説明

クエリ詳細化のためのシステムおよび方法

【課題】複数語ユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強する。
【解決手段】初期検索結果の妥当性を評価するための検索エンジン内の結果評価メカニズムを実装する。初期検索結果が結果評価メカニズムによって不十分であると見なされた場合に、サブクエリなどの少なくとも1つの代替クエリを作成し、作成された代替クエリのリストを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザクエリを詳細化するための技法に関し、具体的には十分な検索結果をユーザに提供するための技法に係る。
【背景技術】
【0002】
インターネットおよび他のネットワークを通じ、ユーザは多数のコンピュータを介して配信される大量の情報にアクセスすることができる。大量の情報にアクセスするため、ユーザは通常、ユーザブラウザを実装して検索エンジンにアクセスする。検索エンジンは、インターネットまたは他のネットワーク上で利用可能な情報の1つまたは複数のソースを返すことによって、入力されたユーザクエリに応答する。
【0003】
現在、検索エンジンを実装する場合、ユーザは1つまたは複数のキーワードを入力して一連の結果を受け取る。ユーザによって入力された特定の用語に応じて、検索エンジンは多数の結果を生成する。場合によっては、ユーザが選択した用語は、検索エンジンが所望の情報を見つけられるように導かないこともある。特に、多量の情報を含んでいることの多い複数語クエリをユーザが入力した場合、ユーザは検索エンジンによって生成された不満足な結果またはごくわずかな結果にがっかりすることが多い。
【0004】
作動中、検索エンジンは通常、複数のWebサイトにアクセスするためにクローラを実装し、これらのWebサイトへの参照を索引に格納する。索引内の参照は、1つまたは複数のキーワードに基づいてカテゴリー化することができる。検索エンジンはさらに、一部の結果をキャッシュに格納することもできる。
【0005】
ユーザクエリに応答する場合、検索エンジンは最初に、入力されたクエリ用語を見つけるために索引を順番にトラバースする。しかし、多くの場合、索引内の用語は入力されたクエリ用語に対応していない。所望する情報は、同義語に基づいて索引付けされることも、またはキーワードの代替組合せであることもある。したがって、所望する検索結果を受け取るために、ユーザは試行錯誤の技法を実装して、許容可能な結果または任意の結果を受け取るまで用語を複数回入力することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の検索エンジンが索引で見つけられないユーザ入力クエリ用語を受信すると、これらの既存の検索エンジンは通常結果を提供することができない。一部の既存の検索エンジンは、スペリングの修正を試みて、検索を再実行する。しかし、ユーザが入力した用語の変種を検索したい場合、ユーザは通常異なる入力用語で検索を繰り返す必要がある。
【0007】
したがって、返された検索結果の量または質に基づいて入力クエリを自律的に拡大することにより、十分な結果の提供を保証する複数語検索クエリを処理するためのソリューションが必要となる。好ましくは、そのようなソリューションは、最大の適合結果数が取得されることを保証する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、複数語のユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するための方法を目的としている。方法は、初期検索結果の妥当性を評価するための検索エンジン内の結果評価メカニズムを実装するステップを含んでいる。方法はさらに、初期検索結果が結果評価メカニズムによって不十分であると見なされた場合に少なくとも1つの代替クエリを作成するステップと、初期検索結果を含む結果情報および作成された代替クエリのリストを表示するステップとを含んでいる。
【0009】
追加の実施形態は、複数語ユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するための方法を目的としている。実施形態は、複数語ユーザクエリを複数のサブクエリに解析するステップと、サブクエリ結果の数量またはサブクエリ結果の適合性、または数量および適合性の組合せのいずれかを判定することにより複数サブクエリの妥当性を判定するステップとを含んでいる。方法は、初期検索結果、サブクエリ、および判定されたサブクエリ妥当性を表示するステップをさらに含んでいる。
【0010】
さらにもう1つの実施形態において、複数語のユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するためのシステムを提供することができる。システムは、初期検索結果の妥当性を評価するための検索エンジン内に結果評価メカニズムを含むことができる。システムはさらに、初期検索結果が結果評価メカニズムによって不十分であると評価された場合に代替クエリを作成するための代替クエリ判定メカニズムを含むことができる。システムは、初期検索結果と共に表示する代替クエリを出力するための結果出力コンポーネントをさらに含むことができる。
【0011】
本発明は、付属の図を参照して以下で詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
I.システムの概要
図1は、本発明の1つの実施形態によるシステムの概要を示すブロック図である。ユーザブラウザ12を含むユーザコンピュータ10は、ネットワーク20を介して検索エンジン200と接続することができる。検索エンジン200は、例えばWebクローラ210、索引220、およびキャッシュ230を含むことができる。検索エンジン200は、簡略にするために説明で省略されている他の標準コンポーネントを含むことができる。検索エンジン200は、クエリ詳細化コンポーネント300も含むことができる。クエリ詳細化コンポーネント300は、検索エンジン200が十分な結果を生成できない場合に、ユーザコンピュータ10およびユーザブラウザ12からユーザクエリを詳細化することができる。通常、検索エンジン200は、Webサイト30などのWebクローラ210によってトラバースされるWebサイトに基づいて索引220を保持する。
【0013】
本発明の実施形態は、検索エンジンが十分な結果を生成できない場合に直面する行き詰まりの状態を回避するために、ユーザクエリを詳細化する方法およびシステムを含んでいる。結果は、数が少ないか、または適合性が低いために不十分となる場合がある。動作中、システムおよび方法の実施形態は、結果が不十分であると判定し、入力クエリを拡張するためにユーザに提案を行うことができる。不十分な結果は、クリックスルーレートなどの既知の技法を通じて判定するか、または代替としてしきい数値に基づいて判定することができる。
【0014】
結果が不十分であると見なされた場合、クエリ詳細化コンポーネント300は、複数語クエリをサブクエリに分割することができる。各サブクエリの結果が返されると、クエリ詳細化コンポーネント300は、サブクエリの最上位結果および結果数の適合性を取り込むことができる。最後に、検索エンジン200は、必要な結果数を持つか、または必要なしきい値適合性を備えるすべての結果セットを出力することができる。
【0015】
II.模範的なオペレーティング環境
図2は、システムおよび方法のクエリ詳細化を実装できる適切なコンピューティングシステム環境100の実施例を示している。コンピューティングシステム環境100は、適切なコンピューティング環境の一例に過ぎず、本発明の使用の範囲または機能にいかなる制限を提案することも意図するものではない。さらに、コンピューティング環境100は、模範的なオペレーティング環境100に示された1つのコンポーネントまたはその組合せに関して依存関係または要件を有するものと解釈すべきではない。
【0016】
本発明は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールなど、コンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストに即して説明される。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。さらに、本発明が、ハンドヘルド機器、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなど、他のコンピュータシステムの構成により実施できることを当業者は理解するであろう。本発明はさらに、タスクが通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理装置によって実行される分散コンピューティング環境においても実施することができる。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよびリモートのコンピュータストレージ媒体に配置される。
【0017】
図2を参照すると、本発明を実装する模範的なシステム100は、処理装置120、システムメモリ130、およびシステムメモリを含む様々なシステムコンポーネントを処理装置120に接続するシステムバス121を含むコンピュータ110の形をとる汎用コンピューティング装置を含んでいる。
【0018】
コンピュータ110は通常、各種のコンピュータ可読媒体を含んでいる。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を備えることができるが、これらに限定されることはない。システムメモリ130は、読み取り専用メモリ(ROM)131およびランダムアクセスメモリ(RAM)132のような揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリの形態でコンピュータ記憶媒体を含んでいる。起動時などにコンピュータ110内の構成要素間の情報の転送を助ける基本ルーチンを含むBIOS(基本入出力システム)133は通常、ROM131に格納される。RAM132は通常、処理装置120によって即時アクセス可能および/または現在操作中のデータおよび/またはプログラムモジュールを含んでいる。限定的ではなく例示的に、図2では、オペレーティングシステム134、アプリケーションプログラム135、その他のプログラムモジュール136、およびプログラムデータ137を示している。
【0019】
コンピュータ110は、他の取り外し可能/固定、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含めることもできる。例示的に、図2では、固定の不揮発性磁気媒体との間の読み取りまたは書き込みを行うハードディスクドライブ141、取り外し可能の不揮発性磁気ディスク152との間の読み取りまたは書き込みを行う磁気ディスクドライブ151、およびCD−ROMその他の光媒体などの取り外し可能の不揮発性光ディスク156との間の読み取りまたは書き込みを行う光ディスクドライブ155を示している。模範的なオペレーティング環境において使用することができる他の取り外し可能/固定、揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体は、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、DVD(デジタル多用途ディスク)、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどを含むが、これらに限定されることはない。ハードディスクドライブ141は通常、インターフェース140などの固定メモリインターフェースを通じてシステムバス121に接続され、磁気ディスクドライブ151および光ディスクドライブ155は通常、インターフェース150などの取り外し可能メモリインターフェースによってシステムバス121に接続される。
【0020】
図2に示されている前述のドライブおよびその関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ110のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびその他のデータのストレージを提供する。例えば、図2において、ハードディスクドライブ141は、オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム145、その他のプログラムモジュール146、およびプログラムデータ147を格納するように示されている。これらのコンポーネントは、オペレーティングシステム134、アプリケーションプログラム135、その他のプログラムモジュール136、およびプログラムデータ137と同じにすることも、または異なるものにすることもできることに留意されたい。オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム145、その他のプログラムモジュール146、およびプログラムデータ147は、少なくともそれらが異なるコピーであることを示すために本明細書において異なる番号を付けてある。ユーザは、キーボード162および一般にマウス、トラックボールまたはタッチパッドと呼ばれるポインティングデバイス161などの入力装置を介してコンピュータ110にコマンドおよび情報を入力することができる。他の入力装置(図示せず)としては、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送用パラボラアンテナ、スキャナなどを含むことができる。上記およびその他の入力装置は、システムバスに接続されているユーザ入力インターフェース160を介して処理装置120に接続されることが多いが、パラレルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)など他のインターフェースおよびバス構造によって接続することもできる。モニタ191またはその他の種類の表示装置も、ビデオインターフェース190などのインターフェースを介してシステムバス121に接続することができる。モニタに加えて、コンピュータは、出力周辺インターフェース195を介して接続できるスピーカ197およびプリンタ196などの他の周辺出力装置を含むこともできる。
【0021】
本発明においてコンピュータ110は、リモートコンピュータ180など、1つまたは複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化された環境において動作する。リモートコンピュータ180は、パーソナルコンピュータであってもよく、通常は上記でコンピュータ110に関連して説明されている要素の多くまたはすべてを含んでいるが、図2においては記憶装置181のみが示されている。図2に示されている論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)171およびワイドエリアネットワーク(WAN)173を含んでいるが、他のネットワークを含むこともできる。
【0022】
LANネットワーク環境に使用される場合、コンピュータ110はネットワークインターフェースまたはアダプタ170を介してLAN171に接続される。WANネットワーク環境に使用される場合、コンピュータ110は通常、モデム172またはインターネットなどのWAN173にわたる通信を確立するための他の手段を含んでいる。モデム172は、内蔵または外付けであってもよく、ユーザ入力インターフェース160または他の適切なメカニズムを介してシステムバス121に接続することができる。ネットワーク化された環境において、コンピュータ110に関連して示されるプログラムモジュール、またはその部分は、リモート記憶装置に格納することもできる。限定的ではなく例示的に、図2では、リモートアプリケーションプログラム185をメモリ素子181に常駐するものとして示している。示されているネットワーク接続が模範的なものであり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段も使用できることを理解されたい。
【0023】
コンピュータ110の多くの他の内部コンポーネントは示されていないが、そのようなコンポーネントおよび内部接続は周知のものであることを当業者は理解するであろう。したがって、コンピュータ110の内部構造に関する追加の詳細は、本発明に関連して開示する必要はない。
【0024】
III.本発明のシステムおよび方法
前述のように、図1は、本発明の1つの実施形態によるシステムの概要を示すブロック図である。ユーザブラウザ12を含むユーザコンピュータ10などのユーザコンピュータは、ネットワーク20を介して検索エンジン200と接続することができる。ネットワーク20は、インターネットでもよく、代替として図2を参照して上記で説明されている任意のタイプのネットワークであってもよい。
【0025】
検索エンジン200は、Webクローラ210、Web索引220、およびキャッシュ230を含むことができる。Webクローラは通常、定期的にWebサイト30をトラバースし、ユーザ入力クエリに応答して結果に容易にアクセスするために、索引220でWebサイト30を索引付けする。クエリ詳細化コンポーネント300は、検索エンジン200がユーザクエリに応答して十分な結果を生成できない場合に、ユーザコンピュータ10およびユーザブラウザ12からユーザクエリを評価および詳細化することができる。通常、結果を生成する場合、検索エンジン200は、Webサイト30などのトラバースされたWebサイトの索引を保持する。作成された索引220は、トラバースされたサイト30に表示されるキーワードを基にすることができる。
【0026】
図3は、本発明の1つの実施形態によるクエリ詳細化コンポーネント300をさらに詳細に示している。クエリ詳細化コンポーネント300は、結果評価メカニズム310、サブクエリ判定メカニズム320、サブクエリ検索メカニズム330、および結果出力クエリ詳細化コンポーネント340を含むことができる。結果評価メカニズム310の1つの実施形態が、さらに図4に示されている。結果評価メカニズム310は、適合性判定コンポーネント312および調整可能しきい値インジケータ314を含むことができる。適合性判定コンポーネント312は、ユーザ入力クエリに対して取り出された結果が適切であるかどうか、および/または生成された結果の数が十分であるかどうかを判定することができる。適合性判定コンポーネント312は、この判定を行うために調整可能しきい値インジケータ314にアクセスすることができる。例えば、調整可能しきい値インジケータ314は、10の結果など、あらかじめ設定されている結果のしきい値数、および/または適合性インジケータまたはスコアのあらかじめ設定されたしきい値を格納することができる。適合性判定コンポーネント312は、クリックスルーレートなどの追跡可能適合率に基づいて適合性を評価することができる。ユーザ動作パターンに基づいて適合性を判定する関連技法は存在する。適合性判定コンポーネント312は、適合性を判定するために任意の既知の技法を実装することができる。
【0027】
ユーザ入力クエリがあらかじめ決められたしきい値を満たす結果を生成しない場合、結果評価メカニズム310は入力クエリからサブクエリを作成するようにサブクエリ判定メカニズムに通知することができる。サブクエリ判定メカニズム320は、ユーザ入力クエリを個々のサブクエリに解析する。次に、サブクエリ検索メカニズムは索引220を検索するか、または一致する結果を探して索引220を検索するよう検索エンジン200を促す。生成された結果は、ユーザコンピュータ10への出力のために結果出力コンポーネント340に転送される前に、結果評価メカニズム310によって再び評価することができる。
【0028】
サブクエリ判定メカニズム320は、同義語を提供するためにシソーラスを実装することによりその代替サブクエリをさらに補足することができる。多くの場合、ユーザによって入力された用語は代替の同義語で索引付けすることができる。したがって、サブクエリ判定評価メカニズム320内にシソーラスを提供することで、結果の適合性を高めることができる。
【0029】
結果評価メカニズム310は、各サブクエリの結果を受け取ると、例えば上位3つの結果など、最上位の結果の適合性を取り込み、さらにクエリに対する結果の数をカウントすることができる。結果出力コンポーネント340はその後、表示される結果の数と共に検索された全サブクエリを表示するか、または代替としてあらかじめ設定されているしきい値よりも高い適合性索引を持つクエリを表示することもできる。
【0030】
例として、入力クエリが「mini blue ipod」であり、結果評価メカニズム310がこの複数語クエリから生成された結果は不十分であると判定した場合、クエリ詳細化コンポーネント300は、サブクエリ判定メカニズム320、サブクエリ検索メカニズム330、および結果出力コンポーネント340を通じて、受け取った結果の数と共に代替のクエリをUIに出力することができる。例えば、「blue mini ipod」のユーザクエリに応答して、結果出力コンポーネント340は以下のように出力することができる。
【0031】
"You can also try "blue ipod" -50k results or "Mini Ipod" -15k results"
in addition to the results for the input query "blue mini ipod".
【0032】
この例は、代替サブクエリ、および各々の代替サブクエリによって生成される結果の数を示している。サブクエリ判定メカニズム320は、ユーザ入力クエリ「blue mini ipod」を「blue ipod」および「mini ipod」に解析する。サブクエリ判定メカニズム320は「blue mini」という語句を選択しなかったが、2つの形容詞から成るこの語句の結果の適合性が、各々名詞および形容詞を含む前述の2つの語句の適合性よりもはるかに低い可能性があるからである。
【0033】
代替として、結果出力コンポーネント340は、結果の数ではなく適合性スコアを伴うか、または適合性スコアおよび結果の数の両方を伴う代替のサブクエリを生成することもできる。上記で提案されているように、サブクエリ検索および提案をトリガーする値は、構成可能であるか、または調整可能であってもよい。これらの値は、検索エンジンによって選択することができ、調整可能しきい値インジケータ314で設定することができる。代替実施例において、検索エンジン200は、ユーザがしきい値を積極的に調整できるようにすることができる。システム負荷の高い状況下では、クエリ詳細化コンポーネント300は手動または自動で非活性化することができる。非活性化のオプションは、クエリ詳細化コンポーネント300の使用により検索エンジンユーザにとって許容できない待機時間が生じることのないように防ぐ。
【0034】
検索エンジン200は、様々な提供されている選択肢をどれほど多くの人々がクリックするかを判定し、クリック数および適合性のレベルに基づいてしきい値を調整することができる。ユーザがより高いスコアを持つ項目または結果しかクリックしない場合、システムはクリックに基づいてしきい値をリセットすることができる。したがって、選択された技法によって判定された適合性は、オプションの表示をトリガーする。
【0035】
前述のコンポーネントは、多くの状況において利用することができる。模範的な状況において、クエリ詳細化コンポーネント300は、オンラインショッピング環境で使用することができる。例えば、ユーザが、「Digital Camera, Price<$200, manufacturer = cannon」のようなクエリを入力したとする。このクエリが不十分な結果セットを返す場合、クエリ詳細化コンポーネント300は、例えば200から250ドルのCannon製カメラまたは他の会社が製造した200ドル未満のカメラを含めるようにクエリを拡張するために実装することができる。サブクエリ判定メカニズム320は、どの基準を緩めるかを判定するためにシステムを実装することができる。場合によっては、価格を緩和することにより、より多くの結果および高い適合性スコアを持つ結果をもたらすことができる。他の状況において、ブランドまたは他の基準は、緩和に適切な基準にすることもできる。
【0036】
図5は、本発明の1つの実施形態によるクエリ詳細化の方法を示す流れ図である。方法はステップ500において開始し、検索エンジン200はステップ502において入力ユーザ複数語クエリを受け取って処理する。ステップ504において、クエリ詳細化コンポーネント300は、処理ステップの結果を評価する。ステップ506において結果が十分であると見なされる場合、ステップ508において検索エンジン200は結果を表示する。前述のように、生成された数量、質、または数量および質の組合せに基づいて妥当性を判定することができる。
【0037】
ステップ506において結果が十分ではないと見なされる場合、クエリ詳細化コンポーネント300は、ステップ510においてクエリをサブクエリに分割する。ステップ512において、クエリ詳細化コンポーネント300は、サブクエリを処理する。ステップ514において、クエリ詳細化コンポーネント300は、サブクエリ処理の結果を評価して適切な結果を選択する。ステップ516において、検索エンジン200は選択されたすべての結果を表示し、ステップ518においてプロセスは終了する。
【0038】
本明細書において本発明の特定の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明の範囲および意図を逸脱することなく様々な変更および修正を加えることができることを理解されたい。本明細書において説明されている実施形態は、あらゆる点で限定的ではなく例示的であることが意図されている。本発明がその範囲を逸脱することなく関連する代替実施例が、当業者には明らかとなろう。
【0039】
以上の説明から、本発明が、システムおよび方法に明白および特有である他の利点と併せて、これまで述べてきたすべての目的および対象を達成するために十分に適応されたものであることが理解されよう。特定の特徴およびサブコンビネーションが有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照することなく採用できることが理解されよう。このことは考慮され、付属の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の1つの実施形態によるシステムの概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を実装することができるコンピュータ化された環境を示すブロック図である。
【図3】本発明の1つの実施形態によるクエリ詳細化コンポーネントを示すブロック図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による結果評価メカニズムを示すブロック図である。
【図5】本発明の1つの実施形態によるユーザクエリを詳細化するための方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0041】
130 システムメモリ
134 オペレーティングシステム
135 アプリケーションプログラム
136 他のプログラムモジュール
137 プログラムデータ
120 処理装置
190 ビデオインターフェース
195 出力周辺インターフェース
191 モニタ
196 プリンタ
197 スピーカ
121 システムバス
140 固定式不揮発性メモリインターフェース
150 取り外し可能不揮発性メモリインターフェース
160 ユーザ入力インターフェース
170 ネットワークインターフェース
171 ローカルエリアネットワーク
173 ワイドエリアネットワーク
172 モデム
180 リモートコンピュータ
162 キーボード
161 マウス
185 リモートアプリケーションプログラム
144 オペレーティングシステム
145 アプリケーションプログラム
146 他のプログラムモジュール
147 プログラムデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数語ユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するための方法であって、
前記初期検索結果の妥当性を評価するための前記検索エンジン内の結果評価メカニズムを実装するステップと、
前記初期検索結果が前記結果評価メカニズムによって不十分であると見なされた場合に少なくとも1つの代替クエリを作成するステップと、
前記初期検索結果を含む結果情報および作成された代替クエリのリストを表示するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記結果評価メカニズムを実装するステップは前記初期結果の数量および適合性のうちの少なくとも1つの評価を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの代替クエリを作成するステップは複数語ユーザクエリから少なくとも1つのサブクエリを作成するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のサブクエリを作成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
サブクエリ結果の数量および適合性のうちの少なくとも1つを判定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サブクエリ結果の前記数量および前記適合性のうちの少なくとも1つを表示するステップをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記初期検索結果が適合性および数量しきい値のうちの1つを下回る場合、少なくとも1つのクエリを作成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの代替クエリの作成をトリガーするための調整可能しきい値を提供するステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用頻度の高い期間中に代替クエリの作成を除外するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数語のユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するための方法であって、
複数語ユーザクエリを複数のサブクエリに解析するステップと、
サブクエリ結果の数およびサブクエリ結果の適合性のうちの1つを判定することにより前記複数のサブクエリの妥当性を判定するステップと、
初期検索結果を表示するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記サブクエリおよび前記サブクエリの前記判定された妥当性を表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
あらかじめ選択されたしきい値を超える判定妥当性値を持つサブクエリのみを表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記初期検索結果の数量および適合性のうちの1つを評価することにより前記初期検索結果の前記妥当性を評価するステップをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記初期検索結果が適合性および数量しきい値のうちの1つを下回る場合、複数語クエリを解析するステップをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記サブクエリ結果の前記数量および前記適合性のうちの少なくとも1つを表示するステップをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数語クエリの解析をトリガーするための調整可能しきい値を提供するステップをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
複数語ユーザクエリに応答して検索エンジンにより生成される初期検索結果を自動的に増強するためのシステムであって、
前記初期検索結果の妥当性を評価するための前記検索エンジン内の結果評価メカニズムと、
前記初期検索結果が前記結果評価メカニズムによって不十分であると評価された場合に代替クエリを作成するための代替クエリ判定メカニズムと、
前記初期検索結果と共に表示する前記代替クエリを出力するための結果出力コンポーネントと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記結果評価メカニズムは前記初期結果の数量および適合性のうちの少なくとも1つを評価するためのメカニズムを備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記代替クエリ作成メカニズムは複数語ユーザクエリから少なくとも1つのサブクエリを作成することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記サブクエリ評価メカニズムはサブクエリ結果の数量および適合性のうちの少なくとも1つを判定するためのコンポーネントを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−209757(P2006−209757A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10232(P2006−10232)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】