説明

ガラス溶融物の速度および厚さ分布が改善されたオーバーフローダウンドロー法

【課題】 楔形部分の上にトラフ形部分を備えた成形体、およびトラフ形部分の開放通路に接続された閉塞通路を画成する管を備えた装置を使用して、オーバーフローダウンドロー法により、3000mm超のサイズを有するガラス板を製造する。
【解決手段】 管は、第1の部分601および移行部分603を有する。移行部分603は、第1の部分601の円筒端部に接続された端部と、トラフ形部分の開放通路の近接端に接続された矩形端部とを有する。第1の部分601の縦軸607が、移行部分603の矩形端部の中心よりも高い。これにより、トラフ上面の長さに沿ったガラス溶融物のはるかに均一な表面速度およびはるかに均一なガラス溶融物の厚さが得られ、その結果、より均一な厚さのガラスリボンが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガラス板製造装置および方法に関する。特に、本発明は、オーバーフローフュージョンダウンドロー法を使用してガラス板を形成するための方法および装置に関する。本発明は、例えば、オーバーフローダウンドロー法を使用してLCDガラス基板に適したガラス板を製造するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
フュージョンダウンドロー法は、液晶ディスプレイ(LCD)ガラス基板として使用するのに適した薄い精密ガラス板、および他の光電子装置における薄い精密ガラス板を製造するために、米国、ニューヨーク州、コーニング所在のコーニング社(Corning Incorporated)により開発された先導する技術である。このプロセスが図1に示されている。溶融ガラスの流れが、両端に端部キャップ105を備え、基部109と呼ばれるラインで収束する2つの側面を有するアイソパイプと呼ばれる成形トラフ103に、このトラフに連結された入口パイプ101を通じて導入される。ガラス溶融物は、堰と呼ばれるアイソパイプのトラフの側壁の両上面を越え、2つの溶融ガラスリボン107としてアイソパイプの両側面に沿って下方に流れ、次いで、基部109で接合し融着して、1つのガラスリボン111を形成することができる。次いで、このガラスリボンは、方向113に下方に引っ張られ、基部の下方で冷却されて、所望の寸法を有するガラス板が形成される。基部の下方の区域において、ガラスリボンは、引っ張られ、粘性状態から粘弾性状態へ、最終的に実質的に弾性状態へと冷却されながら、実質的に垂直に下方に移動する。次いで、弾性ガラスリボンは個々のガラス板に切断され、このガラス板に、エッジの角取りや研磨などの仕上げが施され、次いで、包装され、TFTまたはカラーフィルタ基板としての使用のためにLCDパネル製造業者に出荷される。アイソパイプの下でのガラスリボンの切断は、典型的に、リボン表面の罫書きと、それに続く罫書き線に沿った曲げを含み、その曲げによって、個別のガラス板がリボンから分割され、次いで、その後の工程に運搬される。
【0003】
ガラス板を製造するためのフュージョンダウンドロー法の利点の1つは、ガラス板の高品質区域が雰囲気中で形成され、成形設備などの固体材料に決して触れないので、ガラス板の表面品質が高いことである。このプロセスは、3000mmほどの広い幅および約0.6mmの厚さを有するガラス板を製造するためにうまく使用されてきた。家庭用電化製品市場向けのLCDのサイズは、より高い画像品質に対応する需要と共に、過去10年に絶えず増大してきた。これらは、広幅ガラス基板の需要を刺激し、エッジの歪みと波打ち状態、板の歪み、表面の波打ち状態と粗さ、厚さの均一性、むら、並びに応力などの、ガラス板の品質の益々より厳しい要件を突きつけてきた。その上、消費者は、500μm、400μm、300μmまたはさらに薄い厚さを有する、より薄いガラス基板を要求する、より軽量の家電製品に関心を示してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
著しく長い新世代のアイソパイプの使用を必要とする、フュージョンダウンドロー法を使用した大型のおよび/または薄いガラス板の製造は、簡単な仕事ではない。長年に亘り、本出願の発明者等などの専門家達は、成形プロセス中のプロセスの安定性に影響し得る多くのプロセスパラメータを見抜く力を手に入れてきた。特に、大型世代のアイソパイプの広い幅に亘る安定な薄いガラスリボンは、より小さいアイソパイプに関する流動速度とは極めて異なり得る適切なガラス溶融物の流動速度なくして、所望の収率を有する経済的なプロセス範囲内で比較的短い期間で確実には形成できないであろうことが分かった。
【0005】
したがって、大きいサイズを有するガラス板を製造するための装置および方法が依然として必要とされている。本発明は、この必要性と他の必要性を満足するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの態様がここに開示されている。これらの態様は、互いに重複してもしなくてもよいことが理解されよう。それゆえ、ある態様の一部は、別の態様の範囲内に入るであろうし、その逆もまた同様である。
【0007】
各態様は、多数の実施の形態により示され、これらの実施の形態は、転じて、1つ以上の特別な実施の形態を含み得る。実施の形態は、互いに重複してもしなくてもよいことが理解されよう。それゆえ、ある実施の形態の一部、またはその特別な実施の形態は、別の実施の形態、またはその特定の実施の形態の範囲内に入っても入らなくてもよく、その逆もまた同様である。
【0008】
本発明の第1の態様は、トラフ形部分およびそのトラフ形部分の下にある楔形部分を備えた成形体を使用したオーバフロー法によりガラス板を製造するプロセスであって、トラフ形部分が、トラフ底面に亘り第1のトラフ側壁および第2のトラフ側壁を有して、開放端を有する開放通路を画成し、開放通路が中心面を有し、第1のトラフ側面が第1のトラフ内面、第1のトラフ上面および第1のトラフ外側面を有し、第2のトラフ側壁が第2のトラフ内面、第2のトラフ上面および第2のトラフ外側面を有し、楔形部分が、第1のトラフ外側面に接続された第1の楔側面、および第2のトラフ外側面に接続された第2の楔側面を有し、第1と第2の楔側面が下方に傾斜して、基部ラインで接合し、前記プロセスが、
(i) 溶融ガラスの流れを、閉塞通路を介して、トラフ形部分の開放通路へとこの開放通路の開放端を通じて供給する工程、
(ii) 溶融ガラスを、第1のトラフ上面の少なくとも一部を越えて、第1のトラフ外側面に沿って下方に流して、第1のトラフ外側面に亘り第1のガラスリボンを形成する工程、および
(iii) 溶融ガラスを、第2のトラフ上面の少なくとも一部を越えて、第2のトラフ外側面に沿って下方に流して、第2のトラフ外側面に亘り第2のガラスリボンを形成する工程、
を有してなり、
工程(i)において、閉塞通路および開放通路が、第1のトラフ上面のオーバーフロー開始地点で開放通路の中心面に対して接線方向の垂直基準面にある溶融ガラスの流れの速度分布が、上四分の一の溶融ガラスの平均速度が、トラフ底面の直ぐ上の下四分の一の平均速度より速いようなものであるように配置されているプロセスに関する。
【0009】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、閉塞通路および開放通路が、上三分の一の溶融ガラスの平均速度が、トラフ底面の直ぐ上の下三分の一の平均速度より速いように配置されている。本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、閉塞通路および開放通路が、上二分の一の溶融ガラスの平均速度が、トラフ底面の直ぐ上の下二分の一の平均速度より速いように配置されている。
【0010】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、このプロセスは、工程(ii)および(iii)に続いて、以下のように工程(iv)、工程(v)および工程(vi):
(iv) 第1のガラスリボンを楔形部分の第1の楔側面上をさらに流す工程、
(v) 第2のガラスリボンを楔形部分の第2の楔側面上をさらに流す工程、および
(vi) 第1のガラスリボンおよび第2のガラスリボンを基部ラインで接合させて、1つの第3のガラスリボンを形成する工程、
をさらに含む。
【0011】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、このプロセスは、工程(vi)に続いて、以下のように工程(vii):
(vii) 第3のガラスリボンを基部ラインの下に引っ張る工程、
をさらに含む。
【0012】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、工程(ii)および(iii)は同時に行われる。
【0013】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、工程(iv)および(v)は同時に行われる。
【0014】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、開放通路の中心面は平面であり、開放通路は、中心面に対して対称的である。
【0015】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ形部分は、開放通路の中心面に対して対称的である。
【0016】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、楔形部分は、開放通路の中心面に対して対称的である。
【0017】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ形部分および楔形部分は開放通路の中心面に対して対称的であり、その中心面は重力ベクトルに対して平行である。
【0018】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ形部分および楔形部分は、基部ラインを通る面に対して対称的である。
【0019】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1のトラフ上面および第2のトラフ上面は、平面であり、互いに対して平行である。
【0020】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1と第2のトラフ上面の各々は、独立して、同じまたは異なる、中心面に対して角度アルファを形成し、ここで、75°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、78°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、80°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、82°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、84°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、85°≦アルファ≦90°、ある他の実施の形態において、88°≦アルファ≦90°である。
【0021】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1と第2のトラフ上面の縦軸は、開放通路の中心面に対して垂直な基準面と交差して角度ガンマを形成する共通面内にあり、ここで、0°≦ガンマ≦15°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦12°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦10°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦8°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦6°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦5°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦3°である。角度ガンマは、アイソパイプが、中心面199が重力ベクトルに対して平行であるように配置されたときに、水平面(基準面)に対する第1と第2のトラフ上面の下方または上方に傾斜する角度である。本発明は、トラフ上面が小さい角度ガンマで下方に傾斜している場合、アイソパイプの両方に一貫したガラス流を迅速に確立するのに特に有益であることが分かった。
【0022】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ底面は、基部ラインが重力ベクトルに対して実質的に垂直に保持されたときに、一方の端部から他方の端部まで上方に傾斜する。
【0023】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ底面は、基部ラインが重力ベクトルに対して実質的に垂直に保持されたときに、通路の開放端から通路の他方の端部まで上方に傾斜する。
【0024】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ底面は実質的に平面である。
【0025】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ底面は、開放通路の近接端から遠位端まで上方に傾斜し、開放通路の中心面に対して垂直な基準面と交差して、角度ベータを形成し、ここで、0°≦ベータ≦10°、ある実施の形態において、0°≦ベータ≦8°、ある実施の形態において、0°≦ベータ≦5°、ある他の実施の形態において、0°≦ベータ≦3°である。
【0026】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ底面は、開放通路の近接端から遠位端まで下方に傾斜し、開放通路の中心面に対して垂直な基準面と交差して、角度ベータ2を形成し、ここで、0°≦ベータ2≦10°、ある実施の形態において、0°≦ベータ2≦8°、ある実施の形態において、0°≦ベータ2≦5°、ある他の実施の形態において、0°≦ベータ2≦3°である。
【0027】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、開放通路は、一端から他端までの長さLL、および重力ベクトルに対して平行であり中心面に対して垂直な面と交差したときに、矩形断面を有し、その矩形断面が幅WWおよび高さHHを有する。
【0028】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、LL≧1200mm、ある実施の形態において、LL≧1500mm、ある実施の形態において、LL≧2000mm、ある実施の形態において、LL≧2500mm、ある他の実施の形態において、LL≧3000mmである。
【0029】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、トラフ形部分に接続された閉塞通路が、
(A) 重力ベクトルに対して平行な第1の軸、および重力ベクトルに対して垂直な第2の軸を有する開放通路の中心面に対して垂直な面と交差したときに断面を有する第1の部分、および
(B) 第1の部分をトラフ形部分の開放通路にぴったりと接続する第2の移行閉塞通路、
を含む。
【0030】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の第2の軸が、第2の移行閉塞通路に接続された開放通路の端部でトラフ形部分の開放通路の断面の幅WW(IE)より大きい。
【0031】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の第2の軸の長さに対するWW(IE)の比が0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある他の実施の形態において、0.6から0.7である。
【0032】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の第1の軸は、トラフ形部分の開放通路の矩形断面の高さHH(IE)より、第2の移行閉塞通路に接続されたその開放通路の端部で小さい。
【0033】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、HH(IE)に対する第1の部分の断面の第1の軸の比が0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある他の実施の形態において、0.6から0.7である。
【0034】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の第2の軸に対する第1の軸の比は、1.0から3.0、ある実施の形態において、1.2から2.8、ある他の実施の形態において、1.5から2.5、ある他の実施の形態において、1.7から2.1に及ぶ。
【0035】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第2の移行閉塞通路は、トラフ形部分の開放通路の中心面に対して対称的である。
【0036】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の少なくとも一部は、トラフ形部分の開放通路の中心面に対して対称的である。
【0037】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第2の移行閉塞通路の端部に接続された第1の部分の端部の断面の中心から、重力ベクトルに対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の面までの距離は、DT1であり、
開放通路の端部に接している溶融ガラスの自由表面から、重力ベクトルに対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の前記面までの距離は、DT2であり、
DT1/DT2≧0.50、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.60、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.70、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.80、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.90である。
【0038】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の断面は楕円形である。
【0039】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の第2の軸に対する第1の軸の比は、1.0から3.0、ある実施の形態において、1.2から2.8、ある他の実施の形態において、1.5から2.5、ある他の実施の形態において、1.7から2.1に及ぶ。
【0040】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の端部を出る直前の溶融ガラスの流れの速度分布は、開放通路の中心面に対して対称的である。
【0041】
本発明の第1の態様のプロセスのある実施の形態において、第1の部分の端部を出る直前の溶融ガラスの流れの速度分布は、重力ベクトルに対して垂直であり、第1の部分の断面の第2の軸を通過する面に対して対称的である。
【0042】
本発明の第2の態様は、ガラス板を製造するための装置において、
(a) 楔形部分の上にトラフ形部分を備えた成形体であって、トラフ形部分が、トラフ底面上に第1のトラフ側壁および第2のトラフ側壁を有して、開放端を有する開放通路を画成し、開放通路が中心面を有し、第1のトラフ側壁が、第1のトラフ内面、第1のトラフ上面および第1のトラフ外側面を有し、第2のトラフ側壁が、第2のトラフ内面、第2のトラフ上面および第2のトラフ外側面を有し、楔形部分が、第1のトラフ外側面に接続された第1の楔側面、および第2のトラフ外側面に接続された第2の楔側面を有し、第1と第2の楔側面が下方に傾斜して基部ラインで接合している成形体、および
(b) 開放通路の開放端を通ってトラフ形部分の開放通路に接続された閉塞通路を画成する管であって、
(b1) 中心面が重力ベクトルに対して平行な場合、重力ベクトルに対して平行である第1の軸、および第1の軸に対して垂直な第2の軸を有する中心面に対して垂直な面と交差したときの断面を有する第1の部分、および
(b2) 第1の部分をトラフ形部分の開放通路とぴったりと接続する第2の移行閉塞通路、
を有する管、
を備え、
第2の移行閉塞通路の端部に接続された第1の部分の端部の断面の中心から、第1の軸に対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の面までの距離は、DT1であり、
開放通路の端部での第1のトラフ上面から、第1の軸に対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の前記面までの距離は、DT2であり、
DT1/DT2≧0.50、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.60、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.70、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.80、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.90である装置に関する。
【0043】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の断面は楕円形である。
【0044】
本発明の第21の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の第2の軸に対する第1の軸の比は、1.0から3.0、ある実施の形態において、1.2から2.8、ある他の実施の形態において、1.5から2.5、ある他の実施の形態において、1.7から2.1に及ぶ。
【0045】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、閉塞通路を画成する管の第1の部分は、基部ラインに対して垂直な面と交差したときに、円筒断面を有する。
【0046】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、基部ラインは重力ベクトルに対して垂直である。
【0047】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の第2の軸は、第2の移行閉塞通路に接続された開放通路の端部でトラフ形部分の開放通路の断面の幅WW(IE)より大きい。
【0048】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の第2の軸の長さに対するWW(IE)の比が0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある他の実施の形態において、0.6から0.7である。
【0049】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の第1の軸は、第2の移行閉塞通路に接続された開放通路の端部でトラフ形部分の開放通路の矩形断面の高さHH(IE)より小さい。
【0050】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、HH(IE)に対する第1の軸の比が0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある他の実施の形態において、0.6から0.7である。
【0051】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第2の移行閉塞通路は、トラフ形部分の開放通路の中心面に対して対称的である。
【0052】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、第1の部分の少なくとも一部は、トラフ形部分の開放通路の中心面に対して対称的である。
【0053】
本発明の第2の態様の装置のある実施の形態において、アイソパイプのトラフ形部分の開放通路は、一端から他端までの長さLLを有し、LL≧1200mm、ある実施の形態において、LL≧1500mm、ある実施の形態において、LL≧2000mm、ある実施の形態において、LL≧2500mm、ある他の実施の形態において、LL≧3000mmである。
【0054】
本開示の1つ以上の実施の形態および/または態様には、以下の利点の内1つ以上を有する。第1に、ガラスの入口パイプの閉塞通路の設計により、底部の近傍の平均速度よりも速い、表面の近傍での平均速度を有するガラス溶融物の速度プロファイルが可能であり、堰の上面と側面の全体に亘りガラスリボンを確実に形成することができる。本発明の閉塞通路の設計から生じる、特にオーバーフローの開始位置の近傍での、より速い表面速度により、オーバーフローフュージョンダウンドロー法により高い厚さ均一性を有するガラス板を製造するのに適した堰の長さに沿ってより望ましい質量分布を有する、堰表面および側面の上でのガラスリボンの形成が可能である。第3に、本発明の装置および方法は、少なくとも2000mmの幅を有する大型のガラス板、特に、少なくとも3000mmの幅を有するガラス板を製造するのに特に有利であり得る。本発明の逆設計を使用して、多大な追加の空間をとらずに、以前の装置を置き換え、改装が比較的容易になる。
【0055】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明らかになるか、または以下の説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面に記載された本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0056】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本発明の単なる例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されているのが理解されよう。
【0057】
添付の図面は、本発明をさらに理解するために含まれており、本明細書に包含され、その一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】ガラスリボンを製造するためのオーバーフローフュージョンダウンドロー法において動作するアイソパイプを示す説明図
【図2】図1に示されたアイソパイプの断面図
【図3】入口端でアイソパイプに連結された閉塞通路を示す説明図
【図4】図3に示された閉塞通路の一部の側面図
【図5】図3に示された閉塞通路の端面図
【図6】図3のものとは異なる様式の入口端でアイソパイプに連結された閉塞通路を示す説明図
【図7】図6に示された閉塞通路の一部の側面図
【図8】図6に示された閉塞通路の端面図
【図9】オーバーフローダウンドロー法を使用したガラス板製造システムの説明図
【図10】第2のトラフ上面を溢れ出るガラス溶融物を示す、図2で説明された動作のアイソパイプの角の部分拡大図
【図11】それぞれ、図3および6の入口アセンブリを使用して、図10に示されたアイソパイプを溢れ出るガラス溶融物の計算した表面速度および厚さのプロファイルを示すグラフ
【図12】図3の構成を使用した場合に対して、図6の構成を使用したことによる、ガラス溶融物の表面速度の増加と厚さの増加を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0059】
別記しない限り、成分の質量パーセントとモルパーセント、寸法、および明細書と特許請求の範囲に使用される特定の物理的性質に関する値を表す数などの全ての数は、全ての場合において、「約」という語句により修飾されているものと理解すべきである。明細書と特許請求の範囲に使用される正確な数値は、本発明の追加の実施の形態を形成するものと理解すべきである。実施例に開示された数値の精度を確実にするために努力してきた。しかしながら、どの測定数値も、それぞれの測定技法に見られる標準偏差から生じるいくらかの誤差を本質的に含み得る。
【0060】
ここに用いたように、本発明を説明し、請求項を記載する上で、単数形は、「少なくとも1つ」を意味し、そうではないと明白に示されていない限り、「たった1つ」に制限されるべきではない。それゆえ、例えば、「側面」という言及は、文脈が明らかにそうではないと示していない限り、そのような側面を1つ、2つ、またはそれ以上有する実施の形態も含む。
【0061】
ガラス板を製造するためのオーバーフローダウンドロー法は、国際公開第03/014032号、同第05/081888号の各パンフレットなどに記載されており、その関連する内容をここに全て引用する。
【0062】
図1および2は、通常の動作中のアイソパイプアセンブリ100を示している。アイソパイプは、上側トラフ形部分102および下側楔形部分104を備え、これらが組み合わさって、一体成形体100を形成する。トラフ形部分は、第1のトラフ内側面121を有する第1のトラフ側壁、第2のトラフ内側面123を有する第2のトラフ側壁、およびトラフ底面122を備え、これらが一緒になって開放通路(「トラフ」とも呼ばれる)103を画成し、その中に、典型的にその開放端を通じて、ガラス溶融物が導入される。ガラス溶融物は、第1のトラフ側壁の第1のトラフ上面125および第2のトラフ側壁の第2のトラフ上面127を越えて、第1のトラフ外側面129および第2のトラフ外側面131に沿って下方に、またさらに、第1のトラフ外側面129に接続された傾斜する第1の楔側面133および第2のトラフ外側面131に接続された傾斜する第2の楔側面135に沿って下方に流れることができる。2つの楔側面133および135を接合する基部109で、2つのガラスリボンが融着して一体ガラスリボン111を形成し、これは、所望の厚さとなるまで方向113に下方に引っ張られ、弾性状態まで冷却され、次いで、所望のサイズを有する個々のガラス板に切断される。説明の便宜上、(I)第1のトラフ側壁の第1のトラフ内側面121までと、(II)第2のトラフ側壁の第2のトラフ内側面123までと、の距離の最小の累積差を有する仮想面199が、開放通路(トラフ)103の中心面と定義する。それゆえ、開放通路103が中心線を通過する面に対して対称的である場合、中心面199は、開放通路103の両側が対称的である面であろう。トラフ形部分および楔形部分の両方が、開放通路の中心面199に対して対称的であることが望ましい。そのような筋書きにおいて、中心面199は、アイソパイプの基部ライン109も通過するであろう。
【0063】
所望のプロセスにおいて、ガラス溶融物は、第1と第2のトラフ上面125および127を溢れ出し、それらを連続的に覆って、滑らかかつ連続したガラスリボンを形成するべきである。同様に、アイソパイプの外側面129,131,133,135を下方に流れるガラスリボンは、中央よりも厚いか薄い厚さが許容されるであろう端部区域を除いて、アイソパイプの一端から他端まで著しい厚さの変動なく、全側面(端部キャップおよびエッジ・ディレクタなどの他のアイソパイプの付属品により物理的に拘束される)を覆うことが望ましい。2つのリボンの形態にあるガラス溶融物の流れは、ドロー装置の底部でガラス板を確実に製造できるように、長期間に亘り一貫していることが望ましい。成形動作の始めに、ガラスの流れが、所望の厚さと流量を有する、全幅の安定な一貫したリボンを確立するまでにある程度の時間がかかるであろう。全動作中のガラスの全体収率を増加させるために、そのような安定なガラスリボンを確立するのに要する初期期間ができるだけ短いことが非常に望ましい。第1と第2のトラフ上面の全長に沿ったガラス溶融物の流量とその分布が、引っ張りの底部で製造すべき最終的なガラス板の厚さおよび厚さのばらつきに影響する。
【0064】
図2に示すように、この実施の形態におけるアイソパイプのトラフ103は、その縦軸に対して実質的に垂直な面と交差したときに、矩形断面を有する。それゆえ、トラフ側壁は実質的に垂直であり、トラフの底面は少なくとも部分的に実質的に平面である。トラフ、およびアイソパイプは、トラフの開放端と連結した典型的に閉塞通路の形態にある入口管を通じてガラス溶融物がトラフ中に導入される開いた近接端、および典型的に閉じた遠位端を有する。
【0065】
過去において、比較的小さい板幅を有するガラス板を製造するために、2000mm未満の長さを有する小型世代のアイソパイプが使用されていたときに、入口管の接続は、典型的に、図3、4および5に示されるような形態をとる。入口管は、典型的に、中心軸307を有する円筒部分301、および円筒部分301の端部に溶接された円筒端とトラフの矩形開放端に接続された矩形端とを有する移行部分303を有する。ガラス溶融物は、一旦、トラフを完全に満たしたら、トラフ上面313を越えて流れ、上流プロセスにより提供されるようなガラス溶融物の全体の頭部のために、自由上面309を有するガラス溶融物の流れを確立する。この入口接続設計により、2000mm未満の幅を有するガラス板の製造の必要性を満たすことのできるガラス溶融物の速度分布が得られる。
【0066】
最近、本願の発明者等は、図3、4および5の従来の設計では、3000mm超の長さを有するアイソパイプを使用したガラス板の形成の必要性が満たされないことを発見した。要件を満たす厚さおよび厚さ変動プロファイルを有するガラス板をアイソパイプの下に製造する目的のために、トラフの側壁の上面を越えて、アイソパイプの側面に、連続した一貫したガラスリボンを確立することが難しかった。入口パイプの再設計が必要であった。
【0067】
意外なことに、本発明者等は、図6、7および8に示した閉塞通路を有する入口パイプの設計を使用することにより、3000mm超の長さを有する長いアイソパイプ上に、安定した一貫した信頼性のあるガラスリボンを確立できることを発見し、安定な成形プロセスを確立する速度は、極めて許容できた。この入口パイプ接続設計は、図3、4および5に示したものの実質的に逆の態様であるので、「逆入口設計」と呼ばれることもある。
【0068】
数学的モデル化およびシミュレーション、通常動作中に取り扱うべきガラス溶融物に似た流動学的性質を有するオイルを使用したオイルモデル化を含む徹底的な研究により、図6、7および8の逆設計により、図3、4および5のものとは著しく異なるガラス溶融物の速度分布が得られることが分かり、このことは、アイソパイプの表面上にガラスリボンを迅速に確立するために特に有益である。具体的には、ガラス溶融物の流れの顕著で望ましい特性は:第1と第2のトラフ上面においてオーバーフローが開始する地点で開放通路の中心面に対して接線方向の垂直面での溶融ガラスの流れの速度分布が、自由表面からの上四分の一における溶融ガラスの速度が、トラフの底面の直ぐ上の下四分の一における溶融ガラスの速度より速くなるようなものである。底部領域におけるよりも、上部、特に、ガラス溶融物の自由表面での速い速度が、LCD基板のためのガラス板の製造の必要性を満たす望ましい質量分布を有する、安定で連続したガラスの流れを、トラフの上面を越え、アイソパイプの側面に迅速に確立するのに特に有益であることが分かった。本発明者等は、この速度分布は、大型アイソパイプに特に有益であり、3000mm超の長さを有するものに要求されるであろうが、3000mm未満の長さを有するもの、特に少なくとも2000mmの重要な長さを有するものなどの、小型世代のアイソパイプに都合よく適用することができると考えている。
【0069】
本発明のプロセスのある実施の形態において、トラフ形部分の両側面129,131および楔形部分の両側面133,135上で下方に流れるガラスリボンが実質的に対称的である、すなわち、それらが、アイソパイプの一端から他端まで実質的に同じ幅を有し、側壁の上面からアイソパイプの基部まで実質的に同じ厚さ分布を有することが非常に望ましい。ガラスリボンは、ガラス溶融物の温度および粘度が上部から下部に変わるにつれて、両側でアイソパイプの上部から下部まで異なる厚さを有してもよい。両側面に沿って下方に流れる2つのガラスリボンが基部で接合するときに、アイソパイプの側面に接触する内面は、ガラスリボンの容積内に融着し、このリボンはアイソパイプより下方に引っ張られ、ガラスリボンの両外面は、どの固体表面とも接触せずに空気に曝露され続け、それによって、無垢の表面品質を維持し、これが、ガラス板の最終製品に移される。
【0070】
言うまでもなく、先に論じたように、側面129,131,133および135上に実質的に対称的なガラスリボンを確立するために、アイソパイプの堰表面(すなわち、第1のトラフ上面と第2のトラフ上面)を越え、側面129,131,133および135に沿ったガラス溶融物の流れは、実質的に同時に起こり、実質的に同じ速度プロファイルを有する必要がある。このためには、以下の全てが、トラフ103の開放通路の中心面199に対して対称的であることが非常に望ましい:(i)トラフ103の開放通路、(ii)第1と第2のトラフ内側面121および123、(iii)第1と第2のトラフ外側面129および131、および(iv)楔形部分の第1と第2の楔側面133および135。これらの実施の形態において、アイソパイプの形状および形状寸法の変化に対する、およびアイソパイプの両側に沿ったガラス溶融物の流れに対する、重力などの外力の影響が同様に対称的であることが望ましい。このためには、アイソパイプが、開放通路の中心面199が重力ベクトルに対して平行であり、基部ラインが中心面199内にあるような様式で配置されることが望ましい。
【0071】
第1と第2のトラフ上面125および127は、湾曲表面を使用してもよいが、実質的に平面であろう。同様に、側面129,131,133および135は、湾曲表面を使用してもよいが、実質的に平面であろう。第1と第2のトラフ上面125および127は、中心面199に対して実質的に垂直であるか、または同じ基準面に対して角度アルファを形成してよい。それでもなお、80°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、82°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、84°≦アルファ≦90°、ある実施の形態において、85°≦アルファ≦90°である。第1と第2のトラフ上面125および127の縦軸は共通面内にあることが望ましく、この面は、開放通路の中心面199に対して垂直な基準面と交差して、角度ガンマを形成し、ここで、0°≦ガンマ≦10°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦8°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦6°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦5°、ある実施の形態において、0°≦ガンマ≦3°である。角度ガンマは、中心面199が重力ベクトルに対して平行になるようにアイソパイプが配置されたときに、水平面(基準面)に対する第1と第2のトラフ上面の下方に傾斜する角度である。本発明は、トラフ上面が、小さな角度ガンマで下方に傾斜している場合、アイソパイプの両側に安定で一貫したガラスの流れを迅速に確立するのに特に有益であることが分かった。
【0072】
トラフ底面122は、平面または湾曲面であり得る。それでも、アイソパイプの両側に対称的なガラス流を形成するために、トラフ底面122が、同様に開放通路103の中心面199に対して実質的に対称的であることが非常に望ましい。トラフ底面122は、一方の側壁から他方まで平らまたは湾曲していて差し支えなく、通路の一端から他端まで平らまたは湾曲していて差し支えない。図1に示された特に有益な実施の形態において、トラフ底面122は、近接端(入口端)から遠位端まで上方に傾斜し、それゆえ、中心面199に対して垂直な基準面と交差して、角度ベータを形成する。0°≦ベータ≦10°、ある実施の形態において、0°≦ベータ≦8°、ある実施の形態において、0°≦ベータ≦5°、ある実施の形態において、0°≦ベータ≦3°であることが望ましい。別の実施の形態において、図3および6に示されるように、トラフ底面122は、近接端から遠位端まで下方に傾斜し、それゆえ、中心面199に対して垂直な基準面と交差して、角度ベータ2を形成する。0°≦ベータ2≦10°、ある実施の形態において、0°≦ベータ2≦8°、ある実施の形態において、0°≦ベータ2≦6°、ある実施の形態において、0°≦ベータ2≦5°であることが望ましい。第1と第2のトラフ上面が近接端から遠位端まで下方に傾斜している場合、底面122が同様に近接端から遠位端まで下方に傾斜し、それゆえ、アイソパイプの両側で安定で一貫した流れを比較的迅速に確立できることが望ましい。
【0073】
それゆえ、アイソパイプの開放通路103は、近接端から遠位端までの長さLL、および中心面199に対して垂直な基準面と交差したときの矩形断面を有し得る。この断面は、中心面199が重力ベクトルに対して平行に配置されたときに重力ベクトルの方向における高さHH、および幅WWを有し得る。先に記載したように、本発明は、大型のガラス板を製造するのに適した長い長さを有するアイソパイプに使用するのに特に有益である。たとえば、本発明のプロセスのある実施の形態において、LL≧2000mm、ある実施の形態において、LL≧2500mm、ある他の実施の形態において、LL≧3000mmであることが有益である。先に述べたように、本発明のプロセスは、同様に、2000mm未満のLLを有するアイソパイプに有益に使用されるであろう。
【0074】
オーバーフローフュージョンダウンドロー法を含む図9に示されたガラス板製造システム900において、ガラス溶融物926は、ガラス溶融タンク910内で原材料912を溶融することによって、典型的に形成され、次いで、例えば、管922により接続された清澄管915および撹拌機920内で、脈理や気泡などの不均一部分を減少または除去するために状態調節される。ガラス溶融物は、次いで、通路927を通ってボウル925に、次いで、下降管930を通じて、垂直部分と水平部分とを含む入口管アセンブリ932へと送達される。水平部分936は、アイソパイプの近接端で開放通路937の開放端に連結される。ガラス溶融物が開放通路を一旦満たしたら、開放通路937の両側壁(堰と呼ばれる)を越え、2つのガラスリボン938としてアイソパイプの側面に沿って下方に流れることができ、これらのリボンはアイソパイプの基部939で接合して、一体ガラスリボン926を形成し、これは、次いで、例えば、フュージョンドロー装置(FDM)940の内部の引張りロール940により、下方に引っ張られ、弾性ガラスリボン905へと冷却され、このリボンは、その後、別個のガラス板に切断される。
【0075】
本発明は、入口管アセンブリの水平部分に対する改良を含む。先に述べたように、図3、4および5は、2000mm未満のLLを有するものなどの小型世代のアイソパイプのために以前使用された入口管アセンブリの構成を示している。入口管アセンブリの水平部分は、重力ベクトルに対して典型的に平行である、垂直ライン503の方向にある第1の軸を有する楕円形円筒部分301、および水平ライン501の方向にある第2の軸を含む。入口管アセンブリの水平部分は、楕円形円筒部分301を開放通路305の開放端に接続する移行部分303をさらに備えている。それゆえ、移行部分は、301の端部にぴったりと接続された楕円形円筒部分およびアイソパイプのトラフの開放通路の近接端にぴったりと接続された矩形端を備えている。図3の設計の結果、楕円形円筒部分301の縦軸307が、303の矩形端の中心より低くなる。ガラス溶融物は、エッジガイド(図示せず)により封じ込められ、エッジガイドが終わる位置311に到達するまで、第1のトラフ上面313から溢れ出ることができない。図5に示されるように、楕円形円筒部分の第2の軸は、ライン501の方向にある移行部分の幅より大きい。したがって、ガラス流は、幅が圧縮されるが、楕円形円筒部分を出て、移行部分に入るときに、高さが拡大される。図3が示すように、この入口管アセンブリの構成により、オーバーフロー開始位置311でガラス溶融物が溢れ出ることができる。しかしながら、後に述べるように、この構成は、3000mm超の長さを有する大型アイソパイプにとっては許容できないことが分かった。
【0076】
大型アイソパイプの動作に関する徹底的な研究と開発努力の結果として、本発明者等は、図6にその実施の形態が示されている、入口アセンブリの水平部分の逆設計を考え出した。図3の設計と類似して、入口アセンブリの水平部分は、縦軸607を有する第1の部分601、および第1の部分601に接続された第1の端部と、アイソパイプのトラフの開放通路の近接端にぴったりと接続された第2の端部を有する移行部分603を含む。図6、7および8に示された実施の形態において、第1の部分601は、楕円形円筒形状、すなわち、楕円形断面を有し、移行部分は、第1の部分601に接続された楕円形円筒端部、およびアイソパイプのトラフの開放通路の近接端に接続された矩形端部を有する。第1の部分の他の断面、したがって、移行部分の他の断面を使用してもよい。例えば、第1の部分は、矩形または正方形、梨形、ハート形、または他の形状を持つ断面を有してもよい。第1の部分の断面の第1の軸はその垂直中心線であり、第1の部分の断面の第2の軸は水平中心線である。その断面の中心は、第1と第2の軸の交点である。第1の部分の断面は、その第1の軸に対して実質的に対称的であることが望ましい。逆設計のために、第1の部分601の縦軸607は、移行部分603の矩形端部の中心よりも高い。矩形端部の中心は、矩形断面の対角線の交点である。同様に、ガラス溶融物は、エッジガイド(図示せず)により制限され、位置611まで第1のトラフ上面613を越えて溢れ出ることができない。その上、図7および8に示されるように、第1の部分601は、803の方向(ある実施の形態において重力ベクトルの方向)の第1の軸および、801に垂直な方向803の第2の軸を有する断面を有する。図7および8に示されるような実施の形態において、第1の部分601の第2の軸は、移行部分603の矩形端部の幅よりも大きく、幅方向に圧縮され、高さ方向に拡大されるガラス流が生じる。特に望ましい実施の形態において、入口アセンブリの水平部分の第1の部分は、少なくとも移行閉塞通路に直接接続された区域において、円筒形状をとる。この逆の構成の結果として、他の条件の全てが等しいと仮定すると、表面領域におけるガラス溶融物の速度は、底部領域におけるよりも速く、オーバーフロー開始地点に近接した領域の表面におけるガラス溶融物の速度は、図3、4および5に示された実施の形態よりも速い。図6、7および8に示された実施の形態は、アイソパイプの近接端で開放通路の断面の幅WW(IE)よりも大きい第2の軸を有しているが、そのような関係は必要ではない。ある実施の形態において、第1の部分の第2の軸はWW(IE)より小さくてもよい。それにもかかわらず、第1と第2のトラフ上面およびアイソパイプの側面の意図する区域を被覆する確実なガラス流を確立することが都合よく、ここで、第1の部分の第2の軸の長さに対するWW(IE)の比は、0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある他の実施の形態において、0.6から0.7である。
【0077】
第1の部分の第1の軸が、第2の移行閉塞通路に接続された開放通路の端部でトラフ形部分の開放通路の矩形断面の高さHH(IE)より小さいことが非常の望ましい。これにより、ガラス溶融物が第1の部分から移行部分に流れるときに、垂直方向にガラス流が拡大されるであろう。この拡大により、堰表面およびアイソパイプの側面に亘りガラスの確実な流れが形成されるであろう。ある実施の形態において、HH(IE)に対する第1の部分の断面の第1の軸の比は、0.5から0.95、ある実施の形態において、0.6から0.9、ある実施の形態において、0.6から0.8、ある実施の形態において、0.6から0.7である。
【0078】
同様に、アイソパイプの両側に対称的なガラス流を得るために、移行閉塞通路の配置が、アイソパイプのトラフの開放通路の中心面199に対して対称的であるようなものであることが非常に望ましい。ある実施の形態において、移行閉塞通路に接続された円筒閉塞通路の少なくとも一部が、アイソパイプの開放通路の中心面に対して対称的であるように配置されることがさらに望ましい。
【0079】
ある実施の形態において、第2の移行閉塞通路の端部に接続された第1の部分の端部の断面の中心から、重力ベクトルに対して垂直であり、開放通路の開放端の底部ラインに対して接線方向の面までの距離はDT1であり、開放通路の端部に隣接する溶融ガラスの自由表面から、重力ベクトルに対して垂直であり、開放通路の開放端の底部ラインに対して接線方向の面までの距離はDT2であり、DT1/DT2≧0.50、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.60、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.70、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.80、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.90である。この配置により、底部領域のガラス溶融物の速度に対して速い表面領域のガラス溶融物の速度を確立することができる。その上、この装置の構成により、近接端から遠位端まで開放通路の幅に亘りより均一な厚さを有する、堰表面を越えて流れるガラスリボンのより速くより安定な確立が可能になるであろう。
【0080】
本発明を使用してアイソパイプの両側に対称的なガラス流を得るために、第1の部分の端部を出る直前の溶融ガラスの流れの速度分布が、開放通路の中心面に対して対称的であることが非常に望ましい。ある実施の形態において、第1の部分の端部を出る直前の溶融ガラスの流れの速度分布が、重力ベクトルに対して垂直であり、第1の部分の断面の第2の軸を通る面に対して対称的であることでさえ望ましい。
【0081】
本発明の第2の態様は、ガラス板を製造するための装置において、
(a) 楔形部分の上にトラフ形部分を備えた成形体であって、トラフ形部分が、トラフ底面上に第1のトラフ側壁および第2のトラフ側壁を有して、開放端を有する開放通路を画成し、開放通路が中心面を有し、第1のトラフ側壁が、第1のトラフ内面、第1のトラフ上面および第1のトラフ外側面を有し、第2のトラフ側壁が、第2のトラフ内面、第2のトラフ上面および第2のトラフ外側面を有し、楔形部分が、第1のトラフ外側面に接続された第1の楔側面、および第2のトラフ外側面に接続された第2の楔側面を有し、第1と第2の楔側面が下方に傾斜して基部ラインで接合している成形体、および
(b) 開放通路の開放端を通ってトラフ形部分の開放通路に接続された閉塞通路を画成する管であって、
(b1) 中心面が重力ベクトルに対して平行な場合、重力ベクトルに対して平行である第1の軸、および第1の軸に対して垂直な第2の軸を有する中心面に対して垂直な面と交差したときの断面を有する第1の部分、および
(b2) 第1の部分をトラフ形部分の開放通路とぴったりと接続する第2の移行閉塞通路、
を有する管、
を備え、
第2の移行閉塞通路の端部に接続された第1の部分の端部の断面の中心から、第1の軸に対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の面までの距離は、DT1であり、
開放通路の端部での第1のトラフ上面から、第1の軸に対して垂直であり、開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の前記面までの距離は、DT2であり、
DT1/DT2≧0.50、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.60、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.70、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.80、ある実施の形態において、DT1/DT2≧0.90である装置である。
【0082】
本発明の装置の様々な実施の形態の詳細な説明が、プロセスの上記説明に見られる。
【0083】
それぞれ、図3および図6の装置の構成を使用して、3000mm超の長さを有するアイソパイプ上のガラス溶融物の流れのシミュレーションを行った。図3および6に示される入口アセンブリの構造を除いて、両方の構成についての条件が同一であると仮定して、流体力学モデルを使用して、第2のトラフ上面の上の自由表面でのガラス溶融物の速度ベクトルの大きさ(VFS)およびガラス溶融物の厚さ(TH)を計算した。VFSは、図10において中心面199に対して実質的に垂直であるのが示されているが、その必要はない。図11において、一連の黒の菱形データは、図6の構成を使用したガラス溶融物のVFSであり、一連の黒の三角形データは、図3の構成を使用したガラス溶融物のVFSであり、一連の白の正方形データは、図6の構成を使用したガラス溶融物の厚さTHであり、一連の白の三角形データは、図3の構成を使用したガラス溶融物の厚さTHである。左の縦軸はVFSを示し、右の縦軸は厚さTHの目盛りを示し、横軸は、ガラス溶融物のオーバーフローが第2のトラフ上面127に沿って開始する地点からの距離を示す。同じデータが異なる様式で図12に示されている。ここでは、一連の黒の菱形データ1201は、図3の構成の使用に対する、図6の構成を使用することによるVFSの増加パーセント(VI、その目盛りが左の縦軸に示されている)を示し、一連の白の正方形データ1203は、ガラス溶融物の厚さの変化パーセント(THI、そのメモリが右の縦軸に示されている)を示し、横軸は、ガラス溶融物のオーバーフローが第2のトラフ上面127に沿って開始する位置からの距離を示している。
【0084】
図11および12のデータは、以下のことを明らかに示している。本発明の実施の形態である図6の構成により、第2のトラフ上面127の長さに沿ったガラス溶融物のはるかに均一な表面速度およびはるかに均一なガラス溶融物の厚さが得られた。図3の構成を使用すると、オーバーフロー開始地点に近い区域における表面のガラス溶融物の速度およびガラス溶融物の厚さの両方が小さかった。図6の構成を使用すると、オーバーフロー開始地点に近い位置における表面のガラス溶融物の速度(12%まで)およびガラス溶融物の初期厚さ(4%まで)が大幅に増加した。したがって、図3の構成を使用するよりも、図6の構成を使用すると、より均一な厚さのガラスリボンが得られる。さらに、堰上面でのガラス流のより均一な速度および厚さのプロファイルにより、より信頼性があり、一貫したガラス板引っ張りプロセスがもたらされる。
【0085】
本発明の範囲および精神から逸脱せずに、本発明の様々な改変および変更を行えることが当業者には明らかである。それゆえ、本発明は、本発明の改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびその同等物に含まれるという条件で包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0086】
100 アイソパイプアセンブリまたは成形体
102 トラフ形部分
103 トラフまたは開放通路
104 楔形部分
109 基部
122 トラフ底面
125,127 第1と第2のトラフ上面
129,131 第1と第2のトラフ外側面
133,135 傾斜した第1と第2の楔側面
301 円筒部分
303,603 移行部分
601 第1の部分
900 ガラス板製造システム
910 ガラス溶融タンク
915 清澄管
920 撹拌機
925 ボウル
930 下降管
940 フュージョンドロー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラフ形部分および該トラフ形部分の下にある楔形部分を備えた成形体を使用したオーバフロー法によりガラス板を製造する方法であって、前記トラフ形部分が、トラフ底面に亘る第1のトラフ側壁および第2のトラフ側壁を有して、開放端を有する開放通路を画成し、該開放通路が中心面を有し、前記第1のトラフ側面が第1のトラフ内面、第1のトラフ上面および第1のトラフ外側面を有し、前記第2のトラフ側壁が第2のトラフ内面、第2のトラフ上面および第2のトラフ外側面を有し、前記楔形部分が、前記第1のトラフ外側面に接続された第1の楔側面、および前記第2のトラフ外側面に接続された第2の楔側面を有し、前記第1と第2の楔側面が下方に傾斜して、基部ラインで接合し、前記方法が、
(i) 溶融ガラスの流れを、閉塞通路を介して、前記トラフ形部分の開放通路へと該開放通路の開放端を通じて供給する工程、
(ii) 前記溶融ガラスを、前記第1のトラフ上面の少なくとも一部を越えて、前記第1のトラフ外側面に沿って下方に流して、該第1のトラフ外側面に亘り第1のガラスリボンを形成する工程、および
(iii) 前記溶融ガラスを、前記第2のトラフ上面の少なくとも一部を越えて、前記第2のトラフ外側面に沿って下方に流して、該第2のトラフ外側面に亘り第2のガラスリボンを形成する工程、
を有してなり、
工程(i)において、前記閉塞通路および前記開放通路が、前記第1のトラフ上面のオーバーフロー開始地点で該開放通路の中心面に対して接線方向の垂直基準面にある前記溶融ガラスの流れの速度分布が、上四分の一の該溶融ガラスの平均速度が、トラフ底面の直ぐ上の下四分の一の平均速度より速いようなものであるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記閉塞通路および前記開放通路が、前記第1のトラフ上面のオーバーフロー開始地点で前記垂直基準面にある前記溶融ガラスの流れの速度分布が、上三分の一の該溶融ガラスの平均速度が、トラフ底面の直ぐ上の下三分の一の平均速度より速いようなものであるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記トラフ形部分に接続された前記閉塞通路が、
(A) 重力ベクトルに対して平行な第1の軸、および前記重力ベクトルに対して垂直な第2の軸を有する前記開放通路の中心面に対して垂直な面と交差したときに断面を有する第1の部分、および
(B) 前記第1の部分を前記トラフ形部分の開放通路にぴったりと接続する第2の移行閉塞通路、
を含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1の部分の断面が楕円形であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の部分の第2の軸に対する第1の軸の比が1.0から3.0に及ぶことを特徴とする請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記第1の部分の第2の軸が、前記第2の移行閉塞通路に接続された前記開放通路の端部で前記トラフ形部分の開放通路の断面の幅WW(IE)より大きいことを特徴とする請求項3または4記載の方法。
【請求項7】
前記第1の部分の第2の軸の長さに対するWW(IE)の比が0.5から0.95であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部分の第1の軸が、前記トラフ形部分の開放通路の矩形断面の高さHH(IE)より、前記第2の移行閉塞通路に接続された該開放通路の端部で小さく、HH(IE)に対する前記第1の部分の楕円形断面の第1の軸の比が0.5から0.95であることを特徴とする請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記第2の移行閉塞通路の端部に接続された前記第1の部分の端部の断面の中心から、重力ベクトルに対して垂直であり、前記開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の面までの距離は、DT1であり、
前記開放通路の端部に接している前記溶融ガラスの自由表面から、前記重力ベクトルに対して垂直であり、前記開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の前記面までの距離は、DT2であり、
DT1/DT2≧0.50
であることを特徴とする請求項3から8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
ガラス板を製造するための装置において、
(a) 楔形部分の上にトラフ形部分を備えた成形体であって、該トラフ形部分が、トラフ底面上に第1のトラフ側壁および第2のトラフ側壁を有して、開放端を有する開放通路を画成し、該開放通路が中心面を有し、前記第1のトラフ側壁が、第1のトラフ内面、第1のトラフ上面および第1のトラフ外側面を有し、前記第2のトラフ側壁が、第2のトラフ内面、第2のトラフ上面および第2のトラフ外側面を有し、前記楔形部分が、前記第1のトラフ外側面に接続された第1の楔側面、および前記第2のトラフ外側面に接続された第2の楔側面を有し、該第1と第2の楔側面が下方に傾斜して基部ラインで接合している成形体、および
(b) 前記開放通路の開放端を通って前記トラフ形部分の開放通路に接続された閉塞通路を画成する管であって、
(b1) 前記中心面が重力ベクトルに対して平行な場合、該重力ベクトルに対して平行である第1の軸、および該第1の軸に対して垂直な第2の軸を有する中心面に対して垂直な面と交差したときの断面を有する第1の部分、および
(b2) 前記第1の部分を前記トラフ形部分の開放通路とぴったりと接続する第2の移行閉塞通路、
を有する管、
を備え、
前記第2の移行閉塞通路の端部に接続された前記第1の部分の端部の断面の中心から、前記第1の軸に対して垂直であり、前記開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の面までの距離は、DT1であり、
前記開放通路の端部での前記第1のトラフ上面から、前記第1の軸に対して垂直であり、該開放通路の開放端の下部ラインに対して接線方向の前記面までの距離は、DT2であり、
DT1/DT2≧0.50
であることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記第1の部分の断面が楕円形であることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記第1の部分の第2の軸に対する第1の軸の比が1.0から3.0に及ぶことを特徴とする請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
前記第1の部分の第2の軸が、前記第2の移行閉塞通路に接続された前記開放通路の端部で前記トラフ形部分の開放通路の断面の幅WW(IE)より大きいことを特徴とする請求項10から12いずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記第1の部分の第2の軸の長さに対するWW(IE)の比が0.5から0.95であることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記第1の部分の第1の軸が、前記トラフ形部分の開放通路の矩形断面の高さHH(IE)より、前記第2の移行閉塞通路に接続された該開放通路の端部で小さいことを特徴とする請求項10から14いずれか1項記載の装置。
【請求項16】
HH(IE)に対する前記第1の部分の楕円形断面の第1の軸の比が0.5から0.95であることを特徴とする請求項15記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−96987(P2012−96987A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−238408(P2011−238408)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)