説明

ガセット付きマスク

【課題】 マスクを患者の顔にしっかりと密閉させることが可能であるマスクシステム
を提供する。
【解決手段】 ユーザに空気を届けるマスクシステムであって、顔接触クッション30
とマスクシェル20との間の相対的な動きを可能にするサスペンション機構32を備えて
いる。このサスペンション機構はまた、マスク圧、クッションの変位またはこれら両方の
関数である所定の力をクッションに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸療法で用いられるマスクに関する。一つの使用法としては閉塞型睡眠無
呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea)のCPAP治療がある。しかしながら、ここで
提示されるマスクの構成は他のタイプの呼吸療法においても有用である。呼吸療法用のよ
り改良されたマスク構成を求めて、マスクと患者の顔面との間の密閉の有効性、処方され
た治療方法とよく整合すること、および患者の快適さといったさまざまな設計目的がある
。本発明は、公知のマスク構成に対していくつかのはっきりした利点を有する新規のマス
ク構成のさまざまな実施形態を提供する。
【背景技術】
【0002】
圧力下のマスクに空気が送られる呼吸療法では、マスクと患者の顔との間の密閉を良好
に保つことが重要である。マスクと患者の顔との間からのリークは、マスク内の所望の空
気圧を下げ、ノイズを増加させることになる。これらはともに、治療の有効性および治療
との整合性を減少させ得る。前者の場合には、処方された治療のパラメータが維持されて
いない。後者の場合には、増えた雑音が患者および患者と共に寝る者両方の睡眠サイクル
を妨げる。
【0003】
リークは、患者が夜動いたときに特に起こりがちである。患者が向きを変えたり動いた
りしたときにデリバリーチューブやマスクシステムが引きずられたり動かされたりすると
、患者の顔に対するマスクの位置合わせおよび配置が変わることがあり、この動きがクッ
ションの密閉部に伝えられてリークを生じ得る。したがって、マスクは患者に取り付けら
れているときは最初はリークなしかもしれないが、患者がベッドで動くにつれて夜更けに
大きくなっていき、患者を起こしてしまう。ゆえに患者は、動きに起因するリークを低減
する、または防ぐために、圧力上の要件から必要とされるよりも強くストラップを締める
ことになるかもしれない。
【0004】
多くの異なるマスクシステムが知られている。ある広いグループの公知のマスクシステ
ムは、堅いシェル、顔に接触するクッションおよびヘッドギアを含む。通常シェルは鼻、
または鼻および顔を取り囲む。顔全体を取り囲むものもある。クッションは通常シリコー
ンのような柔軟な材料から構成されている。ヘッドギアはマスクを適正な位置に固定する
手段を備えている。ヘッドギアの公知の形態の一つはストラップ構成からなる。
【0005】
あるマスクの設計は、マスクと患者との間に効果的な密閉を維持している間の患者の快
適さを向上させるために、マスクのクッションの柔軟性を高めるように開発された。Bubb
le Cushion(ResMed, Ltd.の登録商標)マスクは米国特許第5,243,971号にカバーされて
おり、その主題はここで援用されるが、このマスクは、ユーザの肌または顔面に対するク
ッションメンブレン自体の密閉を補助するために、マスクシェルに取り付けられた柔軟性
のあるクッションメンブレンとマスクシステム内部の圧力とを用いる。
【0006】
ResMed Mirage(ResMed, Ltd.の登録商標)マスクシステムは、特に米国特許第6,112,7
46号にカバーされており、その主題はここで援用されるが、このマスクシステムは、密閉
を助け、かつ患者の快適さを高めるように、内側のフレームリムから離して配置された外
側の顔と接触するメンブレンを有する顔の形状に合わせて三次元に成型されたクッション
を備えている。これらのマスクのいずれも、患者(ユーザ)にマスクを密着させるのを補
助するためにクッションをマスクに当てるための膨らませたガセット部を備えてはいない

【0007】
公知のマスクの公知のフィッティング手順は、治療中にマスクに供給される最大の空気
圧をマスクに供給することと、その最大空気圧でのリークを防ぐのに必要なレベルまでス
トラップの張力を調節することである。しかしながら多くの治療法では、しばしば治療継
続中のある期間のみでしかこの最大空気圧は実現されず、治療中の他の時間は空気圧が低
下している。例えば、自動滴定システムまたは可変圧システムを用いているとき、または
CPAPシステムを用いているときの起動時がこのような場合にあたる。したがって、ス
トラップの張力は治療の継続期間の中のかなりの期間、必要であるよりも高くなる。さら
に、このようなリークは睡眠のサイクルおよび処方された治療方法の両方を壊すので、患
者はしばしば、実現される最大の空気圧でのリークを防ぐために、必要であるよりもきつ
くストラップを締めることになる。
【0008】
堅いシェル120に取り付けられたクッション130を有する公知のマスク110の力
の図を示している図1を参照してほしい。クッション130はクッションサイドウォール
173に取り付けられた顔面接触部134を有している。クッションサイドウォール17
3は、ResMed Bubble Cushion(登録商標)マスクにおけるように比較的柔軟性に富んで
いるか、あるいはResMed Mirage(登録商標)マスクにおけるように比較的硬い。マスク
110は使用時には患者40の顔42(仮の線で示している)に接触するが、(図10の
図と同様に)この図を明確にする目的で平坦な土台43で患者40の顔42を置き換える
。ユーザの顔面に係る従来技術のマスクの力のトータルFは、式Fm = Fc + FAcによっ
て与えられるように実験的に見つけられる。ここでFは患者の顔面にかかるクッション
の力であり、FAcは患者の顔面にかかる周囲A、患者の顔面とクッションの接触する
領域のマスク内の空気圧Pの力である。力FAcは式FAc=PAで与えられる。力F
はA中に分散され、クッション上の2点に局在することはないので(図1の2次元的
な表現の制約のためにそう見えるが)、この力は括弧内に示されている。Aは、マスク
110が最小の接触力でユーザの顔面とちょうど接触するときにそうであるようにサイド
ウォール173の内側に示されているが、実際には顔面接触部134は、マスク110に
十分な力が供給されて、Aが外側に、サイドウォール173の方に広がるようにマスク
をユーザの顔面に密着させるときに、下で丸くなる。
【0009】
従来技術のマスクのヘッドギアストラップFsにおける力(張力)は、式Fs = (Fc + F
Ac)/(2cosθ)で与えられるように実験的に見つけられる。ここでθはマスク100に対す
るヘッドストラップの角度である。したがって、患者の顔面にかかるクッションの力F
は式2Fc = 2 Fscosθ-FAcで表される。患者の顔面にかかるマスククッションの力は、特
により大きな力では、公知のマスクではクッション中に完全に均等に分散することが難し
く、マスククッション中の局在する高圧力点となる。顔面にかかるより大きな力、ならび
に特に局在する高圧力点は患者には不快なものであり、睡眠のサイクルに影響を与える。
例えば、マスクを顔にしっかりと固定するのに必要な力対マスク内空気圧(cmH2Oで測定
)をグラフに示している図2を参照してほしい。そこに見られるように、マスクの空気圧
の範囲全体を通して公知のマスクを顔に密着させたままにするのに必要な力は、治療中に
生じるマスク内の最大空気圧によって最も大きく影響される。つまり、マスク内の圧力が
低下したときでさえも顔にかかるマスクの力はかなり高いレベルのままであり、この力は
最大のマスク空気圧でマスクを密閉するのに必要な力に直接関係する。マスクの位置ずれ
は曲線を上方に移動させる。位置ずれを考慮するとマスクを顔に密着させるためにはより
大きな力が必要であるからである。
【0010】
公知のマスクのヘッドストラップを締めてマスクの密閉力を増加させると、顔にかかる
この力も増加し、それによってクッションを圧縮し、マスクのシェルを患者の顔面に近づ
ける。ストラップを締めると、マスクのシェルは、密閉が最初に実現される位置X0とク
ッションがその通常の範囲を超えて圧縮されている点にシェルが達したときの位置X
の間で距離X移動する。マスクシェルはXを超えて移動することもできるが、クッショ
ンはだいたいXで堅く、あるいはそれに近くなりがちであり、さらなる移動を制限する
。公知のマスクにおいては、一般的にFは、マスクがXの与えられた範囲内で患者の顔
の方に移動すると、第一のレート(つまり曲線の傾き)で増加する。この第一のレートは
顔接触部134の柔軟性の範囲内の値となる。またこの第一のレートはマスクの顔接触部
134の裏側に作用するマスク内圧力の関数である。したがって、マスク内圧力が増加す
ると、第一のレートもまたXの与えられた範囲内で増加する。
【0011】
しかしながら、公知のクッションは柔軟性に劣り、このような範囲Xを超えてさらに圧
縮される。より柔軟性のあるサイドウォールを有するマスクでは、上述したように、F
は、マスクが患者の顔の方に動くと、サイドウォールによって与えられるばね力のために
、サイドウォールがほぼ完全に圧縮されて堅いマスクシェルから顔へ力を直接伝搬する点
までより速いレートで増加する。より堅いサイドウォールを有するマスクでは、上述した
ように、Fは、マスクが患者の顔の方向に動くと短い距離をさらに速いレートで増加す
るが、堅いサイドウォールが力を堅いマスクシェルから顔に直接伝えるような点に素早く
到達する。
【0012】
マスクを顔面上に固定するのに必要な力対マスクフレーム(シェル)を開放された位置
から顔の方向への動きをグラフに示す図3を参照してほしい。図3の実線による曲線は、
10cmsH2Oのマスク空気圧でのResMed Mirage(登録商標)マスクのような公知のマスク
に関して顔にかかる力を示している。この曲線から、顔にかかる力は、クッション130
の柔軟性の範囲内で顔方向へのマスクの動きにほぼ直線状に比例して増加する。しかし、
クッションがほぼ完全に圧縮され、クッション130のほぼ堅いサイドウォールが力を堅
いシェル120から顔に直接伝えるような点では(図3においては約5〜7mmでは)、
顔にかかる力はマスクシェルが顔の方に動くと急激に増加する。
【0013】
Scarberryの米国特許第5,492,116号および第5,655,527号はフルフェイス呼吸マスクを
開示している。マスクは、マスクシェル12に直接取り付けられたフレキシブルな密閉部
材18を有しており、ヘッドギア24によってユーザの頭部に取り付けられる。フレキシ
ブルな密閉部材18自体がユーザの頭部と広い接触領域で接触し、密閉メンブレンの内表
面54上に直接働く空間62内の圧力を通してユーザの顔に密着する。
【0014】
「呼吸用の鼻用マスク」と題する1999年1月6日に公開された日本の仮未審査特許
出願(公開公報)第11−397号は、マスクシェルとクッションとの間の蛇腹状に形成
された弾性体を開示している。この公報の図面からわかるが、マスクの蛇腹部は、マスク
のクッションが患者の顔と接触する線によって定義される接触領域と実質的に同じである
患者の顔上の領域に突き出している。この公報は、蛇腹の領域と患者の顔にかかる力との
関係については何も教示していない。蛇腹は限られた機械的な柔軟性を提供するが、重要
な圧力上の利点または重要な機械的な柔軟性は何も得られない。このマスクは、マスクの
空気圧の動作範囲にわたってヘッドストラップの圧力を増やすことなしでの患者の顔に対
するマスクの動きによって引き起こされる密閉に関する問題を克服していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるガセット付きマスクを提供するこ
とを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせに
より達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
即ち、本発明の一つの局面では、使用時に患者の顔に対して所定の位置に配置されるシ
ェルと、使用時に前記患者の顔に力を伝える顔接触クッションと、前記クッションと前記
シェルとの間の相対的な動きを可能にする手段とを備えているマスクシステムであって、
前記手段は前記クッションにかかる所定の力を提供することを特徴とするマスクシステム
が提供される。一形態において、前記所定の力はマスク圧の関数である。他の形態におい
て、前記所定の力は、マスク圧と前記シェルの前記顔に対する変位との両方の関数である
。他の形態において、延期所定の力は独立して制御される。他の形態において、前記クッ
ションと前記シェルとの間の相対的な動きを可能にする手段は、前記シェルと前記クッシ
ョンとの中/間に配置されたガセット部によって提供される。
【0017】
本発明の一つの局面では、顔上の第一の突出した領域を有する顔接触クッションと、マ
スクシェルと、それらの間のガセット部とを備えているマスクシステムであって、前記ガ
セット部は前記顔上に第二の突出した領域を有しており、前記第二の突出した領域は前記
第一の突出した領域よりも約30%ほど大きいことを特徴とするマスクシステムが提供さ
れる。
【0018】
本発明の他の局面では、シェルに連結されて前記シェルに力を与えるヘッドギアと、顔
に力を伝える顔接触クッションとを備えている、マスク圧で使用されるマスクシステムで
あって、前記顔接触クッションは、前記顔接触クッションから伝えられる前記力がマスク
圧の強い関数であるように構成されていることを特徴とするマスクシステムが提供される
。前記クッションの前記顔接触部に対してガセット構成のより大きく突出した領域は、マ
スクシェルが患者の顔との位置合わせが変わってしまっているときでさえもマスク内の空
気圧を利用してガセットを患者の顔に接触するように膨らませ、マスクと患者との間でよ
りしっかした密閉を提供する。ガセットの膨張、収縮および曲がることによって、公知の
マスク構成よりも向上した機械的な柔軟性が与えられ、これが、患者が睡眠中に著しく動
いたり、患者の顔に対するマスクの位置が変化したりしたときでさえも密閉を維持する助
けとなる。したがって、顔にかかるマスクの力はマスク空気圧に最も著しく比例し、クッ
ションは、患者に関するマスクの位置決めのより広い範囲にわたってマスク空気圧によっ
て患者の顔にしっかりと密閉して接触した状態に維持される。これにより、ヘッドギアの
ストラップの張力が公知のマスクよりも一般的には小さい力で、特に治療の最大マスク空
気圧を下回るマスク空気圧のもとでマスクを患者の顔にしっかりと密閉させることが可能
となり、患者の快適さを高め、処方された呼吸療法へのよりよい適合を提供することがで
きる。
【0019】
いくつかのメンブレン型のクッションマスク構成は、許容可能な密閉を維持しつつ、ク
ッションと装着者の顔との限られた相対的な動きを収容するが、本発明は、患者にマスク
を固定するために用いられるヘッドストラップの圧力を対応して増やすことなく、その収
容能のレベルを劇的に増加させる。ガセット部分は、密閉を維持するのにヘッドギアにお
いて必要とされる聴力を減らしつつ、マスクシェルとユーザの顔に接触しているクッショ
ンとの間の柔軟性のある構成要素を提供する。
【0020】
本発明の他の実施形態は、マスククッションとユーザの顔との間に密閉を維持する補助
となる新規のマスククッション形状を提供する。
【0021】
本発明の他の実施形態は、マスク構成の内部空間内に配置された新規のバッフル要素の
使用を含んでいる。本発明のマスク内のバッフル部材の使用は、取り込んだガスが蓄積さ
れた二酸化炭素を有する排気口に直接短絡するのを最小限にする。したがって、バッフル
はマスクの機能上のデッドスペースを減少させて患者が再度吸う二酸化炭素のレベルを低
減するのに寄与する。
【0022】
本発明の前述の目的、他の目的、特徴および利点は、添付の図面を参照しながら以下の
説明および付属のクレームを考慮すればより明らかになる。これらの全ては本明細書の一
部を構成し、さまざまな図面において同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【0023】
本発明の第1の観点によれば、呼吸可能なガスマスク構成であって、加圧された呼吸可
能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと、前
記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット部と
、前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、前記ユーザに前記マスクシェルを取り
付けるように構成されたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は、前記マスクシェ
ルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりし得るように構成
されており、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされてお
り、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に突出した領域Aに作用する前記加圧
された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成
要素を提供するように、前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大き
い前記領域Aを有しており、A/Aの比は少なくとも1.30であることを特徴と
する、呼吸可能ガスのマスク構成を提供する。
【0024】
本発明の第2の観点における患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクは、加圧された
呼吸可能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェル
と、前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセッ
ト部と、前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と
、使用時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供する
ように構成された第二の部分と、前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成
されたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッション
との間の距離を変えるように変位範囲内で膨らんだり収縮したりすることができ、前記ガ
セット部は、使用時に前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされるガセット領域に作
用する前記加圧されたガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力F
の構成要素を提供するように前記ガセット領域を規定し、前記力Fは前記加圧された呼
吸可能ガスの供給にほぼ一定の割合に維持され、前記顔にかかる前記マスクのトータルの
力Fは、前記マスクの動作圧力範囲にわたって前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧
力1gf/cm2あたり約35〜108グラムの範囲内に維持されることを特徴とする。
【0025】
本発明の第3の観点の患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクは、加圧された呼吸可
能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと、前
記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット部と
、 前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使
用時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供するよう
に構成された第二の部分と、前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成され
たヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッションとの
間の距離を変えるように変位範囲内で膨らんだり収縮したりすることができるように構成
されており、前記ガセット部は、使用時に前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされ
るガセット領域に作用する前記加圧されたガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッ
ションの接触力Fの構成要素を提供するように前記ガセット領域を規定し、前記力F
は約4〜25gf/cm2の動作圧力範囲にわたって、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧
力1gf/cm2あたり約8〜61グラムの範囲に維持されることを特徴とする。
【0026】
本発明の第4の観点からの呼吸可能なガスマスク構成は、加圧された呼吸可能なガスの
供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと、前記シェルの
前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット部と、前記ガセ
ット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用時にユーザ
の顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように構成され
た第二の部分とを有するクッションと、前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるよう
に構成されたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記ク
ッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりし得るように構成されており
、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガ
セット部の内部は、前記ユーザの顔上に突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸
可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供
するように、前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域
を有しており、A/Aの比は1.00よりも大きく、前記顔にかかる前記マスク
のトータルの力Fの変化は、任意の動作圧力で、初期の密閉位置からの前記ユーザの顔
方向への約6〜25mmの範囲内での前記マスクシェルの変位にほぼ直接比例することを
特徴とする。
【0027】
本発明の第5の観点によれば、加圧された呼吸可能なガスを受けとるように適合された
呼吸可能ガスのマスク構成のマスクシェルと顔接触クッションとの間の配置のための装置
であって、前記マスクシェルのユーザ側に取り付け可能である第一の側と、前記クッショ
ンに取り付け可能である第二の側とを有するガセット部を備えており、前記ガセット部は
、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したり
できるように構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供
給にさらされており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に突出した領域A
作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの
接触力Fの構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領
域Aよりも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は少なくとも1.30で
あることを特徴とする。
【0028】
本発明の第6の観点によれば、加圧された呼吸可能なガスを受けとるように適合された
呼吸可能ガスのマスク構成のマスクシェルに取り付けられるクッションアセンブリであっ
て、前記マスクシェルのユーザ側に取り付け可能である第一の側と、第二の側とを有する
ガセット部と、前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられる第一の部分と、使用時に
はユーザの顔に接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように
構成された第二の部分とを有するクッションとを備えており、前記ガセット部は、前記マ
スクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりできるよ
うに構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさら
されており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に突出した領域Aに作用する
前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力F
の構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域A
りも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は少なくとも1.30であること
を特徴とする。
【0029】
本発明の第7の観点の加圧された呼吸可能なガスをユーザに供給するマスクアセンブリ
は、前記加圧された呼吸可能ガスを受け取るように適合された部分を有するマスクシェル
と、使用時にユーザの顔と接触し、前記マスクアセンブリと前記ユーザの顔との間に密閉
を提供する部分を有するクッションと、前記マスクシェルと前記クッションとの間に取り
付けられるサスペンション機構と、前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるヘッドギ
アとを備えており、前記サスペンション機構は、前記マスクシェルと前記クッションとの
間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりできるように構成されており、前記サスペ
ンション機構の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記サスペ
ンション機構の内部は、前記ユーザの顔上に突出した領域Aに作用する前記加圧された
呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を
提供するように、前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記
領域Aを有しており、A/Aの比は少なくとも1.30であることを特徴とする。
【0030】
本発明の第8の観点による患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクは、加圧された呼
吸可能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと
、前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、
使用時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供するよ
うに構成された第二の部分と、前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成さ
れたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッションと
の間の距離を変えるように変位範囲内で膨らんだり収縮したりすることができるように構
成されており、使用時に前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされるガセット領域に
作用する前記加圧されたガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力F
の構成要素を提供するように前記ガセット部が前記ガセット領域を規定し、前記力F
は約4〜25gf/cm2の動作圧力範囲にわたって、前記ユーザの顔と接触する前記クッショ
ンの周囲のリニアセンチメートルあたり前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2
あたり約0.3〜4グラムの範囲内に維持されることを特徴とする。
【0031】
本発明の第9の観点によれば、加圧された空気を受け取りユーザに供給するためのユー
ザに取り付け可能なマスクアセンブリであって、ユーザの顔に接触するクッションと、前
記クッションを軸方向に移動可能に支持し、前記空気の圧力に比例して前記クッションに
第一の軸方向のバネ力を与えるように前記加圧された空気にさらされるサスペンション機
構であって、前記第一の軸方向のバネ力は、前記クッションに直接作用する前記加圧され
た空気のため前記クッションにかかる第二の軸方向のバネ力よりも少なくとも30%大き
い、サスペンション機構とを備えていることを特徴とする。
【0032】
本発明の第10の観点の加圧された空気を受け取り、ユーザに供給するためのユーザに
取り付け可能なマスクアセンブリは、マスクシェルと、ユーザの顔に接触するクッション
であって、前記ユーザの顔上の第一の突出した領域を有するクッションと、前記マスクシ
ェルに取り付けられ、前記クッションを軸方向に移動可能に支持するサスペンション機構
であって、前記顔上の前記第一の突出した領域よりも少なくとも30%大きい前記ユーザ
の顔上の第二の突出した領域を有しているサスペンション機構とを備えていることを特徴
とする。
【0033】
本発明の第11番目の呼吸可能なガスマスク構成は、加圧された呼吸可能なガスの供給
を受けるように適合された部分とユーザ側上に軸方向に伸びるシリンダー部とを有するマ
スクシェルと、軸方向にスライド可能に前記マスクシェルの前記シリンダー部に噛み合う
ピストンの形状であり第一の側と、第二の側とを有するガセット部と、前記ガセット部の
前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用時にユーザの顔と接
触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように構成された第二の
部分とを有するクッションと、前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成さ
れたヘッドギアとを備えており、前記ピストンは、前記マスクシェルと前記クッションと
の間の距離を変えるように前記マスクシェルの前記シリンダー部において軸方向にスライ
ド可能であり、前記ピストンの表面は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされてお
り、前記ピストンの表面は前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大
きいユーザの顔上に突出した領域Aを有しており、前記領域Aに作用する前記加圧さ
れた呼吸可能ガスの供給は前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要
素を提供し、A/Aの比は1.00よりも大きいことを特徴とする。
【0034】
本発明の第12番目の観点からの呼吸可能なガスマスク構成は、加圧された呼吸可能な
ガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと、前記シ
ェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット部と、前
記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用時に
ユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように構
成された第二の部分とを有するクッションと、前記ユーザに前記マスクシェルを取り付け
るように構成されたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は、前記マスクシェルと
前記クッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりすることができるよう
に構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらさ
れており、前記ガセット部の内部は前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域A
よりも大きいユーザの顔上に突出した領域Aを有しており、前記領域Aに作用する前
記加圧された呼吸可能ガスの供給は前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力F
の構成要素を提供し、A/Aの比は1.00よりも大きく、前記ガセット部は底部で
厚くなった断面をもつサイドウォールを有することを特徴とする。
【0035】
本発明の第13番目の観点による呼吸可能なガスマスク構成は、加圧された呼吸可能な
ガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有するマスクシェルと、前記シ
ェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット部と、前
記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用時に
ユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように構
成された第二の部分とを有するクッションと、前記ユーザに前記マスクシェルを取り付け
るように構成されたヘッドギアと、前記マスクシェルに取り付けられ、前記ガセット部の
第一のサイドウォール部に接触して前記第一のサイドウォール部の動きを規制する略剛性
を有するバックストップとを備えており、前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記ク
ッションとの間の距離を変えるように膨らんだり収縮したりすることができるように構成
されており、前記ガセット部の内部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされてお
り、前記ガセット部の内部は前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも
大きいユーザの顔上に突出した領域Aを有しており、前記領域Aに作用する前記加圧
された呼吸可能ガスの供給は前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成
要素を提供し、A/Aの比は1.00よりも大きいことを特徴とする。
【0036】
本発明の第14番目の観点による呼吸可能ガスのマスク構成は、加圧された呼吸可能ガ
スの第一の供給を受け取るように適応された部分とユーザ側とを有しているマスクシェル
と、前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有しているガ
セット部と、前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部
分と、使用時にユーザの顔に接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間に密閉を提
供するように構成された第二の部分とを有しているクッションと、前記マスク構成を前記
ユーザに取り付けるように構成されたヘッドギアとを備えており、前記ガセット部は、膨
らんだり収縮して前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えることができる
ように構成されており、前記ガセット部は、前記マスクシェルの内部とは隔てられた内部
容量を持つガセットチャンバを取り囲む断面を有する柔軟性のあるサイドウォールを有し
ており、前記サイドウォールは加圧されたガスの第二の供給に前記ガセットチャンバを接
続する少なくとも一つのポートを有していることを特徴とする。
【0037】
本発明の第15番目の観点によれば、装着者の顔に呼吸用マスクを密着して取り付ける
ためのマスククッションであって、該クッションは、軸方向に外側の端部を有するサイド
ウォールと、前記サイドウォールに取り付けられた柔軟性のあるメンブレンであって、前
記サイドウォールの前記外側端部を超えた位置まで軸方向に伸びている顔接触部を有し、
かつ前記伸びている位置と、前記サイドウォールの前記外側端部が前記装着者の顔に接触
する引き込み位置との間で軸方向に移動して前記メンブレンの軸方向のさらなる動きを制
限するように構成されたメンブレンとを備えていることを特徴とする。
【0038】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これら
の特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにか
かる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの
全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0040】
本発明の呼吸マスク10の第一の実施形態を図4〜9に示す。マスク10は、加圧され
た空気の供給部23に接続するエアチューブ22を有するほぼ堅いシェル20を有してい
る。ガセット部32は、接着または機械的な締め付けのような公知の方法によってシェル
20に取り付けられている。ガセット部32はクッション30のサスペンション機構とし
て働き、柔軟性のあるガセットサイドウォール33を有している。ガセット部32の部分
断面図を図6に示す。本実施形態では、ガセットサイドウォール33は略一様な厚さを有
し、ガセット部32はマスクの圧力にさらされていないときには略三角形の断面を有して
いる。しかし本実施形態では、柔軟性のあるサイドウォール33はマスク10が加圧され
て図7にしめすようなより丸みのある断面となったときに膨らむ。ガセット部32の図8
の先端図は、ガセットがクッション30およびシェル20の形状に沿うように略三角形の
輪郭を有していることを示している。
【0041】
クッション30は、図10に示すように患者(ユーザ)40の顔42に噛み合うように
適合された顔接触部34を有している。クッション30の顔接触部34は、ResMedスタン
ダードクッションのような標準的なクッションの形状、あるいは上述したResMed Bubble
Cushion(登録商標)およびMirage(登録商標)クッション、あるいは状況によっては他
の形状であり得る。好ましい実施形態では、図9の部分断面図に示すように、本発明のク
ッション30は、ResMed Mirage(登録商標)と同様に、顔接触部34として働くアウタ
ーメンブレン70とメンブレン70の裏打ち部材を提供するインナーリム72とを有して
いる。アウターメンブレン70とインナーリム72の両方は柔軟性のあるガセット部32
に接続する比較的剛性のあるサイドウォール73に接続されている。着用された位置では
、マスクは患者の鼻孔を覆い、鼻44の周囲を密閉する。他の実施形態では、マスクは鼻
44と患者の口との両方、患者の口だけまたは顔全体をふさぐこともできる。張力を調整
可能なストラップ52を有するヘッドギア50(図11を参照)はシェル20と噛み合い
、患者40にマスク10をしっかりと固定するために用いられる。本発明の好ましい実施
形態では、ヘッドギアおよび引っ張りストラップは一旦調整されたら比較的広げられない
サイズに調整可能である。マスクシェル20はマスクからのガスを排出する排気口21と
後にさらに詳述するバッフル23とを有している。
【0042】
ガセット部32は本発明の一実施形態の利点を提供する2つの鍵となる特徴を有してい
る。ガセット部32の第一の鍵となる特徴は、ガセット部32が、その増加した表面積に
作用するマスク内の圧力を用いて、クッションの顔接触部をユーザの顔面と密閉して接触
した状態に保つための主要な力を提供することである。ガセット部の第二の鍵となる特徴
は、クッション30の顔接触部34とマスクシェル20との間で離間する接合を提供し、
それによってマスクとユーザの顔面との間でいくらかの相対的な動きを可能とすることで
ある。この構成は、実質的に、以下のシナリオ、すなわち1)マスクシェルまたはハーネ
スの変位あるいは傾き、2)顔の筋肉のゆるみ、3)患者の動き、および/または4)チ
ューブの動きにおける過度の障害から密閉状態を守る。図11は患者に取り付けられた本
発明のマスクの一実施形態を示している。
【0043】
図10は、(以下に説明する本発明の様々な他の実施形態と同様に)図4〜9に示した
マスクの実施形態の代表的な力の図を示している。図10は、本発明のマスクについて、
患者の顔面とクッションの接触する領域Aと、ガセット部32によって規定される領域
とを示している。
【0044】
領域Aは、マスクの空気圧にさらされているガセット部32の内側の、ユーザの顔の
上に突き出した領域(すなわち、マスクの軸に直交する平面上に突き出している)である
。図4〜10に示す実施形態では、Aはガセット部32のサイドウォール33の内表面
の最も外側まで伸びており、Aを含んでいる。見られるように、マスク10にガセット
部32を付加したことにより、領域Aは領域Aに対して、上述した従来技術のResMed
(登録商標)マスク(図1参照)や日本公開公報第11-397号に開示されているマスクより
も著しく大きくなる。
【0045】
この重要性は以下のことから理解できる。本発明の一形態において、顔にかかるマスク
の力のトータルFは実験式Fm = Fc + FAc = P(Ag - kX) = 2Fscosθによって与えられ
る。患者の顔にかかるクッションの力Fは実験式Fc = P(Ag - Ac - kX)で与えられる。
ヘッドギアストラップにおける力(張力)Fは実験式Fs = P(Ag - kX)/(2cosθ)で与え
られる。ここでkはガセット部の弾性についてのバネ定数であり、Xはマスクシェルの顔
向きの移動量である。図10はまたガセット部32の動作移動範囲であるXを示してい
るが、実際には、マスク内の圧力が顔接触部34をシェル20から遠ざけるように押すと
、Xはガセットが休まされているときに示されているよりも長くなり得る。
【0046】
kは、純粋に機械的なバネに対して、通常は圧力によっては影響されないが、本発明の
マスク内で生じる圧力範囲内では、kは圧力と移動の距離との両方に比例する。したがっ
て、本発明においては、X内で及ぼされるであろう顔にかかる最大の力FはPA
なり、テストから、これがマスク内圧力と移動の距離との両方に比例するファクターkで
減少することがわかる。
【0047】
従来技術のマスクの構成では、ヘッドギアストラップにおける力Fs = (Fc + PAc) /(2c
osθ)であることが図10からわかる。ガセットによって規定される領域Aは顔との接
触領域Acよりも実質的に大きい。ゆえに、クッションが顔に接触する点(F=0およ
びX=0の両方がなりたつ理論上の初期密閉点)では、公知のマスクについてのストラッ
プでの力は、本発明のマスクについてはPAg/(2cosθ)であるのに対して、PAc/(2cosθ)と
なる。しかし、実際には、ゼロより大きい接触力Fが、1)顔の輪郭とクッションが完
全に適合しないため、顔とクッションとの間の密閉を維持するために必要であり、かつ、
2)シェルに対する顔の動きの最中にこの密閉を維持するために必要である。この力は、
公知のマスクシステムではヘッドギアストラップにおける張力によってバランスを保たれ
ており、本発明のマスクシステムではガセット領域のみ、すなわちA−Aにかかる圧
力によってバランスを保たれている。したがって、マスクの空気圧の通常の動作範囲内、
特により低いマスク圧の動作圧力では、ヘッドギアの張力Fは本発明のマスクシステム
においてより低いことがわかる。
【0048】
図10から、本発明のマスクでは、クッションと顔との間の接触力はマスク圧に比例す
る、つまりFc = P(Ag - Ac - kX)であることもわかる。これは、マスクの空気圧が呼吸の
1クール中または呼吸と呼吸との間に変化する、あるいは他の治療上の必要にあうように
変化するような治療において重要な意味をもつ。顔にかかるクッションの力が、マスク内
の圧力に対してほとんど変化しない、あるいは全く変化しないような公知のマスクの構成
では、ストラップの張力は、顔にかかるクッションの接触力がより高い空気圧になったと
きに顔との密閉を維持するほどに十分であるように、低い空気圧でも十分に高く設定され
ていなければならない。
【0049】
本発明の構成については、クッションの接触力およびストラップの張力は、ガセットの
実質的な面積増のためにマスク内の圧力に実質的に影響を受ける。したがって、これらの
両方がマスク内の圧力にほぼ比例するので、これらの両方は低い空気圧では十分に低く、
空気圧がより高くなると増加する。
【0050】
実際には、これは最大のマスク空気圧においてさえ真実であることがわかる。例として
、Aが公知のマスク(例えばResMed Mirage(登録商標)マスク)の)および発明のマ
スク(両方とも、クッションの顔接触部において同様の構成を有している)の両方におい
て同じであると仮定する。FAcは両方の場合で同じである。また、両方のマスクの任意
の適切な位置合わせ、任意の圧力でマスクを密閉するために必要な最小のFは公知およ
び発明のマスクの両方で同じであり、したがって任意の圧力で密閉するために必要となる
は両方の場合で同じである。しかしながら、テストから、マスク空気圧が最大である
ときでさえも、公知のマスクよりも、クッションにかかるより小さな力、顔にかかるより
小さな力、およびストラップのより小さな張力で密閉することがわかる。テストの結果は
現実世界における状況を反映していると考えられる。言い換えると、クッションと同一で
あり完全に適合する顔はなく、マスクと顔との正確な位置あわせを維持するのは極めて難
しい。これは、顔へのマスクの密着を阻むたるんだ皮膚、しわ、および/または肌のひだ
を有する年老いたおよび/あるいは太りすぎの患者の場合によりあてはまる。テストから
、本発明のマスクは、これらのユーザ間の不一致をより取り込むことができ、公知のマス
クよりも低い顔にかかる力で(マスクの空気圧が最大のときでさえ)よりよい密閉能力を
提供することができる。
【0051】
マスクシェルが顔の方向に動いたときに顔にかかる力に関しての本発明のマスクと公知
のマスクとの比較を示す図3を参照してほしい。本発明がガセットの範囲X内にある限
りは、マスクシェルが顔に近づくとき、公知のマスクと同様に、顔にかかる力に急激な増
加は見られない。Xを超えると、顔にかかる力は公知のマスクで生じるよりも劇的に増
加し、それはクッションの顔接触部のみを顔に近づける、もしくは顔に非常に軽く接触す
るように動かすようにヘッドギアを調整するときに望ましい。このように、ガセットは実
質的には圧縮されず、使用時にはマスクが依然としてXの範囲内にある。これは、密閉
がヘッドギアによるクッションの圧縮によってではなくマスク内の圧力によって維持され
るために可能である。ヘッドギアおよびマスクの調整は、したがって、公知のマスクより
も簡単である。異なる患者および治療に対してガセット部分のサイズや形状を変えること
によってXの範囲が変えられるとき、10〜30mmの間のXが効果的であることが
わかる。図3に示す曲線は、10gf/cm(グラム力/センチメートル)のマスク
空気圧に対するものであることに留意されたい。これらの曲線は、マスクの空気圧が増え
たり減ったりすると、上昇したり下降したりすると思われるが、マスクの動作圧力範囲内
では、同じ形状をほぼ維持するであろう。
【0052】
図4〜9に示す本発明の一実施形態では、ガセットおよびクッションは、Dow Corning
(登録商標)からのSilastic(登録商標)94-595 HC液体シリコーンラバーから一体的に
成型され、ガセットのサイドウォール33は0.5mmの一様な厚さを有し、ガセットは
約105mmの(略三角形A)の長い長さを有し、略三角形Aの長い方の長さは約7
1mmである。Xは約25mmである。したがって、ガセット(A)はほぼクッショ
ンの顔接触部を片側で約17mmほど超えて伸びている。これにより、31.5cm
、75cmのA、43.5cmのガセットのみの領域(A−A)および約
2.4(または240%)のA/Aが与えられる。これらの寸法は、異なる力の関係
に対しては望むとおりに変わり得るが、好ましい実施形態ではA/Aは約1.30〜
5.00の範囲内にあり、好ましくは、徐々に範囲を狭めていくと、1.50〜5.00
、2.00〜4.00、2.25〜3.50となる。しかし、1.30〜5.00の全範
囲のいかなる範囲内であってもよく、あるいは状況が許せばその範囲を超えて広がる範囲
であってもよい。これを、上述した日本公開公報で開示されたマスクについての役1.0
8という推定されたA/Aと比較する。
【0053】
マスクの好ましい実施形態では、顔に印加されるトータルの力Fは、gf/cm
マスク空気圧あたり35〜108グラムの間、好ましくgf/cmのマスク空気圧あた
り約40〜88の間、最も好ましくはgf/cmマスク空気圧あたり約50〜88グラ
ムの間で略一定である。顔と接触している表面積によって印加される力Fは、ユーザに
届けられるマスク空気圧に対して略一定の比率に維持され、gf/cmマスク空気圧あ
たり約8〜61グラムの間、好ましくはgf/cmマスク空気圧あたり約27〜61グ
ラムの間、最も好ましくは、マスクの空気圧の4〜25gf/cmの範囲にわたってg
f/cmマスク空気圧あたり約40〜61グラムの間で維持される。この力Fはまた
、マスクの空気圧の4〜25gf/cmの範囲にわたって、ユーザの顔と接触するクッ
ションの周囲中のリニアセンチメートルあたりの加圧された呼吸可能なガスの供給の圧力
gf/cmあたりの約0.3〜4グラムの範囲内に、好ましくはユーザの顔と接触する
クッションの周囲中のリニアセンチメートルあたりの加圧された呼吸可能なガスの供給の
圧力gf/cmあたりの約1〜3グラムの範囲内に、最も好ましくはユーザの顔と接触
するクッションの周囲中のリニアセンチメートルあたりの加圧された呼吸可能なガスの供
給の圧力gf/cmあたりの約1,5〜3グラムの範囲内に維持される。この段落では
様々な力について好ましい力範囲を述べたが、力範囲は、任意の力範囲全体内のいかなる
2点の間に設定することも可能であることを理解されたい。本発明の産業においては、大
半の圧力測定値は水柱センチメートルで与えられ、1水柱センチメートル=1gf/cm
=98.07パスカルである。
【0054】
ガセット部はまた、患者の顔との位置合わせからプラスまたはマイナス約8度の範囲に
わたってマスクが患者の顔との密閉を維持することを可能にする。
【0055】
図3に示す発明のマスクに関する曲線の形状は、ガセットの断面を変えることによって
、あるいはガセットにバックストップを与えることで変化し得る。ガセットが極めて一様
な厚さおよび曲線を有するとき、図6および7に示すように、顔にかかるトータルの力対
顔方向へのマスクの動きを示す曲線は、X内で略直線状となる。マスクシェルがX
方に移動するときにより大きい密閉力がより早期に印加されることがテストにおいてはの
ぞましい。言い換えると、マスクシェルのXへの移動のより早い段階で、任意の圧力で
密閉するための最小の力Cから膨らませたガセットに対する最小の力Dの方に移動するこ
とが有利である。これによって、マスクが動作するより大きな残りの範囲Xが提供され
、その残りの範囲内をXの方にマスクシェルが動くときに顔にかかるマスクの力はより
緩やかに増加する。図12〜14に示す実施形態は、この目的を達成する助けとなる。
【0056】
図12に示す最初の例において、ガセットサイドウォールの底部はサイドウォールを堅
くするように急に厚くされている。この実施形態では、このマスクについての力−変位曲
線は、CからDに向かって動き、それから低下してXに到達するまで略直線状の傾きと
なるので、クッションについての曲線(すなわち、図3に示す公知のマスクについての曲
線)にほぼ追従する。しかしながら、Dの値を変えるとこの曲線も変わる。Dの値は、ガ
セットサイドウォールの堅くなった部分の面積にマスクの圧力を乗じることによって計算
される。ガセットサイドウォールの堅くなった部分は図10においてAとして示してい
る。しかし、もしAの値がガセットサイドウォールの堅くする部分をより大きくするこ
とによって増加すると、Dの値は増加する。図3に示すD'の値と、Aを増加させるべ
くガセットサイドウォールのより大きな部分を厚くした(堅くした)マスクの実施形態に
対応する短い点の鎖線による曲線を参照されたい。したがって、長い点の鎖線による曲線
は図12に示したAs1を有するガセットの実施形態を表し、短い点の鎖線による曲線は
図12に示したAs1よりも大きなAs2を有するガセットの実施形態を表している。図
3から、As2を有するガセットの実施形態は、マスクシェルがXの方に動くにつれて
、As1を有するガセットの実施形態よりも早くに値D'に到達し、それによりマスクシ
ェルが使用時に移動することができる範囲Xをより大きく残すことがわかる。
【0057】
図6および7の実施形態に剛性を有するバックストップを追加することによって、類似
した効果を得ることができる。剛性を有するバックストップ35をガセット部32および
シェル32の一方または両方に取り付けた実施形態を示す図13を参照されたい。剛性を
有するバックストップは、膨らませた状態でガセットのサイドウォールに接触し、接触し
ているサイドウォールの部分にとっての補強剤として機能する。したがって、剛性を有す
るバックストップは、図12の実施形態と同様の効果を提供することができる。バックス
トップ35は、ガセット部の片側または両側に配置することができ、所望の曲線を提供す
るのに必要であれば、ガセット部の周囲の一部あるいは全体に沿って伸ばすこともできる
。バックストップはマスクシェル20と同じ材料から形成することができ、一実施形態で
は、一方または両方のバックストップ35をシェル20と一体的に成型することもできる
。他の実施形態では、所望の力/移動曲線に特別に合わせるために、図6、7、12、1
4および16に示す構成を互いに組み合わせて、つまり、ガセットの片側上の構成の一つ
とガセットの他方の側上の構成とを用いることができる。様々な実施形態の厚さおよび寸
法もまた、力/移動の曲線に特別に合わせるべく変更することができる。ガセットの形状
および寸法を変えることでマスクの力/移動曲線を容易かつ特別に合わせることができる
というこの能力は、本発明の他の類のない有利な局面である。
【0058】
図14に示すように、ガセットがテーパーのついた厚さを有するサイドウォールをもつ
場合、その結果得られる力−変位曲線は図6の実施形態の曲線と図12の実施形態の曲線
との間となる(これら2つの実施形態について匹敵するガセットの底部と中間部分の厚さ
と仮定したとき)。
【0059】
ガセット部は、上述した単一のガセット形態である必要はないが、図15〜18にいく
つかの例を示すように、各例についてAおよびAに沿って他の形状を有することもで
きる。
【0060】
図15は、ガセット部32がクッション30の顔接触部34とマスクシェル20との間
に離間する接合部を提供するダブルガセットの形態をとるマスク10の他の実施形態を示
している。言うまでもなく、ガセット部32の他の実施形態では3つ以上のガセットを用
いることができる。図16は、クッション30の顔接触部34とマスクシェル20との間
で離間する接合部を提供するようにガセット部32が階段状になっているマスク10の他
の実施形態を示している。図16には3段を示しているが、他の実施形態では1段以上の
段を用いることができる。この実施形態のガセットの一つの利点は、ガセット部32のシ
ェル側が完全に開いている、つまり隠れた表面がないのでガセット部32とクッション3
0とを一緒に成型するのが容易であることである。図17は、ガセット部32がクッショ
ン30の底部で軸方向にスライド可能にシェル20のシリンダー部56に噛み合うピスト
ン54の形態であるマスク10の他の実施形態を示している。したがってピストン54は
シェル20に対してクッション30を出入りさせるように動かして、クッション30の顔
接触部34とマスクシェル20との間で離間する接合を実現する。加圧下でピストンおよ
びクッションがシェル20から完全に外れることを防ぐためにシェル20上にストップ5
8を設けることができる。マスク内の空気圧が減少したときにピストン54をシェル20
に押し戻すようにバネ60を随意に設けることができる。バネの存在は、上述したガセッ
ト部の弾性抵抗をシミュレートし、Fの式にkXのファクターを付加する。バネがなけ
れば、kはピストンの移動範囲内では0に等しい。
【0061】
さらに他のマスク形状を図18に示す。これは、より大きい上側のバレル状ガセット7
8と下側のより小さいバレル状のガセット80とを有するガセット部32を備えている。
あるいは、より大きいガセットおよびより小さいガセットは、力の特性に合わせるために
、入れ替えられてもよく、同じサイズとしてもよく、あるいは任意の異なる形状にするこ
とができる。
【0062】
図21は、本発明のマスクの他の実施形態を示しており、ここではガセット部32は、
マスクシェル20の内部192から隔てられた内部容量を有するガセットチャンバ190
を囲む略円形または丸まった断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを備えている。この
実施形態の一例では、ガセットチャンバ190は、サイドウォール33の少なくとも一つ
のポート193を通してマスクシェル内部192に接続され得る。図23を参照してほし
い。このような場合、ガセットチャンバの圧力Pはマスクシェルの内部の圧力Pと同
じであり、ガセット部32の実効領域Aはガセットサイドウォール33の内表面の最も
外側まで伸びており、ガセット部は図10に示す実施形態と同様に動作する。しかしなが
ら、この実施形態の好ましい例では、ガセットチャンバ190内の圧力Pがマスクシェ
ル内部192内の圧力Pとは異なる圧力に制御されるように、ガセットチャンバ190
の内部がサイドウォール33におけるポートを通じて別個のガスの加圧供給部へ接続され
、そしてマスクシェル内部へとつながる。したがって、ガセット部による力は、圧力P
とガセット部の面積との積になる。さらにこの実施形態では、ガセット部の領域は、前記
実施形態におけるようにガセットサイドウォールの内表面の最も外側によっては定義され
ず、クッションのサイドウォールから放射状に内側の領域を含むガセットチャンバ190
全体の突き出した領域となる。ガセットチャンバのこの領域Agcは図21では括弧内に
示している。これにより、ガセット部とマスクとを制御する上で高い柔軟性が与えられる

【0063】
第一に、さらなる密閉力がガセット部から必要とされると、圧力Pは単に増やされ得
、あるいはより小さい密閉力が必要とされればその逆となる。第二に、ガセット部がクッ
ションに与える力は圧力Pとガセット部の面積Agcとの積であるため、面積Agc
前述した実施形態における面積よりも重要度の低いものである。なぜならそれは圧力P
の変化によってずれ得るからである。例えば、ガセット部の外縁部をこの実施形態では前
述した実施形態よりも小さくすることができる。なぜならガセット部の内部の部分はガセ
ット部の加圧された領域に付加されているからである。さらにガセットチャンバの面積A
gcは希望に応じて、圧力Pを変えることによって変えることができ、特に小さくする
ことができる。これにより、マスクを上述した他のマスクと比べて小さくすることができ
、患者にとってより食い込みの少ない、より快適なものとすることができる。
【0064】
圧力Pは、Pに対して比較的一定の割合で制御することができ、あるいは状況が許
せばPに対して異なる割合で制御することができる。大半の治療においては、治療の大
部分、そうでなければ全てに関して、P2はP1よりも大きいと現在は考えられているが
、ある状況下ではP2をP1よりも小さく制御することが望ましくなり得ると予想される
。いくつかの例では、P2は一定に保たれるとも予想される。この実施形態におけるガセ
ットチャンバは第二の加圧されたガス供給部にのみ接続されるか、さもまければ、特に大
気に対して閉じているように意図されている。したがって、ガセットチャンバからは最小
限の漏れでああろうし、第二の加圧ガス供給部は第一の加圧ガス供給部によって呼吸目的
で供給されなければならないガスの容量よりも著しく小さい容量のガスを供給することの
みを必要とする。さらに、PおよびP用の二つの別個の加圧ガス供給源は、同一のガ
スポンプで提供されてもよく、また異なる所望の圧力となるように公知の制御装置によっ
て制御されてもよい。あるいは、二つの異なるガスポンプを、マスク内部192およびガ
スチャンバ190のそれぞれへのガス供給のために用いてPおよびPのそれぞれを別
個に制御することもできる。
【0065】
ガセットチャンバ190は、マスクシェル20と一体的に成型されたポート195とつ
ながるガセットサイドウォール33内のポート194を通して第二のガス供給部に接続さ
れ得る。あるいは、ガセットチャンバ190は、マスクシェル20を迂回して、ガセット
サイドウォール33のポート196を通じて第2のガス供給部に接続することもえきる。
これらの両方の代替例を示している図24を参照されたい。
【0066】
図21の実施形態は、図12〜14に関して上述した厚く/堅くされたガセットサイド
ウォール32の一部分を有し得る。しかし、Pとは異なるPを制御することによって
提供される柔軟性が増加するということは、ガセットサイドウォールもまた、略一様な厚
さとしてもよく、前述した実施形態において堅くすることによって提供された類似した効
果が圧力Pを所望の通りにただ単に変化させることによって本実施形態でも提供される
ことを意味する。
【0067】
図21に示したマスクの他の実施形態では、ガセット部32は、マスク10が使用され
ていないとき、または加圧されてないときに、図22に示すように、略ダイヤモンド形状
の断面を有することもできる。その断面は、ガセットチャンバが加圧されると略円形の断
面にまで膨らみ得る。上述した図17に対応するピストン/シリンダ構成を含むガセット
部32の他の形状もまた用いることができる。
【0068】
クッションもまた他の形状を有することができる。クッション30の部分断面を示して
いる図25〜30を参照されたい。これらの実施形態のそれぞれにおいて、クッション3
0は、顔接触部134として作用する柔軟性のあるメンブレン170を備えている。柔軟
性のあるメンブレン170はクッション30のより剛性の高い支持サイドウォール173
に取り付けられている。これらの実施形態は、図9に示す実施形態が使用しているような
インナーリムを使用しない。各実施形態では、顔接触部134は、クッションが使われて
いないときにサイドウォール173の軸方向の外側の端部174を超えて伸びている。顔
接触部134はサイドウォール173に対して軸方向に動き得、顔接触部134と軸方向
の外側の端部174との間の軸方向の距離を変える。すなわち、クッションにユーザの顔
方向への力が印加されると、顔接触部134は、サイドウォール173の軸方向の外側端
部174の方に軸方向に動きながら引っ込む。サイドウォール173の端部174は、ユ
ーザの顔に接触したときに、この引き込みに対する端部に対するポジティブな歯止めを提
供する。
【0069】
図25および26に示す実施形態では、柔軟性のあるメンブレン170は軸方向の外側
の端部174から軸方向に内側の位置175でサイドウォール173に取り付けられてお
り、メンブレン170の一部分は、位置175と端部174との間をサイドウォール17
3と一緒に軸方向に外側に伸びている。これらの実施形態では、顔接触部134の軸方向
の動きはメンブレン170の柔軟性によって実質的に提供される。例えば、軸方向で外側
の端部174がユーザの顔と接触するときに、より剛性の低いサイドウォール173がユ
ーザにとってより快適であるとして望まれれば、サイドウォール173は、特に位置17
5と端部174との間に中空の部分176を有し得る。図26を参照。
【0070】
図27〜30に示した実施形態では、柔軟性のあるメンブレン170は柔軟性のある接
続部材177でサイドウォール173に接続されており、接続部材177は柔軟剤のある
部材170とサイドウォール173との間における軸方向の動きを提供する。接続部材1
77は、図27に示すような略直線状の断面、図28に示すような巻き込まれた断面、ま
たは他の断面を有し得る。柔軟性のある接続部材177は、図27〜29に示すように軸
方向の外側端部174の近くでサイドウォール173に取り付けられ得、あるいは図30
に示すように、軸方向に内側の位置でサイドウォール173に取り付けられ得る。図26
の実施形態の場合、サイドウォールはより剛性を低くするべく少なくとも部分的に中空と
することができる。図29を参照。好ましい実施形態では、柔軟性のあるメンブレン17
0、柔軟性のある接続部材177、およびサイドウォール173はともに一体的に成型さ
れる。柔軟性のあるメンブレンはクッションのサイドウォールに取り付けられているよう
に図示されているが、他の実施形態では、メンブレンは、マスクシェルの一部が軸方向の
外側端部174として働くようにマスクシェルに直接取り付けられてもよい。
【0071】
図25〜30の実施形態は、上述したガセットの特徴と関連して用いることができ、あ
るいは公知のマスククッションと共に用いることができる。これらの実施形態は、公知の
マスククッションよりも製造が簡単で安価であるクッションにおいて顔との良好な密着特
性を提供する。図27〜30の実施形態では、柔軟性のある接続部材はマスクが加圧され
たときに上述したガセットの特徴と同様に作用することも理解されるであろう。すなわち
、マスク内の圧力は、柔軟性のあるメンブレン170の顔接触部134に付加的な力を行
使すべく柔軟性のある接続部材177に作用し、その付加的な力は上述した実施形態に関
して上述したものと同じ特性を有する。図27〜30の実施形態では、領域Aは上記実
施形態におけるものと同じと測定され、領域Aは接続部材177がサイドウォール17
3にあたるサイドウォール173の内表面と測定される。
【0072】
他の実施形態は、ここで開示した実施形態のいずれの様々な組み合わせを用いることが
できる。
【0073】
本発明のガセット部は、クッションおよびマスクシェルとは別個の構成要素として製造
され得るが、ここで述べた効果を提供するために互いに組み合わせ可能である。
【0074】
減少した接触力、顔にかかる力のトータル、およびマスク内空気圧の範囲にわたる、特
に最大の空気圧を下回るマスク空気圧でのヘッドギアの張力によって、特に患者が眠りに
つこうとするときに夜の始めでは低い圧力で治療を開始する自動滴定装置に関して、患者
の快適さが向上する。向上した密閉性(これはより低い接触力で得ることができる)によ
って、リークの危険が実質的に減少して患者およびそのパートナーの睡眠が妨げられるこ
とが減少する。向上した密閉性はまた、密閉における患者の信頼を増し、患者の治療をよ
り快適なものとする。本発明のマスクのガセット部の鍵となる特徴が患者の利益および処
方された治療へのよりよい適合性へと至る主要な利点をいかにして提供するかを図示する
図19を参照されたい。
【0075】
本発明の他の局面は、マスクシェル20のバッフル23を含むことである。マスクシェ
ル20におけるバッフルの使用はマスク内の空気の動きを向上させる。図4、5および2
0に示す実施形態は、バッフル23はマスクインテイク22とマスク排気口21との間に
配置された平坦な板の形状である。バッフル23は、略水平にマスクの方に伸び得、ある
いは上方または下方に傾き得る。バッフルは平坦な板状である必要はなく、V字状、カー
ブした形状、波状であってもよく、あるいはインテイクからの空気を排気口への直接の流
れからそらすように最良に設計された他の形状をとってもよい。バッフル23はマスクシ
ェルと一体的に成型されてもよく、接着剤または超音波による接着を含む他の公知の方法
によってシェルにくっつけられてもよい。バッフルを有するマスクシェルは、ガセット部
と組み合わせて用いられ得るが、これらの局面のいずれも本発明のマスクに置いて単独で
用いることができる。
【0076】
本発明を、現時点で最も実用的であり好ましい実施形態であると考えられる実施形態に
したがって説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されない。逆に本発明は、付
属のクレームの精神と範囲内に含まれる様々な改変および等価な構成をカバーするように
意図されている。そのクレームは、このような全ての等価な構造を包含するように最も広
く解釈されるべきである。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態
に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが
できる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、
特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】公知のマスクについての力を模式的に示す図である。
【図2】公知のマスクおよび本発明のマスクの両方を患者の顔に固定するために必要な力対マスク内の空気圧を示す図である。
【図3】公知のマスクおよび本発明のマスクの両方を顔に固定するために必要な力対開放された位置から患者の顔方向へのマスクシェルの動きを示す図である。
【図4】本発明のマスクの側面図である。
【図5】図4のマスクの斜視図である。
【図6】膨張前の図4のマスクのガセット部の部分断面図である。
【図7】膨張後の図4のマスクのガセット部の部分断面図である。
【図8】図4のマスクのガセット部のマスクシェル側の先端の図である。
【図9】図4のマスクのクッションの部分断面図である。
【図10】図4のマスクの力を模式的に示している。
【図11】ストラップベースのヘッドギアを用いて患者に取り付けられた本発明のマスクの斜視図である。
【図12】本発明のガセット部の他の実施形態の部分断面図である。
【図13】本発明のガセット部の他の実施形態の部分側面図である。
【図14】本発明のガセット部の他の実施形態の部分断面図である。
【図15】患者の顔と接触している本発明のマスクの他の実施形態の断面図である。
【図16】患者の顔と接触している本発明のマスクの他の実施形態の断面図である。
【図17】患者の顔と接触している本発明のマスクの他の実施形態の断面図である。
【図18】患者の顔と接触している本発明のマスクの他の実施形態の断面図である。
【図19】本発明から得られ、患者によるより向上した治療の適合性へと至る鍵となる特徴、主要な利点、および患者にとって有益な点を図示している。
【図20】本発明の一実施形態のマスクシェルの内部の図である。
【図21】本発明の他の実施形態の概略図である。
【図22】図21に示す実施形態の他の例の概略図である。
【図23】図21に示す実施形態のある例の部分断面図である。
【図24】図21に示す実施形態の他の例の部分断面図である。
【図25】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【図26】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【図27】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【図28】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【図29】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【図30】本発明のマスククッションの他の実施形態の部分断面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 マスク
20 シェル
22 チューブ
23 バッフル
30 クッション
32 ガセット部
33 ガセットサイドウォール
34 顔接触部
35 バックストップ
42 顔
44 鼻
50 ヘッドギア
52 ストラップ
54 ピストン
60 バネ
70 アウターメンブレン
72 インナーリム
134 顔接触部
170 メンブレン
173 サイドウォール
174 端部
177 接続部材
190 ガセットチャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸可能なガスマスク構成であって、
加圧された呼吸可能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりし得るように構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧され
た呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に
突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかか
る前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユー
ザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は少
なくとも1.30であることを特徴とする、呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項2】
前記A/Aの比は1.50から5.00の範囲にあることを特徴とする、請求項1
に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項3】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲にあることを特徴とする、請求項2
に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項4】
前記A/Aの比は2.25から3.50の範囲にあることを特徴とする、請求項3
に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項5】
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の前記距離を少なくとも
15mm変えるように膨らみ、接触しうることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能
ガスのマスク構成。
【請求項6】
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の前記距離を少なくとも
20mm変えるように膨らみ、接触しうることを特徴とする、請求項5に記載の呼吸可能
ガスのマスク構成。
【請求項7】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面を有する柔軟性のあるサイドウォール有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項8】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときには略
三角形の柔軟性のあるサイドウォールを有する複数の相互に接続されたガセットを備えて
おり、前記複数のガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは
略丸みをおびた断面にまで膨らむことを特徴とする、請求項7に記載の呼吸可能ガスのマ
スク構成。
【請求項9】
前記ガセット部は、前記ガセット部の前記第一および第2の側の間の領域内でより大き
い段からより小さい段へとうつる連続した複数の相互に接続された段を備えていることを
特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項10】
前記マスクシェルは軸方向に伸びるシリンダー部を有しており、前記ガセット部は前記
マスクシェルの前記シリンダー部と軸方向にスライド可能に噛み合うピストンの形状であ
ることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項11】
前記マスクシェルと前記ピストンとの間に引き込み力を印加するために前記マスクシェ
ルと前記ピストンとの間に噛み合うバネをさらに備えていることを特徴とする、請求項1
0に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項12】
前記マスクシェルは、前記ピストンの軸方向の動きを制限するように前記ピストンと噛
み合うストップ部を備えていることを特徴とする、請求項11に記載の呼吸可能ガスのマ
スク構成。
【請求項13】
前記ガセット部は複数の相互に接続されたガセットを備えており、前記ガセットの少な
くとも二つは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされる異なるサイズの領域を有
していることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項14】
前記ガセット部は、底部が厚くなった断面を有するサイドウォールを有していることを
特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項15】
前記厚くなった部分は略一様な厚さを有していることを特徴とする、請求項14に記載
の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項16】
前記ガセット部は、厚くなった底部から薄くなった部分へとテーパーの入った断面厚を
有するサイドウォールを備えていることを特徴とする、請求項14に記載の呼吸可能ガス
のマスク構成。
【請求項17】
前記ガセット部の第一のサイドウォール部に接触して前記第一のサイドウォール部の動
きを制限する、前記マスクシェルに取り付けられたほぼ剛性を有するバックストップをさ
らに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項18】
前記ほぼ剛性を有するバックストップは、前記ガセット部の周囲の実質的に全体にわた
って伸びていることを特徴とする、請求項17に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項19】
前記ガセット部の第二のサイドウォール部と接触して前記第二のサイドウォール部の動
きを制限する、前記マスクシェルに取り付けられたほぼ剛性を有する第二のバックストッ
プをさらに備えていることを特徴とする、請求項18に記載の呼吸可能ガスのマスク構成

【請求項20】
前記マスクシェルは、マスクガスインテイクとマスク排気口との間の前記マスクシェル
の内部に配置された、前記インテイクからのガスを前記排気口からの直接の流れからそら
すためのバッフルをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガス
のマスク構成。
【請求項21】
前記バッフルは、前記マスクの水平軸から傾けられた平坦な板の形状を有していること
を特徴とする、請求項20に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項22】
前記ガセット部は、内部容量を取り囲む略円形の断面を有する柔軟性のあるサイドウォ
ールと、前記ガセット部の前記内部容量を前記加圧された呼吸可能ガスの供給に接続する
少なくとも一つのポートとを有していることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸可能ガ
スのマスク構成。
【請求項23】
患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクであって、
加圧された呼吸可能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供するように
構成された第二の部分と、
前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように変位
範囲内で膨らんだり収縮したりすることができ、前記ガセット部は、使用時に前記加圧さ
れた呼吸可能ガスの供給にさらされるガセット領域に作用する前記加圧されたガスの供給
が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように前記
ガセット領域を規定し、前記力Fは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にほぼ一定の割
合に維持され、前記顔にかかる前記マスクのトータルの力Fは、前記マスクの動作圧力
範囲にわたって前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約35〜108
グラムの範囲内に維持されることを特徴とする、マスク。
【請求項24】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約40〜88
グラムの範囲内に維持されることを特徴とする、請求項23に記載のマスク。
【請求項25】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約50〜88
グラムの範囲内に維持されることを特徴とする、請求項24に記載のマスク。
【請求項26】
前記動作圧力範囲は、約4〜25gf/cm2であることを特徴とする、請求項25に記載の
マスク。
【請求項27】
前記ガセット部の膨張および収縮は、前記ユーザの顔に対する前記マスクシェルの角度
のずれがプラスおよびマイナス8度の範囲内で前記クッションと前記ユーザの顔との間に
密閉を維持することを可能にすることを特徴とする、請求項26に記載のマスク。
【請求項28】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項23に記載のマスク。
【請求項29】
前記ガセット部は、底部で厚くなった断面をもつサイドウォールを備えていることを特
徴とする、請求項23に記載のマスク。
【請求項30】
前記厚くなった部分は略一様の厚さを有していることを特徴とする、請求項29に記載
のマスク。
【請求項31】
前記ガセット部は、厚くなった底部から薄くなった部分へとテーパーの入った断面厚を
有するサイドウォールを備えていることを特徴とする、請求項29に記載のマスク。
【請求項32】
前記ガセット部の第一のサイドウォール部に接触して前記第一のサイドウォール部の動
きを制限する、前記マスクシェルに取り付けられたほぼ剛性を有するバックストップをさ
らに備えていることを特徴とする、請求項23に記載のマスク。
【請求項33】
前記ほぼ剛性を有するバックストップは、前記ガセット部の周囲の実質的に全体にわた
って伸びていることを特徴とする、請求項32に記載のマスク。
【請求項34】
患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクであって、
加圧された呼吸可能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供するように
構成された第二の部分と、
前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように変位
範囲内で膨らんだり収縮したりすることができるように構成されており、前記ガセット部
は、使用時に前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされるガセット領域に作用する前
記加圧されたガスの供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要
素を提供するように前記ガセット領域を規定し、前記力Fは約4〜25gf/cm2の動作圧
力範囲にわたって、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約8〜61
グラムの範囲に維持されることを特徴とする、マスク。
【請求項35】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約27〜61
グラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項34に記載のマスク。
【請求項36】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約40〜61
グラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項35に記載のマスク。
【請求項37】
前記顔にかかる前記マスクのトータルの力Fは、前記マスクの動作圧力範囲にわたっ
て、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約35〜88グラムの範囲
に維持されることを特徴とする、請求項36に記載のマスク。
【請求項38】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約40〜88
グラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項37に記載のマスク。
【請求項39】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力1gf/cm2あたり約50〜88
グラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項38に記載のマスク。
【請求項40】
前記ガセット部の膨張および収縮は、前記ユーザの顔に対する前記マスクシェルの角度
のずれがプラスおよびマイナス8度の範囲内で前記クッションと前記ユーザの顔との間に
密閉を維持することを可能にすることを特徴とする、請求項39に記載のマスク。
【請求項41】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項34に記載のマスク。
【請求項42】
前記ガセット部は、底部で厚くなった断面をもつサイドウォールを備えていることを特
徴とする、請求項34に記載のマスク。
【請求項43】
前記厚くなった部分は略一様の厚さを有していることを特徴とする、請求項42に記載
のマスク。
【請求項44】
前記ガセット部は、厚くなった底部から薄くなった部分へとテーパーの入った断面厚を
有するサイドウォールを備えていることを特徴とする、請求項42に記載のマスク。
【請求項45】
前記ガセット部の第一のサイドウォール部に接触して前記第一のサイドウォール部の動
きを制限する、前記マスクシェルに取り付けられたほぼ剛性を有するバックストップをさ
らに備えていることを特徴とする、請求項34に記載のマスク。
【請求項46】
前記ほぼ剛性を有するバックストップは、前記ガセット部の周囲の実質的に全体にわた
って伸びていることを特徴とする、請求項45に記載のマスク。
【請求項47】
呼吸可能なガスマスク構成であって、
加圧された呼吸可能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりし得るように構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧され
た呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に
突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかか
る前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユー
ザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は1
.00よりも大きく、前記顔にかかる前記マスクのトータルの力Fの変化は、任意の動
作圧力で、初期の密閉位置からの前記ユーザの顔方向への約6〜25mmの範囲内での前
記マスクシェルの変位にほぼ直接比例することを特徴とする、呼吸可能ガスのマスク構成

【請求項48】
前記マスクシェルの変位は約10〜20mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項
47に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項49】
前記A/Aの比は1.50から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
48に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項50】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項49に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項51】
加圧された呼吸可能なガスを受けとるように適合された呼吸可能ガスのマスク構成のマ
スクシェルと顔接触クッションとの間の配置のための装置であって、
前記マスクシェルのユーザ側に取り付け可能である第一の側と、前記クッションに取り
付け可能である第二の側とを有するガセット部を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりできるように構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧され
た呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に
突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかか
る前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユー
ザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は少
なくとも1.30であることを特徴とする、装置。
【請求項52】
前記A/Aの比は1.50から5.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
51に記載の装置。
【請求項53】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
52に記載の装置。
【請求項54】
前記A/Aの比は2.25から3.50の範囲内にあることを特徴とする、請求項
53に記載の装置。
【請求項55】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
加圧された呼吸可能なガスを受けとるように適合された呼吸可能ガスのマスク構成のマ
スクシェルに取り付けられるクッションアセンブリであって、
前記マスクシェルのユーザ側に取り付け可能である第一の側と、第二の側とを有するガ
セット部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられる第一の部分と、使用時にはユーザの顔
に接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するように構成された第
二の部分とを有するクッションと
を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりできるように構成されており、前記ガセット部の内部は前記加圧され
た呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は、前記ユーザの顔上に
突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給が前記ユーザの顔にかか
る前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように、前記クッションが前記ユー
ザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域Aを有しており、A/Aの比は少
なくとも1.30であることを特徴とする、クッションアセンブリ。
【請求項57】
前記A/Aの比は1.50から5.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
56に記載のクッションアセンブリ。
【請求項58】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
57に記載のクッションアセンブリ。
【請求項59】
前記A/Aの比は2.25から3.50の範囲内にあることを特徴とする、請求項
58に記載のクッションアセンブリ。
【請求項60】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項58に記載のクッションアセンブリ。
【請求項61】
加圧された呼吸可能なガスをユーザに供給するマスクアセンブリであって、
前記加圧された呼吸可能ガスを受け取るように適合された部分を有するマスクシェルと

使用時にユーザの顔と接触し、前記マスクアセンブリと前記ユーザの顔との間に密閉を
提供する部分を有するクッションと、
前記マスクシェルと前記クッションとの間に取り付けられるサスペンション機構と、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるヘッドギアと
を備えており、
前記サスペンション機構は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変える
ように膨らんだり収縮したりできるように構成されており、前記サスペンション機構の内
部は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記サスペンション機構の内
部は、前記ユーザの顔上に突出した領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供
給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように、
前記クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きい前記領域Aを有して
おり、A/Aの比は少なくとも1.30であることを特徴とする、マスクアセンブリ

【請求項62】
前記A/Aの比は1.50から5.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
61に記載のマスクアセンブリ。
【請求項63】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
62に記載のマスクアセンブリ。
【請求項64】
前記A/Aの比は2.25から3.50の範囲内にあることを特徴とする、請求項
63に記載のマスクアセンブリ。
【請求項65】
前記サスペンション機構は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないと
きに略三角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えて
おり、前記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸み
をおびた断面に膨らむことを特徴とする、請求項63に記載のマスクアセンブリ。
【請求項66】
患者に呼吸可能ガスを届けるためのマスクであって、
加圧された呼吸可能ガスの供給を受け取るように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にはユーザの顔に接触して前記マスクと前記ユーザの顔との間に密閉を提供するように
構成された第二の部分と、
前記マスクシェルを前記ユーザに取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように変位
範囲内で膨らんだり収縮したりすることができるように構成されており、使用時に前記加
圧された呼吸可能ガスの供給にさらされるガセット領域に作用する前記加圧されたガスの
供給が前記ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供するように
前記ガセット部が前記ガセット領域を規定し、前記力Fは約4〜25gf/cm2の動作圧力
範囲にわたって、前記ユーザの顔と接触する前記クッションの周囲のリニアセンチメート
ルあたり前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約0.3〜4グラムの範
囲内に維持されることを特徴とする、マスク。
【請求項67】
前記力Fは、前記ユーザの顔と接触する前記クッションの周囲のリニアセンチメート
ルあたり前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約0.5〜4グラムの範
囲内に維持されることを特徴とする、請求項66に記載のマスク。
【請求項68】
前記力Fは、前記ユーザの顔と接触する前記クッションの周囲のリニアセンチメート
ルあたり前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約1〜3グラムの範囲内
に維持されることを特徴とする、請求項67に記載のマスク。
【請求項69】
前記力Fは、前記ユーザの顔と接触する前記クッションの周囲のリニアセンチメート
ルあたり前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約1.5〜3グラムの範
囲内に維持されることを特徴とする、請求項68に記載のマスク。
【請求項70】
前記顔にかかる前記マスクのトータルの力Fは、前記マスクの動作圧力範囲にわたっ
て、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約35〜88グラムの範囲内
に維持されることを特徴とする、請求項69に記載のマスク。
【請求項71】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約40〜88グ
ラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項70に記載のマスク。
【請求項72】
前記力Fは、前記加圧された呼吸可能ガスの供給の圧力gf/cm2あたり約50〜88グ
ラムの範囲に維持されることを特徴とする、請求項71に記載のマスク。
【請求項73】
前記ガセット部の膨張および収縮は、前記ユーザの顔に対する前記マスクシェルの角度
のずれがプラスおよびマイナス8度の範囲内で前記クッションと前記ユーザの顔との間に
密閉を維持することを可能にすることを特徴とする、請求項72に記載のマスク。
【請求項74】
前記ガセット部は、前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされていないときに略三
角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、前
記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされているときは略丸みをおびた
断面に膨らむことを特徴とする、請求項72に記載のマスク。
【請求項75】
加圧された空気を受け取りユーザに供給するためのユーザに取り付け可能なマスクアセ
ンブリであって、
ユーザの顔に接触するクッションと、
前記クッションを軸方向に移動可能に支持し、前記空気の圧力に比例して前記クッショ
ンに第一の軸方向のバネ力を与えるように前記加圧された空気にさらされるサスペンショ
ン機構であって、前記第一の軸方向のバネ力は、前記クッションに直接作用する前記加圧
された空気のため前記クッションにかかる第二の軸方向のバネ力よりも少なくとも30%
大きい、サスペンション機構と
を備えていることを特徴とするマスクアセンブリ。
【請求項76】
前記第一の軸方向のバネ力は、前記第二の軸方向のバネ力よりも200%と400%の
間で大きいことを特徴とする、請求項75に記載のマスクアセンブリ。
【請求項77】
前記サスペンション機構は、前記加圧された呼吸可能ガスにさらされていないときに略
三角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、
前記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスにさらされているときは略丸みをおびた断面
に膨らむことを特徴とする、請求項76に記載のマスクアセンブリ。
【請求項78】
加圧された空気を受け取り、ユーザに供給するためのユーザに取り付け可能なマスクア
センブリであって、
マスクシェルと、
ユーザの顔に接触するクッションであって、前記ユーザの顔上の第一の突出した領域を
有するクッションと、
前記マスクシェルに取り付けられ、前記クッションを軸方向に移動可能に支持するサス
ペンション機構であって、前記顔上の前記第一の突出した領域よりも少なくとも30%大
きい前記ユーザの顔上の第二の突出した領域を有しているサスペンション機構と
を備えていることを特徴とするマスクアセンブリ。
【請求項79】
前記第二の突出した領域は、前記第一の突出した領域よりも200%と400%の間で
大きいことを特徴とする、請求項78に記載のマスクアセンブリ。
【請求項80】
前記サスペンション機構は、前記加圧された呼吸可能ガスにさらされていないときに略
三角形の断面をもつ柔軟性のあるサイドウォールを有する単一のガセットを備えており、
前記ガセットは前記加圧された呼吸可能ガスにさらされているときは略丸みをおびた断面
に膨らむことを特徴とする、請求項79に記載のマスクアセンブリ。
【請求項81】
呼吸可能なガスマスク構成であって、
加圧された呼吸可能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側上に軸方向
に伸びるシリンダー部とを有するマスクシェルと、
軸方向にスライド可能に前記マスクシェルの前記シリンダー部に噛み合うピストンの形
状であり第一の側と、第二の側とを有するガセット部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ピストンは、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように前記
マスクシェルの前記シリンダー部において軸方向にスライド可能であり、前記ピストンの
表面は前記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ピストンの表面は前記
クッションが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きいユーザの顔上に突出した領
域Aを有しており、前記領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給は前記
ユーザの顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供し、A/Aの比は
1.00よりも大きいことを特徴とする、呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項82】
前記マスクシェルと前記ピストンの間に噛み合って前記マスクシェルと前記ピストンの
間に引き込み力を印加するバネをさらに備えていることを特徴とする、請求項81に記載
の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項83】
前記マスクシェルは、前記ピストンと噛み合って前記ピストンの軸方向の動きを規制す
るストップ部を備えていることを特徴とする、請求項82に記載の呼吸可能ガスのマスク
構成。
【請求項84】
前記A/Aの比は1.50から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
83に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項85】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
81に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項86】
呼吸可能なガスマスク構成であって、
加圧された呼吸可能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりすることができるように構成されており、前記ガセット部の内部は前
記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は前記クッシ
ョンが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きいユーザの顔上に突出した領域A
を有しており、前記領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給は前記ユーザ
の顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供し、A/Aの比は1.0
0よりも大きく、前記ガセット部は底部で厚くなった断面をもつサイドウォールを有する
ことを特徴とする、呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項87】
前記厚くなった部分は略一様の厚さを有していることを特徴とする、請求項86に記載
の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項88】
前記A/Aの比は1.50から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
87に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項89】
前記ガセット部は、厚くなった底部から薄くなった部分にかけてテーパーの入った断面
厚をもつサイドウォールを有することを特徴とする、請求項86に記載の呼吸可能ガスの
マスク構成。
【請求項90】
前記A/Aの比は1.50から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
89に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項91】
呼吸可能なガスマスク構成であって、
加圧された呼吸可能なガスの供給を受けるように適合された部分とユーザ側とを有する
マスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有するガセット
部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔と接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間の密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有するクッションと、
前記ユーザに前記マスクシェルを取り付けるように構成されたヘッドギアと、
前記マスクシェルに取り付けられ、前記ガセット部の第一のサイドウォール部に接触し
て前記第一のサイドウォール部の動きを規制する略剛性を有するバックストップと
を備えており、
前記ガセット部は、前記マスクシェルと前記クッションとの間の距離を変えるように膨
らんだり収縮したりすることができるように構成されており、前記ガセット部の内部は前
記加圧された呼吸可能ガスの供給にさらされており、前記ガセット部の内部は前記クッシ
ョンが前記ユーザの顔と接触する領域Aよりも大きいユーザの顔上に突出した領域A
を有しており、前記領域Aに作用する前記加圧された呼吸可能ガスの供給は前記ユーザ
の顔にかかる前記クッションの接触力Fの構成要素を提供し、A/Aの比は1.0
0よりも大きいことを特徴とする、呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項92】
前記バックストップは前記ガセット部の周縁部の実質的に全体に沿って伸びていること
を特徴とする、請求項91に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項93】
前記マスクシェルに取り付けられ、前記ガセット部の第二のサイドウォール部に接触し
て前記第二のサイドウォール部の動きを規制する略剛性を有する第二のバックストップを
さらに備えていることを特徴とする、請求項92に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項94】
前記第一および第二のバックストップの少なくとも一方は前記マスクシェルに間接的に
取り付けられていることを特徴とする、請求項93に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項95】
前記A/Aの比は1.50から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
92に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項96】
前記A/Aの比は2.00から4.00の範囲内にあることを特徴とする、請求項
91に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項97】
呼吸可能ガスのマスク構成であって、
加圧された呼吸可能ガスの第一の供給を受け取るように適応された部分とユーザ側とを
有しているマスクシェルと、
前記シェルの前記ユーザ側に取り付けられた第一の側と、第二の側とを有しているガセ
ット部と、
前記ガセット部の前記第二の側に取り付けられるように構成された第一の部分と、使用
時にユーザの顔に接触して前記マスク構成と前記ユーザの顔との間に密閉を提供するよう
に構成された第二の部分とを有しているクッションと、
前記マスク構成を前記ユーザに取り付けるように構成されたヘッドギアと
を備えており、
前記ガセット部は、膨らんだり収縮して前記マスクシェルと前記クッションとの間の距
離を変えることができるように構成されており、前記ガセット部は、前記マスクシェルの
内部とは隔てられた内部容量を持つガセットチャンバを取り囲む断面を有する柔軟性のあ
るサイドウォールを有しており、前記サイドウォールは加圧されたガスの第二の供給に前
記ガセットチャンバを接続する少なくとも一つのポートを有していることを特徴とする呼
吸可能ガスのマスク構成。
【請求項98】
前記加圧されたガスの第二の供給の圧力は、治療の少なくとも一部の期間中は前記加圧
されたガスの第一の供給の圧力とは異なる圧力に維持されることを特徴とする、請求項9
7に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項99】
前記加圧されたガスの第二の供給の圧力は、治療の少なくとも一部の期間中は前記加圧
されたガスの第一の供給の圧力に関連して制御されることを特徴とする、請求項98に記
載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項100】
前記加圧されたガスの第二の供給の圧力は、治療の少なくとも一部の期間中は前記加圧
されたガスの第一の供給の圧力とは独立して制御されることを特徴とする、請求項98に
記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項101】
前記ガセットチャンバは略円形の断面を有することを特徴とする、請求項97に記載の
呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項102】
前記ガセットチャンバは、前記マスクが使用されていないときは略ダイヤモンド状の断
面を有しており、前記ガセットチャンバが前記加圧されたガスの第二の供給に接続されて
いるときは略円形の断面にまで膨らむことを特徴とする、請求項97に記載の呼吸可能ガ
スのマスク構成。
【請求項103】
前記マスクシェルは、前記マスクシェルと一体的にそれを貫いて成型されており、かつ
前記加圧されたガスの第二の供給に前記サイドウォールポートを相互に接続するポートを
有することを特徴とする、請求項97に記載の呼吸可能ガスのマスク構成。
【請求項104】
装着者の顔に呼吸用マスクを密着して取り付けるためのマスククッションであって、該
クッションは、
軸方向に外側の端部を有するサイドウォールと、
前記サイドウォールに取り付けられた柔軟性のあるメンブレンであって、前記サイドウ
ォールの前記外側端部を超えた位置まで軸方向に伸びている顔接触部を有し、かつ前記伸
びている位置と、前記サイドウォールの前記外側端部が前記装着者の顔に接触する引き込
み位置との間で軸方向に移動して前記メンブレンの軸方向のさらなる動きを制限するよう
に構成されたメンブレンと
を備えていることを特徴とするマスククッション。
【請求項105】
前記メンブレンの前記顔接触部の前記軸方向の動きは、前記メンブレンの柔軟性によっ
て実質的に提供されることを特徴とする、請求項104に記載のマスククッション。
【請求項106】
前記メンブレンは、前記軸方向に外側の端部よりも軸方向に内側の位置で前記サイドウ
ォールに取り付けられており、前記メンブレンの一部は、前記サイドウォールの一部と一
緒に軸方向に外側に伸びていることを特徴とする、請求項105に記載のマスククッショ
ン。
【請求項107】
前記サイドウォールは、前記サイドウォールの柔軟性を増すべく、少なくとも部分的に
中空であることを特徴とする、請求項106に記載のマスククッション。
【請求項108】
前記サイドウォールは、前記取り付け位置と前記軸方向に外側の端部との間で少なくとも
部分的に中空であることを特徴とする、請求項107に記載のマスククッション。
【請求項109】
前記柔軟性のあるメンブレンを前記サイドウォールに接続する柔軟性のある接続部材を
さらに備えており、前記接続部材は前記メンブレンと前記サイドウォールとの間の相対的
な軸方向の動きを可能にすることを特徴とする、請求項104に記載のマスククッション

【請求項110】
前記接続部材は巻き込まれた断面を有することを特徴とする、請求項109に記載のマ
スククッション。
【請求項111】
前記接続部材は、前記軸方向に外側の端部から軸方向に内側の位置で前記サイドウォー
ルに取り付けられており、前記メンブレンの一部は、前記サイドウォールの一部と一緒に
軸方向に外側に伸びていることを特徴とする、請求項109に記載のマスククッション。
【請求項112】
前記接続部材は巻き込まれた断面を有することを特徴とする、請求項111に記載のマ
スククッション。
【請求項113】
前記サイドウォールは、前記サイドウォールの柔軟性を増すべく、少なくとも部分的に
中空であることを特徴とする、請求項111に記載のマスククッション。
【請求項114】
前記サイドウォールは、前記取り付け位置と前記軸方向の外側の端部との間で少なくと
も部分的に中空であることを特徴とする、請求項113に記載のマスククッション。
【請求項115】
前記サイドウォールは、前記サイドウォールの柔軟性を増すべく、少なくとも部分的に
中空であることを特徴とする、請求項109に記載のマスククッション。
【請求項116】
前記サイドウォールは、前記取り付け位置と前記軸方向の外側の端部との間で少なくと
も部分的に中空であることを特徴とする、請求項115に記載のマスククッション。
【請求項117】
前記サイドウォールは、前記サイドウォールの柔軟性を増すべく、少なくとも部分的に
中空であることを特徴とする、請求項104に記載のマスククッション。
【請求項118】
前記サイドウォールは、前記取り付け位置と前記軸方向の外側の端部との間で少なくと
も部分的に中空であることを特徴とする、請求項117に記載のマスククッション。
【請求項119】
マスクシェルと、
前記マスクシェルを前記装着者の頭部に取り付けるヘッドギアと
をさらに備えているマスククッションであって、
前記クッションは、前記マスクシェルを前記装着者の頭部に密閉して接続するためにマ
スクシェルに取り付けられることを特徴とする、請求項118に記載のマスククッション

【請求項120】
マスクシェルと、
前記マスクシェルを前記装着者の頭部に取り付けるヘッドギアと
をさらに備えているマスククッションであって、
前記クッションは、前記マスクシェルを前記装着者の頭部に密閉して接続するためにマ
スクシェルに取り付けられることを特徴とする、請求項104に記載のマスククッション

【請求項121】
マスクシェルと、
前記マスクシェルを前記装着者の頭部に取り付けるヘッドギアと
をさらに備えているマスククッションであって、
前記クッションは、前記マスクシェルを前記装着者の頭部に密閉して接続するためにマ
スクシェルに取り付けられることを特徴とする、請求項109に記載のマスククッション

【請求項122】
前記柔軟性のあるメンブレンは、前記サイドウォールの内側に取り付けられており、内
側に湾曲したリムの形状をとることを特徴とする、請求項104に記載のマスククッショ
ン。
【請求項123】
前記柔軟性のあるメンブレンは、前記サイドウォールの内側に取り付けられており、内
側に湾曲したリムの形状をとることを特徴とする、請求項109に記載のマスククッショ
ン。
【請求項124】
前記柔軟性のあるメンブレンは、前記サイドウォールの内側に取り付けられており、内
側に湾曲したリムの形状をとることを特徴とする、請求項120に記載のマスククッショ
ン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2011−200744(P2011−200744A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160766(P2011−160766)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【分割の表示】特願2005−337371(P2005−337371)の分割
【原出願日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD