クジ体、及びクジ体切断用の支持具
【課題】 クジ棒などのクジ体を手に取ったとしても、その途端に結果が判明せず、しかも、自己の意のままに、面倒な作業を要することもなく、当たり外れ等を瞬時に確認できる、斬新なクジを提供する。
【解決手段】 棒状をなすクジ体1であり、そのクジ体自身が両端部間の切断予定位置Sで切断された際に、その切断部をなす、端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体1の内部であって切断予定位置Sに対応する部位に凹部9からなる空間Kを設けておき、その凹部9の底9bにクジの結果表示手段である「当り」などが記されたシール11を貼り付けておく。クジ体1を手に取っただけでは結果が判明しないが、切断予定位置Sで折る等して切断することで、瞬時に結果を確認できる。
【解決手段】 棒状をなすクジ体1であり、そのクジ体自身が両端部間の切断予定位置Sで切断された際に、その切断部をなす、端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体1の内部であって切断予定位置Sに対応する部位に凹部9からなる空間Kを設けておき、その凹部9の底9bにクジの結果表示手段である「当り」などが記されたシール11を貼り付けておく。クジ体1を手に取っただけでは結果が判明しないが、切断予定位置Sで折る等して切断することで、瞬時に結果を確認できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当たり外れ(吉凶)を決めたり、或いは、順序等を抽選により決めたりするのに使用されるクジ(籤(くじ))に関する。
【背景技術】
【0002】
当たり外れ(吉凶)を決めたり、順序等を抽選により決めたりする場合に使用されるクジには、従来、番号、記号、色、文字(文句)などを表示してなる紙切れや、これらが先端に表示されたクジ棒を引かせたりするものが従来より知られている。また、当り外れや順位等を表示してなる紙を2つ折にしてそれが見えないように周囲を糊付けしてなるものも知られている。さらに、近時は、カードやシートに当りはずれ等のクジの結果を表示し、その上にシートが被せられたり、削り取り可能の被覆層が形成されたりしてなるカード方式やシート方式のクジも知られている。これらは、そのシートをはがしたり、被覆層を削り取ったりして、当たり外れ等、クジの結果を確認するようにしたものである。
【0003】
また、クジ棒を用いる方式のものの中には、小槌を振ると、その頭部の穴(通過孔)からクジ棒が飛び出るようにしたもの(以下、小槌方式ともいう)もある(特許文献1)。
【特許文献1】実用新案登録第3023608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当り外れや順位等を表示してなる紙切れやクジ棒からなるクジでは、通常、それらを抜き取ったり、或いは手にとったりした途端に、その結果が判明してしまう。このようなものは、その結果が得られるまでの過程が単純であり、秘密性にも欠けるし、新味もなく、あくまで、クジの目的のみが達成されるだけである。また、周囲を糊付けしてなるものものにおいては、その周囲を破って開く必要があることから、秘密性に欠けることはないが、当落の確認が面倒であり、しかも数秒とはいえ時間もかかる。加えて、その破るという行為自体は格別のものではなく、したがって面白みも小さい。
【0005】
また、カード方式やシート方式のものでは、それらを手にとった後で、シートを摘んではがしたり、被覆層を削り取るものであることから、秘密性に欠けるということもなく、自己の意のままに、そのクジの当たり外れ等を確認できる。しかし、その確認作業はシートを摘んではがす、或いは被覆層を削り取る等の行為を要することから、糊付けのものと同様に、当落の確認が面倒であり、しかも時間がかかるという問題がある。
【0006】
さらに、小槌方式のものは、単なる箱(容器)内からクジ棒を取り出すものに比べると、小槌を振ることで、クジ棒が振り出される(排出される)という点での面白みが得られるし、糊付けのものや、カード方式等のものに比べると、面倒さはない。しかし、クジ棒自体は、色分け等されて等級付けされているにすぎないものであることから、クジ棒を手にした途端にその結果が判明する。この点で、結果が得られるまでの過程が単純である上に、秘密性にも欠けるという意味での問題がある。
【0007】
本発明は、こうした従来のクジの問題点に鑑みて案出されたものであって、クジ棒などのクジ体を手に取ったとしても、その途端に結果が判明せず、しかも、自己の意のままに、面倒な作業を要することもなく、当たり外れ等を瞬時に確認できる、斬新なクジを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部であって前記切断予定位置に対応する部位に空間を備えており、その空間内にクジの結果表示手段が設けられ
ていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身は、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、接合前の1つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体である。また、請求項5に記載の本発明は、接合前の2つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その各凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体である。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、前記クジ体の切断予定位置における外周面に、視認可能の印が付されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクジ体である。また、請求項7に記載の本発明は、前記印が色彩であることを特徴とする請求項6に記載のクジ体である。そして、請求項8に記載の本発明は、前記クジ体の切断予定位置における外周面に、周方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクジ体である。
【0013】
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクジ体における一端部寄り部位が挿入可能であると共に、その挿入時において前記切断予定位置を含む他端部寄り部位を露出させ得るクジ体挿入部を備えると共に、このクジ体挿入部に、前記クジ体の一端部寄り部位を挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位に、横方向から力を付与することで、そのクジ体を前記切断予定位置で切断できるように形成したことを特徴とするクジ体切断用の支持具である。また、請求項10に記載の本発明は、前記クジ体挿入部を、平面視、多数備えてなることを特徴とする請求項9に記載のクジ体切断用の支持具である。そして、請求項11に記載の本発明は、前記クジ体挿入部を、平面視、縦横に多数、それぞれ平行に引いた仮想線の交差点上に配置したことを特徴とする請求項10に記載のクジ体切断用の支持具である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のクジ体は、上記の構成をしているため、引いただけ、すなわち、手にしただけでは、クジの結果は不明であり、他人に知られることはない。一方、それを知りたいときは、クジ体を切断予定位置で切断し、その切断面を見るだけで瞬時に知ることができる。すなわち、自己の意のまま、瞬時にクジの結果を知ることができる。しかも、クジ体を切断予定位置で、例えば折って切断するという、非日常的な破壊行為を行い、その結果を知ることができるため、遊戯者には従来のクジでは得られなかった満足を感じさせることができるため、その分、クジの面白みを高められる。
【0015】
なお、本発明の請求項9に記載のクジ体切断用の支持具を用いれば、いわばテコの作用により、クジ体を切断予定位置で容易に切断できる。また、請求項10及び11に記載のクジ体切断用の支持具を用いれば、切断後、クジ体における一端部寄り部位をクジ体挿入部から除去することなく残存させることとすることで、クジの結果の判明者数(クジ引き遊戯者数)を容易に確認できる。したがって、クジ引き者数を確認したい場合に効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明のクジ体の第1実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図であり、図2はその拡大図におけるA−A線断面図である。本形態でのクジ体1は、棒状をなすクジ棒として具体化したもので、例えば全長にわたり一定太さの丸棒状を呈している。そして、本例では、丸棒状の2つのクジ形成部材3を、その端部5同士で突き合わせて接合(接着)することによって、1本の棒状をなすクジ体(以下、クジ棒ともいう)1を形成している。(図2は、クジ形成部材3を突合せ接合側の端部5から見た図でもある。)ただし、各クジ形成部材3における突合せ側の端部5は、外周面寄り部位7の環状部を除き、その軸線G寄り部位(図2における中心寄り部位)が同心状に凹設されて凹部9をなしており、その凹部9の底9bに、クジの結果を表示するその結果表示手段として、例えば、「当り」といった文字が付された円形のシール11が貼り付けられている(図2参照)。この各クジ形成部材3は、突合せ側の端部5において各外周面寄り部位7を同心状にして突き合わせ、接着剤13で接合(接着)されている。これにより、本形態のクジ棒1を外周面から見ると、この突合せ部、すなわち、突き合わされた端部5同士の外周縁が周方向に沿う形態を成すことから、その境界線が外周面に円環状の線S1となって表れている。
【0017】
しかして、本形態のクジ棒1は、それ自身の両端部6間のうち、突合せ接合側の端部5の外周縁が示す環状の線S1をなす位置が切断予定位置Sとされ、この環状の線S1よりクジ棒1として、内側に位置する内部には、円筒状の空間Kが形成されている。したがって、この切断予定位置Sが存在する空間Kに対応する部位が、クジ棒1の長手方向において、他の部位より低強度となっている。すなわち、本形態のクジ棒1は、この切断予定位置S又はその近傍で切断されるように予定(設定)されており、その位置で切断された際に、その切断部をなす両方の端部5に現れる凹部9の底9bに「当り」が表示されるように形成されている。なお、この「当り」表示は、一方のクジ形成部材3における突合せ側の端部5の凹部9にのみ設けておいてもよい。また、クジ棒1を形成する各クジ形成部材3は、例えば、不透明のプラスチック製(樹脂製)とされている。なお、クジ棒1は、切断してクジの結果を知るものであるため、切断予定位置Sを介し、両手でその両側部位(クジ形成部材3に対応する各部位)を把持し、それを折るように力を加えることで容易に切断できるように、その長さ及び強度が設定されている。
【0018】
このようなクジ棒1は、その切断前の状態(図1の状態)においては、すなわち、クジ棒1として引いただけでは、そのクジの結果は外部からは見えず、したがって、誰にも知られることはない。一方、遊戯者においてそれを知りたいときは、クジ棒1を、突合せ部を示す環状の線S1のある切断予定位置Sで切断し、その切断部における凹部9の底9bを見るだけで、瞬時にクジの結果、本例では「当り」を知ることができる。しかも、その際には、クジ棒1を切断予定位置Sで切断するという格別の破壊行為を体験できる。このため、遊戯者には、その行為と同時に発生する、例えば「ボキッ‥」というような切断音を聞かせることができるため、これまでにない一種特有の満足感を与えることができるため、遊戯者においては、その分、面白みが高められる。
【0019】
なお、図3に示したように、例えば、前記したクジ棒1における一端部寄り部位(図示下端寄り部位)3aが挿入可能であり、しかも、その挿入時において、切断予定位置Sを含む他端部寄り部位(図示上端寄り部位)3bを露出させ得るクジ体挿入部(クジ棒挿入用の穴)23を備えると共に、このクジ体挿入部23に、クジ棒1の一端部寄り部位3aを挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位3bに、横方向から力Fを付与することで、そのクジ棒1を切断予定位置Sで切断できるように形成してなるクジ体切断用の支持具(保持具)20を用いると、その切断の容易化が図られる。
【0020】
すなわち、このようなクジ体切断用の支持具20を用いる場合においては、そのクジ体挿入部23に、クジ棒1の一端部寄り部位3aを挿入して支持させ、その状態で、露出側の他端部寄り部位3bに、横方向から力Fを付与すると、テコの原理により、そのクジ棒1を切断予定位置Sで容易に切断できる。このため、力の弱い子供や老人などにおいても、その切断を容易にできるため、クジ引きの円滑な運営が期待される。なお、本形態のクジ棒1は、端部5に凹部9が設けられており、その凹部9内にクジの結果表示手段(シール11)が貼り付けられているクジ形成部材3を2つ用意し、これらをその端部5同士で、接着剤で接合することで形成できる。
【0021】
なお、このようなクジ体切断用の支持具20において、前記例ではクジ体が丸棒をなすクジ棒1であるから、クジ体挿入部23は、そのクジ棒1を若干の隙間嵌め状態で挿入可能の例えば横断面が円形の穴とすればよい。すなわち、クジ体挿入部23は、クジ体の形状、大きさに応じて、例えば、それが横断面が四角の細長い板(矩形板)や、角棒であれば、そのようなクジ体が挿入できるように、その横断面の形状、大きさを設定しておけばよい。なお、クジ体挿入部23は、クジ棒1における一端部寄り部位(図3の下端寄り部位)3aを挿入した時において、切断予定位置Sがそのクジ体挿入部23の上端22より僅かに上に位置するように設定するのが、切断時のテコ作用の点から好ましい。
【0022】
また、このようなクジ体切断用の支持具20は、クジをイベント会場などでの抽選に用いるような場合には、図4に示したように、これを例えば、平板状の基板21などで形成し、クジ体挿入部23をその上面22bの平面に多数設けられているものとすると、同時に複数の遊戯者において、その切断が行えるので便利である。さらに、切断後、クジ棒1における一端部寄り部位(片割れ)3aをクジ体挿入部23から除去することなく残存させることとすることで、その数を算定することで、クジの結果の判明者数(クジ引き遊戯者数)を容易に確認できる。すなわち、クジ体挿入部23を発行クジ数に対応した数にしておくことで、発行クジの総数に対するクジ引き者(遊戯者)の実数ないし割合が容易に把握できるので、イベント主催者においてはイベントの効果を知る上で極めて便利となるといった、特有の効果が得られる。
【0023】
この場合、図5に示したように、クジ体切断用の支持具20は、クジ体挿入部23を、基板21に対し、平面視、縦横に多数平行に引いた仮想線(実際には線はない。ただし、実際に線が引かれていてもよい)の交差点に配置されているものとすると、クジ体挿入部23、及びクジ引き者(遊戯者)の総数の計算が容易となるため、使い勝手が極めて向上する。なお、クジ体挿入部23はランダム配置として、多数、平面上に設けても良い。このように、多数のクジ体挿入部23を設けてなるクジ体切断用の支持具20を用いる場合には、クジ棒1を挿入、切断した後、クジ棒1における一端部寄り部位(片割れ、図1の下半分)をクジ体挿入部23から除去することなく残存させることができるし、そのようにすることで、自動的にその片割れの回収も行えるので、結果としてゴミの回収効率の向上も図られる。
【0024】
前記第1実施形態では、接着されているクジ棒形成用の2つのクジ形成部材3の端部5とも、軸線G寄り部位が凹設されてなる凹部9を有するものとし、その外周面寄り部位7で突き合わせて接着したものとして具体化したが、このようなクジ体1は、図6に示した第2実施形態のように、凹部9を、一方(1つ)のクジ形成部材3の端部5にのみ設けることとしても良い。そして、この場合において、クジの結果表示手段をなす、例えば、「当り」といった文字が付されたシール11は、第1実施形態におけるように、凹部9の底9bに貼り付けておいてもよいが、対向する(図6上の)クジ形成部材3の端部5の面5bに貼り付けておいてもよいし、その両者に貼り付けておいてもよい。また、凹部9内に単にそのようなシールを配置しておくだけでもよい。なお、図6は、本発明のクジ体の第2実施形態例、及びその要部の一部破断拡大図であるが、前記した相違点を除けば、上記した第1実施形態と異なる点はないので、同一部位には同一の符号を付すに止める。以下の各形態例等の説明においても同様とする。
【0025】
図7は、第3実施形態の要部の一部破断拡大図である。このものでは、上記形態で示したような凹部は、いずれのクジ形成部材3における突合せ側の端部5にも設けていない。このものでは、突合せ側の各端部5における外周寄り部位で、接着剤13によりその接合をした例である。ただし、このような場合には、上記例のような「当り」文字が付されたシール11を、その例えば一方の端部5に貼り付けるとしても、そのシール11の厚み分以上の接着剤13の層が必要となる。したがって、クジの結果表示手段、例えば「当り」文字は、印刷などにより、端部5において、なるべく隆起しないように設けるか、刻印状に、その文字を凹設して設けるとよい。もっとも、クジの結果表示手段は色彩(例えば、金色、銀色、白、赤等)でも良いことから、上記いずれの形態においても、突合せ側の端部5に、特定の色彩を塗布等により付与しておいてもよい。
【0026】
なお、上記した各例では、2つのクジ形成部材3の端部5相互を突き合せて接合してクジ棒1としたものを例示したが、このようなものも含め、切断される切断予定位置Sには、その外周面に、切断予定位置Sを視認により識別ができるようにしておくのが好ましい。図8のクジ棒は、その一例を示したものであり、このものでは環状の線S1以外に、例えば、その線S1を挟む形で、外周面に印(例えば三角の印)31を付与したものである。また、同図の拡大図中に示したように、切断予定位置Sであることを示す文字(「この線で折る」など)を視認可能に設けておいてもよい。さらには、図示はしないが、他の部位と識別(区別)できる色彩を、切断予定位置Sに一定幅で、例えば鉢巻状(環状)にクジ棒1の外周面に付与しておいてもよい。
【0027】
さらに、図9に示した形態例のように、クジ棒1における切断される切断予定位置Sに、その外周面において周方向に沿って溝35を形成しておいてもよい。このように溝35を形成しておけば、切断箇所であることが容易に理解されるし、この溝35をはさんで、その両側の部位(各クジ形成部材3に対応する部位)を把持して折るようにすれば、切欠き効果ないし応力集中により切断を一層容易にすることができる。
【0028】
本発明のクジ体1は、上記したような丸棒状の各種のクジ棒に限定されるものではなく、種々変更して具体化できる。すなわち、横断面が四角(その他の多角形)の板や棒を呈するクジ体としても具体化できる。また、材質としては、プラスチックに限定されるものではなく、木製、或いは紙製とすることもできる。さらに、上記例では、クジの結果表示手段である文字について、「当り」を例示して示したが、当然のことながら、クジの種類、目的に応じて、その他の文字、記号を表示すればよい。また、この表示をするのは、シールを貼ることや直接印刷することに限られない。上記もしたが、刻印することにより、相対的に凹設(沈降)して表示してもよいし、隆起させて表示してもよい。
【0029】
さらに、上記各例では、クジ体自身が、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられているものとして説明したが、本発明のクジ体は、このような構成のものに限定されるものではない。すなわち、クジ体は、自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられているものであれば、いずれの構成、又は組み立て、ないし製法で製造したものであっても良い。
【0030】
また、上記においては、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合してクジ体を構成した場合を例示したが、クジ体の構成はこのようなものに限定されるものではない。例えば、クジ体をプラスチック製として具体化する場合においては、変形例として図10に示したクジ棒1のように、クジの結果表示手段を有するクジ結果表示体41を、クジ棒1内の切断予定位置Sにおいてインサートする形としておき、クジ棒1を射出成形により一体的に成形(インサート成形)しておいてもよい。なお、図10のものでは、クジ棒1の外周面のうち、切断予定位置Sに溝35が入れられている。しかして、このものでは、切断予定位置Sでクジ棒1を切断すると、内部のクジ結果表示体41も同位置で切断され、同クジ結果表示体41の切り口断面がクジの結果を表示するものである。例えば、クジ結果表示体41を特定の色(色彩)からなる別部品として別途製造しておき、これを、クジ棒1を射出成形する際のインサート品としておけばよい。なお、このものでは、内部のクジ結果表示体41についてもそれ自体の外周面のうち、クジ棒1の外周面に形成された溝35に対応する位置(クジ棒の先後位置)に、同様に溝を入れておくとよい。すなわち、本発明のクジ体は、適宜の構成、製法で具体化できる。
【0031】
さらに別の変形例としては、図11に示したものも例示できる。すなわち、クジ体が、その外観において図1に示したものと同じであるとしても、図12の左図に示したように、図1における軸線を通る平面54で2分割した2つの半円柱状部材としてなる、2つのクジ形成部材53を、その平面54同士で接合(接着)することで、図11に示した1つのクジ棒1を形成できる。なお、このものでは、図1に示したクジ棒1の切断予定位置Sおける内部の空間Kを形成するため、半円柱状部材の各クジ形成部材53における平面54の対応位置に、それぞれ凹部59を形成しておけばよい(図12参照)。また、クジの結果表示手段は、平面54同士で接合(接着)する前に、その凹部59内にシール等により設けておけばよい。また、このような場合にも、クジ棒1をなしたときの外周面の切断予定位置Sに、周方向に沿って溝35が形成されるように、各クジ形成部材53における外周面の対応位置にそれ用の溝35を形成しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のクジ体の第1実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図2】図1の拡大図におけるA−A線断面図。
【図3】クジ体切断用の支持具の説明用断面図。
【図4】クジ体切断用の支持具の別例の説明用破断面図。
【図5】クジ体切断用の支持具の別例の説明用平面図。
【図6】本発明のクジ体の第2実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図7】本発明のクジ体の第3実施形態例の要部の一部破断拡大図。
【図8】本発明のクジ体の切断予定位置に印を付した形態例の正面図、及びその要部の拡大図。
【図9】本発明のクジ体の切断予定位置の外周面に、周方向に沿って溝を形成した形態例の正面図、及びその要部の拡大図。
【図10】本発明のクジ体の変形例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図11】本発明のクジ体の別の変形例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図12】図11のクジ体の製造工程の説明図。
【符号の説明】
【0033】
1 クジ棒(クジ体)
3 クジ形成部材
3a クジ体における一端部寄り部位
3b クジ体における他端部寄り部位
5 クジ形成部材の端部
9 クジ形成部材の端部の凹部
11 シール(クジの結果表示手段)
20 クジ体切断用の支持具
23 クジ体挿入部
31 視認可能の印
35 切断予定位置における外周面の溝
S クジ体自身の両端部間の切断予定位置
K 空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、当たり外れ(吉凶)を決めたり、或いは、順序等を抽選により決めたりするのに使用されるクジ(籤(くじ))に関する。
【背景技術】
【0002】
当たり外れ(吉凶)を決めたり、順序等を抽選により決めたりする場合に使用されるクジには、従来、番号、記号、色、文字(文句)などを表示してなる紙切れや、これらが先端に表示されたクジ棒を引かせたりするものが従来より知られている。また、当り外れや順位等を表示してなる紙を2つ折にしてそれが見えないように周囲を糊付けしてなるものも知られている。さらに、近時は、カードやシートに当りはずれ等のクジの結果を表示し、その上にシートが被せられたり、削り取り可能の被覆層が形成されたりしてなるカード方式やシート方式のクジも知られている。これらは、そのシートをはがしたり、被覆層を削り取ったりして、当たり外れ等、クジの結果を確認するようにしたものである。
【0003】
また、クジ棒を用いる方式のものの中には、小槌を振ると、その頭部の穴(通過孔)からクジ棒が飛び出るようにしたもの(以下、小槌方式ともいう)もある(特許文献1)。
【特許文献1】実用新案登録第3023608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当り外れや順位等を表示してなる紙切れやクジ棒からなるクジでは、通常、それらを抜き取ったり、或いは手にとったりした途端に、その結果が判明してしまう。このようなものは、その結果が得られるまでの過程が単純であり、秘密性にも欠けるし、新味もなく、あくまで、クジの目的のみが達成されるだけである。また、周囲を糊付けしてなるものものにおいては、その周囲を破って開く必要があることから、秘密性に欠けることはないが、当落の確認が面倒であり、しかも数秒とはいえ時間もかかる。加えて、その破るという行為自体は格別のものではなく、したがって面白みも小さい。
【0005】
また、カード方式やシート方式のものでは、それらを手にとった後で、シートを摘んではがしたり、被覆層を削り取るものであることから、秘密性に欠けるということもなく、自己の意のままに、そのクジの当たり外れ等を確認できる。しかし、その確認作業はシートを摘んではがす、或いは被覆層を削り取る等の行為を要することから、糊付けのものと同様に、当落の確認が面倒であり、しかも時間がかかるという問題がある。
【0006】
さらに、小槌方式のものは、単なる箱(容器)内からクジ棒を取り出すものに比べると、小槌を振ることで、クジ棒が振り出される(排出される)という点での面白みが得られるし、糊付けのものや、カード方式等のものに比べると、面倒さはない。しかし、クジ棒自体は、色分け等されて等級付けされているにすぎないものであることから、クジ棒を手にした途端にその結果が判明する。この点で、結果が得られるまでの過程が単純である上に、秘密性にも欠けるという意味での問題がある。
【0007】
本発明は、こうした従来のクジの問題点に鑑みて案出されたものであって、クジ棒などのクジ体を手に取ったとしても、その途端に結果が判明せず、しかも、自己の意のままに、面倒な作業を要することもなく、当たり外れ等を瞬時に確認できる、斬新なクジを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部であって前記切断予定位置に対応する部位に空間を備えており、その空間内にクジの結果表示手段が設けられ
ていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身は、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、接合前の1つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体である。また、請求項5に記載の本発明は、接合前の2つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その各凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体である。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、前記クジ体の切断予定位置における外周面に、視認可能の印が付されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクジ体である。また、請求項7に記載の本発明は、前記印が色彩であることを特徴とする請求項6に記載のクジ体である。そして、請求項8に記載の本発明は、前記クジ体の切断予定位置における外周面に、周方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクジ体である。
【0013】
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクジ体における一端部寄り部位が挿入可能であると共に、その挿入時において前記切断予定位置を含む他端部寄り部位を露出させ得るクジ体挿入部を備えると共に、このクジ体挿入部に、前記クジ体の一端部寄り部位を挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位に、横方向から力を付与することで、そのクジ体を前記切断予定位置で切断できるように形成したことを特徴とするクジ体切断用の支持具である。また、請求項10に記載の本発明は、前記クジ体挿入部を、平面視、多数備えてなることを特徴とする請求項9に記載のクジ体切断用の支持具である。そして、請求項11に記載の本発明は、前記クジ体挿入部を、平面視、縦横に多数、それぞれ平行に引いた仮想線の交差点上に配置したことを特徴とする請求項10に記載のクジ体切断用の支持具である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のクジ体は、上記の構成をしているため、引いただけ、すなわち、手にしただけでは、クジの結果は不明であり、他人に知られることはない。一方、それを知りたいときは、クジ体を切断予定位置で切断し、その切断面を見るだけで瞬時に知ることができる。すなわち、自己の意のまま、瞬時にクジの結果を知ることができる。しかも、クジ体を切断予定位置で、例えば折って切断するという、非日常的な破壊行為を行い、その結果を知ることができるため、遊戯者には従来のクジでは得られなかった満足を感じさせることができるため、その分、クジの面白みを高められる。
【0015】
なお、本発明の請求項9に記載のクジ体切断用の支持具を用いれば、いわばテコの作用により、クジ体を切断予定位置で容易に切断できる。また、請求項10及び11に記載のクジ体切断用の支持具を用いれば、切断後、クジ体における一端部寄り部位をクジ体挿入部から除去することなく残存させることとすることで、クジの結果の判明者数(クジ引き遊戯者数)を容易に確認できる。したがって、クジ引き者数を確認したい場合に効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明のクジ体の第1実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図であり、図2はその拡大図におけるA−A線断面図である。本形態でのクジ体1は、棒状をなすクジ棒として具体化したもので、例えば全長にわたり一定太さの丸棒状を呈している。そして、本例では、丸棒状の2つのクジ形成部材3を、その端部5同士で突き合わせて接合(接着)することによって、1本の棒状をなすクジ体(以下、クジ棒ともいう)1を形成している。(図2は、クジ形成部材3を突合せ接合側の端部5から見た図でもある。)ただし、各クジ形成部材3における突合せ側の端部5は、外周面寄り部位7の環状部を除き、その軸線G寄り部位(図2における中心寄り部位)が同心状に凹設されて凹部9をなしており、その凹部9の底9bに、クジの結果を表示するその結果表示手段として、例えば、「当り」といった文字が付された円形のシール11が貼り付けられている(図2参照)。この各クジ形成部材3は、突合せ側の端部5において各外周面寄り部位7を同心状にして突き合わせ、接着剤13で接合(接着)されている。これにより、本形態のクジ棒1を外周面から見ると、この突合せ部、すなわち、突き合わされた端部5同士の外周縁が周方向に沿う形態を成すことから、その境界線が外周面に円環状の線S1となって表れている。
【0017】
しかして、本形態のクジ棒1は、それ自身の両端部6間のうち、突合せ接合側の端部5の外周縁が示す環状の線S1をなす位置が切断予定位置Sとされ、この環状の線S1よりクジ棒1として、内側に位置する内部には、円筒状の空間Kが形成されている。したがって、この切断予定位置Sが存在する空間Kに対応する部位が、クジ棒1の長手方向において、他の部位より低強度となっている。すなわち、本形態のクジ棒1は、この切断予定位置S又はその近傍で切断されるように予定(設定)されており、その位置で切断された際に、その切断部をなす両方の端部5に現れる凹部9の底9bに「当り」が表示されるように形成されている。なお、この「当り」表示は、一方のクジ形成部材3における突合せ側の端部5の凹部9にのみ設けておいてもよい。また、クジ棒1を形成する各クジ形成部材3は、例えば、不透明のプラスチック製(樹脂製)とされている。なお、クジ棒1は、切断してクジの結果を知るものであるため、切断予定位置Sを介し、両手でその両側部位(クジ形成部材3に対応する各部位)を把持し、それを折るように力を加えることで容易に切断できるように、その長さ及び強度が設定されている。
【0018】
このようなクジ棒1は、その切断前の状態(図1の状態)においては、すなわち、クジ棒1として引いただけでは、そのクジの結果は外部からは見えず、したがって、誰にも知られることはない。一方、遊戯者においてそれを知りたいときは、クジ棒1を、突合せ部を示す環状の線S1のある切断予定位置Sで切断し、その切断部における凹部9の底9bを見るだけで、瞬時にクジの結果、本例では「当り」を知ることができる。しかも、その際には、クジ棒1を切断予定位置Sで切断するという格別の破壊行為を体験できる。このため、遊戯者には、その行為と同時に発生する、例えば「ボキッ‥」というような切断音を聞かせることができるため、これまでにない一種特有の満足感を与えることができるため、遊戯者においては、その分、面白みが高められる。
【0019】
なお、図3に示したように、例えば、前記したクジ棒1における一端部寄り部位(図示下端寄り部位)3aが挿入可能であり、しかも、その挿入時において、切断予定位置Sを含む他端部寄り部位(図示上端寄り部位)3bを露出させ得るクジ体挿入部(クジ棒挿入用の穴)23を備えると共に、このクジ体挿入部23に、クジ棒1の一端部寄り部位3aを挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位3bに、横方向から力Fを付与することで、そのクジ棒1を切断予定位置Sで切断できるように形成してなるクジ体切断用の支持具(保持具)20を用いると、その切断の容易化が図られる。
【0020】
すなわち、このようなクジ体切断用の支持具20を用いる場合においては、そのクジ体挿入部23に、クジ棒1の一端部寄り部位3aを挿入して支持させ、その状態で、露出側の他端部寄り部位3bに、横方向から力Fを付与すると、テコの原理により、そのクジ棒1を切断予定位置Sで容易に切断できる。このため、力の弱い子供や老人などにおいても、その切断を容易にできるため、クジ引きの円滑な運営が期待される。なお、本形態のクジ棒1は、端部5に凹部9が設けられており、その凹部9内にクジの結果表示手段(シール11)が貼り付けられているクジ形成部材3を2つ用意し、これらをその端部5同士で、接着剤で接合することで形成できる。
【0021】
なお、このようなクジ体切断用の支持具20において、前記例ではクジ体が丸棒をなすクジ棒1であるから、クジ体挿入部23は、そのクジ棒1を若干の隙間嵌め状態で挿入可能の例えば横断面が円形の穴とすればよい。すなわち、クジ体挿入部23は、クジ体の形状、大きさに応じて、例えば、それが横断面が四角の細長い板(矩形板)や、角棒であれば、そのようなクジ体が挿入できるように、その横断面の形状、大きさを設定しておけばよい。なお、クジ体挿入部23は、クジ棒1における一端部寄り部位(図3の下端寄り部位)3aを挿入した時において、切断予定位置Sがそのクジ体挿入部23の上端22より僅かに上に位置するように設定するのが、切断時のテコ作用の点から好ましい。
【0022】
また、このようなクジ体切断用の支持具20は、クジをイベント会場などでの抽選に用いるような場合には、図4に示したように、これを例えば、平板状の基板21などで形成し、クジ体挿入部23をその上面22bの平面に多数設けられているものとすると、同時に複数の遊戯者において、その切断が行えるので便利である。さらに、切断後、クジ棒1における一端部寄り部位(片割れ)3aをクジ体挿入部23から除去することなく残存させることとすることで、その数を算定することで、クジの結果の判明者数(クジ引き遊戯者数)を容易に確認できる。すなわち、クジ体挿入部23を発行クジ数に対応した数にしておくことで、発行クジの総数に対するクジ引き者(遊戯者)の実数ないし割合が容易に把握できるので、イベント主催者においてはイベントの効果を知る上で極めて便利となるといった、特有の効果が得られる。
【0023】
この場合、図5に示したように、クジ体切断用の支持具20は、クジ体挿入部23を、基板21に対し、平面視、縦横に多数平行に引いた仮想線(実際には線はない。ただし、実際に線が引かれていてもよい)の交差点に配置されているものとすると、クジ体挿入部23、及びクジ引き者(遊戯者)の総数の計算が容易となるため、使い勝手が極めて向上する。なお、クジ体挿入部23はランダム配置として、多数、平面上に設けても良い。このように、多数のクジ体挿入部23を設けてなるクジ体切断用の支持具20を用いる場合には、クジ棒1を挿入、切断した後、クジ棒1における一端部寄り部位(片割れ、図1の下半分)をクジ体挿入部23から除去することなく残存させることができるし、そのようにすることで、自動的にその片割れの回収も行えるので、結果としてゴミの回収効率の向上も図られる。
【0024】
前記第1実施形態では、接着されているクジ棒形成用の2つのクジ形成部材3の端部5とも、軸線G寄り部位が凹設されてなる凹部9を有するものとし、その外周面寄り部位7で突き合わせて接着したものとして具体化したが、このようなクジ体1は、図6に示した第2実施形態のように、凹部9を、一方(1つ)のクジ形成部材3の端部5にのみ設けることとしても良い。そして、この場合において、クジの結果表示手段をなす、例えば、「当り」といった文字が付されたシール11は、第1実施形態におけるように、凹部9の底9bに貼り付けておいてもよいが、対向する(図6上の)クジ形成部材3の端部5の面5bに貼り付けておいてもよいし、その両者に貼り付けておいてもよい。また、凹部9内に単にそのようなシールを配置しておくだけでもよい。なお、図6は、本発明のクジ体の第2実施形態例、及びその要部の一部破断拡大図であるが、前記した相違点を除けば、上記した第1実施形態と異なる点はないので、同一部位には同一の符号を付すに止める。以下の各形態例等の説明においても同様とする。
【0025】
図7は、第3実施形態の要部の一部破断拡大図である。このものでは、上記形態で示したような凹部は、いずれのクジ形成部材3における突合せ側の端部5にも設けていない。このものでは、突合せ側の各端部5における外周寄り部位で、接着剤13によりその接合をした例である。ただし、このような場合には、上記例のような「当り」文字が付されたシール11を、その例えば一方の端部5に貼り付けるとしても、そのシール11の厚み分以上の接着剤13の層が必要となる。したがって、クジの結果表示手段、例えば「当り」文字は、印刷などにより、端部5において、なるべく隆起しないように設けるか、刻印状に、その文字を凹設して設けるとよい。もっとも、クジの結果表示手段は色彩(例えば、金色、銀色、白、赤等)でも良いことから、上記いずれの形態においても、突合せ側の端部5に、特定の色彩を塗布等により付与しておいてもよい。
【0026】
なお、上記した各例では、2つのクジ形成部材3の端部5相互を突き合せて接合してクジ棒1としたものを例示したが、このようなものも含め、切断される切断予定位置Sには、その外周面に、切断予定位置Sを視認により識別ができるようにしておくのが好ましい。図8のクジ棒は、その一例を示したものであり、このものでは環状の線S1以外に、例えば、その線S1を挟む形で、外周面に印(例えば三角の印)31を付与したものである。また、同図の拡大図中に示したように、切断予定位置Sであることを示す文字(「この線で折る」など)を視認可能に設けておいてもよい。さらには、図示はしないが、他の部位と識別(区別)できる色彩を、切断予定位置Sに一定幅で、例えば鉢巻状(環状)にクジ棒1の外周面に付与しておいてもよい。
【0027】
さらに、図9に示した形態例のように、クジ棒1における切断される切断予定位置Sに、その外周面において周方向に沿って溝35を形成しておいてもよい。このように溝35を形成しておけば、切断箇所であることが容易に理解されるし、この溝35をはさんで、その両側の部位(各クジ形成部材3に対応する部位)を把持して折るようにすれば、切欠き効果ないし応力集中により切断を一層容易にすることができる。
【0028】
本発明のクジ体1は、上記したような丸棒状の各種のクジ棒に限定されるものではなく、種々変更して具体化できる。すなわち、横断面が四角(その他の多角形)の板や棒を呈するクジ体としても具体化できる。また、材質としては、プラスチックに限定されるものではなく、木製、或いは紙製とすることもできる。さらに、上記例では、クジの結果表示手段である文字について、「当り」を例示して示したが、当然のことながら、クジの種類、目的に応じて、その他の文字、記号を表示すればよい。また、この表示をするのは、シールを貼ることや直接印刷することに限られない。上記もしたが、刻印することにより、相対的に凹設(沈降)して表示してもよいし、隆起させて表示してもよい。
【0029】
さらに、上記各例では、クジ体自身が、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられているものとして説明したが、本発明のクジ体は、このような構成のものに限定されるものではない。すなわち、クジ体は、自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられているものであれば、いずれの構成、又は組み立て、ないし製法で製造したものであっても良い。
【0030】
また、上記においては、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合してクジ体を構成した場合を例示したが、クジ体の構成はこのようなものに限定されるものではない。例えば、クジ体をプラスチック製として具体化する場合においては、変形例として図10に示したクジ棒1のように、クジの結果表示手段を有するクジ結果表示体41を、クジ棒1内の切断予定位置Sにおいてインサートする形としておき、クジ棒1を射出成形により一体的に成形(インサート成形)しておいてもよい。なお、図10のものでは、クジ棒1の外周面のうち、切断予定位置Sに溝35が入れられている。しかして、このものでは、切断予定位置Sでクジ棒1を切断すると、内部のクジ結果表示体41も同位置で切断され、同クジ結果表示体41の切り口断面がクジの結果を表示するものである。例えば、クジ結果表示体41を特定の色(色彩)からなる別部品として別途製造しておき、これを、クジ棒1を射出成形する際のインサート品としておけばよい。なお、このものでは、内部のクジ結果表示体41についてもそれ自体の外周面のうち、クジ棒1の外周面に形成された溝35に対応する位置(クジ棒の先後位置)に、同様に溝を入れておくとよい。すなわち、本発明のクジ体は、適宜の構成、製法で具体化できる。
【0031】
さらに別の変形例としては、図11に示したものも例示できる。すなわち、クジ体が、その外観において図1に示したものと同じであるとしても、図12の左図に示したように、図1における軸線を通る平面54で2分割した2つの半円柱状部材としてなる、2つのクジ形成部材53を、その平面54同士で接合(接着)することで、図11に示した1つのクジ棒1を形成できる。なお、このものでは、図1に示したクジ棒1の切断予定位置Sおける内部の空間Kを形成するため、半円柱状部材の各クジ形成部材53における平面54の対応位置に、それぞれ凹部59を形成しておけばよい(図12参照)。また、クジの結果表示手段は、平面54同士で接合(接着)する前に、その凹部59内にシール等により設けておけばよい。また、このような場合にも、クジ棒1をなしたときの外周面の切断予定位置Sに、周方向に沿って溝35が形成されるように、各クジ形成部材53における外周面の対応位置にそれ用の溝35を形成しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のクジ体の第1実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図2】図1の拡大図におけるA−A線断面図。
【図3】クジ体切断用の支持具の説明用断面図。
【図4】クジ体切断用の支持具の別例の説明用破断面図。
【図5】クジ体切断用の支持具の別例の説明用平面図。
【図6】本発明のクジ体の第2実施形態例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図7】本発明のクジ体の第3実施形態例の要部の一部破断拡大図。
【図8】本発明のクジ体の切断予定位置に印を付した形態例の正面図、及びその要部の拡大図。
【図9】本発明のクジ体の切断予定位置の外周面に、周方向に沿って溝を形成した形態例の正面図、及びその要部の拡大図。
【図10】本発明のクジ体の変形例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図11】本発明のクジ体の別の変形例の正面図、及びその要部の一部破断拡大図。
【図12】図11のクジ体の製造工程の説明図。
【符号の説明】
【0033】
1 クジ棒(クジ体)
3 クジ形成部材
3a クジ体における一端部寄り部位
3b クジ体における他端部寄り部位
5 クジ形成部材の端部
9 クジ形成部材の端部の凹部
11 シール(クジの結果表示手段)
20 クジ体切断用の支持具
23 クジ体挿入部
31 視認可能の印
35 切断予定位置における外周面の溝
S クジ体自身の両端部間の切断予定位置
K 空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項2】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部であって前記切断予定位置に対応する部位に空間を備えており、その空間内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項3】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身は、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項4】
接合前の1つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体。
【請求項5】
接合前の2つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その各凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体。
【請求項6】
前記クジ体の切断予定位置における外周面に、視認可能の印が付されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクジ体。
【請求項7】
前記印が色彩であることを特徴とする請求項6に記載のクジ体。
【請求項8】
前記クジ体の切断予定位置における外周面に、周方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクジ体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のクジ体における一端部寄り部位が挿入可能であると共に、その挿入時において前記切断予定位置を含む他端部寄り部位を露出させ得るクジ体挿入部を備えると共に、このクジ体挿入部に、前記クジ体の一端部寄り部位を挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位に、横方向から力を付与することで、そのクジ体を前記切断予定位置で切断できるように形成したことを特徴とするクジ体切断用の支持具。
【請求項10】
前記クジ体挿入部を、平面視、多数備えてなることを特徴とする請求項9に記載のクジ体切断用の支持具。
【請求項11】
前記クジ体挿入部を、平面視、縦横に多数、それぞれ平行に引いた仮想線の交差点上に配置したことを特徴とする請求項10に記載のクジ体切断用の支持具。
【請求項1】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項2】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身の両端部間の切断予定位置で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、切断前のクジ体の内部であって前記切断予定位置に対応する部位に空間を備えており、その空間内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項3】
棒状又は板状をなすクジ体であって、
クジ体自身は、2つのクジ形成部材を端部同士で突き合わせて接合して構成されており、切断予定位置であるその突き合せ部で切断された際に、その切断部をなす少なくとも一方の端部にクジの結果が表示されるように、接合前のクジ形成部材の前記端部にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とするクジ体。
【請求項4】
接合前の1つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体。
【請求項5】
接合前の2つのクジ形成部材の前記端部に凹部が設けられており、その各凹部内にクジの結果表示手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のクジ体。
【請求項6】
前記クジ体の切断予定位置における外周面に、視認可能の印が付されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクジ体。
【請求項7】
前記印が色彩であることを特徴とする請求項6に記載のクジ体。
【請求項8】
前記クジ体の切断予定位置における外周面に、周方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクジ体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のクジ体における一端部寄り部位が挿入可能であると共に、その挿入時において前記切断予定位置を含む他端部寄り部位を露出させ得るクジ体挿入部を備えると共に、このクジ体挿入部に、前記クジ体の一端部寄り部位を挿入して支持させた状態で、露出側の他端部寄り部位に、横方向から力を付与することで、そのクジ体を前記切断予定位置で切断できるように形成したことを特徴とするクジ体切断用の支持具。
【請求項10】
前記クジ体挿入部を、平面視、多数備えてなることを特徴とする請求項9に記載のクジ体切断用の支持具。
【請求項11】
前記クジ体挿入部を、平面視、縦横に多数、それぞれ平行に引いた仮想線の交差点上に配置したことを特徴とする請求項10に記載のクジ体切断用の支持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−298004(P2009−298004A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154598(P2008−154598)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(508177150)株式会社GOOL (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(508177150)株式会社GOOL (1)
【Fターム(参考)】
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