説明

ガラスプレス成形機

【課題】
ガラスプレス成形機において、常温の成形ブロックの加熱ステージ投入により、第1加熱ゾーン部の温度降下は最大となり、この温度の設定温度までの復帰時間が全サイクルタイムを決定していた。また、温度降下を最小にするため投入部の熱容量を上げる必要があるが、不必要なゾーンまで熱容量を上げざるを得ずコスト上問題があった。
【解決手段】
各加熱ゾーン部の熱容量を決める加圧板の厚さを成形ブロックの温度と各加熱ゾーンの設定温度との温度差により決めることで、第1加熱ゾーン部の加圧板を最大として熱容量を上げ、それにより温度降下を小にしてサイクルタイムを短縮すると同時に必要箇所の加圧板のみ厚くできるのでコストダウンが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスプレス成形機の加熱上下ブロックの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラスプレス成形機は、複数の成形ステージを内包したチャンバ内で、硝材を内包した成形ブロックを上下ブロック部の温度や加圧力等を最適に調整しながら成形し、加熱ステージ、加圧ステージおよび冷却ステージへと順次ステージ間を定ピッチで搬送しながら高精度のレンズ等の光学素子(以下レンズという)を成形している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6は特許文献1に示される従来のガラスプレス成形機の製造装置の正面図である。
この図を参照してガラスプレス成形装置の構成とシーケンスを簡単に説明する。
【0004】
図6において、架台60上に加熱炉として使用するチャンバ61が配設され、チャンバ61には、成形ブロック75を搬入する入り口と冷却後の成形ブロック75を搬出する出口が設けられ、それぞれに入り口シャッタ83と出口シャッタ84が配設されている。
【0005】
また、チャンバ61の入り口には投入プッシャ81をもつ供給ステージ80が、出口には取り出しステージ82がそれぞれ配設されている。
【0006】
チャンバ61内に第1加熱ステージ62、第2加熱ステージ63、加圧ステージ64および冷却ステージ65が設けられ、各ステージには上下1対で温度制御可能なヒータ70を取り付けた温度制御ブロック87が配設されている。
【0007】
下側の温度制御ブロック87は、断熱板88を介してチャンバ61に配設され、上側の温度制御ブロック87は断熱板73を介して、上下可動自在な駆動シリンダ72に配設され成形ブロック75を押圧する機能を有している。
【0008】
温度制御ブロック87の表面には、加圧板71が配設され、さらに、加圧板71の表面には加圧板71の酸化を防ぐための薄膜86が形成されている。
【0009】
また、加圧ステージ64の上側の加圧板71下面には成形ブロック75を構成する上型が加圧板71に密着して抜け出ることを防止するための離型治具85が配設されている。
【0010】
次ぎに、図6により前記構成のガラスプレス成形機のシーケンスについて説明する。
硝材を内包した成形ブロック75を供給ステージ80上に載置する。
【0011】
硝材が適正な成形温度プロフィルをたどるように、各ステージ温度と成形サイクルを設定(制御盤は図示せず)し、その後、成形ブロック75は、投入プッシャ81によりチャンバ61内に搬送され、加熱ステージでは加熱工程が、加圧ステージでは加圧工程が、冷却ステージでは冷却工程がそれぞれ進行する。
【0012】
各成形工程終了後、チャンバ61内に設置された搬送装置(図示せず)により、成形ブロック75は次の工程へ順次搬送される。
【0013】
例えば、冷却ステージ65の加圧板71上の成形ブロック75は、取り出しステージ82上に搬送され、その後、搬送装置は元の位置に引き戻され原点位置に復帰する。
【0014】
同時に次工程で成形される成形ブロック75は、供給システム80上に載置される。
順次この動作を一定時間ごとに繰り返して、ガラス成形を連続的に行う。
【0015】
【特許文献1】特開平8−259240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
加熱ステージの各ゾーンにおいて、成形ブロックが次のゾーンに搬送されるためには、各ゾーンがそのゾーンの設定温度に達して成形ブロックの加熱を完了することが必須条件の1つとなる。
【0017】
第1加熱ゾーンにおいては常温の成形ブロックが投入されてくるので、第2および第3加熱ゾーンと比較して成形ブロックの温度と第1加熱ゾーンの設定温度との温度差は最大となり、成形ブロックに奪われる熱量も最大となる。
【0018】
このため、第1加熱ゾーンの温度降下は最大となり、この降下温度が設定温度まで復帰して安定するまでの長い復帰時間が全体のサイクルタイムを決めている。
【0019】
この復帰時間を短縮するためには、第1加熱ステージを構成する加圧板を厚くして熱容量をあげ、温度降下を小とすることが必要であるが、従来の均等板厚(均等熱容量)構造では成形ブロックとの温度差が少ないゾーンの加圧板まで厚くせざるを得ずコストアップとなる。
【0020】
そこで、本発明は、これら従来のガラスプレス成形機の問題点を解決してサイクルタイムを短縮して生産性を向上させ、コストダウンを図ることができるガラスプレス成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そのため、チャンバ内に成形ブロックの加熱ステージ、加圧ステージおよび冷却ステージが配設されるガラスプレス成形機において、加熱ステージは、複数のゾーンからなり、各ゾーンの加熱下ブロックを構成する加圧板の熱容量は、ゾーンごとに決められるものとし、同様に各ゾーンの加熱上ブロックを構成する加圧板の熱容量は、ゾーンごとに決められるものとした。
【0022】
加圧板の熱容量は、加圧板と加圧板上に載置される成形ブロックとの温度差に応じて決められるものとし、加圧板と成形ブロックとの温度差が大となるほど大きくされるものとした。
【0023】
実施例1では、加圧板の熱容量は、第1加熱ゾーン>第2および第3加熱ゾーンとした。
【0024】
実施例2では、加圧板の熱容量は、第1加熱ゾーン>第2加熱ゾーン>第3加熱ゾーンとした。
【0025】
実施例3では、加圧板の熱容量は、第1加熱ゾーン>第2および第3加熱ゾーンとした。
【発明の効果】
【0026】
第1加熱ゾーンにおいて、加圧板の厚さを最大にして熱容量をあげることで成形ブロック載置時の第1加熱ゾーンの温度降下を小とし、加熱工程進行にともなう設定温度への復帰して安定するまでの時間を短縮することで全体のサイクルタイムの短縮ができる。
【0027】
第2加熱ゾーン以降についても同様にして加圧板の厚さを決めることで、必要な箇所の加圧板のみ厚くすることができ、全ゾーンの加圧板を厚くするのに比較してコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1を示すガラスプレス成形機の成形部の概略図、図2は同じく加熱ステージ部の説明図、図3は同じく加熱ステージ部の第1加熱ゾーンの温度・時間を示すチャート図、図4は本発明の実施例2を示す加熱ステージ部の説明図、図5は本発明の実施例3を示す加熱ステージ部の説明図である。
【0029】
図1において、1は成形部であり、チャンバ2の内部には、加熱ステージ、加圧ステージおよび冷却ステージが横方向1列に配設されており、さらに、加熱ステージは、第1加熱ゾーンS1、第2加熱ゾーンS2および第3加熱ゾーンS3とからなっている。
【0030】
チャンバ2内に配設された架台3上には第1加熱ゾーンS1の加熱下ブロック13、第2加熱ゾーンS2および第3加熱ゾーンS3の加熱下ブロック14、加圧下ブロック16および冷却下ブロック17、18が横方向(図中左右方向)1列に配設されている。
【0031】
その上方には各下ブロック13、14、16、17、18に対応して加熱上ブロック5、6、加圧上ブロック8および冷却上ブロック9、10がそれぞれ配設されている。
【0032】
各上ブロック(詳細は後述)5、6、8、9、10は、それぞれ駆動シリンダ54を介して所要ストロークだけ前後進自在(図中上下方向)に移動可能となっている。
【0033】
成形ブロック40は、円筒状の胴型42と、胴型42の上方より挿入された上型41と、下方より挿入された下型43と、その中間部に内包された硝材44とから構成されている。
【0034】
また、酸化防止のため不活性ガスを注入するためのガス吹出口53がチャンバ2の上部2箇所に設けられ、開閉自在のシャッタ48、51の適切なタイミングでの開閉によりチャンバ2内の雰囲気をコントロールしている。
【0035】
加熱下ブロック13とチャンバ2の外部とはシャッタ48が設けられた投入口49を介して準備台45が連設され、準備台45にはシリンダ47と押し棒46が配設されている。
【0036】
冷却下ブロック18とチャンバ2の外部とはシャッタ51が設けられた回収口52を介して受台50が配設されている。
【0037】
また、チャンバ2の背面側には搬送装置(図示せず)が配設され、成形ブロック40をシーケンスにもとづき次工程へと搬送している。なお、白抜きの矢印は工程の流れを示している。
【0038】
図2において、架台3、成形ブロック40、駆動シリンダ54、第1加熱ゾーンS1、第2加熱ゾーンS2および第3加熱ゾーンS3は図1と同一であるので同一番号をつけ詳細説明は省略する。
【0039】
第1加熱ゾーンS1の加熱下ブロック13は、全高さGで、スペーサ30、ヒータブロック23、加圧板20および断熱板27とから構成されている。
【0040】
加圧板20の下面にはヒータブロック23が配設され、その側面にはヒータブロック23下面から加圧板20の上面よりわずか下までの寸法の断熱板27が配設されている。
【0041】
ヒータブロック23は、ヒータブロック23の上面からの設定位置にセンサ36とヒータ35が埋設され、さらに、ヒータブロック23は、スペーサ30の上面に配設され、スペーサ30は架台3の上面に配設されている。
【0042】
加圧板20は厚さL1で、加圧板20の上面には成形ブロック40が載置されている。
【0043】
加熱下ブロック13に対向して配設された加熱上ブロック5は、全高さHで、スペーサ24、ヒータブロック23、加圧板20および断熱板27とから構成されている。
【0044】
ヒータブロック23は、スペーサ24の下面に配設され、さらに、スペーサ24の上面は駆動シリンダ54に取り付けられている。
【0045】
第2加熱ゾーンS2、第3加熱ゾーンS3および加圧ステージにおける各上下ブロックの構造は第1加熱ゾーンと同様なので詳細説明は省略する。
【0046】
第2加熱ゾーンS2および第3加熱ゾーンS3の加熱下ブロック14は、全高さGで、スペーサ31、ヒータブロック23、厚さL2の加圧板21および断熱板28とから構成されている。
【0047】
加熱下ブロック14に対向して配設された加熱上ブロック6は、全高さHで、スペーサ25、ヒータブロック23、加圧板21および断熱板28とから構成されている。
【0048】
加圧ステージの加圧下ブロック16は、全高さGで、スペーサ32、ヒータブロック23、厚さL3の加圧板22および断熱板29とから構成されており、従来例では厚さL3の加圧板22が全ステージに使用されている。
【0049】
加圧下ブロック16に対向して配設された加圧上ブロック8は、全高さHで、スペーサ26と、ヒータブロック23、加圧板22および断熱板29とから構成されている。
【0050】
それぞれの加圧板20、21、22の厚さL1、L2、L3の寸法は、L1>L2>L3となっており、載置される成形ブロック40との温度差が最大となる加熱第1ゾーンS1部の加圧板20の厚さが最大、すなわち、熱容量が最大とされている。
【0051】
第2加熱ゾーンS2の加圧板21の厚みL2は、第1加熱ゾーンS1から搬送されてきた成形ブロック40の温度と第2加熱ゾーンS2の設定温度との差から成形ブロック40の温度が成形サイクル中に第2加熱ゾーンの設定温度に復帰するよう決められている。
【0052】
第3加熱ゾーンS3の加圧板21の厚さL2は、第2加熱ゾーンと同様にして決められている。
【0053】
なお、下ブロック部においては各スペーサ30、31、32の厚さ寸法を調整して全高さ寸法Gに、上ブロック部においては各スペーサ24、25、26の厚さ寸法を調整して全高さ寸法Hに合わせている、しかしながら、GとHの寸法は同一であってもよい。
【0054】
図3において、横軸は時間、縦軸は温度であり、実線の曲線Dは本発明の例を、1点鎖線の曲線Eは従来例を示している。
【0055】
設定温度T1(例えば510℃)に制御され保持されている加熱下ブロック13上に常温の成形ブロック40が載置されたとき、加熱下ブロック13の温度は降下する。
【0056】
従来例の厚さL3の加圧板22をもつ加熱下ブロックの熱容量は、厚さL1の加圧板20をもつ加熱下ブロック13の熱容量より小なので、温度の降下は曲線Eのようになり、その後の加熱工程の進行により温度は次第に回復し、設定温度T1まで復帰して安定するまでの時間がA2である。
【0057】
熱容量が大である加熱下ブロック13の温度降下は曲線Dのように小となり、設定温度T1まで復帰して安定するまでの時間はA1となる。
【0058】
ACは想定サイクルタイムであり、曲線Eにおいては想定サイクルタイムAC時点では設定温度T1をはずれてしまっているので、実際の成形サイクルタイムは設定温度T1が安定するA2まで伸ばさざるを得なくなるが、曲線Dにおいては、想定サイクルタイムACをA1まで短縮できる。
【0059】
従って、製品により決まってくる成形ブロック40の質量や設定温度に応じて加圧板20、21の厚さを決めることで最短なサイクルタイムを得ることができる。
【0060】
次ぎに、図1〜図3により前記構成のガラスプレス成形装置のシーケンスについて説明する。
成形工程の開始に先立ち、加熱、加圧および冷却の3つのステージで合計7組の上下各ブロック5、6、8、9、10、13、14、16、17、18は、それぞれ成形に必要な温度に制御され保持されている。
【0061】
成形工程時、成形ブロック40が準備台45上に置かれると適切なタイミングでシャッタ48が開となる。
【0062】
シリンダ47が作動し成形ブロック40は、押し棒46を介して押し出され(図中左方向)、投入口49を通過して加熱下ブロック13上に搬送され、その後、シリンダ47は元の位置に引き戻され、シャッタ48は閉となる。
【0063】
加熱上ブロック5が配設された駆動シリンダ54が下降して加熱工程が開始され、同時にチャンバ2内の各下ブロック14、16、17、18上にすでに搬送されている成形ブロック40に対しては、加熱ステージでは加熱工程が、加圧ステージでは加圧工程が、冷却ステージでは冷却工程がそれぞれ開始される。
【0064】
前記工程が完了して駆動シリンダ54が上昇すると、搬送装置(図示せず)が作動し、搬送装置の送りアーム(図示せず)が前進して各成形ブロック40の間に差し込まれる。
【0065】
続いて、送りアームが搬送方向に作動し各下ブロック13、14、16、17、18上に載置されている成形ブロック40は、順次次のブロック上に摺動しながら搬送される。
【0066】
例えば、冷却下ブロック18上にある成形ブロック40は、回収口52を通過し受台50上に搬送され、その後、送りアームは元の位置に引き戻され原点位置に復帰する。
【0067】
一方受台50上に搬送された成形ブロック40は次工程のための待機位置に搬送され、同時に次工程で成形される成形ブロック40は、準備台45上に載置される。
順次この動作を一定時間ごとに繰り返して、ガラス成形を連続的に行う。
【0068】
このように、特に、加圧板と成形ブロック40との温度差の大きい第1加熱ゾーンS1の加圧板20の厚さを大きくすることで、加圧板20の温度が設定温度T1まで復帰する時間を短くすることができ、全体の成形サイクルを短縮することができる。
【0069】
図4において、本図は本発明の実施例2を示すもので、図2と加熱第3ゾーンS3における加熱下ブロック15と加熱上ブロック7の上下方向の寸法が異なるのみである。
【0070】
第2加熱ゾーンS2、第3加熱ゾーンS3、加圧板22、ヒータブロック23、断熱板29、成形ブロック40、加熱下ブロック部の全高さGおよび加熱上ブロック部の全高さHは図2と同一であるので同一番号をつけ詳細説明は省略する。
【0071】
第3加熱ゾーンS3の加熱下ブロック15は、全高さGで、スペーサ32、ヒータブロック23、厚さL3の加圧板22および断熱板29とから構成されている。
【0072】
加熱下ブロック15に対向して配設された加熱上ブロック7は、全高さHで、スペーサ26、ヒータブロック23、加圧板22および断熱板29とから構成されている。
【0073】
第3加熱ゾーンS3の加圧板22の厚さL3は、第2加熱ゾーンS2から搬送されてきた成形ブロック40の温度と第3加熱ゾーンS3の設定温度との差から成形サイクル中に成形ブロック40が第3加熱ゾーンの設定温度に復帰できることから従来例と同様の薄いL3とされている。
【0074】
図5において、本図は本発明の実施例3を示すもので、図4と加熱第2ゾーンS2における加熱下ブロック15と加熱上ブロック7の上下方向の寸法が異なるのみである。
【0075】
第1加熱ゾーンS1、第2加熱ゾーンS2、加圧板22、ヒータブロック23、断熱板29、成形ブロック40、加熱下ブロックの全高さGおよび加熱上ブロックの全高さHは図4と同一であるので同一番号をつけ詳細説明は省略する。
【0076】
第2加熱ゾーンS2の加熱下ブロック15は、全高さGで、スペーサ32、ヒータブロック23、厚さL3の加圧板22および断熱板29とから構成されている。
【0077】
加熱下ブロック15に対向して配設された加熱上ブロック7は、全高さHで、スペーサ26と、ヒータブロック23、加圧板22および断熱板29とから構成されている。
【0078】
第2加熱ゾーンS2の加圧板22の厚さL3は、第1加熱ゾーンS1から搬送されてきた成形ブロック40の温度と第2加熱ゾーンS2の設定温度との差から成形サイクル中に成形ブロック40が第2加熱ゾーンの設定温度に復帰できることから同様にL3とされている。
【0079】
なお、図4、図5におけるシーケンスは図1〜図3と同様なので省略する。
【0080】
本発明の構成は以上の通りであって、ガラスプレス成形機の加熱ステージの各加熱ゾーンにおいて、加熱上下ブロックを構成する加圧板の熱容量を各ゾーンの設定温度と各ゾーンに載置される成形ブロックの温度との温度差によって決めることで成形ブロック載置時の各ゾーンの温度低下を小としサイクルタイムの短縮を図る。
【0081】
さらに、加圧板は必要な箇所のみ厚くできるのでコストダウンとなる。
【0082】
なお、本発明では加圧板の厚みを変えることにより熱容量を変化させたが、加圧板の材質を変えることにより熱容量を変化させてもよい。
【0083】
本説明においては成形ブロックを加熱する入り口側の加熱ステージに限定して説明したが、成形ブロックを冷却する出口側の冷却ステージにおいても成形ブロックとの温度差によって冷却板の厚さを変えることは同様である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例1を示すガラスプレス成形機の成形部の概略図
【図2】同じく加熱ステージ部の説明図
【図3】同じく加熱ステージ部の第1加熱ゾーンの温度・時間を示すチャート図
【図4】本発明の実施例2を示す加熱ステージ部の説明図
【図5】本発明の実施例3を示す加熱ステージ部の説明図
【図6】従来のガラスプレス成形機の製造装置の正面図
【符号の説明】
【0085】
3 架台 27 断熱板
5 加熱上ブロック 28 断熱板
6 加熱上ブロック 29 断熱板
8 加圧上ブロック 30 スペーサ
13 加熱下ブロック 31 スペーサ
14 加熱下ブロック 32 スペーサ
16 加圧下ブロック 40 成形ブロック
20 加圧板 54 駆動シリンダ
21 加圧板
22 加圧板 S1 第1加熱ゾーン
23 ヒータブロック S2 第2加熱ゾーン
24 スペーサ S3 第3加熱ゾーン
25 スペーサ
26 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に成形ブロックの加熱ステージ、加圧ステージおよび冷却ステージが配設されるガラスプレス成形機において、前記加熱ステージは、複数のゾーンからなり、該各ゾーンの加熱下ブロックを構成する加圧板の熱容量は、前記ゾーンごとに決められていることを特徴とするガラスプレス成形機。
【請求項2】
チャンバ内に成形ブロックの加熱ステージ、加圧ステージおよび冷却ステージが配設されるガラスプレス成形機において、前記加熱ステージは、複数のゾーンからなり、該各ゾーンの加熱上ブロックを構成する加圧板の熱容量は、前記ゾーンごとに決められていることを特徴とするガラスプレス成形機。
【請求項3】
前記加圧板の熱容量は、該加圧板と加圧板上に載置される前記成形ブロックとの温度差に応じて決められていることを特徴とする請求項1〜2に記載のガラスプレス成形機。
【請求項4】
前記加圧板の熱容量は、該加圧板と前記成形ブロックとの温度差が大となるほど大きくされていることを特徴とする請求項1〜3に記載のガラスプレス成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−24074(P2010−24074A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185828(P2008−185828)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)