キノコの瓶栽培用コンテナ
【課題】複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めし、より確実に転倒を防止できるように保持できるキノコの瓶栽培用コンテナを提供すること。
【解決手段】複数のキノコ栽培瓶１０を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部２０が、キノコ栽培瓶１０の底面１１に接してキノコ栽培瓶１０を受ける受け底部２１と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶１０の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部２２と、受け底部２１と上げ底部２２との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部２３とによって構成され、保持用側面部２３は、キノコ栽培瓶１０の外周面１２に倣う凹状の円弧面になっている。
【解決手段】複数のキノコ栽培瓶１０を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部２０が、キノコ栽培瓶１０の底面１１に接してキノコ栽培瓶１０を受ける受け底部２１と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶１０の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部２２と、受け底部２１と上げ底部２２との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部２３とによって構成され、保持用側面部２３は、キノコ栽培瓶１０の外周面１２に倣う凹状の円弧面になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的なキノコの瓶栽培用コンテナは、上面が開放された正方形の浅い箱状で、複数のキノコ栽培瓶が隙間なくいっぱいに収納されて使用される。
このキノコの瓶栽培用コンテナでは、底部の内底面に、キノコ栽培瓶を保持するための突起などは設けられていない。
このため、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めして保持することはできない。また、キノコ栽培瓶が隙間なくいっぱいに収納されない場合は、そのキノコ栽培瓶は容易に転倒してしまい、自動化を妨げる要因の一つになる。
【０００３】
これに対して、従来のキノコの瓶栽培用コンテナとしては、複数の栽培ビンを収容可能なキノコ栽培用コンテナにおいて、内部における水平面部に前後左右に位置する各栽培ビンを所定間隔置きに位置規制する断面台形をなす複数の間隔規制部を上方へ一体に膨出形成したものがある（特許文献１参照）。
これによれば、ブナシメジなどのキノコを栽培する際の特に子実体を生長させる工程において、キノコ栽培瓶を、適切な間隔を空けて配置することができ、子実体の成長によってキノコ同士が干渉することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特公平０８−０１１０２０号公報（請求項１、第１図）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
キノコの瓶栽培用コンテナに関して解決しようとする問題点は、先行技術のような断面台形をなす間隔規制部では、容易にキノコ栽培瓶を収納や取り出しができる反面、より確実に転倒を防止することが難しいことにある。
そこで、本発明の目的は、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めし、より確実に転倒を防止できるように保持できるキノコの瓶栽培用コンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナにおいて、前記底部が、キノコ栽培瓶の底面に接して該キノコ栽培瓶を受ける受け底部と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部と、前記受け底部と前記上げ底部との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶の外周面の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部とによって構成され、前記保持用側面部は、キノコ栽培瓶の外周面に倣う凹状の円弧面になっている。
【０００７】
また、本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、前記上げ底部と前記保持用側面部とが連続する縁部が丸められることで、キノコ栽培瓶を入れるための案内部になっていることを特徴とすることができる。
【０００８】
また、本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、前記側壁部の外側上部に前記周縁部から垂下する形状に設けられた乗り越え防止用リブを備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のキノコの瓶栽培用コンテナによれば、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めし、より確実に転倒を防止できるように保持できるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの形態例を示す斜視図である。
【図２】図１の形態例を下方から見た斜視図である。
【図３】図１の形態例の断面図である。
【図４】図１の形態例にキノコ栽培瓶を収納した状態を示す斜視図である。
【図５】図４の形態例を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明のキノコの瓶栽培用コンテナに係る形態例を、添付図面（図１〜５）に基づいて詳細に説明する。
このキノコの瓶栽培用コンテナは、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部２０、側壁部３０、及びその側壁部３０の上端全周で外側へ張り出した周縁部４０を、基本的要素として備えるものである。
【００１２】
このキノコの瓶栽培用コンテナでは、底部２０が、キノコ栽培瓶１０の底面１１に接してそのキノコ栽培瓶１０を受ける受け底部２１と、キノコ栽培瓶１０が位置されない平面スペースごとに受け底部２１をベースにしてキノコ栽培瓶１０の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部２２と、受け底部２１と上げ底部２２との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部２３とによって構成されている。
【００１３】
そして、保持用側面部２３は、キノコ栽培瓶１０の外周面１２に倣う凹状の円弧面になっている。この凹状の円弧面については、樹脂成形のための抜きテーパを実質的に取っていない。なお、この凹状の円弧面の裏面になる保持用側面部２３の内側面にあっては、樹脂成形のための抜きテーパを取ってある。
従って、凹状の円弧面は、キノコの瓶栽培用コンテナを水平面に置いた際に、その水平面に対して実質的に垂直な鉛直面であり、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部とガタが小さい嵌め合い寸法に形成されている。
【００１４】
これによれば、キノコ栽培瓶１０をキノコの瓶栽培用コンテナの全面いっぱいに収納しないキノコの栽培方法の場合でも、そのキノコ栽培瓶１０が起立された状態で適切に保持できる。キノコ栽培瓶１０が容易に転倒しないように確実に保持できるため、ロボット装置等による搬送等の自動化を適切に行うことが可能になる。このため、シメジなどの子実体が広がった形態に生長するキノコの栽培を好適に自動化して行うことができる。
また、底部２０が凹凸に連続して形成された形状になるため、製品の剛性が高まって強度を向上できると共に、欠け易い突起形状の部位がないため、破損しにくく、耐久性にも優れている。
【００１５】
なお、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に対して、凹状の円弧面との嵌め合い寸法を精度よく成形することは、現在の成形技術からすれば容易であり、キノコ栽培瓶１０の下部を、適切な嵌め合い状態で保持されるように、挿入して位置できる。また、一体樹脂成形が適切にできる形態にもなっており、大量生産にも好適に対応できる。
さらに、このキノコの瓶栽培用コンテナは、従来のコンテナのように上下に密着させた状態で重ね置きすることは難しいが、受け底部２１の下面を上げ底部２２の上面で受けるように重ね置きすることが可能であり、十分にコンパクトに、且つ安定的に収納することができる。
【００１６】
２５は案内部であり、上げ底部２２と保持用側面部２３とが連続する縁部が丸められて形成されている。この案内部２５によれば、キノコ栽培瓶１０を、複数の保持用側面部２３によって囲まれる保持空間へ、好適にガイドさせて嵌め入れることができる。なお、案内部２５は図に示したようなＲ状に限定されず、面取りされた形状の実質的なテーパ状に設けられていてもよい。
また、上げ底部２２には、通気用の透孔２７が設けられている。これによれば、キノコの成長のために換気を適切に行うことができる。
【００１７】
また、本形態例では、各キノコ栽培瓶１０が、断続して設けられた四つの凹状の円弧面（保持用側面部２３）に囲まれた状態で保持される形態になっている。つまり、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部の全周を取り巻いて保持する形態ではなく、断続する面によって保持されている。このような形態にすることで、図に示すように、キノコの瓶栽培用コンテナの側壁部３０の内周に沿う部分には、二つの凹状の円弧面と上げ底部２２を有する凸状の部位が複数形成され、キノコの瓶栽培用コンテナの内部には、四つの凹状の円弧面と上げ底部２２を有する凸状の部位が複数形成されている。
これによれば、複数のキノコ栽培瓶１０を空きスペースが小さくなるように効率よく整然と収納できるコンテナ形状になっていると共に、樹脂成形がし易く、強度や耐久性の面でも優れた形態になっている。
【００１８】
５０は乗り越え防止用リブであり、側壁部３０の外側上部に周縁部４０から垂下する形状に設けられている。
この乗り越え防止用リブ５０によれば、複数のキノコの瓶栽培用コンテナが水平方向へ搬送される際など、一のコンテナの周縁部４０に対して、隣接する他のコンテナの周縁部４０が乗り上がることを防止することができる。このため、キノコの瓶栽培用コンテナの搬送などを好適に自動化することができる。
なお、このキノコの瓶栽培用コンテナを重ね置きする際に、受け底部２１の下面を上げ底部２２の上面で受けるため、上下の周縁部４０は密着する状態にはならず、乗り越え防止用リブ５０が重ね置きの傷害にはならない。
【００１９】
また、本形態例のキノコの瓶栽培用コンテナは、平面形状が正方形になっていると共に、５×５の２５本入れの対称性を高めた形態のコンテナになっている。子実体が成長するまでは、このキノコの瓶栽培用コンテナにいっぱいに２５本のキノコ栽培瓶１０を入れて使用し、子実体の成長期には、図４及び５に示すように１３本のキノコ栽培瓶１０を効率よく配置できる。
これによれば、このキノコの瓶栽培用コンテナは、キノコ栽培の全期間において効率よく利用でき、生産性を高めることができる。
【００２０】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【００２１】
１０ キノコ栽培瓶
１１ 底面
１２ 外周面
２０ 底部
２１ 受け底部
２２ 上げ底部
２３ 保持用側面部
２５ 案内部
２７ 透孔
３０ 側壁部
４０ 周縁部
５０ 乗り越え防止用リブ
【技術分野】
【０００１】
この発明は、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的なキノコの瓶栽培用コンテナは、上面が開放された正方形の浅い箱状で、複数のキノコ栽培瓶が隙間なくいっぱいに収納されて使用される。
このキノコの瓶栽培用コンテナでは、底部の内底面に、キノコ栽培瓶を保持するための突起などは設けられていない。
このため、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めして保持することはできない。また、キノコ栽培瓶が隙間なくいっぱいに収納されない場合は、そのキノコ栽培瓶は容易に転倒してしまい、自動化を妨げる要因の一つになる。
【０００３】
これに対して、従来のキノコの瓶栽培用コンテナとしては、複数の栽培ビンを収容可能なキノコ栽培用コンテナにおいて、内部における水平面部に前後左右に位置する各栽培ビンを所定間隔置きに位置規制する断面台形をなす複数の間隔規制部を上方へ一体に膨出形成したものがある（特許文献１参照）。
これによれば、ブナシメジなどのキノコを栽培する際の特に子実体を生長させる工程において、キノコ栽培瓶を、適切な間隔を空けて配置することができ、子実体の成長によってキノコ同士が干渉することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特公平０８−０１１０２０号公報（請求項１、第１図）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
キノコの瓶栽培用コンテナに関して解決しようとする問題点は、先行技術のような断面台形をなす間隔規制部では、容易にキノコ栽培瓶を収納や取り出しができる反面、より確実に転倒を防止することが難しいことにある。
そこで、本発明の目的は、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めし、より確実に転倒を防止できるように保持できるキノコの瓶栽培用コンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナにおいて、前記底部が、キノコ栽培瓶の底面に接して該キノコ栽培瓶を受ける受け底部と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部と、前記受け底部と前記上げ底部との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶の外周面の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部とによって構成され、前記保持用側面部は、キノコ栽培瓶の外周面に倣う凹状の円弧面になっている。
【０００７】
また、本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、前記上げ底部と前記保持用側面部とが連続する縁部が丸められることで、キノコ栽培瓶を入れるための案内部になっていることを特徴とすることができる。
【０００８】
また、本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの一形態によれば、前記側壁部の外側上部に前記周縁部から垂下する形状に設けられた乗り越え防止用リブを備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のキノコの瓶栽培用コンテナによれば、複数のキノコ栽培瓶を、適切な間隔を置いた状態に位置決めし、より確実に転倒を防止できるように保持できるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明に係るキノコの瓶栽培用コンテナの形態例を示す斜視図である。
【図２】図１の形態例を下方から見た斜視図である。
【図３】図１の形態例の断面図である。
【図４】図１の形態例にキノコ栽培瓶を収納した状態を示す斜視図である。
【図５】図４の形態例を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明のキノコの瓶栽培用コンテナに係る形態例を、添付図面（図１〜５）に基づいて詳細に説明する。
このキノコの瓶栽培用コンテナは、複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部２０、側壁部３０、及びその側壁部３０の上端全周で外側へ張り出した周縁部４０を、基本的要素として備えるものである。
【００１２】
このキノコの瓶栽培用コンテナでは、底部２０が、キノコ栽培瓶１０の底面１１に接してそのキノコ栽培瓶１０を受ける受け底部２１と、キノコ栽培瓶１０が位置されない平面スペースごとに受け底部２１をベースにしてキノコ栽培瓶１０の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部２２と、受け底部２１と上げ底部２２との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部２３とによって構成されている。
【００１３】
そして、保持用側面部２３は、キノコ栽培瓶１０の外周面１２に倣う凹状の円弧面になっている。この凹状の円弧面については、樹脂成形のための抜きテーパを実質的に取っていない。なお、この凹状の円弧面の裏面になる保持用側面部２３の内側面にあっては、樹脂成形のための抜きテーパを取ってある。
従って、凹状の円弧面は、キノコの瓶栽培用コンテナを水平面に置いた際に、その水平面に対して実質的に垂直な鉛直面であり、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部とガタが小さい嵌め合い寸法に形成されている。
【００１４】
これによれば、キノコ栽培瓶１０をキノコの瓶栽培用コンテナの全面いっぱいに収納しないキノコの栽培方法の場合でも、そのキノコ栽培瓶１０が起立された状態で適切に保持できる。キノコ栽培瓶１０が容易に転倒しないように確実に保持できるため、ロボット装置等による搬送等の自動化を適切に行うことが可能になる。このため、シメジなどの子実体が広がった形態に生長するキノコの栽培を好適に自動化して行うことができる。
また、底部２０が凹凸に連続して形成された形状になるため、製品の剛性が高まって強度を向上できると共に、欠け易い突起形状の部位がないため、破損しにくく、耐久性にも優れている。
【００１５】
なお、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部に対して、凹状の円弧面との嵌め合い寸法を精度よく成形することは、現在の成形技術からすれば容易であり、キノコ栽培瓶１０の下部を、適切な嵌め合い状態で保持されるように、挿入して位置できる。また、一体樹脂成形が適切にできる形態にもなっており、大量生産にも好適に対応できる。
さらに、このキノコの瓶栽培用コンテナは、従来のコンテナのように上下に密着させた状態で重ね置きすることは難しいが、受け底部２１の下面を上げ底部２２の上面で受けるように重ね置きすることが可能であり、十分にコンパクトに、且つ安定的に収納することができる。
【００１６】
２５は案内部であり、上げ底部２２と保持用側面部２３とが連続する縁部が丸められて形成されている。この案内部２５によれば、キノコ栽培瓶１０を、複数の保持用側面部２３によって囲まれる保持空間へ、好適にガイドさせて嵌め入れることができる。なお、案内部２５は図に示したようなＲ状に限定されず、面取りされた形状の実質的なテーパ状に設けられていてもよい。
また、上げ底部２２には、通気用の透孔２７が設けられている。これによれば、キノコの成長のために換気を適切に行うことができる。
【００１７】
また、本形態例では、各キノコ栽培瓶１０が、断続して設けられた四つの凹状の円弧面（保持用側面部２３）に囲まれた状態で保持される形態になっている。つまり、キノコ栽培瓶１０の外周面１２の下部の全周を取り巻いて保持する形態ではなく、断続する面によって保持されている。このような形態にすることで、図に示すように、キノコの瓶栽培用コンテナの側壁部３０の内周に沿う部分には、二つの凹状の円弧面と上げ底部２２を有する凸状の部位が複数形成され、キノコの瓶栽培用コンテナの内部には、四つの凹状の円弧面と上げ底部２２を有する凸状の部位が複数形成されている。
これによれば、複数のキノコ栽培瓶１０を空きスペースが小さくなるように効率よく整然と収納できるコンテナ形状になっていると共に、樹脂成形がし易く、強度や耐久性の面でも優れた形態になっている。
【００１８】
５０は乗り越え防止用リブであり、側壁部３０の外側上部に周縁部４０から垂下する形状に設けられている。
この乗り越え防止用リブ５０によれば、複数のキノコの瓶栽培用コンテナが水平方向へ搬送される際など、一のコンテナの周縁部４０に対して、隣接する他のコンテナの周縁部４０が乗り上がることを防止することができる。このため、キノコの瓶栽培用コンテナの搬送などを好適に自動化することができる。
なお、このキノコの瓶栽培用コンテナを重ね置きする際に、受け底部２１の下面を上げ底部２２の上面で受けるため、上下の周縁部４０は密着する状態にはならず、乗り越え防止用リブ５０が重ね置きの傷害にはならない。
【００１９】
また、本形態例のキノコの瓶栽培用コンテナは、平面形状が正方形になっていると共に、５×５の２５本入れの対称性を高めた形態のコンテナになっている。子実体が成長するまでは、このキノコの瓶栽培用コンテナにいっぱいに２５本のキノコ栽培瓶１０を入れて使用し、子実体の成長期には、図４及び５に示すように１３本のキノコ栽培瓶１０を効率よく配置できる。
これによれば、このキノコの瓶栽培用コンテナは、キノコ栽培の全期間において効率よく利用でき、生産性を高めることができる。
【００２０】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【００２１】
１０ キノコ栽培瓶
１１ 底面
１２ 外周面
２０ 底部
２１ 受け底部
２２ 上げ底部
２３ 保持用側面部
２５ 案内部
２７ 透孔
３０ 側壁部
４０ 周縁部
５０ 乗り越え防止用リブ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナにおいて、
前記底部が、キノコ栽培瓶の底面に接して該キノコ栽培瓶を受ける受け底部と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部と、前記受け底部と前記上げ底部との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶の外周面の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部とによって構成され、
前記保持用側面部は、キノコ栽培瓶の外周面に倣う凹状の円弧面になっていることを特徴とするキノコの瓶栽培用コンテナ。
【請求項２】
前記上げ底部と前記保持用側面部とが連続する縁部が丸められることで、キノコ栽培瓶を入れるための案内部になっていることを特徴とする請求項１記載のキノコの瓶栽培用コンテナ。
【請求項３】
前記側壁部の外側上部に前記周縁部から垂下する形状に設けられた乗り越え防止用リブを備えることを特徴とする請求項１又は２記載のキノコの瓶栽培用コンテナ。
【請求項１】
複数のキノコ栽培瓶を収納するように、上面が開放された箱状に形成され、底部、側壁部、及び該側壁部の上端全周で外側へ張り出した周縁部を備えるキノコの瓶栽培用コンテナにおいて、
前記底部が、キノコ栽培瓶の底面に接して該キノコ栽培瓶を受ける受け底部と、キノコ栽培瓶が位置されない平面スペースごとにキノコ栽培瓶の転倒を防止できる高さ位置に設けられた上げ底部と、前記受け底部と前記上げ底部との間で両者を一体的に連続するように形成され、キノコ栽培瓶の外周面の下部に接して位置決めをすると共に保持する保持用側面部とによって構成され、
前記保持用側面部は、キノコ栽培瓶の外周面に倣う凹状の円弧面になっていることを特徴とするキノコの瓶栽培用コンテナ。
【請求項２】
前記上げ底部と前記保持用側面部とが連続する縁部が丸められることで、キノコ栽培瓶を入れるための案内部になっていることを特徴とする請求項１記載のキノコの瓶栽培用コンテナ。
【請求項３】
前記側壁部の外側上部に前記周縁部から垂下する形状に設けられた乗り越え防止用リブを備えることを特徴とする請求項１又は２記載のキノコの瓶栽培用コンテナ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−２５４７７６（Ｐ２０１１−２５４７７６Ａ）
【公開日】平成２３年１２月２２日（２０１１．１２．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１３３７１８（Ｐ２０１０−１３３７１８）
【出願日】平成２２年６月１１日（２０１０．６．１１）
【出願人】（５０４０３６４８６）株式会社ミクロ化学 (1)
【出願人】（５１０１６４２８９）
【出願人】（５００１４９５２２）中野市農業協同組合 (13)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月２２日（２０１１．１２．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月１１日（２０１０．６．１１）
【出願人】（５０４０３６４８６）株式会社ミクロ化学 (1)
【出願人】（５１０１６４２８９）
【出願人】（５００１４９５２２）中野市農業協同組合 (13)
【Ｆターム（参考）】
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