説明

ガス供給装置

【課題】本発明は大容量のタンクに高速充填できると共に、複数の小容量のタンクには同時に並行してガス充填するようにして充填効率を高めることを課題とする。
【解決手段】 燃料タンク12の容量が大きい場合には、ガス供給ノズル62A,62Bの何れか一方を自動車の燃料タンク12の充填口に結合させた後に、高速充填スイッチ68をオンに操作してから当該燃料タンク12に結合されたガス供給ノズル62A,62Bに対応するガス供給開始スイッチ66A,66Bの何れか一方をオンに操作する。この場合、2つのガス供給経路50A,50Bから供給されたガスを燃料タンク12に供給することで高速充填を行なうことができる。また、燃料タンク12の容量が小さい場合には、ガス供給開始スイッチ66A,66Bの何れか一方を操作することで対応するガス供給経路50A,50Bの何れか一方を用いて燃料タンク12へのガス充填制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス供給装置に係り、特に大容量の被充填タンクにガスを高速で充填できるように構成されたガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の排気ガス対策としてガソリンや軽油等の燃料を燃焼させて走行するエンジンが搭載された自動車に代わってCNG等の圧縮ガスを燃料とする自動車の開発が進められている。これに伴って自動車の燃料タンクに圧縮ガスを充填するガス供給装置の開発も進められている。
【0003】
この種のガス供給装置は、圧縮機により圧縮されたガスを供給するガス供給経路に連通されたガス供給ノズルを燃料タンクの充填口に結合し、ガス供給経路の制御弁の弁開度を制御して燃料タンクに供給されるガスの供給量を計測し、目標充填量に達するとガス供給を停止するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ガス供給装置では、ガス供給経路に設けられた制御弁や流量計を含めた配管抵抗やガス供給ノズルの流路径等によって充填速度が決まり、自動車に搭載された燃料タンクに残留された残量によって目標圧力に達する満充填になるまでの充填時間が異なる。
【特許文献1】特開2004−257526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バス等の大型車のように燃料タンクが大容量である場合には、満充填になるまでに多くの時間を要することになり、充填時間の短縮化が要望されている。
【0006】
一方、ガス充填速度を高速化する方法として、ガス供給経路や制御弁、流量計、ガス供給ノズルなどの流路を大径化することが考える。この方法では、各機器が特殊仕様となるため、コストが高価になるばかりか、普通自動車の燃料タンクにガス充填する場合に圧力が急激に上昇することになるため、普通自動車には適さないので、普通自動車が充填所で順番待ちしている状態のときに大型車が来ない場合には、ガス供給装置を十分に活用することができない。
【0007】
また、ガス充填速度を高速化する方法として、複数のガス供給経路を並列に設け、複数のガス供給経路から同一のガス供給ノズルにガスを供給する構成のガス供給装置も考えられる。この方法では、大型車へのガス充填を行なう際は、複数のガス供給経路から同時にガスが供給されて高速充填が可能になるが、普通自動車の燃料タンクにガス充填する場合には、一つのガス供給経路から燃料タンクへガスを供給することになり、他のガス供給経路が使用されず、複数のガス供給経路を有するのにも拘わらず、複数の自動車が到着した場合にも一台の自動車に対してしかガス供給を行うことができない。
【0008】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、課題を解決したガス供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
【0010】
請求項1記載の発明は、一端が圧縮ガスを貯蔵する貯蔵タンクに接続され、当該圧縮ガスを供給するための複数のガス供給経路と、該複数のガス供給経路の夫々に設けられ、当該ガス供給経路を流れる圧縮ガスの流量を計測する流量計と、前記複数のガス供給経路の夫々に設けられ、当該ガス供給経路を流れる圧縮ガスの流通を制御する制御弁と、前記複数のガス供給経路の他端に一端が接続された複数のガス供給ホースと、該複数のガス供給ホースの夫々の他端に設けられたガス供給ノズルと、前記複数のガス供給経路の夫々を連通する合流経路と、該合流経路に設けられた開閉弁と、前記ガス供給ノズルの夫々に対応して設けられ、当該ガス供給ノズルを用いてガスの供給の際に操作されるガス供給開始スイッチと、被充填タンクに対し、複数のガス供給経路を用いて高速で充填するか否かを指示するための充填速度指示手段と、該充填速度指示手段により高速での充填が指示された場合には、前記開閉弁を開弁し、この後、前記ガス供給開始スイッチが操作されると、前記複数のガス供給経路よりの圧縮ガスを前記ガス供給ノズルに供給することにより、前記被充填タンクへのガス充填制御を行ない、該充填速度指示手段により高速での充填が指示されずに前記ガス供給開始スイッチが操作された場合には、対応する前記ガス供給ノズルに連通された一の前記ガス供給経路のみからの圧縮ガスを前記ガス供給ノズルに供給することにより、前記被充填タンクへのガス充填を行なう充填制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記ガス供給ノズル毎に設けられ、当該ガス供給ノズルの不使用時に当該ガス供給ノズルが載置されるノズル載置器と、該ノズル載置器毎に設けられ、前記ガス供給ノズルが載置されているか否かを検出するノズル検出手段と、を有し、前記充填制御手段は、前記開閉弁を開弁させてガス充填を行なっている際に、前記複数のノズル検出手段より前記開閉弁を介して連通された他の前記ガス供給ノズルが載置されていないことが検出された場合には、前記開閉弁及び前記制御弁の夫々を閉弁させることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記充填制御手段は、前記充填速度指示手段により高速での充填が指示され、かつ、前記ガス供給開始スイッチが操作された場合には、前記一のガス供給経路の制御弁を開弁し、所定時間経過後に前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を開弁することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記充填制御手段が、前記被充填タンクの残容量が予め設定された規定未満になったとき、前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、所定時間経過後に前記一のガス供給経路の制御弁を閉弁することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記充填制御手段は、前記制御弁を開弁してから予め設定された規定時間が経過したとき、前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、その後所定の時間差で前記一のガス供給経路の制御弁を閉弁することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、大容量の被充填タンクにガスを供給する場合には、複数のガス供給経路よりの圧縮ガスを一つのガス供給ノズルに供給して高速充填により充填時間を短縮することができ、比較的容量の小さい被充填タンクにガスを供給する場合には、複数のガス供給経路からのガスを夫々のガス供給ノズルに供給して複数の被充填タンクに対して同時にガス供給することができる。従って、被充填タンクの容積に応じて複数のガス供給経路を切り換えることが可能であるので、複数のガス供給経路を効率良く使用できると共に、大容量の被充填タンクへの高速充填を可能して充填時間の短縮化を促進することもできる。
【0016】
また、本発明によれば、開閉弁を開弁させてガス充填を行なっている際に、複数のノズル検出手段より開閉弁を介して連通された他のガス供給ノズルが載置されていないことが検出された場合には、開閉弁及び制御弁を閉弁させるため、大容量の被充填タンクへ高速充填しているときに他のガス供給ノズルの使用を禁止して不正にガス供給されることを防止することができる。
【0017】
また、本発明によれば、充填速度指示手段により高速での充填が指示され、かつ、ガス供給開始スイッチが操作された場合には、一のガス供給経路の制御弁を開弁し、所定時間経過後に開閉弁の開弁により連通された他のガス供給経路の制御弁を開弁するため、被充填タンクへ高速充填する場合に被充填タンクの圧力が急激に上昇することを防止すると共に、他のガス供給経路の制御弁を開弁する前にガス供給が安全に行なえることを確認することができる。
【0018】
また、本発明によれば、被充填タンクの残容量が予め設定された規定未満になったとき、開閉弁の開弁により連通された他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、所定時間経過後に一のガス供給経路の制御弁を閉弁するため、被充填タンクが満充填となる前に他のガス供給経路からのガス供給を停止してガス供給量を1段絞ることができ、所定時間経過後に一のガス供給経路からのガス供給を停止してガス供給停止時の充填精度を高めることができる。
【0019】
また、本発明によれば、制御弁を開弁してから予め設定された規定時間が経過したとき、開閉弁の開弁により連通された他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、その後所定の時間差で一のガス供給経路の制御弁を閉弁するため、被充填タンクが満充填となる前に他のガス供給経路からのガス供給を停止してガス供給量を1段絞ることができ、所定時間経過後に一のガス供給経路からのガス供給を停止してガス供給停止時の充填精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明によるガス供給装置の一実施例を示すシステム系統図である。図1に示されるように、ガス供給装置10は、例えば自動車の燃料タンク(被充填タンク)12に圧縮したガス(例えば、CNG)を供給するガス供給ステーション(ガス充填所)などに設置されている。
【0022】
ガス供給装置10は、大略、圧縮されたガスを貯蔵するガス貯蔵部20と、ガス貯蔵部20からのガスを自動車の燃料タンク12に供給するためのディスペンサユニット30と、ディスペンサユニット30の各機器を制御する制御部40とよりなる。
【0023】
ガス貯蔵部20は、圧縮機22により圧縮されたガスを貯蔵する可変圧ガス蓄圧器24と高圧ガス蓄圧器26とを有する。また、圧縮機22は、入口側の元弁21または元弁23の何れか一方を開弁することで、可変圧ガス蓄圧器24または高圧ガス蓄圧器26に燃料タンク12に充填される目標充填圧力よりも高い圧力のガスを蓄圧するまで圧縮ガスを補給する。
【0024】
充填開始当初は、可変圧ガス蓄圧器24の元弁25A,25Bが開弁されて燃料タンク12へのガス充填が行われる。そして、燃料タンク12の充填圧力が目標圧力に達する直前に高圧ガス蓄圧器26の元弁27A,27Bを開弁して燃料タンク12の充填圧力を目標圧力まで充填する。尚、元弁25A,25Bは、可変ガス蓄圧器24に圧縮ガスを補給する際は、閉弁されており、燃料タンク12のガス供給開始時に開弁される。また、元弁27A,27Bも高圧ガス蓄圧器26に圧縮ガスを補給する際は、閉弁されており、燃料タンク12へのガス供給が満充填直前になったときに開弁される。
【0025】
ディスペンサユニット30には、ガス貯蔵部20に連通された第1のガス供給経路50Aと第2のガス供給経路50Bとが並列に設けられている。ガス供給経路50A,50Bには、流量計52A,52B、開閉弁54A,54B、制御弁56A,56B、圧力センサ58A,58Bが配設されている。さらに、ガス供給経路50A,50Bの下流側端部には、充填ホース59A,59B、三方弁60A,60B、ガス供給ノズル62A,62Bが連通されている。
【0026】
また、制御部40は、第1のガス供給経路50Aの各機器を制御する第1の制御装置42Aと、第2のガス供給経路50Bの各機器を制御する第2の制御装置42Bと、ガス供給経路50A,50Bの2系統から供給されたガスを充填する場合に2系統のガス供給量を合算すると共に、ガス供給経路50A,50Bとの間を連通する合流経路70に設けられた合流開閉弁72を開閉制御する第3の制御装置42Cとを有する。
【0027】
制御装置42A,42Bは、夫々、流量計52A,52B、開閉弁54A,54B、制御弁56A,56B、圧力センサ58A,58B及び流量表示器64A,64B、ガス供給開始スイッチ66A,66B、高速充填スイッチ(充填速度切り換えスイッチ)68と接続されている。第3の制御装置42Cは、他の制御装置42A,42Bと相互に通信可能に接続されており、高速充填スイッチ68が操作されて2系統のガス供給量を合算する場合には、合算したガス供給量を流量表示器64Cに表示させる。
【0028】
制御装置42A,42Bは、係員の入力操作に応じて各ガス供給経路50A,50Bを各ガス供給ノズル62A,62B別にガス供給する個別制御モードを実行し、制御装置42Cは各ガス供給経路50A,50Bをガス供給ノズル62A,62Bの何れか一方に供給する合算制御モードを実行する。
【0029】
制御装置42A,42Bは、流量計52A,52Bから出力された流量パルスを積算してガス供給量を演算すると共に、流量表示器64A,64Bにガス供給量を表示する。さらに、制御装置42Cは、POS装置80と通信可能に接続されており、各制御モードによって供給されたガス供給量をPOS装置80へ送信する。POS装置80は、ガス供給ステーション(ガス充填所)に設置された各機器を管理しており、各ガス供給装置の制御装置42Cから送信されたガス供給量を集計すると共に、各ガス供給量を時系列的に集計したガス供給リストを作成する。
【0030】
制御装置42A〜42Cは、夫々後述するようにメモリに格納された制御プログラムを読み込んで、各制御モードに応じた制御処理を実行する。
【0031】
ガス供給ステーション(ガス充填所)の係員は、ガス充填を受ける顧客の自動車が到着すると、空いているディスペンサユニット30に誘導し、ガス供給ノズル62A,62Bの何れか一方を自動車の燃料タンク12の充填口に結合させ、三方弁60A,60Bをガス充填状態に切り換える。その後、当該自動車が普通乗用車等のような小型の容量(容積)を有する燃料タンク12を搭載されている場合は、当該燃料タンク12に結合されたガス供給ノズル62A,62Bに対応するガス供給開始スイッチ66A,66Bの何れか一方をオンに操作する。
【0032】
これで、オン操作されたガス供給開始スイッチ66A(又は66B)に対応する制御装置42A(又は42B)は、開閉弁54A(又は54B)を開弁し、制御弁56A(又は56B)の弁開度を制御しながら燃料タンク12へガス供給量を制御する。そして、燃料タンク12の圧力が目標充填圧力に達して充填終了すると、開閉弁54A(又は54B)、制御弁56A(又は56B)を閉弁させて当該燃料タンク12に対するガス充填を終了する。尚、燃料タンク12へのガス供給量または充填圧力を設定する場合には、ガス供給開始スイッチ66A,66Bを操作する前に各設定値の入力操作を行なう。
【0033】
また、高速充填スイッチ68がオン操作された場合、制御装置42Cからの指示により制御装置42A,42Bは、開閉弁54A,54Bを夫々開弁し、制御弁56A,56Bの弁開度を並行して制御しながら燃料タンク12へガス供給量を制御する。そして、燃料タンク12の圧力が目標充填圧力に達して充填終了すると、開閉弁54A,54B、制御弁56A,56Bを閉弁させて当該燃料タンク12に対するガス充填を終了する。
【0034】
従って、ガス充填を受ける顧客の自動車が燃料タンク12の容量が大きい大型車の場合には、ガス供給ノズル62A,62Bの何れか一方を自動車の燃料タンク12の充填口に結合させた後に、高速充填スイッチ68をオンに操作してから当該燃料タンク12に結合されたガス供給ノズル62A,62Bに対応するガス供給開始スイッチ66A,66Bの何れか一方をオンに操作する。尚、この場合、2つのガス供給経路50A,50Bから供給されたガスを燃料タンク12に供給することで高速充填を行なうため、ガス供給ノズル62A,62Bのうち燃料タンク12に結合されなかった他方は、ガス供給を行なわない不使用状態となる。
【0035】
ここで、制御装置42A〜42Cが実行する各制御処理について説明する。まず、制御装置42A,42Bが各ガス供給経路50A,50Bを個別に制御する場合の制御処理について図2、図3のフローチャートを参照して説明する。その後、2つのガス供給経路50A,50Bを合流させて高速充填制御する場合の制御処理について図4、図5のフローチャートを参照して説明する。また、以下のフローチャートにおいて、ガス供給経路50AをA系、ガス供給経路50BをB系として図示している。
【0036】
第1の制御装置42Aは、S11で高速充填スイッチ68がオンに操作されたか否かをチェックする。S11において、高速充填スイッチ68がオフのときは、S12に進み、ガス供給開始スイッチ66Aがオンに操作されたか否かをチェックする。S12において、ガス供給開始スイッチ66Aがオフのままであるときは、上記S11に戻る。尚、上記S11において、高速充填スイッチ68がオンに操作されたときは、後述する高速充填を行なう合算充填制御処理(図4、図5参照)に移行する。
【0037】
また、上記S12において、ガス供給開始スイッチ66Aがオンに操作されたときは、S13に進み、POS装置80から充填許可信号が受信されたことを確認する。S13において、POS装置80から充填許可信号が受信されたときは、S14に進み、ガス供給ノズル62Aを掛止するノズル掛けのスイッチに設けられ、ガス供給ノズル62Bがノズル掛けに掛止されている場合にはこれを検出し、オンとなるノズルスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S14において、ノズルスイッチがオフであればS15に進み、開閉弁54Aを開弁させる。尚、上記S13において、POS装置80からの充填許可信号が受信されない場合、あるいはS14において、ノズルスイッチがオンであるときは、ガス供給ノズル62Aがノズル掛けに掛止されているので、上記S12に戻る。
【0038】
次のS16では、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25Aを開弁させ、制御弁56Aの弁開度を制御して燃料タンク12へのガス供給を行なう。そして、S17では、ガス供給経路50Aにおけるバンク(ガス蓄圧器)切り替え条件が成立したか否かをチェックする。S17において、バンク切り替え条件が成立したときは、S18に進み、ガス供給源を可変圧ガス蓄圧器24から高圧ガス蓄圧器26に切り替える。しかし、S17において、バンク(ガス蓄圧器)切り替え条件が成立しないときは、S19に進み、圧力センサ58Aにより検出された圧力値を読込み、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力(20MPa)に達したか否かをチェックする。
【0039】
S19において、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力に達していないときは上記S17に戻り、S17〜S19の処理を繰り返す。また、上記S19において、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力に達したときは、S20に進み、開閉弁54Aを閉弁させる。
【0040】
次のS21では、ガス供給ノズル62Aを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S21において、ノズルスイッチがオンであるときは、ガス供給ノズル62がノズル掛けに掛止されているので、S22に進み、POS装置80にガス充填が完了したことを表す信号(コマンド)を送信する。
【0041】
また、上記ガス供給経路50Aで燃料タンク12へのガス充填を行なっているときに,他の自動車が到着した場合には、他の自動車の燃料タンク12にガス供給経路50Bによるガス充填作業を行なう。第2の制御装置42Bは、図3に示す制御処理を実行して他の自動車へのガス充填制御を行なう。尚、図3に示す制御処理S31〜S42は、図2に示すS11〜S22と同様の制御処理を行なうため、ここでは、その説明を省略する。従って、ガス供給装置10では、2台の自動車に同時にガス供給を行うことが可能であるので、普通または小型の自動車が複数台到着した場合でも効率良くガス充填作業を行なえる。
【0042】
第3の制御装置43Cは、図4に示すS51において、高速充填スイッチ68がオンに操作されたか否かをチェックする。S51において、高速充填スイッチ68がオンに操作されたときは、S52に進み、合流経路70に設けられた合流開閉弁72を開弁してガス供給経路50Aと50Bとを連通状態に切り替える。
【0043】
次のS53では、燃料タンク12にガス供給ノズル62Aが結合された場合は、ガス供給ノズル62Aに対応するガス供給開始スイッチ66Aがオンに操作されたか否かをチェックする。S53において、ガス供給開始スイッチ66Aがオンのときは、S54に進み、POS装置80から充填許可信号が受信されたことを確認する。S54において、POS装置80から充填許可信号が受信されたときは、S55に進み、ガス供給ノズル62Aを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S55において、ガス供給ノズル62AのノズルスイッチがオフであればS56に進み、ガス供給ノズル62Bを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S56において、ガス供給ノズル62BのノズルスイッチがオンであればS57に進み、合算表示器64Cをゼロリセットする。
【0044】
尚、上記S53において、ガス供給開始スイッチ66Aがオフのままであるとき、S54でPOS装置80からの充填許可信号が受信されないとき、S55でガス供給ノズル62Aのノズルスイッチがオンであるとき、S56でガス供給ノズル62Bのノズルスイッチがオンであるときは、上記S53に戻り、S53以降の処理を繰り返す。
【0045】
この後は、ガス供給経路50Aを制御するS58A〜S68Aの制御と、ガス供給経路50Bを制御するS58B〜S68Bの制御とを並行して処理することになる。まず、ガス供給経路50Aの制御処理について説明する。S58Aでは、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25Aを開弁させる。
【0046】
次のS59Aでは、開閉弁54Aを開弁させた後、制御弁56Aの弁開度を制御して燃料タンク12へのガス供給を行なう。そして、S60Aでは、ガス供給経路50Aにおけるバンク(ガス蓄圧器)切り替え条件が成立したか否かをチェックする。ここで、バンク(ガス蓄圧器)切り替え条件が設立したか否かのチェックは、例えば、(1)流量計52で計測される流量が予め定められた所定流量以下に低下したか否か、(2)圧力センサ58Aにより検出された圧力が予め定められた所定圧力(目標充填圧力よりも若干低い圧力)に達したか否か、(3)燃料タンク12に供給可能なガスの供給量(充填可能量)が予め定められた所定量以下に低下したか否かを判断することによって行っても良く、更には上記の複数の判断(1)〜(3)を組み合わせて判断するようにしても良い。
【0047】
S60Aにおいて、バンク切り替え条件が成立したときは、S61Aに進み、ガス供給源を可変圧ガス蓄圧器24から高圧ガス蓄圧器26に切り替える。しかし、S60Aにおいて、バンク(ガス蓄圧器)切り替え条件が成立しないときは、S62Aに進み、圧力センサ58Aにより検出された圧力値を読込み、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力(例えば、20MPa)に達したか否かをチェックする。
【0048】
S62Aにおいて、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力に達していないときは、図5に示すS63に進み、ガス供給ノズル62Bを掛止するノズル掛けに設けられ、ガス供給ノズル62Bがノズル掛けに掛止されているとこれを検出しオンとなるノズルスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S63において、ガス供給ノズル62Bのノズルスイッチがオフであれば、不使用状態であるガス供給ノズル62Bがノズル掛けから外されて使用されるおそれがあるので、S64に進み、ガス供給装置10の全ての弁を閉弁させる。これにより、ガス供給が強制終了することになり、ガス供給ノズル62Bを用いた不正使用によるガス供給を禁止することができる。
【0049】
次のS65では、再度、ガス供給ノズル62Bを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S65において、ガス供給ノズル62Bのノズルスイッチがオフであれば、S66でアラームを発して警告する。これにより、一方のガス供給ノズル62Aを用いた合算充填中に他方のガス供給ノズル62Bを使用することを警告により禁止することができる。
【0050】
また、S65において、ガス供給ノズル62Bのノズルスイッチがオンであれば、ガス供給ノズル62Bがノズル掛けに戻されたため、アラームを停止してS60Aの処理に戻る。また、上記S62Aにおいて、燃料タンク12に充填された圧力が充填目標圧力に達したときは、S68Aに進み、開閉弁54Aを閉弁させる。
【0051】
また、ガス供給経路50Bを制御するS58B〜S68Bの制御処理は、上記S58A〜S68Aと同様な処理であるので、その説明は省略する。このように、合算制御処理では、2つの各ガス供給経路50A,50Bから供給されたガスを合流させて燃料タンク12へ高速充填制御することが可能になり、大容量の燃料タンク12であっても充填時間を短縮することが可能になる。
【0052】
次のS69では、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25A,25B及び合流経路70に設けられた合流開閉弁72を開弁させる。続いて、S70に進み、ガス供給ノズル62A,62Bを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)が両方ともオフか否かをチェックする。S70において、ガス供給ノズル62A,62Bのノズルスイッチが両方ともオンであるときは、S71に進み、POS装置80にガス充填が完了したことを表す信号(コマンド)を送信する。これで、2つのガス供給経路50A,50Bを用いた高速充填制御処理が終了する。
【0053】
図6は変形例1の制御処理を説明するためのフローチャートである。この変形例1では、1台の制御装置34が各ガス供給経路個別のガス充填制御と各ガス供給経路合算制御処理を行なう。図6のS81において、高速充填スイッチ68がオンに操作されたか否かをチェックする。高速充填スイッチ68がオンに操作されないときは、S82〜S92の個別充填制御処理を実行し、高速充填スイッチ68がオンに操作されたときはS93〜S112の合算充填制御処理を実行する。
【0054】
まず、個別充填制御処理について説明する。高速充填を選択しない場合には高速充填スイッチ68がオンに操作されないので、S81からS82の処理に進み、ガス供給開始スイッチ66Aがオンに操作されたか否かをチェックする。S82において、ガス供給開始スイッチ66Aがオフのままであるときは、ガス供給ノズル62Bを用いた制御処理に移行する。ここで、ガス供給ノズル62Bの制御処理は、S82〜S92に示されるA系の各機器の処理をB系の各機器の処理に置き換えたものと同様であるので、個別充填制御処理についてはA系の制御処理のみを説明することとし、B系の個別充填制御処理についての説明は省略する。尚、B系の制御処理においてA系の制御処理のS82に相当する処理(ガス供給開始スイッチ66Bがオンに操作されたか否かをチェック)を行った際に、ガス供給開始スイッチ66Bがオンに操作されていないと判断した場合には、前述のS81の処理に戻る。
【0055】
S82において、ガス供給開始スイッチ66Aがオンに操作されたときは、S83に進み、POS装置80から充填許可信号が受信されたことを確認する。S83において、POS装置80から充填許可信号が受信されたときは、S84に進み、ガス供給ノズル62Aを掛止するノズル掛けのスイッチ(図示せず)がオフか否かをチェックする。S84において、ノズルスイッチがオフであれば、ガス供給ノズル62Aがノズル掛けから外されているので、S85に進み、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25A及び開閉弁54Aを開弁させる。尚、上記S83において、POS装置80からの充填許可信号が受信されない場合、あるいはS84において、ノズルスイッチがオンであるときは、上記S83に戻る。
【0056】
次のS86では、制御弁56Aの弁開度を制御して定流量制御を行なう。続いて、S87に進み、初期積算流量を流量計52Aから取り込むと共に、圧力センサ58Aから充填開始圧力値を取り込む。そして、S88では、上記初期積算流量と充填開始圧力値に基づいて燃料タンク12の残容量を演算する。尚、残容量の演算式は、周知であるので、その説明は省略する(例えば、特開平9−79495号公報や特開平9−79496号公報参照)。
【0057】
次のS89では、燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達したか否かをチェックする。S89において、燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達していないときは、S90aに進み、予め設定された所定の圧力上昇率による定圧上昇制御則に基づいて制御弁56Aの弁開度を制御してガス充填を行なう。また、S89において、燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達したときは、S90bに進み、予め設定された所定の流量による定流量制御則に基づいて制御弁56Aの弁開度を制御してガス充填を行なう。
【0058】
S91では、予め設定された充填終了条件(燃料タンク12内の圧力が目標圧力に達したか。或いは、燃料タンク12へのガス供給量が目標充填量に達したか。)が成立したか否かをチェックする。S91において、予め設定された充填終了条件が成立しないときは、上記S88に戻り、S88以降の処理を繰り返す。また、S91において、予め設定された充填終了条件が成立したときは、S92に進み、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25A及び開閉弁54Aを閉弁させる。これで、ガス供給経路50Aを用いたA系のガス充填の制御処理は終了する。
【0059】
次に、合算充填制御処理について説明する。まず、上記S81において、高速充填スイッチ68がオンに操作されて高速充填が選択された場合には、S93に進み、S93〜S98の処理(前述した図4のS52〜S57と同じ処理)を実行する。続いて、A系の充填制御処理(S85´〜S92´)とB系の充填制御処理(S103〜S112)とを並行して処理を行う。なお、A系の充填制御処理(S85´〜S92´)は前述のS85〜S92の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0060】
次にA系の制御処理(S85´〜S92´)と同時に実行されるS103〜S112のB系の制御処理を説明する。まず、前述のS98の処理を実行した後S103で計時を開始し、S104で予め設定された所定時間が経過したか否か(A系よりのガス充填が開始されてから所定時間が経過したか)をチェックする。S104において、所定時間が経過していないときは、S105に進み、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力(燃料タンク12内へのガス充填が終了する際に圧力センサ58Aで検出される圧力)となったか否かをチェックする。
【0061】
S105において、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力に達していないときは、S104に戻り、S104,S105の処理を繰り返す。また、S105において、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力であるときは、燃料タンク12が満タン状態であるので、上記S91´に移行する。
【0062】
また、上記S104において、所定時間が経過したときは、S106に進み、合流経路70に設けられた合流開閉弁72を開弁させる。続いて、S107では、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25B及び開閉弁54Bを開弁させ、ガス供給経路50Bを用いたB系のガス充填を開始する。このように、一方のガス供給経路50Aからのガス供給を開始した後、所定時間遅らせて他方のガス供給経路50Bからのガス供給を開始するため、2つのガス供給経路50A,50Bのガス供給開始タイミングをずらすことで燃料タンク12の圧力が急激に上昇することを防止することができる。
【0063】
次のS108では、ガス供給経路50Bの制御弁56Bの弁開度を制御して燃料タンク12へのガス供給量を制御する。続いて、S109では、前述のS88の処理と同様に、初期積算流量と充填開始圧力値に基づいて燃料タンク12の残容量を演算し、S110において燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達したか否かをチェックする。S110において、燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達するまで、S108〜S110の制御処理を行なってガス供給経路50Bからのガス供給を行い、燃料タンク12の残容量が0.5Kgに達したときは、S111に進み、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25B及び開閉弁54Bを閉弁させ、ガス供給経路50Bを用いたB系のガス充填を終了する。このとき、ガス供給経路50Aを用いたA系のガス充填は継続している。
【0064】
続いて、S112で合流経路70に設けられた合流開閉弁72を閉弁させる。その後、S91´に進み、前述したS91と同様の処理(予め設定された充填終了条件(燃料タンク12内の圧力が目標圧力に達したか、或いは、燃料タンク12へのガス供給量が目標充填量に達したか。)が成立したか否かをチェック)を行い、予め設定された充填終了条件が成立したと判断した場合にはS92´の処理に移行し、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25A及び開閉弁54Aを閉弁させ、ガス供給経路50Aを用いたA系のガス充填を終了する。
【0065】
このように、閉弁動作を一方のガス供給経路50Bからのガス供給を停止した後、所定時間遅らせて他方のガス供給経路50Aからのガス供給を停止するため、2つのガス供給経路50A,50Bのガス供給停止タイミングをずらすことで燃料タンク12に予め定められたガス充填量(或いは予め設定された目標圧力)のガス充填を正確に行うことができる。
【0066】
図7は変形例2の制御処理を説明するためのフローチャートである。図7において、上記図6に示す制御処理と同じ部分については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。なお、この変形例2では、前述したS109,S110の処理に代えて上記S109a,110aの処理を行っている。この変形例2では、S109aにおいて、予め設定された所定の充填時間(前述のS107において元弁25B及び開閉弁54Bを開弁させることによりガス供給経路50Bを用いたB系のガス充填を開始してからの経過時間であり、この充填時間は、過去に行なわれた充填時間の平均値が設定されている。)が経過したか否かをチェックする。従って、S109aにおいて、所定充填時間が経過したときは、S111に進み、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25B及び開閉弁54Bを閉弁させ、ガス供給経路50Bを用いたB系のガス充填を終了する。そして、S112で合流経路70に設けられた合流開閉弁72を閉弁させる。その後、上記S91´に移行する。
【0067】
また、上記S109aで所定の充填時間が経過していないときは、S110aに移行して上記S105と同様に、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力か否かをチェックする。S110aにおいて、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力に達していないときは、S108に戻る。また、S110aにおいて、圧力センサ58Aにより検出された圧力が目標圧力であるときは、燃料タンク12が満タン状態であるので、上記S91´に移行する。
【0068】
以上のように、この変形例2では、B系を用いてのガスの充填時間が予め定められた充填時間に達した時点でB系よりのガス充填を終了させるようにしている。従って、B系を用いてのガス充填を行っている分、燃料タンク12への充填時間を短縮することができる。尚、この変形例2において、B系を用いてのガス充填時間を更に短く設定しておけば、一方のガス供給経路50Bからのガス供給を停止させた後、所定時間遅らせて他方のガス供給経路50Aからのガス供給を停止させることができ、よって、2つのガス供給経路50A,50Bのガス供給停止タイミングをずらすことで燃料タンク12に予め定められたガス充填量(或いは予め設定された目標圧力)のガス充填を正確に行うことができる。
【0069】
図8は変形例3の制御処理を説明するためのフローチャートである。図8において、上記図6に示す制御処理と同じ部分については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。尚、この変形例3では、前述したS109,S110の処理に代えて上記S109bの処理を行う。即ち、S109bにおいて、圧力センサ58Aにより検出された圧力が予め設定された設定圧力(目標圧力よりも若干低い圧力)に達したか否かをチェックする。従って、S109bにおいて、圧力センサ58Aにより検出された圧力が設定圧力に達したときは、S111に進み、可変圧ガス蓄圧器24の出口側の元弁25B及び開閉弁54Bを閉弁させ、ガス供給経路50Bを用いたB系のガス充填を終了する。そして、S112で合流経路70に設けられた合流開閉弁72を閉弁させる。その後、上記S91´に移行する。
【0070】
以上のように、この変形例3では、圧力センサ58Aにより検出された圧力によって燃料タンク12の圧力が目標圧力に達したものと判断して燃料タンク12に対するガス充填を終了することで、高速充填による充填時間を短縮することができる。また、この変形例3では、前述したS109,S110の処理(初期積算流量と充填開始圧力値に基づいて燃料タンク12の残容量を演算する処理)を行わずに、A系の充填の終了よりも先にB系の充填処理を行わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
上記実施例では、ディスペンサユニット30に設けられた高速充填スイッチ68(合算充填スイッチ)が操作された場合に、2つのガス供給経路50A,50Bからガス供給することにより高速充填を可能にしているが、高速充填を行うか否かの判断は高速充填スイッチ68(合算充填スイッチ)が操作されたか否かにより判断するのに換えて、例えば、POS装置80において高速充填を許可するか通常の充填を許可するかを選択可能とし、選択された充填方法(高速充填/通常充填)での充填をディスペンサユニット30に許可し、ディスペンサユニット30では、この許可に基づいて高速充填を行うのか通常の充填を行うのかを判断し、その判断に基づき充填制御(高速充填/通常充填)を行うようにしても良い。
【0072】
また、上記実施例では、2つのガス供給経路50A,50Bからのガスを合流させて1つのガス供給ノズルから被充填タンクにガスを供給する構成を例に挙げたが、これに限らず、3つ以上のガス供給経路を合流させて高速充填する方式としても良い。
【0073】
また、上記実施例では、自動車の燃料タンクにガスを充填する場合を一例として挙げたが、自動車以外の車両や装置や設備等に搭載された被充填タンクに圧縮ガスを充填するのにも本発明を適用できるのは勿論である。
【0074】
また、上記実施例では、圧縮ガスとしてCNGを例示したが、これに限らず、CNG以外のガス(例えば、LPGや水素ガスなど)を被充填タンクに充填する場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明によるガス供給装置の一実施例を示すシステム系統図である。
【図2】制御装置42Aが各ガス供給経路50Aを個別に制御する場合の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】制御装置42Bが各ガス供給経路50Bを個別に制御する場合の制御処理
【図4】2つのガス供給経路50A,50Bを合流させて高速充填制御する場合の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートに続いて実行される制御処理のフローチャートである。
【図6】変形例1の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】変形例2の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】変形例3の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
10 ガス供給装置
12 燃料タンク
20 ガス貯蔵部
22 圧縮機
30 ディスペンサユニット
40 制御部
24 可変圧ガス蓄圧器
26 高圧ガス蓄圧器
25A,25B,27A,27B 元弁
50A,50B ガス供給経路
52A,52B 流量計
54A,54B 開閉弁
56A,56B 制御弁
58A,58B 圧力センサ
62A,62B ガス供給ノズル
42A 第1の制御装置
42B 第2の制御装置
42C 第3の制御装置
66A,66B ガス供給開始スイッチ
68 高速充填スイッチ
72 合流開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が圧縮ガスを貯蔵する貯蔵タンクに接続され、当該圧縮ガスを供給するための複数のガス供給経路と、
該複数のガス供給経路の夫々に設けられ、当該ガス供給経路を流れる圧縮ガスの流量を計測する流量計と、
前記複数のガス供給経路の夫々に設けられ、当該ガス供給経路を流れる圧縮ガスの流通を制御する制御弁と、
前記複数のガス供給経路の他端に一端が接続された複数のガス供給ホースと、
該複数のガス供給ホースの夫々の他端に設けられたガス供給ノズルと、
前記複数のガス供給経路の夫々を連通する合流経路と、
該合流経路に設けられた開閉弁と、
前記ガス供給ノズルの夫々に対応して設けられ、当該ガス供給ノズルを用いてガスの供給の際に操作されるガス供給開始スイッチと、
被充填タンクに対し、複数のガス供給経路を用いて高速で充填するか否かを指示するための充填速度指示手段と、
該充填速度指示手段により高速での充填が指示された場合には、前記開閉弁を開弁し、この後、前記ガス供給開始スイッチが操作されると、前記複数のガス供給経路よりの圧縮ガスを前記ガス供給ノズルに供給することにより、前記被充填タンクへのガス充填制御を行ない、該充填速度指示手段により高速での充填が指示されずに前記ガス供給開始スイッチが操作された場合には、対応する前記ガス供給ノズルに連通された一の前記ガス供給経路のみからの圧縮ガスを前記ガス供給ノズルに供給することにより、前記被充填タンクへのガス充填を行なう充填制御手段と、
を有することを特徴とするガス供給装置。
【請求項2】
前記ガス供給ノズル毎に設けられ、当該ガス供給ノズルの不使用時に当該ガス供給ノズルが載置されるノズル載置器と、
該ノズル載置器毎に設けられ、前記ガス供給ノズルが載置されているか否かを検出するノズル検出手段と、を有し、
前記充填制御手段は、前記開閉弁を開弁させてガス充填を行なっている際に、前記複数のノズル検出手段より前記開閉弁を介して連通された他の前記ガス供給ノズルが載置されていないことが検出された場合には、前記開閉弁及び前記制御弁の夫々を閉弁させることを特徴とする請求項1に記載のガス供給装置。
【請求項3】
前記充填制御手段は、前記充填速度指示手段により高速での充填が指示され、かつ、前記ガス供給開始スイッチが操作された場合には、前記一のガス供給経路の制御弁を開弁し、所定時間経過後に前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を開弁することを特徴とする請求項1または2に記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記充填制御手段は、前記被充填タンクの残容量が予め設定された規定未満になったとき、前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、所定時間経過後に前記一のガス供給経路の制御弁を閉弁することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記充填制御手段は、前記制御弁を開弁してから予め設定された規定時間が経過したとき、前記開閉弁の開弁により連通された前記他のガス供給経路の制御弁を閉弁し、その後所定の時間差で前記一のガス供給経路の制御弁を閉弁することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のガス供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−120605(P2007−120605A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312883(P2005−312883)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000110099)トキコテクノ株式会社 (264)
【Fターム(参考)】