説明

ガス放電ランプ及びソケット

ガス放電ランプであって、2つの端部を有する管状放電容器であり、各端部には放電容器における放電を生成し且つ維持する電極が構成される、ところの管状放電容器と、放電容器の両端から同軸方向に延在する2つの短い略管状のエンドキャップであり、各電極は、ランプを電源と接続するためエンドキャップの1つに構成される少なくとも2つの外側金属接触部材と接続される、ところの2つの短い略管状のエンドキャップと、を有し、各接触部材は、少なくとも部分的に略円形の接触面を有し、且つ少なくとも部分的に略円形の接触面は、略管状のエンドキャップと同軸方向に構成され且つ相互に軸線方向に離間される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ガス放電ランプであって、
2つの端部を有する管状放電容器であり、各端部には、放電容器における放電を生成し且つ維持する電極が構成される、ところの管状放電容器と、
放電容器の両端から同軸方向に延在する2つの短い略管状のエンドキャップであり、各電極は、ランプを電源と接続するため当該エンドキャップの1つに構成される少なくとも2つの外側金属接触部材と接続される、ところの2つの短い略管状のエンドキャップと、
を有し、
各接触部材は、少なくとも部分的に略円形の接触面を有する。
【背景技術】
【0002】
かかるガス放電ランプは、よく知られている。たとえば、Philips社のTLランプシリーズのような、2ピン口金を備えた標準的な低圧の線型蛍光ランプである。知られたランプの接触部材は、2つの平行する金属ピンであり、金属ピンは、複数のエンドキャップから軸線方向に延在する。2つのピンは、ランプホルダ又はソケットの対応する接触部材を備えたスリット状の窪みに位置付けられることができる。ランプは、ランプ及び接触部材をランプ軸線周りに90度回転させることによってソケットに固定できる。
【0003】
知られたランプは、ソケットにマウントすることが困難であり得る。何故なら、二対のピンは、2つの小さいスリットにランプの横方向に同時に挿入されなくてはならず、2つの小さいスリットは、互いに比較的遠く離れて設置される。ランプを挿入する行為は、視覚障害者、及びランプを部屋の天井下にある頭上のソケットにマウントしなくてはならないときは殆どの人間にとっても、特に困難になり得る。
【特許文献1】米国特許第4,979,081号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、何よりもマウントが容易なランプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、少なくとも部分的に略円形の接触面が、略管状のエンドキャップと同軸方向に構成され且つ相互に軸線方向に離間される。それによって、ランプがマウントされたときのランプの軸回転は、重要ではなくなり、且つ接触部材の直径もまた、従来技術のランプよりもずっと大きくすることができ、且つ接触部材を見ずとも又は触らずとも、ランプをソケットに容易に固定できる。後者のランプはまた、前者と比べてずっと安全である。何故なら、後者のランプによって、ユーザに対する電気ショックの危険性が減少するからである。
【0006】
更なる利点は、ランプが、ソケットにマウントされながら如何なる所望の位置へと回転できることである。このことは、以下に説明する特定のアプリケーションにとって好都合であり得る。更に引き続いての利点は、複数のエンドキャップの端壁に、延長部がないことであり、且つそれによってたとえば、加熱エレメントを、端壁に対して非常に効率的なやり方で適用可能であり、且つそれによって環境条件に拘わらず、ランプの端部分の一定温度を達成する。一定温度がランプの安定性に関して好都合なのは、たとえばアマルガムを含む延長されたステムが、放電容器からランプキャップへと延在する場合、ランプにおける水銀圧を、効果的に制御できるからである。
【0007】
引き続き更に好都合なのは、ランプを放電容器の両側で軸線方向にマウントするのに必要な空間が、従来技術の2ピン口金を有するランプよりも小さくて済むという事実である。それによって、ランプの側部の影になる領域を防ぐことができ、又は少なくとも減少させることができ、又は代替的にはランプをマウントする空間を、小さくすることができる。
【0008】
本発明によるランプの接触面と関連する「略円形」という用語は、非常に広範囲に理解されなくてはならない。如何なる多角形又は楕円形をもまた適用してもよく、多角形又は楕円形の形状は、それに応じてランプが回転できる位置を限定する。殆どの一般的な目的にとって、円形が好ましい選択であろう。
【0009】
ランプの両端で同軸方向に構成された単一の円形の接触面が、たとえば米国特許第4,979,081号明細書(特許文献1)から知られている。
【0010】
電気器具における複数の円形の接触面で、同軸方向に構成され且つ相互に軸線方向に動くような円形の接触面が、知られており、たとえばステレオオーディオプラグにおいて知られている。しかしながら、かかるプラグは、2つの離間された受け溝に横方向にマウントされるのではなく、代わりに、穴に軸線方向に挿入される。本発明によって解決された問題及びその利点は、したがってこれらオーディオプラグとは関連しない。
【0011】
好ましくは、2つの略円形の接触面の外径は、エンドキャップの外径よりも小さく、且つ接触部材の略円形の接触面は、好ましくはエンドキャップの略管状面にある少なくとも1つの略環状の窪みに設置される。より好ましくは、接触部材の略円形の各接触面は、エンドキャップの略管状面にある別々の略環状の窪みに設置される。このことは、電気接触部材に指を触れることができないという利点を有する。指は、窪みより大きいためである。このことはまた、接触部材間の位置及び相互距離を、ランプ種類を確認する弁別器として用いる可能性をも提供する。次にランプは、そのランプ種類に適した安定器を含むソケットに、マウントされるだけである。
【0012】
好ましくは、複数の略円形の接触面の外径は、略等しく、且つエンドキャップの外径は、好ましくは放電容器の外径と略等しい。エンドキャップは、好ましくは電気的に絶縁された材料から作成される。
【0013】
特別に好ましい実施形態において、放電容器の壁部は、該壁部の光透過特性を変更する少なくとも1つの被覆を有し、当該被覆は、略全長に沿って延在し且つ放電容器の周縁の一部のみを被覆する。このような特徴は、たとえば書類をコピーするアプリケーションにおいて長年にわたって確立されてきた蛍光ランプに示され、且つその蛍光ランプは、クリアな縞を特徴とし、その縞を通って、光の多くが抜け出る。管は、酸化アルミニウム反射層、次に蛍光体で内側を被覆され、且つ縞は、綺麗に拭き取られて開口を形成する。この方法は、開口の領域における輝度を最大5倍にまで高め、高効率の方向性のある蛍光ランプを作り出す。この概念を、標準的な蛍光ランプへと更に広げて、新興のエッジ照明によるサイン産業の要求に応じて特別にあつらえた製品を生み出す。
【0014】
照射されたサインは、従来は、後方から複数の列の蛍光ランプで照らされていたが、非効率的であり、見苦しい光のバンドとなってしまい、且つサインにかなりの奥行きが必要であった。現在のサインは、アクリルシートを特徴とし、アクリルシートは、微小再現パターンに適し、光がパネルのエッジへと入射され且つ次に全体の領域にわたり均一に広がることができる。このことは、より効率的で、より均一に照明され且つよりスリムなサインをもたらす。本来これらサインは、外周周りを標準的な蛍光管でエッジ照明をされていたが、管からシートへと結合される光の効率性は、かなり低い。ランプの縞に沿った高められた輝度のほうが、ずっと効率的な解決法であることを証明した。市販されているPhilips T5開口管は、50度のビーム角を備えた5mm幅のクリアなバンドを有する一方で、T8型は、8mm幅バンド及び30度のビーム角を有し、且つかかる縞を適用することによってかなり明るいサインを実現できる。本発明によってもたらされた円形の接触部材を備えたランプを、適用することによって、多様な解決法が提案される。本発明によるランプは、ユーザのニーズに従って異なった光効果を出すため自由に回転でき、特に異なったシート又はライトガイドが、ランプ周りに構成されたときに当てはまる。
【0015】
更なる好ましい実施形態において、各端部分は、少なくとも2つの電極、及び略円形の接触面を備えた少なくとも3つの接触部材を含む。そのうち複数の中央の接触部材は、たとえば両方の電極へ接続される。それによってランプ寿命を、以下の通り延長できる。複数の電極の第一対目が、対応する第1及び第2接触部材のマウントに用いられ、第1及び第2接触部材の寿命が尽きるまで用いられる。次に電極の第二対目を用いて、ランプを、デマウントし且つ再マウントすることができ、そのときに、ランプの対応する第2及び第3接触部材を用いてランプを軸線方向に移動させる。代替的に、3つの接触部材を各端部で有する特別に適合されたソケット及びランプ寿命末期検出回路において、第1電極から第2電極への切り換えが、自動的に達成できる。
【0016】
本発明はまた、如何なる先行するクレームに記載のガス放電ランプを確保(hold)し且つ供給するソケットに係り、当該ソケットは、
ハウジングと、
二組の少なくとも2つの金属ソケット接触部材であり、各接触部材はランプ接触部材と接続する、ところの二組の少なくとも2つの金属ソケット接触部材と、
を有し、
上記ソケット接触部材は、少なくとも1つのストリップ状の接触面であり、マウント状況にある対応するランプ接触部材の略円形のランプ接触面へ接線方向に延在する、ところの少なくとも1つのストリップ状の接触面、を有する。この点における「ストリップ状」という用語は、如何なる延長された直線又は曲線形状をも含む。ストリップ状接触部材は、たとえば上記ソケットに弾性的にマウントされてランプの接触部材がソケット近くにクランプされるようにすることができる。他の保持機構もまた可能である。上記ストリップ状接触面は、好ましくはハウジングの壁部から延在するリブ上に設置され、リブは、マウントされた状態にあるエンドキャップの略管状面にある対応する略環状の窪みへと延在し、且つ各ソケット接触部材は、2つの略平行なストリップ状接触面を好ましくは含み、2つの略平行なストリップ状接触面は、マウント状況にある略環状のランプ接触面の外径に対応して或る距離を隔てて離間される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を、図面を参照しながら、好ましい実施形態の例として以下に示す。
【0018】
同じ参照符号は、同じ特徴を有するものとして、図面全体を通じて割り当てられている。
【0019】
図1及び図2によれば、ソケット1が、蛍光低圧ガス放電ランプ2を確保する。蛍光低圧ガス放電ランプは、当該技術分野においてよく知られており、管状のガラス放電容器3を含む。管状のガラス放電容器3は、充填ガス及び2つの電極を含み、2つの電極は、放電容器3の両端に構成される。図面に準じたランプは更に、略管状のエンドキャップ4を、放電容器3の両端で含む。エンドキャップ4は、非導電性プラスチック又はセラミック材料から作成され、且つエンドキャップ4は、上記放電容器3の両端へと接着剤又はセメントを用いて封止される。
【0020】
ソケット1は、複数の非導電性の壁部5を有し、複数の非導電性の壁部5は、二対のリブ6a、6bを、各端部で有する。リブ6a、6bは、ストリップ状の接触部材7a、7bとともに設けられる。接触部材7a、7bは、金属(たとえば銅)導電性層からなり、導電性層は、ランプの軸線に垂直に延在する。接触部材7a、7bの各対は、安定器(図示せず)の2つの極のうち1つへ接続される。接触部材7a、7bの各対である2つの部材間の距離は、エンドキャップ4の外径よりも小さい。エンドキャップ4は、2つの環状溝9a及び9bを含み、環状溝9a及び9bは、接触部材7a、7bの幅と対応する幅を有して、接触部材7a、7bが上記溝9a及び9b内へと延在できるようにする。
【0021】
図3及び図4によれば、エンドキャップ4の溝9a及び9bは、金属(たとえば銅)導電性の環状接触部材10a、10bとともに設けられる。上記環状接触部材10a、10bは、それゆえランプの軸線と同軸方向に延在し且つソケット1のストリップ状接触部材7a、7bによって接線方向(tangentially)に係合される。エンドキャップ4は更に、2つのボア11a、11bを含み、ボア11a、11bは、各溝9a、9bから内側軸線方向に延在するチャンネルへ延在し、チャンネルは、ランプリード線12a、12bを包囲する。当該リード線12a、12bは、よく知られたやり方において放電容器3内の電極へ接続され且つ放電容器3の端壁を通じて延在する。接触部材10a、10bと対応するリード線12a、12bとの間の電気的接触が、接触ピン又はねじ13a、13bによって確立される。接触ピン又はねじ13a、13bは、環状接触部材10a、10bにおける穴及びリード線12a、12b上へ向けられたボア11a、11bを通じて延在する。
【0022】
ランプ2は、保持機構によってソケット1にロックされることができる(図示せず)。保持機構とは、たとえばソケット1を覆う透明な蓋である。代替的には、接触部材7a、7bは、ランプ2の接触部材10a、10bを弾性的にクランプするよう曲がった形状を有することができる。
【0023】
図5は、ランプの追加の随意的な特徴を示し、加熱/冷却エレメント14が、エンドキャップ4に挿入される。加熱/冷却エレメント14は、放電容器3のステム15周りを同軸方向に延在する管状壁部を有し、上記ステム15は、水銀アマルガム16をよく知られたやり方において有する。概略的な図5には示されていないが、リードを通されたワイヤ12a、12bは、ステム15の外側上をステム15に沿って延在する。加熱/冷却エレメント14は、必要なときにいつでも加熱又は冷却されることができ、それにより放電容器3内の水銀圧を上昇又は下降させ、且つランプ特性を、そのように安定化させる。ランプを駆動する安定器に対して、制御回路が設けられる。制御回路の構成は、当業者であれば自明である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】蛍光低圧ガス放電ランプを確保するソケットの斜視図を示す。
【図2】図1のソケット及びランプの詳細な斜視図を示す。
【図3】図1のランプの詳細な斜視図を示す。
【図4】図1のランプの第1実施形態のランプキャップの部分的な略断面図を示す。
【図5】図1のランプの第2実施形態の端部分の部分的な略断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電ランプであって:
2つの端部を有する管状放電容器であり、前記の各端部には前記の放電容器における放電を生成し且つ維持する電極が構成される、ところの管状放電容器と、
前記の放電容器の両端から同軸方向に延在する2つの短い略管状のエンドキャップであり、各電極は、前記ランプを電源と接続するため当該エンドキャップの1つに構成される少なくとも2つの外側金属接触部材と接続される、ところの2つの短い略管状のエンドキャップと、
を有し、
前記の各接触部材は、
少なくとも部分的に略円形の接触面を有し、
前記の少なくとも部分的に略円形の接触面は、前記の略管状のエンドキャップと同軸方向に構成され且つ相互に軸線方向に離間されることを特徴とする、ガス放電ランプ。
【請求項2】
前記の2つの略円形の接触面の外径は前記エンドキャップの外径より小さい、
請求項1記載のガス放電ランプ。
【請求項3】
前記接触部材の前記の略円形の接触面は、前記エンドキャップの略管状面にある少なくとも1つの略環状の窪みに設置される、
請求項1又は2記載のガス放電ランプ。
【請求項4】
前記接触部材の前記の略円形の各接触面は、前記エンドキャップの前記略管状面にある別々の前記略環状の窪みに設置される、
請求項1、2又は3記載のガス放電ランプ。
【請求項5】
前記の略円形の接触面の外径は略等しい、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のガス放電ランプ。
【請求項6】
前記エンドキャップの外径は、前記放電容器の外径と大体等しい、
請求項1乃至5の何れか一項に記載のガス放電ランプ。
【請求項7】
前記放電容器の壁部は、該壁部の光透過特性を変更する少なくとも1つの被覆を有し、前記被覆は、略全長に沿って延在し且つ前記放電容器の周縁の一部のみを被覆する、
請求項1乃至6の何れか一項に記載のガス放電ランプ。
【請求項8】
前記の各端部分は、
少なくとも2つの電極と、
略円形の接触面を備える少なくとも3つの接触部材と、
を有する、
請求項1乃至7の何れか一項に記載のガス放電ランプ。
【請求項9】
ハウジングと、
二組の少なくとも2つの金属ソケット接触部材であり、前記の各接触部材はランプ接触部材と接続するためにある、ところの二組の少なくとも2つの金属ソケット接触部材と、
を有し、
前記のソケット接触部材は、
少なくとも1つのストリップ状の接触面であり、マウント状況にある対応する前記ランプ接触部材の略円形のランプ接触面へ接線方向に延在する、ところの少なくとも1つのストリップ状の接触面、
を有する、
先行する請求項の何れか一項に記載のガス放電ランプを確保し且つ供給するソケット。
【請求項10】
前記の各ソケット接触部材は、2つの略平行なストリップ状接触面を有し、該2つの略平行なストリップ状接触面は、前記マウント状況にある略環状のランプ接触面の外径と対応して或る距離を隔てて離間される、
請求項9記載のソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−505473(P2008−505473A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526624(P2007−526624)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051729
【国際公開番号】WO2005/121635
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】