説明

ガスバーナ

【課題】メインガスをメインガスパイプの軸方向に対して傾斜する特定の方向に噴出させる場合において、ガスノズル及びメインガスパイプの組付が容易であり、安定して燃焼を行うことができるガスバーナを提供すること。
【解決手段】ガスバーナ1は、パイロットエアパイプ2内にパイロットガスパイプ3を挿通し、パイロットガスパイプ3内にメインガスパイプ4を挿通してなる。メインガスパイプ4の先端部に一体化した先端ノズル部32には、ガスノズル5が溶接によって一体化してある。ガスノズル5のメインガス噴出口51は、メインガスパイプ4の軸方向Lに対して特定方向に向けて傾斜形成してある。メインガスパイプ4の後端部は、バーナボディ6に形成した挿入穴61内に挿入した状態で、バーナボディ6の外側からメインガスパイプ4の後端面403に固定用ボルト65を螺合することによって、バーナボディ6に取り付けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイロットガスをパイロットエアと燃焼させてパイロット火炎を形成し、このパイロット火炎によって、メインガスを燃焼させて主火炎を形成するよう構成したガスバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガスバーナを用いて加熱炉内を加熱する場合などにおいては、パイロット火炎を用いて、メインガスを燃焼させることが行われている。例えば、特許文献1においては、パイロット用空気を通過させる外筒内に、パイロット用ガスを通過させる内筒を挿通配置し、この内筒内に、主燃料を噴射させる主燃料管を挿通配置して、三重管構造の燃料噴射ガンを構成している。これによれば、主バーナとは別にパイロットバーナを設ける必要がなく、バーナ全体の構造のコンパクト化及びシンプル化を実現している。
【0003】
ところで、上記従来のガスバーナにおいては、主燃料(メインガス)の噴射方向は、主燃料管の軸方向と平行な方向にしている。そのため、主燃料の噴射方向を上記軸方向に対して特定方向に向けて傾斜形成した場合の工夫はなされていない。すなわち、この場合には、主燃料管は方向性を有することになり、主燃料の噴射方向を安定して決定するための工夫が必要とされる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−68510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、メインガスをメインガスパイプの軸方向に対して傾斜する特定の方向に噴出させる場合において、ガスノズル及びメインガスパイプの組付が容易であり、安定して燃焼を行うことができるガスバーナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パイロットエアを通過させるパイロットエアパイプと、該パイロットエアパイプ内に挿通され、パイロットガスを通過させるパイロットガスパイプと、該パイロットガスパイプ内に挿通され、メインガスを通過させるメインガスパイプと、該メインガスパイプ及び上記パイロットガスパイプの先端部に配設したガスノズルと、上記パイロットガスパイプの後端部及び上記メインガスパイプの後端部を取り付けるバーナボディとを有しており、
上記パイロットガスパイプは、上記パイロットガスを上記パイロットエアパイプ内に混流させるためのパイロットガス噴出孔を有しており、
上記ガスノズルは、上記メインガスパイプの軸方向に対して特定方向に向けて傾斜形成したメインガス噴出口を有していると共に、上記メインガスパイプの先端部、又は該メインガスパイプの先端部に一体化した上記パイロットガスパイプの先端部に一体化してあり、
上記メインガスパイプの後端部は、上記バーナボディに形成した挿入穴内に挿入した状態で、該バーナボディの外側から当該メインガスパイプの後端面に固定用ボルトを螺合することによって、当該バーナボディに取り付けてあることを特徴とするガスバーナにある(請求項1)。
【0007】
本発明のガスバーナは、上記パイロットエアパイプ、パイロットガスパイプ及びメインガスパイプを備えた三重管構造を有しており、メインガスパイプ及びパイロットガスパイプの先端部には、上記特定方向に向けて傾斜形成したメインガス噴出口を有するガスノズルを配設してなる。
【0008】
本発明のガスバーナにおいて燃焼を行う際には、パイロットガスパイプのパイロットガス噴出孔から、パイロットエアパイプ内のパイロットエアに、パイロットガスが混流する。そして、パイロットガスとパイロットエアとの混合気に着火を行い、これらを燃焼させて、パイロット火炎を形成する。また、ガスノズルのメインガス噴出口から噴出されたメインガスは、パイロット火炎により着火され、ガスバーナの周辺に噴出されたエア等を用いて燃焼し、メイン火炎を形成することができる。
【0009】
そして、本発明のガスバーナは、その組付状態に工夫を行っている。すなわち、本発明のメインガスパイプの後端部は、バーナボディに形成した挿入穴内に挿入した状態で、バーナボディの外側からメインガスパイプの後端面に固定用ボルトを螺合することによって、バーナボディに取り付けてある。これにより、ガスノズルを一体化したメインガスパイプをバーナボディに組み付ける際には、メインガスパイプを回転させてバーナボディに螺合する必要がない。
【0010】
そして、メインガスパイプの後端部をバーナボディの挿入穴に挿入すると共に、ガスノズルにおけるメインガス噴出口の傾斜方向を、周方向における目標とする方向に合わせ、バーナボディの外側からメインガスパイプの後端面に固定用ボルトを螺合する。そのため、ガスノズル及びメインガスパイプをバーナボディに対して容易に組み付けることができる。
【0011】
また、ガスノズルは、メインガスパイプの先端部、又はメインガスパイプの先端部に一体化したパイロットガスパイプの先端部に一体化してあることにより、これらの組付境界部に、隙間が形成されることを防止することができる。そのため、メインガスがパイロットエア内へ漏れてしまうことを防止することができ、ガスバーナにおける燃焼を安定させることができる。また、上記特定方向に傾斜形成したガス噴出口から噴出させたメインガスにより、当該特定方向に向けて上記メイン火炎を形成することができる。
【0012】
それ故、本発明のガスバーナによれば、メインガスをメインガスパイプの軸方向に対して傾斜する特定の方向に噴出させる場合において、ガスノズル及びメインガスパイプの組付が容易であり、安定して燃焼を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記ガスノズルは、上記メインガスパイプの先端部、又は該メインガスパイプの先端部に一体化した上記パイロットガスパイプの先端部に溶接によって一体化することができる。また、ガスノズルは、溶接以外の方法によっても一体化することが可能である(例えば、一体的に削り出すこと、鋳物によって一体化すること等が可能である)。
【0014】
また、上記パイロットガスパイプは、上記バーナボディに螺合したパイプ本体部と、該パイプ本体部の先端部に摺動可能に連結した先端ノズル部とからなり、該先端ノズル部、上記メインガスパイプ及び上記ガスノズルは、溶接によって一体化して、溶接組付体を形成しており、上記バーナボディに螺合した上記パイプ本体部に対して、上記溶接組付体における上記先端ノズル部を周方向に摺動させることによって、上記溶接組付体における上記ガスノズルの上記メインガス噴出口の傾斜方向を決定して、上記固定用ボルトの締付けを行うよう構成することが好ましい(請求項2)。
【0015】
この場合には、上記溶接組付体を用いて、ガスバーナの組付を行うことにより、この組付を一層容易に行うことができる。
すなわち、この場合には、ガスバーナの組付を行う際には、パイロットガスパイプのパイプ本体部を、その後端部においてバーナボディに螺合し、このパイプ本体部に対して、パイロットガスパイプの先端ノズル部、メインガスパイプ及びガスノズルを溶接により一体化してなる溶接組付体を組み付ける。
【0016】
このとき、溶接組付体においては、パイプ本体部の先端部に対して、先端ノズル部を周方向に摺動させることによって、ガスノズルにおけるメインガス噴出口の傾斜方向を決定し、この傾斜方向を周方向における目標とする方向に合わせることができる。
そして、メインガス噴出口の傾斜方向を固定した状態で、メインガスパイプの後端面に螺合する固定用ボルトの締付けを行い、ガスバーナの組付を行うことができる。これにより、ガスバーナの組付を一層容易に行うことができる。
【0017】
また、上記メインガスパイプの後端部におけるパイプ側部には、掛止溝が形成してあり、上記バーナボディの外側から取り付けた抜止用ボルトの先端部を、上記掛止溝内に配置することにより、上記メインガスパイプの回り止めを行うことが好ましい(請求項3)。
この場合には、万一、バーナボディの挿入穴に挿入したメインガスパイプの後端面に螺合する上記固定用ボルトに緩みが生じたときでも、上記抜止用ボルトの先端部が上記掛止溝に掛止されることによって、バーナボディに対して組付を行ったメインガスパイプが回ってしまうことを防止することができる。これにより、ガスノズルにおけるメインガス噴出口の傾斜方向が、周方向における目標とする方向からずれてしまうことを防止することができる。
【実施例】
【0018】
以下に、本発明のガスバーナにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例のガスバーナ1は、図1、図2に示すごとく、パイロットエアAを通過させるパイロットエアパイプ2内に、パイロットガスF2を通過させるパイロットガスパイプ3を挿通し、このパイロットガスパイプ3内に、メインガスF1を通過させるメインガスパイプ4を挿通してなる三重管構造を有している。
また、メインガスパイプ4の先端部401及びパイロットガスパイプ3の先端部301には、メインガスパイプ4内を通過するメインガスF1を噴出させるメインガス噴出口51を有するガスノズル5が配設してある。
【0019】
図3に示すごとく、パイロットガスパイプ3の後端部302及びメインガスパイプ4の後端部402は、バーナボディ6に取り付けてある。また、図2、図5に示すごとく、パイロットガスパイプ3は、パイロットガスF2をパイロットエアパイプ2内に混流させるためのパイロットガス噴出孔321を、パイプ側部の周方向Cに複数有している。
また、図2に示すごとく、ガスノズル5のメインガス噴出口51は、メインガスパイプ4の軸方向Lに対して特定方向に向けて傾斜形成してある。また、メインガスパイプ4の先端部401には、パイロットガスパイプ3の内周部分が溶接によって一体化してあり、ガスノズル5は、パイロットガスパイプ3の先端部301に溶接によって一体化してある。
【0020】
そして、図3に示すごとく、本例のガスバーナ1においては、メインガスパイプ4の後端部402は、バーナボディ6に形成した挿入穴61内に挿入した状態で、バーナボディ6の外側からメインガスパイプ4の後端面403に固定用ボルト65を螺合することによって、バーナボディ6に取り付けてある。
【0021】
以下に、本例のガスバーナ1につき、図1〜図6と共に詳説する。
図1に示すごとく、本例のガスバーナ1は、加熱炉において加熱を行うために用いるものである。このガスバーナ1は、バーナボディ6の取付部60を、加熱炉の炉壁の外側面に取り付け、パイロットエアパイプ2、パイロットガスパイプ3、及びガスノズル5を固定したメインガスパイプ4のバーナパイプ部10を、炉壁の内側面から加熱炉内に突出させて使用する。
また、本例のパイロットエアAは、フレッシュエア(空気)であり、本例のメインガスF1及びパイロットガスF2は、都市ガス(13A等)である。
【0022】
図2に示すごとく、本例のパイロットガスパイプ3は、バーナボディ6に螺合したパイプ本体部31と、パイプ本体部31の先端部に摺動可能に連結した先端ノズル部32とからなる。図5に示すごとく、上記パイロットガス噴出孔321は、先端ノズル部32のパイプ側部の周方向Cに複数個が形成してある。
また、図6に示すごとく、ガスバーナ1の組付前の状態においては、先端ノズル部32、メインガスパイプ4及びガスノズル5は、溶接によって一体化して、溶接組付体11を形成するよう構成してある。本例では、メインガスパイプ4の先端部401に先端ノズル部32の内周部分を溶接し、先端ノズル部32の先端部301にガスノズル5を溶接している。
【0023】
図6に示すごとく、本例のガスバーナ1は、バーナボディ6に螺合したパイプ本体部31の先端部に対して、溶接組付体11における先端ノズル部32を周方向Cに摺動させることによって、溶接組付体11におけるガスノズル5のメインガス噴出口51の傾斜方向を決定して、メインガスパイプ4の後端面403への固定用ボルト65の締付けを行うよう構成してある。
また、図5に示すごとく、パイロットエアパイプ2とパイロットガスパイプ3との間には、スパークを発生させるスパークロッド15が配設してある。
【0024】
図3に示すごとく、バーナボディ6には、その挿入穴61の先端側に、この挿入穴61よりも拡径した挿入拡径穴62を連通形成してなる。この挿入拡径穴62には、パイロットガスパイプ3のパイプ本体部31における後端部302を螺合するねじ穴部が形成してある。また、図1に示すごとく、バーナボディ6には、パイロットエアAが導入されるパイロットエア導入空間63が形成してある。このパイロットエア導入空間63には、パイロットエアパイプ2の後端部202を螺合するねじ穴部が形成してある。
【0025】
また、図1、図3に示すごとく、バーナボディ6には、パイロットエア導入口631、パイロットガス導入口621及びメインガス導入口611が形成してある。
パイロットエア導入口631は、パイロットエア導入空間63に開口して形成してあり、パイロットガス導入口621は、挿入拡径穴62に開口して形成してあり、メインガス導入口611は、挿入穴61に開口して形成してある。
【0026】
また、図3に示すごとく、メインガスパイプ4の後端部402におけるパイプ側部41には、このメインガスパイプ4内にメインガス導入口611からメインガスF1を導入する導入穴44が形成してある。また、メインガスパイプ4の後端部402の近傍の外周には、一般部よりも拡径してなる拡径部42が形成してある。また、バーナボディ6の挿入穴61には、拡径部42を収容する段差穴部612が形成してある。
そして、メインガスパイプ4は、バーナボディ6の挿入穴61に挿入した状態において、拡径部42の後端面が段差穴部612の後端面に当接して、バーナボディ6に対する軸方向Lの位置決めがなされる。また、拡径部42を段差穴部612に嵌入することにより、メインガスF1がパイロットガスパイプ3内に漏れないようにしている。
【0027】
また、図1に示すごとく、パイプ本体部31をバーナボディ6に取り付けたときには、パイロットガス導入口621から挿入拡径穴62を介してパイプ本体部31内に連通する、パイロットガスF2の通過経路が形成される。また、メインガスパイプ4をバーナボディ6に取り付けたときには、メインガス導入口611から導入穴44を介してパイプ本体部31内に連通する、メインガスF1の通過経路が形成される。
また、パイロットエアパイプ2をバーナボディ6に取り付けたときには、パイロットエア導入口631からパイロットエア導入空間63を介してパイロットエアパイプ2部内に連通する、パイロットエアAの通過経路が形成される。
【0028】
また、図2、図5に示すごとく、パイロットガスパイプ3の先端ノズル部32の先端部には、径方向外方に拡径したフランジ部33が形成してある。このフランジ部33には、パイロットエアパイプ2内を通過するパイロットエアAと、パイロットガスF2との混合気Gを噴出させるパイロット噴出溝331が、周方向Cの複数箇所に形成してある。
【0029】
そして、先端ノズル部32をパイロットエアパイプ2内に挿通させたときには、フランジ部33によってパイロットエアパイプ2の先端部をほぼ閉塞すると共に、パイロット噴出溝331から上記混合気Gが噴出される。また、複数のパイロット噴出溝331は、フランジ部33の周方向Cにおける一方に向けて傾斜形成してある。パイロット噴出溝331から噴出されるパイロットガスF2とパイロットエアAとの混合気Gは、ガスバーナ1の軸方向Lの回りを旋回する旋回流として噴出される。
【0030】
また、図3に示すごとく、メインガスパイプ4の後端部402におけるパイプ側部41には、掛止溝43が形成してある。この掛止溝43は、後端部402におけるパイプ側部41の周方向の一部に形成してある。そして、本例のガスバーナ1においては、バーナボディ6の外側から取り付けた抜止用ボルト66の先端部を掛止溝43内に配置することにより、バーナボディ6の挿入穴61に対するメインガスパイプ4の回り止めが行ってある。
【0031】
これにより、万一、メインガスパイプ4の後端面403に螺合する固定用ボルト65に緩みが生じたときでも、抜止用ボルト66の先端部が掛止溝43に掛止されることによって、バーナボディ6に対して組付を行ったメインガスパイプ4が回ってしまうことを防止することができる。これにより、ガスノズル5におけるメインガス噴出口51の傾斜方向が、周方向Cにおける目標とする方向からずれてしまうことを防止することができる。
また、抜止用ボルト66の先端部が掛止溝43に掛止されることによって、メインガスパイプ4が挿入穴61から抜け出すことを防止することもできる。
【0032】
図2に示すごとく、本例のガスバーナ1において燃焼を行う際には、パイロットガスパイプ3のパイロットガス噴出孔321から、パイロットエアパイプ2内のパイロットエアAに、パイロットガスF2が混流する。そして、パイロットガスF2とパイロットエアAとの混合気Gに、スパークロッド15によって着火を行い、これらを燃焼させて、パイロット火炎を形成する。また、ガスノズル5のメインガス噴出口51から噴出されたメインガスF1は、パイロット火炎により着火され、ガスバーナ1の周辺に噴出されたエア等を用いて燃焼し、メイン火炎を形成することができる。
【0033】
本例のガスバーナ1においては、その組付状態に工夫を行っている。
具体的には、本例のガスバーナ1の組付を行う際には、図6に示すごとく、パイロットガスパイプ3の先端ノズル部32、メインガスパイプ4及びガスノズル5を溶接によって一体化して、溶接組付体11とする。この溶接組付体11は、メインガスパイプ4の先端面と、先端ノズル部32の内周面とを溶接し、その後、ガスノズル5の後端側の外周面と、先端ノズル部32の先端側の外周面とを溶接して形成する。
【0034】
次いで、図3、図6に示すごとく、パイロットガスパイプ3のパイプ本体部31を、その後端部302においてバーナボディ6に螺合し、このパイプ本体部31に対して、溶接組付体11を組み付ける。
このとき、溶接組付体11においては、メインガスパイプ4の後端部402をバーナボディ6の挿入穴61に挿入すると共に、先端ノズル部32の後端部をパイプ本体部31の先端部に連結する。そして、パイプ本体部31の先端部に対して、先端ノズル部32を周方向Cに摺動させることによって、ガスノズル5におけるメインガス噴出口51の傾斜方向を決定し、この傾斜方向を周方向Cにおける目標とする方向に合わせることができる。
【0035】
その後、図3に示すごとく、メインガス噴出口51の傾斜方向を固定した状態で、バーナボディ6の外側からメインガスパイプ4の後端面403に固定用ボルト65を締め付けて、メインガスパイプ4をバーナボディ6に固定する。また、バーナボディ6の外側から抜止用ボルト66を螺合し、抜止用ボルト66の先端部を掛止溝43内に配置する。こうして、ガスバーナ1の組付を行うことができる。
このように、メインガスパイプ4をバーナボディ6に組み付ける際には、メインガスパイプ4を回転させてバーナボディ6に螺合する必要がなく、特に、ガスノズル5及びメインガスパイプ4の組付を容易に行うことができる。
【0036】
また、ガスノズル5は、パイロットガスパイプ3の先端ノズル部32における先端部301に溶接によって一体化してあることにより、これらの組付境界部に、隙間が形成されることを防止することができる。そのため、メインガスF1がパイロットエアA内へ漏れてしまうことを防止することができ、ガスバーナ1における燃焼を安定させることができる。また、上記特定方向に傾斜形成したメインガス噴出口51から噴出させたメインガスF1により、当該特定方向に向けて上記メイン火炎を形成することができる。
【0037】
それ故、本例のガスバーナ1によれば、メインガスF1をメインガスパイプ4の軸方向Lに対して傾斜する特定の方向に噴出させる場合において、ガスノズル5及びメインガスパイプ4の組付が容易であり、安定して燃焼を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例における、ガスバーナを示す断面説明図。
【図2】実施例における、ガスバーナにおけるバーナパイプ部の先端部分を拡大して示す断面説明図。
【図3】実施例における、ガスバーナにおけるバーナボディの後端部分を拡大して示す断面説明図。
【図4】実施例における、ガスノズルの周辺を示す図で、図2におけるA矢視説明図。
【図5】実施例における、パイロットガス噴出孔の周辺を示す図で、図2におけるB矢視断面説明図。
【図6】実施例における、溶接組付体をパイプ本体部に対して組み付ける状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0039】
1 ガスバーナ
11 溶接組付体
2 パイロットエアパイプ
3 パイロットガスパイプ
31 パイプ本体部
32 先端ノズル部
321 パイロットガス噴出孔
4 メインガスパイプ
43 掛止溝
5 ガスノズル
51 メインガス噴出口
6 バーナボディ
61 挿入穴
65 固定用ボルト
66 抜止用ボルト
F1 メインガス
F2 パイロットガス
A パイロットエア
G 混合気
L 軸方向
C 周方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロットエアを通過させるパイロットエアパイプと、該パイロットエアパイプ内に挿通され、パイロットガスを通過させるパイロットガスパイプと、該パイロットガスパイプ内に挿通され、メインガスを通過させるメインガスパイプと、該メインガスパイプ及び上記パイロットガスパイプの先端部に配設したガスノズルと、上記パイロットガスパイプの後端部及び上記メインガスパイプの後端部を取り付けるバーナボディとを有しており、
上記パイロットガスパイプは、上記パイロットガスを上記パイロットエアパイプ内に混流させるためのパイロットガス噴出孔を有しており、
上記ガスノズルは、上記メインガスパイプの軸方向に対して特定方向に向けて傾斜形成したメインガス噴出口を有していると共に、上記メインガスパイプの先端部、又は該メインガスパイプの先端部に一体化した上記パイロットガスパイプの先端部に一体化してあり、
上記メインガスパイプの後端部は、上記バーナボディに形成した挿入穴内に挿入した状態で、該バーナボディの外側から当該メインガスパイプの後端面に固定用ボルトを螺合することによって、当該バーナボディに取り付けてあることを特徴とするガスバーナ。
【請求項2】
請求項1において、上記パイロットガスパイプは、上記バーナボディに螺合したパイプ本体部と、該パイプ本体部の先端部に摺動可能に連結した先端ノズル部とからなり、
該先端ノズル部、上記メインガスパイプ及び上記ガスノズルは、溶接によって一体化して、溶接組付体を形成しており、
上記バーナボディに螺合した上記パイプ本体部に対して、上記溶接組付体における上記先端ノズル部を周方向に摺動させることによって、上記溶接組付体における上記ガスノズルの上記メインガス噴出口の傾斜方向を決定して、上記固定用ボルトの締付けを行ったことを特徴とするガスバーナ。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記メインガスパイプの後端部におけるパイプ側部には、掛止溝が形成してあり、上記バーナボディの外側から取り付けた抜止用ボルトの先端部を、上記掛止溝内に配置することにより、上記メインガスパイプの回り止めを行ったことを特徴とするガスバーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−202811(P2008−202811A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36183(P2007−36183)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【出願人】(000140362)株式会社横井機械工作所 (9)