ガス調理器
【課題】本発明はガス調理器の特に燃焼流量の制御方法に関し、茹で物調理を上手に行えるようにする。
【解決手段】鍋を加熱する加熱手段1と、加熱手段を制御する加熱制御手段24と、鍋の温度を検知する温度検知手段2と、調理モードを設定する調理モード設定手段27とを備え、前記加熱制御手段24は、調理モード設定手段27にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有し、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することで、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止しかつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。
【解決手段】鍋を加熱する加熱手段1と、加熱手段を制御する加熱制御手段24と、鍋の温度を検知する温度検知手段2と、調理モードを設定する調理モード設定手段27とを備え、前記加熱制御手段24は、調理モード設定手段27にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有し、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することで、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止しかつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麺類などの茹でものを行った場合の吹きこぼれ防止に関する最適なガス調理器に関し、主に吹きこぼれをさせなく、かつ美味しく茹で上げる火力制御と、その燃焼流量制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置は、特許文献1、特許文献2に示すようなものが一般的であった。この装置は図29に示されているようにコンロバーナ1に鍋底温度センサー2を搭載し、「天ぷら」をセットした場合、温度調節するように構成されており、図29の制御回路の作動により鍋底温度が設定温度より高くなると図29のガスの制御経路の電磁弁3が閉じ、バイパスノズル4の最小流量となり、また、鍋底温度が設定温度より低下すると、前記電磁弁3が開成し、強燃焼となるようになっているものがあるが、吹きこぼれを防止させ麺類を茹で上げるものはなかった。
【特許文献1】特開平3−236518号公報
【特許文献2】特開平4−356619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
麺類の茹でものを吹きこぼれさせずに美味しく茹で上げるには、麺の種類や量により一定の火力では、火力不足や逆に吹きこぼれる場合が生じるという課題があった。また、火力の変化も従来の電磁弁による流量制御方式では、強−弱のみの制御なので、麺類の茹でものに適した適正火力が得にくく、かつ、最小流量から瞬時に強燃焼に移行して急激に炎が大きくなるという課題を有していた。また、急激な炎の変化を意識的に使用者に喚起するという配慮もされておらず、安全性の面で改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決するために、吹きこぼれ防止モードを設定もしくは自動判別し、茹で物の適正火力を設定できる構成としたものである。
【0005】
上記発明によれば、吹きこぼれを防止させる適正火力を制御できることとなり、麺類の吹きこぼれを防止するとともに、炎が徐々に変化するため使用者に炎が大きくなることを喚起することができ、強−中−弱の火力切替えを適正間隔で作動させることにより麺類の茹で物調理が可能となり、吹きこぼれも少なくさせる事が可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有し、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、少なくとも生麺と乾麺の選択することにより、より茹で物に適した火力で仕上げ、吹きこぼれ防止の精度も向上が図れる。
【0007】
また請求項2に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定
手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。また、沸騰後に消火・点火の動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードに切り替わることから、特別なキーも不要でシンプルな構成とすることができる。
【0008】
また請求項3に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることから、沸騰した後麺類を投入したら自動的に吹きこぼれ防止モードになり、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができ、かつ、ユーザーのモード切替え意識も不要で、誰にでも簡単に麺類の茹で物調理が可能となる。
【0009】
また請求項4に係るガス調理器は、器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有し、麺類の茹で物の最長時間にタイマーを合わせ茹で上がった後消し忘れた場合、少ないエネルギーロスで消火させる事が可能となる。一般的に器具の消し忘れ防止タイマーは約2時間程度に設定されている。また麺類の茹で物にあっては、最長時間が15分程度で、吹きこぼれ防止モードの計忘れ防止タイマー時間は20分程度が妥当であり、消し忘れを生じた場合、90分程度のエネルギーロスが改善されることとなる。
【0010】
また請求項5に係るガス調理器は、器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時、もしくは、予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成としたことから、自動的に麺類が茹で上がり放置しても吹きこぼれしないことから、茹ですぎ状態が多発する可能性が有り、これらの解消と利便性の追求から、予めセットした調理タイマーが、沸騰後もしくは吹きこぼれ防止モード決定時から作動し、所定時間経過すれば自動消火させることから茹ですぎの状態が解消され、吹きこぼれ防止とともに利便性の向上が図れる。
【0011】
また請求項6に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成としたことから、一般的に麺を茹でた場合、麺投入当初は、麺類に付着した吹きこぼれを生じやすい成分が麺から離脱するときに吹きこぼれが発生しやすく、後になれば吹きこぼれが緩和されることから、麺の投入当初は、火力を押さえて吹きこぼれ防止を重視し、後半は茹で上がり状態を重視して火力を強くする制御を確立することにより、吹きこぼれにくく、かつ、美味しく茹で上げる火力制御ができることとなる。
【0012】
また請求項7に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くすることにより、前半に吹きこぼれの頻度が高い場合は制御回数を頻繁に行って吹きこぼれを防止し、後半の茹で上げる火力の場合は制御回数を削減して、駆動電源の省電化を促進させる事が可能となる。
【0013】
また請求項8に係るガス調理器は、一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としたことから、予めユーザーに水量と麺量の比率を知らせ、水量と麺量の相関を元に、麺茹で量を水量で推定し麺の量に応じた適正火力で麺を茹でることができ、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0014】
また請求項9に係るガス調理器は、沸騰までは一定火力で沸騰させ、沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としているため、一般的に比較的強い火力で茹で上げる生麺類と、比較的弱い火力で茹で上げる乾麺類と区分し、前記温度センサーの下がり勾配が大きい場合は生麺と判別させ比較的強い火力で制御し、反対に前記温度センサーの下がり勾配が少ない場合は乾麺と判別させ比較的弱い火力で制御させることにより、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の請求項1に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有したことにより、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、少なくとも生麺と乾麺の選択することにより、より茹で物に適した火力で仕上げ、吹きこぼれ防止の精度も向上が図れる。
【0016】
また請求項2に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることにより、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。また、沸騰後に消火・点火の動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードに切り替わることから、特別なキーも不要でシンプルな構成とすることができる。
【0017】
また請求項3に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることから、沸騰した後麺類を投入したら自動的に吹きこぼれ防止モードになり、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができ、かつ、ユーザーのモード切替意識も不要で、誰にでも簡単に麺類の茹で物調理が可能となる。
【0018】
また請求項4に係るガス調理器は、器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有し、麺類の茹で物の最長時間にタイマーを合わせ茹で上がった後消し忘れた場合、少ないエネルギーロスで消火させる事が可能となる。一般的に器具の消し忘れ防止タイマーは約2時間程度に設定されている。また麺類の茹で物にあっては、最長時間が15分程度で、吹きこぼれ防止モードの計忘れ防止タイマー時間は20分程度が妥当であり、消し忘れを生じた場合、90分程度のエネルギーロスが改善されることとなる。
【0019】
また請求項5に係るガス調理器は、器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時、もしくは、予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成としたことから、自動的に麺類が茹で上がり放置しても吹きこぼれしないことから、茹ですぎ状態が多発する可能性が有り、これらの解消と利便性の追求から、予めセットした調理タイマーが、沸騰後もしくは吹きこぼれ防止モード決定時から作動し、所定時間経過すれば自動消火させることから茹ですぎの状態が解消され、吹きこぼれ防止とともに利便性の向上が図れる。
【0020】
また請求項6に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成としたことから、一般的に麺を茹でた場合、麺投入当初は、麺類に付着した吹きこぼれを生じやすい成分が麺から離脱するときに吹きこぼれが発生しやすく、後になれば吹きこぼれが緩和されることから、麺の投入当初は、火力を押さえて吹きこぼれ防止を重視し、後半は茹で上がり状態を重視して火力を強くする制御を確立することにより、吹きこぼれにくく、かつ、美味しく茹で上げる火力制御ができることとなる。
【0021】
また請求項7に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くすることにより、前半に吹きこぼれの頻度が高い場合は制御回数を頻繁に行って吹きこぼれを防止し、後半の茹で上げる火力の場合は制御回数を削減して、駆動電源の省電化を促進させる事が可能となる。
【0022】
また請求項8に係るガス調理器は、一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としたことから、予めユーザーに水量と麺量の比率を知らせ、水量と麺量の相関を元に、麺茹で量を水量で推定し麺の量に応じた適正火力で麺を茹でることができ、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0023】
また請求項9に係るガス調理器は、沸騰までは一定火力で沸騰させ、沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としているため、一般的に比較的強い火力で茹で上げる生麺類と、比較的弱い火力で茹で上げる乾麺類と区分し、前記温度センサーの下がり勾配が大きい場合は生麺と判別させ比較的強い火力で制御し、反対に前記温度センサーの下がり勾配が少ない場合は乾麺と判別させ比較的弱い火力で制御させることにより、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0024】
(実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施例1のガス調理器の外観図である。図1において示した外観図は、鍋底温度センサー付きこんろ1、温度検知手段としての鍋底温度センサー2、普通こんろ5、グリル部6、からなる。これらの燃焼部の操作を行う操作部には点火/消火操作を行う鍋底温度センサー付きこんろ用点火ボタン7、普通こんろ用・グリル用の点火ボタン8、鍋底温度センサー付きこんろ用火力調節レバー10、普通こんろ用・グリル用の火力調節レバー9と、乾電池を収納する乾電池収納部12を備える。また、鍋底温度センサー付きこんろ1の点火ボタン7の外周には調理モード設定手段となる操作パネル11を備えている。
【0026】
図2(a)(b)は、操作パネル11の正面図と側面図を示し、点火ボタン7は回転と所定角度毎に押し込み可能な可動部7−1と、可動部7−1の外筒7−2からなり、可動部7−1の外筒7−2の所定角度毎に、調理モードの吹きこぼれ防止14、普通コンロ15−1、ロック位置15−2が構成されていることを示している。
【0027】
図2(c)(d)は、調理モードの吹きこぼれ防止14を湯沸かし14に変更したものである。
【0028】
図3は操作部のその他の実施例で、図1で示した操作パネル11を点火ボタン7と独立させた構成を示したものであり、図4(a)は、操作パネルに時間表示用の表示管11−1、時間設定用下がるキー11−2、上がるキー11−3、タイマー作動キー11−4、及びモード設定用の天ぷらキー11−5、湯沸かしキー11−6、を表し、天ぷらキーはサイクリック方式で、1回押す毎に、天ぷら低→高→モード解除と移動する構成としている。
【0029】
図4(b)は、図4(a)に追加すること、湯沸かしキーもサイクリック方式とし、湯沸かし→吹きこぼれ防止→モード解除と移動する構成としたことである。
【0030】
図4(c)は、図4(b)に更に追加すること、新たに吹きこぼれキー11−7を設け、キーはサイクリック方式として、生麺モード→乾麺モード→モード解除と移動する構成としている。
【0031】
図5は本発明のガス調理器の、主要構成要素を表わしている。すなわち加熱手段であるこんろバーナ1、温度検知手段である鍋底温度センサー2、燃焼流量を規制するノズル16、ガスの流量を調節する流量調節装置17、流量調節装置17を駆動する電動駆動装置18を備える。
【0032】
なお、上記流量調節装置17による流量調節は後述する実施例では手動の火力調節レバー10にて流量を調節する流量調節機構19を電動駆動装置18で作動させるが、その火力調節レバー10との組み合わせについては後述する。
【0033】
またこのガス調理器は、点火ボタン7の操作によりガス通路を開成する手動弁20、安全弁21、点火ボタン7と連動してON−OFFする電源スイッチ22、こんろバーナ1の燃焼炎により加熱される熱電対23を備え、加熱手段であるこんろバーナ1を電動駆動で流量制御するための加熱制御手段24は、制御回路26と電動駆動装置18、流量調節装置17、安全弁21により構成されている。
【0034】
図6は加熱制御手段24の概略構成図を示すもので、温度検知手段である鍋底温度セン
サー2の抵抗値変化を温度に判定するとともに沸騰判定手段ともなる温度判定手段27−1、操作パネル11の設定状態と、調理中の調理モードを判定する調理モード判定手段27、調理モード判定手段27の結果によって動作する焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30からなる動作制御手段26A、また、焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30の出力と、熱電対23の起電力の判定を行い作動する駆動判定手段31、及び消し忘れタイマー・調理タイマー判定手段30−1から構成されている。
【0035】
図7〜図28は各種判定手段の概略内容を表すフローチャートであり、図7は調理モード判定手段27の概略を表す。同図(a)で示す如く温度判定手段27−1から送信された温度データを演算処理し、その演算処理32の結果、すなわち特開平4−356619号公報に記載されている構成によって、水物調理であるか33、油もの調理であるか34を判定し、水物調理である場合沸騰温度を決定し35、沸騰温度から焦げ付き防止温度を決定36したあと、焦げ付き防止判定手段28の動作に、そして油もの調理である場合、過熱防止温度を決定し37、過熱防止判定手段29の動作に移行させる。また、同図(b)に示す如く操作パネル11のキー入力があった場合は、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30の動作に移行させる。このように上記調理モード判定手段27は、調理物の調理モードを決定し、調理物にあった制御温度を決定する。
【0036】
図8は焦げ付き防止判定手段28の概略フローを表し、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38であるか判定し、焦げ付き防止温度以上である場合、流量制御装置17を「弱火力位置にする信号」を出力し39、「焦げ付きタイマーをON」し40、「X秒経過したか」判別し41、X秒経過後「センサー温度>焦げ付き温度」であるか判別し42、センサー温度が高い場合、「安全弁OFF」を次段に出力し43、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力44を次段に送り終了とする45。
【0037】
一方「センサー温度>焦げ付き防止温度」42であるか判定し、焦げ付き防止温度以下である場合、「センサー温度>焦げ付き防止温度−5℃」か判定し46、その場合は流量制御装置17を「中火力位置」にする出力47を次段に送り、そうでない場合とあわせて、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38に戻る。
【0038】
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と焦げ付き防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択できることとなる。
【0039】
図9は、過熱防止判定手段29の概略フローを表し、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」か判定し48、その場合には、流量制御装置17を「弱火力位置」にする出力を出し49、「センサー温度>過熱防止温度」か判定し50、その場合には「安全弁OFF」を次段に出力し51、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力52を次段に送り終了とする53。
【0040】
そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−18℃」か判定し54、そうである場合、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力55を次段に送り、そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−15℃」か判定し56、そうである場合、流量制御装置17を「中火力位置」にする出力57を次段に送り、そうでない場合とともに、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」かの判定48に戻る。
【0041】
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と油過熱防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択することとなる。
【0042】
下記(表1)は、麺類の吹きこぼれ防止の実験結果を表し、沸騰後一定火力で麺を投入
し放置した場合の、状態を表す物である。但し、水量は鍋の高さの60%以内、麺と水量の比率は麺100gに付水1リットル、の前提条件を付加している。
【0043】
【表1】
【0044】
第1条件では麺100g、水量1リットル、φ16cmの鍋で、火力を1600Kcal/hで、第2条件では麺300g、水量3リットル、φ22cmの鍋で、火力を1600Kcal/hで、第3条件では麺300g、水量3リットル、φ22cmの鍋で、火力を2800Kcal/hで、それぞれ乾しうどん、素麺、スパゲティ、乾蕎麦、生うどんの実験を行った。下降温とは、麺類を投入したときの湯温の低下度合いを表し、吹き上がりとは麺投入時点から泡が出始める迄の時間であり、こぼれとは麺投入から吹きこぼれが始まる時間を示している。
【0045】
その実験結果では、例えば、第1条件の乾うどんでは、麺を投入することにより下降温が3℃、吹き上がり時間が89秒、こぼれは発生しない。
【0046】
同様に第1条件の乾蕎麦では、麺投入時の下降温が3℃で、吹き上がり時間が、58秒、吹きこぼれ時間が68秒で吹きこぼれを生じている。
【0047】
これらのことから、同じ乾麺でも吹きこぼれしやすい麺類と、そうでない麺類、また、当然ながら、量と火力の関係、により吹きこぼれの状態は様々に変化する。
【0048】
また、当然ながら、生麺は、乾麺の火力では火力不足になるため、火力は強くする必要がある。
【0049】
図10は、本発明の吹きこぼれ防止モードの概略説明図であり、茹で物調理のパターンに沿って火力制御を行う概略を示すものである。
【0050】
縦軸には、温度センサーの状態(湯温に相関)、及び火力状態を示し、横軸には時間経過を表している。点火することにより湯温が上昇する。沸騰点に達するまでに、温度上昇勾配や沸騰時間などから、湯量を判別し、沸騰検知判定手段で沸騰を判定し、沸騰後の火力を湯量に応じて火力変更し、麺投入を待機する。麺投入が開始されると、麺の種類に応じて湯温が下降する。下降温度と下降状態に応じて、以降火力を可変させ、吹きこぼれしなくしかも美味しく茹で上げる火力制御を行うものであり、特にその中にあっても、前半の火力は後半に比較し、弱い火力で頻繁に火力変化を行い、後半は火力変化を少なく、火力も強めで茹で上げる制御を行う。以上が吹きこぼれ防止モードの概略シーケンスである。
【0051】
図11は調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合のフローチャートを示したもので、点火後100、沸騰判定し101、フザー等で沸騰をお知らせし10
2、その後吹きこぼれ防止用火力制御を行い103、その後手動消火104を行う。尚、吹きこぼれ防止用火力制御103は後述する。これらのことにより吹きこぼれ防止キーを選択することにより、麺類の茹で物が吹きこぼれさせることなく茹で上げることができる事となる。
【0052】
尚、以降同一処理は同一番号を付し、説明を省略する。
【0053】
図12は調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定し、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を、乾麺モードか、生麺モードの選択を行う場合のフローチャートを示したもので、沸騰お知らせ後102、生麺キー入力があるか判定し105、キー入力がある場合は、生麺吹きこぼれ防止用火力制御103−1を行い、そうでない場合は、乾麺吹きこぼれ防止用火力制御103−2を行う。茹で物キーに2種類の選択キーを設けることにより、特に乾麺は生麺に比べて火力を強くし、茹で上げ状態を良く仕上げることができるが、逆に乾麺を生麺の火力で茹で上げると吹きこぼれを生じさす結果となる。従って1モードのみの場合火力は乾麺モードに合わせ生麺に対しては、少し弱めにセットする必要がある。
【0054】
図13は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合吹きこぼれ防止モードにするフローチャートを示したもので、沸騰お知らせ102の後、5分たったか判別し106、その場合は自動消火させる107。そうでない場合は、消火動作があるか判別し108、消火動作があった場合は消火後20秒たったか判別する109。そうである場合はマイコンをoffにする110。そうでない場合は再点火動作があるか判別し111、再点火動作があった場合は吹きこぼれ防止用火力制御を行い103、その後手動操作で消火させる104。湯沸かしモードで沸騰後消火再点火動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードとできるため、調理モード設定キーが少なくてすみ、その結果機能が付加されていても、見かけはシンプルでまとめることが可能である。また、調理モード設定キーも少なくてすむ。
【0055】
図14は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合吹きこぼれ防止モードになるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、麺投入による温度センサー温の低下があるか判定し112、そうであれば吹きこぼれ防止用火力制御を行う103。
【0056】
湯沸かしモードで沸騰後麺類を投入する動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードにできるため、調理モード設定キーが少なくてすみ、その結果機能が付加されていても、見かけはシンプルでまとめることが可能である。また、調理モード設定キーも少なくてすむ。
【0057】
図15は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に吹きこぼれ防止モード設定ボタンを操作した場合吹きこぼれ防止モードになるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、吹きこぼれ防止キー入力があるか判別し113、そうであれば吹きこぼれ防止用火力制御を行う103。
【0058】
沸騰後吹きこぼれ防止キーでキー入力することは、乾麺等の麺類投入時のセンサーの下降がない物に対しても、吹きこぼれ防止用火力に切り替えるタイミングが判別し、茹で上げをより美味しくすることが可能である。
【0059】
図16、17、は吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを作動させるフローチャートを示したもので、沸騰後20分経過したか判定し114、経過した場合は自動消火させる109。
【0060】
沸騰後から作動し20分で自動消火させる吹きこぼれ防止専用の消し忘れ防止タイマーを設けたことにより茹で物に要する時間は最長15分程度が通常で忘れていても少ないロスでエネルギーの無駄を省ける。
【0061】
図18は調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時もしくは予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させ所定時間が経過した場合自動消火させるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、調理タイマー入力があった場合116,調理タイマーのカウントダウンを開始する117。調理タイマーの残り時間が無くなれば118、自動消火させる109。スパゲティ等、比較的時間を要する茹で物類に関しては、調理タイマーでセット時間のみ加熱させることができ利便性の向上が図れる。
【0062】
図19〜図21は一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行い、且つ沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードのフローチャートを示したもので、点火し100、火力を2800Kcal/hの一定火力に設定し118、50℃から95℃になる時間を計測し119、沸騰判定を行い120、沸騰のお知らせをして121、火力を1200Kcal/hに変更する122。その後2分経過したか判定し123、経過した場合は火力を400Kcal/hに再設定し124、その後更に3分経過したか判定し125、経過した場合は自動消火させる126。
【0063】
2分経過していない場合123、消火動作があるか判定し127、消火させた場合センサ温度を4回計測しその平均値をFK1に代入する128。20秒たったか判定し129、経過した場合はマイコンをoffにし130、省電を行う。20秒の範囲では129、再点火動作があるか判定し131、再点火があれば50℃から95℃に上昇するために要した時間が240秒以上の場合132、水量を3リットルとする133。
【0064】
同様に190秒より大の場合134水量2リットルとする135、同様に115秒より大きい場合136、水量1リットルとする137、同様に115秒未満の場合水量0.5リットルとする138。上記の水量判別終了後水量が3リットルもしくは0.5リットルの場合139、火力を2800Kcal/hに設定し140、そうでない場合火力を1600Kcal/hに設定する141。その後センサー温を4回計測しその平均値をFK2に代入する142。
【0065】
FK1とFK2の温度の低い方をFKに代入し143、カウンタTIMEC=TIMEC+1のカウンタを開始する144。8回のデータが溜まれば145、8回のデータ中の最小値を求めXminに代入する146。続いて8回のデータの中で、前記FKの値より少ない値の総和を求めSUMXに代入する147。前記SUMX×Xminを計算しB(I)の配列変数に代入148する。初回取り込みの値はB(0)に入っている。
【0066】
再点火後30秒経過したか判定し149、そうである場合水量が3リットルもしくは0.5リットルの場合は150、前記B(0)の値が150以上の場合再点火以降の回数(TIMEC=10)が10回以上か判定し152、そうでない場合は配列変数のカウンタをI=I+1し159、カウンタTIMEC=TIMEC+1のカウンタ144にリターンする。そうである場合はB(0)<B(1)であるか判定し153、そうである場合B(1)<B(2)であるか判定し154、そうであるなら水量が0.5リットルの場合1
54−1、再点火後50秒経過したら、3リットル乾麺モードに決定する158。そうでないなら3リットル生麺モードに決定する157。
【0067】
水量が3リットルもしくは0.5リットルでない場合150、水量が2リットルであるか判定し161、そうであるならBB=150を代入し162、そうでないならBB=90を代入する163。前記B(0)の値とBBと比較しB(0)>BBであるなら164水量2リットルの場合165、2リットル生麺モードに決定し166、2リットルでない場合は1リットル生麺モードに決定する167。前記B(0)の値とBBと比較しB(0)>BBでないなら164、TIMEC<HTIMEであるか判定し168、そうであるならFKより2℃以下にセンサー温度が下がったか判定し169、下がったのが初めての場合170、HTIME=TIMEC+10として代入する171。センサー温度が下がらない場合169、また初めてでない場合もI=I+1の159に行く。TIMEC<HTIMEであるか判定し168、そうでないなら水量が3リットルであるか判定し172、そうであるなら3リットル乾麺モードに決定する173。そうでない場合水量2リットルであるか判定し174、そうである場合2リットル乾麺モードに決定する175。そうでない場合水量1リットルであるか判定し176、そうである場合は1リットル乾麺モードに決定する177。そうでない場合は3リットル乾麺モードに決定する178。モード決定後はモードに従ったモード燃焼179を行い、再点火後20分経過したか判定し180、そうである場合は自動消火する181。
【0068】
図22〜図27はモード決定後の吹きこぼれ防止の火力制御を示すもので、図22は3リットル乾麺、0.5生麺、0.5乾麺の火力制御パターンを示し、沸騰後2800Kcal/hを30秒その後400Kcal/hを20秒、で燃焼した後Aパターン(2800Kcal/hを16秒、400Kcal/hを20秒、1600Kcal/hを20秒)、Bパターン(2800Kcal/hを10秒、400Kcal/hを20秒、1600Kcal/hを16秒、400Kcal/hを20秒)を3回行って、1600Kcal/hの連続燃焼を続ける。同様に図23は1リットルの乾麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図24は2リットルの乾麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図25は3リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図26は1リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図25は2リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御を示し、生麺は乾麺より火力を強くし、水量が多いほど火力を強く、また、茹でる時間の前半は、火力を控えめに、後半は茹でるに適した火力で制御を行う制御としている。
【0069】
図28は駆動判定手段31の概略フローの一例を表し、センサー温度が正常か(センサーの断線、短絡等)判定し67、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は熱電対起電力が正常か判定し69、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は、点火初回か判定し70、点火初回の場合、強火力位置か確認し71、強火力位置でない場合「強火力位置」にする出力をする72。
【0070】
点火初回か判定し70、初回でない場合前段から、火力変更があるか判定し73、有りの場合、現在火力と変更火力が異なるか判定し74、異なる場合、変更火力は強火力位置か判定し75、そうである場合「強火力位置」にする出力をし76、そうでない場合変更火力が中火力か判定し77、そうである場合中火力位置にする出力をし78、そうでない場合弱火力位置にする出力をする79。
【0071】
上記いずれか出力した状態が火力UP方向か判定し80、UP方向の場合、低速移動81、そうでない場合中速移動82とし、移動時から、電動タイマーをONし83、目的位置に到達したか確認84し元に戻る。
【0072】
到達していない場合、経過時間がX秒経過したか判定し85、経過している場合は、異
常処理ルート68に行く。異常処理ルート68は、安全弁出力をOFFにし86、報知手段をONにし87、終了させる88。
【0073】
上記したように、目的の火力位置に確実に火力を合わせる事ができ、かつ火力を弱から強にする場合、ゆっくり火力をUPさせることができることとなっている。ここで目的位置に到達したか確認84させる手段として、位置判別手段を有しているが、その説明は後述する。
【0074】
図29は駆動判定手段31の概略フローの他の例を表し、図28と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0075】
点火初回か判定し70、初回の場合、電動駆動装置が中央停止位置でないか判定し89、ない場合中央停止位置出力をONし90、電動タイマーON91へ行き、中央停止位置になったか判定し92、なっていない場合X秒経過したか判定し93、経過した場合異常処理ルート68へ行く。
【0076】
なお、通常の火力変更を行って目的位置になったか判定し84、目的位置になった場合は中央停止位置出力ON90へ行くが、そうでない場合X秒経過したか判定し85、経過した場合1回目か判定し94、1回目の場合は中央停止位置出力をON90する。1回目でない場合異常処理ルート68へ行く。
【0077】
上記したように、この場合は図11の動作に加え、電動駆動装置を火力変更後必ず中央停止位置に戻す。また、前記電動駆動装置が何らかの支障で目的火力位置に達しない場合、電動駆動装置を中央停止位置に戻し、後述するように手動による火力調節を可能とするものである。
【0078】
図30は駆動判定手段31の概略フローのさらに他の例を表し、図29と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0079】
火力変更があり現在火力と変更火力が異なる場合74、現在火力が強、弱火力のいずれでもない場合95、現在火力位置を記憶し96、次段へ進む。現在火力が強、もしくは弱火力の場合、中火力を記憶火力位置とする97。
【0080】
上記したように、この場合は変更前の強、弱火力位置以外の火力を記憶させることにより、弱火力位置移動後、記憶している元の火力の中火力位置に復帰させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例1におけるガス調理器の外観図
【図2】(a)同ガス調理器の表示パネルを示す正面図(b)同ガス調理器の表示パネルを示す側面図(c)同ガス調理器の他の表示パネルを示す正面図(d)同ガス調理器の他の表示パネルを示す側面図
【図3】本発明の他の実施例におけるガス調理器の外観図
【図4】(a)同ガス調理器の表示パネルを示す正面図(b)同ガス調理器の他の表示パネルを示す正面図(c)同ガス調理器の更に他の表示パネルを示す正面図
【図5】同加熱手段と加熱制御手段の概略図
【図6】同加熱制御手段の概略構成図
【図7】(a)、(b)は同調理モード判定制御動作を示すフローチャート
【図8】同焦げ付き防止判定制御動作を示すフローチャート
【図9】同加熱判定制御動作を示すフローチャート
【図10】同吹きこぼれ防止モードの概略説明図
【図11】同吹きこぼれ防止モードの動作の例を示すフローチャート
【図12】同吹きこぼれ防止モードの動作の他の例を示すフローチャート
【図13】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図14】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図15】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図16】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図17】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図18】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図19】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図20】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図21】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図22】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図23】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図24】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図25】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図26】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図27】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図28】同駆動判定手段の制御動作を示すフローチャート
【図29】同駆動判定手段の制御動作の他の例を示すフローチャート
【図30】同駆動判定手段の制御動作さらに他の例を示すフローチャート
【図31】従来のガス調理器の加熱制御部を示す概略図
【符号の説明】
【0082】
1 加熱手段
2 温度検知手段(鍋底温度センサー)
10 火力調節レバー
11 操作パネル(調理モード設定手段)
17 流量調節装置
18 電動駆動装置
24 加熱制御手段
26 制御回路
26A 動作制御手段
27 調理モード判定手段
28 焦げ付き防止判定手段
29 過熱防止判定手段
30 湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段
31 駆動判定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、麺類などの茹でものを行った場合の吹きこぼれ防止に関する最適なガス調理器に関し、主に吹きこぼれをさせなく、かつ美味しく茹で上げる火力制御と、その燃焼流量制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置は、特許文献1、特許文献2に示すようなものが一般的であった。この装置は図29に示されているようにコンロバーナ1に鍋底温度センサー2を搭載し、「天ぷら」をセットした場合、温度調節するように構成されており、図29の制御回路の作動により鍋底温度が設定温度より高くなると図29のガスの制御経路の電磁弁3が閉じ、バイパスノズル4の最小流量となり、また、鍋底温度が設定温度より低下すると、前記電磁弁3が開成し、強燃焼となるようになっているものがあるが、吹きこぼれを防止させ麺類を茹で上げるものはなかった。
【特許文献1】特開平3−236518号公報
【特許文献2】特開平4−356619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
麺類の茹でものを吹きこぼれさせずに美味しく茹で上げるには、麺の種類や量により一定の火力では、火力不足や逆に吹きこぼれる場合が生じるという課題があった。また、火力の変化も従来の電磁弁による流量制御方式では、強−弱のみの制御なので、麺類の茹でものに適した適正火力が得にくく、かつ、最小流量から瞬時に強燃焼に移行して急激に炎が大きくなるという課題を有していた。また、急激な炎の変化を意識的に使用者に喚起するという配慮もされておらず、安全性の面で改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決するために、吹きこぼれ防止モードを設定もしくは自動判別し、茹で物の適正火力を設定できる構成としたものである。
【0005】
上記発明によれば、吹きこぼれを防止させる適正火力を制御できることとなり、麺類の吹きこぼれを防止するとともに、炎が徐々に変化するため使用者に炎が大きくなることを喚起することができ、強−中−弱の火力切替えを適正間隔で作動させることにより麺類の茹で物調理が可能となり、吹きこぼれも少なくさせる事が可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有し、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、少なくとも生麺と乾麺の選択することにより、より茹で物に適した火力で仕上げ、吹きこぼれ防止の精度も向上が図れる。
【0007】
また請求項2に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定
手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。また、沸騰後に消火・点火の動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードに切り替わることから、特別なキーも不要でシンプルな構成とすることができる。
【0008】
また請求項3に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることから、沸騰した後麺類を投入したら自動的に吹きこぼれ防止モードになり、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができ、かつ、ユーザーのモード切替え意識も不要で、誰にでも簡単に麺類の茹で物調理が可能となる。
【0009】
また請求項4に係るガス調理器は、器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有し、麺類の茹で物の最長時間にタイマーを合わせ茹で上がった後消し忘れた場合、少ないエネルギーロスで消火させる事が可能となる。一般的に器具の消し忘れ防止タイマーは約2時間程度に設定されている。また麺類の茹で物にあっては、最長時間が15分程度で、吹きこぼれ防止モードの計忘れ防止タイマー時間は20分程度が妥当であり、消し忘れを生じた場合、90分程度のエネルギーロスが改善されることとなる。
【0010】
また請求項5に係るガス調理器は、器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時、もしくは、予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成としたことから、自動的に麺類が茹で上がり放置しても吹きこぼれしないことから、茹ですぎ状態が多発する可能性が有り、これらの解消と利便性の追求から、予めセットした調理タイマーが、沸騰後もしくは吹きこぼれ防止モード決定時から作動し、所定時間経過すれば自動消火させることから茹ですぎの状態が解消され、吹きこぼれ防止とともに利便性の向上が図れる。
【0011】
また請求項6に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成としたことから、一般的に麺を茹でた場合、麺投入当初は、麺類に付着した吹きこぼれを生じやすい成分が麺から離脱するときに吹きこぼれが発生しやすく、後になれば吹きこぼれが緩和されることから、麺の投入当初は、火力を押さえて吹きこぼれ防止を重視し、後半は茹で上がり状態を重視して火力を強くする制御を確立することにより、吹きこぼれにくく、かつ、美味しく茹で上げる火力制御ができることとなる。
【0012】
また請求項7に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くすることにより、前半に吹きこぼれの頻度が高い場合は制御回数を頻繁に行って吹きこぼれを防止し、後半の茹で上げる火力の場合は制御回数を削減して、駆動電源の省電化を促進させる事が可能となる。
【0013】
また請求項8に係るガス調理器は、一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としたことから、予めユーザーに水量と麺量の比率を知らせ、水量と麺量の相関を元に、麺茹で量を水量で推定し麺の量に応じた適正火力で麺を茹でることができ、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0014】
また請求項9に係るガス調理器は、沸騰までは一定火力で沸騰させ、沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としているため、一般的に比較的強い火力で茹で上げる生麺類と、比較的弱い火力で茹で上げる乾麺類と区分し、前記温度センサーの下がり勾配が大きい場合は生麺と判別させ比較的強い火力で制御し、反対に前記温度センサーの下がり勾配が少ない場合は乾麺と判別させ比較的弱い火力で制御させることにより、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の請求項1に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有したことにより、茹で物を調理するとき吹きこぼれ防止モードを設定することにより、従来、麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、少なくとも生麺と乾麺の選択することにより、より茹で物に適した火力で仕上げ、吹きこぼれ防止の精度も向上が図れる。
【0016】
また請求項2に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることにより、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができる。また、沸騰後に消火・点火の動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードに切り替わることから、特別なキーも不要でシンプルな構成とすることができる。
【0017】
また請求項3に係るガス調理器は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることから、沸騰した後麺類を投入したら自動的に吹きこぼれ防止モードになり、従来麺類の茹で物を行っているとき、誰もが経験する吹きこぼれを防止し、かつ、茹で物に適した火力で仕上げることができ、かつ、ユーザーのモード切替意識も不要で、誰にでも簡単に麺類の茹で物調理が可能となる。
【0018】
また請求項4に係るガス調理器は、器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有し、麺類の茹で物の最長時間にタイマーを合わせ茹で上がった後消し忘れた場合、少ないエネルギーロスで消火させる事が可能となる。一般的に器具の消し忘れ防止タイマーは約2時間程度に設定されている。また麺類の茹で物にあっては、最長時間が15分程度で、吹きこぼれ防止モードの計忘れ防止タイマー時間は20分程度が妥当であり、消し忘れを生じた場合、90分程度のエネルギーロスが改善されることとなる。
【0019】
また請求項5に係るガス調理器は、器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時、もしくは、予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成としたことから、自動的に麺類が茹で上がり放置しても吹きこぼれしないことから、茹ですぎ状態が多発する可能性が有り、これらの解消と利便性の追求から、予めセットした調理タイマーが、沸騰後もしくは吹きこぼれ防止モード決定時から作動し、所定時間経過すれば自動消火させることから茹ですぎの状態が解消され、吹きこぼれ防止とともに利便性の向上が図れる。
【0020】
また請求項6に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成としたことから、一般的に麺を茹でた場合、麺投入当初は、麺類に付着した吹きこぼれを生じやすい成分が麺から離脱するときに吹きこぼれが発生しやすく、後になれば吹きこぼれが緩和されることから、麺の投入当初は、火力を押さえて吹きこぼれ防止を重視し、後半は茹で上がり状態を重視して火力を強くする制御を確立することにより、吹きこぼれにくく、かつ、美味しく茹で上げる火力制御ができることとなる。
【0021】
また請求項7に係るガス調理器は、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くすることにより、前半に吹きこぼれの頻度が高い場合は制御回数を頻繁に行って吹きこぼれを防止し、後半の茹で上げる火力の場合は制御回数を削減して、駆動電源の省電化を促進させる事が可能となる。
【0022】
また請求項8に係るガス調理器は、一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としたことから、予めユーザーに水量と麺量の比率を知らせ、水量と麺量の相関を元に、麺茹で量を水量で推定し麺の量に応じた適正火力で麺を茹でることができ、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0023】
また請求項9に係るガス調理器は、沸騰までは一定火力で沸騰させ、沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成としているため、一般的に比較的強い火力で茹で上げる生麺類と、比較的弱い火力で茹で上げる乾麺類と区分し、前記温度センサーの下がり勾配が大きい場合は生麺と判別させ比較的強い火力で制御し、反対に前記温度センサーの下がり勾配が少ない場合は乾麺と判別させ比較的弱い火力で制御させることにより、吹きこぼれの精度向上と茹で上がり状態の良い、機能の提供ができる。
【0024】
(実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施例1のガス調理器の外観図である。図1において示した外観図は、鍋底温度センサー付きこんろ1、温度検知手段としての鍋底温度センサー2、普通こんろ5、グリル部6、からなる。これらの燃焼部の操作を行う操作部には点火/消火操作を行う鍋底温度センサー付きこんろ用点火ボタン7、普通こんろ用・グリル用の点火ボタン8、鍋底温度センサー付きこんろ用火力調節レバー10、普通こんろ用・グリル用の火力調節レバー9と、乾電池を収納する乾電池収納部12を備える。また、鍋底温度センサー付きこんろ1の点火ボタン7の外周には調理モード設定手段となる操作パネル11を備えている。
【0026】
図2(a)(b)は、操作パネル11の正面図と側面図を示し、点火ボタン7は回転と所定角度毎に押し込み可能な可動部7−1と、可動部7−1の外筒7−2からなり、可動部7−1の外筒7−2の所定角度毎に、調理モードの吹きこぼれ防止14、普通コンロ15−1、ロック位置15−2が構成されていることを示している。
【0027】
図2(c)(d)は、調理モードの吹きこぼれ防止14を湯沸かし14に変更したものである。
【0028】
図3は操作部のその他の実施例で、図1で示した操作パネル11を点火ボタン7と独立させた構成を示したものであり、図4(a)は、操作パネルに時間表示用の表示管11−1、時間設定用下がるキー11−2、上がるキー11−3、タイマー作動キー11−4、及びモード設定用の天ぷらキー11−5、湯沸かしキー11−6、を表し、天ぷらキーはサイクリック方式で、1回押す毎に、天ぷら低→高→モード解除と移動する構成としている。
【0029】
図4(b)は、図4(a)に追加すること、湯沸かしキーもサイクリック方式とし、湯沸かし→吹きこぼれ防止→モード解除と移動する構成としたことである。
【0030】
図4(c)は、図4(b)に更に追加すること、新たに吹きこぼれキー11−7を設け、キーはサイクリック方式として、生麺モード→乾麺モード→モード解除と移動する構成としている。
【0031】
図5は本発明のガス調理器の、主要構成要素を表わしている。すなわち加熱手段であるこんろバーナ1、温度検知手段である鍋底温度センサー2、燃焼流量を規制するノズル16、ガスの流量を調節する流量調節装置17、流量調節装置17を駆動する電動駆動装置18を備える。
【0032】
なお、上記流量調節装置17による流量調節は後述する実施例では手動の火力調節レバー10にて流量を調節する流量調節機構19を電動駆動装置18で作動させるが、その火力調節レバー10との組み合わせについては後述する。
【0033】
またこのガス調理器は、点火ボタン7の操作によりガス通路を開成する手動弁20、安全弁21、点火ボタン7と連動してON−OFFする電源スイッチ22、こんろバーナ1の燃焼炎により加熱される熱電対23を備え、加熱手段であるこんろバーナ1を電動駆動で流量制御するための加熱制御手段24は、制御回路26と電動駆動装置18、流量調節装置17、安全弁21により構成されている。
【0034】
図6は加熱制御手段24の概略構成図を示すもので、温度検知手段である鍋底温度セン
サー2の抵抗値変化を温度に判定するとともに沸騰判定手段ともなる温度判定手段27−1、操作パネル11の設定状態と、調理中の調理モードを判定する調理モード判定手段27、調理モード判定手段27の結果によって動作する焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30からなる動作制御手段26A、また、焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30の出力と、熱電対23の起電力の判定を行い作動する駆動判定手段31、及び消し忘れタイマー・調理タイマー判定手段30−1から構成されている。
【0035】
図7〜図28は各種判定手段の概略内容を表すフローチャートであり、図7は調理モード判定手段27の概略を表す。同図(a)で示す如く温度判定手段27−1から送信された温度データを演算処理し、その演算処理32の結果、すなわち特開平4−356619号公報に記載されている構成によって、水物調理であるか33、油もの調理であるか34を判定し、水物調理である場合沸騰温度を決定し35、沸騰温度から焦げ付き防止温度を決定36したあと、焦げ付き防止判定手段28の動作に、そして油もの調理である場合、過熱防止温度を決定し37、過熱防止判定手段29の動作に移行させる。また、同図(b)に示す如く操作パネル11のキー入力があった場合は、湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段30の動作に移行させる。このように上記調理モード判定手段27は、調理物の調理モードを決定し、調理物にあった制御温度を決定する。
【0036】
図8は焦げ付き防止判定手段28の概略フローを表し、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38であるか判定し、焦げ付き防止温度以上である場合、流量制御装置17を「弱火力位置にする信号」を出力し39、「焦げ付きタイマーをON」し40、「X秒経過したか」判別し41、X秒経過後「センサー温度>焦げ付き温度」であるか判別し42、センサー温度が高い場合、「安全弁OFF」を次段に出力し43、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力44を次段に送り終了とする45。
【0037】
一方「センサー温度>焦げ付き防止温度」42であるか判定し、焦げ付き防止温度以下である場合、「センサー温度>焦げ付き防止温度−5℃」か判定し46、その場合は流量制御装置17を「中火力位置」にする出力47を次段に送り、そうでない場合とあわせて、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38に戻る。
【0038】
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と焦げ付き防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択できることとなる。
【0039】
図9は、過熱防止判定手段29の概略フローを表し、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」か判定し48、その場合には、流量制御装置17を「弱火力位置」にする出力を出し49、「センサー温度>過熱防止温度」か判定し50、その場合には「安全弁OFF」を次段に出力し51、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力52を次段に送り終了とする53。
【0040】
そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−18℃」か判定し54、そうである場合、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力55を次段に送り、そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−15℃」か判定し56、そうである場合、流量制御装置17を「中火力位置」にする出力57を次段に送り、そうでない場合とともに、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」かの判定48に戻る。
【0041】
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と油過熱防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択することとなる。
【0042】
下記(表1)は、麺類の吹きこぼれ防止の実験結果を表し、沸騰後一定火力で麺を投入
し放置した場合の、状態を表す物である。但し、水量は鍋の高さの60%以内、麺と水量の比率は麺100gに付水1リットル、の前提条件を付加している。
【0043】
【表1】
【0044】
第1条件では麺100g、水量1リットル、φ16cmの鍋で、火力を1600Kcal/hで、第2条件では麺300g、水量3リットル、φ22cmの鍋で、火力を1600Kcal/hで、第3条件では麺300g、水量3リットル、φ22cmの鍋で、火力を2800Kcal/hで、それぞれ乾しうどん、素麺、スパゲティ、乾蕎麦、生うどんの実験を行った。下降温とは、麺類を投入したときの湯温の低下度合いを表し、吹き上がりとは麺投入時点から泡が出始める迄の時間であり、こぼれとは麺投入から吹きこぼれが始まる時間を示している。
【0045】
その実験結果では、例えば、第1条件の乾うどんでは、麺を投入することにより下降温が3℃、吹き上がり時間が89秒、こぼれは発生しない。
【0046】
同様に第1条件の乾蕎麦では、麺投入時の下降温が3℃で、吹き上がり時間が、58秒、吹きこぼれ時間が68秒で吹きこぼれを生じている。
【0047】
これらのことから、同じ乾麺でも吹きこぼれしやすい麺類と、そうでない麺類、また、当然ながら、量と火力の関係、により吹きこぼれの状態は様々に変化する。
【0048】
また、当然ながら、生麺は、乾麺の火力では火力不足になるため、火力は強くする必要がある。
【0049】
図10は、本発明の吹きこぼれ防止モードの概略説明図であり、茹で物調理のパターンに沿って火力制御を行う概略を示すものである。
【0050】
縦軸には、温度センサーの状態(湯温に相関)、及び火力状態を示し、横軸には時間経過を表している。点火することにより湯温が上昇する。沸騰点に達するまでに、温度上昇勾配や沸騰時間などから、湯量を判別し、沸騰検知判定手段で沸騰を判定し、沸騰後の火力を湯量に応じて火力変更し、麺投入を待機する。麺投入が開始されると、麺の種類に応じて湯温が下降する。下降温度と下降状態に応じて、以降火力を可変させ、吹きこぼれしなくしかも美味しく茹で上げる火力制御を行うものであり、特にその中にあっても、前半の火力は後半に比較し、弱い火力で頻繁に火力変化を行い、後半は火力変化を少なく、火力も強めで茹で上げる制御を行う。以上が吹きこぼれ防止モードの概略シーケンスである。
【0051】
図11は調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合のフローチャートを示したもので、点火後100、沸騰判定し101、フザー等で沸騰をお知らせし10
2、その後吹きこぼれ防止用火力制御を行い103、その後手動消火104を行う。尚、吹きこぼれ防止用火力制御103は後述する。これらのことにより吹きこぼれ防止キーを選択することにより、麺類の茹で物が吹きこぼれさせることなく茹で上げることができる事となる。
【0052】
尚、以降同一処理は同一番号を付し、説明を省略する。
【0053】
図12は調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定し、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を、乾麺モードか、生麺モードの選択を行う場合のフローチャートを示したもので、沸騰お知らせ後102、生麺キー入力があるか判定し105、キー入力がある場合は、生麺吹きこぼれ防止用火力制御103−1を行い、そうでない場合は、乾麺吹きこぼれ防止用火力制御103−2を行う。茹で物キーに2種類の選択キーを設けることにより、特に乾麺は生麺に比べて火力を強くし、茹で上げ状態を良く仕上げることができるが、逆に乾麺を生麺の火力で茹で上げると吹きこぼれを生じさす結果となる。従って1モードのみの場合火力は乾麺モードに合わせ生麺に対しては、少し弱めにセットする必要がある。
【0054】
図13は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合吹きこぼれ防止モードにするフローチャートを示したもので、沸騰お知らせ102の後、5分たったか判別し106、その場合は自動消火させる107。そうでない場合は、消火動作があるか判別し108、消火動作があった場合は消火後20秒たったか判別する109。そうである場合はマイコンをoffにする110。そうでない場合は再点火動作があるか判別し111、再点火動作があった場合は吹きこぼれ防止用火力制御を行い103、その後手動操作で消火させる104。湯沸かしモードで沸騰後消火再点火動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードとできるため、調理モード設定キーが少なくてすみ、その結果機能が付加されていても、見かけはシンプルでまとめることが可能である。また、調理モード設定キーも少なくてすむ。
【0055】
図14は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合吹きこぼれ防止モードになるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、麺投入による温度センサー温の低下があるか判定し112、そうであれば吹きこぼれ防止用火力制御を行う103。
【0056】
湯沸かしモードで沸騰後麺類を投入する動作を行うことにより、吹きこぼれ防止モードにできるため、調理モード設定キーが少なくてすみ、その結果機能が付加されていても、見かけはシンプルでまとめることが可能である。また、調理モード設定キーも少なくてすむ。
【0057】
図15は調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に吹きこぼれ防止モード設定ボタンを操作した場合吹きこぼれ防止モードになるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、吹きこぼれ防止キー入力があるか判別し113、そうであれば吹きこぼれ防止用火力制御を行う103。
【0058】
沸騰後吹きこぼれ防止キーでキー入力することは、乾麺等の麺類投入時のセンサーの下降がない物に対しても、吹きこぼれ防止用火力に切り替えるタイミングが判別し、茹で上げをより美味しくすることが可能である。
【0059】
図16、17、は吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを作動させるフローチャートを示したもので、沸騰後20分経過したか判定し114、経過した場合は自動消火させる109。
【0060】
沸騰後から作動し20分で自動消火させる吹きこぼれ防止専用の消し忘れ防止タイマーを設けたことにより茹で物に要する時間は最長15分程度が通常で忘れていても少ないロスでエネルギーの無駄を省ける。
【0061】
図18は調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時もしくは予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させ所定時間が経過した場合自動消火させるフローチャートを示したもので、沸騰お知らせの後102、調理タイマー入力があった場合116,調理タイマーのカウントダウンを開始する117。調理タイマーの残り時間が無くなれば118、自動消火させる109。スパゲティ等、比較的時間を要する茹で物類に関しては、調理タイマーでセット時間のみ加熱させることができ利便性の向上が図れる。
【0062】
図19〜図21は一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行い、且つ沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードのフローチャートを示したもので、点火し100、火力を2800Kcal/hの一定火力に設定し118、50℃から95℃になる時間を計測し119、沸騰判定を行い120、沸騰のお知らせをして121、火力を1200Kcal/hに変更する122。その後2分経過したか判定し123、経過した場合は火力を400Kcal/hに再設定し124、その後更に3分経過したか判定し125、経過した場合は自動消火させる126。
【0063】
2分経過していない場合123、消火動作があるか判定し127、消火させた場合センサ温度を4回計測しその平均値をFK1に代入する128。20秒たったか判定し129、経過した場合はマイコンをoffにし130、省電を行う。20秒の範囲では129、再点火動作があるか判定し131、再点火があれば50℃から95℃に上昇するために要した時間が240秒以上の場合132、水量を3リットルとする133。
【0064】
同様に190秒より大の場合134水量2リットルとする135、同様に115秒より大きい場合136、水量1リットルとする137、同様に115秒未満の場合水量0.5リットルとする138。上記の水量判別終了後水量が3リットルもしくは0.5リットルの場合139、火力を2800Kcal/hに設定し140、そうでない場合火力を1600Kcal/hに設定する141。その後センサー温を4回計測しその平均値をFK2に代入する142。
【0065】
FK1とFK2の温度の低い方をFKに代入し143、カウンタTIMEC=TIMEC+1のカウンタを開始する144。8回のデータが溜まれば145、8回のデータ中の最小値を求めXminに代入する146。続いて8回のデータの中で、前記FKの値より少ない値の総和を求めSUMXに代入する147。前記SUMX×Xminを計算しB(I)の配列変数に代入148する。初回取り込みの値はB(0)に入っている。
【0066】
再点火後30秒経過したか判定し149、そうである場合水量が3リットルもしくは0.5リットルの場合は150、前記B(0)の値が150以上の場合再点火以降の回数(TIMEC=10)が10回以上か判定し152、そうでない場合は配列変数のカウンタをI=I+1し159、カウンタTIMEC=TIMEC+1のカウンタ144にリターンする。そうである場合はB(0)<B(1)であるか判定し153、そうである場合B(1)<B(2)であるか判定し154、そうであるなら水量が0.5リットルの場合1
54−1、再点火後50秒経過したら、3リットル乾麺モードに決定する158。そうでないなら3リットル生麺モードに決定する157。
【0067】
水量が3リットルもしくは0.5リットルでない場合150、水量が2リットルであるか判定し161、そうであるならBB=150を代入し162、そうでないならBB=90を代入する163。前記B(0)の値とBBと比較しB(0)>BBであるなら164水量2リットルの場合165、2リットル生麺モードに決定し166、2リットルでない場合は1リットル生麺モードに決定する167。前記B(0)の値とBBと比較しB(0)>BBでないなら164、TIMEC<HTIMEであるか判定し168、そうであるならFKより2℃以下にセンサー温度が下がったか判定し169、下がったのが初めての場合170、HTIME=TIMEC+10として代入する171。センサー温度が下がらない場合169、また初めてでない場合もI=I+1の159に行く。TIMEC<HTIMEであるか判定し168、そうでないなら水量が3リットルであるか判定し172、そうであるなら3リットル乾麺モードに決定する173。そうでない場合水量2リットルであるか判定し174、そうである場合2リットル乾麺モードに決定する175。そうでない場合水量1リットルであるか判定し176、そうである場合は1リットル乾麺モードに決定する177。そうでない場合は3リットル乾麺モードに決定する178。モード決定後はモードに従ったモード燃焼179を行い、再点火後20分経過したか判定し180、そうである場合は自動消火する181。
【0068】
図22〜図27はモード決定後の吹きこぼれ防止の火力制御を示すもので、図22は3リットル乾麺、0.5生麺、0.5乾麺の火力制御パターンを示し、沸騰後2800Kcal/hを30秒その後400Kcal/hを20秒、で燃焼した後Aパターン(2800Kcal/hを16秒、400Kcal/hを20秒、1600Kcal/hを20秒)、Bパターン(2800Kcal/hを10秒、400Kcal/hを20秒、1600Kcal/hを16秒、400Kcal/hを20秒)を3回行って、1600Kcal/hの連続燃焼を続ける。同様に図23は1リットルの乾麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図24は2リットルの乾麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図25は3リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図26は1リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御、図25は2リットルの生麺モードの吹きこぼれ防止の火力制御を示し、生麺は乾麺より火力を強くし、水量が多いほど火力を強く、また、茹でる時間の前半は、火力を控えめに、後半は茹でるに適した火力で制御を行う制御としている。
【0069】
図28は駆動判定手段31の概略フローの一例を表し、センサー温度が正常か(センサーの断線、短絡等)判定し67、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は熱電対起電力が正常か判定し69、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は、点火初回か判定し70、点火初回の場合、強火力位置か確認し71、強火力位置でない場合「強火力位置」にする出力をする72。
【0070】
点火初回か判定し70、初回でない場合前段から、火力変更があるか判定し73、有りの場合、現在火力と変更火力が異なるか判定し74、異なる場合、変更火力は強火力位置か判定し75、そうである場合「強火力位置」にする出力をし76、そうでない場合変更火力が中火力か判定し77、そうである場合中火力位置にする出力をし78、そうでない場合弱火力位置にする出力をする79。
【0071】
上記いずれか出力した状態が火力UP方向か判定し80、UP方向の場合、低速移動81、そうでない場合中速移動82とし、移動時から、電動タイマーをONし83、目的位置に到達したか確認84し元に戻る。
【0072】
到達していない場合、経過時間がX秒経過したか判定し85、経過している場合は、異
常処理ルート68に行く。異常処理ルート68は、安全弁出力をOFFにし86、報知手段をONにし87、終了させる88。
【0073】
上記したように、目的の火力位置に確実に火力を合わせる事ができ、かつ火力を弱から強にする場合、ゆっくり火力をUPさせることができることとなっている。ここで目的位置に到達したか確認84させる手段として、位置判別手段を有しているが、その説明は後述する。
【0074】
図29は駆動判定手段31の概略フローの他の例を表し、図28と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0075】
点火初回か判定し70、初回の場合、電動駆動装置が中央停止位置でないか判定し89、ない場合中央停止位置出力をONし90、電動タイマーON91へ行き、中央停止位置になったか判定し92、なっていない場合X秒経過したか判定し93、経過した場合異常処理ルート68へ行く。
【0076】
なお、通常の火力変更を行って目的位置になったか判定し84、目的位置になった場合は中央停止位置出力ON90へ行くが、そうでない場合X秒経過したか判定し85、経過した場合1回目か判定し94、1回目の場合は中央停止位置出力をON90する。1回目でない場合異常処理ルート68へ行く。
【0077】
上記したように、この場合は図11の動作に加え、電動駆動装置を火力変更後必ず中央停止位置に戻す。また、前記電動駆動装置が何らかの支障で目的火力位置に達しない場合、電動駆動装置を中央停止位置に戻し、後述するように手動による火力調節を可能とするものである。
【0078】
図30は駆動判定手段31の概略フローのさらに他の例を表し、図29と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0079】
火力変更があり現在火力と変更火力が異なる場合74、現在火力が強、弱火力のいずれでもない場合95、現在火力位置を記憶し96、次段へ進む。現在火力が強、もしくは弱火力の場合、中火力を記憶火力位置とする97。
【0080】
上記したように、この場合は変更前の強、弱火力位置以外の火力を記憶させることにより、弱火力位置移動後、記憶している元の火力の中火力位置に復帰させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例1におけるガス調理器の外観図
【図2】(a)同ガス調理器の表示パネルを示す正面図(b)同ガス調理器の表示パネルを示す側面図(c)同ガス調理器の他の表示パネルを示す正面図(d)同ガス調理器の他の表示パネルを示す側面図
【図3】本発明の他の実施例におけるガス調理器の外観図
【図4】(a)同ガス調理器の表示パネルを示す正面図(b)同ガス調理器の他の表示パネルを示す正面図(c)同ガス調理器の更に他の表示パネルを示す正面図
【図5】同加熱手段と加熱制御手段の概略図
【図6】同加熱制御手段の概略構成図
【図7】(a)、(b)は同調理モード判定制御動作を示すフローチャート
【図8】同焦げ付き防止判定制御動作を示すフローチャート
【図9】同加熱判定制御動作を示すフローチャート
【図10】同吹きこぼれ防止モードの概略説明図
【図11】同吹きこぼれ防止モードの動作の例を示すフローチャート
【図12】同吹きこぼれ防止モードの動作の他の例を示すフローチャート
【図13】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図14】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図15】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図16】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図17】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図18】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図19】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図20】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図21】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図22】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図23】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図24】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図25】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図26】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図27】同吹きこぼれ防止モードのさらに他の例を示すフローチャート
【図28】同駆動判定手段の制御動作を示すフローチャート
【図29】同駆動判定手段の制御動作の他の例を示すフローチャート
【図30】同駆動判定手段の制御動作さらに他の例を示すフローチャート
【図31】従来のガス調理器の加熱制御部を示す概略図
【符号の説明】
【0082】
1 加熱手段
2 温度検知手段(鍋底温度センサー)
10 火力調節レバー
11 操作パネル(調理モード設定手段)
17 流量調節装置
18 電動駆動装置
24 加熱制御手段
26 制御回路
26A 動作制御手段
27 調理モード判定手段
28 焦げ付き防止判定手段
29 過熱防止判定手段
30 湯沸かし・吹きこぼれ防止判定手段
31 駆動判定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有したガス調理器。
【請求項2】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることを特徴としたガス調理器。
【請求項3】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることを特徴としたガス調理器。
【請求項4】
器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有したことを特徴とした請求項1または2項記載のガス調理器。
【請求項5】
器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時もしくは予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項6】
沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項7】
沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くした制御構成とする請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項8】
一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項9】
沸騰までは一定火力で沸騰させ沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項1】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて吹きこぼれ防止モードに設定した場合、更に、吹きこぼれ防止モードの詳細設定を可能とし、詳細モードの中に少なくとも、乾麺モードと、生麺モードの選択を可能とせしめ、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードを有したガス調理器。
【請求項2】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内に消火、再点火動作を行った場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることを特徴としたガス調理器。
【請求項3】
鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、調理モードを設定する調理モード設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、調理モード設定手段にて湯沸かしモードに設定し、沸騰後所定時間内にセンサー温度の下がり勾配があった場合、沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードにモード変更させることを特徴としたガス調理器。
【請求項4】
器具の点火動作時から所定時間経過後、自動消火作動させる消し忘れ防止タイマーを有し、且つ吹きこぼれ防止モードに設定した場合のみ前記消し忘れ防止タイマーより早い時間で作動させる吹きこぼれ防止タイマーを有したことを特徴とした請求項1または2項記載のガス調理器。
【請求項5】
器具の燃焼を自動的に消火させ、且つ、調理時間を設定可能な調理タイマーを設け、吹きこぼれモードに判別した時もしくは予め吹きこぼれ防止モードにした場合、沸騰後前記調理タイマーを作動開始させる構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項6】
沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力を後半の火力より少なくする制御構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項7】
沸騰後複数個の所定カロリーを所定時間で変化させる火力制御を行う吹きこぼれ防止モードの前記火力制御は、大別して前半と後半に2分化し、前半の火力可変回数を後半の火力可変回数より多くした制御構成とする請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項8】
一定火力で沸騰させる間に、温度上昇勾配、所定温度間の所要時間などから、水量を判別する水量判別手段を設け、前記水量判別手段で判別した水量に応じて沸騰後の複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【請求項9】
沸騰までは一定火力で沸騰させ沸騰後所定時間内に温度センサーの下がり勾配があった場合、下がり勾配に応じて火力制御を複数個の所定カロリー、往復の所定時間、もしくは双方を可変させる火力制御を行う、吹きこぼれ防止モードを有する構成とした請求項1または2記載のガス調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−194585(P2006−194585A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110549(P2006−110549)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【分割の表示】特願平9−270862の分割
【原出願日】平成9年10月3日(1997.10.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【分割の表示】特願平9−270862の分割
【原出願日】平成9年10月3日(1997.10.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
[ Back to top ]