説明

ガラス製打楽器

【課題】温度や湿度による音程の狂いを防止でき、多くの音域を備えてガラス特有の澄んだ乾いた響きに長い余韻を持たせながら不快な残響音を程良く切ることができる美しい音色を発音できるガラス製打楽器を提供する。
【解決手段】ガラス製打楽器10は、フレーム11上部の枠状基台12の長手方向側板上部に設けられる載置部13に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させてブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体14を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マレットで打撃して発音させる打楽器に関し、より詳細には、打撃されることで発音する、所謂、音板と称されている部分の被打撃体部分が澄んだ乾いた響きの美しい音色を発音できるガラス製からなるガラス製打楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、従来の打楽器50には、木琴、鉄琴、マリンバ、ビブラフォン、シロフォン等のようなものがあり、それぞれの固有振動数をもった複数の平板状の木製や、強化プラスチック製や、金属製からなる音板51をフレーム52上に並べたり、音板51に糸を通して吊ったりして、これらの音板51を発音させるための打撃棒であるマレットで打撃して演奏するようになっている。また、このような打楽器50には、複数の平板状のガラス製からなる音板51を上記と同じようにフレーム52上に並べてこの音板51をマレットで軽く打撃してガラス板の破壊を防止しながら演奏するものがある。なお、上記の打楽器50は、通常、音板51が全音用と、半音用の2列で構成されている。また、上記の打楽器50には、図示しないが、マリンバに代表されるような音板51の下方に共鳴用のパイプを備えた構成からなるものもある。
【0003】
これらの打楽器50に用いられる音板51は、比較的厚みの薄い平板状からなり、重さが比較的軽量であるので、マレットで叩いたときに音板51の移動や、落下を防止しながら繋留させ、所定の振動を発現させて発音できるようにする必要がある。これに対応させるために、糸を通して吊る音板51は、吊った状態で糸をフレーム52にブリッジ状に支持している。あるいは、図7(A)に示すように、フレーム52上に並べる音板51は、両端部や、中央部等に設けた貫通孔等を介してねじや、紐等の固定具53で繋留させてフレーム52上にブリッジ状に支持している。また、フレーム52上にブリッジ状に載置される音板51は、載置部54に帯状のフェルトや、軟質スポンジ等のクッション性のある保護物を敷いて保持している。更に、音板51は、マレット打撃側の裏面側、又は側面側にそれぞれの音階における音程を整えるための半長円形状からなる切り欠き部55を切削して設けている。この切り欠き部55が直線部のある半長円形状からなるのは、裏面側の場合では音板51の厚みが薄くなりすぎるのと、側面側の場合ではマレットの幅が小さくなり打撃部が狭くなりすぎることによるものである。なお、平板状のガラス製からなる音板51の場合には、マレットで打撃するときの破壊強度に耐えるだけの抗折強度が必要であるので、両端部をブリッジ状に支持する支持間隔寸法を大きくするのに制限がある。従って、この平板状のガラス製からなる音板51を用いた打楽器は、比較的打撃力の小さな発音と、少ない音域からなる比較的コンパクトのものとなっている。また、図7(B)に示すように、平板状のガラス製からなる音板51は、厚さが薄く切削加工が難しいので、切り欠き部55が音板51の側面側のみに設けられている。
【0004】
上記の平板状の木製からなる音板51を用いた打楽器50は、木を叩く柔らかな音色を楽しむことができることから、従来から多くの音域を備えた本格的な演奏用等としての大型のものから、音楽教育用等としての小型のものまで一般的に広く用いられてきている。また、上記の平板状の強化プラスチック製からなる音板51を用いた打楽器50は、木を叩く音色に近く、従来から大型のものから、小型のものまで一般的に広く用いられてきている。そして、この強化プラスチック製からなる音板51は、キズが付きにくいので、特に、年齢の低い子供にも手軽に使用できる。上記の平板状の金属製からなる音板51を用いた打楽器50は、金属を叩く金属音の高い響きを楽しむことができることから、これも従来から大型のものから、小型のものまで一般的に広く用いられてきている。そして、この金属製からなる音板51には、金属板の内部に空洞を設けることもでき、様々な音色が期待できる。上記の平板状のガラス製からなる音板51を用いた打楽器50は、ガラス特有の澄んだ乾いた音色を発音させて楽しむことができる。
【0005】
しかしながら、木製や、強化プラスチック製や、金属製からなる音板51を用いた打楽器50は、音板51が温度変化に敏感に反応して、音程に変化を生じ、演奏に狂いが生じるという問題を有している。特に、木製や、強化プラスチック製からなる音板51を用いた打楽器50は、音板51が湿度変化にも敏感に反応して、音程に変化を生じ、演奏に狂いが生じるという問題を有している。また、木製や、強化プラスチック製からなる音板51を用いた打楽器50は、音板51を打撃したときに、木や、強化プラスチックからの発音がぽこぽことした響きのない音となっている。この響きを補填するために、音板51の下方にパイプ状の共鳴体を設ける場合の打楽器50は、それぞれの音板51の振動数に合わせた共鳴体を設ける必要があるので、共鳴体の作製にコストがかかり、打楽器50のコストアップとなっている。金属製からなる音板51を用いた打楽器50は、音板51を打撃したときに、金属からの発音が延びて長時間をかけて消えていくので残響音が耳に残る音となっている。平板状のガラス製からなる音板51を用いた打楽器50は、ガラスが温度や、湿度の変化に対して非常に強く、音程の狂いを発生させることなく演奏することができ、ガラス特有の澄んだ乾いた音色を発音させることができるものの、音板51が薄いガラス板で力強い打撃ができなく発音の大きさが小さい上に、金属製からなる音板51と同様にガラス板からの発音が延びて長時間をかけて消えていくので、様々な音の混じり合った不快な残響音が耳に残る音となっている。また、平板状のガラス製からなる音板51を用いた打楽器50は、ガラス板の強度の制限から多くの音域を備えた本格的な演奏用等としての大型のものの作製が難しく、狭い音域の曲を楽しむことができる程度にしか用いることができないという問題を有している。
【0006】
従来のガラス製打楽器には、アーチ状に立設させた支持フレームに、固定具を介して皿状又は鉢状に形成された複数個のガラス器を、開口側を同じ向きにして略等間隔に配置したガラス製打楽器であって、ガラス器が底部中央に透孔が穿設されると共に、それぞれ異なる音程に調節され、また固定具が支持フレームに挟持固定される固定部材と、緩衝部材を介そうしてガラス器の底部両側に当接する一対のプレートと、ガラス器の透孔を挿通し、これら一対のプレートを介してガラス器を固定部材に螺着固定するねじ部材とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このガラス製打楽器によれば、数個のガラス器を組み合わせて打楽器としての演奏に適した配列、及びこのようなガラス器を破損させることなく支持できるようにしたガラス製打楽器として提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭61−157990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したような従来のガラス製打楽器は、次のような問題がある。
(1)従来のガラス製打楽器は、平板状の音板を用いる場合には、例え、打撃力の制限がなく、広い音域でガラスを打撃して発音させて本格的な演奏を行うことができるようにすることが期待されたとしても、ガラス板に未だこの要求に十分に応えられるような強度を持たせることができないという問題を有している。
(2)従来のガラス製打楽器は、本来、ガラス製打楽器に期待されるような、音に余韻が長く延びるが、残響音は長く引っぱらずに程よく切れて、多くの音を打撃して演奏したとしても不調和音等の不快な音が残らないような心地のよい音を得ることができないという問題を有している。
(3)実開昭61−157990号公報に開示されているようなガラス製打楽器は、発音体である音板に相当するガラス器が皿状又は鉢状に形成され、開口側を同じ向きにして略等間隔に配置されるので、マレットを片手に複数本持っての演奏や、テンポの速い曲の演奏が難しい。また、皿状又は鉢状に形成されたガラス器は、開口側を同じ向きに配置して複数個を配列し、しかも、広い音域を備えるように配列すると、配置場所が大きくなって演奏に支障がでてくるという問題を有している。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、温度や湿度による音程の狂いを防止でき、多くの音域を備えてガラス特有の澄んだ乾いた響きに長い余韻を持たせながら不快な残響音を程良く切ることができる美しい音色を発音できるガラス製打楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う本発明に係るガラス製打楽器は、フレーム上部の枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させてブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有する。
【0010】
前記目的に沿う本発明に係る他のガラス製打楽器は、フレーム上部の枠状基台の枠内に、上方に開口を設ける、又は上方に複数個の貫通孔を備える蓋体を設ける箱体からなり、発音の音響効果を促進させる共鳴体と、フレーム上部の枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させると共に、共鳴体と離間してブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有する。
【0011】
ここで、上記のそれぞれのガラス製打楽器は、ガラス円柱体が少なくとも一方の端面にそれぞれの音階における音程を整えるための研削面と、必要に応じてガラス円柱体のマレット打撃側の裏面側にそれぞれのガラス円柱体の太さの半分以下の深さからなる円弧形状の切り欠き部を有するのがよい。
【0012】
また、上記のガラス製打楽器は、ガラス円柱体の横列配列が2列相互間で段差のある上段側に半音用列と、下段側に半音用列より演奏者側に位置する全音用列を有すると共に、2列のそれぞれのガラス円柱体の研削面が演奏者側に対向して有し、しかも、半音用列の研削面側の端部が全音用列の研削面側と反対側の端部に離間する上方に有するのがよい。
【0013】
更に、上記のガラス製打楽器は、ガラス円柱体が重さ500g以上、長さ15cm以上、及び直径3cm以上有するのがよい。
【0014】
また、更に、上記のガラス製打楽器は、ガラス円柱体が内部に気泡を有するのがよい。
【0015】
更に、上記のガラス製打楽器は、ガラス円柱体をブリッジ状に載置する載置部が凹溝からなり、凹溝上に帯状のスポンジゴムを有するのがよい。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明、又はこれに従属する発明のガラス製打楽器は、フレーム上部の枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させてブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有するので、ガラス円柱体が丸棒形状によって、マレットでの打撃ポイントが上からだけでなく、角度のついた位置からでも打撃することができると共に、マレットで打撃しても破壊しない強度を有して多くの音域を備えたガラス特有の澄んだ乾いた響きの美しい音色を発音させることができる演奏を手軽に楽しむことができるガラス製打楽器を提供できる。また、ガラス円柱体からの発音は、円柱体であることで、高音域での明るくきらびやかな音、低音域での落ち着いた響きと伸びやかな音で、全体で豊かな音量感と不快な残響音を残さない音をだすことができ、程よい距離への演奏ができるガラス製打楽器を提供できる。
【0017】
上記本発明、又はこれに従属する発明のガラス製打楽器は、フレーム上部の枠状基台の枠内に、上方に開口を設ける、又は上方に複数個の貫通孔を備える蓋体を設ける箱体からなり、発音の音響効果を促進させる共鳴体と、フレーム上部の枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させると共に、共鳴体と離間してブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有するので、ガラス円柱体が丸棒形状によって、マレットで打撃しても破壊しない強度を有し、ガラス円柱体からの発音を共鳴体である箱体で振幅を増大させて振動させて音響効果を向上させ、ガラス特有の澄んだ乾いた響きの美しい音色を発音させることができ、本格的な演奏も楽しむことができるガラス製打楽器を提供することができる。また、ガラス円柱体からの発音は、円柱体であることで、高音域での明るくきらびやかな音、低音域での落ち着いた響きと伸びやかな音で、全体で豊かな音量感と不快な残響音を残さない音をだすことができ、程よい距離への演奏ができるガラス製打楽器を提供できる。
【0018】
特に、上記本発明に従属する発明のガラス製打楽器は、ガラス円柱体が少なくとも一方の端面にそれぞれの音階における音程を整えるための研削面と、必要に応じてガラス円柱体のマレット打撃側の裏面側にそれぞれのガラス円柱体の太さの半分以下の深さからなる円弧形状の切り欠き部を有するので、ガラス円柱体の研削端面や、切り欠き部の形成で容易に音程の整った音階がとれ、複数オクターブの音域を確保でき、本格的な演奏を可能にできる。また、ガラス円柱体に形成する切り欠き部は、ガラス円柱体の太さの半分以下の深さからなる円弧形状であるので、マレットの打撃に対する強度を保つことができると共に、響きのよい振動数をもったガラス円柱体とすることができる。
【0019】
また、上記本発明に従属する発明のガラス製打楽器は、ガラス円柱体の横列配列が2列相互間で段差のある上段側に半音用列と、下段側に半音用列より演奏者側に位置する全音用列を有すると共に、2列のそれぞれのガラス円柱体の研削面が演奏者側に対向して有し、しかも、半音用列の研削面側の端部が全音用列の研削面側と反対側の端部に離間する上方に有するので、上段側の半音用列のマレット打撃面を下段側の全音用列のマレット打撃面に近接させてそれぞれのガラス円柱体を設けることができ、両手のそれぞれに複数本のマレットを持って演奏しても、全音用と、半音用のガラス円柱体にそれぞれのマレットを同時や、交互に連続させて打撃することができる。
【0020】
また、特に、上記本発明に従属する発明のガラス製打楽器は、ガラス円柱体が重さ500g以上、長さ15cm以上、及び直径3cm以上有するので、マレットで強く打撃してもガラス円柱体の移動や、落下を防止することができる。また、このガラス円柱体は、曲面部分を含めてマレットの打撃位置範囲を広くとれるので、演奏を容易にすることができると共に、打撃位置を変化させることでそのガラス円柱体の部分音の音色も楽しむことができる。更に、このガラス円柱体は、移動や、落下を防止できるので、両端部にねじや、紐等介してフレームに繋留させるための貫通孔等を設ける必要がなく、貫通孔等の形成による固有振動数の狂いの発生を防止することができる。
【0021】
更に、上記本発明に従属する発明のガラス製打楽器は、ガラス円柱体が内部に気泡を有するので、それぞれの音階における希望する音程を整えやすく必要な音階を得やすくすることができる。また、光が気泡で乱反射し、ガラス円柱体が輝いてみえ、演奏効果を一段と高めることができる。
【0022】
更に、特に、上記本発明に従属する発明のガラス製打楽器は、ガラス円柱体をブリッジ状に載置する載置部が凹溝からなり、凹溝上に帯状のスポンジゴムを有するので、ガラス円柱体を凹溝上に安全に載置できると共に、振動数に変化をもたらせない高反発素材のスポンジゴムを介してガラス円柱体を載置させ、変化のない発音によるガラス特有の澄んだ乾いた響きの非常に美しい音色の本格的な演奏を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係るガラス製打楽器の説明図である。
【図2】同他のガラス製打楽器の説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ同ガラス製打楽器の共鳴体の平面図、A−A’線縦断面図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ同ガラス製打楽器のガラス円柱体の説明図である。
【図5】同ガラス製打楽器のガラス円柱体の載置部の説明図である。
【図6】従来の音板を用いた打楽器の説明図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ同音板を用いた打楽器の音板の載置部の説明図、ガラス製音板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るガラス製打楽器を説明する。
図1に示すように、ガラス製打楽器10は、フレーム11上部の窓枠形状からなる枠状基台12の長手方向側板上部に設けられる載置部13に、長手方向に対して略直角方向にブリッジ状に載置されてマレットの打撃で発音させる発音体であるガラス円柱体14を有している。このガラス円柱体14は、ガラス製の無垢棒から切削加工されてなり、複数本のそれぞれが互いの隣接間が当接しないように隙間を設けて横列配列させて載置部13に載置されている。このガラス円柱体14の作製には、熔融ガラスを竿に巻き取って鉄板の上で押しつけながら回転させて無垢棒状に形成する吹きガラス方式や、熔融ガラスを鋳型の中に流し込み無垢棒状に形成する鋳造方式等が用いられている。
【0025】
上記のガラス円柱体14の作製に用いられるガラスは、特に、材質が限定されるものではなく、ソーダガラスや、カリガラスや、鉛ガラス等のガラスを用いることができる。上記のソーダガラスには、工芸用ソーダガラスと、工業用ソーダガラスとがある。工芸用ソーダガラスは、軟化温度が工業用ソーダガラスと比較して低く、ガラス円柱体14の直径や、長さの調節がし易く、後述する切削加工が容易であると同時に衝撃にも強いという多くの利点を有している。しかしながら、工業用ソーダガラスは、例えば、ビール瓶等に用いられるようなガラスであり、軟化温度が工芸用ソーダガラスより高く、再度加熱するときに失透しやすい上に、冷却時の硬化速度が早くて割れやすいという性質があるので、ガラス円柱体14に用いるには若干問題がある。従って、ガラス円柱体14の作製に用いるガラスは、工芸用ソーダガラスが好ましい。
【0026】
なお、カリガラスや、鉛ガラスには、ガラス円柱体14への使用に当たって、それぞれ以下のような作製課程において課題が残り、ガラス円柱体14への使用に当たっては若干問題がある。カリガラスは、衝撃に対して強いが、硬いという性質があり、後述するガラス円柱体14の切削加工に対して不向きとなっている。また、カリガラスは、軟化温度が高く、鋳造方式で作製する場合に用いるには不向きとなっている。鉛ガラスは、柔らかく切削加工はし易いが、表面にキス等が入り易くガラス円柱体14としての美観を損なうという問題がある。また、鉛ガラスは、軟化温度が工芸用ソーダガラスより低いものの鋳造方式で作製する場合には型を浸食する性質が強いので、形のよい無垢棒状に形成するのが難しくなっている。上記のことを勘案すると、ガラス円柱体14に用いるガラスとしては、工芸用ソーダガラスが最も好ましい形態となっている。
【0027】
上記のガラス製打楽器10は、フレーム11が木、金属、樹脂、プラスチック等で形成され、特に、その材料を限定するものではないが、ガラス円柱体14の重量を支えることができる強度と、構造を有している。このフレーム11の枠状基台12の平面視する形状は、特に、限定されるものではないが、通常、高音を発音させる側から低音を発音させる側に短手方向である幅寸法が大きくなって長手方向に延びているような台形状に形成されている。また、ガラス製打楽器10は、ガラス円柱体14のマレット打撃部の高さを、特に、限定するものではないが、フレーム11の枠状基台12から下方に延設させる、あるいは調節可能に延設できる脚部を設けて、演奏者が立って演奏できるようにすることもできるようにしている。更には、ガラス製打楽器10は、脚部の先端にキャスター等を取り付けて、可動自在にすることもできる。なお、脚部を設けたガラス製打楽器10は、フレーム11の上部に形成される枠状基台12の開口部に従来のマリンバ等に用いられているようなパイプをガラス円柱体14の下方に設けることで、マレットの打撃による発音に共鳴を持たせることもできる。
【0028】
次いで、図2、図3(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る他のガラス製打楽器を説明する。
図2に示すように、ガラス製打楽器10aは、フレーム11上部の窓枠形状からなる枠状基台12の枠内に、ガラス円柱体14からの発音の音響効果を促進させるための共鳴体15、15a(図3(A)、(B)参照)を有している。共鳴体15は、木製や、金属製や、樹脂製、あるいはFRP製等の箱体からなり、上方を開口としている。あるいは、図3(A)、(B)に示すように、共鳴体15aは、木製や、金属製や、樹脂製、あるいはFRP製等の箱体からなり、上方に複数個の貫通孔16を備える箱体と同じ材質からなる蓋体17を有している。共鳴体15、15aの材質は、上記のように、特に、限定されるものではないが、変形等が発生しにくい比較的強度が高く、共鳴しやすいものが好ましい。また、共鳴体15、15aの箱体の大きさや、形状は、特に、限定されるものではないが、通常、外周壁面が枠状基台12の内周壁面に当接し、高さを共鳴効果を高めることができる内部空間容積となるように形成している。なお、共鳴体14aの蓋体17に設けられる貫通孔16は、特に、数や、孔径や、形成位置が限定されものではないが、通常、短手方向の中央部に隣接間に略等間隔の隙間を設けて複数個が長手方向に連結するように設けている。
【0029】
また、ガラス製打楽器10aは、ガラス製打楽器10の場合と同様に、フレーム11上部の窓枠形状からなる枠状基台12の長手方向側板上部に設けられる載置部13に、長手方向に対して略直角方向にブリッジ状に載置されてマレットの打撃で発音させるガラス円柱体14を有している。このガラス円柱体14は、前記のガラス製打楽器10の場合と同様に、ガラス製の無垢棒から切削加工されてなり、複数本のそれぞれが互いの隣接間が当接しないように隙間を設けて横列配列させると共に、共鳴体15、15aと離間して載置部13に載置されている。上記のガラス製打楽器10aは、マレットで打撃して発音させるガラス円柱体14からの発音振動を共鳴体15、15aの開口や、貫通孔16を介して四角形状箱体内に取り込みながら外部に発音させることで、ガラス特有の澄んだ乾いた響きの美しい音色を美しく共鳴させて発音させることができる。なお、上記のガラス製打楽器10aには、前記のガラス製打楽器10の場合と同様なフレーム11を用いることができる。
【0030】
ここで、上記ガラス製打楽器10、10aに用いるための工芸用ソーダガラスを用いたガラス円柱体14を形成するためのガラス無垢棒の作製工程を簡単に説明する。なお、ガラス無垢棒の作製方式には、様々な方式があるが、前述した代表的な吹きガラス方式と、鋳造方式での説明をする。
〔吹きガラス方式による作製工程〕
(1)ガラス原料を加熱して熔融ガラスにする。
(2)竿先部を熔融ガラスに差し込み竿を回転させながら竿先部に熔融ガラスを巻き取ると共に、竿先端から前方に熔融ガラスを延設させながら軟らかさが残る程度の軟化ガラスにする。
(3)上記の軟化ガラスの上に新たな熔融ガラスを上記と同じ作業で重ねて形成する。なお、ガラス円柱体14の内部に気泡20(図4参照)を形成する場合には、竿先に巻き取った軟化ガラスの表面に炭酸をふりかけた後、その上に新たな熔融ガラスを重ねて形成する。
(4)上記作業を繰り返し、狙いとする音階用として見込む長さと直径分の軟化ガラスの量を調整する。
(5)軟化ガラスを鉄板の上で押しつけながら回転させ、変形が少なく、バラツキの少ない直径を持った、狙いの長さの硬化の進みかけたガラス無垢棒にする。なお、ガラス無垢棒の断面形状は、この工程で押しつけながら回転させて形成することで、円形以外に、楕円形や、かまぼこ型や、長円形等に形成することもできる。また、ガラス無垢棒から竿を取り除くための括りを竿先端の近接する位置の軟化ガラスに入れておく。
(6)ガラス無垢棒の括り位置で破断させて竿を取り除く。
(7)徐冷炉内に硬化したガラス無垢棒を載置させ、例えば、48時間程度の長時間をかけて徐冷しガラス無垢棒を作製する。
〔鋳造方式による作製工程〕
(1)狙いとする音階用として見込む長さと直径のガラス無垢棒の原型を粘土、ワックス、シリコン、樹脂、石膏、木、金属、セラミック等で作製する。なお、ガラス無垢棒の断面形状は、この工程の原型の断面形状を選択することで円形以外に、楕円形や、かまぼこ型や、長円形等にすることもできる。
(2)ガラス原料を詰めるためのガラス無垢棒の原型の鋳型を耐火石膏、耐火セメント、カーボン等の耐火素材で作製する。
(3)鋳型の中の原型を取り出し、空隙となった鋳型の中に水を入れて内容量を測定し、ガラスの比重をかけることで鋳型の中のガラス量を測定し、これを満たすことができる分のガラス原料を準備する。
(4)鋳型の中にガラス原料を充填する。
(5)ガラス原料が充填された鋳型を焼成炉に入れ、加熱して鋳型の湿気を抜きながら更に、加熱して熔融ガラスを作製した後、徐冷して鋳型の中にガラス無垢棒を作製する。
(6)鋳型からガラス無垢棒を取り出し、洗浄して仕上げる。
【0031】
上記の吹きガラス方式、又は鋳造方式で作製されるガラス無垢棒は、変形が少なく、ガラスに歪みを残さないように形成されているので、抗折強度や、耐衝撃性が高く、後述する振動数を調整するための切削加工においても切削性に優れている。特に、吹きガラス方式で作製されるガラス無垢棒は、任意の太さの高音を発音させるための長さの短いガラス円柱体14を容易に作製するのに優れている。また、特に、鋳造方式で作製されるガラス無垢棒は、長さ方向の変形が少なく、低音を発音させるための長さの長いガラス円柱体14を作製するのに優れている。また、鋳造方式で作製されるガラス無垢棒は、長さ方向の変形が少なく、上面部分を平面研磨して断面形状をかまぼこ形や、逆かまぼこ形や、上面の一部を平面状態とする楕円形等にする長さの長いガラス円柱体14を作製するのにも優れている。
【0032】
図4(A)、(B)に示すように、上記のガラス製打楽器10、10aは、ガラス円柱体14が少なくとも一方の端面にそれぞれの音階における音程に必要な振動数を整えるための研削面18を設けている。この研削面18は、ダイヤモンドソー等でガラス無垢棒の竿側であった一方の端部に、ガラス無垢棒の中心線に対して垂直に切断切削加工することで形成している。そして、研削面18の外周角部には、接触や衝突による欠落やクラックを防止するためや、人体への怪我を防止するために、研削面18外周部にR面取りや、C面取り加工を施している。ガラス製打楽器10、10aは、この研削面18の形成によって、音程の微調整は必要なものの、全ての音域の音階になるそれぞれのガラス円柱体14を形成している。
【0033】
また、ガラス製打楽器10、10aは、上記の研削面18を形成した後に、1つの音域を形成するための音階中の正確な音程に必要な振動数を整えるために、必要に応じてそれぞれのガラス円柱体14のマレット打撃側の裏面側に円弧形状からなる切り欠き部19を設けている。この切り欠き部19の円弧形状は、それぞれの切り欠き部19の最大深さaがガラス円柱体14の太さbに対しての半分以下、即ち、a≦1/2×bからなるように形成するのがよい。円弧形状の長さは、特に、限定するものではないが、ガラス円柱体14の長さ方向の中点をセンターにして、ガラス円柱体14の長さの3/5〜2/3程度になるように形成するのがよい。また、切り欠き部19の円弧の曲率半径は、特に、限定するものではないが、250〜1000mm程度が好ましい。この円弧形状からなる切り欠き部19は、ガラス円柱体14を殆ど角部を設けない曲面状態とすることができるので、マレットで打撃しても割れにくくなっている。また、切り欠き部19は、上面側であるマレット打撃側から見ると白色ガラス切削面を屈折させて見ることとなり、装飾性を向上させることができる。ガラス円柱体14は、切り欠き部19の深さaがガラス円柱体14の太さbの1/2を超える、即ち、a>1/2×bとなる場合には、マレットで打撃したときに割れやすくなる。また、切り欠き部19の形状を従来の音板に設けるような直線部のある半長円形状にすると、ガラス円柱体14に角部設けることとなり、切り欠き部19の作成段階や、マレットで打撃したときに割れやすくなる。
【0034】
1つの音域用の上記のそれぞれのガラス円柱体14は、音域中のそれぞれの音階におけるそれぞれの音程をとるのに、通常、発音させたそれぞれの音の振動数を、クロマチックチューナーを使用して440Hzに合わせるように切削加工を行って調整しながら調律している。なお、ガラス円柱体14は、切り欠き部19を設けることで音程が低くなり、研削面18を設けることで音程が高くなるよう作用する。また、ガラス円柱体14は、どこを打撃しても同じ音、響き、音程を耳で確認して調律、調整しても、打撃する奏法によって音色が変わるので、演奏者によって表現の幅を広げることができる。更に、ガラス円柱体14は、複数本の全てについての音の性格、すなわち、音色の硬さ、柔らかさ、明るい、暗いというようなことを1つ1つ確かめて、性格を揃えて組み合わせた1つの楽器としなければ楽器としてばらばらな印象を与えることとなる。このようなガラス円柱体14を用いるガラス製打楽器10、10aは、それぞれのガラス円柱体14の作製時に調律して決めたら通常の大気温度や、湿度等の環境の中では音程の狂いが発生しないので、演奏会毎の調律の必要性がなく、いつでも直ぐに演奏を開始することができる。。
【0035】
なお、ガラス製打楽器10、10aのガラス円柱体14は、通常、研削面18と相対向する他方の端部の切削加工の必要性が少なく、端部を切削加工を施さない凸レンズ状面とすることで、ガラス円柱体14の総表面積が広くなり、音階が作りやすくなっている。また、このガラス円柱体14は、この先端部分が丸くて力を分散でき衝撃に対して強く作用し、安全性を高めることができるようになっている。更に、このガラス円柱体14は、光が当たると凸レンズ状面による集光現象で装飾性を向上させることができ、演出効果を向上させることができる。
【0036】
上記のガラス製打楽器10、10aは、複数本のガラス円柱体14の横列配列が全音用の音階を揃えた列と、半音用の音階を揃えた列で構成した2列を有するのがよい。そして、このガラス製打楽器10、10aは、全音用列と、半音用列の2列の相互間に段差が設けられて上段側に半音用列と、下段側に半音用列より演奏者側に位置して設けられる全音用列を有するのがよい。また、ガラス製打楽器10、10aは、2列のそれぞれのガラス円柱体14の研削面18が、演奏者側に対向して有するのがよい。しかも、ガラス製打楽器10、10aは、上段側に設けられる半音用列のガラス円柱体14の研削面18側端部が、下段側に設けられる全音用列のガラス円柱体14の研削面18側と反対側端部に離間する上方に有するのがよい。これにより、全音用と、半音用のそれぞれのガラス円柱体14の列は、段差と、それぞれの端部を上、下で離間して交叉するように配置されることで、マレット打撃部を近接した位置に設けている。従って、演奏者は、両手のそれぞれに複数本のマレットを持って、連続あるいは同時に全音用列と、半音用列のそれぞれのガラス円柱体14を弾きこなすことができる。
【0037】
なお、ガラス製打楽器10、10aは、全音用列と、半音用列の2列間の段差を、特に、限定するものではないが、下段側のガラス円柱体14を上段側のガラス円柱体14に接触させないようにすると共に、その隙間が大きくなり過ぎないように設定している。この段差は、大きくなりすぎると複数本のマレットを持って演奏する場合に、上段側と下段側のガラス円柱体14のマレット打撃部の距離が離れて叩きにくくなる。また、全音用列の下段側のガラス円柱体14は、上段側のガラス円柱体14の枠状基台12の長手方向側板の外壁面にスポンジや、ゴム等のクッション材を介して当接させることで発音の振動数に変化をもたらすことなく整列位置決めができるようにすると共に、落下を防止して安全を確保できるようにしている。1列からなるガラス円柱体14、又は半音用列の上段側のガラス円柱体14は、釣り糸等のような細くて強い線紐を巻いて、マレットを引っかけて落とすような落下を防止して安全を確保できるようにしている。
【0038】
上記のガラス製打楽器10、10aは、ガラス円柱体14が重さ500g以上、長さ15cm以上、及び直径3cm以上有するのがよい。このガラス円柱体14は、ガラスの容積と、比重で決定される重さが500g以上であれば、マレットで打撃しても載置部13での回転移動や、前後へのズレを防止することができる。ガラス円柱体14は、長さが15cm以上と、直径が3cm以上であれば、例え、演奏者が激しく移動しながら演奏してもマレットを打撃するための打撃部を確保することができる。また、ガラス円柱体14は、長さが15cm以上であれば、最大の高音を確保して音階を形成することができる。更に、ガラス円柱体14は、直径が3cm以上であれば、横部への打撃が可能であると共に、マレットで打撃しても折れない抗折力を持たせることができる。
【0039】
なお、ガラス製打楽器10、10aのガラス円柱体14は、その重さが500gを下まわる場合には、回転移動の発生で切り欠き部19が上面側に回ってきてマレットでの打撃ができなくなったり、前後へのズレの発生で載置部13からの落下を引き起こしたりする。ガラス製打楽器10、10aのガラス円柱体14は、その長さが15cmを下まわったり、直径が3cmを下まわる場合には、マレットを打撃するための打撃部の範囲が狭くなり、演奏ミスを引き起こしたりする。また、ガラス円柱体14は、その長さが15cmを下まわる場合には、最大の高音を確保する音階を形成することが難しくなる。更に、ガラス円柱体14は、その直径が3cmを下まわる場合には、横部への打撃が難しくなると共に、マレットで打撃したときに折れる危険性がある。なお、ガラス円柱体14は、汚れた場合には水等で容易に洗って元通りに美しくすることができる。
【0040】
上記のガラス製打楽器10、10aは、ガラス円柱体14が内部に気泡20を有するのがよい。この気泡20の形成方法は、前述したガラス無垢棒の吹きガラス方式による作製工程で説明した様に、熔融ガラスの表面に炭酸をふりかけた後、その上に新たな熔融ガラスを重ねることで、ガラスの内部に断層状に形成することができる。ガラス円柱体14は、この気泡20にライトが当たると光が輝くように乱反射して装飾性が向上するので、演奏の演出効果を向上させることができる。また、ガラス円柱体14は、この気泡20によって、音程を調整するのが整えやすくなっている。なお、ガラス円柱体14には、様々な色も付けることもでき、装飾性が向上して演奏の演出効果を向上させることができる。
【0041】
図5に示すように、上記のガラス製打楽器10、10aは、ガラス円柱体14がブリッジ状に載置される載置部13が枠状基台12の長手方向側板上部に設けられる凹溝21からなり、この凹溝21上に帯状の高反発素材からなるスポンジゴム22を有するのがよい。ガラス円柱体14は、スポンジゴム22を介して凹溝21で回動を止められて固定されて支持されている。このスポンジゴム22は、ゴム硬度計で測定される硬度が10°〜20°程度を有しているのが好ましい。ガラス円柱体14からの発音は、このスポンジゴム22の弾性によって、振動に変化をもたらすことなく発音できるので、ソフトで滑らかな感触の延びのある音を引き出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のガラス製打楽器は、単音で奏でても美しい音色がでるので、打楽器奏者のみならず、少しの練習で演奏可能となる子供から高齢者まで幅広く演奏できる楽器として利用することができる。また、本発明のガラス製打楽器は、聞く人が癒しの効果で心地よくなるので、音楽療法にも利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10、10a:ガラス製打楽器、11:フレーム、12:枠状基台、13:載置部、14:ガラス円柱体、15、15a:共鳴体、16:貫通孔、17:蓋体、18:研削面、19:切り欠き部、20:気泡、21:凹溝、22:スポンジゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム上部の枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させてブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項2】
フレーム上部の枠状基台の枠内に、上方に開口を設ける、又は上方に複数個の貫通孔を備える蓋体を設ける箱体からなり、発音の音響効果を促進させる共鳴体と、前記フレーム上部の前記枠状基台の長手方向側板上部に設けられる載置部に、複数本のそれぞれが互いの隣接間に隙間を設けて横列配列させると共に、前記共鳴体と離間してブリッジ状に載置され、マレットの打撃で発音させるガラス円柱体を有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項3】
請求項1、2記載のガラス製打楽器において、前記ガラス円柱体が少なくとも一方の端面にそれぞれの音階における音程を整えるための研削面と、必要に応じて前記ガラス円柱体の前記マレット打撃側の裏面側にそれぞれの前記ガラス円柱体の太さの半分以下の深さからなる円弧形状の切り欠き部を有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項4】
請求項3記載のガラス製打楽器において、前記ガラス円柱体の前記横列配列が2列相互間で段差のある上段側に半音用列と、下段側に該半音用列より演奏者側に位置する全音用列を有すると共に、前記2列のそれぞれの前記ガラス円柱体の前記研削面が前記演奏者側に対向して有し、しかも、前記半音用列の前記研削面側の端部が前記全音用列の前記研削面側と反対側の端部に離間する上方に有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項5】
請求項1、2又はこれに従属する請求項3又は4のいずれか1項記載のガラス製打楽器において、前記ガラス円柱体が重さ500g以上、長さ15cm以上、及び直径3cm以上有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項6】
請求項1、2又はこれに従属する請求項3〜5のいずれか1項記載のガラス製打楽器において、前記ガラス円柱体が内部に気泡を有することを特徴とするガラス製打楽器。
【請求項7】
請求項1、2又はこれに従属する請求項3〜6のいずれか1項記載のガラス製打楽器において、前記ガラス円柱体をブリッジ状に載置する前記載置部が凹溝からなり、該凹溝上に帯状のスポンジゴムを有することを特徴とするガラス製打楽器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−197423(P2010−197423A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38769(P2009−38769)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(509052609)
【出願人】(509052610)
【出願人】(509052621)
【出願人】(509052632)