キャップ付き容器
【課題】 口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができ、さらに、口部口元に施した美観、情報をキャップで覆い隠しておいて、キャップ開封時にはじめて意外な外観や情報を提供することができるキャップ付き容器の提供を目的とする。
【解決手段】 キャップ付きボトル缶１は、ねじ締結されるキャップ１３０によって密封されるボトル缶であって、キャップ１３０で覆われる口部１４０外面に、プリント文字印刷２１及びプリント模様印刷２２が施された構成としてある。
【解決手段】 キャップ付きボトル缶１は、ねじ締結されるキャップ１３０によって密封されるボトル缶であって、キャップ１３０で覆われる口部１４０外面に、プリント文字印刷２１及びプリント模様印刷２２が施された構成としてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、キャップ付き容器に関し、特に、継目のないキャップ付きボトル缶において、ねじが形成された口部外面に印刷を施すことにより、美観や情報提供性を向上させ、さらに、それらをキャップにより覆い隠すことにより、意外な美観や情報を伏せておき、キャップ開封時に知らしめることが可能なキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、清涼飲料水やコーヒーなどの容器は、清涼感や商品イメージを表現するカラフルな印刷が施されている。また、容器の形状も様々であり、他社商品との差別化を図り、消費者により注目してもらえるように工夫が施されている。また、ピルファープルーフキャップが取り付けられたペットボトルが、ガラス瓶に代わり清涼飲料水などの容器として普及しているが、これに対抗して、ピルファープルーフキャップが取り付けられた金属製のボトル缶も開発され商品化されている。
【０００３】
図５は、従来例に係るキャップ付きボトル缶の構造を説明するための概略正面図を示している。
同図において、キャップ付ボトル缶１００は、アルミニウム合金などで形成された金属製のボトル缶１２０にキャップ１３０が螺着されている。
なお、キャップ付きボトル缶１００は、継目無しボトル缶１２０と、キャップ１３０からなる２ピース缶である。図示してないが、キャップ付きボトル缶としては、上記２ピース缶の他に、継目無し缶胴，底板及びキャップからなる継目無し３ピース缶や継目有り缶胴，底板及びキャップからなる継目有り３ピース缶がある。
【０００４】
ボトル缶１２０は、有底円筒状の缶胴１２１と、この缶胴１２１から上方に向かって縮径する縮径部１２２と、縮径部１２２の上方に設けられた口部１４０とからなっている。また、口部１４０は、付け根部１４４，膨出部１４１，雄ねじ部１４２及びカール部１４３とからなっている。また、キャップ１３０は、天面部１３１と雌ねじ部１３２とピルファープルーフ部１３３とブリッジ部１３４とが形成されており、天面部１３１の内面にはシール材であるライナー（図示せず）が貼着されている。このキャップ１３０は、ライナーがカール部１４３に押し付けられることによりシールすることができる。
【０００５】
ボトル缶１２０は、図示してないが、まず、印刷・塗装工程を経た金属薄板から深絞り加工により、缶底１２３，缶胴１２１，縮径部１２２及び口部１４０が有底円筒状に成形され、続いて、縮径部１２２や口部１４０がネッキング加工やねじ加工によって成形される。
また、ボトル缶１２０は、缶胴１２１及び縮径部１２２を、プリント印刷範囲２００としてある。このプリント印刷範囲２００には、プリント模様印刷２１２，プリント図柄印刷２１１及びプリント文字印刷２１０が施されている。これらの印刷２１２，２１１，２１０は、ほぼ円形の金属薄板に塗料，印刷インク及びワニスを塗布し、焼付け乾燥させることにより印刷してある。なお、金属薄板への印刷は、深絞り加工やネッキング加工された形状において、たとえば、「ＡＢＣ」や「コーヒー」の形になるように印刷されている。また、ボトル缶１２０によっては、深絞り加工又は絞りしごき加工後に、円筒状に成形された缶胴側面（缶胴１２１と、後に縮径部１２２に形成される部分）に印刷・塗装され、この印刷・塗装後にネッキング加工やねじ加工が行われる。
また、ボトル缶１２０は、付け根部１４４に製造年月日やロット番号等の情報を表示するインクジェット印刷２２０を施してある。
【０００６】
キャップ１３０は、図示してないが、まず、金属薄板から深絞り加工により、有底円筒状に成形され、続いて、雌ねじ部１３２やピルファープルーフ部１３３がねじ加工等によって成形される。
また、キャップ１３０は、天面部１３１，雌ねじ部１３２及びピルファープルーフ部１３３を、プリント印刷範囲２３０としてある。このプリント印刷範囲２３０には、プリント模様印刷２３２及びプリント文字印刷２３１が施されている。これらの印刷２３１，２３２は、金属薄板に塗料，印刷インク，及びワニスを塗布し、焼付け乾燥させることにより印刷してある。
【０００７】
ところで、上記キャップ付きボトル缶１００は、加工後の形状に応じた印刷内容を、加工前の金属薄板に焼付け印刷することにより、プリント印刷範囲２００に印刷を施しているが、これに限定されるものではない。たとえば、印刷された熱収縮シート（図示せず）を缶胴１２１及び縮径部１２２に巻きつけ、端部どうしを熱溶着するものもある。
上記熱収縮シートを用いたキャップ付きボトル缶に対して、上記構成のキャップ付きボトル缶１００は、深絞り加工前の金属薄板に印刷・塗装を施すことができ、印刷された熱収縮シートを用いる必要がないので、熱収縮シートの部品費及び貼付け工数等を削減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、上述した従来例に係るキャップ付きボトル缶１００は、口部１４０に印刷が施されていないので、缶口元の美観を付与したり、口部１４０を利用してより多くの情報を提供することができないといった問題があった。特に、縮径部１２２上部で、プリント印刷範囲２００が終わっており、そこから上には金属の地肌色が露出しており、改善の余地があった。
また、缶胴１２１及び縮径部１２２のプリント印刷範囲２００への印刷は、消費者にとって見慣れたものとなっており、消費者に新鮮な感激を与えることができる新たな工夫が求められていた。特に、２ピース缶タイプのキャップ付きボトル缶１００は、優れた経済性を有することから、さらに付加価値を向上させることが要望されていた。
【０００９】
本発明は、上記問題を解決するために提案されたものであり、口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができ、さらに、口部口元に施した美観、情報をキャップで覆い隠しておいて、キャップ開封時にはじめて意外な外観や情報を提供することができるキャップ付き容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するため、本発明のキャップ付き容器は、キャップによって密封されるキャップ付き容器であって、前記キャップで覆われる口部外面に印刷が施された構成としてある。
このように、容器の口部外面のキャップで覆われる範囲に印刷が施されると、容器口元の美観向上や美観，情報提供範囲の拡大の他にも、あらかじめ伏せておきキャップを開封したときに、初めて知ることができる容器口元の美観や情報を付与することができ、キャップ付き容器の付加価値を向上させることができる。また、これらの美観や情報を主に製品購入者（キャップを開封する人）だけに提供することができる。さらに、キャップを開けることなしに、印刷内容を改竄されることもない。
【００１１】
また、本発明のキャップ付き容器は、印刷が施される前記口部外面にねじ部が含まれる構成としてある。
このようにすると、キャップ付き容器のねじ部はキャップで覆われる口部の大半を占めるので、その部分に印刷を施すことにより、印刷面積を増大させることができ、容器口元の美観をさらに向上させたり、より多くの情報を提供したりすることができる。
【００１２】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記容器を、缶胴に継目のない継目無し容器とした構成としてある。
このようにすると、口部に溶接跡が残らないので、口部全周に印刷することが可能となり、より多くの情報を提供することができる。また、溶接跡が露出しないことにより、印刷の美観をさらに向上させることができる。
【００１３】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記印刷として、文字を印刷した構成としてある。
このようにすると、インターネットアドレス，占い，おみくじ，クイズの回答，あたりはずれ，日付，ロット等の製品情報など、有益な情報を提供することができる。
【００１４】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記印刷として、コード化情報を印刷した構成としてある。
このようにすると、印刷する情報が大量な場合であっても、コード化することにより情報を集約でき、読取り装置で読み取り、その情報を記録・保存することが可能となる。
【００１５】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記コード化情報のコードを、バーコードとした構成としてある。
このようにすると、広く普及しているバーコードリーダー等の既存設備を有効利用することができる。
【００１６】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとした構成としてある。
このようにすると、携帯電話に情報を読み込ませることができるので、連絡先，インターネットアドレス（ＵＲＬ），秘密のメッセージなどを情報として印刷することができる。
【００１７】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記口部外面に施された印刷の文字，図柄又は模様が、少なくとも前記キャップ外面又は容器本体に施された印刷の文字，図柄又は模様と関連する構成としてある。
このようにすると、口部外面に施された印刷が強調され、利用者の関心を引き付けることができるので、キャップ付き容器の付加価値をさらに向上させることができる。
【００１８】
また、本発明のキャップ付き容器は、少なくとも一部の前記印刷が、熱履歴インク又は経時履歴インクにより施された構成としてある。
このようにすると、キャップを開封するまで熱履歴表示や経時履歴表示が分からないため、改竄する者に対して気づかれずに熱履歴や経時履歴を残すことができ、また、消費者には、過度な熱履歴が加わっていないことや、賞味期限が過ぎていることを保証することができる。
【００１９】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記キャップ付き容器を、金属缶とした構成としてある。
このようにすると、現行の製缶工程を活用し、プリンター（口部縮径，ねじ加工前の缶胴部に印刷するプリンター）で印刷を行った後、口部をねじ加工，あるいは、口部を縮径後、ねじ加工を行うことにより製造することができる。
【発明の効果】
【００２０】
以上のように、本発明のキャップ付き容器によれば、キャップで覆われる容器の口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができる。また、あらかじめ美観，情報を伏せており、キャップを開封したときに初めてこれらを知らしめることができる。さらに、キャップを開封する前に、印刷内容を改竄されるおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
［第一実施形態］
図１は、本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
また、図２は、本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
図１，２において、キャップ付きボトル缶１は、従来例のキャップ付きボトル缶１と比較して、キャップ１３０で覆われる口部１４０外面に印刷（口部印刷範囲２）が施された点が相違する。他の構成要素は従来例とほぼ同様としてある。
したがって、図１において、図５と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００２２】
口部１４０は、付け根部１４４，膨出部１４１及び雄ねじ部１４２の外面に印刷が施されている。すなわち、本実施形態では、付け根部１４４，膨出部１４１及び雄ねじ部１４２を口部印刷範囲２としており、この範囲全面に、プリント模様印刷２２として薄茶色の縞模様が印刷してある。このようにすると、キャップ１３０を開封したときに、容器口元の美観を向上させることができる。また、口部印刷範囲２は、縮径部１２２のプリント印刷範囲２００と繋がった状態となるので、消費者に新鮮な印象を与えることができる。なお、プリント模様印刷２２は、上記薄茶色の縞模様印刷に限定されるものではなく、たとえば、無地のカラー印刷でもよい。
【００２３】
また、正面側の雄ねじ部１４２に、プリント文字印刷２１が施してあり、商品名「ＡＢＣ」の文字が印刷してある。このようにすると、口部１４０を利用して有益な情報を提供することができる。なお、プリント文字印刷２１は、上記商品名に限定されるものではなく、たとえば、インターネットアドレスや、占い，おみくじ，クイズの回答，あたりはずれなど、開封前に表に見せたくない内容，日付，ロット等の製品情報などを挙げることができる。
【００２４】
また、背面側の雄ねじ部１４２に、プリントバーコード印刷２３が施してあり、製品に関する情報（たとえば、シリアル番号）などをコード化したバーコードが印刷してある。このようにすると、印刷する情報が大量な場合であっても、コード化することにより情報を集約でき、読取り装置（バーコードリーダー）で読み取り、その情報を記録・保存することが可能となる。また、本実施形態では、コード化情報のコードをバーコードとしてあり、広く普及しているバーコードリーダー等の既存設備を有効利用することができる。
なお、コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとしてもよい。このようにすると、携帯電話に情報を読み込ませることができるので、連絡先，インターネットアドレス（ＵＲＬ），秘密のメッセージなどを情報として印刷することができる。
【００２５】
キャップ付きボトル缶１は、雄ねじ部１４２に印刷を施してあり、このようにすると、雄ねじ部１４２はキャップ１３０で覆われる口部１４０の大半を占めるので、その部分に印刷を施すことにより、印刷面積を増大させることができ、容器口元の美観をさらに向上させたり、より多くの情報を提供したりすることができる。また、雄ねじ部１４２は、キャップ１３０を開閉する際に、雌ねじ部１３２と擦れることから、口部１４０の印刷に可食インク（可食性色素からなるインク）を用いるとよく、これにより、安全性を向上させることができ、さらに、インクジェットプリンターとの組み合わせで、消費者が缶の中身を飲むときに口にするカール部１４３への印刷も可能となる。
【００２６】
本実施形態のキャップ付きボトル缶１は金属缶としてある。このようにすると、現行の製缶工程を活用し、プリンター（口部縮径，ねじ加工前の缶胴１２１に印刷するプリンター）で印刷を行った後、口部１４０に対して、縮径加工及びねじ加工を行うことにより製造することができる。
ここで、好ましくは、キャップ付きボトル缶１が継目無し缶胴１２１を有する構成とするとよい。このようにすると、口部１４０に溶接跡が残らないので、口部１４０の全周に印刷することが可能となり、より多くの情報を提供したり、印刷の美観をさらに向上させることができる。すなわち、口部１４０に印刷を施すことにより、載置されたキャップ付きボトル缶１のほぼ全面に印刷が施されることになるので、２ピース缶タイプのキャップ付きボトル缶１は、さらに付加価値を向上させることができる。
【００２７】
このように、キャップ付きボトル缶１は、口部１４０の外面のキャップ１３０で覆われる口部印刷範囲２に印刷が施されており、キャップ１３０を開封したときに、容器口元の美観を向上させることができ、また、消費者に新鮮な感激を与えることができる。さらに、印刷によって様々な情報を提供することができ、また、それらをキャップ開封時に初めて知らしめることができるなど、付加価値を向上させることができる。
【００２８】
［第二実施形態］
図３ａは、本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り付けた状態の概略正面図を示している。
また、図３ｂは、本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
図３ａ，３ｂにおいて、キャップ付きボトル缶１ａは、第一実施形態と比較して、口部１４０の外面に連続図柄２４ｂを印刷し、この連続図柄２４ｂが、縮径部１２２に印刷された連続図柄２４ａ及びキャップ１３０に印刷された連続図柄２４と関連する点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様としてある。
したがって、図３ａ，３ｂにおいて、図１と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００２９】
キャップ付きボトル缶１ａは、図３ａに示すように、正面側の缶胴１２１に、コーヒーカップのプリント図柄印刷２１１ａが施してある。また、縮径部１２２に、コーヒーカップに注がれたコーヒーから立ち上る香りを模擬的に描写した連続図柄２４が印刷してある。さらに、キャップ付きボトル缶１ａは、上記香りがさらに立ち上がる状態を模擬的に描写した連続図柄２４ａが側面に印刷されている。このようにすると、大きく印刷されたコーヒーの香りの模擬的描写によって、消費者の需要を喚起することができる。
【００３０】
また、キャップ付きボトル缶１ａは、図３ｂに示すように、正面側の口部１４０に、縮径部１２２に印刷されたコーヒーから立ち上る香りが、さらに立ち上がる状態を模擬的に描写した連続図柄２４ｂが印刷されている。このようにすると、消費者がキャップ１３０を取り外し、連続図柄２４ｂを見ることにより、口部１４０にまで香りが立ち上がる状態がイメージされ、より美味しくコーヒーを飲むことができる。
なお、本実施形態では、キャップ１３０の側面に連続図柄２４ａを印刷してあるが、印刷しない構成としてもよく、この場合には、キャップ１３０で連続図柄２４ｂを覆い隠すことになるので、コーヒーの香りが立ち上がる状態を描写した連続図柄２４ｂが意外性を有することとなり、驚きとともに強烈な印象を消費者に与えることができる。
【００３１】
このように、キャップ付きボトル缶１ａは、口部１４０外面に施された連続図柄２４ｂが強調され、消費者の関心を引き付けることができるので、キャップ付きボトル缶１ａの付加価値をさらに向上させることができる。
なお、連続図柄２４，２４ａ，２４ｂの描写内容は、関連する内容であればよく、特に限定されるものでない。たとえば、缶胴１２１のプリント模様印刷２１２が黒色の模様印刷であり、縮径部１２２のプリント模様印刷２１２が茶色の模様印刷であり、さらに、口部１４０のプリント模様印刷２２が薄茶色の模様印刷でもよい。このように、金属の地肌色が露出することなく、連続してプリント模様印刷２１２，２２が施されることにより、購買者は、コーヒーカップにミルクを注いだイメージをグラデーションによって連想することができる。
【００３２】
［第三実施形態］
図４は、本発明の第三実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
同図において、キャップ付きボトル缶１ｂは、第一実施形態と比較して、プリント文字印刷２１の代わりに、プリント熱履歴印刷２５を印刷した点が相違する。他の構成要素は第一実施形態とほぼ同様としてある。
したがって、図４において、図１と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００３３】
キャップ付きボトル缶１ｂは、正面側の雄ねじ部１４２に、所定温度を超えると脱色又は変色する熱履歴インクにより「ＯＫ」の文字が印刷されたプリント熱履歴印刷２５が施されている。
このようにすると、キャップ１３０を開封するまで熱履歴表示が分からないため、改竄する者に対して気づかれずに熱履歴を残すことができる。また、消費者には、過度な熱履歴が加わっていないことを保証することができる。
なお、特殊インクを用いた印刷は、熱履歴インクに限定されるものではなく、たとえば、経時履歴インクを用いて印刷してもよく、このようにすると、消費者に賞味期限内であるか否かを確実に保証することができる。
【００３４】
以上、本発明のキャップ付き容器について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るキャップ付き容器は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述したキャップ付きボトル缶１，１ａ，１ｂは、金属缶としてあるが、ペットボトルの口部に対して、可食インクを用いたインクジェット印刷を施してもよく、このようにすると、ペットボトルに対しても、口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができる。さらに、キャップを透明にすると、キャップを開封しないかぎり、キャップで覆われた部分の印刷を改竄できないので、消費期限をキャップで覆われる部分に印刷することにより、改竄の恐れなく情報表示が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００３５】
以上説明したように、本発明のキャップ付き容器は、飲料水などが充填されるキャップ付きボトル缶やペットボトルに限定されるものではなく、縮径されていない缶であてもよい、また、ねじの有無は問わず、たとえば、打栓式のプラスチックキャップやマキシキャップであってもよい、さらに、薬品用容器など様々な容器に対して、有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図２】本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
【図３ａ】本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り付けた状態の概略正面図を示している。
【図３ｂ】本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図４】本発明の第三実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図５】従来例に係るキャップ付きボトル缶の構造を説明するための概略正面図を示している。
【符号の説明】
【００３７】
１，１ａ，１ｂ，１００ キャップ付ボトル缶
２ 口部印刷範囲
２１ プリント文字印刷
２２ プリント模様印刷
２３ プリントバーコード印刷
２４，２４ａ，２４ｂ 連続図柄
２５ プリント熱履歴印刷
１２０ ボトル缶
１２１ 缶胴
１２２ 縮径部
１２３ 缶底
１３０ キャップ
１３１ 天面部
１３２ 雌ねじ部
１３３ ピルファープルーフ部
１３４ ブリッジ部
１４０ 口部
１４１ 膨出部
１４２ 雄ねじ部
１４３ カール部
１４４ 付け根部
２００ プリント印刷範囲
２１０ プリント文字印刷
２１１ プリント図柄印刷
２１２ プリント模様印刷
２２０ インクジェット印刷
２３０ プリント印刷範囲
２３１ プリント文字印刷
２３２ プリント模様印刷
【技術分野】
【０００１】
本発明は、キャップ付き容器に関し、特に、継目のないキャップ付きボトル缶において、ねじが形成された口部外面に印刷を施すことにより、美観や情報提供性を向上させ、さらに、それらをキャップにより覆い隠すことにより、意外な美観や情報を伏せておき、キャップ開封時に知らしめることが可能なキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、清涼飲料水やコーヒーなどの容器は、清涼感や商品イメージを表現するカラフルな印刷が施されている。また、容器の形状も様々であり、他社商品との差別化を図り、消費者により注目してもらえるように工夫が施されている。また、ピルファープルーフキャップが取り付けられたペットボトルが、ガラス瓶に代わり清涼飲料水などの容器として普及しているが、これに対抗して、ピルファープルーフキャップが取り付けられた金属製のボトル缶も開発され商品化されている。
【０００３】
図５は、従来例に係るキャップ付きボトル缶の構造を説明するための概略正面図を示している。
同図において、キャップ付ボトル缶１００は、アルミニウム合金などで形成された金属製のボトル缶１２０にキャップ１３０が螺着されている。
なお、キャップ付きボトル缶１００は、継目無しボトル缶１２０と、キャップ１３０からなる２ピース缶である。図示してないが、キャップ付きボトル缶としては、上記２ピース缶の他に、継目無し缶胴，底板及びキャップからなる継目無し３ピース缶や継目有り缶胴，底板及びキャップからなる継目有り３ピース缶がある。
【０００４】
ボトル缶１２０は、有底円筒状の缶胴１２１と、この缶胴１２１から上方に向かって縮径する縮径部１２２と、縮径部１２２の上方に設けられた口部１４０とからなっている。また、口部１４０は、付け根部１４４，膨出部１４１，雄ねじ部１４２及びカール部１４３とからなっている。また、キャップ１３０は、天面部１３１と雌ねじ部１３２とピルファープルーフ部１３３とブリッジ部１３４とが形成されており、天面部１３１の内面にはシール材であるライナー（図示せず）が貼着されている。このキャップ１３０は、ライナーがカール部１４３に押し付けられることによりシールすることができる。
【０００５】
ボトル缶１２０は、図示してないが、まず、印刷・塗装工程を経た金属薄板から深絞り加工により、缶底１２３，缶胴１２１，縮径部１２２及び口部１４０が有底円筒状に成形され、続いて、縮径部１２２や口部１４０がネッキング加工やねじ加工によって成形される。
また、ボトル缶１２０は、缶胴１２１及び縮径部１２２を、プリント印刷範囲２００としてある。このプリント印刷範囲２００には、プリント模様印刷２１２，プリント図柄印刷２１１及びプリント文字印刷２１０が施されている。これらの印刷２１２，２１１，２１０は、ほぼ円形の金属薄板に塗料，印刷インク及びワニスを塗布し、焼付け乾燥させることにより印刷してある。なお、金属薄板への印刷は、深絞り加工やネッキング加工された形状において、たとえば、「ＡＢＣ」や「コーヒー」の形になるように印刷されている。また、ボトル缶１２０によっては、深絞り加工又は絞りしごき加工後に、円筒状に成形された缶胴側面（缶胴１２１と、後に縮径部１２２に形成される部分）に印刷・塗装され、この印刷・塗装後にネッキング加工やねじ加工が行われる。
また、ボトル缶１２０は、付け根部１４４に製造年月日やロット番号等の情報を表示するインクジェット印刷２２０を施してある。
【０００６】
キャップ１３０は、図示してないが、まず、金属薄板から深絞り加工により、有底円筒状に成形され、続いて、雌ねじ部１３２やピルファープルーフ部１３３がねじ加工等によって成形される。
また、キャップ１３０は、天面部１３１，雌ねじ部１３２及びピルファープルーフ部１３３を、プリント印刷範囲２３０としてある。このプリント印刷範囲２３０には、プリント模様印刷２３２及びプリント文字印刷２３１が施されている。これらの印刷２３１，２３２は、金属薄板に塗料，印刷インク，及びワニスを塗布し、焼付け乾燥させることにより印刷してある。
【０００７】
ところで、上記キャップ付きボトル缶１００は、加工後の形状に応じた印刷内容を、加工前の金属薄板に焼付け印刷することにより、プリント印刷範囲２００に印刷を施しているが、これに限定されるものではない。たとえば、印刷された熱収縮シート（図示せず）を缶胴１２１及び縮径部１２２に巻きつけ、端部どうしを熱溶着するものもある。
上記熱収縮シートを用いたキャップ付きボトル缶に対して、上記構成のキャップ付きボトル缶１００は、深絞り加工前の金属薄板に印刷・塗装を施すことができ、印刷された熱収縮シートを用いる必要がないので、熱収縮シートの部品費及び貼付け工数等を削減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、上述した従来例に係るキャップ付きボトル缶１００は、口部１４０に印刷が施されていないので、缶口元の美観を付与したり、口部１４０を利用してより多くの情報を提供することができないといった問題があった。特に、縮径部１２２上部で、プリント印刷範囲２００が終わっており、そこから上には金属の地肌色が露出しており、改善の余地があった。
また、缶胴１２１及び縮径部１２２のプリント印刷範囲２００への印刷は、消費者にとって見慣れたものとなっており、消費者に新鮮な感激を与えることができる新たな工夫が求められていた。特に、２ピース缶タイプのキャップ付きボトル缶１００は、優れた経済性を有することから、さらに付加価値を向上させることが要望されていた。
【０００９】
本発明は、上記問題を解決するために提案されたものであり、口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができ、さらに、口部口元に施した美観、情報をキャップで覆い隠しておいて、キャップ開封時にはじめて意外な外観や情報を提供することができるキャップ付き容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するため、本発明のキャップ付き容器は、キャップによって密封されるキャップ付き容器であって、前記キャップで覆われる口部外面に印刷が施された構成としてある。
このように、容器の口部外面のキャップで覆われる範囲に印刷が施されると、容器口元の美観向上や美観，情報提供範囲の拡大の他にも、あらかじめ伏せておきキャップを開封したときに、初めて知ることができる容器口元の美観や情報を付与することができ、キャップ付き容器の付加価値を向上させることができる。また、これらの美観や情報を主に製品購入者（キャップを開封する人）だけに提供することができる。さらに、キャップを開けることなしに、印刷内容を改竄されることもない。
【００１１】
また、本発明のキャップ付き容器は、印刷が施される前記口部外面にねじ部が含まれる構成としてある。
このようにすると、キャップ付き容器のねじ部はキャップで覆われる口部の大半を占めるので、その部分に印刷を施すことにより、印刷面積を増大させることができ、容器口元の美観をさらに向上させたり、より多くの情報を提供したりすることができる。
【００１２】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記容器を、缶胴に継目のない継目無し容器とした構成としてある。
このようにすると、口部に溶接跡が残らないので、口部全周に印刷することが可能となり、より多くの情報を提供することができる。また、溶接跡が露出しないことにより、印刷の美観をさらに向上させることができる。
【００１３】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記印刷として、文字を印刷した構成としてある。
このようにすると、インターネットアドレス，占い，おみくじ，クイズの回答，あたりはずれ，日付，ロット等の製品情報など、有益な情報を提供することができる。
【００１４】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記印刷として、コード化情報を印刷した構成としてある。
このようにすると、印刷する情報が大量な場合であっても、コード化することにより情報を集約でき、読取り装置で読み取り、その情報を記録・保存することが可能となる。
【００１５】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記コード化情報のコードを、バーコードとした構成としてある。
このようにすると、広く普及しているバーコードリーダー等の既存設備を有効利用することができる。
【００１６】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとした構成としてある。
このようにすると、携帯電話に情報を読み込ませることができるので、連絡先，インターネットアドレス（ＵＲＬ），秘密のメッセージなどを情報として印刷することができる。
【００１７】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記口部外面に施された印刷の文字，図柄又は模様が、少なくとも前記キャップ外面又は容器本体に施された印刷の文字，図柄又は模様と関連する構成としてある。
このようにすると、口部外面に施された印刷が強調され、利用者の関心を引き付けることができるので、キャップ付き容器の付加価値をさらに向上させることができる。
【００１８】
また、本発明のキャップ付き容器は、少なくとも一部の前記印刷が、熱履歴インク又は経時履歴インクにより施された構成としてある。
このようにすると、キャップを開封するまで熱履歴表示や経時履歴表示が分からないため、改竄する者に対して気づかれずに熱履歴や経時履歴を残すことができ、また、消費者には、過度な熱履歴が加わっていないことや、賞味期限が過ぎていることを保証することができる。
【００１９】
また、本発明のキャップ付き容器は、前記キャップ付き容器を、金属缶とした構成としてある。
このようにすると、現行の製缶工程を活用し、プリンター（口部縮径，ねじ加工前の缶胴部に印刷するプリンター）で印刷を行った後、口部をねじ加工，あるいは、口部を縮径後、ねじ加工を行うことにより製造することができる。
【発明の効果】
【００２０】
以上のように、本発明のキャップ付き容器によれば、キャップで覆われる容器の口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができる。また、あらかじめ美観，情報を伏せており、キャップを開封したときに初めてこれらを知らしめることができる。さらに、キャップを開封する前に、印刷内容を改竄されるおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
［第一実施形態］
図１は、本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
また、図２は、本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
図１，２において、キャップ付きボトル缶１は、従来例のキャップ付きボトル缶１と比較して、キャップ１３０で覆われる口部１４０外面に印刷（口部印刷範囲２）が施された点が相違する。他の構成要素は従来例とほぼ同様としてある。
したがって、図１において、図５と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００２２】
口部１４０は、付け根部１４４，膨出部１４１及び雄ねじ部１４２の外面に印刷が施されている。すなわち、本実施形態では、付け根部１４４，膨出部１４１及び雄ねじ部１４２を口部印刷範囲２としており、この範囲全面に、プリント模様印刷２２として薄茶色の縞模様が印刷してある。このようにすると、キャップ１３０を開封したときに、容器口元の美観を向上させることができる。また、口部印刷範囲２は、縮径部１２２のプリント印刷範囲２００と繋がった状態となるので、消費者に新鮮な印象を与えることができる。なお、プリント模様印刷２２は、上記薄茶色の縞模様印刷に限定されるものではなく、たとえば、無地のカラー印刷でもよい。
【００２３】
また、正面側の雄ねじ部１４２に、プリント文字印刷２１が施してあり、商品名「ＡＢＣ」の文字が印刷してある。このようにすると、口部１４０を利用して有益な情報を提供することができる。なお、プリント文字印刷２１は、上記商品名に限定されるものではなく、たとえば、インターネットアドレスや、占い，おみくじ，クイズの回答，あたりはずれなど、開封前に表に見せたくない内容，日付，ロット等の製品情報などを挙げることができる。
【００２４】
また、背面側の雄ねじ部１４２に、プリントバーコード印刷２３が施してあり、製品に関する情報（たとえば、シリアル番号）などをコード化したバーコードが印刷してある。このようにすると、印刷する情報が大量な場合であっても、コード化することにより情報を集約でき、読取り装置（バーコードリーダー）で読み取り、その情報を記録・保存することが可能となる。また、本実施形態では、コード化情報のコードをバーコードとしてあり、広く普及しているバーコードリーダー等の既存設備を有効利用することができる。
なお、コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとしてもよい。このようにすると、携帯電話に情報を読み込ませることができるので、連絡先，インターネットアドレス（ＵＲＬ），秘密のメッセージなどを情報として印刷することができる。
【００２５】
キャップ付きボトル缶１は、雄ねじ部１４２に印刷を施してあり、このようにすると、雄ねじ部１４２はキャップ１３０で覆われる口部１４０の大半を占めるので、その部分に印刷を施すことにより、印刷面積を増大させることができ、容器口元の美観をさらに向上させたり、より多くの情報を提供したりすることができる。また、雄ねじ部１４２は、キャップ１３０を開閉する際に、雌ねじ部１３２と擦れることから、口部１４０の印刷に可食インク（可食性色素からなるインク）を用いるとよく、これにより、安全性を向上させることができ、さらに、インクジェットプリンターとの組み合わせで、消費者が缶の中身を飲むときに口にするカール部１４３への印刷も可能となる。
【００２６】
本実施形態のキャップ付きボトル缶１は金属缶としてある。このようにすると、現行の製缶工程を活用し、プリンター（口部縮径，ねじ加工前の缶胴１２１に印刷するプリンター）で印刷を行った後、口部１４０に対して、縮径加工及びねじ加工を行うことにより製造することができる。
ここで、好ましくは、キャップ付きボトル缶１が継目無し缶胴１２１を有する構成とするとよい。このようにすると、口部１４０に溶接跡が残らないので、口部１４０の全周に印刷することが可能となり、より多くの情報を提供したり、印刷の美観をさらに向上させることができる。すなわち、口部１４０に印刷を施すことにより、載置されたキャップ付きボトル缶１のほぼ全面に印刷が施されることになるので、２ピース缶タイプのキャップ付きボトル缶１は、さらに付加価値を向上させることができる。
【００２７】
このように、キャップ付きボトル缶１は、口部１４０の外面のキャップ１３０で覆われる口部印刷範囲２に印刷が施されており、キャップ１３０を開封したときに、容器口元の美観を向上させることができ、また、消費者に新鮮な感激を与えることができる。さらに、印刷によって様々な情報を提供することができ、また、それらをキャップ開封時に初めて知らしめることができるなど、付加価値を向上させることができる。
【００２８】
［第二実施形態］
図３ａは、本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り付けた状態の概略正面図を示している。
また、図３ｂは、本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
図３ａ，３ｂにおいて、キャップ付きボトル缶１ａは、第一実施形態と比較して、口部１４０の外面に連続図柄２４ｂを印刷し、この連続図柄２４ｂが、縮径部１２２に印刷された連続図柄２４ａ及びキャップ１３０に印刷された連続図柄２４と関連する点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様としてある。
したがって、図３ａ，３ｂにおいて、図１と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００２９】
キャップ付きボトル缶１ａは、図３ａに示すように、正面側の缶胴１２１に、コーヒーカップのプリント図柄印刷２１１ａが施してある。また、縮径部１２２に、コーヒーカップに注がれたコーヒーから立ち上る香りを模擬的に描写した連続図柄２４が印刷してある。さらに、キャップ付きボトル缶１ａは、上記香りがさらに立ち上がる状態を模擬的に描写した連続図柄２４ａが側面に印刷されている。このようにすると、大きく印刷されたコーヒーの香りの模擬的描写によって、消費者の需要を喚起することができる。
【００３０】
また、キャップ付きボトル缶１ａは、図３ｂに示すように、正面側の口部１４０に、縮径部１２２に印刷されたコーヒーから立ち上る香りが、さらに立ち上がる状態を模擬的に描写した連続図柄２４ｂが印刷されている。このようにすると、消費者がキャップ１３０を取り外し、連続図柄２４ｂを見ることにより、口部１４０にまで香りが立ち上がる状態がイメージされ、より美味しくコーヒーを飲むことができる。
なお、本実施形態では、キャップ１３０の側面に連続図柄２４ａを印刷してあるが、印刷しない構成としてもよく、この場合には、キャップ１３０で連続図柄２４ｂを覆い隠すことになるので、コーヒーの香りが立ち上がる状態を描写した連続図柄２４ｂが意外性を有することとなり、驚きとともに強烈な印象を消費者に与えることができる。
【００３１】
このように、キャップ付きボトル缶１ａは、口部１４０外面に施された連続図柄２４ｂが強調され、消費者の関心を引き付けることができるので、キャップ付きボトル缶１ａの付加価値をさらに向上させることができる。
なお、連続図柄２４，２４ａ，２４ｂの描写内容は、関連する内容であればよく、特に限定されるものでない。たとえば、缶胴１２１のプリント模様印刷２１２が黒色の模様印刷であり、縮径部１２２のプリント模様印刷２１２が茶色の模様印刷であり、さらに、口部１４０のプリント模様印刷２２が薄茶色の模様印刷でもよい。このように、金属の地肌色が露出することなく、連続してプリント模様印刷２１２，２２が施されることにより、購買者は、コーヒーカップにミルクを注いだイメージをグラデーションによって連想することができる。
【００３２】
［第三実施形態］
図４は、本発明の第三実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
同図において、キャップ付きボトル缶１ｂは、第一実施形態と比較して、プリント文字印刷２１の代わりに、プリント熱履歴印刷２５を印刷した点が相違する。他の構成要素は第一実施形態とほぼ同様としてある。
したがって、図４において、図１と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【００３３】
キャップ付きボトル缶１ｂは、正面側の雄ねじ部１４２に、所定温度を超えると脱色又は変色する熱履歴インクにより「ＯＫ」の文字が印刷されたプリント熱履歴印刷２５が施されている。
このようにすると、キャップ１３０を開封するまで熱履歴表示が分からないため、改竄する者に対して気づかれずに熱履歴を残すことができる。また、消費者には、過度な熱履歴が加わっていないことを保証することができる。
なお、特殊インクを用いた印刷は、熱履歴インクに限定されるものではなく、たとえば、経時履歴インクを用いて印刷してもよく、このようにすると、消費者に賞味期限内であるか否かを確実に保証することができる。
【００３４】
以上、本発明のキャップ付き容器について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るキャップ付き容器は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述したキャップ付きボトル缶１，１ａ，１ｂは、金属缶としてあるが、ペットボトルの口部に対して、可食インクを用いたインクジェット印刷を施してもよく、このようにすると、ペットボトルに対しても、口部外面に印刷を施すことにより、口部の美観を付与したり、口部を利用してより多くの情報を提供することができる。さらに、キャップを透明にすると、キャップを開封しないかぎり、キャップで覆われた部分の印刷を改竄できないので、消費期限をキャップで覆われる部分に印刷することにより、改竄の恐れなく情報表示が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００３５】
以上説明したように、本発明のキャップ付き容器は、飲料水などが充填されるキャップ付きボトル缶やペットボトルに限定されるものではなく、縮径されていない缶であてもよい、また、ねじの有無は問わず、たとえば、打栓式のプラスチックキャップやマキシキャップであってもよい、さらに、薬品用容器など様々な容器に対して、有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図２】本発明の第一実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略背面図を示している。
【図３ａ】本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り付けた状態の概略正面図を示している。
【図３ｂ】本発明の第二実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図４】本発明の第三実施形態に係るキャップ付きボトル缶の、キャップを取り外した状態の概略正面図を示している。
【図５】従来例に係るキャップ付きボトル缶の構造を説明するための概略正面図を示している。
【符号の説明】
【００３７】
１，１ａ，１ｂ，１００ キャップ付ボトル缶
２ 口部印刷範囲
２１ プリント文字印刷
２２ プリント模様印刷
２３ プリントバーコード印刷
２４，２４ａ，２４ｂ 連続図柄
２５ プリント熱履歴印刷
１２０ ボトル缶
１２１ 缶胴
１２２ 縮径部
１２３ 缶底
１３０ キャップ
１３１ 天面部
１３２ 雌ねじ部
１３３ ピルファープルーフ部
１３４ ブリッジ部
１４０ 口部
１４１ 膨出部
１４２ 雄ねじ部
１４３ カール部
１４４ 付け根部
２００ プリント印刷範囲
２１０ プリント文字印刷
２１１ プリント図柄印刷
２１２ プリント模様印刷
２２０ インクジェット印刷
２３０ プリント印刷範囲
２３１ プリント文字印刷
２３２ プリント模様印刷
【特許請求の範囲】
【請求項１】
キャップによって密封されるキャップ付き容器であって、
前記キャップで覆われる口部外面に印刷が施されたことを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項２】
印刷が施される前記口部外面にねじ部が含まれることを特徴とする請求項１記載のキャップ付き容器。
【請求項３】
前記容器を、缶胴に継目のない継目無し容器としたことを特徴とする請求項１又は２記載のキャップ付き容器。
【請求項４】
前記印刷として、文字を印刷したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項５】
前記印刷として、コード化情報を印刷したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項６】
前記コード化情報のコードを、バーコードとしたことを特徴とする請求項５記載のキャップ付き容器。
【請求項７】
前記コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとしたことを特徴とする請求項５記載のキャップ付き容器。
【請求項８】
前記口部外面に施された印刷の文字，図柄又は模様が、少なくとも前記キャップ外面又は容器本体に施された印刷の文字，図柄又は模様と関連することを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項９】
少なくとも一部の前記印刷が、熱履歴インク又は経時履歴インクにより施されたことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項１０】
前記キャップ付き容器を、金属製のボトル缶としたことを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項１】
キャップによって密封されるキャップ付き容器であって、
前記キャップで覆われる口部外面に印刷が施されたことを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項２】
印刷が施される前記口部外面にねじ部が含まれることを特徴とする請求項１記載のキャップ付き容器。
【請求項３】
前記容器を、缶胴に継目のない継目無し容器としたことを特徴とする請求項１又は２記載のキャップ付き容器。
【請求項４】
前記印刷として、文字を印刷したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項５】
前記印刷として、コード化情報を印刷したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項６】
前記コード化情報のコードを、バーコードとしたことを特徴とする請求項５記載のキャップ付き容器。
【請求項７】
前記コード化情報のコードを、ＱＲ（二次元）コードとしたことを特徴とする請求項５記載のキャップ付き容器。
【請求項８】
前記口部外面に施された印刷の文字，図柄又は模様が、少なくとも前記キャップ外面又は容器本体に施された印刷の文字，図柄又は模様と関連することを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項９】
少なくとも一部の前記印刷が、熱履歴インク又は経時履歴インクにより施されたことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項１０】
前記キャップ付き容器を、金属製のボトル缶としたことを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のキャップ付き容器。
【図１】
【図２】
【図３ａ】
【図３ｂ】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３ａ】
【図３ｂ】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−２４８６００（Ｐ２００６−２４８６００Ａ）
【公開日】平成１８年９月２１日（２００６．９．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−７１３０２（Ｐ２００５−７１３０２）
【出願日】平成１７年３月１４日（２００５．３．１４）
【出願人】（０００００３７６８）東洋製罐株式会社 (1,150)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月２１日（２００６．９．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月１４日（２００５．３．１４）
【出願人】（０００００３７６８）東洋製罐株式会社 (1,150)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]