説明

ガス検出装置

【課題】より安定したガスセンサの検出結果を得る。
【解決手段】ファン16によって導入される検出対象ガスであるドライバの呼気の流速を検出するための流速センサ50を備え、流速センサ50での検出結果に基づいて、流路20内に流通するドライバの呼気の流速が、予め定められた大きさX[m/s](または、X[m/s]を含む予め定められた範囲内の大きさ)となるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルコール濃度を検出する酒気帯びチェッカーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の酒気帯びチェッカーでは、呼気ガスをアルコールセンサまで導く呼気導入口及び呼気吹きかけ流路を含んで構成されている。また、上記特許文献1には、アルコールセンサ背面に、呼気ファンが設けられた構成の酒気帯びチェッカーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−201097号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の酒気帯びチェッカーでは、呼気導入口からアルコールセンサまでの経路は単なる空洞であり、呼気ガス導入時に吹きかけ流速が不安定になる、という問題がある。また、呼気ファンによる呼気ガスの吸引時においても、吹きかけの強弱により、呼気ガスの流れが乱れて、安定したアルコールセンサの出力が得られない、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができるガス検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明のガス検出装置は、出入り口を有する空洞が内部に形成されたハウジングと、前記ハウジングの前記空洞内に前記出入り口方向に延在するように設けられて、前記ハウジングの内面との間に検出対象ガスが流通する流路を形成する流路形成手段と、前記流路形成手段の前記検出対象ガスが流通する方向の上流側に設けられ、かつ前記流路内に前記検出対象ガスを導入するための導入手段と、検出部が前記流路内に露出するように前記ハウジングに取り付けられたガスセンサと、前記導入手段によって導入される前記検出対象ガスの流速または圧力を検出するための検出手段と、前記検出手段での検出結果に基づいて、前記流路内に流通する前記検出対象ガスの流速が、予め定められた大きさ、または予め定められた範囲内の大きさとなるように制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0008】
本発明のガス検出装置によれば、導入手段によって導入される検出対象ガスの流速を検出するための検出手段での検出結果に基づいて、流路内に流通する検出対象ガスの流速が、予め定められた大きさ、または予め定められた範囲内の大きさとなるように制御する。これにより、非定常なガス流速、ガス流速の強弱に対しても、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【0009】
また、本発明のガス検出装置に、前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ流通する前記検出対象ガスが流通する際の抵抗を抑制するための流線型部材と、前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ前記入り口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフードとを更に含めるようにしてもよい。
【0010】
なお、上記目的を達成するために、ガス検出装置が、出入り口を有する空洞が内部に形成されたハウジングと、前記ハウジングの前記空洞内に前記出入り口方向に延在するように設けられて、前記ハウジングの内面との間に検出対象ガスが流通する流路を形成する流路形成手段と、前記流路形成手段の前記検出対象ガスが流通する方向の上流側に設けられ、かつ前記流路内に前記検出対象ガスを導入するための導入手段と、検出部が前記流路内に露出するように前記ハウジングに取り付けられたガスセンサと、前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ流通する前記検出対象ガスが流通する際の抵抗を抑制するための流線型部材と、前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ前記入り口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフードとを含んで構成するようにしてもよい。
【0011】
このようなガス検出装置によれば、ハウジングの入り口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフードが、ハウジングの入り口側に設けられている。また、流通する検出対象ガスが流通する際の抵抗を抑制するための流線型部材がハウジングの入り口側に設けられている。
【0012】
このようなフードがハウジングの入り口側に設けられていることにより、周囲の検出対象以外のガス(例えば空気)が流路内に導入されることが防止でき、検出対象ガスの導入率がより高くなる。更に、このような流線型部材がハウジングの入り口側に設けられていることにより、流線型部材が設けられていない場合と比較して、検出対象ガスの流路内への導入量がより多くなり、検出対象ガスの導入率がより高くなる。従って、このようなガス検出装置によれば、検出対象ガスを効率よく取り込むことができ、ひいては、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【0013】
また、前記導入手段を、回転軸を備えたファンとし、前記流線型部材を、前記回転軸の前記入り口側に設けるようにしてもよい。これにより、回転軸の入り口側に流線型部材が設けられていない場合と比較して、検出対象ガスを効率よく取り込むことができ、ひいては、更に安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明のガス検出装置によれば、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアルコール検出装置の取り付け位置を説明するための概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るアルコール検出装置を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るアルコール検出装置の外観概略を示す斜視図(A)及び分解図(B)である。
【図4】実験結果を説明するための図である。
【図5】実験結果を説明するための図である。
【図6】アルコール検出装置の他の実施の形態を示す概略図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るアルコール検出装置の取り付け位置を説明するための概略図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るアルコール検出装置が実行する回転制御処理のフローチャートを示す図である。
【図9】アルコール検出装置の他の実施の形態を示す概略図である。
【図10】アルコール検出装置の他の実施の形態を示す概略図である。
【図11】アルコール検出装置の他の実施の形態を示す概略図である。
【図12】上記の各実施形態におけるフード及び流線型突起物の形状の大きさの一例を説明するための図である。
【図13】上記の各実施形態におけるフード及び流線型突起物の形状の大きさの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、車両に搭載されドライバの呼気からエチルアルコールを検出するアルコール検出装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係るアルコール検出装置10は、運転席に設けられたステアリングコラム12の、ドライバの呼気が到達可能な位置に取り付けられている。なお、アルコール検出装置10は、本発明のガス検出装置の一例であり、また、この呼気は、本発明の検出対象ガスの一例である。
【0019】
図2及び図3に示すように、アルコール検出装置10は、外形が略直方体で、対向する2面の一方の面に入口(入り口)が開口し、他方の面に出口が開口した円柱面状の空洞が内部に形成されたハウジング14、ハウジング14の入口側に設けられ、ドライバの呼気をハウジング14内の流路に導入するためのファン16、ハウジング14の円柱面状の内面と軸を同一とする円柱状または円筒状の支柱18、アルコールセンサ30、においセンサ32、酸素センサ34、湿度センサ36、ハウジング14の入口側に設けられ、流通する検出対象ガスとしての呼気が流通する際の抵抗を抑制するための流線型突起物38、及びハウジング14の入口側に設けられ、かつこの入口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフード40を備えている。
【0020】
ファン16は、図2及び図3に図示されるように、ファン16の中心部である回転軸16aを備えている。また、ファン16は、流路形成手段の一例である支柱18の呼気が流通する方向の上流側に設けられている。なお、ファン16は、本発明の導入手段の一例である。
【0021】
支柱18の底面はファン16の中心部に固定されており、支柱18とハウジング14の内面との間に円筒状の空間が形成されており、この空間がファン16により導入されたドライバの呼気の流路20となる。
【0022】
また、各センサ30、32、34、36は、検出面が流路20に露出するように、かつ、検出面が支柱18の軸の方向(呼気の流入方向)と平行または略平行になるように設けられている。なお、図3に示す湿度センサ36は、図2では図示を省略している。また、検出面は、本発明の検出部の一例である。
【0023】
アルコールセンサ30は、流路20内を流れる呼気中に含まれるエタノールガスを検出するセンサである。においセンサ32は、流路20内を流れる呼気中のアルコールの臭気を検出するセンサである。酸素センサ34は、流路20内を流れる呼気中に含まれる酸素ガスを検出するセンサである。湿度センサ36は、流路20内を流れる呼気中に含まれる水蒸気を検出するセンサである。
【0024】
アルコールセンサ30及びにおいセンサ32と酸素センサ34とは、支柱18を挟んで対向する位置に配置されている。なお、支柱18を金属製とすることにより、発熱による気流が金属に伝わり熱の影響を流路20内にこもらせないようにすることができる。
【0025】
図示されるように、流線型突起物38は、流線型の形状をした部材であるが、流線型の形状をした部材であれば、図示された以外の部材を流線型突起物38として用いてもよい。なお、流線型突起物38は、本発明の流線型部材の一例である。
【0026】
また、フード40を構成する素材としては、例えば、エラストマー樹脂を用いることができる。
【0027】
本実施の形態のガス検出装置としてのアルコール検出装置10によれば、ハウジング14の入口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフード40が、ハウジング14の入り口側に設けられている。また、呼気が流通する際の抵抗を抑制するための流線型突起物38がハウジング14の入り口側に設けられている。より具体的には、流線型突起物38は、回転軸16aの呼気の入口側に設けられている。
【0028】
ファン16を駆動することにより、ドライバから吐き出された非定常な流速分布を示す呼気がハウジング14内の流路20へ導入される。流路20へ導入された呼気は、流路20の上流側に設けられたファン16で攪拌及び混合され、支柱18の周面に沿ってらせん状に流れることにより、流路20内の流速が略均一化される。
【0029】
このように、ハウジング内に円柱状または円筒状の支柱を設けてハウジング内面との間に円筒状の流路を形成することにより、流路内での呼気の流速が略均一化されるため、支柱の軸と平行または略平行に検出面を設けた各センサに呼気が均一に当たり、安定した出力が得られる。また、支柱を挟んで対向する位置に加熱温度特性が異なるセンサを配置することにより、支柱が熱絶縁体として作用するため、熱による悪影響も防止できる。また、呼気を流路内に導入する際に、流路の上流側であるハウジングの入口側に設けられたファンを用いるため、装置が小型化され、車両への搭載も容易となる。またファンでの導入により、流路内の呼気の攪拌及び混合が促進され、効率よく各センサに呼気を行き渡らせることができる。
【0030】
ここで、流線型突起物38を本実施の形態のようにハウジング14の入口側に設けた場合と、流線型突起物38を設けなかった場合との各々の場合のアルコール検出装置10について、上記で説明したフード40が設けられていないときの流路20内の呼気導入率を実験によって調査した。その実験結果を図4に示す。
【0031】
図4に示されるように、流線型突起物38をハウジング14の入口側に設けた場合のほうが、流線型突起物38を設けていない場合より、呼気の流路20内への導入量が約1.3倍多くなる。すなわち、流線型突起物38がハウジング14の入口側に設けられていることにより、流線型突起物38が設けられていない場合と比較して、呼気の流路内への導入量がより多くなり、検出対象ガス(本実施の形態では呼気)の導入率がより高くなる。
【0032】
更に、フード40を本実施の形態のようにハウジング14の入口側に設け、流線型突起物38を本実施の形態のようにハウジング14の入口側に設けた場合と、フード40を本実施の形態のようにハウジング14の入口側に設け、流線型突起物38を設けなかった場合との各々の場合のアルコール検出装置10について、流路20内の呼気導入率を実験によって調査した。その実験結果を図5に示す。
【0033】
図5に示されるように、フード40及び流線型突起物38をハウジング14の入口側に設けた場合のほうが、フード40を設け、流線型突起物38を設けなかった場合より、呼気ガスの流路20内への導入量が約1.6倍多くなる。すなわち、フード40がハウジング14の入口側に設けられていることにより、周囲の検出対象以外のガス(例えば空気)が流路20内に導入されることが防止でき、検出対象ガス(本実施の形態では呼気)の導入率がより高くなる。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態のアルコール検出装置10によれば、検出対象ガスを効率よく取り込むことができ、ひいては、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【0035】
また、上記実施の形態では、本発明を車両に搭載されるアルコール検出装置に適用した場合について説明したが、疾患によって生じる異常ガスを検出するガス検出装置など種々の用途に適用可能である。
【0036】
また、上記で説明したフード40に代えて、図6に示すような形状のフード42を用いてもよい。例えば、図6に示すように、流線型突起物38を覆う部分が平行であり、そして、ハウジング14の入口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフード42を用いてもよい。
【0037】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、流速センサ及びコントローラが設けられている点である。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0038】
図7に示すように、本実施の形態のアルコール検出装置11は、流速センサ50、及びコントローラ52を備えている。
【0039】
流速センサ50は、ガスの流速を検出するためのものであり、ファン16に導入されるドライバの呼気の流速を検出可能なように、ファン16の回転軸16aのドライバの呼気が流通する方向の上流側に設けられている。流速センサ50は、ガスの流速を検出し、検出した流速(検出結果)のデータをコントローラ52に出力する。
【0040】
コントローラ52は、流速センサ50の検出結果に基づいて、ファン16の回転数を制御する。コントローラ52は、ROM(Read Only Memory)52a、HDD(Hard Disk Drive)52b、CPU(Central Processing Unit)52c、RAM(Random Access Memory)52d、及びI/O(入出力)ポート52eを備えたコンピュータを含んで構成されている。これらROM52a、HDD52b、CPU52c、RAM52d、及びI/Oポート52eは互いにバス52fで接続されている。
【0041】
記憶媒体(記憶手段)としてのROM52aには、OS等の基本プログラムが記憶されている。
【0042】
記憶媒体(記憶手段)としてのHDD52bには、詳細を以下で説明する回転制御処理の処理ルーチンを実行するためのプログラムが記憶されている。
【0043】
CPU52cは、プログラムをROM52a及びHDD52bから読み出して実行する。
【0044】
RAM52dには、各種データが一時的に記憶される。
【0045】
I/Oポート52eには、流速センサ50及びファン16が接続されている。従って、CPU52cは、流速センサ50から検出結果のデータを取得することが可能であり、また、CPU52cは、ファン16の回転数を制御することが可能である。また、I/Oポート52eには、アルコールセンサ30、においセンサ32、酸素センサ34、及び湿度センサ36の各センサが接続されている。従って、CPU52cは、アルコールセンサ30、においセンサ32、酸素センサ34、及び湿度センサ36の各センサから検出結果のデータを取得することが可能である。
【0046】
次に、コントローラ52のCPU52cが実行する回転制御処理の処理ルーチンについて図8を参照して説明する。なお、本実施の形態において、回転制御処理は、アルコール検査を開始する旨の指示を、図示しないキーボードやタッチパネルなどの操作受付手段から受信したことをCPU52が検知した場合に実行される。
【0047】
まず、ステップ100で、流速センサ50から検出結果のデータを取り込む。これにより、ドライバの呼気の流速を得ることができる。
【0048】
次のステップ102では、上記ステップ100で得られたドライバの呼気の流速が、予め定められた大きさの流速X[m/s](例えば、1[m/s])を含む予め定められた範囲内Z[m/s](Zの範囲は、(X−α)[m/s]以上(X+α)[m/s]以下の範囲)の大きさであるか否かを判定する。なお、流速Xの大きさは、例えば1[m/s]程度の大きさにすることが好ましい。通常、人間の口から発生される呼気の流速である呼気流速は1[m/s]程度で、意識的に強めに吐く場合は、1.5〜2.0[m/s]程度になることが実験的に知られている。従って、X[m/s]の大きさを1[m/s]程度にした場合に、本処理によって、流路20内を流れる呼気の流速を、意識的に強めに吐こうとしていない通常の状態の人間の口から発生される呼気流速(1[m/s]程度)に近づけることで、非定常なガス流速、ガス流速の強弱に対しても、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【0049】
また、流速Xの大きさを、上記のアルコールセンサ30、においセンサ32、酸素センサ34、及び湿度センサ36の各センサによる検出に適した流速にすることもできる。このような大きさ流速X[m/s]は実験により得ることができる。
【0050】
更に、上記のαの値は、流路20内を流れる呼気の流速を上記X[m/s]に近づけるために小さい値が望ましい。例えば、αの値は、0.2[m/s]としてもよい。
【0051】
ステップ102で、上記ステップ100で得られたドライバの呼気の流速が、予め定められた大きさの流速X[m/s]を含む予め定められた範囲内Z[m/s]の大きさでないと判定された場合には、次のステップ104へ進む。
【0052】
ステップ104では、上記ステップ100で得られたドライバの呼気の流速に基づいて、流路20内を流れる呼気の流速がX[m/s](または、X[m/s]を含む予め定められた範囲内)となるようにファン16の回転数を制御する。例えば、ドライバの呼気が導入されたときの流速センサ50の検出結果と、そのときの流路20内を流れる呼気の流速がX[m/s]となるときのファン16の回転数とを予め実験により得て、得られた検出結果及びファン16の回転数の関係を予めROM16aに記憶しておく。そして、ステップ104で、上記ステップ100で得られたドライバの呼気の流速に対応するファン16の回転数をROM16aから読み出して、読み出したファン16の回転数となるようにファン16を制御する。そして、ステップ100に戻る。
【0053】
なお、ステップ104では、従来公知のフィードバック制御及びフィードフォーワード制御等を用いて流速センサ50の検出結果に基づいて、流路20内を流れる呼気の流速がX[m/s](または、X[m/s]を含む予め定められた範囲内)となるようにファン16の回転数を制御するようにしてもよい。
【0054】
一方、ステップ102で、上記ステップ100で得られたドライバの呼気の流速が、予め定められた大きさの流速X[m/s]を含む予め定められた範囲内Z[m/s]の大きさであると判定された場合には、次のステップ106へ進む。
【0055】
次のステップ106では、アルコールセンサ30、においセンサ32、酸素センサ34、及び湿度センサ36の各センサから検出結果のデータを取り込んでアルコール検査を開始する。そして、回転制御処理を終了する。
【0056】
以上、説明したように、本実施の形態のアルコール検出装置11は、ファン16によって導入される検出対象ガスであるドライバの呼気の流速を検出するための流速センサ50を含んで構成されている。なお、流速センサ50は、本発明の検出手段の一例である。そして、回転制御処理では、流速センサ50での検出結果に基づいて、流路20内に流通するドライバの呼気の流速が、予め定められた大きさX[m/s](または、X[m/s]を含む予め定められた範囲内の大きさ)となるように制御する。これにより、非定常なガス流速、ガス流速の強弱に対しても、より安定したガスセンサの検出結果を得ることができる。
【0057】
なお、上記ではフード40及び流線型突起物38を設けた場合に、流速センサ50を設けた例について説明したが、図9に示すように流線型突起物38を設けずにフード40を設けた場合に流速センサ50を設けるようにしてもよい。また、図10に示すようにフード40を設けずに流線型突起物38を設けた場合に流速センサ50を設けるようにしてもよい。更に、図11に示すように、フード40及び流線型突起物38を設けない場合に流速センサ50を設けるようにしてもよい。
【0058】
また、上記では、流速の物理量を検出するために、検出手段の一例として流速センサ50を設けた場合について説明したが、呼気の気圧の物理量を検出するために圧力センサを設けて上記と同様の処理を行ってもよい。この場合、圧力センサは、検出手段の一例である。
【0059】
ここで、上記で説明したフード40及び流線型突起物38の形状の大きさの一例を図12に示す。例えば、フード40の開口面積の最大の部分では、その大きさは同図に図示されるように、35[mm]×35[mm]である。また、同図に図示されるように、フード40のハウジング14の入り口側の開口面積の大きさは、25[mm]×25[mm]である。また、フード40の回転軸16a方向の長さは、20mmである。
【0060】
更に、流線型突起物38の大きさは同図に図示されるように、流線型部分の回転軸16a方向の長さが10[mm]であり、回転軸16a方向と直交する方向の長さが15[mm]である。
【0061】
また、上記で説明したフード42の形状の大きさの一例を図13に示す。例えば、フード42の開口面積の最大の部分では、その大きさは同図に図示されるように、35[mm]×35[mm]である。また、同図に図示されるように、フード42のハウジング14の入り口側の開口面積の大きさは、25[mm]×25[mm]である。また、フード42の回転軸16a方向の長さは、20mmである。
【0062】
なお、図12及び図13を参照して説明したフード40、フード42、及び流線型突起物30の大きさは上述したように一例であり、この大きさに限られない。
【0063】
また、図12及び図13の各図には、回転軸16aに触らないようにフード40またはフード42に固着された細い支え材を用いた一例が示されている。
【符号の説明】
【0064】
10 アルコール検出装置
14 ハウジング
16 ファン
18 支柱
20 流路
30 アルコールセンサ
32 においセンサ
34 酸素センサ
38 流線型突起物
40 フード
50 流速センサ
52 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口を有する空洞が内部に形成されたハウジングと、
前記ハウジングの前記空洞内に前記出入り口方向に延在するように設けられて、前記ハウジングの内面との間に検出対象ガスが流通する流路を形成する流路形成手段と、
前記流路形成手段の前記検出対象ガスが流通する方向の上流側に設けられ、かつ前記流路内に前記検出対象ガスを導入するための導入手段と、
検出部が前記流路内に露出するように前記ハウジングに取り付けられたガスセンサと、
前記導入手段によって導入される前記検出対象ガスの流速または圧力を検出するための検出手段と、
前記検出手段での検出結果に基づいて、前記流路内に流通する前記検出対象ガスの流速が、予め定められた大きさ、または予め定められた範囲内の大きさとなるように制御する制御手段と、
を含むガス検出装置。
【請求項2】
前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ流通する前記検出対象ガスが流通する際の抵抗を抑制するための流線型部材と、
前記ハウジングの前記入り口側に設けられ、かつ前記入り口側から遠ざかるに従って開口面積が大きくなるフードと、
を更に含む請求項1記載のガス検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−64632(P2011−64632A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217304(P2009−217304)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】