説明

ガスエンジン

【課題】従来のガスレギュレータには、ガス調節弁210が1つであるか、若しくは並列に複数個ある配設されており、エンジン最大出力時の最大ガス流量に合わせてガス調節弁の径が決められてしまい、低速低負荷時の低流量域での流量精度が悪くなり、空燃比のバラツキが大きくなってしまっていた。
【解決手段】前記ガスレギュレータ100のダイヤフラム101に連動して燃料ガスの流入を制御する弁機構15・16を設け、該弁機構15・16を複数設けた。また、前記複数の弁機構15・16を異なる大きさのものとした。そして、前記ダイヤフラム101に連動するレバー113を設け、該レバー113に前記複数の弁機構15・16の弁体115・116を連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのレギュレータの技術に関し、特に燃料ガスをガスレギュレータを介してミキサに供給するガスエンジンの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスレギュレータ200は、図5及び図6に示すように、レギュレータケース内が上下にダイヤフラム201によって分割されており、該ダイヤフラム201はバランススプリング204及びスプリング209により上下から付勢されている。そして、上部ケース内は大気開放孔205を介して大気と連通され、下部ケースには燃料ガス出口106から配管を介してベンチュリと連通され、一方、燃料ガスパイプ7から燃料が供給されるようにし、該燃料ガスパイプ7の下部ケース内側の端部にはガス調節弁210を設けて、該ガス調節弁210はレバー213の一端と連結して、該レバー213の他端を前記スプリング209に係止する構成としていた。
そして、ガスエンジンを運転している時のガスレギュレータ200内において、ダイヤフラム201がエンジンの始動操作によりベンチュリからの負圧を受けて大気圧とバランスしながら下降して、ダイヤフラム201に連動したレバー213によりガス調節弁210が開くことによってエンジン側にガスを供給していた。
【0003】
より詳しくは、流量調整ネジ203、バランススプリング204、スプリング209によって、ベンチュリからの負圧が一定値より小さい場合は、ダイヤフラム201が大気圧やバランススプリング204とバランスして下降しないためレバー213が回転せずに、ガス調節弁210が開かず、逆にベンチュリからの負圧が流量調整ネジ203等の調整によって定まる一定値より大きい場合は、ダイヤフラム201がエンジンからの負圧を受けて大気圧とバランスして下降しレバー213が回転して、ガス調節弁210が開放されるものである。
そして、このような構成であって、吸気ガス脈動圧が大きいガスエンジンにおいては、ダイヤフラム201やスプリング209が脈動してしまうことがあり、エンジンの耐久性が問われていたが、ガスエンジン吸気マニホールドと、ガスレギュレータ機構とを連結するバキュームロックホースの中間部分に、フィルター付絞り機構を介装することにより、ガス調節弁210のチャタリングを防止する等していた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平6−30463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のガスレギュレータ200には、ガス調節弁210が1つであるか、若しくは、並列に複数個配設されており、エンジン最大出力時の最大ガス流量に合わせてガス調節弁の径が決められていたので、低速低負荷時の低流量域での流量精度が悪くなり、空燃比のバラツキが大きくなってしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、燃料ガスをガスレギュレータを介してミキサに供給するガスエンジンにおいて、
前記ガスレギュレータのダイヤフラムに連動して燃料ガスの流入を制御する弁機構を設け、
該弁機構を複数設けたものである。
【0007】
請求項2においては、前記複数の弁機構を異なる大きさのものとしたものである。
【0008】
請求項3においては、前記ダイヤフラムに連動するレバーを設け、該レバーに前記複数の弁機構の弁体を連結したものである。
【0009】
請求項4においては、前記弁機構を2組設けてレバーに取り付け、
第一の弁機構の弁体は直接レバーに固定し、
第二の弁機構は弁体にストッパーを設けバネにて閉じ方向に付勢して所定リフト量まで弁体が開かない構成としたものである。
【0010】
請求項5においては、前記2組の弁機構をレバーの長手方向に並設し、
レバーの回動支点側に第一の弁機構を設け、
回動支点から離れた側に第二の弁機構を設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、回転数や負荷に合わせて所望の弁体を開閉させることで、低回転域から高回転域で効率良く燃料を供給することができ、運転も効率良く行える。
【0013】
請求項2においては、回転数や負荷に合わせて弁機構を選択して開閉させることができて、低回転域から高回転域で効率良く燃料を供給して運転することができる。
【0014】
請求項3においては、簡単な構成で弁体を開閉させることができる。また、レバーに弁体を容易に取り付けることができる。
【0015】
請求項4においては、低負荷時等の低流量で燃料を供給するときには、一つの弁体を開き、高負荷時等の高流量で供給するときには、二つの弁体を開いて、空燃比のバラツキを悪化させることなく、最適出力を得ることができる。
【0016】
請求項5においては、弁機構をコンパクトに並設して配置できる。また、ストロークが大きく回動支点より離れた側に大流量の弁機構を配置でき、流量制御を容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のガスエンジン1の一実施例を示す正面断面図、図2はガスが流れていない状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図、図3は同じく低流量状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図、図4は同じく高流量状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図、図5は従来のガスレギュレータ200のガスが流れていない状態を示す正面断面図、図6は同じくガスレギュレータ200のガスが流れている状態を示す正面断面図である。
【0018】
まず、図1を用いて、本発明のガスエンジン1の全体構成について説明する。
ガスエンジン1のシリンダ3上部に配設されるシリンダヘッド4に、吸気マニホールド2や排気マニホールド21や吸気弁22、排気弁23、点火プラグ24等が設けられている。該吸気マニホールド2の他端にはガスミキサ5が接続されており、該ガスミキサ5はベンチュリ9とスロットル弁10を備え、ベンチュリ9には吸気口5aと燃料吸入口5bが設けられ、該吸気口5aにエアクリーナ8が接続される。該燃料吸入口5bには燃料ガスホース6が連結されており、該燃料ガスホース6の他端はガスレギュレータ100の燃料ガス出口106に連結されている。
ガスミキサ5内では、燃料ガスホース6からガスミキサ5内に吸入されてくる燃料ガスと、エアクリーナ8を通過してガスミキサ5内に吸入されてくる空気とが混合されて、該混合気体が吸気マニホールド2へ送られる。
【0019】
ガスミキサ5内に設けるベンチュリ9は、吸気の通路を狭くすることで吸気の流速を速め、燃料吸入口5b側を負圧とすることで、燃料を供給できるようにしている。
また、ガスミキサ5内のベンチュリ9と吸気マニホールド2の間には、スロットル弁10を備え、該スロットル弁10を回動操作して流路面積を変更することにより、吸気マニホールド2へ流入する燃料ガスの流量を調節している。
ガスレギュレータ100は燃料ガス入口110・111(図2乃至図4参照)に連結された燃料ガスパイプ7・7から燃料ガスを吸入する。より詳しくは、後述する二つの燃料ガス調節弁115・116は、エンジンの作動により前記ベンチュリ9で発生する負圧によりダイヤフラム101が上下動することによって開閉し、燃料ガスパイプ7から燃料ガスホース6へ、燃料ガスを供給するのである。
【0020】
そのため、エンジン停止時は吸気マニホールド2には負圧が発生せず、ダイヤフラム101は燃料ガス調節弁115・116をロックした状態となり、燃料ガスパイプ7から燃料ガスは流れないが、エンジンが作動すると、ピストンが下降して吸気弁22が開くことによりエアクリーナ8から吸気マニホールド2へ空気が流れ、ベンチュリ9で主通路の流速が早くなることで燃料吸入口5bに負圧が発生し、燃料ガスホース6を介してガスレギュレータ100のダイヤフラム101下部の部屋内の圧力を低下させ、負圧とつり合うべくダイヤフラム101が下降して、ダイヤフラム101に連動してレバー113(図2乃至図4参照)が回動し燃料ガス調節弁115・116が燃料ガス入口110・111より離れて、燃料ガスパイプ7からガスレギュレータ100の下部に燃料ガスが流れ込んでくるのである。
【0021】
次に本発明のガスエンジン1のガスレギュレータ100の構成について、図2乃至図4を参照しながら説明する。
ガスレギュレータ100は、図2に示すように、皿状の上部のレギュレータカバー102と下部のレギュレータケース107をダイヤフラム101を介して互いに凹部側を対峙させて合わせることによって、内部に上下の空間を設けた形状に構成されている。上部のレギュレータカバー102は、下部の周囲にフランジ部102bが形成されており、下部のレギュレータケース107にも、上部の周囲にフランジ部107bが形成されている。そして、該フランジ部102b・107b同士を図示しないボルト等によって(溶接やカシメ等も可能)固設して、レギュレータカバー102とレギュレータケース107によって覆われる中空のガスレギュレータ100を形成している。
【0022】
ガスレギュレータ100は、内部に上下方向略中央に水平に張設されたダイヤフラム101を具備し、ダイヤフラム101の上方と下方の空気が行き来出来ないように構成されている。ダイヤフラム101は、金属または合成樹脂等の弾性膜によって構成されて伸縮可能としており、レギュレータカバー102とレギュレータケース107に挟まれて固設されている。
そして、前記レギュレータカバー102には、側部の斜面に大気開放孔105が形成され、該大気開放孔105に連結された図示しないパイプ等を介して大気がガスレギュレータ100上部の空間に入ったり、ガスレギュレータ100上部の空間から大気が出たりできるようにしている。
このようにして、ダイヤフラム101の上部にあってガスレギュレータ100内上部の空気はガスエンジン1の外部の大気と同じ圧力に保たれている。
【0023】
一方、前記レギュレータケース107には、側部の斜面に燃料ガス出口106が形成されており、該燃料ガス出口106には連結された前記燃料ガスホース6が連結されている。
そして、レギュレータケース107には、燃料ガス出口106の反対側の側部若しくは下部に、2つの燃料ガス入口110・111が形成されている。該燃料ガス入口110・111には、前記燃料ガスパイプ7・7が連結されており、燃料タンク等から該燃料ガスパイプ7・7及び燃料ガス入口110・111を通って、燃料ガスがガスレギュレータ100の下部の空間に流入してくるように構成されている。そして、流入した燃料ガスはベンチュリ9で生じる負圧によって、前記燃料ガス出口106から燃料ガスホース6を通して、ガスミキサ5に流れる。
【0024】
燃料ガス入口110・111のガスレギュレータ100内側の端部には、それぞれ燃料ガス調節弁115・116を具備した弁機構15・16が配設される。
以下、図2を参照しながら、燃料ガス調節弁115・116を具備した弁機構15・16の配設方法について説明する。
レギュレータケース107の中央部の上面(レギュレータケース107底面のガスレギュレータ100内部側)には、スプリング109の下部が固定されており、スプリング109の上端には、レバー113の一端部113bが当接されている。
ここで、弁機構15・16について説明する。該レバー113は、プレートを正面視略「へ」字状に折り曲げて構成して、中央部が回動支点114に固定され、レバー113の一端部113bは凹状に湾曲させて前述のようにスプリング109の上端に嵌合させ、反対の他端部113c・113dには長手方向に沿って前記燃料ガス調節弁115・116の上面に連結されている。該レバー113は、前後方向(図2の紙面に垂直な方向)に幅広の板状部材等で構成し、該他端部113dの回動支点114に近い側の下面と該燃料ガス調節弁116の上面は固設し、回動支点114に遠い側の他端部113bと該燃料ガス調節弁115は固設するのではなく、若干の「遊び」を設けて連結するものとする。詳しくは、燃料ガス調節弁115の上面に棒状部材119を立設し、該棒状部材119の上端に円盤等の板状部材若しくは棒状部材のストッパー118を水平に固設しておき、レバー113の端部113cには孔若しくは切りかき113eを設け、該棒状部材119を該孔若しくは切りかき113eに通す(挟む)構成とするものである。
そして、燃料ガス調節弁115の棒状部材119には上下方向にバネ117を外嵌し、該バネ117の上端を前記レバー113の他端部113cの下端に当接させておく。該バネ117は燃料ガス調節弁115を閉じる方向に付勢するものとする。
【0025】
該レバー113の正面視略中央部には、回動支点114が固設されており、該回動支点114はレギュレータケース107に回動自在に支持されている。但し、レバー113は回動支点114に枢支する構成とすることも可能である。このように、レバー113を配設することにより、レバー113は回動支点114を支点にして燃料ガス調節弁116と一緒に、正面視において時計方向もしくは反時計方向に回動する。燃料ガス調節弁115はレバー113に固設されていないため、回動角が小さい場合にはレバー113が回動支点114を支点として時計方向に回転しても、レバー113と同じように動かずに(レバー113に従って、燃料ガス入口110を開放せずに)、レバー113の端部113cがストッパー118の下部に当接して燃料ガス調節弁115ごと持ち上げるまで、バネ117の付勢力によって燃料ガス入口110を開放しない構成となっている。
つまり、レバー113が少しでも、時計方向に回動すれば、燃料ガス調節弁116は持ち上がり燃料ガス入口111は開放されて燃料ガスはその開放量に応じた量が供給されるが、燃料ガス調節弁115はレバー113がある程度回動しなければ持ち上がらない構成となっている。図2は、ガスエンジン1のシリンダ3からの負圧がかかっていない状態の図であり、燃料ガス調節弁115・116が共に閉じられている。
【0026】
そして、前記スプリング109上方にはレバー113の端部113b上面にピン108の下端が当接され(または固設され)ており、該ピン108の上端が前記ダイヤフラム101の下面に当接(または固設)しているものとする。そして、ダイヤフラム101の上側で、該ピン108の上方にあたる(軸心が略同一)場所には、バランススプリング104が配設され、該バランススプリング104とダイヤフラム101との間には座金120を介装している。該バランススプリング104の上面には座金を介して流量調節ネジ103の下端が当接しており、該流量調節ネジ103は、レギュレータカバー102の中央上面に形成されたネジ孔102cを貫通して、ナット121によって垂直に保持されている。
このように、構成することによって、流量調節ネジ103を回動して進退させることによりダイヤフラム101の上下方向の釣り合い位置、つまり、燃料ガス調節弁115・116を開ける圧力を調節することが可能となる。
【0027】
次に、シリンダ3からの負圧により低流量の燃料ガスが流れる場合について、図3を参照しながら、説明する。
ガスエンジン1が低回転で作動しているときや、負荷がかかって回転数が低下してくると、ベンチュリ9の吸気口5aを流れる空気の流量も少なく、燃料吸入口5bの負圧も小さいために、ガスレギュレータ100のダイヤフラム101のスプリング109に抗して下降する量も小さいため、レバー113は回動支点114を支点にして時計方向に少しだけ回動する。この時のダイヤフラム101は、ガスレギュレータ100上部の空間の圧力とバランススプリング104との圧力が、ガスレギュレータ100下部の空間の圧力と、スプリング109の付勢力等の力が釣り合った位置で止まる。
【0028】
図3に示すように、この低負圧によりレバー113が少しだけ回動すると、端部113dに固設されている燃料ガス調節弁116が持ち上がり、燃料ガスが燃料ガス入口111からガスレギュレータ100内に吸引される。このとき(レバー113が時計回りに少しだけ回動したとき)、燃料ガス調節弁116は持ち上がるが、端部113cに固設されていない燃料ガス調節弁115は持ち上がらない。つまり、バネ117が伸びるだけで、端部113cの上面がストッパー118に当接していないため、燃料ガス調節弁115は持ち上がらないのである。
ガスレギュレータ100下部の空間に流れ込んだ燃料ガスは、燃料ガス出口106及び燃料ガスホース6を通って、ガスミキサ5から吸気マニホールド2方向に吸入される。
【0029】
次に、シリンダ3からの負圧により高流量の燃料ガスが流れる場合について、図4を参照しながら、説明する。
ガスエンジン1の回転数が増加してくると、ベンチュリ9の吸気口5aを流れる空気の流量も多くなり、燃料吸入口5bの負圧も大きくなるために、ガスレギュレータ100のダイヤフラム101のスプリング109に抗して下降する量も大きくなり、レバー113は回動支点114を支点にして時計方向に大きく回動する。
【0030】
図4に示すように、レバー113が大きく回動すると、端部113dに固設されている燃料ガス調節弁116が持ち上がり、ガスレギュレータ100下部の負圧によって、燃料ガスが燃料ガス入口111からガスレギュレータ100内に吸引される。このとき(レバー113が時計回りに大幅に回動したとき)、燃料ガス調節弁116だけでなく、端部113cに固設されていない燃料ガス調節弁115も持ち上げられる。つまり、端部113cが持ち上がりバネ117が伸びて、端部113cの上面がストッパー118に当接する位置より持ち上がり、燃料ガス調節弁115を持ち上げて、燃料ガス入口110からも燃料ガスがガスレギュレータ100下部の空間に流れ込み、燃料ガス入口110・111の両方から入り、燃料ガス出口106及び燃料ガスホース6を通って、ガスミキサ5や吸気マニホールド2方向に多量の燃料ガスが供給される。
【0031】
また、図2に示すように、燃料ガス入口110・111の径が略同じに形成されているが、同じ径に限定するものでない。
つまり、ガスエンジン1を搭載する車両等の用途に応じて、燃料ガス調節弁115(燃料ガス入口110)の径D1が燃料ガス調節弁116(燃料ガス入口111)の径D2より大きくなる(D1>D2)ように形成することも可能である。この場合高回転側で高トルクを必要な場合等に有効である。また逆に燃料ガス調節弁116(燃料ガス入口111)の径D2の径が燃料ガス調節弁115(燃料ガス入口110)の径D1よりも大きくなる(D1<D2)ように形成することも可能である。この場合、低回転側で高トルクが必要な場合等で有効であり、それぞれの場合で燃料効率を向上させることが可能である。また、本実施例ではレバー113の長手方向に二つの燃料ガス調節弁を設けているが、3つ以上長手方向に並設する構成とすることも可能である。
【0032】
このように、燃料ガスをガスレギュレータ100を介してミキサ5に供給するガスエンジン1において、
前記ガスレギュレータ100のダイヤフラム101に連動して燃料ガスの流入を制御する弁機構15・16を設け、
該弁機構15・16を複数設けたので、
回転数や負荷に合わせて所望の弁体115・116を開閉させることで、低回転域から高回転域で効率良く燃料を供給することができ、運転も効率良く行える。
【0033】
また、前記複数の弁機構15・16を異なる大きさのものとしたので、
回転数や負荷に合わせて弁機構15・16を選択して開閉させることができて、低回転域から高回転域で効率良く燃料を供給して運転することができる。
【0034】
また、前記ダイヤフラム101に連動するレバー113を設け、該レバー113に前記複数の弁機構15・16の弁体115・116を連結したので、
簡単な構成で弁体115・116を開閉させることができる。また、レバー113に弁体を容易に取り付けることができる。
【0035】
また、前記弁機構15・16を2組設けてレバー113に取り付け、
第一の弁機構16の弁体116は直接レバー113に固定し、
第二の弁機構15は弁体115にストッパー118を設けバネ117にて閉じ方向に付勢して所定リフト量まで弁体115が開かない構成としたので、
低負荷時等の低流量で燃料を供給するときには、一つの弁体116を開き、高負荷時等の高流量で供給するときには、二つの弁体115・116を開いて、空燃比のバラツキを悪化させることなく、最適出力を得ることができる。
【0036】
また、前記2組の弁機構15・16をレバー113の長手方向に並設し、
レバー113の回動支点114側に第一の弁機構16を設け、
回動支点114から離れた側に第二の弁機構15を設けたので、
請求項5においては、弁機構15・16をコンパクトに並設して配置できる。また、ストロークが大きく回動支点114より離れた側に大流量の弁機構15を配置でき、流量制御を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のガスエンジン1の一実施例を示す正面断面図。
【図2】ガスが流れていない状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図。
【図3】同じく低流量状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図。
【図4】同じく高流量状態のガスレギュレータ100を示す正面断面図。
【図5】従来のガスレギュレータ200のガスが流れていない状態を示す正面断面図。
【図6】同じくガスレギュレータ200のガスが流れている状態を示す正面断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 ガスエンジン
3 シリンダ
5 ガスミキサ
15 第二の弁機構
16 第一の弁機構
100 ガスレギュレータ
101 ダイヤフラム
106 燃料ガス出口
110・111 燃料ガス入口
113 レバー
115 第二の弁体(燃料ガス調節弁)
116 第一の弁体(燃料ガス調節弁)
117 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスをガスレギュレータを介してミキサに供給するガスエンジンにおいて、
前記ガスレギュレータのダイヤフラムに連動して燃料ガスの流入を制御する弁機構を設け、
該弁機構を複数設けた、
ことを特徴とするガスエンジン。
【請求項2】
前記複数の弁機構を異なる大きさのものとした、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスエンジン。
【請求項3】
前記ダイヤフラムに連動するレバーを設け、該レバーに前記複数の弁機構の弁体を連結した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスエンジン。
【請求項4】
前記弁機構を2組設けてレバーに取り付け、
第一の弁機構の弁体は直接レバーに固定し、
第二の弁機構は弁体にストッパーを設けバネにて閉じ方向に付勢して所定リフト量まで弁体が開かない構成とした、
ことを特徴とする請求項3に記載のガスエンジン。
【請求項5】
前記2組の弁機構をレバーの長手方向に並設し、
レバーの回動支点側に第一の弁機構を設け、
回動支点から離れた側に第二の弁機構を設けた、
ことを特徴とする請求項4に記載のガスエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−57550(P2006−57550A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240890(P2004−240890)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)