説明

ガスセンサ

瞬時応答を備えたガスセンサは、化学反応又は他の物質改変でなく、1又は複数の発振器を用いる。センサは、ガス濃度、又は吸収されたガスの質量をパーセントの範囲で計測するためのあらゆる応用技術に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮出願第60/719,548号の優先権を主張する、米国特許出願第11/524,698号の一部継続出願であり、その両方を参照によって本明細書に援用する。
【0002】
本発明はガスセンサに関し、特に発振器及び環境センサを利用するガスセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】発振器間の周波数の差異を計測するための装置を示す図である。
【図2】センサの感度グラフを示す図である。
【図3】発振器間の周波数の差異を計測するための他の装置を示す図である。
【図4】センサの感度グラフを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による出力結果のための回路を示す図である。
【図6】ナノワイヤ又はナノチューブを利用するセンサを示す図である。
【図7】本発明の実施形態の代表的な応用技術を示す図である。
【図8】本発明の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
水素は原子量が最小の元素として知られている。混合ガスにおいて、熱力学的平衡では、分子の平均エネルギーは、水素、窒素、酸素などのいずれであっても、3/2kTまでである。分子の運動量がmνであり、ここで、mが分子質量、νが(8kT/πm)1/2と等しい分子の平均速度とする。このように、所定の温度におけるガス分子の運動量は、(m)1/2であるその質量によって決まることになる。分子の運動量及び分子のサイズ(有効直径)の差異は、粘度及び拡散速度のようなガスのその他の巨視的パラメータの差異となる。
【0008】
ガス環境における振動の間に、音叉の二股部(tuning fork tines)のような振動する物体はガス分子に運動量を付与し、結果として、二股部の力学的エネルギーの損失を引き起こす。このような損失は二股部の共振振動周波数に変化を引き起こし、かつ、周波数のシフトは二股部がガス分子に付与する運動量によって決まることになる。これは、水素のような軽い分子を含むガスでは、ガス分子の相互作用に伴う損失が、水素を含まない環境における損失よりも小さいことになる。したがって、振動の周波数は、水素を含む環境では比較的高くなる。
【0009】
音叉クオーツ発振器(tuning fork quartz oscillator)において、音叉は、逆位相屈曲モード(anti−phase flexure mode)でシンメトリに振動し、そこにおいて、二股部は、いかなる時点でも相互に反対方向へ移動する。二股部が発振する速度は次のように推定される。二股部の偏位の振幅は、概ね60nm/Vである。二股部の駆動電圧が約1Vであれば、周波数は32768Hzであり、二股部は2mm/秒までの特性速度を有することになる。この速度はガス分子の速度(数100m/秒)に比較して非常に低いので、この相互作用にとって準静的状況とみなすことが可能である。したがって、マクロで見たガスの特性の大部分は、音叉発振周波数に影響を及ぼすことになる。
【0010】
前記した音叉センサは、特定のガスに対して選択的にすることができず、他の軽量ガス(例えばヘリウム)が、働かせるガスに干渉する可能性がある。干渉を回避する目的で、ガス透過膜(例えば、水素を検知するときにはPd(パラジウム)膜)を選択性向上のために使用することが可能である。
【0011】
通常、音叉共振器(resonator)における周波数の変化は小さく、したがって、差周波数検出法が周波数の小さな変動の検出に使用される可能性がある。周波数と同様に、発振エネルギーがガス環境中に放散されるので、線質係数(quality factor)Q及び音叉共振器の電気インピーダンスは変化する。
【0012】
図1は、ガスの検知に用いることができる複数のECS−327SMOタイプの発振器101...102を有する装置100を図示している。音叉発振器缶の頂部103...104は、ガスにさらすために研磨仕上げにかける(sanded off)ことができ、かつ、発振器出力110、111は、Dフリップフロップトリガ(D flip−flop trigger)105の入力部であるD及びCLKに接続されている。発振器(OSC1)101は、特定のガスを含有していると推測される環境の中に配置することができる。基準発振器(OSC2)102は、ガス構成の変化(湿度変化など)及び温度補償を評価するために使用することができる。発振器101の周波数は、ガス濃度に伴い増加することとなる。ゆえに、フリップフロップ出力106における周波数の差異は、ガス濃度に比例する。
【0013】
例として、センサ100は、室温で体積濃度が0から16%である空気混合水素ガスを使用することを特徴とする。水素−空気混合は、流体質量が100立方cmの2つの制御装置を使用して調製することが可能である。ビート周波数間の間隔は、Tektronix社製CDC250カウンタを使用して計測することができる。センサ100の水素に対する応答は、全範囲の濃度にわたり完全に線形である。図2から分かるように、発振器101のチャンバにおいて水素ガス濃度が16%であるとき、9%の差周波数の変化が観測される。
【0014】
図3はセンサ300を図示しており、2つの発振器303、304が、ガスチャンバ301のガス(例えば水素)を検出するために使用される。センサ300は、検知される、かつ/又は、計測されるガスへの曝露を防ぐために、密封された(缶の頂部に研磨仕上げがなされていない)基準発振器304を有する。開口発振器303と同様に、それらは、相互に隣接して計測されるガス環境内に配置することができる。上記のように、ガス透過膜302を使用してもよい。本実施形態では、温度の相互補償が行われるが、湿度変化については相互補償されない。
【0015】
したがって、ガスの濃度は以下のように算出される。
=f10+kCH2
=f10+f12
Δf=f−f=f10+kCH2−f10+f12=kCH2+f12
ここで、f10はガスがない状態の発振器OSC1 303の周波数であり、f12はガスがない状態のOSC1 303とOSC2 304との周波数の差異であり、kは比例係数であり、CH2はガスの濃度である。最後の数式は、次式に換算される。
H2=(Δf−f12)/k
【0016】
例として、密封及び開口缶発振器を備えた、水素を検知するためのセンサ300の結果を図4に示す。センサ300は室温で検査され、窒素の流速は200立方cmであり、かつ、水素の流速は0から10立方cmに変化させた。センサ300は、水素ガス濃度変化に対して線形に近い応答を示している。
【0017】
図5を参照すると、2つの発振器の周波数の差異は数Hzと小さいので、2つのパルスのビート周波数(frequency beating pulses)の間の時間間隔を計測するには一層簡便である。この場合、分離された高周波数発振器(図示せず)を、固定周波数fのときのパルスの時間間隔を埋めるために使用することができる。精密な計測のために、オーブン制御水晶発振回路(oven−controlled crystal oscillator: OCXO)を、このようなパルスの生成に使用することができる。ビート周波数の間の時間間隔は、
T=1/Δf=1/(f−f)=1/(kCH2+f12
となる。
【0018】
OCXO安定発振器がfの周波数を有していれば、このとき、パルスカウンタ501の出力Nにおけるパルス数は、
N=fT=f/Δf=f/(kCH2+f12
となる。
【0019】
その他の実施形態において、水素は音叉二股部によって放散されるエネルギーを変化させることになるので、音叉の発振パラメータを計測するデバイスは、Q係数及び音叉のインピーダンスにおける変化を検出する。音叉で放散されるエネルギーは、次のように記述される。
【0020】
音叉のような機械システムは機械抵抗Rを有していれば、共振周波数fのときの線質係数Qは、
Q〜f/R
となる。
【0021】
機械抵抗Rは、ガス粘度Vの関数であり、したがって、Rは次の一連の数式で記述される。
=RM0(1+cV+c+・・・)
ここで、c1、c2、・・・は比例係数である。ガスのような低粘度の媒体の場合、
=RM0(1+cV)
と書き換えてもよい。
ここで、RM0は真空時の機械抵抗であって、ガスの粘度に依存しない。
【0022】
水素の粘度は空気に比べて約2倍低く(0℃のときに、8.4×10−6Pa*s対17.4×10−6Pa*s)、このため、機械抵抗は水素の相対濃度が比較的高い場合に減少することになる。よって、
=RM0(a−bCH2
であり、ここで、a及びbは水素及び調整ガス(空気など)の粘度の関数であり、CH2は混合ガスにおける水素の相対濃度である。つまり、濃度は、
H2〜(a−f/QRM0)/b
と定義される。
ここで、Qは実験的に計測されうる。線質係数は、クオーツ音叉が電気回路の一部である場合、定義
Q=f/Δf
によって容易に見出される。
【0023】
Δfの計測は、電子工学において使用される従来法によって実施することができる(f周辺の周波数掃引、発振パルスの振幅減衰又は減衰率の計測など)。電気インピーダンスもまた線質係数の関数であるので、
|z(ω)|〜(1/Q−1)+(ω/ω+(ω/ω)
となり、水素濃度の測定に同様に使用することができる。
【0024】
図6は、ナノワイヤ、又はカーボンナノチューブのようなナノチューブ601の屈曲モードにおける周期運動(振動)の周波数、及び/又は、Q係数の計測に基づく装置を図示している。センサの計測システム603は、発振器のような検出及び定量化手段を具備することになる。ナノチューブ601は、機械力又は静電力のような印加された外力(図示せず)によって振動する。電気プローブ602はナノチューブ601に接続され、その方法は、ナノチューブ601へ/からの電界電子放出によるか、ナノチューブ601とプローブ602の間の静電容量を介するか、その他の等価な接続メカニズムによる。プローブ602は計測電気回路603の一部を形成し、この回路によって、接続パラメータ(静電容量など)における偏差を計測し、かつ、これらの偏差に係る周波数を測定することができる。
【0025】
上記のように、ナノチューブ601又はナノワイヤの振動周波数は、周囲のガスの粘度に依存することになり、それは、換言すると、ガスの濃度に依存することになる。
【0026】
例として、センサの感度範囲は水素ガス0から100%であり、最小1%の検出限界を有する。これは、図2及び4に示す感度グラフに図示するとおりである。水素の燃焼下限水準は4%であり、かつ、爆発下限界濃度(LEL)は17%である。
【0027】
分子量、粘度、拡散などガスの運動特性に基づくガスセンサは、ガス濃度だけではなく、圧力、湿度及び温度など環境の特性にも依存する。本発明の実施形態は、ガス濃度をより正確に算出するためにセンサの組み合わせを利用する。
【0028】
図8は、図1〜6に関連して前述した構成における電気機械的な発振器(例えば装置100)、温度(T)センサ802、圧力(P)センサ804及び湿度(RH)センサ803を具備するセンサシステム800を図示している。Sensirion社製SHT−75温度/湿度センサを、Tセンサ802及びRHセンサ803に用いることができ、ICS−1451圧力センサを、Pセンサ804に用いることができる。
【0029】
ガス濃度に対する正確な信号は、変数として周波数の差異、圧力、温度及びガス湿度を有する制御装置801内の回路によって決まるアルゴリズムを用いて算出することができる。複数の線形回帰を用いることができ、異なる温度、湿度、圧力及びガス濃度を有する環境においてセンサを試験しながら、得られたデータにそのアルゴリズムが適用される。後でさらに詳しく記述するように、得られた係数は、線形又は2次方程式を用いてさらにガス濃度を算出するために、センサ制御装置801のメモリに記憶される。
【0030】
同じ製造業者によるものでも、異なる音叉発振器の応答が、検出された同じガスに対して異なることがあり、またあるガスに対する2つの音叉の応答が同様であっても、他のガスでは応答が異なることがある。発振器は任意のガスに特異的ではないため、2つ以上のガスを区別するために、発振器のパッケージング、水晶、電子機器などにおける機械的な不完全性によって引き起こされる可能性があるそうした応答の違いを用いて、いくつかの特異性をもたらすようにすることができる。この場合、複数の発振器を異なるガスで計測することができ、次いで適切な濃度を算出するために、複数の回帰法を用いることができる。
【0031】
この手法は、環境発振器に対する開口部に吸収剤を堆積させた場合、吸着されたガスの混入質量を非選択的に検出するために用いることもできる。例えば活性炭素の吸収剤では、収着容量はきわめて高く、その結果、吸収剤の質量が数パーセント増す。本明細書に記載するセンサは、開口及び密封発振器の間の周波数の差異に基づいて、吸収剤の保持容量の検出を可能にすることができる。開口発振器の周波数は、より多くのガスが吸収剤に吸収された場合に高まり、一方、密封発振器の周波数は一定のままである。
【0032】
図9は、発振器101...102と同様の電気機械的な発振器902...903を具備するセンサシステム900を図示している。温度(T)センサ802、圧力(P)センサ804及び湿度(RH)センサ803は、図8に関連して記述したものと同様である。差動アンプ904が、発振器902...903の出力から周波数の差異を測定する。ガス濃度に対する正確な信号は、変数として周波数の差異、圧力、温度及びガス湿度を有する制御装置901内の回路によって決まるアルゴリズムを用いて、図8に関連して同様に記述した方法で算出することができる。
【0033】
図10は、発振器101...102と同様の2つより多い電気機械的な発振器1005、1006...1007を具備するセンサシステム1000を図示している。発振器の1又は複数は、気密パッケージに密封することができ、他の発振器は、検知される1又は複数のガスを含有することが可能な1又は複数の環境にさらすことができる。温度(T)センサ1002、圧力(P)センサ1004及び湿度(RH)センサ1003は、図8に関連して前述したものと同様である。複数の差動アンプ1008...1009が、発振器1005、1006...1007の出力から周波数の差異を測定する。ガス濃度に対する正確な信号は、変数として周波数の差異、圧力、温度及びガス湿度を有する制御装置1001内の回路によって決まるアルゴリズムを用いて、図8に関連して同様に記述した方法で算出することができる。
【0034】
図11は、発振器101...102と同様の電気機械的な発振器1105...1106を具備するセンサシステム1100を図示している。発振器の1又は複数(例えば1105)は、気密パッケージに密封することができる。発振器の1又は複数は、ガス吸収剤コーティングを含み、ガスを含有する環境にさらすことができる。ガスが吸収剤によって吸収されると、吸収剤の質量が、吸収されたガスの質量だけ増加する。音叉の二股部の共振振動周波数は、その寸法及びその質量に依存し、二股部の表面上に堆積させた吸収剤のために追加された質量によって、音叉の振動周波数は低くなる。温度(T)センサ1102、圧力(P)センサ1104及び湿度(RH)センサ1103は、図8に関連して前述したものと同様である。差動アンプ1108が、発振器1105...1106の出力から周波数の差異を測定する。ガス濃度に対する正確な信号は、変数として周波数の差異、圧力、温度及びガス湿度を有する制御装置1101内の回路によって決まるアルゴリズムを用いて、図8に関連して同様に記述した方法で算出することができる。
【0035】
制御装置801〜1101への入力部は、以下に記述するアルゴリズムによってガス濃度を計測する(したがって、ガスの検知も行う)。制御装置によって計測された周波数の差異(dF)、並びに圧力センサ(P)、湿度センサ(RH)及び温度(T)センサからのデータは、さらに濃度cを有する水素又は他の検知されたガスに対するセンサの応答を算出するために用いられる。周波数の差異は、一般にこれらのパラメータの関数(S)であり、
dF=S(p,RH,T,c)
となる。
【0036】
センサの較正中、環境パラメータ及びガス濃度は、例えばT及びpを変えるための環境チャンバ、ガス濃度cを変える流体質量制御装置の設定、並びにRHを変えるためのガス増湿装置を用いて、制御された方法で変更される。センサの較正中、周波数の差異dF及び他の前述のパラメータが記録される。こうしたパラメータの変動が小さい場合には、dFは任意のパラメータの変化に線形的に依存する。例えば圧力がp0からpに変化した場合には、それを、
dF1=S(p0,RH,T,c)+(dS/dp)(p−p0)
と書くことができる。
【0037】
濃度がc0からcに変化した場合、同様の方法で、パラメータの様々な値について、
dF2=S(p,RH,T,c0)+(dS/dc)(c−c0)
などと書くことができる。
【0038】
すべてのパラメータの変化の結果として、1組の「i」個の線形方程式が得られ、
dFi=S+(dS/dp)Δpi+(dS/dT)ΔTi+(dS/dRH)ΔRHi+(dS/dc)Δci
これはさらに、標準的な多重線形回帰法によって解かれる。
【0039】
こうした方程式を解くことによって、1組の算出された定数(dS/dx)が与えられ、それをさらに感度関数Sに対する線形係数として以下のように用い、
dF=S0+1*p+S2*T+S3*RH+S4*c
ここで、S1=(dS/dp)などである。
【0040】
この方程式から、ガス濃度cを、dF及び他の環境パラメータの関数として以下のように簡単に算出することができる。
c=(dF−S0−S1*p−S2*T−S3*RH)/S4
【0041】
例えば、パラメータの1つに対する線形近似が満足のいくものではない場合には、同じアルゴリズムを使用しながら2次近似を用いることができる。
【0042】
例えば圧力の場合には、
dF1=S(p0,RH,T,c)+(dS/dp)(p−p0)+(1/2)(dS/dp)(p−p0)
となり、濃度は、
c=(dF−S0−S11*p−S12*p2−S2*T−S3*RH)/S4
として算出され、ここで、
S11=(dS/dp)、及びS12=(1/2)*(dS/dp
である。
【0043】
これらのパラメータSiはメモリに記憶され、ガス濃度cを算出するために制御装置によって用いられる。
【0044】
同じ手法が、吸収剤の質量mの変化を算出するために用いられる。
【0045】
したがって、開示したセンサは多様な応用技術の漏れ(leak)検出器として使用される可能性がある。例えば、図7を参照すると、燃料電池自動車において、センサは、燃料電池反応器近傍、助手席近傍、又は、排出システム内に導入することができる。
【0046】
開示したセンサを使用するLEL検出器は、デバイス本体に組み込まれるか、又は、取付可能なサンプリングプローブの先端に配置されたセンサを有するハンドヘルドデバイスであってもよい。デバイスは、水素濃度が一定の限界レベルに達すると、サウンドアラームとともに、ディスプレイ上に濃度を指示するインジケータを有していてもよい。その他の応用技術には、水電解槽、水素蓄積システム、工業計器などが含まれる。
【0047】
温度、湿度、気圧、クオーツ劣化、及びその他の操作条件に対するセンサ応答を安定させるための改良が施されうる。
【0048】
いくつかの本発明の実施形態が開示された。しかしながら、多様な修正が本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされうることが理解される。
【符号の説明】
【0049】
100 センサ、装置
101 発振器
102 基準発振器
103 頂部
104 頂部
105 Dフリップフロップトリガ
106 フリップフロップ出力
110 発振器出力
111 発振器出力
300 センサ
301 ガスチャンバ
302 ガス透過膜
303 開口発振器
304 基準発振器
501 パルスカウンタ
601 ナノチューブ
602 電気プローブ
603 計測システム、計測電気回路
800 センサシステム
801 制御装置
802 温度(T)センサ
803 湿度(RH)センサ
804 圧力(P)センサ
900 センサシステム
901 制御装置
902 発振器
903 発振器
904 差動アンプ
1000 センサシステム
1001 制御装置
1002 温度(T)センサ
1003 湿度(RH)センサ
1004 圧力(P)センサ
1005 発振器
1006 発振器
1007 発振器
1008 差動アンプ
1009 差動アンプ
1100 センサシステム
1101 制御装置
1102 温度(T)センサ
1103 湿度(RH)センサ1103
1104 圧力(P)センサ
1105 発振器
1106 発振器
1108 差動アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密パッケージに密封され、第1周波数出力部を備えた第1発振器と、
検知されるガスを含有する環境にさらされ、第2周波数出力部を備えた第2発振器と、
前記第1及び第2周波数の出力部間の差異である第1周波数差信号の生成によって、前記ガスが前記第2発振器によって検知されるか否かを計測するように構成された回路と、
前記検知されるガスを含有する前記環境の環境変数を計測するように構成され、1又は複数の環境センサ出力部を備えた1又は複数の環境センサと、
検知された前記ガスの濃度を、前記第1周波数差信号及び前記1又は複数の環境センサ出力部の関数として測定するように構成された制御装置と
を具備するガスセンサ。
【請求項2】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の温度を計測するように構成された温度センサを具備する請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の圧力を計測するように構成された圧力センサを具備する請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の湿度を計測するように構成された湿度センサを具備する請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の温度を計測するように構成された温度センサを具備し、前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の圧力を計測するように構成された圧力センサを具備し、前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の相対湿度を計測するように構成された湿度センサを具備し、検知された前記ガスの濃度(c)は、前記制御装置により以下の関数によって決定され、
c=(dF−S0−S1*p−S2*T−S3*RH)/S4、
式中、dFは前記第1及び第2周波数の出力部間の周波数の差異であり、pは圧力であり、Tは温度であり、RHは相対湿度であり、S0、S1、S2、S3、S4は定数であり、S0はオフセットであり、S1、S2、S3は、p、T及びRHに関する信号の1次導関数であり、S4は倍率である請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項6】
気密パッケージに密封され、第1周波数出力部を備えた第1発振器と、
検知されるガスを含有する環境にさらされ、第2周波数出力部を備えた第2発振器と、
検知される他のガスを含有する環境にさらされ、第3周波数出力部を備えた第3発振器と、
それぞれ前記第1及び第2周波数の出力部間、並びに前記第1及び第3周波数の出力部間の差異である、第1及び第2周波数差信号の生成によって、前記ガスが前記第2及び第3発振器によって検知されるか否かを計測するように構成された回路と、
検知された前記ガスの濃度を、前記第1及び第2周波数差信号、並びに1又は複数の環境センサ出力部の関数として測定するように構成された制御装置と
を具備するガスセンサ。
【請求項7】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の温度を計測するように構成された温度センサを具備する請求項6に記載のガスセンサ。
【請求項8】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の圧力を計測するように構成された圧力センサを具備する請求項6に記載のガスセンサ。
【請求項9】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の湿度を計測するように構成された湿度センサを具備する請求項6に記載のガスセンサ。
【請求項10】
前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の温度を計測するように構成された温度センサを具備し、前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の圧力を計測するように構成された圧力センサを具備し、前記1又は複数の環境センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の湿度を計測するように構成された湿度センサを具備し、検知された前記ガスの濃度(c)は、前記制御装置により以下の関数によって決定され、
c=(dF1+kdF2−S0−S1*p−S2*T−S3*RH)/S4、
式中、dF1は第1周波数差であり、dF2は第2周波数差であり、pは圧力であり、Tは温度であり、RHは相対湿度であり、S0、S1、S2、S3、S4は定数であり、S0はオフセットであり、S1、S2、S3は、p、T及びRHに関する信号の1次導関数であり、S4及びkは倍率である請求項6に記載のガスセンサ。
【請求項11】
前記第2発振器は、前記環境にさらされるガス吸収剤コーティングを含み、前記第1及び第2周波数の出力部間の差異である周波数信号の生成によって、前記第2発振器上の前記ガス吸収剤コーティングによって吸収されたガスの質量を測定するための回路をさらに具備し、前記制御装置は、前記ガス吸収剤コーティングによって吸収される前記ガスの質量を、前記第1周波数差信号及び前記1又は複数の環境センサ出力部の関数として測定する請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項12】
ガス環境にさらされ、第1周波数出力部を出力する第1発振器と、
ガス吸収剤コーティングを含み、ガス環境にさらされ、第2周波数出力部を出力する第2発振器と、
前記第1及び第2周波数の出力部間の差異である周波数信号の生成によって、前記第2発振器上の前記吸収剤コーティングによって吸収されたガスの質量を測定するように構成された回路と、
ガス圧力センサと、
湿度センサと、
温度センサと、
前記吸収されたガスの前記質量の濃度を、前記周波数差信号、並びに前記ガス圧力センサ、前記湿度センサ及び前記温度センサからの信号の関数として測定するように構成された制御装置と
を具備するガスセンサ。
【請求項13】
前記温度センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の温度を計測するように構成される請求項12に記載のガスセンサ。
【請求項14】
前記圧力センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の圧力を計測するように構成される請求項12に記載のガスセンサ。
【請求項15】
前記湿度センサは、前記検知されるガスを含有する前記環境の湿度を計測するように構成される請求項12に記載のガスセンサ。
【請求項16】
吸収された前記ガスの前記質量(m)は、前記制御装置により以下の関数によって決定され、
m=(dF−S0−S1*p−S2*T−S3*RH)/S4、
式中、dFは前記第1及び第2周波数の出力部間の周波数の差異であり、pは圧力であり、Tは温度であり、RHは相対湿度であり、S0、S1、S2、S3、S4は定数であり、S0はオフセットであり、S1、S2、S3は、p、T及びRHに関する信号の1次導関数であり、S4は倍率である請求項12に記載のガスセンサ。

【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−516627(P2013−516627A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548148(P2012−548148)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020510
【国際公開番号】WO2011/085193
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(505131522)アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド (27)