説明

キャンドルに一体型の混合バルブシステムを備え、ヘッドに調整装置を備えた浄水フィルターカートリッジシステム

本発明は、フィルターヘッドと、交換可能なフィルターカートリッジとを備え、フィルターカートリッジ上に配置された混合調整要素を有する浄水フィルターに関する。この浄水フィルターは、交換可能なフィルターカートリッジのフィルターヘッドへの取付作業の間に、混合調整要素が、調整可能なあるいは固定されたドライバを介して、フィルターカートリッジと共にフィルターヘッド上に配置されるという点で区別される。更なる実施形態において、この浄水フィルターは、調整装置が、フィルターヘッド内あるいはフィルターヘッド上に配置された未処理水分配要素と、未処理水分配要素に対して補助的であり、フィルターカートリッジ内あるいはフィルターカートリッジ上に配置された部分流路案内要素とを備えているという点で区別される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部および請求項2の前提部に係る浄水フィルターに関する。
[従来技術]
特定の用途向けに所定の水質を設定するために、交換可能なフィルターキャンドル(筒形フィルタ)を用いて、軟水化/脱炭素化/脱塩化を行うシステムは、フィルター処理されていない水、あるいは別の水処理媒体に案内された水をフィルター部を介して処理した水を、調和させて混合する混合装置を備える。
【0002】
これらのシステムは、家庭において飲み水を処理するのに用いられたり、飲食店においては集中的あるいは分散的に設置され、各抽出ポイント、具体的には、コーヒーマシンや蛇口、(例えば現代の冷蔵庫の中にある)製氷機といった現代のキッチン器具に水を供給する。更に商業分野において、これらのシステムは、冷たい飲み物や温かい飲み物を準備する自動販売機や、食器洗い機、蒸し器を用いて準備もしくは製造される飲み物や食べ物の味を適正に保ち、さらに水によって生じる技術的な問題から自動販売機や、食器洗い機、蒸し器を保護するために用いられる。
【0003】
従来技術では、このような用途に対して、カートリッジヘッドに固定孔を設けるという単純な解決方法がある。これらの解決方法では、混合水は、濾過されないままであり、特定の要件に対してフィルターカートリッジを適応させることは不可能である。
【0004】
さらなる公知の実施形態の選択肢は、調整可能な混合装置をヘッドに一体化させることである。この選択肢においては、混合を状況に応じて適応させることが可能ではあるが、混合水は、フィルターカートリッジを通過して案内されてしまうため、例えば活性炭などで濾過することができない。
【0005】
フィルターヘッドに混合装置を設ける構造もすでに存在している。これらの構造においては、主水流と混合水流とが別々にフィルターカートリッジへと案内されるようになっており、混合水はさらにカートリッジ内の別の処理媒体を通って案内される。この構造の欠点は、混合バルブと、分離された3つの体積流量、すなわち、a)処理部のための体積流量、b)水混合部のための体積流量、c)濾過された水全体の回収のための体積流量とに起因して、フィルターヘッドが非常に複雑になっているということである。これらの概念は、例えばドイツ特許公報DE 199 58 648 A1、および国際公開公報WO2004/007374 A1において説明されている。
【0006】
別の選択肢は、混合バルブをカートリッジに一体化させることである。混合バルブをカートリッジに一体化させることに関連して、混合水の濾過が可能な構造と、混合水の濾過が可能でない構造とが知られている。混合水を濾過しない概念については、例えば米国特許US 6923.910 B2に説明されている。これらの実施形態においては、混合バルブが設けられていないことと、たった2つの体積流量が案内されればよいことから、ヘッドの構造は簡素である。
【0007】
更に、フィルターカートリッジ内の混合水の量を調整可能な構造も知られている。カートリッジに一体化されている混合システムの欠点は、カートリッジを交換するたびに、水質が用途に再度適応するように、フィルターカートリッジにおける混合比率を再設定しなくてはならないという必要性があるということである。カートリッジの交換において、混合量を調整するときに誤りが頻繁に起こったり、あるいは調整することを完全に忘れてしまうことさえあると、装置に水垢が生じたり、準備された食品の品質に問題が生じたりするなどの、好ましくない影響が生じる。
[課題及び解決手段]
本発明は、冒頭で説明された種類の浄水フィルターの改善における問題を解決する。
【0008】
この問題は、請求項1及び2によって解決される。更に好適で都合の良い実施形態が従属請求項に記載されている。
【0009】
第1の実施形態において、本発明は、フィルターヘッドと、交換可能なカートリッジとを備える浄水フィルターであって、フィルターヘッドにおいて混合の調整が可能であるため、カートリッジを交換するときに、混合設定をカートリッジにて追加的に操作する必要がない浄水フィルターに関する。この浄水フィルターは、交換可能なフィルターカートリッジをフィルターヘッドに取り付ける作業の間、未処理水分配要素とも呼ばれる混合調整要素を、調整可能なあるいは固定されたドライバを介してフィルターヘッドに配置することが可能である、という点で区別される。
【0010】
同時に、a)供給水流、およびb)流出濾過水流である、たった2つの水流をフィルターヘッド内で案内すればよいということから、フィルターヘッドは簡素かつコスト効率よく設計される。更に、例えば純活性炭素キャンドルなどの、混合の調整が別途不要な種類のカートリッジが該フィルターヘッドに設けられれば特に好適である。
【0011】
更に、フィルターキャンドルがヘッドから取り外されると、ヘッドからフィルターキャンドルまでの流入路、および、更に高度な変形形態として、ヘッドから消費者までの流出路が、フィルターキャンドルによって自動的に遮断される。このような構造の更なる特徴となるものは、自動解放出水バルブによってフィルターキャンドルを減圧して取り外すための一体化された解放装置である。
【0012】
この場合、混合調整要素あるいは未処理水分配要素の位置決めを行うために、ヘッドおよび/またはフィルターカートリッジに対する位置が調整可能なようにドライバが設計されていれば、特に好適であると考えられる。このようにドライバが設計されていると、新しいフィルターキャンドルをフィルターヘッドに取り付けるときに、未処理水分配要素とも呼ばれ得るフィルターカートリッジの混合調整要素が、対応する調整要素によって予め設定された混合比率が自動的に選択されるように、配置されることが可能となる。
【0013】
例えば、フィルターカートリッジをヘッドに挿入すると、対応する位置に配置されたドライバは、対応する係合によって混合調整要素または未処理水分配要素を把持することができ、予め設定可能となっている可能性がある基本位置である、例えば流路が完全に閉じたあるいは完全に開いた位置から、所定の混合比率の設定の位置までフィルターカートリッジが回転している間、混合調整要素または未処理水分配要素を搬送することができる。つまり、フィルターカートリッジの取付作業に必要な、フィルターの長軸を中心とした相対的な回転は、混合調整要素を、所望の、所定の混合比率に対応する位置に配置するためにも使用することができる。
【0014】
所望の混合調整比率が得られる前記位置に到達すると、混合調整要素は、第1の実施形態においてはフィルターカートリッジ内あるいはフィルターカートリッジ上に設けられた補助的な部分流路案内要素を基準にした位置に留まる。該部分流路案内要素は、例えば、濾過される水流のための第1の流入口と、混合部への第2の流入口とを備えていてもよい。2つの流入口を流れる主水流(フィルター部)と補助水流(混合部)とのそれぞれの水流を制御するために、混合調整要素は、該2つの流入口の有効な水流断面に影響を与える。具体的には、混合調整要素は、一方の有効な断面を拡大したときに、他方の有効な断面を同時に縮小し、そして、一方の有効な断面を縮小したときに、他方の有効な断面を同時に拡大するように、影響を与えることが好ましい。
【0015】
ただし、特に好適な実施形態において、例えば、フィルターカートリッジから独立して、あるいはフィルターカートリッジとは別に、部分流の比率を制御するために、部分流路案内要素は、フィルターヘッド内あるいはフィルターヘッド上に設けられてもよい。2つの部分流の出口は、同じフィルターカートリッジが(部分流路案内要素がフィルターカートリッジに設けられている、あるいはヘッドに設けられている)双方の実施形態においても使用可能なように設計されていることが好ましい。
【0016】
このような手法には、双方の実施形態に対してフィルターカートリッジの接続方法が1種類だけでよいという利点と、流入口の有効断面を変化させることによって混合比率が変更されたときに、フィルターカートリッジ内部の浄水フィルターシステム全体における圧力に変化が生じないという利点とがある。フィルターカートリッジ内において内部圧力比が実質的に一定であるということは、フィルターカートリッジにおける物理的なフィルタ特性と化学的フィルター特性とが、混合比率の調整範囲全体に亘って、実質的にほぼ一定のままということである。
【0017】
ただし、反対に、より簡素な実施形態においては、混合調整要素を調整することによって、2つの水域のうちの一方のみ(フィルター部あるいは混合部)が影響を受けるようにしてもよい。このような手法は、例えば、フィルターが非常に簡素な構造であり、特定の混合比率が問題とならないような場合に用いることができる。ただし、この場合、ある状況下においては、上記の実施形態とは反対に、処理済みの水の質により大きな変動があることを考慮に入れておかなければならない。
【0018】
浄水フィルターに、適切な場合に、特定のフィルターカートリッジを組み合せることができるようにするために、少なくとも1つのドライバの形状が、混合調整要素の位置決めをするために調整可能に設計されていると非常に有利となり得る。少なくとも1つのドライバの形状が調整可能に設計されていることによって、例えば、様々な用途の様々なフィルターカートリッジにて同様の効果を得るのに、同じ搬送装置を用いることが可能である。例えば、1つの同じ種類のフィルターヘッドと共に、このような構成は、フィルターカートリッジだけが特定の使用目的のために異なる様態に構成されればよく、ヘッドとフィルターとの組み合わせがいずれの場合においても、例えばドライバが対応する形状になることによって接続されるような、浄水フィルターのシステムの構築を可能にする。ただし、原則的には、例えば浄水フィルターあるいはフィルターカートリッジの断面におけるドライバの位置に、調整のためのオプション部品を設けることも全く可能である。上記の特徴と組み合わせて、浄水フィルターあるいはフィルターカートリッジの長軸を通る半径方向の距離を異なる距離にすることも全く可能である。
【0019】
フィルターカートリッジがフィルターヘッドに取り付けられると、ドライバと混合調整要素との間のロック可能な接続によって、混合比率を、調整可能な混合比率のうちの所望の値に調整することが可能である。その理由は、混合調整要素が、該固定された接続によって順逆双方に調整できるからである。
【0020】
この場合、ドライバが特定の混合比率のために予め設定可能に設計されていれば、特に有利であると考えられる。ドライバが特定の混合比率のために予め設定可能に設計されていることによって、例えば、温かい飲み物のための器具や、冷却器具あるいは洗浄器具などのように水質の要件が著しく異なり得るような飲料の販売機などのために、特定の用途を想定した水質を予め設定可能となる。
【0021】
更に、本発明は、フィルターヘッドと、交換可能なフィルターカートリッジと、混合装置と、少なくとも2つの流路の部分流の比率を調整するための調整装置とを備える浄水フィルターであって、少なくとも1つの流路がフィルター部を備える浄水フィルターに関する。第2あるいは更にもう1つの流路は、例えば、更にもう1つのフィルター部であっても、フィルター部に案内された水と、可能な限り炭素フィルターに案内された未処理水の好ましくは調整可能な一部とを混合するための混合部であっても、あるいは別の水処理部であってもよい。該浄水フィルターは、調整装置が、フィルターヘッド内あるいはフィルターヘッド上に設けられた未処理水分配要素と、未処理水分配要素に対して補助的で、フィルターカートリッジ内あるいはフィルターカートリッジ上に設けられた部分流路案内要素とを備えるという点において区別される。
【0022】
上述の第1の実施形態についてすでに述べた利点に加えて、浄水フィルターのこの実施形態は、フィルター部とバイパス部との間の混合設定が、接合可能な、及び/または、フィルターカートリッジがフィルターヘッドに嵌合されたときにのみ相互に関連して配置される、2つの補助的な混合比率調整要素によって行われるので、意図的なあるいは意図しない操作、および、関連した、フィルターカートリッジの誤った使用の可能性をより困難あるいは不可能にするという利点を有する。
【0023】
具体的には、この利点は、未処理水分配要素がフィルターヘッドの一部として、例えば、開口部あるいはカバー、あるいはフィルターカートリッジ上の補助的な要素と相互作用が可能な、開口部のための覆いなどの、少なくとも1つの流路要素あるいは遮断要素を備えたスリーブおよび/あるいはリングとして設計される場合において得ることができる。フィルターヘッドの中に配置することによって、未処理水分配要素を対応して前もって配置することが可能である。混合比率を調整するための最初の基本的な操作が行われるまでに、フィルターヘッドに対する混合調整要素の位置を合わせる必要があるが、この構成により、適切な場合は、省略可能となる。したがって、新しいフィルターカートリッジが挿入されたときに、2つの相互補助的な要素の相対位置を調整する必要はもはやない。相対位置の調整は、以前の混合設定、および挿入によって誘導されるフィルターカートリッジの作動位置を介して、自動的に生じる。ただし、未処理水分配要素上で作用する、対応する調整要素を作動させて、選択的に混合比率を再調整することは可能である。
【0024】
しかし、部分流路案内要素がヘッド内に設けられている第2実施形態には、これらの利点は、フィルターカートリッジとは別に、2つの部分流を調整するオプションに加えて適用される。
【0025】
未処理水分配要素がフィルターヘッドに挿入可能な要素として設計された場合、対応する浄水フィルターもまた、様々な用途に用いられ、同一のヘッドが様々な未処理水分配要素と組み合わせ可能で、その結果、様々なフィルターカートリッジとも組み合わせ可能な浄水フィルターシステムの一部として設計され得る。逆に、同一の調整要素と、様々なフィルターキャンドルと、様々な流路案内の形状が実現可能である。すなわち、同一のヘッドで様々な水流特性を有するキャンドル、またはその逆が実現可能である。そのため、未処理水分配要素とフィルターヘッドとの接続には様々な実施形態が考えられる。操作を確実に防ぐことが最も重要である用途のために、未処理水分配要素とフィルターヘッドとの間に離脱不能な接続を使用することが推奨される。
【0026】
例えば、飲み物の販売機や、冷蔵庫、あるいは洗浄器具などといった、様々な器具を接続するためのオプションが備えられているといったような、様々なフィルターカートリッジを柔軟に使用することにより価値をおく用途の場合は、反対に未処理水分配要素とフィルターヘッドとの間が離脱可能な接続であることが有利であると考えられ得る。操作に対する安全性を高めるためには、この場合、例えばすでに取り付けられた未処理水分配要素を再び離脱させるための特別なツールが備えられていてもよい。このようなツールは、特に、未処理水分配要素が交換可能な要素として設計されている場合に好適である。
【0027】
更に、未処理水分配要素を作動させる、あるいは調整するために、例えば調整部材を備える制御要素が好適に設けられていてもよい。簡素な実施形態において、制御要素は、例えば未処理水分配要素に対応して接続する調整輪であってもよい。ただし、より優れた実施形態においては、例えば、運転期間やその他の原因によって、要求される水質がもはや所望の水質に見合わなくなり、再調整の必要性が生じてきた場合に、モータによる調整、あるいはその他の適切な調整手段も全く考えられる。
【0028】
原理上、この種の制御要素は、ある状況下において、濾過された水の質を確認し、必要であれば再調整を行い、例えば対応する位置決め装置などを用いて混合部の設定を好適に固定する制御回路を備えていてもよい。
【0029】
このため、未処理水分配要素は、少なくとも1つの流路要素および/あるいは未処理水分配要素に設けられたフィルター部またはバイパス部のそれぞれへの孔と隔壁のような状態で相互作用する、カバー要素を備えていてもよい。このため、未処理水分配要素が回転されると、一方あるいは他方の区域の有効な水流の断面が変化する、あるいは、特に好ましい実施形態においては、システムのほぼ一定な内圧を維持するため、残っている全体、つまり、有効な全流路の断面が同じとなるように、2つの流路の断面は相補的に変化する。その結果、実質的に水流の体積とは無関係な一定の混合濾過作用が、フィルターヘッドに取り付けられた全てのフィルターカートリッジに対して、そして、異なる混合設定に対してももたらされ得る。
【0030】
未処理水分配要素は、例えばリング状やディスク状などの、異なる形状であってもよい。このようなディスク状やリング状の実施形態によって、2つの、あるいは適切な場合には3つ以上の、フィルター部あるいはバイパス部といった供給口を、互いに対して平面的に向きを設定された2つの要素を用いて被覆したり開放したりすることによって、例えば、上記の隔壁効果が実現可能となる。
【0031】
しかし、リング状あるいはディスク状、または加えてその他の形状にするのとは対照的に、未処理水分配要素はスリーブ状であってもよい。スリーブ状の未処理水分配要素は、例えば、2つあるいは3つ以上の管あるいはスリーブによって実現される。管あるいはスリーブの向きは、互いに対応する位置に対応して配置されることができるように、互いに対して同軸上に配置され、少なくとも2つのスリーブのうちの一方が少なくとも1つの貫通孔、ただし好ましくは複数の貫通孔、を有する。また該1つあるいは複数の孔は、2つのスリーブが相対的に移動動作している間に、他方のスリーブによって覆われたり、開放されたりする。2つのスリーブ間の相対的な移動動作は、例えば上記の調整手段のうちの1つによって作動させることが可能な糸状の部材によって生じ得る。ただし、その他の調整機構、例えば好ましくはロック手段と組み合わせた、引張手段および/あるいは圧縮手段なども考えられる。
【0032】
未処理水分配要素に対して補助的な部分流路案内要素は、少なくとも1つのフィルター部入口と、少なくとも1つの混合部入口あるいはフィルター部入口あるいは水処理部入口とを備えていることが好ましい。用途によっては、フィルター部入口、および/または混合部入口あるいはフィルター部入口あるいは水処理部入口は、複数の入口開口部を備えていてもよい。複数の入口開口部を備えていることにより、例えばフィルターカートリッジにおける流量比に影響を与えることができる。しかし、このような構造には、管内に堆積した比較的大きな粒子が最初にフィルターを通ることができずに、フィルターを詰まらせてしまうことがないようにするための、粗い前処理を行う目的があってもよい。
【0033】
混合比率を調整する2つの要素の用途および/あるいは実施形態によっては、入口開口部は、スロット状のデザインおよび/あるいはほぼ円形から楕円状のデザインであってもよい。
【0034】
上述された全ての実施形態を用いると、未処理水分配要素によって効果的に開放され、2つの部分流を合わせて形成された部分流路案内要素の断面の全体を、システム内の内圧比がほぼ一定となり、水流の体積とはほぼ無関係の混合比率が確保されるように、全ての混合設定において実質的に同じ大きさにすることが基本的に可能である。
【0035】
しかし、この内圧比を確実にほぼ一定にする特に好ましいこの実施形態のほかに、部分流路案内要素を通るそれぞれ独立した、有効な部分流の異なるの変形形態を、未処理水分配要素と併せて設けることもまた全く可能である。特に簡素な実施形態においては、例えば、フィルター部あるいはバイパス部といった2つの区域への入口のうち、1つの入口の有効な断面だけが影響を受け得る。
【0036】
動作の信頼性を向上させ、不正操作の可能性を減らすために、フィルターヘッドに設けられた要素と、フィルターカートリッジに設けられた要素との間に、暗号化要素を形成することが更に提案される。このような暗号化要素は、軸方向に延在する補助要素を備えることが好ましい。このような暗号化要素の、可能な実施形態の1つは、例えば歯部によって実現することが可能である。この歯部は、対応する補助的な凹部に係合し、特に好ましくは、ヘッドに設けられ、回転運動によって作動されたり、あるいは作動が停止されたりする要素の作動を生じさせる、少なくとも1つの歯を備えてもよい。このように作動される要素としては、例えば、入口バルブ、出口バルブおよび/あるいは解放バルブ、未処理水分配要素および/あるいは上記要素を個々に組み合わせたもの、あるいは複数の上記要素を組み合わせたものが挙げられる。
【0037】
したがって、この種の暗号化要素は、同時に、解放バルブなどの入口バルブおよび/あるいは出口バルブの位置調整に応じた装置の制御要素にもなり得る。しかし、暗号化要素が制御要素にもなることは必ずしも必要というわけではなく、対応する制御要素を、別途形成された調整要素として、例えば調整リングおよび/あるいは調整スリーブの形状で設計することも全く可能であり得る。これらの調整要素は、順に、例えば作動カムおよび/あるいは調整カム、ガイドエッジおよび/あるいは調整エッジなどのような、更なる作動要素を備えていてもよい。
[例示的な実施形態]
添付の図および図を引用した説明を参照して、本発明を以下に詳細に説明する。
[構造例]
浄水フィルター1のシステムは、永久的に取り付けられ、飲料水の供給部に接続されたフィルターヘッド2と、交換可能なフィルターキャンドル3とを備える。説明の別の部分において同じ意味で「フィルターカートリッジ」とも称されるフィルターキャンドルは、処理媒体が消耗した後、あるいは一定期間の使用の後に交換される(図1)。
【0038】
フィルターヘッド2は、直径が異なり、フィルターカートリッジ3を受け入れる2つの同心ボア5,6を備えるフィルターヘッドハウジング4を実質的に備える。同様にヘッド/キャンドルを適応させたものが、既に市場で公知となっている。
【0039】
この構造の独創的に新規なところは、少なくとも1つのドライバ8を有し、外側から回転可能にフィルターヘッド2に設けられた、混合調整スリーブ17である。ヘッド2上の混合調整スリーブ17の回転によってラッチさせることにより、混合量を無段階に、あるいは段階的(例えば0%、10%、20%、30%、40%等)に調整することが可能である。該混合調整スリーブ17を作動させるために、調整輪23が、例えばキャップの形状で備えられている。該調整輪は、対応するドライバを介して、回転動作を伝達するよう混合調整スリーブ17に接続されている。キャップに接続されている混合調整スリーブ17を回転させるための該キャップの調整抵抗は、例えば、ハウジング4、および/あるいは混合調整スリーブ17とハウジング4との更なる接触面に対する、シール25の摩擦抵抗に影響され得る。用途や実施形態によっては、例えば、キャップの外縁に対向するハウジング4の外側に対して、キャップの外縁に圧縮応力を加えることにより、ラッチ位置24を追加的に設けてもよい。該ラッチ位置は、このような目的で、例えば互いに係合する歯などによって形成されてもよい。例えば、キャップ23を混合調整スリーブ17に固定する手段としてネジ26を用いてもよいが、スナップ式の固定やその他の適切な接続も考えられる。
【0040】
フィルターカートリッジ3からフィルターアウトプット29を通って流出された濾過された水を、流出口30を介してフィルターヘッドから流出させるために、混合調整スリーブ17は、この目的に対応するように配置及び設計された、濾過された水の流路のための孔27を有する。解放および/またはフラッシングバルブ19にアクセスするための第2孔28が、混合調整スリーブ17内の反対側に設けられている。本発明によれば、入口31を介してフィルターヘッドへと流れ込む水の流れは、混合装置59のフィルター部12およびバイパス部13へと分けられ、フィルター装置を通り、所望のあるいは所定の水質で出口30を介して再び流出され得る。
【0041】
フィルターカートリッジ3は、カートリッジを外側に対して封止する2つのシール要素9,10を有する。一方のシール10は濾過された全ての水を分離し、もう一方のシール9は処理されていない水の供給を封止する。
【0042】
本発明によれば、混合調整リング7が、「未処理水分配要素」としてカートリッジの未処理水給水部11と一体化されており、未処理水を、例えば軟化処理部12および混合処理部13といった、キャンドル3への供給分と別の処理部への供給分とに分ける。未処理水は、フィルターカートリッジカバーの流路14,15と共に、流路14,15に対するリング7の角度位置によって混合水路13への流路15および主処理水路12への流路14を封止したり開放したりする隔壁を形成する、回転可能なリング7によって分けられる。この点に関して、混合部への流路13のサイズが縮小されたときに、同時に処理部12への流路の断面が拡大され、そして、混合部への流路13のサイズが拡大されたときに、同時に処理部12への流路の断面が縮小されるように構成されていると特に好ましい。
【0043】
ここで説明される構成において、処理が施される水の流入口12は、混合水の流入口13に対して約180°オフセットされている。混合調整リング7の回転角度に応じて、所望の混合設定とそれに対応する流れ抵抗を得るために、キャンドル3における処理水路および混合水の水路への流入口の正確な位置を、混合調整リング7によって個々に調整することが可能である。
【0044】
混合調整リング7がフィルターカートリッジ3に配置された第1実施形態において、フィルターカートリッジ3をフィルターヘッド2に取り付ける間に、リング7は、自動的に(必然的に)回転する。そのため、フィルターヘッドとフィルターカートリッジとの接続は、例えば少なくとも2つのタブを有する差込み16などによって行われる必要がある。この場合、約90°の回転動作が実行され得る。差込みのタブが開口よりも小さい場合は、原理上、回転角は90°よりも大きな角度となり得るが、差込みのタブを2つ有する実施形態においては、回転角は約90°であることが好ましい。
【0045】
フィルターヘッドにおいて混合を予め設定することが可能となるように、回転可能なリング7は、混合調整スリーブ17と同様、少なくとも1つの駆動フック、好ましくは2つの駆動フックを備えている必要がある。この場合、カートリッジ3が取り付けられると(差込みが閉じられた状態)、取付の間における特定の角度位置の後、混合調整スリーブ17の駆動フックと回転可能なリング7とが接触する。ここで、カートリッジの取付あるいは回転動作が、差込みの閉位置に達するまで継続されると、回転可能なリングは、ヘッドの駆動フックにより固定され、カートリッジはリング7の下で(ヘッドに対して)回転を継続し、フィルターカートリッジ3の混合設定が調整される。
【0046】
フィルターカートリッジ3のリング7において、本発明に係る混合設定を確実に行うためには、カートリッジ3を取り付ける前にリング7が初期位置に配置されていると好適である。構成の設計によっては、該初期位置にはリングを調整する両端位置が適している。これらのリングの位置は、混合を完全に閉鎖したり、最大限に開放できる位置である。混合を完全に閉鎖する位置の場合は、混合調整スリーブの駆動フックの位置によって、フィルターキャンドルの混合を初期位置よりも大きくあるいは小さく開くことが可能であり、混合を最大限に開放する場合は、混合調整スリーブの駆動フックの位置によって、フィルターカートリッジがヘッドに螺合されるに従い、混合を初期位置よりも大きくあるいは小さく閉じることが可能である。この構成の主要な概念は、フィルターキャンドル3をフィルターヘッド2に取り付ける間に、差込み接続16の回転動作を用いて混合比を設定するということである。
【0047】
上記のように、該回転動作は取付中に混合設定を行うために用いられる。また、この回転動作は、供給バルブ18および/あるいは開放/出水バルブ19を作動させるのにも使うことが可能である。フィルターキャンドルをヘッドに取り付ける間の回転動作をこのように利用することは、例えば米国特許US6949/189 B2などから知られている。ここでは、一方が他方の内側に挿入され、適切に配列された孔と封止要素とを有する2つのスリーブによって、閉鎖バルブがフィルターヘッドに形成されており、該バルブの回転は、カートリッジのドライバによって作動される。この構成を上記の混合設定と組み合わせることはできない。そこで、カム20およびバルブタペット21を用いた新しい種類のバルブ作動機構が提案される。この種の構成は、蛇口フィルター(「蛇口取付用浄水フィルター」)の分野でのみ知られており、ここでは別個の作動軸を介して、操作レバーによってバルブ要素が作動される。
【0048】
ここでの作動軸は、フィルターカートリッジのカバーの対称軸である。したがって、少なくとも1つのカム20(対称ということから好ましくは2つのカム)が、図示のようにカートリッジカバーに取り付けられ、差込み接続が閉状態となったときに、バルブタペット21を押し返す。その結果、未処理水の供給が開状態となる。フィルターカートリッジがフィルターヘッドから取り外されると、供給バルブ18は閉じられる。作動カム20は、外側のシール要素9の上方に好適に配置可能である。未処理水のバルブ18を開放(してカートリッジに供給を行うように)するには、5〜50°、好ましくは10°の回転角で十分である。カートリッジを取り外す前にフィルターキャンドルを解放するために、ドライバ22が、フィルターカートリッジカバーの第2のシール要素10の上方に設けられている。該ドライバは、フィルターヘッド内の第2のバルブ19(例えばディスクバルブ)を作動させる。図を参照のこと。該バルブ19は、フィルターカートリッジが取り外されると閉じられる。同様に、第2のバルブ19は、フィルターカートリッジがフィルターヘッドに取り付けられたとき、あるいは差込みが完全に閉じられたときに閉鎖される。作動、すなわちバルブの開放は、フックとして設計され、第2のバルブ19を持ち上げるドライバ22(対称ということから好ましくは2つのドライバ)によって行われる。未処理水のバルブ18が閉じられ、フィルターカートリッジが固定されて差込みがほぼ半分閉じられた状態にあるときの角度の範囲に差込みがあるときに、該バルブは持ち上げられる。
【0049】
これで、第2のバルブ19に、外部から作動させることが可能な追加的な牽引機構を設けることができる。牽引機構の設置は、ネジ構造などによって行うことが可能である。こうして、このバルブ19は、取付位置において手動でも作動させることができ、その結果、当該バルブはフィルターカートリッジを使い始めるための出水バルブとしても利用することが可能になる。
【0050】
解放バルブとして自動操作が維持されるように、手動作動機構には適度な遊びが設けられている必要がある(手動で作動されるバルブの場合、カートリッジの作動フックがバルブに当接する必要がある。逆にいえば、閉位置において、手動作動機構はフックによる自動開動作を妨げてはならない)。
【0051】
図1aは、図1における浄水フィルター1のカートリッジ3の上面図を示している。濾過された水流がカートリッジ3から流れ出るフィルターアウトプット29が中心に主に図示されている。図1の上下には、フィルターアウトプット29の外壁35の端側に配置され、開放および/または出水バルブ19を作動させることを目的とした、2つのドライバ22が見える。
【0052】
混合調整リング7は、外壁35に隣接しており、フィルター部に通ずる複数の孔32と、混合部あるいはバイパス部に通ずる複数の孔33とを有する2つの部分を備える。このように配置されたフィルターカートリッジ3に対する、あるいはカートリッジに設けられた主水流またはフィルター水流の流入口14、あるいはバイパス部または混合部への流入口15に対する混合調整リング7の相対位置の角度調整によって、混合比率を、2つの調整位置あるいは角度位置36,37に対応して、0%から60%に調整する可能性が例として図示されている。
【0053】
このような該混合調整リング7の調整は、キャップ23の回転によって行われ、キャップ23の回転に対応して、その回転動作は、混合調整スリーブ17と、混合調整スリーブ17と混合調整リング7との間に配置されたドライバ8とによって伝達される。図1aに示される本実施形態においては、ドライバ8のための2つの停止部34が備えられている。該停止部は、カートリッジが螺合されるとドライバ8に押付けられ、混合調整リング7をヘッドに対して固定し、関連する調整動作をカートリッジにもたらして、キャップ23の位置に応じて混合比率を調整する。
【0054】
このように自動的に調整された混合比率を変更できるようにするために、ドライバ8と混合調整リング7との間に更に固定手段が設けられている。該固定手段は好ましくはラッチ配列で、例えば、対応するように設けられた窪みにピンが弾性的に係合することによって備えられる。その結果、混合調整リング7はキャップ23によって順逆双方に回転することが可能となり、自動的な混合調整作業の間にも混合比率を増減させることが可能となる。
【0055】
流入口バルブ18を作動させるための2つのカム20は、約90°および約270°の角度位置に、混合調整リング7の半径方向外側に配置されている。このようなカム20の数は、上面図に示されるように、フィルターカートリッジ3の半径方向外側に配置された固定要素16の数に特に好適に対応している。該固定要素16は、フィルターヘッドに対するカートリッジの特定の角度方向に拘わらず、カートリッジがフィルターヘッドに挿入され、確実に接続されるように、また、カートリッジがすぐに作動を開始できるように、ここでは差込み留め具として形成されている。そのため誤作動が防止されている。
【0056】
図2は、図1および図1aに関して改良した浄水フィルターの実施形態を示す。ここでは、混合設定は、濾過主要部への流入開口部14とバイパス部への流入開口部15の2つに対して半径方向に調整可能な調整リング7によって行われるのではなく、互いに軸方向に移動可能な2つの同軸上に配列されたスリーブ型要素39,61によって行われる。
【0057】
流路62,63および孔44a〜hを備えた2つのスリーブ61,39の互いに対する相対位置は、ここでは例としてスリーブ38として形成された調整部材に影響され得る。未処理水分配スリーブ61の位置は、ここでは例えば特別なバネ67として図示されている再設定要素によって、好適に安定化されている。
【0058】
半径方向の混合設定の場合と同様に、スリーブ38は、調整輪あるいはキャップ23に適切に接続されており、回転動作を伝達する。ただし、上述の半径方向の混合調整と異なる点は、矢印43に対応する縦方向におけるスリーブ38の位置が、例えばキャップ23とスリーブ38の延長部38aとのネジ接続41によって調整が可能であるという点である。
【0059】
本実施形態において、混合設定は段階的に行われる。そのため、未処理水の供給は、フィルター部12および混合部13への補助流路44a〜hを開放することによって、好適に特定の混合比率に調整される。該混合比率を調整するには、例えば未処理水分配スリーブ61の2つの流路62,63を同一のサイズに設計してもよい。ただし、流路として効果的な補助開口部44aと44e、44bと44f、44cと44g、44dと44hでは、44a〜44dは開口部が大きいものから徐々に小さいものに、44e〜44hは開口部が小さいものから徐々に大きいものにといったように、反対の状態に形成されている。
【0060】
本実施形態においては、開口部44a〜44hのうち、2つの流路62,63と通ずる2つの相補的な開口部だけが開放されるが、変形形態においては、他の流路の組み合わせを用いて、例えば、適切な場合は、混合比率をより正確に調整したり、および/またはより緩やかに調整したりすることも可能である。
【0061】
補助的な同軸スリーブ39は、カートリッジ3の頸部として設計されており、供給バルブ18から流路12を介してフィルター部へと、あるいは流路13を介して混合部へと水が流れ込むための、好ましくは断面が反対の状態に徐々に変化していくように構成された上述の開口部44a〜hを備える。水の供給は、チャンバ11の中に印された各矢印で示されており、水はスリーブ61の周辺を流れて、断面図の左右両側から、各開口部62,63を通って供給される。濾過された水は、フィルターアウトプット29と、ここでは更に流出口バルブ45の流路とを通って出ていく。流出口バルブ45は、バルブタペット46を介して関連するカム47によって制御される。
【0062】
変形形態においては、例えば、「バイパス調整キャップ」23の位置に応じて好適な中央の「スパイク」の高さを変化させ、そして、その過程で、フィルターキャンドルの流入路に対応して設けられた、例えばボア状に形成された、異なる数の流路を閉じて、混合比率を調整することも可能である。このような流入路には、軸方向に並べられた少なくとも1列の孔がフィルターキャンドルの頸部辺りに設けられるのが好ましい。流入路に、軸方向に並べられた少なくとも1列の孔がフィルターキャンドルの頸部辺りに設けられることは、生産および取付の双方の面で比較的簡素な構造となるという理由で好適である。
【0063】
また、出水/開放バルブ19を制御するカム22と、流出口バルブ45を作動させるカム47とが単に概略的に図示されている。流出口バルブ45は、カートリッジが螺合されて固定されるとカム47によって開放され、出水/開放バルブは、カートリッジの螺合動作の間に一時的に、あるいはカートリッジを回して取り外す動作の間に一時的に開放される。これは、新しいフィルターカートリッジが螺合されたときに、出水/開放バルブを一時的に出水させ、カートリッジを回して取り外すときに、このために設けられた排出ラインを介して、フィルター1を圧力から解放することができるようにするためである。流入口バルブ18を制御するために、延長部あるいはカム79が、例えばフィルターカートリッジの下側頚部に設けられており、カートリッジの挿入あるいは取り外しの間に流入口バルブ18を作動させる。
【0064】
本実施形態において、すでに上記で部分的に説明したように、混合比率は、調整輪23を調整することによって調整される。この場合、スリーブ38は該調整輪の回転動作によって軸方向に移動し、その結果、未処理水分配スリーブ61が移動する。該スリーブは、フィルターカートリッジのスリーブ39を同軸上に覆い、実施形態や対応する位置によって、未処理水をフィルターへ流入させるための補助開口部44a〜hのうちの少なくとも2つを閉じたり開いたりする。主水流、すなわちフィルターへの水流を通すための有効な断面と、混合部への流れ、すなわちバイパス水流を通すための有効な断面との閉鎖率が相反していることによって、フィルター1の内圧比と、流量とはほぼ無関係な混合比率とが、すべての混合設定において同一のままとなり、取得可能な全ての混合設定においてフィルター効果が実質的に同じになるようになっている。
【0065】
2つのフィルター部12,13は、スリーブ40が配管されているため、フィルターアウトプット29を通ってフィルターから流出する濾過水流とは区切られている。
【0066】
図3は、端側に見えるフィルターアウトプット29と、フィルター部への流入口12および混合、あるいはバイパス部への流入口13の2つの流入口とを備えるフィルターカートリッジ3の上面斜視図を示す。フィルター部12への流入口と、混合部13への流入口13とは、細長いスロット状の開口部14,15を有するカバーにそれぞれ図示されている。該開口部は、例えば、未処理水の中に含まれる比較的大きな粒子のための粗いフィルターとして機能する。また、2つの半径方向に配置されたキー要素48も図示されている。該キー要素によって、例えば、関連するフィルターヘッド用のフィルターカートリッジのみがいずれの場合にも確実に使用可能なようになっている。キー要素48は、フィルターヘッドの構成要素に設けられた対応する補助的な凹部に好適に係合し、特に好ましくは、例えばバルブなどの作動等、ヘッドの他の要素を作動させるように機能することも可能である。
【0067】
図3の図示に対応して、次に、図4は、本実施形態では例えばカートリッジに設けられた混合調整要素49が補われた、フィルターカートリッジ3を示している。ただし、比較して改良された実施形態において、混合調整要素はフィルターヘッドにも設けることが可能であるので、混合調整要素は、意図的なおよび/あるいは意図的でない不正操作に対して更なる安全性をもたらす二部構成の混合調整装置となる。
【0068】
未処理水分配要素とも称される混合調整要素49は、2つの流路50と2つのカバー51とのほぼ2つの部分に区分上分けられ、その動作方法は、図3,4の2つの図を比較すると明らかである。フィルター部12と混合部13の開口部14,15に対する混合調整要素49の相対的位置によって、それぞれの流れの有効な断面が、正確には特に好適に、変化する。混合比率の全ての設定において、有効な流れの断面全体はほぼ一定となり、従ってほぼ一定のフィルターの内圧が得られるのである。混合調整要素を時計回りに回転させると、フィルター部12への流れの有効な断面が拡大し、混合部13への流れの有効な断面が縮小する。反時計回りに回転させると、その反対の効果が得られる。
【0069】
2つのドライバ8はそれぞれ、ここでは例えばバネ弾性を有するクランプ要素として図示されている、固定要素52を備える。フィルターヘッド2が対応するフィルターカートリッジ3に取り付けられると、該バネ弾性を有するクランプ要素は、当該クランプ要素と対をなす、対応する部分に押付けられ、この部分にクランプ効果で固定されることが可能である。実施形態によっては、この固定方法は、離脱不能に、または離脱可能な固定方法に設計されてもよい。再度離脱可能な実施形態では、例えば、対応する固定を保っている抵抗力が克服されることによって、再度離脱されてもよい。
【0070】
図5は、浄水フィルター1の各要素を分解した状態の更なる概略図を示す。図6は、フィルターヘッド2のハウジング4の底面図である。ハウジング4は、部分流路案内要素を備える補助部品として概略的に図示された混合調整要素または未処理水分配要素を備え、混合調整要素または未処理水分配要素と、部分流路案内要素とは共に、図4における混合調整装置を形成する。上述の通り、実施形態によっては、混合調整要素49は、フィルターヘッド2、あるいはフィルターカートリッジ3に設けられてもよい。フィルターヘッド2の3つの接続部分は、未処理水を供給するための流入口31、濾過された水が流出する流出口30、および、解放及び出水バルブから排出された水を案内し処分するための解放出水流出口54である。
【0071】
図7〜9は、浄水フィルター1の各構成要素を更なる図を示している。図7は、調整キャップ23と、調整キャップ23に接続してその回転動作を伝達し、濾過された水を流出口30の方向に流すよう形成された開口部27を有する、混合調整スリーブ17とを示す。混合調整要素49は、ドライバ8を介して混合調整スリーブ17に連結するよう接続されている。更に対応する図示が図8に見られる。図8には図示されたバルブ体56が付加えられており、図7に関する補足的な図となっている。
【0072】
このバルブ体56は、例えば、暗号化要素48を補完する暗号化要素55によって、フィルターカートリッジを螺合したり、回して取り外したりするときの回転で、開位置あるいは閉位置に作動可能な流入口バルブとして、バルブ開口部57を備える。図9における図示も同様であり、バルブ体56には追加の開口部58が図示されている。時には異なるフィルター機能を有するフィルターヘッドの様々な実施形態において、このバルブ体56をこの追加の開口部58に挿入し、この追加の開口部58を介して使用することができる。従ってバルブ体56は、多機能バルブ体56である。
【0073】
最後に図10は、例えば図9などに示された浄水フィルター1の構成要素の断面図である。この断面は、ドライバ8およびバネ要素53を通っている。該バネ要素53はドライバ8内に配置されており、フィルターカートリッジがフィルターヘッド2に嵌合されている状態において、混合調整要素49がバネ弾性によって確実にフィルターカートリッジの端側に押付けられるようにし、未処理水の流れが十分にフィルター部12および混合部13へと分けられるようにしている。
【0074】
更に好適な実施形態が、図11〜22の様々な斜視図に概略的に示されている。この実施形態において、少なくとも2つの流路12,13の部分流の比率を調整する調整装置60は、完全にフィルターヘッド2内に配置されている。ここでもまた調整装置60は、隔壁あるいは隔壁リングの形状をしており、機能的には図4〜10に示された混合調整要素49に対応する、未処理水分配要素68を備えている。図3〜10に図示された実施形態と異なる点は、部分流路案内要素がフィルターキャンドルあるいはフィルターカートリッジ3の一部としてもはや設計されておらず、例えば、主水流とバイパスフィルター水流の流入口領域に対応して分けられているというよりは、キャップ状に形成されて同様の機能を持っており、同様に配置された流入口開口部14,15を備えているが、フィルターヘッド2内にも同様に配置されているという点である。その結果、フィルター主水流12およびバイパスフィルター水流13の混合比率の調整は、ヘッド2に接続されたフィルターカートリッジ3から完全に独立する。接続されるフィルターカートリッジ3の給水側のフィルター主水流あるいはバイパスフィルター水流に供給される水をほぼ一定に分配することが可能なように、例えば水路70,71の形で形成された部分流分配要素を設けてもよい。
【0075】
フィルターカートリッジ3がフィルターヘッド2に挿入されると、該流路70,71は、配列された孔74,75の流出口と、フィルターカートリッジに向かうフィルター主水流あるいはバイパスフィルター水流のための補助的な流入口14,15との間の水流に対する均一化要素を形成する。均一化要素を形成することによって、ヘッドに設けられた調整装置60により実質的に独立した混合設定が行われ、フィルターカートリッジを流れる水流に関して、できる限り一定の流れ抵抗を得ることができる。できる限り一定の流れ抵抗を得ることができるのは、特に、配列された孔14,15の入口への部分流がそれぞれできる限り一定に分配されるからである。
【0076】
図11には、この点に関して、フィルターヘッド2をわずかに斜め下方から見た図が示されている。ここでは実質的に半円状に配列された流路74,75から供給された、少なくとも2つの流路12,13間の部分流の比率を調整するための調整装置60は、内側の中央に配置されている。一例として、該流路74,75は、ここではそれぞれ円形の孔となっており、部分流路案内キャップ69に形成されている。
【0077】
異なる混合設定を行う際、流体抵抗、すなわちフィルターシステムの内部抵抗を更に安定させることができるようにするために、特に好ましい実施形態においては、混合比率を設定するために、各流路の断面を、閉あるいは開カーブにおける各流路の位置に適合させてもよい。例えば、隣接する流路孔74,75の断面は、配列の方向からわかるように、外側の流路74aあるいは75aから最終流路74dあるいは75dまで(図16)、最大の直径から最小の直径に徐々に小さくなるように、また逆に徐々に大きくなるように設計されてもよい。
【0078】
図16に示される実施形態には、この機構が2つ設けられており、フィルターカートリッジ2が供給する、調整された混合比率の水は、180°オフセットされた利用可能な2箇所のうち、一致する1箇所から供給される水とは無関係になるようになっている。したがって、フィルターカートリッジは、フィルターカートリッジ3とフィルターヘッド2との間に設けられた補助的な差込み閉鎖要素に、長軸に沿ったどの向きで挿入されてもよい。水の供給と混合の設定はどちらの設置位置においても同様に保証される。
【0079】
これらの断面の変化は、2列の孔74,75の調整の方向に対して逆になるように設計されている。これによって、バイパス部への水流の混合設定が小さくなっている間に、比較的高い流れ抵抗が、比較的少ない、有効な水流断面に対抗する。混合量が増加すると、各流路75の断面も次第に大きくなる。各水流孔の形状は、フィルターシステム全体における、特定の混合設定に効果的な流れ抵抗の状態の和によって決定される。ヘッドの構造、あるいはフィルターカートリッジの構造が異なる場合は、全く異なった形状の流路74、75の方がより好適である可能性がある、あるいは、混合調整域全体に亘ってほぼ一定となるフィルターシステムの内部抵抗に対して、よりよい流量比の水を供給し得る。
【0080】
混合設定によって制御される、フィルター主水流12およびバイパス水流13への水流の分配は、各水路70または71を介して行われる。水路70または71を介して、フィルターカートリッジ3の補助的な流入孔14,15には、混合比率の設定がフィルターカートリッジの内部において流量比に、もしあったとしても、小さな影響しか及ぼさないように水流がほぼ均一に供給される。
【0081】
関連する未処理水分配要素68の更なる部分が、当該未処理水分配要素68の更なる部分に設けられた2つのドライバ8と共に、フィルターカートリッジの頸部を受け入れるためのキャップ形状の部分流路案内要素69の中央の流路の開口部に示されている。組立てた状態においては、該未処理水分配要素68は、図11,12のように、封止された状態で、ヘッド2内部の部分流路案内要素の中に組み込まれていることが好ましい。未処理水分配要素68と部分流路案内要素69との間を封止することによって、確実に、水が隔壁68によって開口された流路74,75を通ってのみフィルターカートリッジ3に流れ込むことができる。
【0082】
図12はハウジングがない状態のフィルターヘッド2の構成要素の概略的な斜視図である。ここで説明される本実施形態の主要な特徴は、図の下部分に示された、少なくとも2つの流路12,13間の部分流の比率を調整するための調整装置60である。該調整装置は、上述の未処理水分配要素68と、部分流路案内要素69とを備える。調整装置60の混合調整スリーブ17への接続は、例えば部分流路案内要素69と未処理水分配要素68とのクリップ接続、および部分流路案内要素69を、上述の実施形態のように、ここでは例えば、部分流路案内要素69に設けられ、カムの形状をしたキー要素と、バルブ体49に設けられた補助的な凹部とによって、例えばカムのような係合で配置することによって行われてもよい。
【0083】
残りの構成要素は、少なくとも同じ参照番号が付されている限り、上述の他の実施例の構成要素に実質的に対応している。
【0084】
図13は、フィルターヘッド2の構成要素の配置を概略的に上方から見た斜視図を再度示す。調整装置60の未処理水分配要素68および部分流路案内要素69の2つの主要な構成要素は、ここでは後側から、すなわち基本的にフィルターヘッドの内側から部分的に見ることができる。隔壁68の流路要素72を形成する2つのスロット形状の開口部72の1つが、この図の左下部分に部分的に見える。図11,16からも容易にわかるように、該隔壁は流路孔74,75と重なると流路孔74,75を開放する。
【0085】
図14の図示において、未処理水分配要素68および部分流路案内要素69は、共通の長軸に沿って分解された状態で示されている。図中には、流路要素を形成し、2列の流路74,75に供給を行う2つのスロット形状の開口部72も、少なくとも部分的に見られる。上記の構成要素の分解図は、フィルターカートリッジ3の頸部と共に図15に示されている。隔壁の形状をした未処理水分配要素68の2つのスロット形状の開口部72の1つを、その図でよりよく見ることができる。更に、スロット形状の孔72というよりもむしろ開口部74,75を閉鎖する、カバー73の形状をした該隔壁68の2つの主要な更なる構成要素のうちの1つを、この図で見ることができる。両矢印78の一方あるいは他方の方向へキャップ23を回転させることによって、スロット形状の開口部72が特定の数の流路開口部74,75を開き、あるいはカバー73が流路開口部74,75を覆い、濾過された水の主水流とバイパスフィルター水流との混合比率を調整する。するとこれらの2つの部分流は、流れの方向からわかるように、配列された各孔14,15を通ってフィルターカートリッジ3へと流れ込むことができる。
【0086】
図16は上記で詳細に説明したので、次に図17を参照する。図17は、フィルターアウトプット29が中央に示された、フィルターカートリッジ3の接続を説明する上面図である。フィルターアウトプット29の周囲には、フィルター主水流をもたらすための2列の流路孔74a〜74bを有する部分流路案内要素69と、部分流路案内要素69の上に、同様に2つ形成されたスロット形状の開口部72、およびカバー要素73の下に例えばフィルター3のバイパス部として設けられた流路開口部75を閉じるための2つの補助的なカバー要素73を有する、未処理水分配要素68とが配置されている。
【0087】
2つのドライバ8が、未処理水分配要素68を調整するため、延いてはフィルター主水流とバイパス水流との混合比率を調整するためのドライバとして、フィルターアウトプット29の左右に図示されている。
【0088】
図18は、部分流路案内要素69が斜め上方に示された、フィルター3の接続を説明する上面図を概略的に図示している。フィルター主水流およびバイパス水流のための2列の孔14,15が、フィルターアウトプット29の周囲の半円側にあるフィルター接続部に図示されている。該2列の孔は、ここでは一例として、全て同一の直径を有する。ただし、フィルターカートリッジ3に対向する側の部分流路案内要素69が流路を案内しているため、同一の直径を有する孔は、フィルター主水流およびバイパス水流の混合比率の調整には何の影響も与えない。
【0089】
部分流路案内要素69において、フィルターカートリッジ3をフィルターヘッド2に挿入するため180°回転可能な2か所に設けられた2列の孔74,75が、既に上で詳細に説明されたが、ここにも示されている。
【0090】
図19は、フィルターカートリッジ3の接続部分の斜視断面図である。その上方に少し離れて設けられているのは、部分流路案内要素69の更なる部分である。該更なる部分も同様に断面図で示されている。この図は、部分流路案内要素69からの対応する流出口と関連するフィルター部12または13への流入口との間で水の分配を行うための、フィルター主水流のための流路70、およびバイパス水流のための流路71の効果を示すためのものである。
【0091】
図20は、見やすくするために部分流路案内要素69の詳細と、未処理水分配要素68の一部とを拡大して示した、更なる部分からフィルターカートリッジの接続部までの拡大図を図示している。
【0092】
図21,22では更に2つの断面図を概略的に示している。図21,22中では、フィルターカートリッジ3の上部はフィルターヘッド2内に配置されており、フィルター主水流とバイパス水流との混合設定は、調整装置60によって制御されている。図21の図示では、バイパス水流のための流路が、図20の図示に対応して、図の右半分に示されている。図の左半分には、フィルター主水流部12が示されているが、この断面においては、フィルタ主水流部12内に流路開口部15は形成されていない。ただし、フィルター主水流12とバイパス水流13の双方のために、少なくとも流路の一部は、当該一部の上方に設けられた開口部72によって開放されている。これとは対照的に、図22では、フィルター主水流とバイパス水流の双方の部分流域が、カバー要素73によってそれぞれ閉じられていることが示されるように、この種のフィルターヘッドの断面が配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】フィルターヘッドと、交換可能なフィルターカートリッジとを備えた浄水フィルターの概略的な縦断面図を示す。
【図1a】図1におけるフィルターカートリッジの上面図を示す。
【図2】図1における実施形態に関連した、改良された実施形態を示す。
【図3−5】異なる装置の実例におけるフィルターカートリッジの概略斜視図を示す。
【図6】概略的に図示された未処理水分配要素を有するフィルターヘッドの底面図を示す。
【図7−9】未処理水分配要素に設けられた固定調整要素を異なる向きで示した概略図を示す。
【図10】図9に図示された構成要素の縦断面図を示す。
【図11−22】更なる実施形態を概略的に示した各種の図を示す。
【符号の説明】
【0094】
1…浄水フィルター、2…フィルターヘッド、3…フィルターカートリッジ、4…ハウジング、5…ボア、6…ボア、7…混合調整リング/未処理水分配要素(フィルターカートリッジ)、8…ドライバ、9…シール、10…シール、11…未処理水供給部、12…処理部、13…処理部、14…流路、15…流路、16…差込み、17…混合調整スリーブ、18…バルブ、19…バルブ、20…カム、21…バルブタペット、22…ドライバ、23…キャップ、24…ラッチ位置、25…シール、26…ネジ、27…開口部、28…開口部、29…フィルターアウトプット、30…流出口、31…流入口、32…開口部、33…開口部、34…停止部、35…外壁、36…調整位置、37…調整位置、38…スリーブ、39…スリーブ、40…スリーブ、41…ネジ接続、42…延長部、43…矢印、44a〜h…開口部/流路要素、45…流出口バルブ、46…タペット、47…カム、48…キー要素、49…混合調整要素/未処理水分配要素(フィルターヘッド)、50…流路、51…カバー、52…固定要素、53…バネ要素、54…解放出水流出口、55…暗号化要素、56…バルブ体、57…開口部、58…開口部、59…混合装置、60…調整装置、61…未処理水分配スリーブ/未処理水分配要素(フィルターカートリッジ)、62…流路、63…流路、64…部分流路案内要素、65…開口部/流路要素、66…カバー要素、67…再設定要素、68…未処理水分配要素/隔壁(フィルターヘッド)、69…部分流路案内要素/キャップ(フィルターヘッド)、70…水路、71…水路、72…開口部/流路要素、73…カバー/流路要素、74…流路、74a…流路、74b…流路、75…流路、75a…流路、75b…流路、76…ウェブ、77…ウェブ、78…矢印、79…カム/延長部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターヘッド(2)と、交換可能なフィルターカートリッジ(3)とを備え、該フィルターカートリッジ上に配置された未処理水分配要素(7,61)を有する浄水フィルター(1)であって、
前記交換可能なフィルターカートリッジ(3)を前記フィルターヘッド(2)に取り付け作業する間に、該フィルターカートリッジ(3)の前記未処理水分配要素(7,61)が、調整可能な固定されたドライバ(8)を介して、前記フィルターヘッド(2)上に配置可能である
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項2】
フィルターヘッド(2)と、交換可能なフィルターカートリッジ(3)と、混合装置(59)と、少なくとも2つの流路(12,13)間の部分流の比率を調整するための調整装置(60)とを備え、少なくとも一方の流路(12)がフィルター部を備える浄水フィルター(1)であって、
前記調整装置(60)は、
前記フィルターヘッド(2)内、あるいは該フィルターヘッド(2)上に配置された未処理水分配要素(7,49,61,68)と、
該未処理水分配要素(7,49,61,68)に対して補助的であり、前記フィルターカートリッジ(3)内、あるいは該フィルターカートリッジ(3)上に配置された部分流路案内要素(64)と
を備えることを特徴とする浄水フィルター。
【請求項3】
フィルターヘッド(2)と、交換可能なフィルターカートリッジ(3)と、混合装置(59)と、少なくとも2つの流路(12,13)間の部分流の比率を調整するための調整装置(60)とを備え、少なくとも一方の流路(12)がフィルター部を備える浄水フィルター(1)であって、
前記調整装置(60)は、
前記フィルターヘッド(2)内、あるいは該フィルターヘッド(2)上に配置された未処理水分配要素(7,49,61,68)と、
該未処理水分配要素(7,49,61,68)に対して補助的であり、前記フィルターヘッド(2)内、あるいは該フィルターヘッド(2)上に配置された部分流路案内要素(69)と
を備えることを特徴とする浄水フィルター。
【請求項4】
請求項2に記載の浄水フィルターであって、
前記部分流路案内要素(69)は、前記フィルターヘッド(2)に対してロック可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記部分流路案内要素(69)内の前記未処理水分配要素(68)は、前記フィルターヘッド(2)の内部に配置されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,49,61,68)は、前記部分流路案内要素(64,69)に対して半径方向に調整可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,49,61,68)は、前記部分流路案内要素(64,69)に対して軸方向に調整可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(49,68)は、前記フィルターヘッド(2)の一部として構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(49,68)は、前記フィルターヘッド(2)に挿入可能な要素として構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項10】
未処理水分配要素(49,68)とフィルターヘッド(2)とは、解放不能に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の浄水フィルター。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(49,68)と前記フィルターヘッド(2)とは、離脱可能に接続されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(49,68)は、交換可能な要素として構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素のための制御要素(23)が設けられている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(49,68)のための位置決め装置(17,23)が、前記フィルターヘッド(2)内に設けられている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記位置決め装置(17,23)は、ロック可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,49,61,68)は、少なくとも1つの流路要素(32,33,44a〜h,50,65,72)および/またはカバー要素(51,66,73)を備えている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項17】
請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,68)は、リング状あるいはディスク状に形成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(61,68)は、スリーブ状に形成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項19】
請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記部分流路案内要素(64,69)は、
少なくとも1つのフィルター部流入口(12)と、
少なくとも1つの混合部流入口(13)あるいはフィルター部流入口あるいは水処理部流入口と
を備えていることを特徴とする浄水フィルター。
【請求項20】
請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記フィルター部流入口(12)、および/または前記混合部流入口(13)あるいはフィルター部流入口あるいは水処理部流入口は、複数の流入口開口部(14,15,74,75)を備えている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記流入口開口部(14,15,74,75)は、スロット形状に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項22】
請求項1乃至請求項21のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記流入口開口部(14,15,74,75)は、ほぼ円形から楕円状に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項23】
請求項1乃至請求項22のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記部分流路案内要素(69)は、前記フィルター部(12)への前記各流路(74)のうちの少なくとも一部、および/あるいは前記混合部(13)への前記流路(75)のうちの一部を互いに接続する流路構造(70,71)を有する
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項24】
請求項1乃至請求項23のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記流路(70,71)の構造は、前記フィルターカートリッジ(3)が前記フィルターヘッド(2)に挿入されるときに、前記構造が前記2つの処理部(12,13)への流入口と向かい合って配置されるように設計されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項25】
請求項1乃至請求項24のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記流路(70,71)の構造は、いずれの場合にも、前記処理部(12)への各流入口開口部(14)の少なくとも一部、および/または前記処理部(13)の流入口への前記流路(15)の少なくとも一部に液体が導かれるように互いに接続されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項26】
請求項1乃至請求項25のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,49,61,68)によって効果的に開放され、前記2つの部分流(12,13)の和から形成される前記部分流路案内要素(64,69)の断面全体は、全ての混合設定において実質的に同一の大きさである
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項27】
請求項1乃至請求項26のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記未処理水分配要素(7,49,61,69)によって効果的に開放され、前記2つの部分流(12,13)の和から形成される前記部分流路案内要素(64,69)の断面全体は、異なる混合設定においては大きさが異なる
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項28】
請求項1乃至請求項27のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記フィルターヘッド(2)に設けられた要素(48)と前記フィルターカートリッジ(3)に設けられた要素(55)との間に、暗号が形成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項29】
請求項1乃至請求項28のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
装置に依存して前記流入口バルブ(18)および/または流出口バルブ(45)の位置決めを行うための制御要素(47,79)が設けられている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項30】
請求項1乃至請求項29のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
装置に依存して出水バルブ(19)の位置決めを行うための制御要素(22)が設けられている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項31】
請求項1乃至請求項30のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
ドライバ(8)は、前記ヘッドおよび/または前記フィルターカートリッジに対する前記未処理水分配要素の位置決めを調整可能に構成されている
とを特徴とする浄水フィルター。
【請求項32】
請求項1乃至請求項31のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
ドライバ(8)は、前記未処理水分配要素の位置決めを行うために、該ドライバ(8)の形状を調整可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項33】
請求項1乃至請求項32のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記ドライバ(8)は、前記未処理水分配要素にロック可能に接続可能である
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項34】
請求項1乃至請求項33のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記ドライバ(8)は、特定の混合比率のために予め設定可能に構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。
【請求項35】
請求項1乃至請求項34のいずれかに記載の浄水フィルターであって、
前記フィルターヘッド(2)内の前記未処理水分配要素(49,68)は、フィルターキャンドル(3)の異なる用途のために、異なる部分流路案内の形状を備えるよう構成されている
ことを特徴とする浄水フィルター。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2009−532199(P2009−532199A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503493(P2009−503493)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003103
【国際公開番号】WO2007/115793
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(508298385)アクイス ヴァッサー−ルフト−ジステーメ ゲーエムベーハー, リンダウ,ツヴァイクニーダーラッスング レブシュタイン (7)
【Fターム(参考)】