説明

キャリーボックス

【課題】運送物を容易に積み込むためのキャリーボックスを提供する。
【解決手段】キャリーボックス10は、底面部11、前面扉12、横側面部13a,13b、背面部14、上面蓋15から構成されている。長方形状の底面部11には、横側面部13a,13b及び背面部14が起立して固定されている。底面部11には、前面扉12が回動可能に取り付けられており、この側面を開放可能にしている。底面部11の前面扉12側には、ローリングバー20が、回動可能に取り付けられている。上面蓋15は、背面部14の上端辺に、回動可能に取り付けられている。この上面蓋15は、起立した前面扉12、横側面部13a,13b及び背面部14によって開口された上面を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車等の荷台に取り付けられて、運送物を運搬するためのキャリーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物や郵便物等の運送物を運搬する場合、自動二輪車(バイク)を用いて配達を行なう場合がある。この場合、バイクの荷台に取り付けたキャリーボックスを利用することもある(例えば、特許文献1を参照。)。この文献記載の技術では、キャリーボックスは、蓋体がボックス本体に対して起立可能とさせるヒンジ機構と、無段階的にスライド可能となるアダプターとを備える。これにより、垂直に起立させた開蓋状態を走行中も維持することができるとともに、緩やかに閉蓋可能にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−244813号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、郵便配達のように、運送物をコンテナケースに入れて、このコンテナケースごと、キャリーボックスに収納する場合もある。そして、郵便配達においては、このようなキャリーボックスに格納されたコンテナケースから、郵便物を順次、取り出して配達行なう。しかしながら、特許文献1に記載されているキャリーボックスは、上面しか開放できないため、コンテナケースをキャリーボックスに収納する場合、コンテナケースをキャリーボックスの上面まで持ち上げる必要があった。特に、多くの郵便物を入れたコンテナケースは重いため、コンテナケースの積み込み作業が負担になっていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、運送物を容易に積み込むためのキャリーボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、二輪車の荷台に搭載して、運送物を収容するために、二輪車の荷台に取り付ける底面部と、この底面部に対して、起立した側面部とを備えたキャリーボックスであって、側面の一部を開放するための側面扉と、前記側面扉から挿入された物を内部へと滑らせるための滑り機構とを設けたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキャリーボックスにおいて、前記滑り機構を、前記底面部の前記側面扉側の端部に設けたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のキャリーボックスにおいて、上面を開放する上面蓋を更に設け、この上面蓋と前記扉とが接合した状態を保持することにより内部を施錠するロック機構を設けたことを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリーボックスにおいて、前記側面扉は、回動する機構により底面に取り付けられており、前記側面扉が起立した状態を保持するとともに、前記扉の回動を許容する保持部材が設けられていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリーボックスにお
いて、前記滑り機構は、回動可能なローリングバーであることを要旨とする。
【0009】
(作用)
本発明によれば、二輪車の荷台に搭載して、運送物を収容するために、二輪車の荷台に取り付ける底面部と、この底面部に対して、起立した側面部とを備えたキャリーボックスであって、側面の一部を開放するための側面扉と、前記側面扉から挿入された物を内部へと滑らせるための滑り機構とを設けた。このため、キャリーボックスの側面から、運送物が収容されたコンテナケースを積み込むことができるので、キャリーボックスの上面まで持ち上げなくてもよく、積み込み作業を軽減することができる。更に、底面に滑り機構が設けられているので、収納するコンテナケースを容易に内部へと収納することができ、積み込み作業を更に軽減することができる。
【0010】
本発明によれば、滑り機構を、前記底面部の前記側面扉側の端部に設けた。このため、コンテナケースを開口部から挿入した直後から、コンテナケースを容易に収納することができる。
【0011】
本発明によれば、上面を開放する上面蓋を更に設け、この上面蓋と前記扉とが接合した状態を保持することにより内部を施錠するロック機構を設けた。このため、上面蓋によって上面を開放することにより、キャリーボックスに収容したコンテナケース内の中身(配送物)のみを取り出すことができる。また、上面蓋と扉とが接合した状態を保持することにより内部を施錠するロック機構によって、キャリーボックスを効率よく密閉することができる。
【0012】
本発明によれば、前記側面扉は、回動機構により底面に取り付けられており、前記側面扉が起立した状態を保持するとともに、前記扉の回動を許容する保持部材が設けられている。このため、上面蓋を開放した場合には、扉は起立状態のままにしておくことができるとともに、容易に扉を開放することができる。
【0013】
本発明によれば、滑り機構は、回動可能なローリングバーである。このため、簡単な構成で、扉から挿入された物をキャリーボックスの内部へと滑らせる滑り機構を設けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キャリーボックスに運送物を容易に積み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のキャリーボックスの構成を説明する斜視図であり、(a)は上面蓋及び前面扉を閉めた状態、(b)は上面蓋及び前面扉を開けた状態を示す。
【図2】本実施形態のキャリーボックスを荷台に取り付けた状態を示す側面図。
【図3】本実施形態のキャリーボックスから配達する郵便物を取り出すときの上面を開放した状態を示す斜視図。
【図4】本実施形態のキャリーボックスにコンテナケースを収容するための説明図であり、(a)はキャリーボックスを閉じた状態、(b)〜(c)はキャリーボックスを開けた状態、(d)〜(e)はコンテナケースを収納する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、図1に示すように、郵便物の配達において、郵便物を入れたコンテナケースを収納して運搬するためのキャリーボックス10について説明する。
【0017】
(キャリーボックス10の全体形状)
このキャリーボックス10は、図1(a)に示すように、略六面体形状をしており、配達する郵便物を収容するコンテナケース60(図3参照)が内部に収納可能な大きさで構成されている。
【0018】
キャリーボックス10においては、コンテナケース60を側面(この側面を前面と呼ぶ)から収納する。このため、キャリーボックス10は、底面部11、前面扉12、横側面部13a,13b、背面部14、上面蓋15から構成されている。底面部11は、略長方形状をしている。底面部11の両短辺には、横側面部13a,13bが起立状態で固定されている。底面部11の一方の長辺には、背面部14が起立状態で固定されている。底面部11の前面側には、コンテナケース60の側面を開放するための側面扉(前面扉12)が回動可能に取り付けられている。本実施形態のキャリーボックス10は、前面扉12の高さよりも背面部14の高さが高くなっており、横側面部13a,13bは、この高さをそれぞれ上底、下底とする台形形状で構成されている。
【0019】
更に、図1(b)で示すように、上面蓋15は、背面部14の上端辺に、回動可能に取り付けられている。この上面蓋15は、起立状態の前面扉12、横側面部13a,13b及び背面部14によって囲まれた上面を覆うことができるように取り付けられている。更に、上面蓋15の先端部15aは、折れ曲がっており、上面蓋15がキャリーボックス10の上面を覆った場合に、起立状態の前面扉12と面一になる。また、前面扉12が起立し、かつ上面蓋15が上面を覆った状態においては、前面扉12と上面蓋15とは、横側面部13a,13bとも接合するように構成されている。
【0020】
(キャリーボックス10の詳細構成)
以下、キャリーボックス10の各構成部材(底面部11、前面扉12、横側面部13a,13b、背面部14,上面蓋15)について、詳述する。
【0021】
キャリーボックス10の底面部11には、図示しない複数の固定部材が設けられている。これら固定材部は、キャリーボックス10を、自動二輪の荷台に固定するために用いられる。更に、底面部11には、図1(b)に示すように、前面扉12側の内部の上面に、ローリングバー20が、回動可能に取り付けられている。このローリングバー20は、キャリーボックス10に収納されるコンテナケース60の長辺の長さよりも長い円柱部材によって構成されている。
【0022】
前面扉12は、底面部11に、ヒンジ構造の扉取付部材22を介して、回動可能に取り付けられている。本実施形態では、この前面扉12は、キャリーボックス10の前面にぶら下がり可能となるように、約180度の回動が可能になっている。
【0023】
前面扉12の上部には、ロック機構部25が設けられている。このロック機構部25には、公知のオートロック機構が内蔵されている。このロック機構部25の上面には、係合孔(図示せず)が開口している。この係合孔には、後述する上面蓋15の係合突部41が挿入される。ロック機構部25は、係合孔に係合突部41が挿入されて接合されることにより、前面扉12と上面蓋15とが係合されて、両者の位置関係を固定する。更に、前面扉12の外側には、ロック機構部25の鍵穴が設けられている。鍵がこの鍵穴から抜かれた場合には、ロック機構部25は、係合突部41を固定する。また、鍵がこの鍵穴に挿入された場合には、係合突部41の係合孔からの離脱を許容する。更に、前面扉12の上部の側部には、保持部材としての留め具部材27a,27bが設けられている。この留め具部材27a,27bは、横側面部13a,13bの後述する留め具部材37a,37bに対応する位置に設けられており、これら留め具部材37a,37bと係合可能な構成をしている。
【0024】
一方、背面部14の内面には、収納ネット30が取り付けられている。この収納ネット30は、コンテナケース60とは別に収納する運送物(例えば、書留等の特殊郵便物)を収容する場合に用いられる。
更に、この背面部14の内面の上部には、樋31が取り付けられている。この樋31は、中央部において最も高くなっており、横側面部13a,13bに向かうに従って低くなるように配置されている。この樋31の断面は、上面が開放されたU字形状をしている。
【0025】
横側面部13a,13bは、左右対称に同じ構成を有している。横側面部13a,13bの内面の上部には、樋35a,35bが設けられている。この樋35a,35bは、背面側が高く、前面側が低くなるように取り付けられている。更に、この樋35a,35bの背面側の端部には、背面部14の樋31の端部が接続されている。また、この樋35a,35bの断面も、上面が開放されたU字形状をしている。
【0026】
更に、図1(b)に示すように、横側面部13a,13bの内面には、前面側に筒状の縦樋36a,36bが設けられている。この縦樋36a,36bの上部には、樋35a,35bの前面側の端部が接続されている。
【0027】
更に、横側面部13a,13bの内面には、保持部材としての留め具部材37a,37bが設けられている。この留め具部材37a,37bと、前面扉12の留め具部材27a,27bとは、公知のプッシュオープンのラッチ機構を構成する。本実施形態では、このラッチ機構が保持機構として用いられる。具体的には、留め具部材37a,37bが、留め具部材27a,27bにそれぞれ係合することにより、前面扉12を起立させた状態を維持する。更に、留め具部材37a,37bは、前面扉12が回動するように押圧された場合には、留め具部材27a,27bとの係合を解除して、前面扉12の回動を許容する。
【0028】
一方、上面蓋15は、図示しないヒンジを介して、背面部14に回動可能に取り付けられている。上面蓋15が閉じた状態においては、上面蓋15の縁部の真下に、横側面部13a,13bの樋35a,35bが位置するように配置されている。また、上面蓋15を開ける場合は、上面蓋15の縁部は、樋35a,35bの真上を移動する。
上面蓋15の前側の上面には、上面蓋15を開閉するための取手部材42が設けられている。
【0029】
上面蓋15は、上面を開口する際には、前面側に対して平行に折り畳める(本実施形態では、2つ折りとなる)ように、先端部側部材、基端部側部材及びこれらを連結するヒンジから構成されている。上面蓋15は、先端部15aが前面扉12と面一となる位置(図1(a)参照)から、背面部14に対して起立する位置(図3参照)まで回動するように、背面部14に取り付けられている。
【0030】
更に、上面蓋15の基端部側部材には、上面が開放された樋15bが設けられている。この樋15bは、横側面部13aから横側面部13bまで延在されており、上面蓋15の基端部側部材と先端部側部材との折り曲げ部分の下方に配置されている。すなわち、樋15bの両端は樋35a,35bの上にそれぞれ位置する。
【0031】
以上のように構成されたキャリーボックス10は、図2に示すように、自動二輪車(バイク)50の荷台51に取り付けられて、バイク50に搭載される。具体的には、前面扉12が、バイク50の進行方向に対して平行となる位置で、キャリーボックス10の底面部11の固定材部を用いて荷台51に固定される。そして、キャリーボックス10には、図3に示すように、コンテナケース60が収納される。このコンテナケース60には、バ
イク50で配達を行なう郵便物が収納される。
【0032】
次に、キャリーボックス10のローリングバー20の作用について、図4を用いて説明する。ローリングバー20は、キャリーボックス10にコンテナケース60を収納する場合に使用される。
【0033】
図4(a)に示すように、配達員は、キャリーボックス10のロック機構部25の鍵穴に鍵を挿入して、開錠する。そして、図4(b)に示すように、キャリーボックス10の取手部材42を把持して、上面蓋15の先端部15aを持ち上げる。次に、キャリーボックス10の取手部材42を背面側に押し込む。これにより、図4(c)に示すように、上面が開放された状態になる。次に、前面扉12の上端部を把持して手前に引っ張る。この場合、前面扉12の留め具部材27a,27bと、横側面部13a,13bの留め具部材37a,37bとの係合が解除されて、前面扉12を外側に回動することができる。そして、配達員が前面扉12の上面部を回動させることにより、前面が開放される。
【0034】
次に、図4(d)に示すように、配達員は、郵便物が収納されたコンテナケース60を持ち上げて、キャリーボックス10のローリングバー20上に載せる。そして、ローリングバー20上に載せた状態で、コンテナケース60をキャリーボックス10内に押し込む。この場合、ローリングバー20が回転して、コンテナケース60は滑るようにキャリーボックス10内に押し込まれる。そして、図4(e)に示すように、コンテナケース60がキャリーボックス10に収容される。
【0035】
そして、前面扉12及び上面蓋15を閉じる。具体的には、配達員は、前面扉12を持ち上げて閉じた後、前面扉12の各留め具部材27a,27bを、横側面部13a,13bの留め具部材37a,37bに係合させる。これにより、前面扉12は、起立状態で固定される。そして、上面蓋15の先端部15aを前面側に引き戻して、上面蓋15の係合突部41をロック機構部25に挿入する。そして、ロック機構部25から鍵を抜く。これにより、前面扉12と上面蓋15とが固定されて、キャリーボックス10は施錠される。
【0036】
配達のために郵便物を取り出す場合には、キャリーボックス10のロック機構部25に鍵を挿入することにより開錠する。そして、キャリーボックス10の取手部材42を把持して、上面蓋15の先端部15aを持ち上げ、背面側に押し込む。これにより、図3に示すように、前面扉12は閉じたまま、上面が開放された状態になる。そして、配達員は、この上面から、コンテナケース60内に収納された郵便物を取り出すことができる。そして、取り出しが終了した場合には、上面蓋15を引っ張って上面を閉じ、鍵をロック機構部25から抜くことにより施錠する。
【0037】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、キャリーボックス10は、底面部11と、この底面部11に対して起立した側面部(13a,13b,14)とを備えた箱形状をしている。キャリーボックス10には、側面を開口する前面扉12が設けられている。このため、キャリーボックス10の側面から、運送物が収容されたコンテナケース60を積み込むことができるので、キャリーボックスの上面まで持ち上げなくてもよく、積み込み作業を軽減することができる。更に、底面部11には、前面側にローリングバー20が設けられている。このため、コンテナケース60がキャリーボックス10内に押し込まれた場合、ローリングバー20が回転して、コンテナケース60は滑るようにキャリーボックス10内に押し込まれる。従って、ローリングバー20が回転することによって、収納するコンテナケース60を容易に内部へと収納することができ、積み込み作業を更に軽減することができる。
【0038】
(2) 本実施形態では、キャリーボックス10は、上面を開放する上面蓋15を更に
備えている。このため、図3に示すように、上面蓋15によって上面を開放することにより、キャリーボックス10に収容したコンテナケース60内の中身(配送物)のみを取り出すことができる。
【0039】
(3) 本実施形態では、キャリーボックス10は、上面蓋15と前面扉12とが接合した状態を保持するロック機構部25が設けられている。このため、上面蓋15と前面扉12とが接合した状態を保持してロックすることにより、キャリーボックス10を効率よく密閉することができる。
【0040】
(4) 本実施形態では、キャリーボックス10の前面扉12には、留め具部材27a,27bが設けられ、これに対応する横側面部13a,13bの内面には、留め具部材37a,37bが設けられている。この留め具部材37a,37bは、前面扉12の留め具部材27a,27bと、公知のプッシュオープンのラッチ機構を構成する。このため、上面蓋15を開放した場合には、前面扉12は起立状態のままにしておくことができるとともに、容易に前面扉12を開放することができる。
【0041】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、キャリーボックス10の滑り機構として、ローリングバー20を設けた。滑り機構の構成は、これに限定されない。例えば、開放する側面側の底面部に、滑りのよい材料を貼付した機構や、複数の球体を並べた機構を用いてもよい。
【0042】
・ 上記実施形態においては、キャリーボックス10の滑り機構は、前面扉12側に設けた。滑り機構の配置場所は、これに限定されるものではなく、前面扉12側及びこれよりも内部側の複数の箇所に滑り機構を設けてもよい。後者の場合には、コンテナケース60が押し込まれる方向において、挿入複数箇所で滑り機構が接触するので、コンテナケースを更に効率よく収納することができる。
【0043】
更に、ローリングバー20の取り付け箇所は、底面部11に限定されるものではなく、横側面部13a,13bに取り付けてもよい。この場合も、ローリングバー20が回転できるように取り付けておく。
【0044】
・ 上記実施形態においては、キャリーボックス10の一側面に前面扉12を設けた。前面扉は、1つに限られない。例えば、対向する背面部14にも開放扉を設けてもよい。この場合には、上面蓋を横側面部に回動可能に取り付けて、更に開放扉の近傍に滑り機構を設けておく。これにより、バイク50の停車状態に関係なく、積み込みし易い側面から、コンテナケース60をバイク50に積み込むことができる。
【0045】
・ 上記実施形態においては、キャリーボックス10の前面扉12を板状部材で構成した。前面扉12の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、前面扉12を蛇腹や横開きで構成してもよい。
【0046】
・ 上記実施形態においては、上面蓋15は、2つ折りになるように構成した。上面蓋15の構成は限定されるものではなく、例えば、上面蓋15を蛇腹で構成してもよい。
・ 上記実施形態においては、上面蓋15の係合突部41を前面扉12のロック機構部25に挿入して固定することにより、キャリーボックス10を施錠した。キャリーボックス10を施錠する機構は、これに限られない。例えば、前面扉12及び上面蓋15をそれぞれ横側面部13a,13bに固定させることにより、キャリーボックス10を施錠してもよい。
【0047】
・ 上記実施形態においては、キャリーボックス10には、公知のプッシュオープンの
ラッチ機構を構成する留め具部材27a,27b,37a,37bを設けた。前面扉が起立した状態を保持するとともに、前面扉の回動を許容するための保持部材の構成はこれに限られない。例えば、横側面部に磁石を取り付けて、この磁石によって前面扉を吸着させる構成であってもよい。この場合には、人の力によって前面扉を回動可能な吸着力の磁石を用いる。
【符号の説明】
【0048】
10…キャリーボックス、11…底面部、12…前面扉、13a,13b…横側面部、14…背面部、15…上面蓋、20…ローリングバー、25…ロック機構部、27a,27b,37a,37b…留め具部材、30…収納ネット、31,35a,35b…樋、36a,36b…縦樋、42…取手部材、50…バイク、51…荷台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車の荷台に搭載して、運送物を収容するために、二輪車の荷台に取り付ける底面部と、この底面部に対して、起立した側面部とを備えたキャリーボックスであって、
側面の一部を開放するための側面扉と、
前記側面扉から挿入された物を内部へと滑らせるための滑り機構とを設けたことを特徴とするキャリーボックス。
【請求項2】
前記滑り機構を、前記底面部の前記側面扉側の端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャリーボックス。
【請求項3】
上面を開放する上面蓋を更に設け、
この上面蓋と前記扉とが接合した状態を保持することにより内部を施錠するロック機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャリーボックス。
【請求項4】
前記側面扉は、回動する機構により底面に取り付けられており、
前記側面扉が起立した状態を保持するとともに、前記扉の回動を許容する保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリーボックス。
【請求項5】
前記滑り機構は、回動可能なローリングバーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリーボックス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−116325(P2012−116325A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267675(P2010−267675)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(307044390)郵便事業株式会社 (42)