚、本発明の対象とするカーテンは、引紐を有するカーテンであれば、特にローマンシェードカーテン以外のカーテンであってもよい。また、説明上、符号について、数字の後にaの文字を付記した符号はガイド環付きテープ1aに関するものとし、数字の後にbの文字を付した符号は雄スナップテープ1b若しくはカーテン側に取着されたスナップボタン10bに関するものとしている。
【0020】
本発明の実施例に係るガイド環体を備えたカーテン3は、カーテン生地30に縫着される雄スナップテープ1bと、カーテン生地30には縫着されず、引紐2を取付ける側となるガイド環付きテープ1aとを用いた構成である。
【0021】
本発明の実施例に係るカーテン3に使用するガイド環付きテープは、雌側テープ基材15a上にガイド環体10aを列設した構成を有する。具体的には、無色透明の耐熱性合成繊維のメッシュシートからなる長尺の雌側テープ基材15aに10cm間隔で、貫通穴である位置決め穴150を形成し、雌側テープ基材15aの表裏面における前記位置決め穴の周縁に表裏夫々6本の固定ピンを用いて図示されないスナップ成型用金型を固定し、該スナップ成型用金型内において射出成形を行うことでガイド環体10aを形成する。この際に、耐熱性合成繊維で形成される雌側テープ基材15aの細かいメッシュシートの目の中にガイド環体10aを形成する溶融した樹脂が入り込み、雌側テープ基材15aに対して強固に当該ガイド環体10aが固着形成されてなる。
【0022】
前記ガイド環付きテープ1aにおけるガイド環体10aは、基体11aと該基体上に一体に形成されるガイド環13とからなる。基体11aは、幅約10.5mm、奥行約9mm、厚さ2mm程度の大きさであり、その中央に基体貫通穴12を備えている。
また、前記基体11aの上面に形成されるガイド環13は、基体貫通穴12を挟み対向して立設した高さ3.2mm程度の二本の脚部131と、該脚部131の上端相互に亘って形成される橋部130とからなる。前記基体貫通穴12の内壁において基体11aの下端から1.05mmの位置には、係合段部120を形成してある。係合段部120は内壁の全周囲に亘るものではなく、図9(1)(2)に示すように、内壁周囲の一部に形成している。
【0023】
基体貫通穴12は、本実施例に係るガイド環13を形成するために必要な構成であり、基体貫通穴12が裏面側から金型によって貫通してガイド環13を形成するため、ガイド環13の紐通し穴を形成するに足りる大きさを確保し、且つ、当該基体貫通穴12が雌係合子として機能することを可能とするための構成である。
【0024】
雄スナップテープ1bは、無色透明の耐熱性繊維のメッシュシートから成る長尺の雄側テープ基材15bに10cm間隔で位置決め穴を形成し、該位置決め穴の周縁の表裏面に射出成形を行うことで、雄係合子を有するスナップボタン10bを形成してなる。このため耐熱性合成繊維で形成される雄側テープ基材15bの細かいメッシュシートの目の中に、スナップボタン10bを形成する溶融した樹脂が入り込み、雄側テープ基材15bに対して強固にスナップボタン10bが固着形成される。
【0025】
前記雄係合子を有するスナップボタン10bは、幅約10.5mm、奥行約9mm、厚さ約3mmのスナップボタン基体11bの中央には、該スナップボタン基体11bの上端からの高さが2mmとなる雄係合子14を設けてある。雄係合子14の先端には基端側から先端に至る柱状の基部141よりも幅径の大きい拡径頭部140を形成してある。拡径頭部140の下端位置は、スナップボタン基体11bの上端(雄係合子14の下端)から1.05mmとしてある。
【0026】
実施例においては、ガイド環付きテープ1aにおけるガイド環体10aに引紐2を通し、引紐2の下端が当該ガイド環付きテープ1aの最下端に位置するガイド環体10aに結び付けてある。そして、ガイド環体10aのガイド環13内を連続して通し、カーテン3の上方に配置したガイドローラ4に案内し、昇降ロック機構(図示省略)を介して、最終的に一本に束ねた状態として、他端に引き手5を取付ける構成としている。
【0027】
雄スナップテープ1bとガイド環付きテープ1aの双方の係合子が係着した状態では、カーテン3に引紐2が装着された状態となる。また、雄スナップテープ1bとガイド環付きテープ1aの双方の係合子が脱着した状態で、雄スナップテープ1bの雄側テープ基材15bが縫着されたカーテン3が、引紐2から取り外された状態となる構成である。
【0028】
即ち、本実施例に係るカーテンにおける雄スナップテープ1bのスナップボタン10bの雄係合子14の高さhとガイド環体10aのスナップボタン基体11aの厚さ寸法d(図18(1)参照。)を同一とし且つ雄係合子14が基体貫通穴12に嵌り込んだ状態で係止する構成である。このため、雄スナップテープ1bのスナップボタン10bとガイド環付きテープ1aのガイド環体10aにおけるスナップボタン基体11aとを係合させると、スナップボタン10bの雄係合子14の上端はガイド環体10aのスナップボタン基体11aの上端と同一平面上(所謂面一)に配置される。当該構成によってガイド環体10aに通した引紐は、雄係合子の干渉を受けず、引紐2に対するガイド環体10aの円滑なガイド機能を確保することができる。
【0029】
以上の構成から、本実施例に係るカーテン3は、洗濯時に引紐を解いて外す必要がなく、専ら、スナップボタン10bの雄係合子14とガイド環体10aの雌係合穴として機能する基体貫通穴12とを離脱させることによって、雄スナップテープ1bが縫着されたカーテン生地30をガイド環付きテープ1aから外すことで行なえる。
【0030】
また、カーテン生地30の取付けにおいては、雄スナップテープ1bに列設されるスナップボタン10bの雄係合子14とガイド環付きテープ1aに列設されるガイド環体10aの基体貫通穴12とを係着させることで行える。ガイド環体は引紐に沿って落下することもないから、その取付けも非常に容易に行うことができる。
【0031】
基体貫通穴の内壁面の少なくとも一部に係合段部を形成したことによって、基体貫通穴が雌係合穴として機能する際に、対応する雄係合子との係止部を前記係合段部とすることで、雄係合子の先端がガイド環の紐通し穴内へ突出させることのない構成とすることができ、引紐の挿通を容易とすることができる。また、雄係合子の先端と引紐が擦れることもないため、雄係合子との係合によって引紐の耐久性を低下させることもない。
【0032】
また、本実施例においては、雌側テープ基材15a、雄側テープ基材15bは透明のメッシュ地としたことから、カーテン3に取着した状態で、雌側テープ基材15a、雄側テープ基材15bを透過してカーテン3が視認できるため、雌側テープ基材15aが非常に目立ちにくくなり、美観を向上させることができる。また、この効果は、カーテン3がレース編みのカーテン3であることで、更に顕著なものとすることができる。
【0033】
尚、本実施例においては、雌側テープ基材15a、雄側テープ基材15bに列設したテープ貫通穴に対して、基体と該基体の表面側に一体となるガイド環を備えてなるガイド環体を、射出成形によって形成してなり、前記基体には基体貫通穴を形成したことを特徴とするガイド環付きテープとしたことで、非常に容易且つ安価に、基体の表側にガイド環を形成することができる
【0034】
尚、本発明は、例えば、本発明に係るガイド環体10aのカーテン3に対する取付構造及びこれに用いる雄スナップテープにおいて、スナップボタン10b及びガイド環体10aの大きさ、細部形状、当該スナップボタン10b及びガイド環体10aの間隔、雌側テープ基材15a、雄側テープ基材15bの厚さ、幅、長さ等は対象となるカーテンの大きさ、厚さ、柄等の事項に合わせて自由に設定することができる。
【0035】
また、カーテン生地30に対して雄スナップテープ1bを取着するに際して、本実施例では縫着により取着したが、縫着に代えて、接着、溶着等により取着することができる。
【0036】
更に、本発明における雌側テープ基材15a、雄側テープ基材15bは、実施例において無色透明としたが、有色透明とすることができる。色彩は、カーテンの色柄に合わせたものを適宜選択することで、メッシュシートの目から透過するカーテンの色柄と、該カーテンの色彩と同系色の透明のメッシュシートによって、各テープ基材15a、15bを目立たなくさせることができる。
【0037】
また、基体貫通穴の形状、雄係合子の形状についても上記実施例に限定されるものではなく、例えば、基体貫通穴は係合段部を有さず、拡径頭部を備える雄係合子が基体貫通穴を貫通して、基体貫通穴の表面側縁部分と雄係合子の拡径頭部が係合する構成で、基体貫通穴若しくは雄係合子の弾性変形によって離脱が可能となる構成等とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンを示す(1)係着する前の状態を示す斜視図、(2)係着後の状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンの裏面を表した説明図である。
【図3】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンの一部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープを示す(1)正面図、(2)背面図である。
【図5】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープを示す(1)平面図、(2)右側面図である。
【図6】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープを示す図4(1)におけるA−A断面図及びB−B断面図である。
【図7】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープのガイド環体を示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図である。
【図8】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープのガイド環体を示す(1)拡大平面図、(2)拡大右側面図である。
【図9】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンにおけるガイド環付きテープのガイド環体を示す図7(1)における(1)C−C断面図、(2)D−D断面図である。
【図10】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンのガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す(1)正面図、(2)背面図である。
【図11】本発明の実施例に係るガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す(1)平面図(底面図は平面図と対称につき省略。)(2)右側面図(左側面図は右側面図と対称につき省略。)である。
【図12】本発明の本発明の実施例に係るガイド環付きテープと雄スナップテープとを係着した状態を示す図10(1)における(1)E−E断面図、(2)F−F断面図である。
【図13】本発明の実施例に係る雄スナップテープを示す(1)正面図、(2)背面図である。
【図14】本発明の実施例に係る雄スナップテープを示す(1)平面図(底面図は平面図と対称につき省略。)、及び(2)右側面図(左側面図は右側面図と対称につき省略。)である。
【図15】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用する図13(1)における雄スナップテープを示す(1)G−G断面図、(2)H−H断面図である。
【図16】本発明の実施例に係るガイド環付きテープを備えたカーテンに使用するガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図である。
【図17】本発明の本発明の実施例に係るガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す(1)拡大平面図(拡大底面図は拡大平面図と対称につき省略。)(2)拡大右側面図(拡大左側面図は拡大右側面図と対称につき省略。)である。
【図18】実施例に係るガイド環付きテープのガイド環体と雄スナップテープのスナップボタンを係着した状態を示す図16(1)における(1)拡大J−J断面図、(2)拡大K−K断面図である。
【図19】本発明の実施例に係る雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大正面図、(2)拡大背面図である。
【図20】本発明の実施例に係る雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大平面図(拡大底面図は拡大平面図と対称につき省略。)、(2)拡大右側面図(拡大左側面図は拡大右側面図と対称につき省略。)である。
【図21】本発明の実施例に係る図19(1)における雄スナップテープにおけるスナップボタンを示す(1)拡大L−L断面図、(2)拡大M−M断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1a ガイド環付きテープ
1b 雄スナップテープ
10a ガイド環体
10b スナップボタン
11a 基体
11b スナップボタン基体
12 基体貫通穴
120 係合段部
13 ガイド環
130 橋部
131 脚部
14 雄係合子
140 拡径頭部
141 基部
15a 雌側テープ基材
150 位置決め穴
15b 雄側テープ基材
2 引紐
3 カーテン
30 カーテン生地
4 ガイドローラ
5 引き手
d 厚さ寸法(基体の厚み)
h 高さ(雄係合子の高さ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン生地と、該カーテン生地の上下方向に設けられる雄スナップと、引紐を通すためのガイド環体を前記雄スナップと対応する雌側テープ基材に列設したガイド環付きテープと、ガイド環体のガイド環に通す引紐を備え、ガイド環体の基体貫通穴内に前記雄スナップに対応する係止部を有する、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、
雄スナップは雄側テープ基材に列設した雄スナップテープとして前記カーテン生地に取着し、
前記ガイド環体には、基体貫通穴の内壁周囲の一部に係合段部を設けて、前記雄スナップの雄係合子と離脱可能とし、
カーテン生地に取着した雄スナップテープと、引紐を通したガイド環付きテープを着脱可能としたことを特徴とするガイド環付きテープを備えたカーテン。
【請求項2】
雄スナップの雄係合子の高さ(h)とガイド環体のスナップボタン基体の厚さ寸法(d)とを同一とし、雄係合子と係合段部との係合状態で雄係合子の上端とスナップボタン基体の上端とが同一平面上に配置されることを特徴とする請求項1記載のガイド環付きテープを備えたカーテン。
【請求項3】
ガイド環付きテープの雌側テープ基材は耐熱性合成繊維で形成されるメッシュシートとし、ガイド環体は射出成形によりメッシュシートに固着した構成とした、ガイド環付きテープを備えたカーテンにおいて、
ガイド環体は、基体貫通穴を挟んで対向立設した二本の脚部と、該脚部の上端相互に亘って形成される橋部とからなり、
前記基体貫通穴は、ガイド環体のスナップボタン基体の裏面側から貫通してガイド環の紐通し穴を形成した構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載のガイド環付きテープを備えたカーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−137078(P2010−137078A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34583(P2010−34583)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【分割の表示】特願2008−31271(P2008−31271)の分割
【原出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000114606)モリト株式会社 (198)
【出願人】(390003296)尼崎製罐株式会社 (7)
【Fターム(参考)】