説明

キャンペーンラベル

【課題】 本発明は、粘着剤の選定が容易であると共に、パッケージ内から取り除いたキャンペーンラベルに粘着力が残存せず、きれいに管理することができるキャンペーンラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】第1の実施の形態によれば、引換券となる第1のラベル片31と控え券となる第2のラベル片32とを疑似接着層11によって接合すると共に、第2のラベル片32の一部に粘着剤12が塗布された貼着部20と、第1のラベル片31に当たりを示す当たり表記14が印字された当たり券部30とを形成し、貼着部20と当たり券部30との境界にミシン目15を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進キャンペーンに用いられるキャンペーンラベルに関し、特にパッケージ内に貼着されるキャンペーンラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品販促用のキャンペーンとして、当選すると金品に交換することができるくじを用いることが行われており、このようなキャンペーンでは、商品にくじ付きのキャンペーンラベルを貼着するのが一般的である。商品に貼着するキャンペーンラベルとしては、「当たり」もしくは「はずれ」を表示したキャンペーンラベルを商品全ての表面に貼着する場合と(例えば、特許文献1参照)、商品のパッケージ内等に「当たり」を表示したキャンペーンラベルのみを貼着する場合がある。
【0003】
「当たり」もしくは「はずれ」を表示したキャンペーンラベルを商品全ての表面に貼着する場合には、めくったり、削ったりしないと「当たり」もしくは「はずれ」の表示を視認できないように当落の表示を遮蔽する特殊な加工を施す必要があると共に、商品の全てにキャンペーンラベルを貼着しなければならないため、コストおよび手間がかかり、また、商品販促用のキャンペーンの締め切りに合わせて流通する商品を管理しなければならない等の管理上の煩雑さがある。これに対し、商品のパッケージ内に「当たり」を表示したキャンペーンラベルのみを貼着する場合には、表面からキャンペーンラベルを視認することができないため、販促性は若干低くなるものの、表示を遮蔽する特殊な加工を施す必要がなく、長期にわたるキャンペーンや、定番となっているキャンペーン等では、コストや手間がかからず流通する商品の管理も容易であるという利点がある。
【0004】
しかしながら、従来技術のように、商品のパッケージ内にキャンペーンラベルを貼着する場合には、キャンペーンラベルを貼着する粘着剤は、パッケージ内に脱落しない強粘性と、且つ簡単に剥がすことかできる弱粘性との相反する機能を実現させなくてはならないため、粘着剤の選定が困難であると共に、剥がしたキャンペーンラベルに粘着力が残存してしまうため、剥がしたキャンペーンラベルをきれいに剥がして管理することが困難であるという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−287638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘着剤の選定が容易であると共に、パッケージ内から取り除いたキャンペーンラベルに粘着力が残存せず、きれいに管理することができるキャンペーンラベルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、引換券と控え券とで構成され、パッケージ内に貼着されるキャンペーンラベルであって、前記引換券となる第1のラベル片と前記控え券となる第2のラベル片とが疑似接着層によって接合されていると共に、前記第2のラベル片の一部に粘着剤が塗布された貼着部と、前記第1のラベル片に当たりを示す当たり表記が印字された当たり券部とが形成され、前記貼着部と前記当たり券部との境界には、ミシン目が形成されていることを特徴とするキャンペーンラベルに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記貼着部と前記当たり券部との境界は、角度を変えて繋がっている複数の直線状であることを特徴とする請求項1記載のキャンペーンラベルに存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のキャンペーンラベルは、引換券となる第1のラベル片と控え券となる第2のラベル片とを疑似接着層によって接合すると共に、第2のラベル片の一部に粘着剤が塗布された貼着部と、第1のラベル片に当たりを示す当たり表記が印字された当たり券部とを形成し、貼着部と当たり券部との境界にミシン目を形成するように構成することにより、
当たり券部を取り除く際に、パッケージ内に貼着された貼着部を剥がす必要がないため、粘着剤の選定が容易であると共に、当たり券部は、パッケージ内に貼着されていないため、パッケージ内から取り除いたキャンペーンラベルに粘着力が残存せず、きれいに管理することができるという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明のキャンペーンラベルは、貼着部と当たり券部との境界を、角度を変えて繋がっている複数の直線状に構成することにより、めくる方向に左右されることなく、パッケージに貼着されている貼着部からの当たり券部の切り離しを容易に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るキャンペーンラベルの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。図2は、本発明に係るキャンペーンラベルの第1の実施の形態をパッケージ内に貼着した状態を示す斜視図である。図3は、図1に示す貼着部と当たり券部とが切り離された状態を示す図で有り、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。図4は、図3に示す当たり券を開いた状態を示す図であり、(a)は、当たり券の表面および裏面を示す平面図であり、(b)は、疑似接着層によって接合されていた面を示す平面図である。
【0012】
第1の実施の形態のキャンペーンラベル10は、図1を参照すると、紙基材やフィルム基材等の、折り返されて疑似接着層11によって接合されたラベル基材において、裏面に粘着剤12が塗布され、当該粘着剤12に剥離基材13が仮着されている貼着部20と、販促用キャンペーンの「当たり」を示す表記(以下、当たり表記14と称す)が表面に印刷されている当たり券部30とが形成され、貼着部20と当たり券部30との境界には、ミシン目15が形成されている。
【0013】
疑似接着層11としては、例えばアクリル酸エステルワニス、ポリアミドワニス等の樹脂含有液体ワニスを用いることができ、例えば強接着力を持つ第1樹脂層と、弱接着力を持つ第2樹脂層で構成される。ラベル基材を折り返して接合するには、折り返して対向する一方の面に第1樹脂層を形成する樹脂含有液体ワニスを予めコーティングして乾燥させ、次に、第1樹脂層に、第2樹脂層を形成する樹脂含有液体ワニスをコーティングして乾燥する前に折り返して対向する他方の面を貼り付ける。これにより、折り返したラベル基材は、剥離性を有すると共に剥離すると接着力がなくなる。また、擬似接着層11としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなるものや圧着糊と呼ばれるもの等を用いることができる。
【0014】
粘着剤12としては、例えばエマルジョン系、ソルベント系、ホットメルト系のように任意の粘着剤が使用可能であると共に、素材も、アクリル系、ゴム系など任意である。なお、貼着部20は、後述するように、剥がすことを想定していないため、パッケージ内への脱落を防止するために、強粘タイプを用いると良い。
【0015】
第1の実施の形態では、折り返したラベル基材の折り返し線A側に当たり券部30が、解放端B側に貼着部20がそれぞれ配置されており、当たり券部30は、折り返し線Aにミシン目16が形成され、疑似接着層11を挟んで表面側に位置し、当たり表記14が印刷されている第1のラベル片31と、裏面側に位置する第2のラベル片32とで構成されている。なお、第1のラベル片31と第2のラベル片32との解放端側の一部が、裏面、すなわち第2のラベル片32に粘着剤12が塗布された貼着部20となっている。
【0016】
キャンペーンラベル10は、貼着部20の裏面に塗布されている粘着剤12から剥離基材13を剥がし、図2(a)に示すように、パッケージ40を開けたときに、当たり券部30の表面に印刷されている当たり表記14が見える位置、例えばパッケージ40内の側面に、貼着部20の裏面に塗布された粘着剤12が貼着され、且つ当たり券部30が貼着されていない状態でキャンペーンラベル10が貼着される。
【0017】
これにより、ユーザは、パッケージ40を開けたときに当選を認識し、貼着されているキャンペーンラベル10を剥がす動作が行われることになる。ユーザがキャンペーンラベル10を剥がす動作を行う場合には、当たり券部30がパッケージ40に貼着されていないため、当たり券部30が把持され、パッケージ40に貼着されている貼着部20との境界に形成されているミシン目15に外力が加わって、図2(b)に示すように、当たり券部30がミシン目15で切り取られる。なお、ミシン目15の箇所が切取線であることを示す表記を、貼着部20もしくは当たり券部30の表面に印刷するようにしても良い。
【0018】
図3には、ミシン目15で、パッケージ40に貼着された状態の貼着部20と、当たり券部30とが切り離された状態が示されており、切り離された当たり券部30には、粘着力が残存していないため、きれいに管理することができる。
【0019】
また、当たり券部30の第1のラベル片31には、切り欠きが形成されており、図3(a)に矢印で示す向きに、切り欠き部分から第1のラベル片31をめくることで、簡単に疑似接着層11を剥離させ、図4に示すように、折り返されていた当たり券部30を第1のラベル片31と第2のラベル片32とに開くことができるようになっている。
【0020】
第1のラベル片31は、ミシン目16で第2のラベル片32と切り離し、賞品と引き換える引き換え券であり、図4(a)に示すように、当たり券部30の表面に対応する面には、当たり表記14が印刷されていると共に、図4(b)に示すように、疑似接着層11によって接合されていた面には、賞品と引き換える際の注意事項等の案内表記17が印刷されている。また、第2のラベル片32は、第1のラベル片31と当たった賞品とを引き換えるまでの間、ユーザが保管しておく控え券であり、図4(b)に示すように、疑似接着層11によって接合されていた面には、当たった賞品名や第1のラベル片31の送り先等の案内表記17が印刷されている。
【0021】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、引換券となる第1のラベル片31と控え券となる第2のラベル片32とを疑似接着層11によって接合すると共に、第2のラベル片32の一部に粘着剤12が塗布された貼着部20と、第1のラベル片31に当たりを示す当たり表記14が印字された当たり券部30とを形成し、貼着部20と当たり券部30との境界にミシン目15を形成するように構成することにより、当たり券部30を取り除く際に、パッケージ40内に貼着された貼着部20を剥がす必要がないため、粘着剤12の選定が容易であると共に、当たり券部30は、パッケージ40内に貼着されていないため、パッケージ40内から取り除いたキャンペーンラベル10に粘着力が残存せず、きれいに管理することができるという効果を奏する。
【0022】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明に係るキャンペーンラベルの第2の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。
【0023】
第2の実施の形態のキャンペーンラベル10aは、第1の実施の形態のようにラベル基材を折り返して第1のラベル片31と第2のラベル片32とが接合された当たり券部30を形成するのではなく、図5を参照すると、第1のラベル片31と第2のラベル片32と異なるラベル基材で構成し、第1のラベル片31と第2のラベル片32とを疑似接着層11によって接合していると共に、第1のラベル片31が貼着部20に延出することなく、ミシン目15を境界とし、第2のラベル片32のみが貼着部20に繋がっている。
【0024】
これにより、パッケージ40に貼着されている貼着部20からの当たり券部30の切り離しを容易に行うことができると共に、疑似接着層11を剥がすだけで第1のラベル片31と第2のラベル片32とを分離させることができる。
【0025】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明に係るキャンペーンラベルの第3の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、裏面側から見た平面図である。
【0026】
第2の実施の形態のキャンペーンラベル10bは、図6を参照すると、当たり券部30と貼着部20との境界が屈折線状、すなわち角度を変えて繋がっている複数の直線状になっており、当該境界に沿ってミシン目15が形成されている。従って、当たり券部30を図6(a)に示す方向にめくった場合でも、ミシン目15の頂点部分から、ミシン目15が切り離されることになり、めくる方向に左右されることなく、パッケージ40に貼着されている貼着部20からの当たり券部30の切り離しを容易に行うことができる。
【0027】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るキャンペーンラベルの第1の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。
【図2】本発明に係るキャンペーンラベルの第1の実施の形態をパッケージ内に貼着した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す貼着部と当たり券部とが切り離された状態を示す図で有り、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。
【図4】図3に示す当たり券を開いた状態を示す図であり、(a)は、当たり券の表面および裏面を示す平面図であり、(b)は、疑似接着層によって接合されていた面を示す平面図である。
【図5】本発明に係るキャンペーンラベルの第2の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、(a)に示すX−Y断面図である。
【図6】本発明に係るキャンペーンラベルの第3の実施の形態の構成を示す図であり、(a)は、表面側から見た平面図であり、(b)は、裏面側から見た平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 キャンペーンラベル(第1の実施の形態)
10a キャンペーンラベル(第2の実施の形態)
10b キャンペーンラベル(第3の実施の形態)
11 疑似接着層
12 粘着剤
13 剥離基材
14 当たり表記
15 ミシン目
16 ミシン目
17 案内表記
20 貼着部
30 当たり券部
31 第1のラベル片
32 第2のラベル片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引換券と控え券とで構成され、パッケージ内に貼着されるキャンペーンラベルであって、
前記引換券となる第1のラベル片と前記控え券となる第2のラベル片とが疑似接着層によって接合されていると共に、前記第2のラベル片の一部に粘着剤が塗布された貼着部と、前記第1のラベル片に当たりを示す当たり表記が印字された当たり券部とが形成され、
前記貼着部と前記当たり券部との境界には、ミシン目が形成されていることを特徴とするキャンペーンラベル。
【請求項2】
前記貼着部と前記当たり券部との境界は、角度を変えて繋がっている複数の直線状であることを特徴とする請求項1記載のキャンペーンラベル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−32710(P2010−32710A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193682(P2008−193682)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】