説明

キースイッチ装置

【目的】 キーボードの薄型化に対応してキーストロークを大きくできるとともに、キー操作性が良くキー入力の確実なキースイッチ装置を提供する。
【構成】 両端に第1係止ピン13、14、21、22及び第2係止ピン15、16、23、24を形成したリンク部材7、8を軸支部Aにて交叉状に組み合わせてなる案内支持部材6によりキートップ1の上下動を案内支持するキースイッチ装置であり、キートップ1の押下時に前記リンク部材7、8により案内支持部材6の下方に配設されたラバースプリング31を押下してスイッチング動作を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キースイッチ装置に関し、特に、ノート型ワードプロセッサ、ノート型パーソナルコンピュータ等に付設される薄型のキーボードに使用して好適なキースイッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のキーボードに使用されるキースイッチ装置としては、キーステムを一体に有するキー部材をホルダプレートに形成されたキーホルダ部に挿通して案内支持するとともに、キーステムの下方にスイッチング部材を配設したキースイッチ装置が一般に用いられている。かかるキースイッチ装置では、キーホルダ部を介してキー部材のキーステムの上下動を摺動案内しキー部材の押下時にキーステムの下部によりスイッチング部材を作動させてスイッチング動作を行わせるものである。
【0003】また、スペースキーやリターンキー等の大型のキーを使用するキースイッチ装置としては、キーの押下時にキーが傾いた状態で押下されるのを防止すべく特開昭60−62017号公報、特開昭64−7441号公報や米国特許第4,433,225号公報に記載されたキースイッチ装置が知られている。
【0004】特開昭60−62017号公報に記載されたキースイッチ装置は、軸によりはさみ状に交叉してなる2つのはさみ状部材にキー部材を支持するとともに、キー部材の中心部から離れた位置にスイッチング部材を配置する。そして、キー部材の押下時に、各はさみ状部材の端部に形成された複数個の各ピンをキー部材の裏面と基板の上面とで水平方向に摺動案内するとともに、キー部材に特別に設けた押下部をホルダ部を介して上下に摺動案内しつつ押下部によりスイッチング部材を押下するようにしたものである。
【0005】特開昭64−7441号公報に記載されたキースイッチ装置は、特開昭60−62017号公報に記載されたキースイッチ装置と基本的構成を同じくするものであり、はさみ状部材に対するキー部材の着脱を容易にする点に特徴を有するものである。
【0006】米国特許第4,433,225号公報には、L型のキートップを備えたキースイッチ装置が開示される。このキースイッチ装置は、アームの中央部を軸により結合されたはさみ状部材を有している。かかるはさみ状部材は第1、第2、第3、第4の4個の端部を備えており、その第1、第2の端部はL型キートップの出張った部分内で水平方向に摺動可能となっている。しかし、キースイッチの部分ははさみ状部材と別のところに位置するため、これだけではキースイッチ装置として完全には成り立たず、キーステムやそのほかの多くの部品が必要となるため、構造が複雑化してしまう。
【0007】これら各公報に記載されたキースイッチ装置は、スペースキー等の大型のキーにおける押下位置とは無関係にキーのどの部分を押しても水平状態を保持しつつキーの上下動を案内できるものである。
【0008】このように、前記した従来のキースイッチ装置のいずれにおいても、スイッチング部材を押下するためのキーステムやキー押下部材をホルダ部材等のホルダ部を介して上下に摺動案内しつつスイッチング部材を押下させるようにしている点で共通するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等における小型化、薄型化に伴い、これらに付設されるキーボードも小型化、薄型化が指向されてきている。一方、キー入力の操作性を向上させるとともにキー入力の確実性を担保すべく大きなストロークが要求されている。このような状況下において、前記した一般に使用されているキースイッチ装置では十分なキーストロークを得ることができないという問題点があった。
【0010】かかる一般に使用されているキースイッチ装置において、キーボードの薄型化を実現しようとすればキーステムがキーホルダ部により摺動案内される部分が減少し、これに伴ってキーの傾動に起因してキーステムとキーホルダ部間でキーのこじれが生じてしまう。逆に、これを防止するためキーステムがキーホルダ部により摺動案内される部分を大きくするとキーストロークが減少してしまうというジレンマがある。
【0011】ここに、キーの押下時にキーステムとキーホルダ部の間でこじれが生じると、これが摺動ノイズ発生の原因となりキー操作性を著しく損なうことになる。また、キーステムとキーホルダ部間で生じるこじれは、常にキーの中央部を押下している場合にはキーステムが垂直に押下されることとなるので発生しにくいものである。よって、かかるこじれの発生を防止すべくキーの操作面積を小さくして常にキーの中央部にて押下されるようにすることも考えられるが、この場合もキーの操作性を著しく損なう点では前記のものと変わるところがない。
【0012】また、前記各公報に記載されたキースイッチ装置は特にキーボードの薄型化を指向するものではなく、スイッチング部材を押下するための押下部材をキー部材から垂下して設ける必要があり、これにより薄型化が困難となる問題がある。更に、押下部材を形成する必要からキー部材の構造が複雑化しコストアップの原因となる問題があった。
【0013】更に、このキースイッチ装置では、はさみ状部材の各端部に形成された各ピンはキー部材の裏面と基板の上面とでそれぞれ水平方向に摺動案内されるように構成されているので、キー部材の押下時にキー部材の水平方向の位置決め作用を有しておらず、従ってキー部材の位置がその押下時に水平方向にずれてしまうことがある。この水平方向の位置ずれが生じると、スイッチング部材は確実に動作することができないという問題と、隣合ったキー部材間の衝突をまねくという問題があった。
【0014】加えて、米国特許第4,433,225号公報では、キースイッチははさみ状部材と別のところに位置するため、このはさみ状部材だけではキースイッチを押下することはできない。よって、キースイッチ装置としては、キースイッチを押下するためにキーステム等の多くの部品が、はさみ状部材の他に必要となる等の問題があった。
【0015】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、キーステムをホルダ部材により摺動案内する構成を不用とすることにより、キーボードの小型化、薄型化に対応しつつキーストロークを大きくすることができ、もって簡単な構成によりキー入力の操作性が良好であるとともに確実なキー入力を可能とするキースイッチ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1のキースイッチ装置は、裏面から2つの第1係止部が垂設されたキートップと、そのキートップの下方に配設されるとともに前記キートップに垂設された各第1係止部に対応して2つの第2係止部が形成されたホルダ部材と、前記キートップの第1係止部及び前記ホルダ部材の第2係止部のそれぞれに連結されるとともにキートップの上下動を案内支持する案内支持部材と、前記キートップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うスイッチング部材とを有するキースイッチ装置において、前記案内支持部材は両端に係止ピンが形成された2つのリンク部材を軸支部にて相互に回動可能となるように交叉状に軸支してなるとともに各係止ピンは前記第1及び第2係止部に可動状態で係止され、前記軸支部の中心を通る垂線を基準として、一方の側に存在する前記各第1及び第2係止部は前記各リンク部材の各係止ピンを回動可能に係止する係止孔からなるとともに、他方の側に存在する前記各第1及び第2係止部は前記各リンク部材の各係止ピンを摺動可能に係止する摺動溝からなる構成とされる。
【0017】また、請求項2のキースイッチ装置は、前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線と前記軸支部の中心線と前記ホルダ部材に摺動可能に係止される前記係止ピンの中心線は側面視一直線上に配置され、前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離と前記ホルダ部材に摺動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離と前記ホルダ部材に回動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離がそれぞれ等しく、前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線は前記ホルダ部材に回動可能に係止される前記係止ピンの側面視垂線上に位置する前記各リンク部材からなる構成とされる。
【0018】
【作用】上記の構成を有する本発明のキースイッチ装置は、スイッチング動作時にキートップが押下されると、案内支持手段を構成する2つの各リンク部材は軸支部を介して相互に回動するとともに、各リンク部材の両端に形成された各係止ピンが第1係止部及び第2係止部内で動かされる。
【0019】更に、キートップを押下すれば、リンク部材を介してスイッチング部材が押下されてスイッチング動作が行われる。一方、キートップの押下を解除すれば、各リンク部材はキートップとともにスイッチング部材の弾性復元力により元の位置に復帰される。
【0020】このとき、軸支部の中心を通る垂線を基準として、一方の側に存在する各第1及び第2係止部は各リンク部材の各係止ピンを回動可能に係止する係止孔からなるとともに、他方の側に存在する各第1及び第2係止部は各リンク部材の各係止ピンを摺動可能に係止する摺動溝からなるので、一方の側の回動可能に係止された各係止ピンはリンク部材の回動にともなって係止孔内で回動され、また、他方の側の摺動可能に係止された各係止ピンはリンク部材の回動にともなって係止溝内を摺動される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1から図3に本発明の第1の構成を示す。図1はキースイッチ装置の側断面図であり同図において、キートップ1はABS樹脂等の合成樹脂から成型されており、その上面にはアルファベット等の文字が印刷等により形成されている。また、キートップ1の裏面からは、回動係止部2、及び摺動係止部3が下方に向けてキートップ1本体と一体に設けられている。
【0022】回動係止部2には、後述する2つのリンク部材7、8のうちの一方のリンク部材7の一端に形成された第1係止ピン13、14を回動可能に係止する係止孔4が穿設されており、また、摺動係止部3には、他方のリンク部材8の一端に形成された第2係止ピン23、24を水平方向に摺動可能に係止する係止溝5が形成されている。
【0023】キートップ1の下方には、キートップ1の上下動を案内支持する案内支持部材6が配設されており、かかる案内支持部材6は2つのリンク部材7、8から構成される。
【0024】一方のリンク部材7は図2に示すように、基部9の両端に2つの基端部10、11を一体に形成してなるものである。基部9の中央部の一側面からは軸12が延設されており、かかる軸12は後述する他方のリンク部材8に形成された軸孔20に軸支される。
【0025】なお図1に示すように、リンク部材7の第1係止ピン13、14と第2係止ピン15、16は軸12を中心として一直線上に並び、且つ軸12からの距離が等しくなるように構成される。またリンク部材8の第1係止ピン21、22と第2係止ピン23、24は軸孔20を中心として一直線上に並び、且つ軸孔20からの距離が等しくなるように構成される。
【0026】そしてこれら両リンク部材7、8は、軸12と軸孔20を回動可能に連結した状態において、下基端部11、18の位置で上側に凸となるように屈曲している。そのため、図1に示されるように軸支部Aの下側において大きな空間を有するように構成されるので、後述する側面視略台形のラバースプリング31を効率よく軸支部Aの下側に収納できるのである。
【0027】さらに、図1に示すように、両リンク部材7、8は上基端部10、19の先端部の厚さを小さくする。このためキートップ1が押下された場合にも、両リンク部材7、8の上基端部10、19と下基端部11、18はキートップ1の押下の途中で互いに接触することがない。よって、キートップ1はその押下動作を途中で妨げられることがなく、キーストロークを十分に確保できるように構成される。
【0028】また、図2に示すようにリンク部材7は、上基端部10の両端延部10Aの側面からは、第1係止ピン13、14が延設されており、この第1係止ピン13、14は前記したキートップ1の回動係止部2に穿設された係止孔4に回動可能に係止されるものである。更に、下基端部11は平面視でコ字状に形成されており、コ字状の両端延部11Aの側面からは前記と同様の第2係止ピン15、16が延設されている。かかる第2係止ピン15、16は後述するホルダ部材25に形成された摺動係止部26に摺動可能に係止される。
【0029】更に、リンク部材8は図3に示すように、基部17の両端に2つの上下基端部18、19を一体に形成してなるものである。基部17の中央部には軸孔20が穿設され、この軸孔20には前記のようにリンク部材7の基部9に設けられた軸12が挿通される。また、下基端部18は平面視コ字状に形成されており、コ字状の両端延部18Aからは第1係止ピン21、22が延設されている。この第1係止ピン21、22は後述するホルダ部材25に形成された回動係止部27に回動可能に係止される。
【0030】更に、上基端部19の両端延部19Aから前記と同様の第2係止ピン23、24が延設されており、かかる第2係止ピン23、24は前記したキートップ1の摺動係止部3に形成された係止溝5に摺動可能に係止されるものである。
【0031】前記したように案内支持部材6は、一方のリンク部材7の基部9に形成された軸12を他方のリンク部材8の基部17に穿設した軸孔20に挿通して構成されるものであり、両リンク部材7、8は軸12と軸孔20とよりなる軸支部Aを介して相互に回動可能となる。
【0032】次に、案内支持部材6の下方にはホルダ部材25が配設されており、かかるホルダ部材25上には前記リンク部材7の下基端部11に延設された第2係止ピン15、16及び前記リンク部材8の下基端部18に延設された第1係止ピン21、22をそれぞれ係止するための摺動係止部26、及び回動係止部27が設けられている。
【0033】摺動係止部26はホルダ部材25から凸状に一体に形成されるとともに長孔状の係止溝28が設けられており、かかる係止溝28には前記リンク部材7の第2係止ピン15、16が水平方向に摺動可能に係止されている。また、回動係止部27は摺動係止部26と同様にホルダ部材25から凸状に一体に形成されるとともに係止孔29が設けられており、この係止孔29には前記リンク部材8の第1係止ピン21、22が回動可能に係止されている。
【0034】前記構成において、軸支部Aの中心を通る垂線Lを基準として図1中左方側に存在するキートップ1の裏面に形成された回動係止部2及びホルダ部材25に形成された回動係止部27には、それぞれ第1係止ピン13、14及び21、22を回動可能に係止する係止孔4及び係止孔29が設けられていることになる。また、垂線Lの図1中右方側に存在するキートップ1の裏面に形成された摺動係止部3及びホルダ部材25に形成された摺動係止部26には、それぞれ第2係止ピン23、24及び15、16を水平方向に摺動可能に係止する係止溝5及び係止溝28が設けられていることになる。
【0035】ホルダ部材25の下方には、スイッチ電極を含む所定の回路パターン(図示せず)が形成されたフレキシブル回路基板30が配設され、スイッチ電極に対応する位置にはスイッチング部材として逆カップ状のラバースプリング31が載置されている。このラバースプリング31は内部に公知の可動電極を有しており、また、その上面の中央部には前記した2つのリンク部材7、8を相互に回動可能に軸支する軸支部Aが対向配置される。
【0036】これより、キートップ1の押下に伴って軸支部Aが下方に移動すると、軸支部Aはラバースプリング31を押下しその押下量が一定の限度を超えるとラバースプリング31が挫屈し、ラバースプリング31内の可動電極によりスイッチ電極が短絡されるものである。
【0037】更に、フレキシブル回路基板30の下方にスイッチ支持板32が配設されており、かかるスイッチ支持板32は前記した各フレキシブル回路基板30、ラバースプリング31及びキートップ1を支持した案内支持部材6を支持する。
【0038】続いて、前記の構成を有するキースイッチ装置の動作について説明する。キートップ1を下方に押下すると、キートップ1が下方へ移動するに伴ってリンク部材7の第1係止ピン13、14は回動係止部2の係止孔4内で反時計方向に回動するとともに、リンク部材8の第2係止ピン23、24は摺動係止部3の係止溝5内で水平方向(図1中右方向)に摺動する。これと同時に、リンク部材8の第1係止ピン21、22はホルダ部材25における回動係止部27の係止孔29内で時計方向に回動するとともに、リンク部材7の第2係止ピン15、16は摺動係止部26の係止溝28内で水平方向(図1中右方向)に摺動する。
【0039】この結果、リンク部材7及び8を相互に軸支する軸支部Aは下方に移動するとともにラバースプリング31を徐々に押下していき、その押下量が一定の限度を超えた時点でラバースプリング31は挫屈される。これにより、ラバースプリング31内の可動電極がフレキシブル回路基板30上のスイッチ電極を短絡し所定のスイッチング動作が行われる。
【0040】キートップ1の押下を解除すると、両リンク部材7、8の軸支部Aはラバースプリング31の弾性復元力により上方に押し上げられる。これに伴って前記第1係止ピン13、14、21、22、及び前記第2係止ピン15、16、23、24は前記したのと逆の動作を行い、この結果、キートップ1は元の位置に復帰される。
【0041】ここに、第1係止ピン13、14、21、22は水平方向には移動されることなくそれぞれ係止孔4、29内で回動するのみであるので、キートップ1は水平方向に移動されることないため隣合ったキーとぶつかり合うことはなく、キートップ1のキー面の水平状態を保持したまま上下動されるものである。
【0042】前記ラバースプリング31は前述のように側面視略台形であり、その上底長さと下底の長さ及び高さに起因する側面の角度は、その所望キータッチに応じて決まる。そしてさらにこの台形部の高さ即ちラバースプリングの高さは、キーストロークに応じて決定され、高いほうが好まれる。しかし装置全体の厚さを鑑みれば、このラバースプリングはそれほど大きくすることができないことは自明である。
【0043】そこで本実施例にあっては、前述のように両リンク部材7、8を屈曲させることにより、軸支部A下に大きな空間を取り得るようにした。従って本実施例にあっては、両リンク部材を側面視略直線状とした特開昭60−62017号公報あるいは特開昭64−7441号公報記載の装置に本発明の構成を適用したものと比べ、より薄型で大きなキーストロークを得ることができる。
【0044】また、前述のように両リンク部材7、8の上基端部10、19の先端側の厚さを側面視において小さくしているため、キーストローク動作をその途中で妨げることなく、十分なストロークを確保できる。
【0045】以上詳細に説明した通り本実施例に係るキースイッチ装置は、2つのリンク部材7及び8を相互に軸支する軸支部Aをラバースプリング31に対応する位置に配設するとともに、かかる軸支部Aを介してラバースプリング31を押下するようにしたので、従来のキースイッチ装置のようにキーステムをキーホルダ部により案内する構成は全く不要とできるとともに、ラバースプリング31を押下するための特別の構成を必要としないキースイッチ装置を実現することができる。
【0046】これより、キーボードの薄型化に対応してキーストロークを大きくすることができ、よってキー操作性が良好でキー入力を確実に行い得るとともに、簡単な構造のキートップ1を使用してコストの低いキースイッチ装置を提供することができる。特に、本実施例に係るキースイッチ装置では、キーステムをキーホルダ部により案内する構成は全く不要とすることができるので、従来のキースイッチ装置のようにキーの押下時にキーステムとキーホルダ部間で摺動ノイズが全く生じることはないとともに、キーの操作面積を小さくしてキーの中央部を押下させるようにする必要性は全くなくなるものである。
【0047】また、本実施例に係るキースイッチ装置では、回動係止部2の係止孔4及び回動係止部27の係止孔29に係止される各第1係止ピン13、14、21、22はキートップ1の押下時にも、水平方向に移動することなく係止孔4、29内で回動するのみであるので、キートップ1が水平方向に移動されることはない。従って、隣接するキーとキーとで衝突することなく、この点からもキー操作性が良好でキー入力を確実に行い得るキースイッチ装置を提供することができるものである。
【0048】尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形、改良が可能である。例えば、本実施例におけるリンク部材7、8はパンタグラフ状に組み合わせた同種の部材によっても同様の効果を得られることは勿論である。
【0049】さらに、本実施例では、リンク部材7、8の軸支部Aによりラバースプリング31を押下するが、リンク部材7、8またはキートップ1に設けられた別部材によりラバースプリング31を押下しても同様の効果が得られることは勿論である。
【0050】次に、本発明の第2の構成を図4〜図15を参照して説明する。図4はキースイッチの側断面図を示し、キースイッチ101はキートップ102と、第1リンク104と第2リンク105とを側面視はさみ字状に配置した案内支持手段103と、該案内支持手段103にて押圧されるキャップ状のラバースプリング106と、前記案内支持手段103を支持するための合成樹脂製のホルダ部材107と、該ホルダ部材107の取付け孔107Aにスイッチング部129(図12及び図13参照)が臨むようにホルダ部材107の下面に張設するフレキシブル回路基板109と、その下面側に張設した補強板110とからなる。
【0051】図4および図12に示すように、ラバースプリング106は、フレキシブル回路基板109におけるスイッチング部(電気接点部)129(図13参照)の上方を覆うように、ホルダ部材107の取付け孔107A内に嵌挿配置する。本発明のラバースプリング106は、電気絶縁性のシリコーンゴム或いはEPDM(エチレンプロピレンジエンメチレン)等にて構成され、平面視略円板状の厚い頭部106Aと、該頭部の周囲から下向きに延びる截頭円錐状のドーム部と、該ドーム部の外周に略水平に半径外向きに延びる厚肉の鍔部とからなる下向き開放のキャップ状に一体成形する。キートップ102の押下時に、第1リンク104と第2リンク105との押圧部にて押圧されるラバースプリング106の頭部の下面には、前記スイッチング部129の接点部に当接して両スイッチング部を電気的にON・OFFするための導電性を有する導電ゴムからなる可動接点部130を固着する。なお、ラバースプリング106全体を、シリコーンゴムにカーボンブラック等の導電性粒子を分散充填させて導電性を備えるように形成しても良い。
【0052】ABS樹脂等の合成樹脂にて成形されたキートップ102は、その上面(表面)に数字、英字等の文字が刻印または印刷等により付されている。キートップ102の下面には、後述する第1リンク104における上基端部の第2係止ピン111A,111Bを略水平方向でキートップ102の前後方向に摺動可能に係止するための前後長手溝状の摺動係止部116と、第2リンク105における上基端部の第1係止ピン113A,113Bを回動のみ可能に係止するための孔状の回動係止部115とを一体的に備えた前後長手の左右一対の係止部材117を一体成形或いは接着剤等により接着する等して突設させる(図6参照)。
【0053】図7(A)(B)及び図8〜図10を参照して、ガラス繊維強化合成樹脂製等の合成樹脂製の第1リンク104及び第2リンク105を詳細に説明する。図7(A)は第1リンク104の平面図、図7(B)は第2リンク105の平面図である。第1リンク104は基部118と上下基端部119,120とにより平面視で実質上略H状に一体成形したもので、基部118の側面には、支持孔121を横向きに穿設し、下基端部120の左右両側端から延びるアーム部120A、120Bの側面には、各々第1係止ピン112A、112Bを横向きに突設し、上基端部119の側面には第2係止ピン111A、111Bを横向きに突設する。
【0054】第2リンク105も基部122と上下基端部123、124とにより平面視で実質上略H状に一体成形する。前記基部122の一側面には横向きに枢支軸125を突設し、該枢支軸125を前記第1リンク104における支持孔121に回動可能に嵌挿する。
【0055】第2リンク105における下基端部124の左右両側端から延びるアーム部124A、124Bの側面には、各々第2係止ピン114A、114Bを横向きに突設し、上基端部123の側面には第1係止ピン113A、113Bを横向きに突設する。
【0056】この実施例では側面視(図4、5、8、9、10、14)において、前記第1リンク104の第1係止ピン112A、112Bと支持孔121と第2係止ピン111A、111Bは一直線上に位置し、かつ、第1係止ピン112A、112Bから支持孔121までの距離と第2係止ピン111A、111Bから支持孔121までの距離とが等しくなるように構成される。また、前記第2リンク105の第1係止ピン113A、113Bと枢支軸125と第2係止ピン114A、114Bは一直線上に位置し、かつ、第1係止ピン113A、113Bから枢支軸125までの距離と第2係止ピン114A、114Bから枢支軸125までの距離とが等しくなるように構成される。このように構成すると、後述のように、第1リンク104の下基端部の第1係止ピン112A、112Bを中心にして案内支持手段103が回動変位することにより、キートップ102はホルダ部材107の上面に対して平行状態を保ったまま昇降動することができる。
【0057】また、前記第1リンク104の基部118及び第2リンク105の基部122の下面には、下向き凸多角形状の押圧部131、132をそれぞれ形成してあり、この両押圧部131、132で ラバースプリング106の頭部106A上面を押圧することになる。
【0058】図4及び図8〜図10の実施例では、第1リンク104における押圧部131と第2リンク105における押圧部132とは、各基部118、122下面の略中央部で鈍角状に屈曲させてつながる2つの平面部131A、131B及び平面部132A、132Bからなる。
【0059】そして、平面部131A、131B、支持孔121の位置関係と、平面部132A、132B、枢支軸125の位置関係とは同一(但し、左右逆関係)となる。
【0060】図12及び図13はガラス繊維強化合成樹脂製等の合成樹脂製のホルダ部材107の一部を示す図で、該ホルダ部材107には前記キャップ状のラバースプリング106下端の鍔部が位置ずれ不能に嵌挿できる略矩形状の取付け孔107Aを穿設し、該取付け孔107Aの左右両側縁には、左右一対の回動係止部127と、前後長手溝状の摺動係止部128とを、その各係止部127,128が下方に開放するように一体的に射出形成されている。そして、この回動係止部127に対しては、第1リンク104における下基端部の第1係止ピン112A、112Bを下側から回動可能に嵌挿し、摺動係止部128に対しては第2リンク105における下基端部の第2係止ピン114A、114Bを下側から前後摺動するように嵌挿したのち、ホルダ部材107の下面にフレキシブル回路基板109を張設固着する。
【0061】図11に示すように、キートップ102の図11における左右方向の動きは、第1リンク104及び第2リンク105の第2係止ピン111A、111B、114A、114Bの左右方向の動きがキートップ102及びホルダ部材107の摺動係止部116、128の側面により係止されることにより、又は、第1リンク104及び第2リンク105の第1係止ピン113A、113B、112A、112Bの左右方向の動きがキートップ102及びホルダ部材107の回動係止部115、127の側面により係止されることにより、抑制される。よって、キートップ102は図11における左右方向にその位置が移動することがないため、キートップ102の押下時においても隣合ったキーと衝突することがない。
【0062】またこのように両リンク104、105の図11における左右方向の動きが抑制されるため、支持孔121から枢支軸125が抜けでることが防止される。
【0063】次に、図17に案内支持手段103の構成を図解する。図17(A)は図4を図解したものである。第1リンク104と第2リンク105は枢支軸125により軸支部Cで軸支される。ここで、第2リンク105の第1係止ピン113A、113B(図17(A)の端部P)から軸支部Cまでの距離R1と、第1リンク104の第1係止ピン112A、112B(図17(A)の端部S)から軸支部Cまでの距離R2と、第2リンク105の第2係止ピン114A、114B(図17R>7(A)の端部T)から軸支部Cまでの距離R3とは等しくなるように構成される。端部Pと軸支部Cと端部Tは一直線上の点となるように構成される。また、端部P、Sは図17(A)における矢印X方向に摺動しない回動可能な点であり、端部Pは側面視(図17(A))端部Sの垂線上の点であるように構成される。このため、キートップ102が押下されて上下動した場合にも、キートップ102の位置が矢印X方向に移動することはなく、正確なキーストロークが確保される(図17(C)X行記載)。
【0064】また、かかる構成に加えて、各端部P、Q、S、Tから軸支部Cまでの距離R1、R2、R3、R4がすべて等しく、かつ、端部Qと軸支部Cと端部Sが一直線上の点となるように構成される場合には、キートップ102はキー押下に伴う上下動の間つねに水平状態を保つことができる(図17(C)H行記載)。
【0065】ところで、図18に示すように、端部Qから軸支部Cまでの距離R4を他の端部P、S、Tから軸支部Cまでの距離R1、R2、R3に対して長くすると、キートップ102を傾斜させた構成とすることができる。この構成においても、キートップ102が押下され上下動した場合にも、キートップ102の位置が矢印X方向に移動することはなく、正確なキーストロークが確保される。
【0066】また、この構成によれば、キートップ102の傾斜角度は端部Qから軸支部Cまでの距離をかえることにより任意に決定できる。このため、各列毎の第1リンク104の端部Qから軸支部Cまでの距離を変化させることにより、カーブドキーボード等において各列毎にキートップ102の傾きに異なった傾斜角度をつけることも容易となる。
【0067】なお、端部Qから軸支部Cまでの距離R4を他の端部P、S、Tから軸支部Cまでの距離R1、R2、R3に対して短くしても、同様に、キートップ102を傾斜させた構成とすることができることは勿論である。
【0068】図17(B)は図12を図解したものである。この図を用いて、図17(B)における矢印Y方向および矢印R方向のキートップ102の位置の移動が生じないことを説明する。
【0069】両リンク104、105の第1係止ピン112A、112B、113A、113Bの矢印Y方向の移動がキートップ102及びホルダ部材107の回動係止部115、127の側面により係止されるため、または、両リンク104、105の第2係止ピン111A、111B、114A、114Bの矢印Y方向の移動がキートップ102及びホルダ部材107の摺動係止部116、128の側面により係止されるため、キートップ102の矢印Y方向の移動は抑制される(図17(C)Y行記載)。このため、キートップ102が押下されて上下動した場合にも、キートップ102の位置が矢印Y方向に移動することはなく、正確なキーストロークが確保される(図17(C)Y行記載)。
【0070】また、各係止ピン111A、111B、112A、112B、113A、113B、114A、114Bが各係止部115、116、127、128により係止されることで、キートップ102の矢印R方向の移動は抑制される(図17(C)R行記載)。
【0071】この構成により、キートップ102の押下時に、ホルダ部材107の回動係止部127の箇所を中心として第1リンク104が下向き回動(図4において右回り回動)する一方、第2リンク105は枢支軸125の箇所を中心にして図4において左回り回動する。そうすると、キートップ102の押下の開始時点では、第1リンク104における下基端部120に近い位置の基部118下面の平面部131Aと、第2リンク105における下基端部124に近い位置の基部122下面の平面部132Aとがラバースプリング106の頭部106A上面のうち、図12に斜線で示す押圧領域133、134に当接し押圧している。
【0072】キートップ102の押下量が増大すると、前記平面部131A、131B間及び132A、132Bの間の角部近傍の領域が柔らかなラバースプリングの頭部106Aの上面に当接する状態となる。
【0073】さらに、キートップ102の押下量が増大すると、第1リンク104における上基端部119に近い側の平面部131Bと第2リンク105における上基端部123に近い側の平面部132Bとがラバースプリング106の頭部106A上面に当接して押圧することになり、前記図12で押圧領域133、134は上下逆転した位置(領域133は頭部106Aの右下半分の区域、領域134は頭部106Aの左上半分の区域)となる。
【0074】本発明の第3の構成を図14を参照して説明する。この実施例では、第1リンク204の基部218下面に形成した押圧部231は、3つの平面部を支持孔221の軸線と略平行な稜線を持つ凸多角形状に連設した形状に形成したものであり、図示しないが第2リンク205にも同様の多平面からなる押圧部232を形成するのである。この実施例では、図15(A)に示すように、キートップ102の押下開始時における第1リンク204による押圧領域233と、第2リンク205による押圧領域234とは、ラバースプリングの頭部106A上面の下半分と上半分との箇所で互いに左右に大きく隔たった位置にあるが、キートップ102の押下量の増大につれて、両押圧領域233、234は左右端から中央へと接近し(図15(B)参照)、さらに左右の端の方へと分かれていく(図15(C)参照)。
【0075】このようにして、第1リンク204及び第2リンク205におけるそれぞれの押圧部231,232を下向き凸き状の凸多角形平面に形成することにより、ラバースプリングの頭部106A上面を各平面部の角部で押圧する期間が短くなり、キーの操作感、特にタクティル(キートップの押下時の電気接点ON手前からON時にキー作動抵抗力が急激に変動する触覚の感じ)が良好となり、キーによる入力操作を安定させることができるのである。
【0076】また、キートップ102の押圧入力操作に従って、前記頭部106A上面に対する押圧(当接)領域が互いに反対側に向かって対称的に移動するので、キートップのストーローク中のどの時点においても、ラバースプリングの頭部106Aを図12中の上下(図15の左右)に対して略対称な力で略均一に押圧できることになり、ラバースプリングの座屈変形がキャップの周囲で略同時に発生させることができる。なお、スイッチング部129を形成するフレキシブル回路基板109に代えてメンブレンスイッチ回路板等の基板であっても良い。
【0077】また、前記実施例では、各平面部間を角部としたが、緩やかな曲面で各平面部を連接するようにしても良い。
【0078】ところで、図16にキートップを押下した場合の荷重とストローク量の関係を示す。図16(B)は従来のキースイッチ装置のデータを示すグラフである。これによると、操作者がキートップの中央■を押下した場合に比べキートップの端の部分■、■、■、■を押下した場合は、操作者のうける荷重はより大きく、かつ、不安定となることがわかる。
【0079】一方、図16(A)は本発明のキースイッチ装置のデータを示すグラフである。これによると、操作者がキートップのどの部分■、■、■、■、■を押下した場合にも操作者のうける荷重はほぼ均一であることがわかる。このことは、本発明のキースイッチ装置は、操作者のあらゆるキー操作に対して常に一定の感触を操作者に与えるものであり、操作者のスムースなキー入力を可能とするものであることを示している。
【0080】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、キーステムをホルダ部により摺動案内する構成を不要とすることにより、キーボードの小型化、薄型化に対応しつつキーストロークを大きくすることができ、もって簡単な構成によりキー入力の操作性が良好であるとともに確実なキー入力を可能とするキースイッチ装置を提供することができ、その産業上奏する効果は大である。
【0081】また、キートップをホルダ部材に対して上下動案内支持するための側面視はさみ状に交叉連結させた第1リンクまたは第2リンクの交叉部近傍下面等の押圧部にて、ラバースプリングの頭部を押下するとき、その押圧部の形状を平面状に形成したことで、ラバースプリングの頭部上面との当接面積を広くすることができる。また前記押圧部を下向きの凸多角形となる多数の平面部に形成すると、隣接する2つの平面部間のなす角度が180度に近い鈍角となり、キートップのストローク(リンクの回動中)のどの時点でも、前記各平面部が柔らかなラバースプリングの頭部上面と馴染んで広い領域で押圧することができ、スイッチング部の操作を安定させると共にキーの入力操作感を良好にできるという、優れた効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の構成のキースイッチ装置の側断面図である。
【図2】第1の構成の一方のリンク部材の平面図である。
【図3】第1の構成の他方のリンク部材の平面図である。
【図4】第2の構成のキースイッチ装置の側断面図である。
【図5】第2の構成のキートップの押下状態を示す側断面図である。
【図6】キートップの下面図である。
【図7】(A)は第2の構成の第1リンクの平面図、(B)は第2の構成の第2リンクの平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】図7のIX−IX矢視断面図である。
【図10】図7のX−X矢視断面図である。
【図11】図4のXI−XI矢視断面図である。
【図12】ラバースプリング及び取付け孔の平面図である。
【図13】ホルダ部材の取付け孔部の斜視図である。
【図14】第3の構成の第1リンクの押圧部を示す側面図である。
【図15】(A)、(B)、(C)は、第3の構成のキートップの押下開始から増大するにつれての押圧領域の変化を示す作用説明図である。
【図16】(A)は本発明におけるキースイッチ装置のキー押下時における荷重とキーストローク量の関係を示すグラフであり、(B)は従来のキースイッチ装置のキー押下時における荷重とキーストローク量の関係を示すグラフである。
【図17】(A)は図4を図解したものであり、(B)は図12を図解したものであり、(C)はキー押下時にキートップが図中矢印方向に移動することがないための条件を示した表である。
【図18】本発明の別の実施例を図解したものである。
【符号の説明】
1 キートップ
2、27 回動係止部
3、26 摺動係止部
4、29 係止孔
5、28 係止溝
6 案内支持部材
7、8 リンク部材
13、14、21、22 第1係止ピン
15、16、23、24 第2係止ピン
25 ホルダ部材
30 フレキシブル回路基板
31 ラバースプリング
A 軸支部
L 垂線
101 キースイッチ
102 キートップ
103 案内支持手段
104 第1リンク
105 第2リンク
106 ラバースプリング
107 ホルダ部材
107A 取付け孔
109 フレキシブル回路基板
110 補強板
112A、112B、113A、113B 第1係止ピン
111A、111B、114A、114B 第2係止ピン
115、127 回動係止部
116、128 摺動係止部
118、122 基部
121 支持孔
125 枢支軸
131、132 押圧部
133、134 押圧領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】 裏面から2つの第1係止部が垂設されたキートップと、そのキートップの下方に配設されるとともに前記キートップに垂設された各第1係止部に対応して2つの第2係止部が形成されたホルダ部材と、前記キートップの第1係止部及び前記ホルダ部材の第2係止部のそれぞれに連結されるとともにキートップの上下動を案内支持する案内支持部材と、前記キートップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うスイッチング部材とを有するキースイッチ装置において、前記案内支持部材は両端に係止ピンが形成された2つのリンク部材を軸支部にて相互に回動可能となるように交叉状に軸支してなるとともに各係止ピンは前記第1及び第2係止部に可動状態で係止され、前記軸支部の中心を通る垂線を基準として、一方の側に存在する前記各第1及び第2係止部は前記各リンク部材の各係止ピンを回動可能に係止する係止孔からなるとともに、他方の側に存在する前記各第1及び第2係止部は前記各リンク部材の各係止ピンを摺動可能に係止する摺動溝からなることを特徴とするキースイッチ装置。
【請求項2】 前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線と、前記軸支部の中心線と、前記ホルダ部材に摺動可能に係止される前記係止ピンの中心線は、側面視一直線上に配置され、前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離と、前記ホルダ部材に摺動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離と、前記ホルダ部材に回動可能に係止される前記係止ピンの中心線から前記軸支部の中心線までの距離がそれぞれ等しく、前記キートップに回動可能に係止される前記係止ピンの中心線は、前記ホルダ部材に回動可能に係止される前記係止ピンの側面視垂線上に位置する前記各リンク部材からなることを特徴とする請求項1記載のキースイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図7】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図18】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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