説明

ガラス・パネル用の折りたたみ式位置決めピン

【課題】配送の際にはガラス・パネル間のスペーサとして、および車両への組付けの際には位置決めピンとして、2つの用途が可能な折りたたみ式ピンを提供すること。
【解決手段】ガラス・パネルに対して、予め定められた位置に固着されるベース45を備え、ピン本体47が、長手方向軸を画定する近位端部47bおよび遠位端部47aを有する細長部分を有する。ヒンジ46により、ピン本体47は、ベース45に対して近位端部47aにて枢動的に装着され、長手方向軸がガラス・パネルの表面に対して実質的に平行になる配送時位置と、長手方向軸がガラス・パネルの表面に対して実質的に垂直になる位置合わせ時位置との間で枢動する。ガラス・パネルをガラス輸送する際には、折りたたみ式ピン41により、ガラス・パネルを配送ラック内で互いにより近接させて積み重ねることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし。
【0002】
連邦政府の支援を受けた研究に関する陳述
該当なし。
【0003】
本発明は、概して、自動車の風防ガラス(windshield)などのガラス・パネルの取扱いおよび設置に関し、より具体的には、取付フレーム中のホールに対合して、ガラス・パネルを位置合わせする(align)と共に、取付フレームにガラス・パネルが接合されるようにする、ガラス・パネル上の位置合わせピン(alignment pin)に関する。
【背景技術】
【0004】
通常は、位置決めピン(locator pin)は、ガラス・パネルの外縁部の周りに塗布された結合剤/シーリング剤(例えばウレタンなど)が硬化するまで、適切な位置にガラス・パネルを正確に位置決めし一時的に保持するための、自動車用ガラス(風防ガラスおよび後部窓など)の上の組立補助具として使用される。ウレタンの硬化後には、位置決めピンはいかなる役割も有さない。
【0005】
位置決めピンは、ガラス・パネルが車両フレーム内で適切に中心に位置合わせされ、フレームから所望の高さに保持されて、所望の幅のウレタンを収容するように、車両フレーム中の取付ホールに対応するように、ガラス・パネルの表面の上に正確に配置されなければならない。車両フレームおよび取付ホール内へのガラス・パネルの配置を容易にするためには、ピンがかなりの長さを有することが望ましい。しかし、位置決めピンの高さにより、ガラス製造業者から車両組立業者への輸送の際のガラス・パネルのパッキング密度が低下する。パッキング密度の低下により、配送コスト全体、ならびに中にガラス・パネルを入れて配送するためのラックの製造および輸送に関する費用が増加する。非効率的なパッキングに関連するコストの上昇を回避するために、時として、ガラス製造業者は、位置決めピンを設置するために、配送先(shipping destination)[例えば顧客の組立工場など]の付近にローカルの施設を設けることがある。パッキング密度を上昇させつつ、位置決めピンの機能性を保護することが望ましい。
【0006】
典型的には、位置決めピンと共に、または位置決めピンを用いずに、スペーサが、配送の際の損壊を減らすために、配送ラック内の隣接し合うガラス・パネルの間に用いられる。長い位置決めピンを用いてガラス・パネルを輸送する場合には、スペーサの厚さは、ピンの長さを許容するように大幅に増加させなければならない。したがって、スペーサの必要性を減らすまたはなくすこともまた望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、配送の際にはガラス・パネル間のスペーサとして、および車両への組付けの際には位置決めピンとして、2つの用途が可能な折りたたみ式ピンを提供する。より高いパッキング密度が実現され、それにより配送コストが下がり、配送ラック自体に関連する費用が低減される。
【0008】
本発明の一態様においては、車両への設置の際にガラス・パネルを位置合わせするための位置決めピンが提供される。この位置決めピンは、ガラス・パネルが形成される場所からガラス・パネルを輸送する前に、ガラス・パネルに対して、予め定められた位置に固着されるベースを備える。ピン本体が、長手方向軸を画定する近位端部および遠位端部を有する細長部分を有する。ヒンジにより、ピン本体は、ベースに対して近位端部にて枢動的に装着され、それにより、ピン本体は、長手方向軸がガラス・パネルの表面に対して実質的に平行になる配送時位置と、長手方向軸がガラス・パネルの表面に対して実質的に垂直になる位置合わせ時位置との間で枢動する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両フレームへの風防ガラスの組付けにおける位置決めピンの使用を示す斜視図である。
【図2】車両フレーム中に設置された位置決めピンの断面図である。
【図3】配送ラック内で積み重ねられた先行技術のガラス製品の端面図である。
【図4】配送ラック内で積み重ねられた、本発明の折りたたみ式ヒンジを有するガラス・パネルの端面図である。
【図5】ガラス・パネルに取り付けられた折りたたみ式ピンの側部平面図である。
【図6】折りたたみ式ピンを詳細に示す上面分解図である。
【図7】図5の折りたたみ式ピンの側面分解図である。
【図8】配送時位置にある折りたたみ式ピンの側面図である。
【図9】位置合わせ時位置にある折りたたみ式ピンの側面図である。
【図10】本発明の好ましい一実施形態の流れ図である。
【図11】折りたたみ式ピンの別の実施形態の上面図である。
【図12】折りたたみ式ピンの別の実施形態の側面図である。
【図13】折りたたみ式ピンの別の実施形態の上面図である。
【図14】折りたたみ式ピンの別の実施形態の側面図である。
【図15】折りたたみ式ピンの別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図1を参照すると、ガラス・パネル10が、内側面11を有し、この内側面11には、その隅部に、面11の外縁部付近に位置決めピン12〜15が取り付けられる。パネル10は、風防ガラス開口17を有する車両フレーム16に取り付けられるように構成される。ウェル18が、開口17の端部の周囲に形成され、位置決めピン12〜15をそれぞれ受ける複数の取付ホール20〜23を備えてよい。ガラス・パネル10は、ピン12〜15が取付ホール20〜23内に挿入される位置に移動される。位置決めピンは、図2に図示されるようにウレタン接着剤により固定的に装着するためにガラス・パネル10を定位置に保持する。このようにして、位置決めピン12は、フレームのウェル17中の取付ホール20を貫通して延在し、それにより、位置決めピン12の支持面25が、従来の態様で施されたウレタン層26を収容するように予め定められた間隔をとって、ガラス・パネル10を支持することとなる。位置決めピン12は、例えば接着テープ24などによって、ガラス・パネル10に装着されてよい。
【0011】
ガラス・パネルの配送の際に位置決めピンがパッキング密度に及ぼす影響が、図3に図示される。ガラス・パネルを収容するための、ならびにトラックなどの輸送車両に積むおよびそこから下ろすための配送ラックが、一対の側部レール30および31備える。レール30および31は、位置決めピン34の高さ以上の距離だけガラス・パネル33を離間させるのに適切な間隔をおかれた支持スペーサ32を備えてよい。また、追加のスペーサ35を、隣接し合うガラス・パネル33間に設けてもよい。位置決めピン34の高さにより、ガラス・パネル33のパッキング密度は低くなる。
【0012】
図4は、本発明による折りたたみ式位置決めピン41を有する複数のガラス・パネル40を示す。パネル40は、底部パネル44の両側に側部レール42および43を有する配送ラック内に入れられる。図4では、ピンがガラス・パネル40に対して実質的に平行方向に配送時位置へと再配向されることによって、パッキング密度が高められていることが示されており、これらのピンは、車両への設置のために配送ラックから取り出された後には、この配送時位置から上方へと折り曲げることが可能である。さらに、折りたたまれた位置にある場合の折りたたみ式位置決めピン41にスペーサ機能を組み込むことにより、一部またはすべてのスペーサを不要とすることが可能である。
【0013】
図5には、本発明の位置決めピン41がより詳細に図示される。ベース部分45が、ヒンジ部分46を担持し、このヒンジ部分46にはピン本体47が枢動的に取り付けられる。接着層48が、ベース45をガラス・パネル40に対して予め定められた位置50で固着する。位置決めピン41は、例えば自動配置機械などを使用して、ガラス・パネル40に対して適切な位置に固着されてよい。
【0014】
ピン本体47は、遠位端部47aと、ヒンジ部分46中に取り付けられる近位端部47bとを有し、したがって、ピン本体は、端部47aと47bとの間に延在する長手方向軸を有する。ピン本体47は、長手方向軸がガラス・パネル40の表面に対して平行となる配送時位置と、長手方向軸がガラス・パネル40の表面に対して実質的に垂直となる位置合わせ時位置(仮想線で示される)との間で枢動する。
【0015】
ロック機能部51が、ピン本体を、少なくとも位置合わせ時位置に、および任意には配送時位置に、確実に保持するために、ヒンジ部分46に組み込まれる。配送時位置にロックされる場合には、その保持力は、ピン本体を位置合わせ時位置に切り替える際に手動で克服するのに十分な低さである。
【0016】
好ましくは、位置決めピン41は、それが配送時位置にあり、積み重ねられたガラス・パネルを有する配送ラック内でガラス・パネルに固着される場合に、隣接するガラス・パネルに接触するようにスペーサの担持ショルダ部としての役割を果たすことが可能な支持面52を提供する。また、支持面52は、ピン本体が位置合わせ時位置にあり、車両フレーム上の対応する取付ホール内に挿入される場合に、車両フレームの上にガラス・パネルを支持するために使用されてもよい。支持面52は、ガラス40の面に対して概して平行であり、したがって、ピン本体が位置合わせ時位置にある場合には、ピン本体の長手方向軸に対して概して垂直となる。
【0017】
ピン本体47を位置合わせ時位置に切り替えるための力によって壊されるまでピン本体47を配送時位置に保持するためのこわれやすいタブ(frangible tab)53が、設けられてよい。こわれやすいタブ53は、図示されるようにピン本体47をベース45に連結させてよく、または、ヒンジ46に組み込まれてもよい。
【0018】
位置決めピンの別の実施形態が、図6〜図9に図示される。ベース55は、ピン本体60のヒンジ・ピン61および62を受けるためのヒンジ・ポスト56および57を支持する。クロスバー63が、ヒンジ・ピン61および62と位置合わせピン64と共に、一体的に形成される。配送時位置においては、ピン64は、ベース55から延在するブロック66の上に位置する。
【0019】
好ましくは、ベース55およびピン本体60は、射出成形されたプラスチックから形成されてよく、好ましくは、実質的に1つの工程で共に成形される。その結果、ベース55およびピン部分60は、型から取り外したときには、自由には動かない。その代わりに、ヒンジ・ポスト56および57とヒンジ・ピン61および62とのそれぞれの間のはみ出し部(flash)67、ならびにブロック66と位置合わせピン64との間のはみ出し部(flash)68など、2つの要素の間にはみ出し部分が少なくとも存在する。好ましくは、このはみ出し部分は、ピン本体60を配送時位置に保持するためのこわれやすいタブとしての役割を果たし得る。はみ出し部分の強度は、車両への設置作業者がピン64を上方に引くことによりこのはみ出し部を手動で壊すことが可能となるような十分な低さである。クロスバー63は、位置合わせ時位置用のロッキング機能部の一部を形成する第1のタブ70を有する。ベース55上のポスト71が、ピン64を位置合わせ時位置に保持するように、図9に図示されるようにタブ70とインターロックする、第2のタブ72を有する。一対のブロック73および74は、位置合わせ時位置にある場合には、クロスバー63に接触してそれを支持する。さらに、ピン64の周囲のクロスバー63の支持面75と、ポスト71の頂面76とが、車両フレームに接触し所望のスタンドオフ高さを実現するための支持面を形成する。
【0020】
好ましくは、ベース55の裏面に施される接着体は、ガラス・パネルへの貼付け前の接着体を保護する剥離可能保護層78を有する両面テープ77を含む。
【0021】
車両に組み付けるためのガラス・パネルを加工し配送するための本発明の好ましい一方法が、図10に示される。ステップ80では、複数の折りたたみ式ピンが、関連付けされる取付ホールに嵌合し、所望のスタンドオフをもたらすように、車両の仕様書に従って製造される。ステップ81では、複数のガラス・パネルが製造される。ステップ82では、折りたたみ式ピンが、ガラス・パネル上の予め定められた位置に装着される。好ましくは、このような配置は、自動配置機械を使用して実施されてよい。
【0022】
配送可能な状態になると、ステップ83では、折りたたみ式ピンが装着された、製造されたガラス・パネルが、配送ラック内に挿入される。ステップ84では、このラックが、輸送車両に積まれる。折りたたみ式ピンを使用することによりパッキング密度を高めることが実現されるため、配送効率が高くなる。ステップ85では、輸送車両が、これらのガラス・パネルを車両組立工場に配送する。
【0023】
ステップ86では、受領側で、ガラス・パネルがラックから取り出され、ステップ87では、折りたたみ式ピンが、直立位置へと展開される。次いで、ステップ88では、車両組立業者により、ピンが対応する取付ホールに進入するように、ガラス・パネルがフレームに取り付けられる。このようにして、ガラス・パネル(例えば風防ガラスなど)は、車両の組立てのために典型的に使用されるウレタン接着剤を硬化させる間、定位置に適切に保持される。
【0024】
ステップ89では、配送の際にガラス・パネルを保持した配送ラックが、ガラス製造工場への返却のためにまとめられる。これらのラックは、ガラス・パネルを比較的高いパッキング密度で保持するため、任意の特定数のガラス・パネルに対して使用されるラックの容積はより小さくなり、これにより、車両組立工場でまとめられたラックを保管するために使用される床面積はより縮小されることを意味する。次いで、ステップ90では、配送ラックがガラス工場に返送される。パッキング密度が高くなったことにより、配送ラックを返却するために必要な配送回数が減り、輸送費のさらなる節減につながる。
【0025】
図11から図15は、折りたたみ式ピンが一体成形部材として形成される、さらに別の実施形態を示す。ベース91が、ヒンジ部93により接合されたピン本体92と実質的に同一平面になるように成形される。ヒンジ部93は、ピン本体92の上方への曲げが可能となり、それによりピン本体92がベース91の頂部から延在するロック構造部94によって捕獲され得るように、成形溝(contoured slot)によって形状設定される。ロック構造部94は、凹部97の横に延在する一対の顎部95および96を有する。配送時位置から位置合わせ時位置に移動する際には、ピン本体92は、ヒンジ部93の周囲を枢動する。ピン本体93が顎部95および96に接触すると、顎部がたわみ、ピン本体は凹部97に進入してそこで固定的に保持される。ロック構造部94は、配送の際にパネルを積み重ねるための支持面(bearing surface)と、位置合わせ時位置にある場合に車両フレームから所望の距離だけ上方にパネルをつりさげる(suspend)ためのスタンドオフ面(standoff surface)との両方を提供する。両面テープなどの接着体98が、ベース91の裏面に貼り付けられる。
【0026】
輸送コストが下がることに加えて、使用される配送ラックまたは他のコンテナが簡単なものになり、それによりラックの製造コストが下がる。また、ラックの複雑さが減ることにより、種々のタイプのガラス・パネルと共に使用するための互換性をより高めることが可能となる。離隔用ラック・スペーサを撤廃することにより、スペーサのコストが不要となり、ガラス工場および車両組立工場の双方での労力が削減される。
【符号の説明】
【0027】
10 ガラス・パネル
11 内側面
12 位置決めピン
13 位置決めピン
14 位置決めピン
15 位置決めピン
16 車両フレーム
17 風防ガラス開口
18 ウェル
20 取付ホール
21 取付ホール
22 取付ホール
23 取付ホール
24 接着テープ
25 支持面
26 ウレタン層
30 側部レール
31 側部レール
32 支持スペーサ
33 ガラス・パネル
34 位置決めピン
35 追加のスペーサ
40 ガラス・パネル
41 折りたたみ式位置決めピン
42 側部レール
43 側部レール
44 底部パネル
45 ベース部分
46 ヒンジ部分
47 ピン本体
47a 遠位端部
47b 近位端部
48 接着層
50 予め定められた位置
51 ロック機能部
52 支持面
53 こわれやすいタブ
55 ベース
56 ヒンジ・ポスト
57 ヒンジ・ポスト
60 ピン本体
61 ヒンジ・ピン
62 ヒンジ・ピン
63 クロスバー
64 位置合わせピン
66 ブロック
67 はみ出し部
70 第1のタブ
71 ポスト
72 第2のタブ
73 ブロック
74 ブロック
75 支持面
76 頂面
77 両面テープ
78 剥離可能保護層
91 ベース
92 ピン本体
93 ヒンジ部
94 ロック構造部
95 顎部
96 顎部
97 凹部
98 接着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両への設置の際にガラス・パネルを位置合わせするための位置決めピンにおいて、
前記車両に前記ガラス・パネルを設置する場所に前記ガラス・パネルを輸送する前に、前記ガラス・パネルに対して、前記ガラス・パネル上の予め定められた箇所に固着されるベースと、
長手方向軸を画定する近位端部および遠位端部を有する細長部分を有するピン本体と、
前記ピン本体を前記ベースに対して前記近位端部にて枢動的に装着するためのヒンジであって、前記ピン本体は、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの表面に対して実質的に平行になる配送時位置と、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの前記表面に対して実質的に垂直になる位置合わせ時位置との間で枢動するヒンジと
を備える位置決めピン。
【請求項2】
前記ピン本体が前記配送時位置から回転された後に、前記ピン本体を前記位置合わせ時位置に保持するためのロック機能部をさらに備える、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項3】
前記ガラス・パネルに対して前記ベースを固着するように構成された、前記ベースの裏面に貼り付けられた接着体をさらに備える、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項4】
前記接着体は、両面接着テープから構成される、請求項3に記載の位置決めピン。
【請求項5】
前記ピン本体は、前記車両に対して前記ガラス・パネルを装着する際に、前記ピン本体が位置合わせ時位置にある状態で、車両フレームの上に前記ガラス・パネルを支持するための、前記長手方向軸に対して概して垂直な支持面をさらに備える、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項6】
前記配送時位置にあり、複数のガラス・パネルを積み重ねるための配送ラック内に載せられたガラス・パネルに対して固着される場合に、隣接するガラス・パネルに接触するように、前記ベースまたは前記ヒンジの少なくとも一方の上に形成された担持ショルダ部を備える、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項7】
前記ピン本体を前記位置合わせ時位置に切り替えるための力によって壊されるまで、前記ピン本体を前記配送時位置に保持するためのこわれやすいタブをさらに備える、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項8】
前記ベースおよび前記ピン本体は、射出成形によって一体的に形成される、請求項1に記載の位置決めピン。
【請求項9】
前記こわれやすいタブは、前記ヒンジに接合されたはみ出し部から構成される、請求項8に記載の位置決めピン。
【請求項10】
複数の取付ホールを有するフレーム内に設置されるガラス製品において、
前記フレームに取り付けられるように構成されたガラス・パネルと、
前記ガラス・パネルの表面に対して、前記取付ホールに対応する位置にて固着される複数の位置決めピンと
を備え、各位置決めピンは、
ベースと、
長手方向軸を画定する近位端部および遠位端部を有する細長部分を有するピン本体と、
前記ピン本体を前記ベースに対して前記近位端部にて枢動的に装着するためのヒンジであって、前記ピン本体は、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの表面に対して実質的に平行になる配送時位置と、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの前記表面に対して実質的に垂直になる位置合わせ時位置との間で枢動するヒンジと
を備えるガラス製品。
【請求項11】
各位置決めピンは、前記ピン本体が前記配送時位置から回転された後に、前記ピン本体を前記位置合わせ時位置に保持するためのロック機能部をさらに備える、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項12】
各位置決めピンは、前記ガラス・パネルに対して前記ベースを固着する、前記ベースの裏面に貼り付けられた接着体をさらに備える、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項13】
各ピン本体は、前記フレームに対して前記ガラス・パネルを装着する際に、前記ピン本体が前記位置合わせ時位置にある状態で、前記遠位端部が各取付ホールを貫通して延在する状態で、前記フレームの上に前記ガラス・パネルを支持するための、前記長手方向軸に対して概して垂直な支持面をさらに備える、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項14】
各位置決めピンは、前記配送時位置にあり、複数のガラス・パネルを積み重ねるための配送ラック内に載せられたガラス・パネルに対して固着される場合に、隣接するガラス・パネルに接触するように、前記ベースまたは前記ヒンジの少なくとも一方の上に形成された担持ショルダ部を備える、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項15】
各位置決めピンは、前記ピン本体を前記位置合わせ時位置に切り替えるための力によって壊されるまで、前記ピン本体を前記配送時位置に保持するためのこわれやすいタブをさらに備える、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項16】
各位置決めピンの前記ベースおよび前記ピン本体は、射出成形により一体的に形成され、前記こわれやすいタブは、前記ヒンジに接合されたはみ出し部から構成される、請求項10に記載のガラス製品。
【請求項17】
車両に組み付けるためのガラス・パネルを加工し配送する方法において、
目的地に配送するための複数のガラス・パネルを製造するステップと、
少なくともいくつかの前記ガラス・パネルの上の予め定められた位置に折りたたみ式ピンを装着するステップであって、各折りたたみ式ピンは、各ガラス・パネルに固着されるベースと、長手方向軸を画定する近位端部および遠位端部を有する細長部分を有するピン本体と、前記ピン本体を前記ベースに対して前記近位端部にて枢動的に装着するためのヒンジとを備え、前記ピン本体は、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの表面に対して実質的に平行になる配送時位置と、前記長手方向軸が前記ガラス・パネルの前記表面に対して実質的に垂直になる位置合わせ時位置との間で枢動するステップと、
各折りたたみ式ピンが配送時位置にある状態で、折りたたみ式ピンを有する前記ガラス・パネルを配送ラック内に挿入するステップと、
ガラス・パネルを有する前記配送ラックを前記目的地に配送するステップと、
前記配送ラックから前記ガラス・パネルを取り出すステップと、
前記配送時位置から前記位置合わせ時位置に前記折りたたみ式ピンの前記ピン本体を移動させるステップと、
各ピン本外が各フレーム中の取付ホールを貫通して延在するように、各車両の各フレームに各ガラス・パネルを取り付けるステップと
を含む方法。
【請求項18】
各折りたたみ式ピンは、前記配送ラック内にあるときに隣接するガラス・パネルに接触するように、そのベースまたはそのヒンジの少なくとも一方の上に形成された担持ショルダ部を備え、それにより、前記折りたたみ式ピンは、隣接し合うガラス・パネル間のスペーサとしての役割を果たす、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−202177(P2010−202177A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183141(P2009−183141)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(509222305)ズィールダイン、エルエルシー (1)