説明

ガス化システムからの熱回収

【課題】ガス化システムに使用する熱回収システムを提供する。
【解決手段】システムは、ガス化システム10と、このガス化システム10に接続された有機ランキンサイクルシステム90を備える。有機ランキンサイクルシステム90は、ガス化システム10から加熱された流体94を受け取ると共に、冷却された流体96をガス化システム10に送達するように構成される。有機ランキンサイクルシステム90は、加熱された流体94の熱エネルギーを変換して、発電するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、概してガス化システムに関し、特に、ガス化システムから低、中、及び/又はその他のグレードの熱を回収するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス化システムは、発電(例えば、統合ガス化複合サイクル発電所等)や、化学合成(例えば、エタノール、メタノール、アンモニア、代替天然ガス(SNG)、フィッシャー・トロプシュ(FT)法の液体等)、又はその他の目的に使用可能なシンガスを生成する。例えば、統合ガス化複合サイクル(IGCC)発電所は、石炭や天然ガス等の様々な炭素原料からのエネルギー生成を、比較的清浄且つ効率的に行える。ガス化システムは、ガス化装置内で酸素と蒸気を反応させることによって、炭素原料又はその他の燃料を、一酸化炭素(CO)と水素(H2)のガス状混合物、即ちシンガスに変換できる。しかし、ガス化システムによって生成されたシンガスは、使用前に、多くの場合に冷却が必要で、構造によっては浄化が必要である。浄化及び/又は冷却プロセスの間、一部の熱エネルギーが使用されずに、廃棄エネルギーになることもある。同様に、浄化されたシンガスの燃焼により、使用されない熱エネルギーが生成されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6216436号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、熱エネルギーを抽出することによって、廃棄される熱エネルギーの量を減らすシステムが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本来クレームされている発明の範囲に含まれる一部の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではなく、本発明に可能な形態の簡潔な要約を提供することのみを意図したものである。実際に、本発明は、下記の実施形態と同様又は異なる、種々の形態を包含し得る。
【0006】
第1実施形態において、システムは複数の部品から成り、この複数の部品は、燃料を受け取ってシンガスを生成するように構成されたガス化装置と、このガス化装置に接続され、ガス化装置からのシンガスを冷却するように構成されたガス冷却システムを含む。この複数の部品は更に、ガス冷却システムに接続された、ガス冷却システムからのシンガスを浄化するガス浄化システムと、このガス浄化システムに接続された、ガス浄化システムからのシンガスを燃焼するように構成されたガスタービンを含む。本システムは更に、これらの複数の部品に接続された、複数の部品からの熱を変換して発電するように構成された有機ランキンサイクルシステムを含む。
【0007】
第2実施形態において、システムは、統合ガス化複合サイクル(IGCC)システムと、IGCCシステムに接続された有機ランキンサイクルシステムを含む。有機ランキンサイクルシステムは、IGCCシステムから加熱されたボイラ給水を受け取り、IGCCシステムに冷却されたボイラ給水を送達するように構成される。有機ランキンサイクルシステムは、加熱されたボイラ給水の熱エネルギーを電気エネルギーに変換することにより、発電するように構成される。
【0008】
第3実施形態において、有機ランキンサイクルシステムは、ガス化システムから加熱された流体を受け取り、ガス化システムに冷却液を送達するように構成された蒸発器を含む。有機ランキンサイクルシステムは更に、蒸発器から冷媒蒸気を受け取るように構成されたターボ発電機を含む。ターボ発電機は、冷媒蒸気によって駆動され、発電する。有機ランキンサイクルシステムは、ターボ発電機から冷媒蒸気を受け取って、この冷媒蒸気を凝縮し、液体冷媒を生成するように構成されたコンデンサを含む。有機ランキンサイクルシステムは更に、コンデンサから液体冷媒を受け取り、液体冷媒の圧力を増大させ、この加圧液体冷媒を蒸発器に送達するように構成されたポンプを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的な効果には、ガス化システムの様々な部分からの低品位熱を利用できることが含まれる。一部の実施形態では、この低品位熱の温度が約70oC〜約100oCであるが、他の実施形態では、この熱の温度が約150oC〜約300oCである。ガス化システムからの、さもなければ使用されることがなかった熱を使用して有機ランキンサイクルシステム90が発電するので、ガス化システムによる消費電力を削減できる。更に、ガス化システムの冷却システムに必要な電力を削減できる。加えて、ガス圧を低下させずにガスを冷却できる。有機ランキンサイクルシステム90で使用する冷媒は、他のシステムで使用する冷媒に比べて、有機ランキンサイクルシステム90の部品を腐食に曝すことを少なくできる。腐食への暴露が減少すると、有機ランキンサイクルシステム90の部品の製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】システムによって生成された熱を有機ランキンサイクルで利用する、統合ガス化複合サイクル(IGCC)発電所の一実施形態のブロック図である。
【図2】図1のIGCCシステム等のガス化システムで使用可能な、有機ランキンサイクル(ORC)システムの一実施形態の処理フロー図である。
【図3】有機ランキンサイクルシステムに使用可能な、図1の低温ガス冷却(LTGC)ユニットの一実施形態の処理フロー図である。
【図4】有機ランキンサイクルシステムで使用可能な、図1の硫黄回収ユニットの一実施形態の処理フロー図である。
【図5】有機ランキンサイクルシステムで使用可能な、図1の抽気(EA)冷却システムの一実施形態の処理フロー図である。
【図6】システムによって生成された熱を有機ランキンサイクルシステムで利用する、ガス化システムの一実施形態の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
全図面を通じて同様の部分を同様の符号で示した添付図面を参照しながら以下の説明を読めば、本発明のこれら及び他の特徴、態様、利点の理解が深まるであろう。
【0012】
本発明の1つ以上の具体的な実施形態を以下に記述する。本明細書では、これらの実施形態の記述を簡潔にするために、実際の実装の特徴の全てを記述することはない。あらゆるこうした実際の実装の開発においては、あらゆる工学上の又は設計上の計画と同様に、実装ごとに異なり得るシステム関連の及びビジネス関連の制約の遵守等、開発者の個々の目的を達成するために、実装に応じた多くの決定が必要である。また、こうした開発努力は、煩雑で時間のかかるものであるが、本開示の恩恵を享受する当業者にとっては、設計、製造、及び作製上の日常的な仕事である。
【0013】
本発明の様々な実施形態を説明する際、単数名詞は、その要素が1つ以上あることを意図する。「有する」「含む」「備える」という用語は、包括的であり、列挙した要素以外にも更に要素があり得ることを意図している。
【0014】
開示の実施形態は、有機ランキンサイクルシステムにおいて使用するガス化システムから発生する熱の利用に関する。一部の実施形態において、統合ガス化複合サイクル(IGCC)システムは、様々な熱源とボイラ給水の間で熱交換を行う熱交換器を利用して、加熱されたボイラ給水を生成する。例えば、IGCCシステム内の様々な熱源は、低温ガス冷却部、硫黄回収ユニット、及び抽気冷却システムを含む。幾つかの実施形態では、ガス化システムからの高温の生のシンガスを、有機ランキンサイクルシステムで直接使用する。有機ランキンサイクルシステムは、加熱された流体(例えば、加熱されたボイラ給水、高温の生のシンガス等)から熱を抽出し、発電する。冷却された流体は、ガス化システムに送り返される。
【0015】
図1は、システムによって生成された熱を有機ランキンサイクルシステムで利用する、発電所の一実施形態を示す概略ブロック図である。図示の発電所は、合成ガス、即ちシンガスを生成及び燃焼可能なIGCCシステム10である。IGCCシステム10の要素は、IGCCシステム10のエネルギー源として使用可能な、固形飼料等の燃料源12を含む。燃料源12は、石炭、石油コークス、バイオマス、木材ベースの材料、農業廃棄物、タール、コークス炉ガス、アスファルト、製油所からの重質残渣、又はその他の炭素含有物を含む。
【0016】
燃料源12の固体燃料は、原料調製ユニット14に受け渡される。原料調製ユニット14は、例えば、燃料源12の切断、ミリング、グリンディング、破砕、粉砕、ブリケッティング、又はパレタイズにより、燃料源12のサイズ及び形状の変更を行い、原料を生成する。加えて、水、又はその他適当な液体を、原料調製ユニット14の燃料源12に追加して、スラリー原料を作製できる。他の実施形態では、燃料源には何も液体を追加せずに、乾燥原料を生成する。
【0017】
原料調製ユニット14で調製した原料は、ガス化装置16に受け渡される。ガス化装置16は、原料をシンガス(例えば、一酸化炭素と水素を組み合わせたもの)に変換できる。この変換は、使用するガス化装置16のタイプに応じて、原料を制御された任意量の減速材(例えば、蒸気、液状の水、二酸化炭素、窒素等)と高圧(例えば、約20バール〜85バールの絶対圧力)の酸素と高温(例えば、約700oC〜約1600oC)にさらすことによって行われる。熱分解プロセス時の原料の加熱により、固体(例えば、炭化物)と残渣ガス(例えば、一酸化炭素、水素、窒素)が生成される。一部の実施形態では、ガス化装置内の炭化物、又は変換されていない炭素が、生成されるガスから分離し、直接的又は間接的にガス化装置に戻ってリサイクルされる。
【0018】
ガス化装置16内の燃焼反応は、炭化物と残渣ガスへの酸素導入を含む。炭化物及び残渣ガスは酸素と反応して、二酸化炭素(CO2)と一酸化炭素(CO)を形成し、これに続くガス化反応に熱を供給する。燃焼プロセス中の温度は、例えば約700oC〜約1600oCまでの範囲である。更に、蒸気がガス化装置16に導入される。ガス化装置16は、蒸気と限られた酸素を利用して原料の一部を燃焼させ、一酸化炭素とエネルギーを生成することにより、原料を更に水素と追加の二酸化炭素に変換する二次反応を発生させる。
【0019】
このようにして、ガス化装置16で結果的に得られるガスが生成される。この結果的に得られたガスは、約85%の一酸化炭素と水素、並びにCO2、CH4、HCl、COS、NH3、HCN、及びH2S(原料の硫黄含有量に基づく)を含む。この結果的に得られたガスを「生のシンガス」とも称する。ガス化装置16はまた、湿式灰化材料であり得るスラグ18等の廃棄物を生成する。
【0020】
ガス化装置16からの高温の生のシンガスは、高温の生のシンガスを冷却するように構成可能な、低温ガス冷却(LTGC)ユニット20に送られる。後述するように、一部の実施形態では、LTGCユニット20は、高温の生のシンガスからの熱を、ボイラ給水システムからのボイラ給水、スチームコンデンセート、有機ランキンサイクルシステム22からのボイラ給水等、その他の媒体に伝達させるように構成された、1つ又は複数の熱交換器を含む。有機ランキンサイクルシステム22は、図2及び3に関連して以下に説明するように、LTGCユニット20からの低品位熱を使用して、タービン発電機を動作させる。
【0021】
LTGCユニット20からの冷却された生のシンガスは、その後、ガス浄化ユニット24で浄化される。ガス浄化ユニット24は、酸性ガス除去プロセスによるH2Sの分離を含み得る、生のガスの洗浄を行い、生のシンガスからHCl、HF、COS、HCN、及びH2Sを除去する。元素状硫黄26は、硫黄回収ユニット(SRU)28によってH2Sから回収される。一部の実施形態では、後述するように、硫黄回収ユニット28が、有機ランキンサイクルシステム30に熱を伝達させるように構成された、1つ又は複数の熱交換器を含む。有機ランキンサイクルシステム30は、図2及び4に関連して以下に説明するように、硫黄回収ユニット28からの低品位熱を使用して、タービン発電機を動作させる。IGCCシステム10は、例えば低温蒸留技術を使用して空気を成分ガスに分離する、空気分離ユニット(ASU)32を含む。ASU32は、硫黄回収ユニット28に酸素を供給する。一部の実施形態では、ガス浄化ユニット24は、まず生のシンガスから硫黄成分を除去した後に、ガスをクリーンなシンガスとしてガスタービンエンジン44に送る。
【0022】
ガスプロセッサ38を用いて、アンモニアやメタン等のクリーンなシンガス、並びにメタノールやその他の残留化学物質から残留ガス成分40を除去する。但し、残留ガス成分40(例えば、テールガス)を含む場合であっても、クリーンなシンガスを燃料として利用できるので、クリーンなシンガスからの残留ガス成分40の除去は、任意である。この時点で、クリーンなシンガスは、約3〜40%のCO、約60%以下のH2、及び約10〜40%のCO2を含み、実質的にH2Sは除去されている。このクリーンなシンガスは、可燃性の燃料として、ガスタービンエンジン44の燃焼器42(例えば、燃焼室)に送られる。
【0023】
ASU32は、メイン空気圧縮機(MAC)46からこのASU32に供給される空気から酸素を分離し、この分離した酸素を、ガス化装置16とSRU28に送る。更に、ASU32は、分離した窒素を希釈窒素(DGAN)圧縮機48に送る。DGAN圧縮機48は、ASU32から受け取った窒素を、少なくとも燃焼器42内と同等の圧力レベルまで圧縮し、燃焼器42内に注入できるようにする。こうして、DGAN圧縮機48で窒素が十分なレベルまで圧縮されると、DGAN圧縮機48は、この圧縮窒素をガスタービンエンジン44の燃焼器42に送る。
【0024】
図示のガスタービンエンジン44は、タービン50とドライブシャフト52と圧縮機54、並びに燃焼器42を含む。燃焼器42は、燃料ノズルから圧力を受けて注入される、シンガス等の燃料を受け取る。この燃料は、圧縮空気とDGAN圧縮機48からの圧縮窒素と混ざり合って、燃焼器42内で燃焼する。この燃焼により、高温で加圧された排ガスが生成される。燃焼器42は、この排ガスをタービン50に向かわせる。燃焼器42からの排ガスがタービン50を通過すると、この排ガスによって、タービン50のタービンブレードが、ガスタービンエンジン44の軸に沿ってドライブシャフト52を回転させる。図示のように、ドライブシャフト52は、圧縮機54を含むガスタービンエンジン44の様々な部品に接続可能である。
【0025】
ドライブシャフト52は、圧縮機54にタービン50を接続して、ロータを形成する。圧縮機54は、ドライブシャフト52に接続されたブレードを含む。こうして、タービン50のタービンブレードの回転によって、圧縮機54にタービン50を接続するドライブシャフト52が、圧縮機54内のブレードを回転させる。圧縮機54のブレードの回転によって、圧縮機54は、圧縮機54の吸気口から受け取った空気を圧縮する。圧縮空気はその後、燃焼器42に供給され、燃焼効率を高めるために、燃料と圧縮窒素に混合される。ドライブシャフト52は更に、例えば発電所で発電を行う発電機等の定置負荷である、負荷56に接続される。実際、負荷56は、ガスタービンエンジン44の回転出力によって電力供給される、あらゆる適当な装置であってよい。
【0026】
一部の実施形態では、この圧縮機54は更に、ASU32に空気流を供給して、MAC46を補完する。具体的には、空気が、圧縮機54の最終段から抽出され、抽気管又は導管58を通って、ASU32へと導かれる。一部の構成では、ガスタービン圧縮機54から総空気流量の約5〜50、10〜40、10〜35、又は約10〜30%が抽出され、ASU32で使用される。更に、圧縮機54からASU32への空気の流れの一部分が、導管60を介して硫黄回収ユニット28に導かれる。一部の実施形態では、圧縮機ASU導管58を通る空気流の約2〜13、3〜12、4〜11、又は約5〜10%が、導管60を通って硫黄回収ユニット28に導かれる。他の実施形態では、別個の導管で、空気の流れを圧縮機54から硫黄回収ユニット28に直接導く。
【0027】
抽気(EA)冷却システム62は、抽気導管58及びASU32の間と、ASU32及びDGAN圧縮機48との間に接続される。EA冷却システム62は、抽気を冷却した後でこれをASU32に供給する。更に、一部の実施形態では、EA冷却システム62が、有機ランキンサイクルシステム64に接続されており、抽気から熱を伝達してエネルギーを生成する。有機ランキンサイクルシステム64は、図2及び5に関して以下に説明するように、EA冷却システム62からの低品位熱を使用して、タービン発電機を動作させる。EA冷却システム62から抽出された冷却空気は、導管66を通ってASU32に至る。
【0028】
IGCCシステム10は更に、蒸気タービンエンジン68及び熱回収蒸気発生(HRSG)システム70を含み得る。蒸気タービンエンジン68は、発電を行う発電機等の第2負荷72を駆動させる。しかし、第1及び第2負荷56及び72はいずれも、ガスタービンエンジン44と蒸気タービンエンジン68により駆動可能な、他の種類の負荷であってもよい。更に、ガスタービンエンジン44と蒸気タービンエンジン68は、一部の実施形態では、別々の負荷56及び72を駆動させるが、ガスタービンエンジン44と蒸気タービンエンジン68を使用して、単一のシャフトを介して単一の負荷を連動して駆動させることもできる。ガスタービンエンジン44の場合と同様に、蒸気タービンエンジン68の個々の構成は、個々の実装に応じて、いかなる任意のセクションの組み合わせを含むものであってもよい。
【0029】
ガスタービンエンジン44からの加熱された排ガスは、HRSG70に送られ、これを用いて水を加熱し、蒸気タービンエンジンを70に動力を供給する蒸気を生成する。蒸気タービンエンジン68からの排気は、コンデンサ74に送られる。コンデンサ74は、冷却塔76を用いて、蒸気タービン排気からの蒸気を完全に凝縮する。具体的には、冷却塔76は、コンデンサ74に冷却水を供給し、蒸気タービンエンジン68からコンデンサ74に送られる蒸気の凝縮を助ける。コンデンサ74からのコンデンセートはその後、HRSG70に送られる。更に、ガスタービンエンジン44からの排気は再び、HRSG70に送られ、コンデンサ74からの水を加熱して蒸気を生成する。このように、IGCCシステム10等の複合サイクルシステムでは、高温の排気がガスタービンエンジン44からHRSG70に流れ、高圧で高温の蒸気の生成に用いられる。HRSG70によって生成された蒸気はその後、蒸気タービンエンジン68を通り、発電が行われる。
【0030】
図2は、図1のIGCCシステム10等の任意のガス化システムで使用可能な、有機ランキンサイクル(ORC)システム90の一実施形態の処理フロー図である。ORCシステム90は、(例えば、加熱されたボイラ給水、高温の生のシンガス等の)加熱された流体94から熱を伝達し、(例えば、冷却されたボイラ給水、冷却された生のシンガス等の)冷却された流体96を送り返す、有機ランキンサイクル(ORC)92を含む。図示のように、ORC92は、蒸発器98、ターボ発電機100、コンデンサ102、及びポンプ104を含む。加熱された流体94は、入口管106から流入して蒸発器98を通って熱交換器108を流れ、出口管110を出る。蒸発器98では、熱が加熱された流体94から蒸発器98の液体冷媒112に伝達される。こうして、冷却された流体96は、管110を通って蒸発器98を出る。加熱された流体94が蒸発器98に流入する際は、例えば約70oC〜175oC、100oC〜150oC、又は125oC〜300oCであり、冷却された流体96が蒸発器98を出る際は、例えば約50oC〜100oC、65oC〜85oC、又は70oC〜75oCである。
【0031】
液体冷媒112はとりわけ、例えばR−134、ペンタン、アンモニア、i−ペンタン、ブタン、イソブタン等の、任意の適切な冷媒であってもよい。例えば、一部の実施形態では、イソブテンは膨張プロセスの間、乾燥を保ち、エキスパンダの摩耗を抑制することから、イソブテンを使用する。また、イソブテンは、非腐食性であり、その潤滑剤として機能し得る。液体冷媒112は、熱交換器108の加熱された流体94上を通ると、気化する。例えば、液体冷媒112は、約70oC〜85oCで気化する。一部の実施形態では、液体冷媒112は、約100oC〜300oCまで加熱される。蒸発器98は、液体冷媒112から冷媒蒸気を分離して、蒸発器98の上部付近の蒸気セクション114に流入させる。冷媒蒸気は、蒸発器98から管116を通ってターボ発電機100に流入する。冷媒蒸気は、ターボ発電機100に流入すると、約10バールに加圧される。一部の実施形態では、この冷媒蒸気圧が、約7バール〜120バールの圧力範囲内である。一部の実施形態では、ターボ発電機100が、タービン118及び発電機120を含む。タービン118は、冷媒蒸気によって駆動され、更には、発電機120を駆動させて発電を行う。
【0032】
更に、冷媒蒸気の流れの一部分が、ターボ発電機100から管122を通ってコンデンサ102に至る。コンデンサ102は、冷却媒体を使用して冷媒蒸気を凝縮させることにより、この冷却媒体を概ね液体冷媒112に変化させ、この液体冷媒112がコンデンサ102から出る。液体冷媒112は、コンデンサ102を出る際、約0.1バールで加圧されている。一部の実施形態では、液体冷媒112がコンデンサ102を出る際の圧力範囲が、約0.07〜17.0バールである。液体冷媒112は、コンデンサ102からのホース又は導管124を通ってポンプ104に至る。ポンプ104は、ORC92を通して液体冷媒112を圧送することにより、液体冷媒112の圧力を増大させる。液体冷媒112は、ポンプ104からホース又は導管126を通って蒸発器98に戻り、このサイクルが繰り返される。一部の実施形態では、レキュペレータ128を使用して、液体冷媒112を加熱した後に、これを蒸発器98に送る。レキュペレータ128で使用する熱は、液体冷媒112の加熱に使用可能な、いかなるソースからのものでもよい。例えば、復熱装置128では、ガス化システム又はその他何らかのシステムからの熱を使用して、液体冷媒112を加熱する。更に、一部の実施形態では、エキスパンダ130を、蒸発器98とターボ発電機100の間で使用する。エキスパンダ130は、蒸発器98からの冷媒蒸気を膨張させて、蒸気圧を低下させる。
【0033】
図3、4、及び5は、(例えば、図1のORC22、30、64のような)図2のORC92で使用する加熱された流体94の生成に使用可能なIGCCシステム10の、3つの例示的な部品を示している。例えば、図3は、図2の有機ランキンサイクルシステム90(即ち、図1のORC22)に適用可能な、図1のLTGCユニット20の一実施形態の処理フロー図である。図示のように、一部の実施形態では、LTGCユニット20が、3つの熱交換器150、152、154を含む。3つの熱交換器150、152、154は、(例えば、図1のガス化装置16からの)シンガスから水又はスチームコンデンセート等のクーラントへの熱伝達が可能な、任意のタイプの熱交換器である。特に、LTGCユニット20は、図1のガス化装置16からの高温の生のシンガス156を受け取るように構成された、第1熱交換器150(例えば、低−低気圧(LLP)蒸気発生器)を含み、ボイラ給水158で高温の生のシンガス156を冷却する。具体的には、高温の生のシンガス156からの熱がボイラ給水158に伝達され、LLP蒸気160(例えば、約1.38〜約2.76バールの圧力範囲の蒸気)が生成される。
【0034】
例えば、一部の実施形態では、高温の生のシンガス156が、約157oCで第1熱交換器150に流入し、ボイラ給水158は、約35oCで第1熱交換器150に流入する。但し、他の実施形態では、高温の生のシンガス156は、約120oC〜約205oCの温度範囲で第1熱交換器150に流入する。具体的には、一部の実施形態では、高温の生のシンガス156が、例えば約144oC、146oC、149oC、152oC、154oC、157oC、160oC、163oC、166oC、168oC、172oCの温度で、第1熱交換器150に流入する。また、ボイラ給水158は、例えば約21oC〜約144oCの温度範囲で第1熱交換器150に流入する。具体的には、一部の実施形態では、ボイラ給水158は、例えば約27oC、29oC、32oC、35oC、38oC、41oC、44oCの温度で、第1熱交換器150に流入する。
【0035】
一部の実施形態においては、生成されたLLPの蒸気160が、約121oCの温度で第1熱交換器150を出て、生のシンガス156が、約124oCの温度で第1熱交換器150を出る。しかし、他の実施形態では、生成されたLLP蒸気160が、約94oC〜約149oCの温度範囲で第1熱交換器150を出る。具体的には、一部の実施形態では、生成されたLLP蒸気160が、例えば約107oC、110oC、113oC、116oC、118oC、121oC、124oC、127oC、129oC、132oC、135oCの温度で第1熱交換器150を出る。また、生のシンガス156は、約94oC〜約149oCの温度範囲で第1熱交換器150を出る。具体的には、一部の実施形態では、生のシンガス156は、例えば約110oC、113oC、116oC、118oC、121oC、124oC、127oC、130oC、132oC、135oC、138oCの温度で第1熱交換器150を出る。更に、一部の実施形態では、生成されたLLP蒸気160が、約2.07バールで第1熱交換器150を出るが、他の実施形態では、約1.38バール〜約2.76バールの範囲で第1熱交換器150を出る。生成されたLLP蒸気160は、IGCCシステム10を通じて、様々な用途に使用可能である。
【0036】
図3に示すように、LTGC部20は更に、第1熱交換器150から生のシンガス156を受け取って、生のシンガス156をスチームコンデンセート162で冷却するように構成された、第2熱交換器152を含む。具体的には、生のシンガス156からの熱がスチームコンデンセート162に伝達され、加熱されたスチームコンデンセート164が生成される。例えば、一部の実施形態では、生のシンガス156が、約124oCの温度で第2熱交換器152に流入し、スチームコンデンセート162が、約38oCの温度で第2熱交換器152に流入する。但し、他の実施形態では、生のシンガス156は、約94oC〜約149oCの温度範囲で第2熱交換器152に流入する。具体的には、一部の実施形態では、生のシンガス156は、例えば約110oC、113oC、116oC、118oC、121oC、124oC、127oC、129oC、132oC、135oC、138oCの温度で、第2熱交換器152に流入する。更に、スチームコンデンセート162は、約10oC〜約66oCの温度範囲で、第2熱交換器152に流入する。具体的には、一部の実施形態では、スチームコンデンセート162は、例えば約29oC、32oC、35oC、38oC、41oC、43oC、46oCの温度で、第2熱交換器152に流入する。
【0037】
一部の実施形態においては、加熱スチームコンデンセート164が、約93oCの温度で第2熱交換器152を出て、生のシンガス156が、約89oCの温度で第2熱交換器152を出る。但し、他の実施形態では、加熱されたスチームコンデンセート164が、約75oC〜約121oCの温度範囲で第2熱交換器152を出る。具体的には、一部の実施形態では、加熱されたスチームコンデンセート164が、例えば約79oC、82oC、85oC、88oC、91oC、93oC、96oC、99oC、102oC、104oC、107oCの温度で第2熱交換器152を出る。更に、生のシンガス156は、約72oC〜約95oCまでの温度範囲で第2熱交換器152を出る。具体的には、一部の実施形態では、生のシンガス156が、例えば約75oC、78oC、81oC、84oC、86oC、89oC、92oCの温度で第2熱交換器152を出る。
【0038】
図3に示すように、LTGCユニット20は、第2熱交換器152から生のシンガスの156を受け取るように構成された第3熱交換器154を含み、図1のORC22からの生のシンガス156を、冷却されたボイラ給水166で冷却する。具体的には、生のシンガス156からの熱が、冷却されたボイラ給水166に伝達されて、加熱されたボイラ給水168を生成し、これが図1のORC22に送り返される。図1のORC22は、図2のORC92と同様に機能する。具体的には、LTGCユニット20の第3熱交換器154からの加熱されたボイラ給水168が、図2のORC92に流入する加熱された流体94と同等であり、LTGCユニット20の第3熱交換器154に流入する冷却されたボイラ給水166は、図2のORC92からの冷却された流体96と同等である。第3熱交換器154からの冷却された生のシンガス170は、図1のガス浄化ユニット24に送られる。
【0039】
例えば、一部の実施形態では、生のシンガス156が、約89oCの温度で第3熱交換器154に流入し、約60oCの温度で第3熱交換器154を出る。但し、他の実施形態では、生のシンガス156は、約72oC〜約95oCの温度範囲で第3熱交換器154に流入する。具体的には、一部の実施形態では、生のシンガス156が、例えば約75oC、78oC、81oC、84oC、86oC、89oC、92oCの温度で第3熱交換器154に流入する。更に、冷却された生のシンガス170が、約50oC〜約75oCの温度範囲で第3熱交換器154を出る。具体的には、一部の実施形態では、冷却された生のシンガス170が、例えば約55oC、58oC、61oC、64oC、66oC、69oC、72oCの温度で第3熱交換器154を出る。言い換えると、LTGCユニット20に流入する高温の生のシンガス156のかなりの熱エネルギーが、LLP蒸気160と、第1熱交換器150及び第2熱交換器152の加熱されたスチームコンデンセート164に伝達されるので、生のシンガス156から冷却されたボイラ給水166に放散する熱の量は、比較的少量になる。
【0040】
一部の実施形態においては、冷却されたボイラ給水166が、約50oC〜約100oC、約65oC〜約85oC、又は約約70oC〜75oCの温度範囲で、第3熱交換器154に流入する。具体的には、一部の実施形態では、冷却されたボイラ給水166が、例えば約62oC、65oC、69oC、71oC、74oC、77oC、80oCの温度で、第3熱交換器154に流入する。更に、加熱されたボイラ給水168が、約80oCの温度で第3熱交換器154を出る。但し、他の実施形態では、加熱されたボイラ給水168が、約70oC〜約100oCの温度範囲で第3熱交換器154を出る。具体的には、一部の実施形態では、加熱されたボイラ給水168が、例えば約72oC、75oC、78oC、80oC、83oC、86oC、89oC、92oC、95oC、98oCの温度で、第3熱交換器154を出る。
【0041】
明らかなように、一部の実施形態では、高温の生のシンガス156が、第1及び第2熱交換器150及び152のいずれかの前に、第3熱交換器154を通る。更に、幾つかの実施形態では、高温の生のシンガス156だけが、第3熱交換器154を通る。
【0042】
図4は、図2の有機ランキンサイクルシステム90(即ち、図1のORC30)に適用可能な、図1の硫黄回収ユニット28の一実施形態の処理フロー図である。図示のように、一部の実施形態では、硫黄回収ユニット28が、サーマルリアクタ190、サーマルコンデンサ192、中間触媒ステージ194、及び最終触媒ステージ196を含む。最終触媒のステージ196では、ボイラ給水との熱交換を行ってボイラ給水を加熱し、これを図1のORC30等のORC92で使用する。
【0043】
図1のガス浄化部24からの酸性ガス198と、図1のASU32からの酸化剤200をサーマルリアクタ190内で結合して、硫黄を抽出する。酸性ガス198はその後、サーマルコンデンサ192に流入する。酸性ガス198は、サーマルコンデンサ192に流入する際、約1175oCの温度である。一部の実施形態では、酸性ガス198がサーマルコンデンサ192に流入する温度範囲が、約980oC〜約1370oC、約1100oC〜約1250oC、又は約1220oC〜約1300oCである。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約1010oC、1065oC、1090oC、1105oC、1130oC、1175oC、1250oCの温度でサーマルコンデンサ192に流入する。ボイラ給水202がサーマルコンデンサ192を通って酸性ガス198を冷却することにより、ボイラ給水202が加熱されて蒸気204が生成される。
【0044】
酸性ガス198がサーマルコンデンサ192を出ると、酸性ガス198から硫黄206が分離する。酸性ガス198がサーマルコンデンサ192を出る際、酸性ガス198の温度は、例えば約175oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198は、約150oC〜約200oC、約165oC〜約195oC、又は約175oC〜約185oCの温度範囲で、サーマルコンデンサ192を出る。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約165oC、168oC、171oC、173oC、176oC、179oC、181oCの温度で、サーマルコンデンサ192を出る。一部の実施形態では、サーマルコンデンサ192は、2つのステージを有する。第1ステージでは、コンデンサ192の一端に廃熱ボイラを含み、蒸気の圧力を高め、第2ステージでは、熱交換器を含み、低品位の蒸気と凝縮硫黄を生成する。
【0045】
酸性ガス198が、中間触媒ステージ194からサーマルコンデンサ192へと流れる。図示している中間触媒ステージ194は1つだけであるが、2つ又は3つの中間触媒ステージ194等、2つ以上の触媒ステージを含めることができる。図示のように、中間の触媒ステージ194は、再熱器208、触媒リアクタ210、及び熱交換器212を含む。酸性ガス198は、再熱器208に流入する際、例えば約175oCの温度である。一部の実施形態では、酸性ガス198は、約150oC〜約200oC、約165oC〜約195oC、又は約175oC〜約185oCの温度範囲で、再熱器208に流入する。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約165oC、168oC、171oC、173oC、176oC、179oC、181oCの温度で、再熱器208に流入する。蒸気214が酸性ガス198を加熱する再熱器208を通ることにより、蒸気214が冷却され、凝縮ボイラ給水216が生成される。
【0046】
酸性ガス198は、再熱器208を出ると触媒リアクタ210へと流れる。酸性ガス198が再熱器208を出て触媒リアクタ210に流入する際の温度は、例えば232oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198は、約200oC〜約250oC、約215oC〜約245oC、又は約225oC〜約235oCの温度範囲で、再熱器208を出る。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約215oC、218oC、221oC、223oC、226oC、229oC、231oCの温度で、再熱器208を出る。
【0047】
触媒リアクタ210は、酸性ガス198から硫黄を抽出し易くするために、酸性ガス198に化学反応を生じさせる。酸性ガス198は、触媒リアクタ210を出ると、熱交換器212に流入する。酸性ガス198が触媒リアクタ210を出て熱交換器212に流入する際、酸性ガス198の温度は、例えば約270oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198が触媒リアクタ210を出る際の温度範囲は、約250oC〜約300oC、約260oC〜約285oC、又は約265oC〜約275oCである。具体的には、一部の実施形態において、酸性ガス198が触媒リアクタ210を出る際の温度範囲は、約265oC、268oC、271oC、273oC、276oC、279oC、281oCの温度である。
【0048】
ボイラ給水218が熱交換器212を通って酸性ガス198を冷却することにより、ボイラ給水218が加熱されて蒸気220が生成される。酸性ガス198が熱交換器212を出ると、酸性ガス198から硫黄222が分離される。酸性ガス198はその後、最後の触媒ステージ196に流入する。酸性ガス198は、約175oCの温度で熱交換器212を出て、最後の触媒ステージ196に流入する。一部の実施形態では、酸性ガス198が、約150oC〜約200oC、約165oC〜約195oC、又は約175oC〜約185oCの温度範囲で熱交換器212を出る。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、約165oC、168oC、171oC、173oC、176oC、179oC、181oCの温度で、熱交換器212を出る。
【0049】
図示のように、最後の触媒ステージ196は、最後の再熱器224、最後の触媒リアクタ226、及び最後の熱交換器228を含む。酸性ガス198が最後の加熱器224に流入する際の酸性ガス198の温度は、例えば約175oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198が、約150oC〜約200oC、約165oC〜約195oC、又は約175oC〜約185oCの温度範囲で、最後の再加熱器224に流入する。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約165oC、168oC、171oC、173oC、176oC、179oC、181oCの温度で、最後の加熱器224に流入する。酸性ガス198を加熱する最後の再熱器224を蒸気230が流れることにより、蒸気230が冷却され、凝縮ボイラ給水232が生成される。
【0050】
酸性ガス198は、最後の再熱器224を出ると、最後の触媒リアクタ226へと流れる。酸性ガス198が最後の再熱器224を出て最後の触媒リアクタ226に流入する際の温度は、例えば約210oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198は、約178oC〜約228oC、約193oC〜約223oC、又は約203oC〜約213oCの温度範囲で、最後の再加熱器224を出る。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約193oC、196oC、199oC、201oC、204oC、207oC、209oCの温度で、最後の加熱器224を出る。
【0051】
最後の触媒リアクタ226は、酸性ガス198から硫黄を抽出し易くするために、酸性ガス198に化学反応を生じさせる。酸性ガス198は、最後の触媒リアクタ226を出ると、最後の熱交換器228に流入する。酸性ガス198が最後の触媒リアクタ226を出て最後の熱交換器228に流入する際の温度は、例えば約215oCである。一部の実施形態では、酸性ガス198は、約183oC〜約233oC、約198oC〜約228oC、又は約208oC〜約218oCの温度範囲で、最後の触媒リアクタ226を出る。具体的には、一部の実施形態では、酸性ガス198が、例えば約190oC、193oC、196oC、198oC、201oC、204oC、206oCの温度で、最後の触媒リアクタ226を出る。
【0052】
冷却されたボイラ給水234がORC92(即ち、図1のORC30)から最後の熱交換器228を通って酸性ガス198を冷却することにより、ボイラ給水234が加熱され、ORC92に送り返す加熱されたボイラ給水236が生成される。最後の熱交換器228は、ORC92の冷媒234を沸騰させるに十分な、低品位の熱をボイラ給水に供給する。酸性ガス198が最後の熱交換器228を出ると、酸性ガス198から硫黄238が分離する。最後の熱交換器228からの冷却酸性ガス240は、図1のガス浄化ユニット24へと送り返される。冷却酸性ガス240が最後の熱交換器228を出る際、冷却酸性ガス240の温度は、例えば約124oCである。一部の実施形態では、冷却酸性ガス240が、約114oC〜約134oC、約124oC〜約130oC、又は約126oC〜約128oCの温度範囲で、最後の熱交換器228を出る。具体的には、一部の実施形態では、冷却酸性ガス240が、例えば約114oC、117oC、120oC、123oC、126oC、129oC、131oCの温度で、最後の熱交換器228を出る。
【0053】
また、冷却されたボイラ給水234が最後の熱交換器228に流入する際、冷却されたボイラ給水234の温度は、例えば約82oCである。一部の実施形態では、冷却されたボイラ給水234は、約62oC〜約102oC、約80oC〜約95oC、又は約85oC〜約90oCの温度範囲で、最後の熱交換器228に流入する。具体的には、一部の実施形態では、冷却されたボイラ給水234が、例えば約81oC、84oC、87oC、89oC、92oC、95oC、98oCの温度で、最後の熱交換器228に流入する。加えて、加熱されたボイラ給水236が最後の熱交換器228を出る際、加熱されたボイラ給水236の温度は、例えば約124oCである。一部の実施形態では、加熱されたボイラ給水236は、約110oC〜約135oC、約115oC〜約130oC、又は約118oC〜約123oCの温度範囲で、最後の熱交換器228を出る。具体的には、一部の実施形態では、加熱されたボイラ給水236は、約111oC、114oC、117oC、119oC、122oC、125oC、128oCの温度で、最後の熱交換器228を出る。
図1のORC30は、図2のORC92と同様に機能する。具体的には、硫黄回収ユニット28の最後の熱交換器228からの加熱されたボイラ給水236は、図2のORC92に流入する加熱された流体94と同等である。硫黄回収ユニット28の最後の熱交換器228に流入する冷却されたボイラ給水234は、図2のORC92からの冷却された流体96と同等である。明らかなように、一部の実施形態では、冷却されたボイラ給水234は、熱交換器192、212、228のいずれかを通って、加熱されたボイラ給水236を生成する。
【0054】
図5は、図2の有機ランキンサイクルシステム90(即ち、図1のORC64)に適用可能な、図1の抽気(EA)冷却システム62の一実施形態の処理フロー図である。図示のように、一部の実施形態では、EA冷却システム62は、3つの熱交換器260、262、264を含む。3つの熱交換器260、262、264は、水又はスチームコンデンセート等のクーラントにガスタービン抽気からの熱を伝達可能な、任意のタイプの熱交換器である。特に、EA冷却システム62は、図1の燃焼器42からガスタービン抽気266を受け取り、図1のASU32からの窒素(N2)268を用いてこのガスタービン抽気266を冷却するように構成された、(例えば、N2を加熱する)第1熱交換器260を含む。具体的には、ガスタービン抽気266からの熱は、窒素268に伝達され、加熱された窒素270が生成される。
【0055】
例えば、一部の実施形態では、ガスタービン抽気空気266が、約400oCの温度で第1熱交換器260に流入し、窒素268が、約30oC〜約120oCの温度で第1熱交換器260に流入する。しかし、他の実施形態では、ガスタービン抽気空気266は、約370oC〜約425oCの温度範囲で第1熱交換器260に流入する。具体的には、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266は、例えば約378oC、381oC、384oC、386oC、389oC、392oC、395oC、398oC、400oC、403oC、406oCの温度で第1熱交換器260に流入する。更に、窒素268は、約20oC〜約120oCの温度範囲で第1熱交換器260に流入する。具体的には、一部の実施形態では、窒素268が、例えば約30oC、45oC、60oC、75oC、90oC、105oC、120oCの温度で第1熱交換器260に流入する。
【0056】
一部の実施形態では、加熱された窒素270が、約100oCの温度で第1熱交換器260を出て、ガスタービン抽気空気266が、約165oCの温度で第1熱交換器260を出る。しかし、他の実施形態では、加熱された窒素270が、約80oC〜約120oCの温度範囲で第1熱交換器260を出る。具体的には、一部の実施形態では、加熱された窒素270が、例えば約87oC、90oC、93oC、96oC、98oC、101oC、104oC、107oC、109oC、112oC、115oCの温度で第1熱交換器260を出る。更に、ガスタービン抽気空気266が、約150oC〜約175oCの温度範囲で第1熱交換器260を出る。具体的には、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が、例えば約150oC、153oC、156oC、158oC、161oC、164oC、167oC、170oC、172oC、175oCの温度で第1熱交換器260を出る。
【0057】
図5に示すように、EA冷却システム62は更に、第1熱交換器260からガスタービン抽気266を受け取って、このガスタービン抽気266を冷却されたボイラ給水272で冷却するように構成された、第2熱交換器262を含む。具体的には、ガスタービン抽気266からの熱が冷却されたボイラ給水272に伝達され、加熱されたボイラ給水274が生成され、これが図1のORC64に送り返される。例えば、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が約165oCの温度で第2熱交換器262に流入し、冷却されたボイラ給水272が約87oCの温度で第2熱交換器262に流入する。しかし、他の実施形態では、ガスタービン抽気空気266は、約150oC〜約175oCの温度範囲で第2熱交換器262に流入する。具体的には、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が、例えば約150oC、153oC、156oC、158oC、161oC、164oC、167oC、170oC、172oC、175oCの温度で第2熱交換器262に流入する。更に、冷却されたボイラ給水272が、約66oC〜約95oCの温度範囲で第2熱交換器262に流入する。具体的には、一部の実施形態では、冷却されたボイラ給水272が、例えば約75oC、78oC、81oC、84oC、86oC、89oC、92oCの温度で第2熱交換器262に流入する。
【0058】
一部の実施形態では、加熱されたボイラ給水274が、約135oCの温度で第2熱交換器262を出て、ガスタービン抽気266が、約94oCの温度で第2熱交換器262を出る。しかし、他の実施形態では、加熱されたボイラ給水274が、約122oC〜約150oCの温度範囲で第2熱交換器262を出る。具体的には、一部の実施形態では、加熱されたボイラ給水274が、例えば約129oC、132oC、135oC、138oC、141oC、143oC、146oC、149oC、152oC 、154oC、157oCの温度で第2熱交換器262を出る。更に、ガスタービン抽気空気266は、約80oC〜約110oCの温度範囲で第2熱交換器262を出る。具体的には、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が、例えば約85oC、88oC、91oC、94oC、96oC、99oC、102oCの温度で第2熱交換器262を出る。
【0059】
図1のORC64は、図2のORC92と同様に機能する。具体的には、EA冷却システム62の第2熱交換器262からの加熱されたボイラ給水274は、図2のORC92に流入する加熱された流体94と同等である。EA冷却システム62の第2熱交換器262に流入する冷却されたボイラ給水272は、図2のORC92からの冷却された流体96と同等である。
【0060】
図5に示すように、EA冷却システム62は、第2熱交換器262からガスタービン抽気空気266を受け取って、図1の冷却塔76等からの冷却水276を用いてガスタービン抽気266を冷却するように構成された、第3熱交換器264を含む。具体的には、ガスタービン抽気266からの熱を冷却水276に伝達して、熱水278を生成する。第3熱交換器264からの冷却ガスタービン抽気280は、図1のASU32に送られる。
【0061】
例えば、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が、約94oCの温度で第3熱交換器264に流入し、約32oCの温度で第3熱交換器264を出る。しかし、他の実施形態では、ガスタービン抽気266は、約80oC〜約110oCの温度範囲で第3熱交換器264に流入する。具体的には、一部の実施形態では、ガスタービン抽気266が、例えば約85oC、88oC、91oC、94oC、96oC、99oC、102oCの温度で第3熱交換器264に流入する。更に、冷却ガスタービン抽気280は、約15oC〜約50oCの温度範囲で第3熱交換器264を出る。具体的には、一部の実施形態では、冷却ガスタービン抽気280は、例えば約25oC、28oC、31oC、34oC、36oC、39oC、42oCの温度で第3熱交換器264を出る。
【0062】
一部の実施形態においては、冷却水276が、約10oC〜約60oC、約15oC〜約45oC、又は約30oC〜約55oCの温度範囲で第3熱交換器264に流入する。具体的には、一部の実施形態では、冷却水276が、例えば約22oC、25oC、29oC、31oC、34oC、37oC、40oCの温度で第3熱交換器264に流入する。更に、熱水278は、約70oCの温度で第3熱交換器264を出る。しかし、他の実施形態では、熱水278が、約60oC〜約90oCの温度範囲で第3熱交換器264を出る。具体的には、一部の実施形態では、熱水278が、例えば約62oC、65oC、68oC、70oC、73oC、76oC、79oC、82oC、85oC、88oCの温度で第3熱交換器264を出る。
【0063】
明らかなように、一部の実施形態では、第1熱交換器260の前又は第3熱交換器264の後に、抽気266が熱交換器262を通る。更に、幾つかの実施形態において、第2熱交換器262を流れるのは、抽気266のみである。
【0064】
図6は、ガス化システム300の一実施形態の処理フロー図である。ここでは、このシステムによって生成された熱を有機ランキンサイクルシステムで利用する。石炭、石油コークス、バイオマス、木材ベースの材料、農業廃棄物、タール、コークス炉ガス、アスファルト、製油所からの重質残渣、又はその他の炭素含有物を含む燃料302が、ガス化装置304に供給される。ガス化装置304は、図1に関連して上述したガス化装置16とほぼ同様に動作する。このように、ガス化装置304は、燃料302を高温の生のシンガス306に変換できる。高温の生のシンガス306は、(燃料302の硫黄含有量に基づいて)約85%の一酸化炭素と水素の他に、CO2、CH4、塩酸、COS、NH3、HCN、及びH2Sを含み得る。ガス化装置304からの高温の生のシンガス306は次に、図2に記載の有機ランキンサイクルシステム90に送られる。一部の実施形態では、膨張装置308を用いて高温の生のシンガス306を減圧してから、高温の生のシンガス306を有機ランキンサイクルシステム90で使用する。有機ランキンサイクルシステム90は、高温の生のシンガス306から熱を抽出して、エネルギーを生成する。高温の生のシンガス306から熱が抽出されると、結果的に低温の生のシンガス310が得られる。低温の生のシンガス310は、ガス化システム300で使用されるか、又は、使用予定の別のシステムに送達される。一部の実施形態では、クリーンな可燃燃料302から生成される低温の生のシンガス310はクリーンなシンガスなので、浄化不要である。他の実施形態では、冷却された生のシンガス310を浄化して、不純物を除去する。明らかなように、有機ランキンサイクルシステム90に直接、高温の生のシンガス306を使用することにより、高温の生のシンガス306で効率的に熱エネルギーを伝達させ、発電できる。
【0065】
ここで図2に戻って説明すると、有機ランキンサイクルシステム90で使用する冷媒は、この用途で説明したように、酸性ガス除去ユニットで使用するタイプのものでよい。更に、この用途で説明した有機ランキンサイクルシステム90(例えば、図1のORC22、30、64)を新たなガス化システムに設置したり、有機ランキンサイクルシステム90を既存のガス化システムに組み込んだりできる。同様に、有機ランキンサイクルシステム90をガス化システムの特定の部分に使用するものとして記述しているが、有機ランキンサイクルシステム90は、低品位又はその他のレベルの熱を用いるガス化システムの他の部分にも使用できる。
明らかなように、ガス化システムの一部の実施形態は、1つ、2つ、3つ、又は複数の有機ランキンサイクルシステム(22、30、64)を含む。言い換えると、ガス化システムを使用して加熱された流体を生成し、これを1つ又は複数の有機ランキンサイクルシステム(22、30、64)で使用できる。例えば、一部の実施形態では、高温の生のシンガスからの熱を利用して、ガス冷却システム(例えば、低温ガス冷却システム)、硫黄回収ユニット、抽気冷却システム、又はそれらの任意の組合せで、加熱された流体を生成できる。こうした実施形態では、ガス化システムの1つ、2つ、3つ以上の部分からの加熱された流体を合流させて、一つの有機ランキンサイクルシステム(22、30、64)に流したり、この加熱された流体を複数の有機ランキンサイクルシステム(22、30、64)に流したりできる。同様に、1つ又は複数の有機ランキンサイクルシステム(22、30、64)からガス化システム、ガス冷却システム、硫黄回収ユニット、抽気冷却システム、又はそれらの任意の組合せに、冷却された流体を流すこともできる。
【0066】
本明細書では、最適な態様を含め、例を用いて本発明を開示し、これによって当業者は、あらゆる装置又はシステムの作製及び使用、並びにあらゆる付随の方法を実施できる。本発明の特許請求の範囲は、請求項により定義され、当業者に想到されるその他の例も含む。こうしたその他の例は、請求項の文言と相違ない構成要素を有する場合、又は請求項の文言と実質的に相違ない同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることとする。
【符号の説明】
【0067】
10 IGCCシステム
12 燃料源
14 原料調製ユニット
16 ガス化装置
18 スラグ
20 LTGCユニット
22 有機ランキンサイクルシステム
24 ガス浄化ユニット
26 元素状硫黄
28 硫黄回収ユニット
30 有機ランキンサイクルシステム
32 空気分離ユニット
38 ガスプロセッサ
40 残留ガス成分
42 燃焼器
44 ガスタービンエンジン
46 メイン空気圧縮機
48 DGAN圧縮機
50 タービン
52 ドライブシャフト
54 圧縮機
56 負荷
58 導管
60 導管
62 冷却システム
64 有機ランキンサイクルシステム
66 導管
68 蒸気タービンエンジン
70 HRSGシステム
72 第2負荷
74 コンデンサ
76 冷却塔
90 有機ランキンサイクルシステム
92 有機ランキンサイクル
94 加熱された流体
96 冷却された流体
98 蒸発器
100 ターボ発電機
102 コンデンサ
104 ポンプ
106 入口管
108 熱交換器
110 出口管
112 液体冷媒
114 蒸気セクション
116 管
118 タービン
120 発電機
122 管
124 導管
126 導管
128 レキュペレータ
130 エキスパンダ
150 熱交換器
152 熱交換器
154 熱交換器
156 高温の生のシンガス
158 ボイラ給水
160 LLP蒸気
162 スチームコンデンセート
164 加熱されたスチームコンデンセート
166 冷却されたボイラ給水
168 加熱されたボイラ給水
170 冷却された生のシンガス
190 サーマルリアクタ
192 サーマルコンデンサ
194 中間の触媒ステージ
196 最後の触媒ステージ
198 酸性ガス
200 酸化剤
202 ボイラ給水
204 蒸気
206 硫黄
208 再熱器
210 触媒リアクタ
212 熱交換器
214 蒸気
216 凝縮されたボイラ給水
218 ボイラ給水
220 蒸気
222 硫黄
224 最後の再熱器
226 最後の触媒リアクタ
228 最後の熱交換器
230 蒸気
232 凝縮後のボイラ給水
234 冷却されたボイラ給水
236 加熱されたボイラ給水
238 硫黄
240 冷却された酸性ガス
260 熱交換器
262 熱交換器
264 熱交換器
266 抽気
268 窒素
270 加熱された窒素
272 冷却されたボイラ給水
274 加熱されたボイラ給水
276 冷水
278 熱水
280 タービン抽気
300 ガス化システム
302 燃料
304 ガス化装置
306 高温の生のシンガス
308 膨張装置
310 冷却された生のシンガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を受け取ってシンガスを生成するように構成された、ガス化装置(16)と、
前記ガス化装置(16)に接続され、前記ガス化装置(16)からのシンガスを冷却するように構成された、ガス冷却システム(20)と、
前記ガス冷却システム(20)に接続され、前記ガス冷却システム(20)からのシンガスを浄化するように構成された、ガス浄化システム(24)と、
前記ガス浄化システム(24)に接続され、前記ガス浄化システム(24)からのシンガスを燃焼するように構成された、ガスタービン(44)と、
から成る複数の部品、並びに、
前記複数の部品に接続され、前記複数の部品からの熱を変換して発電するように構成された、有機ランキンサイクルシステム(90)
を備えた、システム(10)。
【請求項2】
前記有機ランキンサイクルシステム(90)が、前記複数の部品から加熱されたボイラ給水(168、236、274)を受け取って、冷却されたボイラ給水(166、234、276)を前記複数の部品に送達するように構成され、且つ、
前記有機ランキンサイクルシステム(90)が、前記加熱されたボイラ給水(168、236、274)の熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するように構成された、
請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記ガス冷却システム(20)が、前記有機ランキンサイクルシステム(90)に接続されており、
前記ガス冷却システム(20)が、前記有機ランキンサイクルシステム(90)から前記冷却されたボイラ給水(166)を受け取り、前記加熱されたボイラ給水(168)を前記有機ランキンサイクルシステム(90)に送達するように構成された、
請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項4】
ガス冷却システム(20)が、
前記ガス化装置(16)からのシンガス(156)を用いてボイラ給水(158)を加熱し、低−低圧蒸気(160)を生成するように構成された、第1熱交換器(150)と、
前記第1熱交換器(150)からのシンガスを用いてスチームコンデンセート(162)を加熱し、加熱されたスチームコンデンセート(164)を生成するように構成された、第2熱交換器(152)と、
前記第2熱交換器(152)からのシンガスを用いて前記有機ランキンサイクルシステム(90)からの前記冷却されたボイラ給水(166)を加熱し、前記加熱されたボイラ給水(168)を生成するように構成された、第3熱交換器(154)と、
から成る、請求項3に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記ガス浄化システム(24)と前記有機ランキンサイクルシステム(90)とに接続された、硫黄回収ユニット(28)であって、前記有機ランキンサイクルシステム(90)から前記冷却されたボイラ給水(234)を受け取り、前記有機ランキンサイクルシステム(90)に前記加熱されたボイラ給水(236)を送達するように構成された、硫黄回収ユニット(28)
を備える、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記硫黄回収ユニット(28)が、
前記ガス浄化システム(24)から受け取った酸性ガス(198)を用いて、前記有機ランキンサイクルシステム(90)からの前記冷却されたボイラ給水(234)を加熱し、前記加熱されたボイラ給水(236)を生成するように構成された熱交換器(228)を含む、請求項5に記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記ガスタービン(44)と前記有機ランキンサイクルシステム(90)とに接続された抽気冷却システム(62)であって、前記有機ランキンサイクルシステム(90)からの前記冷却されたボイラ給水(272)を受け取り、前記加熱されたボイラ給水(274)を前記有機ランキンサイクルシステム(90)に送達するように構成された、抽気冷却システム(62)を含む、
請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記抽気冷却システム(62)が、
前記ガスタービン(44)からの抽気(266)を用いて窒素(268)を加熱し、加熱窒素(270)を生成するように構成された、第1熱交換器(260)と、
前記第1熱交換器(260)からの抽気を用いて前記有機ランキンサイクルシステム(90)からの前記冷却されたボイラ給水(272)を加熱し、前記加熱されたボイラ給水(274)を生成するように構成された、第2熱交換器(262)と、
前記第2熱交換器(262)からの抽気を用いて前記冷却された水(276)を加熱し、熱水(278)を生成するように構成された、第3熱交換器(264)と、
から成る、請求項7に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記有機ランキンサイクルシステム(90)が、水を用いて冷媒を加熱するように構成された、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記有機ランキンサイクルシステム(90)が、冷媒としてイソブタンを用いるように構成された、請求項1に記載のシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43991(P2013−43991A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181519(P2012−181519)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)