説明

クラック監視器およびクラック監視方法

【課題】 クラックの進行状況を簡易な構成で容易に把握することができるクラック監視器を提供する。
【解決手段】 上面2bに標識4が設けられた第1の監視体2を第1の亀裂部W1に取り付け、長短辺を標識4に合わせて第2の監視体3を第2の亀裂部W2に取り付ける。クラックCが進行して第1の亀裂部W1および第2の亀裂部W2が変動すると、標識4に対する第2の監視体3の位置が変化し、第2の監視体3の長短辺が標識4からずれる。このズレを目視で確認・監視することで、クラックの進行状況を把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クラックの進行状況を把握するためのクラック監視器およびクラック監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の壁や天井などの被監視体にクラック(亀裂)が発生した場合、構造物の健全性を検討・把握するために、クラックの進行状況を監視する必要がある。従来、クラックの進行状況を監視するために、例えば、次のような方法が採られていた。すなわち、図5に示すように、被監視体Wに発生したクラックCを境にして対向する第1の亀裂部W1と第2の亀裂部W2とに、それぞれ測定ピンP1、P2を打ち込む。そして、測定ピンP1、P2の間隔Dを定期的にノギスなどで測定してピン間隔Dの変化、つまりクラックCの幅変化を確認・監視することで、クラックCの進行状況を監視するものである。また、クラックの亀裂先方(長手方向の先)の被監視体表面に複数の細線状電極を配設し、クラックの亀裂進行に伴う細線状電極の切断による電流変化量を測定することで、クラックの進行速度を測定する測定方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平07−55741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような監視方法では、測定ピンP1、P2の間隔Dを定期的にノギスなどで測定しなければならない。このため、例えば被監視体Wが天井や高所などの場合、足場や梯子などを設けて安全を確保した上で測定する必要があり、測定のたびに多大な労力と時間とを要していた。また、上記特許文献1に記載されているような方法では、クラックの亀裂方向の進行速度を測定できるものの、クラックの幅変化を確認・監視してクラックの進行状況を監視することはできない。しかも、複数の細線状電極や電圧源やオシロスコープなどを要し、構成が複雑になる。
【0004】
そこで本発明は、クラックの進行状況を簡易な構成で容易に把握することができるクラック監視器およびクラック監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視器であって、前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に取り付けられる第1の監視体と、前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に取り付けられる第2の監視体と、前記第1の監視体に設けられ、前記第2の監視体が前記第2の亀裂部に取り付けられたときの前記第1の監視体に対する前記第2の監視体の初期位置を示す標識と、を備えたことを特徴としている。
(作用)
例えば、第1の監視体を第1の亀裂部に取り付け、第2の監視体を第1の監視体に接触させて第2の亀裂部に取り付け、標識を第1の監視体に設ける。クラックが進行して第1の亀裂部および第2の亀裂部が変動すると、標識に対する第2の監視体の位置が変化する。つまり、第2の監視体と標識とがずれる(離れる)。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクラック監視器において、前記第2の監視体が重ね合わされる前記第1の監視体の接触面に、前記標識が設けられていることを特徴としている。
(作用)
第1の監視体の標識に合わせて、第1の監視体の接触面に第2の監視体を重ね合わせ、第2の監視体を第2の亀裂部に取り付ける。クラックが進行すると、重ね合わせた面(接触面)上におけるクラックの変化が標識に対する第2の監視体の位置変化として現れる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のクラック監視器において、前記第1の監視体は、前記クラックの深さ方向にほぼ平行で前記第2の監視体が接触される接触面を有し、この接触面に前記標識が設けられていることを特徴としている。
(作用)
第1の監視体の標識に合わせて、第1の監視体の接触面に第2の監視体を接触させ、第2の監視体を第2の亀裂部に取り付ける。クラックが進行すると、接触面上つまりクラックの深さ方向にほぼ平行な面上におけるクラックの変化が、標識に対する第2の監視体の位置変化として現れる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれか1項に記載のクラック監視器において、前記第1の監視体の接触面に目盛が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視方法であって、前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に、第1の監視体を取り付け、前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に、第2の監視体を前記第1の監視体と接触するように取り付け、前記第2の監視体が接触する前記第1の監視体の接触面に、前記第1の監視体に対する前記第2の監視体の初期位置を示す標識を設け、前記標識に対する前記第2の監視体の位置変化を監視することを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視方法であって、第1の監視体に、第2の監視体の取付基準となる標識を設け、前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に、前記第1の監視体を取り付け、前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に、前記第2の監視体を前記第1の監視体の標識に合わせて取り付け、前記標識に対する前記第2の監視体の位置変化を監視することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、クラックが進行すると、第2の監視体と標識とがずれ、このズレは目視によって容易に確認することができる。つまり、第2の監視体と標識とのズレを目視で確認するだけで、クラックの進行状況を把握することができる。このため、例えば被監視体が天井や高所などの場合であっても、足場や梯子などを設けることなく、第2の監視体と標識とのズレを目視で確認するだけで、労力と時間とをかけずに容易にクラックの進行状況を把握することができる。しかも、第1の監視体と、第2の監視体と、標識とによる簡易な構成で、進行状況を把握することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第2の監視体が重ね合わされる第1の監視体の接触面上におけるクラックの変化が、標識に対する第2の監視体の位置変化として現れる。このため、例えば、接触面がクラックの幅方向にほぼ平行とすると、第2の監視体と標識とのズレを目視で確認するだけで、クラックの幅方向の進行状況を容易に把握することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、クラックの深さ方向にほぼ平行な第1の監視体の接触面上におけるクラックの変化が、標識に対する第2の監視体の位置変化として現れる。このため、第2の監視体と標識とのズレを目視で確認するだけで、クラックの深さ方向の進行状況を容易に把握することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、第1の監視体の接触面に目盛が設けられているため、第2の監視体と標識との距離を目盛から読み取ることで、第2の監視体と標識とのズレ量、つまりクラックの進行量を測定することができる。
【0015】
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、第1の監視体と第2の監視体とを被監視体に取り付けるとともに標識を設け、標識に対する第2の監視体の位置変化を監視するだけで、クラックの進行状況を把握することができる。すなわち、第1の監視体と、第2の監視体と、標識とを一度取り付けなどすれば、第2の監視体と標識とのズレを目視で確認すればよいため、労力と時間とをかけずに容易にクラックの進行状況を把握することができる。しかも、第1の監視体と、第2の監視体と、標識とを要するだけであるため、構成が簡易である。また、請求項5の発明によれば、第1の監視体と第2の監視体とを取り付けた後に標識を設ければよいため、第1の監視体に第2の監視体を位置合わせする必要がない。一方、請求項6の発明によれば、予め第1の監視体に標識を設け、この標識に合わせて第2の監視体を取り付けるため、第2の監視体の初期位置(取付位置)をより適正な位置にして、より適正な監視を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係るクラック監視器1を構造物の壁(擁壁等)や天井などの被監視体Wに取り付けた状態を示す正面図である。このクラック監視器1は、被監視体Wに発生したクラックCの進行状況を把握するための監視器であって、第1の監視体2と、第2の監視体3と、標識4とを備えている。
【0018】
第1の監視体2は、後述するように、クラックCを境にして一方の被監視体Wである第1の亀裂部W1に取り付けられ、第2の監視体3は、クラックCを境にして第1の亀裂部W1と対向する被監視体Wである第2の亀裂部W2に取り付けられる監視媒体である。第1の監視体2と第2の監視体3とは、ともにアルミニウム板製で、長方形に形成されている。また、一方の端部には、取付ボルト(図示せず)を挿入するための挿入孔2a、3aがそれぞれ形成されている。
【0019】
後述するように第2の監視体3が重ね合わされる第1の監視体2の上面(接触面)2bのほぼ中央部には、標識4が刻印されている。この標識4は、第2の監視体3が第2の亀裂部W2に取り付けられたときの第1の監視体2に対する第2の監視体3の初期位置(取付基準)を示し、十字形で、赤色に着色されている。さらに、第1の監視体2の上面2bには、標識4の縦横の線を基準にして1mm間隔の格子状の目盛5が刻印され、この目盛5は青色に着色されている。
【0020】
次に、このような構成のクラック監視器1を用いてクラックCの進行状況を把握する監視方法について説明する。
【0021】
まず、次のようにしてクラック監視器1を被監視体Wに取り付ける。すなわち、第1の監視体2の非挿入孔2a側の端部が第2の亀裂部W2に架かるように、第1の監視体2を第1の亀裂部W1上に位置させ、挿入孔2aに取付ボルトを挿入して第1の監視体2を第1の亀裂部W1に取り付ける。そして、取り付けた第1の監視体2の標識4の縦横の線に第2の監視体3の長辺と短辺とを合わせて(標識4の内コーナーに第2の監視体3の外コーナーを合わせて)、第1の監視体2の上面2bに重ねるように(接触するように)第2の監視体3を位置させ、挿入孔3aに取付ボルトを挿入して第2の監視体3を第2の亀裂部W2に取り付ける。このような取付状態では、第1の監視体2(上面2b)と第2の監視体3とが、被監視体Wの表面つまりクラックCの幅方向にほぼ平行となっている。
【0022】
このような状態で、標識4に対する第2の監視体3の位置変化を監視する。すなわち、クラックCが進行して第1の亀裂部W1および第2の亀裂部W2が変動すると、図2に示すように、標識4に対する第2の監視体3の位置が変化する。ここでは、第1の監視体2の上面2b上におけるクラックCの変化、つまりクラックCの幅方向(X方向)および亀裂の長手方向(Y方向)の変化が、標識4に対する第2の監視体3の位置変化として現れ、第2の監視体3の長短辺(長短縁)と標識4とがずれる(離れる)。このズレは目視によって容易に確認することができる。さらに、移動した第2の監視体3の長短辺と標識4との距離を目盛5から読み取って、第2の監視体3と標識4とのズレ量、つまりクラックCの進行量を測定する。このようにして、標識4に対する第2の監視体3の位置変化を監視して、クラックCの進行状況を把握、監視するものである。
【0023】
以上のように、本クラック監視器1およびクラック監視方法によれば、第1の監視体2と第2の監視体3とを被監視体Wに一度取り付ければ、第2の監視体3と標識4とのズレを目視で確認するだけで、クラックCの進行状況を把握することができる。このため、例えば被監視体Wが天井や高所などの場合であっても、足場や梯子などを設けることなく、つまり労力と時間とをかけずに、地上などから目視で容易にクラックCの進行状況を把握することができる。ここで、この実施の形態では、第1の監視体2の上面2bがクラックCの幅方向(被監視体Wの表面)にほぼ平行であるため、クラックCのX−Y方向(平面上)の進行状況を容易に把握することができる。
【0024】
また、第1の監視体2の上面2bに目盛5が設けられているため、上記のようにしてクラックCの進行量を測定することができる。しかも、標識4と目盛5とが刻印された第1の監視体2と、第2の監視体3とによる簡易な構成で、進行状況や進行量を容易に把握することができる。さらに、予め第1の監視体2に設けられた標識4に合わせて第2の監視体3を取り付けるため、より適正な監視を行うことが可能となる。すなわち、クラックCの進行方向や進行量などに応じて標識4を適正な位置に設けることで、第2の監視体3の初期位置(取付位置)をより適正な位置にし、監視範囲を十分に確保することや、目視確認をより容易にすることなどが可能となる。
【0025】
(実施の形態2)
図3は、この実施の形態に係るクラック監視器11を被監視体Wに取り付けた状態を示す斜視図であり、図4は、同正面図である。なお、実施の形態1と同等の構成などについては、同一符号を付して説明する。このクラック監視器11は、第1の監視体12と、第2の監視体13と、標識14とを備えている。
【0026】
第1の監視体12は、アルミニウム製の板材を直角に折り曲げて形成され、水平部12aと垂直部12bとを備えている。そして、後述するように、第1の監視体12が第1の亀裂部W1に取り付けられた状態で、垂直部12bの外面(接触面)12dがクラックCの破断面のほぼ延長面上(クラックCの深さ方向にほぼ平行)に位置し、かつ、外面12dに第2の監視体W2が接触されるようになっている。また、垂直部12bの外面12dには、実施の形態1における標識4および目盛5と同様な標識14と目盛15とが刻印されている。
【0027】
第2の監視体13は、アルミニウム板製で、長方形に形成され、挿入孔13aと対向する端部側の上面13bに、基準線16が刻印されている。この基準線16は、挿入孔13aと対向する先端縁(先端辺)13cに対して垂直かつほぼ中心に位置し、赤色に着色されている。
【0028】
次に、このような構成のクラック監視器11を用いてクラックCの進行状況を把握する監視方法について説明する。
【0029】
まず、次のようにしてクラック監視器11を被監視体Wに取り付ける。すなわち、垂直部12bの外面12dがクラックCの破断面のほぼ延長面上(上方)に位置するように、第1の監視体12を第1の亀裂部W1上に位置させ、挿入孔12cに取付ボルトを挿入して第1の監視体12を第1の亀裂部W1に取り付ける。そして、取り付けた第1の監視体12の標識14の横線(水平線)に第2の監視体13の先端縁13cを合わせ、標識14の縦線(垂直線)に第2の監視体13の基準線16を合わせて、第2の監視体13の先端縁13cを第1の監視体12の外面12dに接触させる。この状態で、挿入孔13aに取付ボルトを挿入して第2の監視体13を第2の亀裂部W2に取り付ける。このような取付状態では、第1の監視体12の外面12dがクラックCの深さ方向にほぼ平行に位置し、第2の監視体13が被監視体Wの表面つまりクラックCの幅方向にほぼ平行となっている。
【0030】
このような状態で、クラックCが進行して第1の亀裂部W1および第2の亀裂部W2が変動すると、標識14に対する第2の監視体13の先端縁13cおよび基準線16の位置が変化する。すなわち、クラックCが幅方向(X方向)に広がると、第2の監視体13の先端縁13cが第1の監視体12の外面12d(標識14の横線)から離れる。また、クラックCが深さ方向(Z方向)および亀裂の長手方向(Y方向)、つまり破断面上で移動すると、第2の監視体13の先端縁13cおよび基準線16が標識14からずれる。このような離れやズレは目視によって容易に確認することができる。さらに、移動した先端縁13cおよび基準線16と標識14との距離を目盛15から読み取って、第2の監視体13と標識14とのズレ量、つまりクラックCのY−Z方向の進行量を測定する。このようにして、標識14に対する第2の監視体13の位置変化を監視して、クラックCの進行状況を把握、監視するものである。
【0031】
以上のように、本クラック監視器11によれば、第2の監視体13と標識14とのズレを目視で確認するだけで、クラックCの平面上の進行状況のみではなく、クラックCの深さ方向の進行状況をも容易に把握することができる。つまり、X、Y、Z方向という立体的(3次元的)なクラックCの進行状況を容易に把握できるものである。
【0032】
以上、この発明の実施の形態1、2について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の態様1、2では、予め第1の監視体に標識を設けているが、第1の監視体と第2の監視体とを被監視体Wに取り付けた後に、第2の監視体の初期位置を示すマーカー線やピンなどの標識を第1の監視体に設けるようにしてもよい。この場合、第1の監視体(標識)に第2の監視体を位置合わせする必要がないため、取り付けが容易になる。
【0033】
また、第1の監視体の一部を標識とするようにしてもよい。例えば、第1の監視体の先端面と第2の監視体の先端面とが接触するように各監視体を被監視体Wに取り付け、第1の監視体の先端面を標識とし、標識である先端面から第2の監視体の先端面が離れる(ずれる)程度を確認・監視することで、クラックCの進行状況を把握するようにしてもよい。さらに、実施の態様1、2では、第1の監視体と第2の監視体とが板材から構成されているが、ブロック状の監視体であってもよく、アルミニウム以外の金属や樹脂などで構成してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1に係るクラック監視器を被監視体に取り付けた状態を示す正面図である
【図2】被監視体のクラックが進行した場合の図1のクラック監視器の位置変化を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るクラック監視器を被監視体に取り付けた状態を示す斜視図(一部断面図)である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るクラック監視器を被監視体に取り付けた状態を示す正面図(一部断面図)である。
【図5】クラックの進行状況を監視する従来の方法を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 クラック監視器
2 第1の監視体
2b 上面(接触面)
3 第2の監視体
4 標識
5 目盛
11 クラック監視器
12 第1の監視体
12a 水平部
12b 垂直部
12d 外面(接触面)
13 第2の監視体
13c 先端縁
14 標識
15 目盛
16 基準線
W 被監視体
W1 第1の亀裂部
W2 第2の亀裂部
C クラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視器であって、
前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に取り付けられる第1の監視体と、
前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に取り付けられる第2の監視体と、
前記第1の監視体に設けられ、前記第2の監視体が前記第2の亀裂部に取り付けられたときの前記第1の監視体に対する前記第2の監視体の初期位置を示す標識と、
を備えたことを特徴とするクラック監視器。
【請求項2】
前記第2の監視体が重ね合わされる前記第1の監視体の接触面に、前記標識が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクラック監視器。
【請求項3】
前記第1の監視体は、前記クラックの深さ方向にほぼ平行で前記第2の監視体が接触される接触面を有し、この接触面に前記標識が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクラック監視器。
【請求項4】
前記第1の監視体の接触面に目盛が設けられていることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のクラック監視器。
【請求項5】
被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視方法であって、
前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に、第1の監視体を取り付け、
前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に、第2の監視体を前記第1の監視体と接触するように取り付け、
前記第2の監視体が接触する前記第1の監視体の接触面に、前記第1の監視体に対する前記第2の監視体の初期位置を示す標識を設け、
前記標識に対する前記第2の監視体の位置変化を監視することを特徴とするクラック監視方法。
【請求項6】
被監視体に発生したクラックの進行状況を把握するためのクラック監視方法であって、
第1の監視体に、第2の監視体の取付基準となる標識を設け、
前記クラックを境にして一方の前記被監視体である第1の亀裂部に、前記第1の監視体を取り付け、
前記クラックを境にして前記第1の亀裂部と対向する前記被監視体である第2の亀裂部に、前記第2の監視体を前記第1の監視体の標識に合わせて取り付け、
前記標識に対する前記第2の監視体の位置変化を監視することを特徴とするクラック監視方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−14749(P2008−14749A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185289(P2006−185289)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】