説明

クランクプレス

【課題】 ブレーキと電動モータの容量を小さくしたクランクプレスを提供する。
【解決手段】 電動モータ9の動力をクラッチ7を介してクランク軸1に伝えて、スライド3を降下させ、クランク軸1に接続したブレーキ6でスライド3の上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライド3を停止させるクランクプレスであって、クランク軸1にギヤを介して連結された油圧ポンプ・モータ10と、油圧ポンプ・モータ10に油圧回路a、b、cで接続されたアキュムレータ13と、作動油を油圧ポンプ・モータ10を介してアキュムレータ13へ送るエネルギー吸収状態と、作動油をアキュムレータ13から油圧ポンプ・モータ10へ送るエネルギー放出状態とを切り換える第1、第2切換弁SV3、SV4とからなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクプレスに関する。さらに詳しくは、鍛造あるいは板金加工に用いられるクランクプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】図6はクランクプレスの基本構造図である。クランク軸1は電動モータ等で回転され、コンロッド2を介してスライド3が連結されている。このスライド3の下面に上金型を取り付け、図示しないベッド上の下金型との間に素材を入れ、スライド3を降下させることにより、鍛造あるいは成形するようになっている。また、スライド3には、バランスシリンダ4のピストンロッド4aが連結され、バランスシリンダ4のシリンダ4bには、アキュムレータ5の圧縮空気が供給され、スライド3及びコンロッド2を介して偏心軸1を常時上方へ押圧した状態とされている。そして、この状態で偏心軸1が駆動回転され、コンロッド2を介してスライド3を下降操作するようにしている。
【0003】汎用の熱間鍛造用クランクプレスにおいては、各サイクル毎に上死点で停止させる運転方法がとられるが、こうした運転を可能とするため、従来のクランクプレスは図7に示すような構成がとられている。前記クランク軸1の一端には、ブレーキ6が連結され、このブレーキ6はブレーキ制御弁SV1 を介して空圧により作動状態と非作動状態とに切り換え制御される。また、前記クランク軸1の他端には、クラッチ7とフライホイール8が連結され、フライホイール8はベルト等を介して電動モータ9で回転させられる。このクラッチ7は、クラッチ制御弁SV2 によって空圧により接続状態と切断状態とに切り換え制御される。
【0004】上記クランクプレスの運転を図8を併せ参照して説明する。いま、スライド3が上死点に停止しており、プレス起動指令が発せられると、ブレーキ制御弁SV1によってブレーキ6が解放され、次にクラッチ制御弁SV2 によってクラッチ7が接続されると、電動モータ9の動力によってクランク軸1が回転し、スライド3が下降し始める。スライド3が下死点に達したときクラッチ制御弁SV2 によってクラッチ7が遮断され、スライド3は慣性によって上昇していく。スライド3の上昇途中において、ブレーキ制御弁SV1 によりブレーキ6が効かされ、スライド3が上死点に停止し、次のストローク開始まで停止状態を保つ。上記操作を繰り返すことによって、各サイクル毎に上死点でいったん停止するプレス動作が継続して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来例のクランクプレスでは、スライド3を上死点に停止させる際には、バランスシリンダ4による引き上げ力も付加され、大きなエネルギーを瞬時に吸収し停止させなければならないので、大容量のブレーキ6が必要とされ、また逆に、起動時には大きな従動エネルギーをもつ偏心軸1を新たに回転させるため大容量の電動モータ9が必要である。そして大きなエネルギーの吸収と付加がプレス操作の停止・起動毎に繰り返され、その都度、大きなエネルギー消費が行われていた、という問題があった。
【0006】本発明はかかる事情に鑑み、ブレーキにかかる負荷を少なくし、モータ容量の低減を可能とするクランクプレスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のクランクプレスは、電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を停止させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギーをスライドの運動エネルギーに変換して放出するエネルギー吸収放出手段を設けたことを特徴とする。請求項2のクランクプレスは、前記エネルギー吸収放出手段が、クランク軸と共に回転するギヤに連結され、クランク軸から回転力を受け、またクランク軸に回転力を与える油圧ポンプ・モータと、前記油圧ポンプ・モータに油圧回路で接続されたアキュムレータと、前記油圧ポンプ・モータを介して前記アキュムレータへ送るエネルギー吸収状態と、作動油を前記アキュムレータから前記油圧ポンプ・モータを介して前記タンクへ送るエネルギー放出状態とを切り換える切換手段とからなることを特徴とする。請求項3のクランクプレスは、前記切換手段が、前記油圧回路に介装された第1切換弁、および第2切換弁からなり、前記第1切換弁および第2切換弁は、前記アキュムレータと前記油圧ポンプ・モータとを連通するI位置と、前記タンクと前記油圧ポンプ・モータとを連通するII位置との間で切り換え可能であることを特徴とする。請求項4のクランクプレスは、前記エネルギー吸収放出手段が、ピストンロッドがクランク軸のクランクピンあるいはその近傍またはコンロッドのクランクピン側近傍に連結され、クランク軸あるいはコンロッドから作動力を受け、またクランク軸あるいはコンロッドに作動力を与える油圧ポンプ・シリンダと、この油圧ポンプ・シリンダとバランスシリンダの反ロッド側室とに油圧回路で連結されたアキュムレータと、作動油を前記油圧ポンプ・シリンダを介して前記アキュムレータへ送るエネルギー吸収状態と、作動油を前記アキュムレータから前記油圧ポンプ・シリンダへ送るエネルギー放出状態とを切り換える切換手段とからなることを特徴とする。請求項5のクランクプレスは、電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギーをスライドの運動エネルギーに変換して放出するネルギー吸収放出手段を設け、前記エネルギー吸収放出手段を構成する油圧回路に、前記クラッチの作動回路を連結したことを特徴とする。請求項6のクランクプレスは、電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギをスライドの運動エネルギーに変換して放出するエネルギー吸収放出手段を設け、前記エネルギー吸収放出手段を構成する油圧回路に、ボトムノックアウトシリンダの作動回路を連結したことを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、スライド上昇時の運動エネルギーを油圧エネルギーに変換して蓄えることにより運動エネルギーを消費するので、スライドを停止させるためのブレーキの容量を小さくでき、スライド下降時に蓄えていた油圧エネルギーをスライドの起動時の下降運動に利用できるので、電動モータの容量を小さくできる。請求項2の発明によれば、クランク軸と油圧ポンプ・モータがギヤによりトルク伝達可能に連結されているので、スライド上昇時に油圧ポンプ・モータがポンプとして機能して、作動油をアキュムレータに蓄圧でき、スライド下降時にはアキュムレータ内の圧油によって油圧ポンプ・モータをモータとして機能させてクランク軸を回転させ、スライド起動時に下降運動エネルギーを与える。このように、運動エネルギーと油圧エネルギーの相互変換が行われるので、偏心軸駆動回転用の電動モータおよびブレーキの容量を小さくすることができる。請求項3の発明によれば、第1切換弁と第2切換弁によって、油圧ポンプ・モータがポンプとして機能する場合の油路とモータとして機能する場合の油路を、タイミング良く切り換えることができるので、シンプルな油圧回路によって、エネルギーの吸収とエネルギーの放出ができ、しかもブレーキとクラッチとのタイミングを合わせることにより、プレスの振動や騒音を少なく、プレスを円滑に運転することができる。請求項4の発明によれば、スライド上昇時に油圧ポンプ・シリンダーがポンプとして機能して、作動油をアキュムレータに蓄圧でき、スライド下降時にはアキュムレータ内の圧油によって油圧ポンプ・シリンダーをシリンダーとして機能させてスライドに下降運動エネルギーを与える。このように、運動エネルギーと油圧エネルギーの相互変換が行われるので、偏心軸駆動回転用の電動モータおよびブレーキの容量を小さくできる。また、エネルギー吸収放出手段にシリンダーを用いているので、油圧ポンプ・モータよりも作動効率が向上する。請求項5の発明によれば、クラッチの作動油をエネルギー吸収放出手段の油圧回路からとるので、クラッチ作動用のコンプレッサが不要となりクランクプレスがコンパクトとなり、排気騒音も出なくなる。請求項6の発明によれば、ボトムノックアウトシリンダの作動油をエネルギー吸収放出手段の油圧油路からとるので、ボトムノックアウトシリンダ用の油圧源が不要となり、クランクプレスがコンパクトになる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るクランクプレスの油圧回路図、図2は同クランクプレスにおける各制御弁のタイムチャートである。
【0010】図1において、クランク軸1、コンロッド2、ブレーキ6、クラッチ7、フライホイール8、モータ9、ブレーキ制御弁SV1 、クラッチ制御弁SV2 は図6に示す従来例と同様である。また、図1に図示していないが、スライド3とバランスシリンダ4も図6に示す従来例と同様に備えている。
【0011】本実施形態は上記の構成に以下の油圧回路部分を追加したことが特徴であるが、つぎにその追加部分を説明する。なお、この追加部分が、特許請求の範囲にいうエネルギー吸収放出手段を構成している。前記クランク軸1に結合したギヤ11に、油圧ポンプ・モータ10の駆動軸に結合したギヤ12が噛み合っている。前記油圧ポンプ・モータ10は、油圧ポンプとしても作用し油圧モータとしても作用する油圧機器であり、クランク軸1側から駆動力を受けると油圧ポンプとして作動し、圧油の供給を受けて回転すると、クランク軸1側に回転力を与える油圧モータとして作動する。この油圧ポンプ・モータ10の具体例としては、ギヤポンプ型やベーンポンプ型、ピストンポンプ型などがある。
【0012】この油圧ポンプ・モータ10の作動油給排ポートには、油路a、bが接続され、さらに油路a、bに油路cを介してアキュムレータ13が接続されている。そして、前記油路aには第1切換弁SV3 が介装され、前記油路bには第2切換弁SV4 が介装されている。
【0013】前記第1切換弁SV3 および第2切換弁SV4 は、いずれもソレノイド駆動の4ポート2位置切換弁であり、ソレノイドで切り換えたI位置では、油圧ポンプ・モータ10とアキュムレータ13が連通し、スプリング付勢のII位置では、アキュムレータ13の油路cは油路a、bから遮断され、アキュムレータ13内の圧油は保持された状態となっている。また、前記ソレノイドを消磁している間は常時スプリングでII位置に保たれる。
【0014】そして、前記油路bには、逆止弁15がアキュムレータ13への圧油供給を許容し、アキュムレータ13からの圧油排出を阻止する方向に介装されている。上記の第1切換弁SV3 および第2切換弁SV4 で、特許請求の範囲にいう切換手段が構成されている。
【0015】なお、油路dの油圧ポンプ16、開閉弁17は運転頭初の作動油供給と油洩れ時の補給用であり、18はアキュムレータ13内の蓄圧確認用のプレッシャスイッチである。アキュムレータ13内の圧力が規定値以下になると、プレッシャスイッチ18が働いて、油圧ポンプ16が起動し開閉弁17が開いて、アキュムレータ13および油路c内に作動油を補給することができる。
【0016】つぎに、上記クランクプレスの運転方法を、図2を併せ参照しながら説明する。
(1) まず、スライドを降下させる場合、ブレーキ制御弁SV1 によってブレーキ6を解放し、次いで第1切換弁SV3 をI位置に切り換える。すると、アキュムレータ13内の圧油が油路c→a→bと流れ、油圧ポンプ・モータ10を回転させる。なお、逆止弁15により、圧油が油路cから油路bへ流れ込むことはない。油圧ポンプ・モータ10の回転トルクはギヤ12、11を介してクランク軸1に伝えられるので、プレスが起動する。つまり、アキュムレータ13内の油圧エネルギーでプレスを起動するのである。第1切換弁SV3 と同時にクラッチ制御弁SV2 も入りクラッチ7を接続し、フライホイール8に蓄えたエネルギーおよび電動モータ9のエネルギーによりクランク軸1を回転させる。すなわち、クランク軸1の駆動はアキュムレータ13の放出エネルギーと電動モータ9のエネルギーの両方が合わされて行うことになる。第1切換弁SV3 は定常回転が得られたところで消磁し、アキュムレータ13の油路cは遮断される。この状態では油圧ポンプモータ10はその各ポートがタンク14に連絡され、追従回転する。このようにして、スライドを下死点まで降下させて型打ちを行う。なお、スライドが下死点に達した時点でクラッチ制御弁SV2によってクラッチ7を遮断する。
【0017】(2) 型打ち後、スライドは上昇し始めるが、スライドの上昇途中で、第2切換弁SV4 をI位置に切り換える。この状態では、スライド3は慣性により上昇していくので、油圧ポンプ・モータ10は偏心軸1によってギヤ11、12を介して回転させられ、タンク14内の作動油を油路aを介して吸い込み、油路b、cを介してアキュムレータ13に供給する。なお、油路b中の逆止弁15は順方向であるので作動油の流れを許容する。このようにして、スライドの運動エネルギーによって、アキュムレータ13に作動油を供給する。つまり、運動エネルギーを油圧エネルギーに変換するよう蓄圧するのである。
【0018】スライドが上死点に達する直前で、ブレーキ制御弁SV1 を切り換え第2切換弁SV4 を励磁すると同時にブレーキ制御弁SV1 も消磁してブレーキ6を効かし始め、スライドを上死点位置に停止させる。スライドが上死点に達した後も、ブレーキ6によって保持され所望の時間、スライドが上死点で停止した状態を保つ。つぎのサイクルは、前記(1) 、(2) を再び繰り返せばよい。
【0019】本実施形態のクランクプレスにおいては、つぎの利点がある。
■プレスの停止前のスライド運動エネルギーを油圧エネルギーに変換してアキュムレータ13に蓄えるため、それによる消費エネルギーが制動効果を伴うので、ブレーキの容量を小さくすることができる。
■プレスの起動時(降下開始時)に、スライド上昇時の運動エネルギーによって蓄えた油圧エネルギーを利用できるため、プレス駆動用の電動モータの容量を小さくすることができる。
■クラッチ接続時のクラッチ伝達が動摩擦から静摩擦近くになり、クラッチライニングの摩耗を抑制できる。
■プレスの起動と停止時のクラッチとブレーキの接続切断が円滑に行え、振動や騒音の発生が少なくなる。
【0020】本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。10A はピストンロッドを偏心軸1に連結した油圧ポンプ・シリンダである。ピストンロッドの連結部所は上記の偏心軸1の他にコンロッド2に連結することもできる。バランスシリンダ4の反ロッド側室4′には油路bの一端が連結されている。この第2実施形態のものは油路a、bの一端が油圧ポンプ・シリンダ10A とバランスシリンダ4とに分かれて連結している点が違っているだけで他の点は第1実施形態と同一の構成である。この第2実施形態のものでは、シリンダを構成要素とするエネルギー吸収放出手段としているので、第1実施形態の油圧ポンプ・モータに比べていっそう作動効率が向上できる効果がある。
【0021】本発明の第3の実施形態を図4に基づいて説明する。アキュムレータ13が連結された油路cから分岐した油路dをクラッチ作動用油圧供給路とした点が第1実施形態と相違するだけで他の点は第1実施形態と同一構成である。この第3実施形態のものでは、嵩の大きなコンプレッサが不要となるのでクランクプレスがコンパクトになり、また、排気騒音の出ないプレスとなる効果がある。
【0022】本発明の第4実施形態を図5に基づいて説明する。アキュムレータ13が連結された油路cから分岐した油路eをボトムノックアウトシリンダー20の作動回路とした点が第2実施形態と相違するだけで他の点は第2実施形態と同一である。なお、21はノックアウト操作用の電磁弁、22は復帰動作用のエアー源である。この第4実施形態のものではアキュムレータ13に蓄えられた圧油を利用するのでボトムノックアウトシリンダー作動用の専用の油圧源が不要になる。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、スライド停止用のブレーキと、スライド駆動用の電動モータの容量を小さくできる。請求項2の発明によれば、クランク軸と油圧ポンプ・モータのトルク伝達機構により、運動エネルギーと油圧エネルギーの相互変換が行われるので、クラッチと電動モータの容量を小さくすることができる。請求項3の発明によれば、第1切換弁と第2切換弁によって、シンプルな油圧回路によって、エネルギーの吸収とエネルギーの放出ができ、ブレーキとクラッチとのタイミングを合わせることにより、プレスを円滑に、振動や騒音を発生させることなく、運転することができる。請求項4の発明によれば、ブレーキと電動モータの容量を小さくでき、かつ油圧ポンプ・シリンダーにより作動効率を高くできる。請求項5の発明によれば、コンプレッサを不要にして、クランクプレスをコンパクトにし排気騒音もなくすることができる。請求項6の発明によれば、ボトムノックアウトシリンダーの油圧源を無くして、クランクプレスをコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランクプレスの油圧回路図である。
【図2】同クランクプレスにおける各制御弁のタイムチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係るクランクプレスの油圧回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るクランクプレスの油圧回路図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係わるクランクプレスの油圧回路図である。
【図6】クランクプレスの基本構造図である。
【図7】従来のクランクプレスのブレーキ・クラッチまわりの構成図である。
【図8】従来のクランクプレスの作動タイムチャートである。
【符号の説明】
1 クランク軸
2 コンロッド
6 ブレーキ
7 クラッチ
10 油圧ポンプ・モータ
13 アキュムレータ
15 逆止弁
SV1 ブレーキ制御弁
SV2 クラッチ制御弁
SV3 第1切換弁
SV4 第2切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギーをスライドの運動エネルギーに変換して放出するエネルギー吸収放出手段を設けたことを特徴とするクランクプレス。
【請求項2】前記エネルギー吸収放出手段が、クランク軸と共に回転するギヤに連結され、クランク軸から回転力を受け、またクランク軸に回転力を与える油圧ポンプ・モータと、前記油圧ポンプ・モータに油圧回路で接続されたアキュムレータと、作動油を前記油圧ポンプ・モータを介して前記アキュムレータへ送るエネルギー吸収状態と、作動油を前記アキュムレータから前記油圧ポンプ・モータへ送るエネルギー放出状態とを切り換える切換手段とからなることを特徴とする請求項1記載のクランクプレス。
【請求項3】前記切換手段が、前記油圧回路に介装された第1切換弁および、第2切換弁からなり、前記第1切換弁および第2切換弁は、前記アキュムレータと前記油圧ポンプ・モータとを連通するI位置と、タンクと前記油圧ポンプ・モータとを連通するII位置との間で切り換え可能であることを特徴とする請求項2記載のクランクプレス。
【請求項4】前記エネルギー吸収放出手段が、ピストンロッドがクランク軸のクランクピンあるいはその近傍またはコンロッドのクランクピン側近傍に連結され、クランク軸あるいはコンロッドから作動力を受け、またクランク軸あるいはコンロッドに作動力を与える油圧ポンプ・シリンダと、この油圧ポンプ・シリンダとバランスシリンダの反ロッド側室とに油圧回路で連結されたアキュムレータと、作動油を前記油圧ポンプ・シリンダを介して前記アキュムレータへ送るエネルギー吸収状態と、作動油を前記アキュムレータから前記油圧ポンプ・シリンダへ送るエネルギー放出状態とを切り換える切換手段とからなることを特徴とする請求項1記載のクランクプレス。
【請求項5】電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギーをスライドの運動エネルギーに変換して放出するネルギー吸収放出手段を設け、前記エネルギー吸収放出手段を構成する油圧回路に、前記クラッチの作動回路を連結したことを特徴とするクランクプレス。
【請求項6】電動モータの動力をクラッチを介してクランク軸に伝えてスライドを降下させ、前記クランク軸に接続したブレーキでスライドの上昇を減速させ、各サイクル毎に、上死点でスライドを停止させるクランクプレスであって、スライド上昇時の運動エネルギーの一部を油圧エネルギーに変換して吸収し、スライド下降時に前記油圧エネルギをスライドの運動エネルギーに変換して放出するエネルギー吸収放出手段を設け、前記エネルギー吸収放出手段を構成する油圧回路に、ボトムノックアウトシリンダの作動回路を連結したことを特徴とするクランクプレス。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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