説明

ガス透過性膜

【課題】新鮮な切断果実および野菜、ならびに他の呼吸する生物学的物体の包装に特に有用な、新規なガス透過性膜の提供。
【解決手段】当該膜は、少なくとも775,000ml/m2.atm.24時間のO2透過性、少なくとも1.3のP10、およびすくなくとも1.5のO2透過性に対するCO2透過性の比(R)を有し、そして微孔性ポリマーフィルム上に薄いポリマーコーティングを形成することにより作製される。好ましいコーティングポリマーは、側鎖結晶性ポリマーである。好ましい微孔性フィルムは、無機フィラーを含有する。特に、このようなフィルムは、超高分子量のポリエチレンまたはポリプロピレンに基づく。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
ガス透過性膜 本発明は、ガス透過性膜および包装におけるその使用、詳細には新鮮な農産物(produce)の包装に関する。
【0002】
新鮮な切断果実および野菜、ならびに他の呼吸する生物学的物体は、温度およびそれらの発達段階に依存する速度で、酸素(O2)を消費し、そして二酸化炭素(CO2)を生成する。それらの貯蔵安定性は、それらを取り巻く雰囲気中の相対的および絶対的なO2およびCO2の濃度、ならびに温度に依存する。理想的には、呼吸する物体は、O2およびCO2に対するその透過性が、(i)包装の外側の雰囲気、(ii)その物体のO2消費速度およびCO2生成速度、ならびに(iii)温度、と相関する容器内に貯蔵されるべきであり、その物体の保存に最適値に等しいO2およびCO2の濃度を有する、容器内の雰囲気を生成するべきである。水蒸気に対する透過性もまた、重要であり得る。これは、例えば以下に議論されているように、制御された雰囲気の包装(CAP)および改変された雰囲気の包装(MAP)の技術を支持する原理である:米国特許第4,734,324号(Hill)、同第4,830,863号(Jones)、同第4,842,875号(Anderson)、同第4,879,078号(Antoon)、同第4,910,032号(Antoon)、同第4,923,703号(Antoon)、同第5,045,331号(Antoon)、同第5,160,768号(Antoon)、および同第5,254,354号(Stewart)、ならびに欧州特許出願第0,351,115号および第0,351,116号(Courtaulds)。これらの刊行物の各開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0003】
好ましい包装雰囲気は、貯蔵される物体に依存する。例えば、いくつかの物体(例えば、ブロッコリ)は、1〜2%のO2および5〜10%のCO2を含む雰囲気中で最も良く貯蔵される。他の物体に関して1〜2%のO2および12〜30%のCO2(例えば、約15%のCO2)を含有する雰囲気が好ましい。従って、10〜30%のCO2濃度は、いくつかの果実の呼吸速度を遅くし、そしていくつかの腐敗する生物の活性を減少させる;例えば20%のCO2濃度は、ラズベリーでのクロカビの腐敗を遅延させ、そしてそのたな寿命(shelf life)を延ばす。
【0004】
多くの研究が行われてきたが、公知の包装技術は、呼吸する生物学的物体に関して多くの欠点を有する。本発明者らは、本発明に従い、微孔性フィルム上に薄いポリマーコーティングを形成させることにより、O2透過性、O2透過性の温度による変化、およびO2透過性に対するCO2透過性の比の新規でかつ望ましい組み合わせを有するガス透過性膜を作製し得ることを発見した。改善された結果が、広範囲の微孔性ベースのフィルムおよびコーティングポリマーを用いることにより得られ得る。しかし、本発明の特別の利点は、特定の呼吸する物体の必要条件に合わせられる包装を設計することを可能にすることである。以下にさらに議論するように、本発明のガス透過性膜は、一般に、呼吸する物体を含有する密閉容器に進入または除くための、単独、または少なくとも主要な、ガスの経路を提供する制御区画として使用される。
【0005】
以下に本発明を記載する際、次の略号、定義、および測定方法を使用する。OTRは、O2透過性である。COTRは、CO2透過性である。OTRおよびCOTRの値は、ml/m2.atm.24時間で与えられる。これは、()内で示されるcc/100inch2.atm.24時間と等しい。OTRおよびCOTRは、別に示される場合以外は0.7kg/cm2(10psi)の圧力を用いて、O2、CO2、およびヘリウムの混合物をサンプルに適用する透過性セル(Milllporeにより供給される)を用いて測定した。サンプルを通過するガスを、ガスクロマトグラフを用いてO2およびCO2について分析した。セルは、温度を制御するために水浴中に置くことができる。略号P10を用いて、第2の温度T2での酸素透過性に対する第1の温度T1℃での酸素透過性の比を示す(T2は、(T1−10)℃であり、ただし、別に示さない限り、T1は10℃であり、そしてT2は0℃である)。略号Rを用いて、O2透過性に対するCO2透過性の比を示す。2つの透過性は、別に示されない限り、20℃で測定される。本明細書中で与えられる孔サイズは、水銀ポロシメトリまたは等価な手順により測定される。部およびパーセントは重量比であり、温度は℃であり、そして分子量は、ダルトンで表わされる重量平均分子量である。結晶性ポリマーに関して、略号Toを用いて、融解の開始を示し、略号TPを用いて、結晶の融点を示し、そして略号ΔHを用いて、融解熱を示す。To、TP、およびΔHを、示差走査熱量計(DSC)により10℃/分の速度で、そして第2加熱サイクルで測定した。
【0006】
典型的に、微孔性フィルムは、約1のR,および(i)非常に高く、(ii)フィルムの厚さによりほとんど変化せず、そして(iii)(約1のP10比に至る)温度によりほとんど変化しないOTRおよびCOTRの値を有する。一方、連続的なポリマー層は、典型的に、実質的に1より大きいR比(一般に、ポリマー自体に依存して2〜6)を有し、そして(i)相対的に低く、(ii)層の厚さに逆比例し、そして(iii)(実質的に1より大きいP10比(一般に、少なくとも1.3)に至る)温度により実質的に変化するOTRおよびCOTRの値を有する。実用的な厚さで、このような連続的なポリマー層は、望ましくないほど低いOTRおよびCOTRの値を有する。
【0007】
本発明者らは、膜を適切な微孔性フィルム上にポリマーの薄い層をコーティングすることにより調製する場合、コーティングポリマーおよび微孔性フィルムの両方に依存する透過性特性を有することを発見した。本発明者らは、なぜそうなるかについて正確には知らず、そして本発明により達成される結果は、その操作のいずれの理論に依存しない。しかし、本発明者らは、コーティングポリマーが、微孔性フィルムのほとんどの(しかし、すべてではない)孔を効果的に塞ぐ(より小さい孔が優先的に塞がれる);そして結果として、膜の透過性が、塞がれない孔を通過するガスから部分的に、そしてコーティングポリマーを通過するガスから部分的に生じると考える。いずれの場合においても、本発明は、非常に望ましい透過性特性を有する新規な膜を調製し、そして制御された変化のこれらの特性を達成することを可能にする。例えば、本発明は、775,000(50,000)を超えるOTR(例えば1,550,000(100,000)から3,875,000(250,000)、またはそれ以上でさえ、例えば7,750,000(500,000)以上まで)、少なくとも1.3(例えば、少なくとも2.6)のP10比、および少なくも1.5(例えば、少なくとも2.0)のR比を有する膜を調製することが可能である。
【0008】
微孔性フィルムおよびコーティングポリマーは、特定の性質を有する膜を製造するために、選択し、そして相関させなければならない。しかし、当業者は、本明細書中の開示および当業者自身の知識を考慮すれば、広範な有用な結果を達成する際の困難さを全く有しない。
【0009】
微孔性フィルムにおける孔のサイズおよび分布は、重要な要素である。孔が小さすぎる場合、コーティングポリマーは、薄すぎて日常の取り扱いに耐えられない、または厚すぎて受容可能なOTRを有しない、いずれかの連続層を形成する傾向がある。孔が大きすぎる場合、それを覆い得ず、その結果コーティングポリマーは、膜の透過性特性の決定においてほとんどまたは全く役割を果たさない。このことは、平均孔サイズが比較的低い場合、孔が幅広いサイズを有する場合に起こり得る;例えば、コーティングポリマーは多くの孔を効果的に塞ぎ得る。しかし、その透過性が全体として膜の透過性を支配する、より大きな孔を塞ぐことは依然としてできない。
【0010】
微孔性フィルムの粗さもまた、重要な要素である。コーティングポリマーのコーティング重量は、非常に小さくなければならない。結果として、コーティングポリマーの厚さもまた、非常に小さい。このような薄い層が不規則な表面で密接に接触する場合、比較的滑らかな表面に存在する同じ厚さの層よりも、使用中の摩擦力に対抗し得ることは、よりもっともらしい。
【0011】
コーティングポリマーは、膜が所望のP10比および所望のR比を有するように選択されるべきであり、そして微孔性フィルムの透過性特性とコーティングポリマーの透過性特性との間の所望のバランスを有する膜が得られるコーティング重量で、微孔性フィルム上をコーティングされるべきである。例えば、TPが、予想される範囲の貯蔵温度内またはそれより若干低い結晶性コーティングポリマーを選択することにより、P10が貯蔵温度範囲内で比較的大きい膜を生成することが可能である;さらに、P10比のサイズは、コーティングポリマーのΔHの増加により増加され得る。同様に、比較的大きい(または小さい)R比を有する膜は、比較的高い(または小さい)固有のR比を有するコーティングポリマーを選択することにより生成され得る。このように、本発明は、特定の呼吸する生物学的物体の要求に対して、その性質を、現在可能以上により密接に合わせ得る膜を製造することを可能にする。
【0012】
第1の好ましい局面では、本発明は、以下を含むガス透過性膜を提供する:(a)微孔性ポリマーフィルム、および(b)該微孔性フィルム上のポリマーコーティングであって、ポリマーコーティングは該微孔性フィルムの透過性を変化させ、その結果、この膜は、 (i)-5℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも1.3のP10比を有し;
(ii)20℃と25℃との間のすべての温度で、少なくとも775,000ml/m2.atm.24時間(50,000cc/100inch2.atm.24時間)の酸素透過性(OTR)を有し;そして (iii)少なくとも1.5のCO2/O2透過性比(R)を有する、ポリマーコーティングを有し;
10、OTR、およびRの値は、0.035kg/cm2の圧力で測定される。
【0013】
第2の好ましい局面では、本発明は、空気中で保存され、かつ(a)密封容器、および(b)密封容器内の、呼吸する生物学的物体および生物学的物体の周りの包装雰囲気を含む包装物を提供する:この密封容器は、包装雰囲気を入れるかまたは除くための、酸素および二酸化炭素の実質的に唯一の経路を提供する1つ以上の透過可能な制御区画を含み、少なくとも1つの透過可能な制御区画は、本発明の第1の局面で定義されるガス透過性膜である。
微孔性ベースフィルム 本発明で使用される微孔性ベースフィルムは、フィルムを通してガスが通過し得るように、相互に連絡した孔の網目を提供するポリマーマトリックスを含む。
【0014】
このベースフィルムの平均孔サイズは、0.02〜5ミクロンであり得るが、好ましくは0.05ミクロンより大きく、そして0.24ミクロン未満、特に0.20ミクロン未満、とりわけ0.15ミクロンであり得る。好ましくは少なくとも70%、特に少なくとも90%の孔は、0.24ミクロン未満の孔サイズを有する。好ましくは、少なくとも60%、特に少なくとも80%の孔は、約0.15ミクロン未満の孔サイズを有する。特に少なくとも60%、特に少なくとも70%の孔は、約0.11ミクロン未満の孔サイズを有する。孔は、好ましくは、フィルムの体積の35〜80%、特に60〜75%を構成する。狭い範囲の孔サイズが好ましい。例えば、20%未満の孔は、0.014ミクロン未満のサイズを有し、そして20%未満の孔は0.13ミクロンより大きい孔サイズを有することが好ましい。
【0015】
ベースフィルムは、加工過程または容器の一部としての使用に際して損傷しないことを確実にするために、十分な強度(および他の物理的性質)を有するべきであることが高く所望される。従って、ベースフィルムは、好ましくは、以下の試験により測定される場合、少なくとも30g、好ましくは少なくとも70gの引裂き強度を有する。フィルムのサンプル(10x1.27cm)を使用する。長さ5mmの切れ目を、短い辺の一方に作製する。切れ目のどちらか一方で2つのフラップ(flap)を、Instron引張り試験機の対向する挟み部分に置く。そして引裂き強度を、12.7cm(5inch)/分の挟み部分の分離速度で測定する。ベースフィルムの引裂き強度が低すぎる場合、その存在がコーティングされた膜の透過性に悪影響しない満足いく引裂き強度および十分な多孔度を有する支持フィルムに、コーティングされる前およびその後、ベースフィルムを積層することにより満足いく膜を調製することができる。しかし、コストを追加するこの手段は、特に所望されない。
微孔性ベースフィルムはまた、少なくとも30のシェフィールド(Sheffield)平坦度を有するべきであることが好ましい。ベースフィルムはまた、熱シールされ得る材料からなることが好ましい。
【0016】
ベースフィルムのポリマーマトリックスの好ましいポリマーは、以下である:(1)少なくとも18デシリットル/g、好ましくは18〜39デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量のポリエチレン、(2)少なくとも6デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量のポリプロピレン、および(3)(1)および(2)の混合物。
【0017】
好ましいベースフィルムは、マトリックス全体に分布し、そしてベースフィルムの重量に基づき、50%から90%、特に50〜85%の量が存在する、微細に分割された、微粒子状の、実質的に水不溶性の無機フィラー(例えば、珪酸質(siliceous)フィラー)を含む。 フィラーは、好ましくはシリカ、特に沈澱シリカ、とりわけ0.1ミクロン未満の平均極限粒子サイズを有するシリカである。好ましくは、フィラーは、微孔性フィルムの全体積の35%〜80%を占める。特に好ましくは、それらが比較的狭い範囲の孔サイズを有するので、その中に均一に分布する無機フィラーおよび加工油(例えば、パラフィン油、ナフテン油、または芳香族油)を含有するフィルムを伸長することにより作製されるフィルムである。適切なフィルムは、例えば、米国特許第4,937,115号および同第3,351,495号に開示され、その開示は本明細書中で参考として援用される。このようなフィルムは、「Teslin」の商品名のもと、PPG Industriesにより販売されている。
ベースフィルムの厚さは、好ましくは0.03〜0.65mmである。
【0018】
微孔性ベースフィルムは、17.8〜266.6kg/linear cm(100〜1500pli)のニップ圧(nip pressure)でカレンダー処理する(calender)ことにより改変され得る。本発明者らは、ベースフィルムのカレンダー処理により、OTR値を減少し、そしてR値を増大させるコーティングされたフィルムが得られることを見出した。ベースフィルムは、一軸的または二軸的にカレンダー処理され得る。ベースフィルムはまた、一軸的または二軸的に伸長され得る。
【0019】
コーティングポリマー コーティングポリマーは、単一のポリマーであり得るか、または2つ以上の異なるポリマーの混合物であり得る。好ましくは、コーティングポリマーは、-5〜+40℃、特に-5〜15℃、特に0〜15℃(例えば、1℃〜15℃)のTP、および少なくとも5J/g、特に少なくとも20J/gのΔHを有する結晶ポリマーである。本発明者らは、ポリマーのΔHが大きいほど、そのP10値がTPを含む温度範囲にわたって大きいことを見出した。ポリマーのTPおよびToの値は、TP−Toが、10℃未満、特に5〜10℃であるのが好ましい。適切なポリマーは、米国特許第5,254,354号(その開示は、本明細書中で参考として援用される)に記載されるポリマーを含む。特に好ましくは、側鎖ポリマー(SCC)である。SCCポリマーは、例えば、以下の共重合により調製され得る:(i)少なくとも1つのn-アルキルアクリレートまたはメタクリレート(ここで、n-アルキル基は12個の炭素原子を含む)、好ましくは、1つ以上のドコサニル、オクタデシル、ヘキサデシル、テトラデシル、およびドデシルアクリレート、および(ii)アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリル酸またはメタクリル酸のエステル(ここで、エステル化基は10未満の炭素原子を含む、例えば、ヒドロキシエチルブチル、ヘキシル、または2-エチルヘキシル)から選択される1つ以上のコモノマー。これらのSCCポリマーは、一般に、高いR値、例えば、5より大きいR値を有する、使用し得る他のポリマーは、cis-ポリブタジエン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリジメチルシロキサン、またはエチレン−プロピレンゴムを含む。ポリマーは、例えば、その粘性(tackiness)を減少させるために、適用後、架橋され得る。
【0020】
コーティング組成物 コーティングポリマーは、好ましくは、適切な溶媒(例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘプタン、またはメチルエチルケトン)中に溶解したコーティングポリマーを含むコーティング組成物として多孔性基材に塗布される。組成物を塗布した後、溶媒を加熱により除き、ポリマー付着物を基材に残す。コーティング組成物中のコーティングポリマーの濃度は、組成物の重量に基づき、好ましくは、2〜12%、例えば5〜10%である。コーティング組成物は、ポリマーおよび溶媒に加えて、他の成分を含有し得る:例えば、溶媒の除去後に活性化される架橋剤(例えば、アルミニウムアセチルアセトネートまたは多官能性アジリジン(例えば、XAMA7の商品名のもとでAldrich Chemicalsから入手可能な製品)。
【0021】
コーティング組成物の塗布 コーティングは、任意の便利な方法、例えば、Meyerロッドを用いて、または市販されているコーティング装置(例えば、グラビアコーティング装置(これは好ましい)またはナイフ・オーバー・ロール(knife-over-roll)装置)を用いて、手により実施され得る。1回のコーティングが、通常、十分である。しかし、同じまたは異なるコーティング組成物の第2のコーティングが、最初のコーティングの乾燥後に塗布され得る。好ましくは、コーティングは、31x106〜232.5x106立方ミクロン/mm2(20x109から150x109立方ミクロン/inch2)、好ましくは62x106〜124x106立方ミクロン/mm2(40x109から80x109立方ミクロン/inch2)の理論的セル容量を有するグラビアコーティングロールを用いて、または同様のコーティング重量を提供する装置を用いて実施される。コーティング重量は、好ましくは、1.7〜2.9g/cm2である。
【0022】
膜の性質 上記のように、本発明の膜の性質は、要素の数(ベースフィルム、コーティングポリマー、コーティング組成物、およびベースフィルムに塗布されるコーティング組成物の量を含む)に依存する。膜は、好ましくは、-5℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲、好ましくは0℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも1.3、好ましくは少なくとも2、特に少なくとも2.5、とりわけ少なくとも2.6のP10を有する。膜は、好ましくは、775,000〜7,750,000(50,000〜500,000)、好ましくは1,550,000〜3,875,000(100,000〜25,000)、特に少なくとも2,325,000(150,000)のOTRを有する。OTRが775,000〜3,100,000(50,000〜200,000)である場合、膜のR値は、好ましくは、少なくとも2、特に少なくとも2.5、とりわけ少なくと3である;そしてOTRが775,000〜3,100,000(50,000〜200,000)である場合、R値は、好ましくは、3.8−0.00000045P'(3.8−0.000007P)、特に7.4−0.00000116P'(7.4−0.000018P)まで、とりわけ5.6−0.0000084P'(5.6−0.000013P)までである。ここで、P'は、ml/m2.atm.24時間のOTRであり、Pは、cc/inch2.atm.24時間のOTRである。膜はまた、OTRおよびCOTRが、20℃と25℃との間の任意の温度で測定される場合、好ましくは、OTRおよびRのこれらの値を有する。膜は、O2およびCO2の透過性が0.7kg/cm2(10psi)で測定され、そしてそれらが0.035kg/cm2(0.5psi)で測定される両方の場合、好ましくは、OTR、P10、およびRのこれらの値を有する。
【0023】
膜は、カバー層が十分に多孔性であり、透過性に関して逆効果を有しないならば、ポリマーコーティングは微孔性フィルムおよびカバー層ではさまれるように、カバー層により覆われ得る。カバー層は、一般に、ベースフィルムと異なるが、同一であり得る。カバー層は、コーティングされたフィルムに溶融結合(melt-bonded)され得る。しかし、カバー層の使用は、製品のコストを増大させる。
膜の性質は、一軸的または二軸的に、好ましくは17.8〜266.6kg/linear cm(100〜1500pli)のニップ圧でカレンダー処理することにより改変され得る。本発明者らは、カレンダー処理が、膜のOTRを減少させ、そして膜のR比を増大させることを見出した。
【0024】
容器 膜の性質は、1つ以上の制御区画を除き、その壁がガスに対して比較的不透過性である容器内の雰囲気を制御するためにそれらを使用し得るようなものである。その制御区画、または少なくとも1つの制御区画(2つ以上の制御区画が存在する場合)は、本発明の膜が提供される。1つの実施態様において、制御区画は、陽気のガス不透過性壁内に存在し、そして本発明の膜によって覆われている開口部である。この開口部は、例えば、容器の全壁面積の5〜50%であり得る。容器は、例えば、柔軟性のポリマー材料のバッグ(例えば、2つの異なるポリマーフィルムの積層物)であり得る。好ましくは、膜のコーティングされない面は、容器に対して、開口部の周辺部で、固定(secure)される(例えば、熱シール、インパルス接着、または電磁波接着される)。この目的のために、容器の外側表面は、好ましくは、ベースフィルに熱シールし得る材料からなる。典型的な手順では、膜は、115℃で0.4秒間、インパルス接着機を用いて封入物に熱シールされる。
【0025】
別の実施態様において、膜は、容器の長さ方向にはしる、あるいはそうでなければ、容器の完全な寸法(complete dimension)を横切って広がるストリップ(strip)の形態である。これは、ストリップが、バッグまたは他の容器が作られるシート材料に取込まれ得、その結果、各容器に個々のパッチを追加する必要がないとういう利点を有する。別の利点は、このストリップは、容器上の図形的デザインの妨げにほとんどなり得ないということである。
【0026】
容器のサイズは、かなり変化し得る。1つのカテゴリーでは、容器は、2.26kg(5lb)までの製品を含有する。別のカテゴリーでは、容器は、さらに大きい(例えば、1500lb(680kg)までの製品を含有する)。

広範囲の呼吸する生物学的物体(ブロッコリ、切ったレタス、カリフラワー、キノコ、アスパラガス、およびイチゴ)を、本発明の容器内に包装し得る。
【0027】
実施例 本発明を、以下の実施例で例示する。例の多くは、比較例である。実施例において使用したコーティングポリマーを、しばしば、以下の略号により示す。
【0028】
SSC1〜15およびACP.これらのアクリレートポリマーを、モノマーの重合により調製した。その重量部を表1に示す。表1で、以下の略号を、モノマーについて使用する。AAはアクリル酸であり、MAAはメタクリル酸であり、EHAは2-エチルヘキシルアクリレートであり、C4Aはブチルアクリレートであり、C6Aはヘキシルアクリレートであり、C6DAはヘキシルジアクリレートであり、C12Aはドデシルアクリレートであり、C12DAはドデシルジアクリレートであり、C14Aはテトラデシルアクリレートであり、C16Aはヘキサデシルアクリレートであり、そしてC22Aはベヘニルアクリレートである。モノマーを、適切な溶媒(例えば、トルエン、またはヘプタンおよびブチルアセテートまたはエチルアセテートの混合物)中で、適切な開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))を用いて共重合した。例えば、SCC11を、C6AおよびC14Aと0.31部のAIBNとを、ヘプタンおよびエチルアセテートの4:1混合物中で混合し、そして混合物を50℃で2日間維持することにより作製した。これにより、約970,000の重量平均分子量および約12.5℃のTPを有する生成物を得た。SSC5を、C22Aの単独の重合により作製し、得られたホモポリマーをイソシアナトエチルメチルメタクリレートを用いて分画し、そして他のモノマーを分画したホモポリマーと重合した。SCC12、SCC13、およびSCC14ポリマーのΔHの値は、それぞれ、0、35および55J/kgであった。

【0029】
CisPBは、cis-ポリブタジエンであり、Aldrich Chemical Co.から入手可能である。Tflexは、脂肪族ポリウレタンであり、Tecoflex SC80Aの商品名のもとでThermedics Corp.から入手可能なである。Silは、水分硬化性の、RTV(室温加硫性)ポリジメチルシロキサンであり、Silastic 734の商品名のもとでDow Corning Corporationから入手可能である。Ktonは、スチレン-エチレン-ブチレンブロックコポリマーであり、Kratonの商品名のもとでShell Chemical Co.から入手可能である。TPXは、ポリ(4-メチルペンテン)であり、TPXの商品名のもとでAldrich Chemicalsから入手可能である。
これらのポリマーを、種々の濃度のコーティング溶液で使用した。SSCおよびACPポリマーを溶液で調製し、そして適切な溶媒(例えば、ヘプタン)の添加により、所望の濃度に希釈した。CisPB、CisPBとSCC8との混合物、およびSilポリマーをトルエンに溶解した;Tflexポリマーをテトラヒドロフランに溶解した;そしてKratonポリマーをトルエンに溶解した。
【0030】
実施例で使用した物質を、しばしば、以下の略号により示す。CGは、多孔性ポリエチレンフィルムであり、約55%の空隙度および約0.25ミクロンの孔サイズを有し、Celgard K878の商品名のもとでHoechst Celanese Corp.から入手可能である。MSXは、多孔性ポリエチレンフィルムであり、MSX 1137Pの商品名のもとで3M Co.から入手可能である。Van Lは、充填された多孔性ポリエチレンフィルムであり、Van Leer 10Xの商品名のもとでVan Leer Corp.から入手可能である。Teslin SP7は、約60%のシリカを含有する充填された多孔性ポリエチレンフィルムであり、約0.18mm(0.007inch)の厚さ、上記のように測定された約90gの引裂き強度、約65%の多孔度、約0.1ミクロンの平均孔サイズ、および4〜10ミクロンの最大孔サイズを有する。Teslin X457は、Teslin SP7と類似しているが、より多孔性である。両Teslinは、Teslinの商品名のもとでPPG Industriesから入手可能である。水銀ポロシメトリにより試験される場合、Teslin SP7の孔サイズの分布は、以下の通りであった。

【0031】
AKZ0は、多孔性ポリプロピレンフィルムであり、この孔サイズは0.1〜0.29ミクロンであり、Akzo 1EPPの商品名のもとでEnka AGから入手可能である。Delnetは、ミシン目された(perforated)高密度ポリエチレンフィルムであり、0.11mm(4.5mil)の厚さ、約36%の開領域を有し、Delnetの商品名のもとでApplied Extrusion Technologiesから入手可能である。BF915RoplastLB710、およびCVPは、市販されている積層包装フィルム(1つの層はポリエチレンである)であり、それぞれ、Barrier、Roplast、Golden Eagle、およびCVPから入手可能である。
【0032】
基材をコーティングするために使用した手順を用いて、♯30 Meyerロッドを用いてコーティング溶液を塗布し、周囲の空気中で15分間、次いで83℃で30分間コーティングを乾燥させた。
【0033】
実施例1〜10およびC1〜4 実施例1〜10およびC1〜4を、以下の表2〜4にまとめる。試験のそれぞれにおいて、表2で示す基材を所与パーセントの所与コーティングポリマーを含有する溶液でコーティングした。コーティングした基材を乾燥し、そしてO2およびCO2に対する透過性を、表2に示す温度で測定した。結果を表2に報告する。
いくつかの場合、P10比を、表3および4に示すように、計算した。実施例8〜10のP10比は、SSC13〜SC15のΔH値の増加が、P10比の増加をどのようにもたらすかを示す。
実施例のいくつかのOTRおよびRの値を、添付する図面のに図示する。において、カーブ1は比較例1K〜1N(Van Leer上のSCC1)を示し、カーブ2は比較例1H〜J(MSX上のSCC1)を示し、カーブ3は比較例20〜Q(Teslin SP7上のTPX)を示し、カーブ4は実施例1P、Q、およびR(Teslin SP7上のSCC1)を示し、そしてカーブ5は実施例2H〜2K(Teslin SP7上のcisPB+SCC8)を示す。





【0034】
実施例11 膜を、Teslin SP7上に8%の濃度でSCC10をコーティングすることにより作製した。得られた生成物は、触れるとべとついた。第2および第3の膜を、架橋剤をコーティング溶液に添加することを除いて、同じ方法で作製した。架橋剤は、アルミニウムアセチルアセトネート(5%、ポリマーに基づく)、または多官能性アジリジン(aziridene)(5%、ポリマーに基づく、XAMA 7の商品名でVirginia Chemicalsから入手可能)であった。得られた生成物は、ほとんどべとつかなかった。
【0035】
実施例12 本実施例は、コーティングされた微孔性フィルムのカレンダー処理の効果を示す。SCC1をTeslin SP7上にコーティングすることにより作製されたコーティング微孔性フィルムのOTRおよびRの値ならびに厚さを、カレンダー処理前、142kg/linear cm(800pli)での一軸カレンダー処理後または269kg/linear cm(1500pli)での一軸カレンダー処理後に測定した。結果を、以下の表5に示す。

【0036】
実施例13 実施例13を表6にまとめる。新鮮なブロッコリを、貯蔵バッグ(23x28cm)
内に密封し、そして13日間45℃、または9日間45℃、および4日間55℃で貯蔵した。4つのコントロールバッグ(C5〜C8)は、全体がポリエチレンからなった。
他の4つのバッグ(13A〜13D)は、本発明のバッグであり、そして4.76cmの直径の穴をポリエチレンに切り、そして1,224,500(79,000)のO2透過性を有し、そしてSCC10ポリマーを用いてTeslin SP7をコーティングすることにより調製した膜により密封したことを除いて、コントロールバッグと同一であった。貯蔵期間の終わりで、バッグ内のO2およびCO2の濃度を測定した。結果を表5に示す。次いで、ブロッコリを、「高(high)」設定で、電子レンジで1分間調理した。すべてのコントロールバッグからのブロッコリは、調理の前および後で、強くて不快な匂いおよび香りを有した。本発明のすべてのバッグからのブロッコリは、調理の前および後で、不快な匂いおよび香りを有しなかった;45℃で全13日間貯蔵されたブロッコリは、45℃および55℃で貯蔵されたものより、さらに良好な状態にあった。

【0037】
実施例14 本実施例では、以下のサンプルを使用した。
サンプル14A SCC4の10%溶液でコーティングされたTeslin SP7。
サンプル14B 8.85kg(4lb)ローラーにより圧力を加えて、サンプル6Aのコーティング面に約50℃で積層した、サンプル14AおよびTeslin SP7の積層物。
サンプル14C SCC13の1%溶液でコーティングされたTeslin SP7。
サンプル14D サンプル14Bと同じ方法により、サンプル14Aのコーティング面に積層した、サンプル14AおよびAKZOの積層物。
サンプル14A〜D、および7BのOTRを、(1)最初、および(2)4回の折り畳み(すなわち、最初のサイズの0.125に)、そしてほどいた後、に測定した。

【0038】
実施例15 AKZOフィルムのサンプルを、サンプル14Cに熱融着した。熱融着物を、Packaging Aids Inc.からSealmaster 420の商品名のもとで入手できるインパルス接着機により作製した。得られた結合を破るのに必要な力は、AKZOフィルムの引裂き強度より大きかった。
【0039】
実施例16 本実施例では、以下のサンプルを使用した。
サンプル16A SCC4の5%溶液でコーティングされたTeslin SP7。
サンプル16B サンプル16AおよびTeslin SP7の積層物(Teslinは、サンプル16Aのコーティング面に熱および圧力下で積層された)。
サンプル16C サンプル16AおよびDelnetの積層物(Delnetは、サンプル16Aのコーティング面に熱および圧力下で積層された)。
サンプル16Bおよび16CのO2透過性を、最初に、実施例14で示すような折り畳み後、そして水道水に10分間浸漬し、その後紙タオルで乾燥した後に測定した。結果を表8に示す。

【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、実施例のいくつかのOTRおよびRの値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むガス透過性膜: (a)微孔性ポリマーフィルム、および (b)該微孔性フィルム上のポリマーコーティングであって、該ポリマーコーティングは該微孔性フィルムの透過性を変化させ、その結果、該膜は、 (i)-5℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも1.3のP10比を有し;
(ii)20℃と25℃との間のすべての温度で、少なくとも775,000ml/m2.atm.24時間(50,000cc/100inch2.atm.24時間)の酸素透過性(OTR)を有し;そして (iii)少なくとも1.5のCO2/O2透過性比(R)を有する、ポリマーコーティングを有する、ポリマーコーティング;
該P10、OTR、およびRの値は、0.035kg/cm2(0.5psi)の圧力で測定される。
【請求項2】
以下の特徴の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の膜: (1)前記微孔性フィルムは0.24ミクロン未満の平均孔サイズを有する;
(2)前記微孔性フィルムは少なくとも30gの引裂き強度を有する;
(3)前記微孔性フィルムは少なくとも30のシェフィールド平坦度を有する;
(4)前記微孔性フィルムは、少なくとも18デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量ポリエチレンを含むポリマーマトリックスを含む;
(5)前記微孔性フィルムは、少なくとも6デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量ポリエチレンを含むポリマーマトリックスを含む;
(6)前記微孔性フィルムは、該フィルム全体に分布する、微細に分割された、微粒子状の、実質的に不溶性のフィラーを含む;
(7)前記コーティングポリマーのコーティング重量は、1.7から2.9g/m2である;そして (8)前記コーティングポリマーは、-5℃から15℃のTを有する結晶性ポリマーである。
【請求項3】
0℃と10℃との間のP10比が少なくとも2.6であり、該P10は0.035kg/cm2(0.5psi)の圧力で測定される、請求項1または2に記載の膜。
【請求項4】
-5℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも2.6のP10比、20℃と25℃との間のすべての温度で、少なくとも1,550,000ml/m2.atm.24時間(100,000cc/inch2.atm.24時間)のOTR、および少なくとも2.5のR比を有し、該P10、OTR、およびRの値は、0.035kg/cm2(0.5psi)の圧力で測定される、請求項1または2に記載の膜。
【請求項5】
少なくとも90%の前記孔は0.24ミクロン未満の孔サイズを有し、かつ-5℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも1.3のP10比、775,000から3,100,000ml/m2.atm.24時間(50,000から200,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTR、および少なくとも2のR比を有し、該P10、OTR、およびRの値は、0.7kg/cm2(10psi)の圧力で測定される、請求項1に記載の膜。
【請求項6】
以下の特徴の少なくとも1つを有する、請求項5に記載の膜: (1)0℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも1.3のP10比を有する;
(2)0℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも2のP10比を有する;
(3)0℃と15℃との間の少なくとも1つの10℃の範囲にわたり、少なくとも2.5のP10比を有する;
(4)少なくとも1,550,000ml/m2.atm.24時間(100,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTRを有する: (5)少なくとも2,325,000ml/m2.atm.24時間(150,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTRを有する;
(6)775,000から3,100,000ml/m2.atm.24時間(50,000から200,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTR、および(3.8−0.00000045P)を超えるR値を有し、ここでPはml/m2.atm.24時間での該OTRである;
(7)775,000から3,100,000ml/m2.atm.24時間(50,000から200,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTR、および(3.8−0.0000045P)から(7.4−0.000016P)
のR値を有し、ここでPはml/m2.atm.24時間での該OTRである;
(8)775,000から3,100,000ml/m2.atm.24時間(50,000から200,000cc/100inch2.atm.24時間)のOTR、および(3.8−0.0000045P)から(5.6−0.000084P1)
のR値を有し、ここでP1はml/m2.atm.24時間での該OTRである;
(9)少なくとも2.5のR比を有する;そして (10)少なくとも3のR比を有する;
該P10、OTRおよびRの値は0.07kg/cm2(10psi)の圧力で測定される。
【請求項7】
前記微孔性フィルムは以下の特徴の少なくとも1つを有する、請求項5または6に記載の膜: (1)実質的に100%の前記孔は0.24ミクロン未満の孔サイズを有する;
(2)少なくとも80%の前記孔は0.15ミクロン未満の孔サイズを有する;
(3)少なくとも70%の前記孔は0.11ミクロン未満の孔サイズを有する;
(4)前記孔は、該フィルムの体積の35%から80%を構成する;
(5)前記孔は、該フィルムの体積の60%から75%を構成する;
(6)(a) 少なくとも18デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量のポリエチレン;または (b) 少なくとも6デシリットル/gの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量のポリエチレン;または (c) (a)および(b)の混合物からなるポリマーマトリックスを含む;
(7)(i)ポリマーマトリックス、および(ii)該微孔性フィルムの重量に基づき、重量比で50%から90%の、該マトリックス全体に分布する、微細に分割された、微粒子状の、実質的に水不溶性の珪酸質フィラーを含む;そして (8)前記コーティングがその上に形成された前およびその後で、17.8から266.6kg/linear cm(100から1,500pli)のニップ圧でカレンダー処理されている。
【請求項8】
前記コーティングポリマーが以下の特徴の少なくとも1つを有する、請求項5、6、または7に記載の膜: (1)-5℃から40℃のTP、および少なくとも5J/gのΔHを有する結晶性ポリマーである;
(2)0℃から15℃のTP、および少なくとも20J/gのΔHを有する結晶性ポリマーである;
(3)側鎖結晶性ポリマーである;
(4)TP−Toが10℃未満である側鎖結晶性ポリマーである;
(5)(i)少なくとも1つのn-アルキルアクリレートまたはメタクリレート、ここで該n-アルキル基は12個の炭素原子を含む、ならびに(ii)アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリル酸またはメタクリス酸のエステル、ここで該エステル化基は10未満の炭素原子を含む、から選択される1つ以上のコモノマー、を共重合することにより調製される側鎖結晶性ポリマーである;
(6)cis-ポリブタジエン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリジメチルシロキサン、またはエチレン−プロピレンゴムである;そして (7)架橋されている。
【請求項9】
空気中で保存され、かつ (a)密封容器、および (b)該密封容器内の、呼吸する生物学的物体および該生物学的物体の周りの包装雰囲気を含み、該密封容器は、該包装雰囲気を入れるかまたは除くための、酸素および二酸化炭素の実質的に唯一の経路を提供する1つ以上の透過可能な制御区画を含み、少なくとも1つの該透過可能な制御区画は、請求項1から4のいずれかに記載のガス透過性膜である、包装物。
【請求項10】
空気中で保存され、かつ (a)密封容器、および (b)該密封容器内の、呼吸する生物学的物体および該生物学的物体の周りの包装雰囲気を含み、該密封容器は、該包装雰囲気を入れるかまたは除くための、酸素および二酸化炭素の実質的に唯一の経路を提供する1つ以上の透過可能な制御区画を含み、少なくとも1つの該透過可能な制御区画は、請求項5から8のいずれかに記載のガス透過性膜である、包装物。
【請求項11】
前記制御区画が、前記容器の完全な寸法を横切って広がるストリップの形態である、請求項9または10に記載の包装物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−224309(P2007−224309A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−79984(P2007−79984)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【分割の表示】特願平8−536626の分割
【原出願日】平成8年5月29日(1996.5.29)
【出願人】(398040734)ランデック コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】