説明

キャリアテープ製造装置及びキャリアテープ製造方法

【課題】 キャリアテープを走行させる際の走行安定性が確保でき、キャリアテープの各凹形の部品収納部内に供給された電子部品をピックアップする作業が安定し、下型の交換頻度を減らして製造コストアップを避けることができるキャリアテープ製造装置等を提供する。
【解決手段】 平坦面において送り方向Tに沿って形成され送り方向Tと直交する方向の基材102の幅よりも小さい幅を有する成形用溝部70を有し基材102を送り方向に案内する下型部42と、下型部42の成形用溝70に対応して配置されて基材の一方の面側から押圧することで基材の成形用溝部70に対応する位置に凹形の部品収納部150を成形する複数の押圧部材90を有する上型部41を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の微小な電子部品のような部品を収納して搬送するためのキャリアテープ製造装置及びキャリアテープの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャリアテープは、複数の微小部品、例えば表面実装用の複数個の電子部品を収納して搬送するのに用いられる。
キャリアテープとしては、厚紙製の基材に対してパンチングした複数個の穴部を有し、しかも底面部にボトムテープを貼って使用するパンチングキャリア台紙と、複数の凹形の部品収納部を成形したプレスキャリア台紙との2種類の紙キャリアだけでなく、プラスチック製の基材に複数の凹形の部品収納部を成形したものがある。
このキャリアテープの凹形の部品収納部内にそれぞれ部品が収納されると、凹形の部品収納部はカバーテープにより封止される。この種のキャリアテープを製造する装置は、特許文献1に記載されている。
【0003】
図17は、特許文献1に開示されている従来のキャリアテープの製造工程例を示している。キャリアテープ200は、下型部201の平坦面207上を送り方向202に送られるようになっている。上型部のパンチ203が下がってキャリアテープ200の上面208を圧縮することで、キャリアテープ200には凹形の部品収納部204が送り方向202に沿って所定のピッチで成形される。この凹形の部品収納部204は、底面部205と4つの内側面部206から形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3751414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このようにキャリアテープ200を下型部201の平坦部207上に載せて、パンチ203でキャリアテープ200の上面208を圧縮すると、キャリアテープ200の下面209には、膨出部分210が各凹形の部品収納部204に対応して突出して形成されてしまう。この膨出部分210は、断面で見てなだらかで不規則な下に出た形状の山型形状を有している。
【0006】
このような不規則な形状の膨出部分210が、各凹形の部品収納部204に対応して形成されてしまった状態で、キャリアテープ200を下型部201の平坦面207上において、矢印で示す送り方向202に走行させると、不規則な形状の膨出部分210が障害となってキャリアテープ200の走行方向に乱れが生じる。このため、キャリアテープ200は送り方向202に沿って正確に走行させて送ることができなくなるので、キャリアテープ200の走行安定性が確保できない。
このキャリアテープ200の走行状態が不安定であると、例えば部品ピックアップが各凹形の部品収納部204内に収容された電子部品をピックアップして、ピックアップした電子部品を基板側に供給する作業を行うと、この供給作業が安定しないことがあり、電子部品の供給作業に支障をきたすおそれがある。
【0007】
さらに、キャリアテープ200を送り方向202に走行させると、不規則な形状に膨出部分210が、下型部201の平坦面207を局所的に磨耗させてしまい、下型部201の平坦性が悪くなる。このため、磨耗した下型部201を新しい下型部201に交換する頻度が増加するので、キャリアテープ製造装置によるキャリアテープの製造コストが上昇してしまうことが避けられない。
そこで、上記課題を解消するために、本発明は、キャリアテープを走行させる際の走行安定性が確保でき、キャリアテープの各凹形の部品収納部内に供給された電子部品をピックアップする作業が安定し、下型部の交換頻度を減らして製造コストアップを避けることができるキャリアテープ製造装置及びキャリアテープの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、本発明によれば、テープ状の基材を送り方向に送ることで前記基材に対して前記送り方向に沿って複数の凹形の部品収納部を圧縮して成形するキャリアテープ製造装置であって、平坦面において前記送り方向に沿って形成され前記送り方向と直交する方向の前記基材の幅よりも小さい幅を有する成形用溝部を有し、前記基材を載せて前記基材を前記送り方向に案内する下型部と、前記下型部に対して配置される上型部であって、前記下型部の前記成形用溝部に対応して配置されて前記基材の一方の面側から押圧することで前記基材の前記成形用溝部に対応する位置に前記凹形の部品収納部を成形するための複数の押圧部材を有する前記上型部と、を備えることを特徴とするキャリアテープ製造装置により達成される。
【0009】
上記構成によれば、下型部の成型用溝部内には成型用溝部に合ったキャリアテープの膨出部分が形成され、キャリアテープはこの膨出部分により成形用溝部に沿って案内されるので、キャリアテープを走行させる際の走行安定性が確保できる。このため、キャリアテープの各凹形の部品収納部内に供給された電子部品をピックアップする作業が安定し、下型部を局所的に磨耗させることが無くなるので下型部の交換頻度を減らして製造コストアップを避けることができる。
【0010】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープ製造装置の前記成形用溝部は、平坦な底面部と、前記底面部の一方側と他方側に垂直に形成された側面部から形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、成形用溝部は、凹形の部品収納部の底面部を平坦面に形成することができる。
【0012】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープ製造装置の前記押圧部材の前記送り方向と直交する方向の幅は、前記成形用溝部の前記送り方向と直交する方向の溝幅と比べて小さく設定されていることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、凹形の部品収納部を圧縮して成形して膨らんだ部分は成形用溝内に円滑に逃がすことができ、部品収納部の内側の側面部や底面部に膨らみ部分が発生するのを防ぐことができる。
【0014】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープ製造装置の前記上型部は、前記基材に対して前記基材を送るための複数の送り穴を形成する複数の円柱状の送り穴形成ピンを有し、複数の前記送り穴形成ピンと複数の前記押圧部材は、前記送り方向に平行に配列されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、基材には複数の送り穴と凹形の部品収納部を同時に形成することができる。
【0016】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープ製造装置の前記下型部には、前記成形用溝部を有する別部材の交換部材が着脱可能に配置される構成となっていることを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、仮に成型用溝部の底面部と側面部がキャリアテープ100の多数の膨出部分の移動により磨耗しても、交換部分を外すだけで、簡単に新しい交換部材を下型部に設定することができる。このため、下型部の全体を交換する必要が無いので、コスト削減が可能になる。
【0018】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープ製造装置の前記成形用溝部の前記底面部及び前記側面部の角部分は、それぞれなだらかな形状部分を有することを特徴とする。
【0019】
前記構成によれば、キャリアテープの部品収納部が、成型用溝部を用いて形成される際に、部品収納部の膨出部分から細かな紙屑が発生する現象を抑えることができ、成型用溝部内やその他の部分に細かな紙屑が堆積することを防ぐことができる。
【0020】
前記目的は、本発明によれば、テープ状の基材を送り方向に送ることで前記基材に対して前記送り方向に沿って複数の凹形の部品収納部を圧縮して成形するキャリアテープの製造方法であって、平坦面において前記送り方向に沿って形成され前記送り方向と直交する方向の前記基材の幅よりも小さい幅を有する成形用溝部を有し、前記基材を載せて前記基材を前記送り方向に案内する下型部に対して、前記上型部を前記基材の一方の面側から押圧して、前記基材の前記成形用溝部に対応する位置にある前記上型部の複数の押圧部材により、前記成形用溝部に対応する前記基材の位置に、前記凹形の部品収納部を成形することを特徴とするキャリアテープ製造方法により達成される。
【0021】
上記構成によれば、下型部の成型用溝部内には成型用溝部に合ったキャリアテープの膨出部分が形成され、キャリアテープはこの膨出部分により成型用溝部に沿って案内されるので、キャリアテープを走行させる際の走行安定性が確保できる。このため、キャリアテープの各凹形の部品収納部内に供給された電子部品をピックアップして基板側に供給する際の電子部品のピックアップ作業が安定し、下型部を局所的に磨耗させることが無くなるので下型部の交換頻度を減らして製造コストアップを避けることができる。
【0022】
好ましくは、本発明に係るキャリアテープの製造方法では、前記基板を送るための複数の送り穴を形成する複数の前記送り穴形成ピンと、複数の前記押圧部材とは、前記送り方向に平行に配列され、前記上型部の円柱状の送り穴形成ピンは、前記基材に対して前記複数の送り穴を形成することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、基材には複数の送り穴と凹形の部品収納部を同時に形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、キャリアテープを走行させる際の走行安定性が確保でき、キャリアテープの各凹形の部品収納部内に供給された電子部品をピックアップする作業が安定し、下型部の交換頻度を減らして製造コストアップを避けることができるキャリアテープ製造装置及びキャリアテープの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のキャリアテープ製造装置の好ましい実施形態と、このキャリアテープ製造装置により製造されたキャリアテープの好ましい実施形態を示す図である。
【図2】キャリアテープ製造装置の金型装置の上型部と下型部を示す断面図である。
【図3】凹形の部品収納部が基材に成形される様子を詳しく示す断面図である。
【図4】凹形の部品収納部の膨出部分の形状例を示す断面図である。
【図5】電子部品が凹形の部品収納部内に収容される様子を示す図である。
【図6】比較例と本発明の実施形態を比較して示す図である。
【図7】部品収納部と送り穴を示す平面図である。
【図8】比較例の膨出部分と本発明の実施形態の膨出部分とを比較して示す図である。
【図9】成形用溝部の溝幅Wと、凹形の部品収納部の送り方向Tに沿った方向の幅Aを示し、凹形の部品収納部の送り方向Tに直交した方向の幅をBで示す図である。
【図10】キャリアテープに形成された複数の凹形の部品収納部を、キャリアテープの裏側から見た斜視図である。
【図11】それぞれ収容される部品サイズが異なるキャリアテープの具体的な例を示す図である。
【図12】それぞれ収容される部品サイズが異なるキャリアテープの具体的な例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における下型プレート部材の成形用溝部の断面形状例を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態にける下型プレート部材の成形用溝部の別の断面形状例を示す断面図である。
【図15】本発明のキャリアテープ製造装置を用いてキャリアテープを製造する際に得られるキャリアテープの断面形状と、比較例のキャリアテープの断面形状と、を比較して示す図である。
【図16】本発明の実施形態のキャリアテープの部品収納部と、比較例のキャリアテープの部品収納部を比較して示す図である。
【図17】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明のキャリアテープ製造装置の好ましい実施形態と、このキャリアテープ製造装置により製造されたキャリアテープの好ましい実施形態を示す図である。図2は、キャリアテープ製造装置の金型装置の上型部と下型部を示す断面図である。
図1に示すキャリアテープ製造装置1は、キャリアテープの一例である複数の凹形の部品収納部を成形したプレスキャリア台紙を製造するのに適用され、キャリアテープ製造装置1は、基材102を圧縮することで複数の送り穴101と複数の部品収納部150を有するキャリアテープ100を製造することができる。
【0028】
図1に示すキャリアテープ製造装置1は、キャリアテープ送り装置20と金型装置30を有している。キャリアテープ送り装置20は、基材102からキャリアテープ100を製造する際に、基材102(キャリアテープ100)を送り方向Tに沿って所定の速度で間欠的に送るために設けられている。
このキャリアテープ送り装置20の図示しない回転体の外周囲には、等間隔において複数の凸部が形成されている。各凸部は、キャリアテープ100の送り穴101に順次はまり込むことで、キャリアテープ100を所定の速度で送り方向Tに間欠的に送ることできる。
【0029】
図1に示す金型装置30は、基材102の送り経路内に配置されている。図1と図2に示すように、金型装置30は、上型部41と下型部42を有している。上型部41は可動型であり、下型部42は固定型である。図2に示すように、上型部41は、駆動操作部88の駆動により、下型部42に対してZ方向の内Z1方向(下方向)に沿って所定ストローク分下げ、基材102に複数の送り穴101と複数の部品収納部150を形成した後ではZ2方向に上げることができる。
図1に示す金型装置30は、基材102に対して複数の送り穴101と、複数の凹形の部品収納部150を同時に成形してキャリアテープ100を製造する。図1に示す基材巻き体5は、予めリール基材102を巻き取ることで構成されており、基材102は例えば厚紙製のテープであるが、材質は特には限定されない。
【0030】
図1と図2に示すように、この基材102が、金型装置30によりZ1方向に押圧して圧縮されることで、図1に示すように、基材102には多数の円形で貫通穴である送り穴101が所定の送りピッチSで形成され、同時に基材102には複数の凹形の部品収納部150が所定の送りピッチPで形成される。送りピッチSと送りピッチPの寸法例としては、例えば、送りピッチS=送りピッチPであっても良いし、送りピッチS=2×送りピッチPであっても良く、収容される部品のピッチの設定により任意に変えることができ、特に限定されない。
図1に示すように、下型部42は、プレート部材63を有しており、下型プレート部材63の表面(平坦面)63Fには、基材102に対して凹形の部品収納部150を成形するために成形用溝部70が形成されている。この成形用溝部70は、断面長方形の溝であり、底面部70Bと側面部70C,70Dを有している。成形用溝部70は、下型プレート部材63の一端部から他端部にかけて、キャリアテープ100の送り方向Tに沿って形成されている。
【0031】
図1に示すように、成形用溝部70の溝幅Wは、基材102の送り方向Tと直交する方向の基材102の幅WFよりも小さい。
図2示すように、下型プレート部材63は、基礎プレート部材62の上に着脱可能に固定されており、下型プレート部材63の表面63Fには、複数の逃がし穴71が送り方向Tに沿って等間隔(送りピッチS)をおいて形成されている。これらの逃がし穴71は共通の長い貫通穴72につながっており。長い貫通穴72は、基礎プレート部材62に達している。逃がし穴71と貫通穴72は、Z方向に沿って形成されている。Z方向は送り方向Tと直交する方向である。
【0032】
図1と図2に示すように、上型部41は、複数本の送り穴形成ピン87と、複数本の押圧部材としての押圧ピン90と、駆動操作部88を有している。
送り穴形成ピン87は、断面円形状の細いピンであり、押圧ピン90は、断面長方形の細いピンである。複数本の送り穴形成ピン87と複数本の押圧ピン90は、Z1方向(下方向)に沿って下向きに配列されており、駆動操作部88の動作により、Z1方向に同時に下げ、同時に上げることができる。
【0033】
図2(A)に示すように、送り穴形成ピン87の先端部は、押圧ピン90の先端部に比べてさらに下に位置されている。これにより、上型部41が下型部42側に押し下げられると、送り穴形成ピン87が先に基材102を突き通して送り穴101を形成し、その後押圧ピン90が基材102を圧縮して凹形の部品収納部150を成形できる。
このように、送り穴形成ピン87が先に基材102を突き通して送り穴101を形成した状態で、凹形の部品収納部150を圧縮して成形できるので、凹形の部品収納部150を圧縮する際に基材102が位置ずれするのを防止でき、凹形の部品収納部150を基材102の正確な位置に成形できるメリットがある。
【0034】
図1に示す押圧ピン90の幅C2は、押圧ピン90の幅C1よりも大きい。この幅C2は、送り方向Tと直交する方向の幅であり、幅C1は、送り方向Tと平行な方向の幅である。図1に示す押圧ピン90の幅C2は、図10(A)に示す成形用溝部70の溝幅Wに比べて小さく設定されている。溝幅Wは、送り方向Tと直交する方向の成形用溝部70の溝幅である。これにより、凹形の部品収納部150を圧縮して成形して膨らんだ膨出部分180は、成形用溝部70内に円滑に逃がすことができ、部品収納部150の内側の側面部や底面部に膨らみ部分が発生するのを防ぐことができる。
【0035】
図2に示すように、基材102に対して貫通穴である送り穴101が形成され、凹形の部品収納部150が成形される際には、駆動操作部88が駆動することで、例えば6本の送り穴形成ピン87がZ1方向に下がることで基材102には6つの送り穴101が同時に貫通穴としてZ1方向に形成されるとともに、例えば12本の押圧ピン90がZ1方向に下がることで基材102には、12個の凹形の部品収納部150が同時に圧縮によりZ1方向に成形される。その後、図2の駆動操作部88が駆動することで、6本の送り穴形成ピン87と12本の押圧ピン90は、Z2方向に上昇することで基材102(キャリアテープ100)から離れるようになっている。これにより、複数の送り穴101と複数の部品収納部150が同時に形成でき、この動作を繰り返すことにより、キャリアテープ100の製造効果を上げることができる。
【0036】
このようにして基材102を、図1に示す金型装置30内に通過させて圧縮処理することでキャリアテープ100が成形されると、図1に示すキャリアテープ100の送り穴101にはキャリアテープ送り装置20の回転体の凸部がはまり込むことから、キャリアテープ送り装置20はキャリアテープ100を所定の速度で間欠的に送り方向Tに送ることができる。
なお、図2(B)に示すように、送り穴形成ピン87が基材102を突き通して送り穴101を形成した時の紙屑100Gは、逃がし穴71と貫通穴72を通じて下部に排出できるので、紙屑100Gが金型装置30内に残ってしまうことはなく、金型装置30を製造中に掃除するメンテナンス作業が不要であり、キャリアテープ100をスムーズに製造できる。
【0037】
基材102(キャリアテープ100)は、図1に示すキャリアテープ送り装置20の回転体により所定の速度で送り方向Tに送られるが、凹形の部品収納部150と送り穴101を形成する際には、基材102の送り走行は停止する。上述した6本の送り穴形成ピン87と12本の押圧ピン90の上下操作を繰り返すことで、連続した基材102に対して、送り穴101と凹形の部品収納部150を、それぞれ所定間隔(送りピッチSと送りピッチP)をおいて連続して形成することができる。
【0038】
図3は、凹形の部品収納部150が基材102に対して成形される様子を詳しく示す断面図である。
図3(A)に示すように、押圧ピン90の先端部90Hが基材102の表面102FをZ1方向に押圧して圧縮することで、図3(B)に示すように、直方体形状で凹形の部品収納部150が形成される。部品収納部150は、部品が配置される側の側面部である平坦な内底面部(内側底面部の一例)151と、同じく部品が配置されている側の側面部である4つの平坦な内側面部(内側側面部の一例)152から形成されている。
【0039】
図3(B)に示すように、凹形の部品収納部150が形成される際に、押圧ピン90の先端部90Hが部品収納部150の内底面部151の隅部分をきれいに直角になるように形成できる。
このように、押圧ピン90の先端部90Hが部品収納部150を形成すると、膨出部分180が基材102の裏面102Rから成形用溝部70内に、円滑に無理なく押し出される。すなわち、基材102に対して凹形の部品収納部150を圧縮して形成する際に、基材102が圧縮されて押し出された部分は、成形用溝部70内に広く分散させて逃がすことができる。
【0040】
そして、図3(B)に示すように、膨出部分180の底面部の外側である外底面部181と2つの側面部の外側である外側面部182は、成形用溝部70の底面部70Bと側面部70C,70Dに沿って平坦面に形成することができる。
しかも、図1に示す押圧ピン90の送り方向Tと直交する方向の幅C2は、成形用溝部70の送り方向Tと直交する方向の溝幅Wに比べて小さく設定されている。これにより、凹形の部品収納部150を圧縮して成形して膨らんだ膨出部分180は、成形用溝部70内に円滑に逃がすことができ、部品収納部150の内側面部152や内底面部151に膨らみ部分が発生するのを防ぐことができる。
このため、部品収納部150の内面形状は、予め定めた形状に保持でき、部品は部品収納部150内に確実に収納できる。
なお、図1に示す成形用溝部70の溝幅Wは例えば1.1mmで、成形用溝部70の深さDDは例えば30μmであるが、特に限定されない。
【0041】
この膨出部分180の形状は、図4(A)に示している。膨出部分180の平坦な外底面部181は、基材102(キャリアテープ100)の平坦な裏側102Rと平行であり、外底面部181と外側面部182は直交している。
キャリアテープ100(基材102)の膨出部分180の外底面部181は、押圧ピン90と成形用溝部70の平坦な底面部70Bにより平坦面に形成することができる。
このため、従来のようにキャリアテープの膨出部分が山型状に突出する場合に比べると次のようなメリットがある。
すなわち、図1に示すように、キャリアテープ100を送り方向(走行方向)Tに走行させる際に、この膨出部分180が走行ガイド部分の役割を果たすことにより、キャリアテープ100は成形用溝部70により、送り方向Tに沿って円滑にガイドでき、キャリアテープ100を送り方向Tに沿って走行させる際の走行安定性が確保できる。
【0042】
また、図1に示すキャリアテープ100の膨出部分180は成形用溝部70に従って案内できるので、図1に示す基材巻き体5から基材102を繰り出して金型装置30内を通す際に、基材102の繰り出す際のトラバース方向のゆがみを修正しながら基材102を送り方向Tに沿って確実に案内することができる。
【0043】
さらに、図4(B)に示すように、キャリアテープ100を走行させる際の走行安定性が向上するので、図5に示すように、部品供給装置195が電子部品190をキャリアテープ100の各凹形の部品収納部150内に収容する際の作業を安定して行うことができ、部品供給の作業安定性が向上する。
さらに図6(A)に示すように、膨出部分180の外底面部181は、押圧ピン90と成形用溝部70の平坦な底面部70Bにより平坦面に形成することができる。
このため、図6(B)に示すように、従来のようにキャリアテープ200Sの膨出部分210が山型状に突出する場合に比べて、下型部の下型プレート部材63の局所的な磨耗を防いで下型部の部品交換頻度を減らして、キャリアテープ100の製造コストのアップを避けることができる。
【0044】
なお、図4(A)に示す凹形の部品収納部150の送り方向Tに沿った方向の幅をAで示している。凹形の部品収納部150の深さDPは、微小な電子部品の寸法の範囲例に合わせることができる。
微小な電子部品の寸法の範囲例としては、コンデンサ(C)とコイル(L)と抵抗(R)を収納する場合には、例えば0.43〜0.46μmであるが、図4(B)に例示するように、凹形の部品収納部150の深さDPは、収容しようとする電子部品190,191の大きさに応じて任意に選定することができる。図4(A)に示す膨出部分180の幅FHは例えば1.1mmで、厚みWGは例えば30μmであるが、これに限定されない。
【0045】
ここで、表1に示す比較例と、表2に示す本発明の実施例について説明する。
【0046】
【表1】

【0047】
表1は、比較例を示しており、基材(台紙)200Sの厚みT3が0.40mm,0.42mm,0.44mmの場合に、凹形の部品収納部204を深さKが0.27mm,0.28mm,0.35mm,0.37mmであるように成形した時に、変化した基材200Sの厚みT3の実測値を示している。
このように、部品収納部204を形成した場合には、厚み(総厚)T3の範囲は、0.41〜0.49mmであり、厚みT3のバラツキRは80μmであった。
【0048】
【表2】

【0049】
これに対して、表2は、本発明の実施形態を示しており、基材(台紙)102の厚みT3が0.40mm,0.42mm,0.44mmの場合に、凹形の部品収納部150の深さKが0.27mm,0.28mm,0.35mm,0.37mmであるように成形した時に、変化した基材102の厚みT3の実測値を示している。このように、部品収納部150を形成した場合には、厚み(総厚)T3の範囲は、0.42〜0.45mmであり、厚みT3のバラツキRは30μmであった。
このように、本発明の実施形態では、図1に示す成形用溝部70により、基材102の膨出部分180が山形ではなく平板状であり平均的に形成されることで、図4に示す基材102の厚みT3のバラツキRの値を、比較例のバラツキRの値に比べて、大幅に減少させることができる。
【0050】
図6(A)に示す比較例では、凹形の部品収納部204の深さが大きいほど膨出部分210が山型に大きくなって不安定な形になってしまう。しかも、膨出部分210は狭い範囲にしか広がらないので、基材200Sが下型部201の平坦面207上を連続走行すると、下型部201の平坦面207が局所的に磨耗を起こす。
これに対して、本発明の実施形態では、図6(B)に示すように、凹形の部品収納部150の深さを大きくしても、膨出部分180は成形用溝部70に逃げるようにして形成することができるので、比較的広い領域で平坦な膨出部分180を形成できる。しかも、膨出部分180は成形用溝部70内に十分広がるので、膨出部分180の体積を大きくすることができる。
【0051】
従って、基材200Sが下型プレート部材63上を成形用溝部70に沿って連続的に走行しても、下型プレート部材63には局所的な磨耗を起こすことが少なく下型プレート部材63の寿命を延ばすことができる。
また、成形用溝部70が下型プレート部材63に形成されていることにより、凹形の部品収納部150を成形する際に押圧ピン90への衝撃を減らすことができ、しかも押圧ピン90の偏磨耗を比較例の押圧ピン203に比べて減らすことができるので、押圧ピン90の交換に伴うコストアップを防げる。
【0052】
また、図7に示すように、キャリアテープ100には、凹形の部品収納部150と送り穴101を同時にパンチすることで形成することができる。図1に示すように、膨出部分180は連続している成形用溝部70より送り方向Tに沿ってガイドされるので、図7に示す各送り穴101のE1寸法が一定値になる。
従って、凹形の部品収納部150が送り方向Tに送られる際の各送り穴101の位置が安定するので、電子部品を凹形の部品収納部150内に入れる時のテーピング率が向上する。
【0053】
図8は、比較例と本発明の実施形態を比較して示す。
図8(C)に示す本発明の実施形態の成形用溝部70の幅Wは、例えば部品190の寸法Lの150%〜200%であることが望ましい。成形用溝部70の幅Wが寸法Lの150%未満であると、図8(A)のように膨出部分300は2重突起状になってしまうおそれがある。また、成形用溝部70の幅Wが寸法Lの200%を超えると、成形用溝部70の効果がなく、図8(B)のように膨出部分400が出過ぎたり、膨出部分400が2段の突起状になってしまうおそれがある。
すなわち、キャリアテープ100の長手方向に直交する方向における外底面部181の幅Wが、対応する内底面部151の幅の150%〜200%であることが望ましい。
【0054】
図8(C)に示す成形用溝部70の深さDDは、基材102の厚みT3の5%〜10%であることが望ましい。深さDDが、基材102の厚みの5%未満であると、図8(A)のように膨出部分300は2重突起状になってしまう。深さDDが、基材102の厚みの10%を超えると、成形用溝部70の効果がなく、図8(B)のように膨出部分400が出過ぎたり、膨出部分400が2段の突起状になってしまう。
すなわち、キャリアテープ100の外側面部182の高さが、基材102の厚みTの5%〜10%であることが望ましい。
なお、複数の成形用溝部70が、連続的に形成されている必要がある。この成形用溝部70の形成が途中で途絶えていると、基材102の走行を妨げてしまうおそれがある。
【0055】
図9には、成形用溝部70の溝幅Wと、凹形の部品収納部150の送り方向Tに沿った方向の幅をAで示し、凹形の部品収納部150の送り方向Tに直交した方向の幅をBで示している。
図9に示す成形用溝部70の溝幅Wと、凹形の部品収納部150の送り方向Tに直交した方向の幅Bとの関係は、
1.3B≦W≦1.7B
であることが好ましい。
もし、成形用溝部70の溝幅Wが1.3B未満であると、凹形の部品収納部150の幅Bを形成し難くなるので好ましくない。また、成形用溝部70の溝幅Wが1.7Bを超えると、キャリアテープ100が送り方向に沿って走行する際の抵抗が大きくなり好ましくない。
すなわち、キャリアテープ100の長手方向に直交する方向における外底面部181の幅Wと、対応する内底面部151の幅の関係は、1.3B≦W≦1.7Bであることが好ましい。
【0056】
図10(A)、図10(B)そして図10(C)は、キャリアテープ100(基材102)に形成された複数の凹形の部品収納部150をキャリアテープ100の裏側から見た斜視図である。図10(A)、図10(B)そして図10(C)のいずれのキャリアテープ100においても、キャリアテープ100の送り穴101の送りピッチSは、いずれも4mmである。
図10(A)に示すキャリアテープ100では、部品収納部150の送りピッチPは、4mmであり、図10(B)に示すキャリアテープ100では、部品収納部150の送りピッチPは、2mmであり、図10(C)に示すキャリアテープ100では、部品収納部150の送りピッチPは、1mmである。しかも、図10(A)、図10(B)そして図10(C)のいずれのキャリアテープ100においても、部品収納部150膨出部分180の外底面部181の四隅の角部分が、なだらかな形状部分189を有している。
【0057】
図11(A)と図11(B)と、図12(A)と図12(B)は、それぞれ収容される部品サイズが異なるキャリアテープ100の具体的な例を示す図である。なお、ブリッジ部分BRとは、隣接する部品収納部150を区切る隔壁である。
図11(A)に示すキャリアテープ100は、「1608」サイズ用の部品収納部150が形成されており、部品収納部150の幅Aは、0.92mmであり、ブリッジ部分BR幅は、1.08mmである。
図11(B)に示すキャリアテープ100は、「1005」サイズ用の部品収納部150が形成されており、部品収納部150の幅Aは、0.62mmであり、ブリッジ部分BRの幅は、0.38mmである。
【0058】
図12(A)に示すキャリアテープ100は、「0603」サイズ用の部品収納部150が形成されており、部品収納部150の幅Aは、0.36mmであり、ブリッジ部分BRの幅は、0.64mmである。
図12(B)に示すキャリアテープ100は、「0402」サイズ用の部品収納部150が形成されており、部品収納部150の幅Aは、0.75mmであり、ブリッジ部分BRの幅は、0.25mmである。
【0059】
図13(A)と図13(B)は、下型プレート部材63の成形用溝部70の断面形状例を示しており、図13(A)では、成形用溝部70の断面形状は、長方形であり、しかも成形用溝部70は下型プレート部材63に対して直接形成されている。
しかし、図13(B)に示すように、下型プレート部材63にははめ込み設定用の断面長方形状の溝部分69Mを、送り方向Tに沿って予め形成しておいて、このはめ込み設定用の溝部分69M内に、別部材の成形用溝部70を有する交換部材79を着脱可能にはめ込んで固定するようにしても良い。
これにより、仮に成形用溝部70の底面部70Bと側面部70C、70Dがキャリアテープ100の多数の膨出部分180の移動により磨耗しても、交換部材79を外すだけで、簡単に新しい交換部材79を下型プレート部材63に設定することができる。このため、下型プレート部材63の全体を交換する必要が無いので、コスト削減が可能になる。
【0060】
図14(A)と図14(B)は、下型プレート部材63の成形用溝部70の別のより好ましい断面形状例を示しており、図14(A)は図13(A)の変形例であり、図14(B)は、図13(B)の変形例である。
図14(A)と図14(B)に示すように、下型プレート部材63の成形用溝部70の底面部70Bと側面部70Cの角部分は、それぞれなだらかな形状部分89Rになっている。これにより、図1に示すように、キャリアテープ100の部品収納部150が、成型用溝部70を用いて形成される際に、部品収納部150の膨出部分180から細かな紙屑が発生する現象を抑えることができ、成型用溝部70内やその他の部分に細かな紙屑が堆積することを防ぐことができる。
これは、上述のように、キャリアテープ100の、部品収納部150の膨出部分180の外底面部181の四隅の角部分が、なだらかな形状部分189を有していることを意味する。
【0061】
図15は、本発明のキャリアテープ製造装置を用いてキャリアテープ100を製造する際に得られるキャリアテープ100の断面形状と、比較例のキャリアテープ600の断面形状を、比較して示している。
図15(A)に示す本発明のキャリアテープ製造装置を用いてキャリアテープ100を製造する際に得られるキャリアテープ100の断面形状では、下型プレート部材63の成形用溝部70内に、キャリアテープ100の部品収納部150の膨出部分180が形成されることにより、部品収納部150は平坦な内底面部151と平坦な内側面部152により形成することができる。
これに対して、図15(B)に示す比較例では、プレート部材663には成型用溝部は形成されておらず平坦面であるので、キャリアテープ600に部品収納部650を形成する際に高圧縮力を受けてこの圧縮力の逃げ場が無くなり、キャリアテープ600の部品収納部650の側面部652と底面部654は膨らんだ形状となる。このため、部品収納部650内には部品が入らなくなるか、取り出しにくくなるおそれがある。
【0062】
図16は、本発明の実施形態のキャリアテープ100の部品収納部150と、比較例のキャリアテープ600の部品収納部650を比較して示している。
図16(A)に示すキャリアテープ100の部品収納部150では、膨出部分180が形成されていることから、部品190はこの膨出部分180により保持される。しかし、図16(B)に示す比較例では、部品収納部650は貫通穴であるので、部品190を保持するためのボトムテープ660が必要となる。
このように、本発明の実施形態のキャリアテープ100では、部品190を保持するためのボトムテープは不要なボトムテープレスとすることができ、しかも部品を取り出した後に、リサイクル処理を行う際に、ボトムテープをキャリアテープから剥がす必要もなくなる。
【0063】
また、図16(C)に示す本発明の実施形態と、図16(D)に示す比較例のいずれにおいても、部品190を部品収納部150内から外れないようにするためのカバーテープ880は必要である。
しかし、本発明の実施形態では、例えば図11と図12に示すように、部品収納部150はいわゆる「狭ピッチ」で形成することができるので、同じ個数の部品を収納する場合には、キャリアテープ100の長さとカバーテープ880の長さを、従来のキャリアテープの長さとカバーテープ880の長さに比べて、例えば半分にすることができる。
例えば、「1005」サイズの部品を収納する場合に、従来のキャリアテープを使用すると1リール当たり一万個の部品が収納できたが、本発明の実施形態のキャリアテープを使用すると、1リール当たり2万個の部品が収納できる。従って、キャリアテープの製造コストを半減することができる。また、同じ長さのキャリアテープを保持するためのリールの個数は、例えば半分にすることができる。このため、キャリアテープを製造するための紙の省資源が図れる。
【0064】
一方、図1に示すキャリアテープ製造装置1では、成型用溝部70を下型部42に形成する必要があるためにコスト高にはなるが、図1に示すキャリアテープ製造装置1によりキャリアテープ100を製造する場合のコストは、従来のキャリアテープを製造する場合のコストに比べて、約60%から70%程度で済む。
なお、本発明の実施形態では、キャリアテープ100における部品収納部150のピッチPが「狭ピッチ」であるとは、図11と図12に示す隣接する部品収納部150の間の隔壁であるブリッジBRの幅が、0.38mm〜1.08mmである場合をいう。
【0065】
本発明の実施形態では、キャリアテープ100の各部品収納部150に対応して、裏面側に膨出部分180が同じ高さで形成でき、図1に示すキャリアテープ100のこれらの膨出部分180が成型用溝部70に沿って案内されるので、キャリアテープ100は送り方向Tに沿って安定して走行することができる。しかも、キャリアテープ100の各部品収納部150が狭ピッチPで形成することにより、さらにキャリアテープ100の走行安定性を上げることができる。
【0066】
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形例を採用することができる。たとえば、帯状のキャリアテープ100の基材102は、厚紙製であってもプラスチック製であっても良い。
【符号の説明】
【0067】
1・・・キャリアテープ製造装置
5・・・基材巻き体
20・・・キャリアテープ送り装置
30・・・金型装置
41・・・上型部
42・・・下型部
62・・・基礎下型プレート部材
63・・・下型プレート部材
70・・・成形用溝部
71・・・逃がし穴
87・・・送り穴形成ピン
88・・・駆動操作部
90・・・押圧ピン
100・・・キャリアテープ
101・・・キャリアテープの送り穴
102・・・基材
150・・・凹形の部品収納部
180・・・膨出部分
190・・・電子部品
195・・・部品供給装置
200S・・・従来品キャリアテープ
203・・・押圧ピン(従来金型)
204・・・部品収納部(従来品)
210・・・膨出部分(従来品)
T・・・送り方向



【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状の基材を送り方向に送ることで前記基材に対して前期送り方向に沿って複数の凹形の部品収納部を圧縮して成形するキャリアテープ製造装置であって、
平坦面において前記送り方向に沿って形成され前記送り方向と直交する方向の前記基材の幅よりも小さい幅を有する成形用溝部を有し、前記基材を載せて前記基材を前記送り方向に案内する下型部と、
前記下型部に対して配置される上型部であって、前記下型部の前記成形用溝部に対応して配置されて前記基材の一方の面側から押圧することで前記基材の前記成形用溝部に対応する位置に前期凹形の部品収納部を成形するための複数の押圧部材を有する前記上型部と、を備えることを特徴とするキャリアテープ製造装置。
【請求項2】
前記成形用溝部は、平坦な底面部と、前記底面部の一方側と他方側に垂直に形成された側面部から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャリアテープ製造装置。
【請求項3】
前記押圧部材の前記送り方向と直交する方向の幅は、前記成形用溝部の前記送り方向と直交する方向の溝幅に比べて小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャリアテープ製造装置。
【請求項4】
前記上型部は、前記基材に対して前記基材を送るための複数の送り穴を形成する複数の円柱状の送り穴形成ピンを有し、
複数の前記送り穴形成ピンと複数の前記押圧部材は、前記送り方向に平行に配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のキャリアテープ製造装置。
【請求項5】
前記下型部には、前記成形用溝部を有する別部材の交換部材が着脱可能に配置される構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のキャリアテープ製造装置。
【請求項6】
前記成形用溝部の前記底面部及び前記側面部の角部分は、それぞれなだらかな形状部分を有することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載のキャリアテープ製造装置。
【請求項7】
テープ状の基材を送り方向に送ることで前記基材に対して前記送り方向に沿って複数の凹形の部品収納部を圧縮して成形するキャリアテープの製造方法であって、
平坦面において前記送り方向に沿って形成され前記送り方向と直交する方向の前記基材の幅よりも小さい幅を有する成形用溝部を有し、前記基材を載せて前記基材を前記送り方向に案内する下型部に対して、前記上型部を前記基材の一方の面側から押圧して、
前記基材の前記成形用溝部に対応する位置にある前記上型部の複数の押圧部材により、前記成形用溝部に対応する前記基材の位置に、前記凹形の部品収納部を成形することを特徴とするキャリアテープの製造方法。
【請求項8】
前記基材を送るための複数の送り穴を形成する複数の前記送り穴形成ピンと、複数の前記押圧部材とは、前記送り方向に平行に配列され、
前記上型部の円柱状の送り穴形成ピンは、前記基材に対して前記複数の送り穴を形成することを特徴とする請求項7に記載のキャリアテープの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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