説明

クリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法およびこの方法により得られるフィブロインおよびセリシン

【課題】クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭層からフィブロインとセリシンを分離して取得する方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程:(1)クリキュラ繭層を洗浄する洗浄工程;(2)前記工程(1)を経たクリキュラ繭層を、80℃〜120℃、0.1%〜1.0%のNa2CO3溶液に浴比1:70〜1:150で浸漬してセリシンを溶解させる精練工程;および(3)前記工程(2)で得られた精練液を濾過し、固形分のフィブロインとセリシン溶液とに分離する分離工程を含む方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法に関するものである。また、この方法により得られるフィブロインおよびセリシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、家蚕(Bombyx mori)の絹タンパク質のフィブロイン、セリシンの抽出、精製方法として様々な方法が提案され(例えば、特許文献1など)、家蚕の絹タンパク質のフィブロイン、セリシンが有する機能についての検討が進められている。具体的には、例えば、家蚕の繭層からの抽出等の処理によって得られる絹タンパク質を健康増進のための食品に利用することや、化粧料成分として利用することが試みられている。
【0003】
一方、本発明者らは、天蚕(Antheraea yamamai)の絹タンパク質についての研究を進め、その精製法と実用的利用を確立している(特許文献2)。天蚕の繭層にはシュウ酸カルシウムCa(COO)2を多く含み、純セリシンが得にくかったが、この精製法の開発によりCa(COO)2が除去可能となり、高収率での精製セリシンの取得が実現されている。
【0004】
一方、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)は、東南アジアに生息するヤママユガ科に属する野蚕の1種であり、その繭は、荒い網目状の黄金色であり、その美しさから、アクセサリーや織物の原材料として高価で取引されている。さらに、特許文献3では、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭の抽出物を含有する抗腫瘍剤、抗酸化剤、プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤について提案している。
【0005】
しかしながら、特許文献3の抽出方法では、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭からフィブロイン、セリシンを抽出、精製するには至っていない。クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭からフィブロイン、セリシンを抽出、精製する技術が確立されれば、化粧品や健康補助食品等の分野におけるさらなる有効活用が期待される。
【0006】
そこで、本発明者らは、天蚕(Antheraea yamamai)繭層からの絹タンパク質の精製法(特許文献2)を、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)に適用することを検討した。
【0007】
しかしながら、野蚕の絹タンパク質(フィブロイン、セリシン)は、種により構成アミノ酸組成やその高次構造が著しく異なる他、含有する無機塩類、色素などが複雑に結合している。このため、天蚕(Antheraea yamamai)繭層からの絹タンパク質の精製法(特許文献2)を、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)に適用した場合、高分子量のフィブロインおよびセリシンを分離して取得することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−238312号公報
【特許文献2】特開2008−208123号公報
【特許文献3】特開2009−280503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭層からフィブロインとセリシンを分離して取得するための方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のクリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法は、以下の工程:(1)クリキュラ繭層を洗浄する洗浄工程;(2)前記工程(1)を経たクリキュラ繭層を、80℃〜120℃、0.1%〜1.0%のNa2CO3溶液に浴比1:70〜1:150で浸漬してセリシンを溶解させる精練工程;および(3)前記工程(2)で得られた精練液を濾過し、固形分のフィブロインとセリシン溶液とに分離する分離工程を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明の分離方法では、前記工程(1)の洗浄処理は、クリキュラ繭層を50℃〜80℃の水で洗浄することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明のフィブロインは、前記分離方法によって得られる。
【0013】
また、本発明のセリシン粉末は、前記分離方法によって得られたセリシン溶液を透析し、凍結乾燥して得られる。
【0014】
本発明のセリシン粉末は、分子量が47kDaであることが好ましい。
【0015】
本発明のセリシン粉末の製造方法は、前記分離方法によって得られたセリシン溶液を透析し、凍結乾燥する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の繭層からフィブロインとセリシンを分離して取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】クリキュラ繭層からフィブロイン、セリシンの分離精製法とセリシンの粉末化取得法を例示したフローチャートである。
【図2】本発明の方法で得られたセリシン粉末のBlue native-PAGE電気泳動図である。
【図3】本発明の方法で得られたセリシン粉末の紫外部および可視部波長吸光度スペクトルを示す図である。
【図4】参考例における抽出物Aの紫外部および可視部波長吸光度スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のクリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法は、以下の(1)〜(3)工程:
(1)クリキュラ繭層を洗浄する洗浄工程;
(2)前記工程(1)を経たクリキュラ繭層を、80℃〜120℃、0.1%〜1.0%のNa2CO3溶液に浴比1:70〜1:150で浸漬してセリシンを溶解させる精練工程;および
(3)前記工程(2)で得られた精練液を濾過し、固形分のフィブロインとセリシン溶液とに分離する分離工程
を含む。
【0019】
本発明において使用されるクリキュラ繭層とは、クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の生繭を切開して得られる絹繊維であり、主にフィブロインとセリシンとによって複合形成されているものをいう。クリキュラ繭層は、切開された状態で処理することも可能であるが、例えば、公知の手段によって、適宜な大きさに切断、粉砕処理等を行うことができる。
【0020】
本発明の方法における第1工程は、クリキュラ繭層を洗浄処理する工程である。具体的には、クリキュラ繭層を50℃〜80℃の水、好ましくはおよそ65℃程度の純水で洗浄する。洗浄時間は、およそ3〜5分程度とすることができる。また、このとき、クリキュラ繭層と水(純水)の浴比が1:80〜1:120程度とすることで、より効率的にクリキュラ繭層を洗浄することができる。この洗浄工程によって、クリキュラ繭層に含まれる水溶性色素や夾雑物を除去することができる。また、この洗浄工程においては、繭層を適宜攪拌などさせることもできる。そして、洗浄後は、例えばガラスフィルターで繭層と濾液に固液分離する。
【0021】
第2工程は、第1工程を経て固液分離された繭層を精練する工程である。具体的には、第1工程で洗浄、分離された繭層を80℃〜120℃、0.1%〜1.0%のNa2CO3溶液に浴比1:70〜1:150に浸漬することによって行うことができる。セリシンは水に溶解するという特徴があるため、この精練処理によって、クリキュラ繭層を構成するフィブロインから高分子量のセリシンを分離、溶出させることができる。このような精練条件に設定することで、繭層からセリシンを効率的に抽出することができる。
【0022】
特に、繭層のNa2CO3溶液浴比が1:70以下の場合には精練効果は低く、また、Na2CO3溶液浴比が1:150以上の場合には、以降の工程の処理時間と手間がかかってしまうため好ましくない。したがって、Na2CO3溶液の温度、濃度などの条件と関係するが、Na2CO3溶液浴比の範囲は、1:70〜1:150、より好ましくは、浴比1:75〜1:85程度とすることができる。また、浸漬時間は、繭層の細切の程度、Na2CO3溶液の温度、濃度、浴比などの条件に応じて適宜決定することができるが、およそ40分〜90分程度を目安とすることができる。
【0023】
第3工程は、第2工程によって得られた精練液(固形分の繭層を含む)を濾過し、繊維状固形分のフィブロインとセリシン溶液とに分離する工程である。濾過には、例えば、ガラスフィルター、濾紙などの適宜使用することができる。また、この分離工程においては、繊維状固形分に物理的作用を与えることもでき、これによって、効率的にフィブロインとセリシンを分離することができる。物理的作用としては、例えば、圧縮や搾り出しなどを例示することができる。より具体的には、例えば、圧縮としては、プレス装置によって繊維状固形分を圧縮する方法や、遠心力を付加する方法などを採用することができる。また、搾り出しとしては、自動または手動の乳鉢などを利用することもできる。
【0024】
さらに、第3工程によって得られたセリシン溶液を透析処理し、凍結乾燥させることでセリシン粉末を得ることができる。具体的には、第3工程によって得られたセリシン溶液を、例えば、セルロースチューブに充填し、20℃〜25℃程度の水道水、純水で透析を行うことができる。そして、この透析後の溶液を公知の手段で凍結乾燥させることで、粉末状のセリシン抽出物を得ることができる。
【0025】
この粉末状のセリシン抽出物(セリシン粉末)は、抽出条件にもよるが、通常45〜50kDaに高分子量であることが確認されている。したがって、本発明の方法によって、クリキュラ繭層からフィブロインとセリシンを分離することができ、得られるセリシン粉末は、安定性が高く、加工性にも優れており、クリキュラ繭層に由来する新しい機能性材料として、食品、化粧品等の分野において有効に利用することができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明のクリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法について説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明のクリキュラ繭層からフィブロイン、セリシンの分離精製法とセリシンの粉末化取得法を例示したフローチャートである。以下、図1のフローチャートに沿って本発明の方法について具体的に説明する。
【0028】
<1>クリキュラ繭層からのフィブロインとセリシンの分離
(1)材料
クリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)の生繭(株式会社ユーエス、インドネシア産)を切開して、クリキュラ繭層を得た。
【0029】
(2)洗浄工程
クリキュラ繭層50gを65℃、5Lの純水で3分間浸漬し(浴比1:100)、洗浄した。その後は、17Gガラスフィルターで濾過し、固形分(繭層)と溶液とを分離した。
【0030】
(3)精練工程
洗浄後の固形分(繭層)を、98℃、0.5%のNa2CO3溶液に浴比1:75で1.5時間浸漬することで精練を行った。
【0031】
なお、従来の天蚕セリシンの取得方法(特許文献2)においては、天蚕繭層をNa2CO3溶液に浴比1:50で浸漬することで精練してセリシンを得ていた。しかしながら、クリキュラ繭層と天蚕繭層とは、繭層形態構造、アミノ酸組成、フィブロインとセリシンの分子高次構造、結合性(凝集性)が異なるため、そのセリシンの溶解性も全く異なると考えられ、クリキュラ繭層をNa2CO3溶液に浴比1:50で浸漬した場合には、クリキュラ繭層からのセリシンの取得は困難であった。すなわち、Na2CO3溶液浴比1:50では、フィブロインとセリシンを十分分離することはできず、本発明における精練工程の処理条件は、クリキュラ繭層に特有のものであった。
【0032】
また、従来の天蚕セリシンの取得方法(特許文献2)では、繭層精練後に、常温(25℃)で3日以上放置してシュウ酸カルシウムCa(COO)等の夾雑物を沈殿させる工程を必要としていたが、クリキュラ繭層は、これらの夾雑物が少なく、放置による沈殿工程は不要であった。
【0033】
(4)分離工程
精練処理後の精練液を17Gガラスフィルターで濾過することで、固形分(繭層部分)のフィブロインとセリシン溶液とを分離した。
【0034】
さらに、セリシン溶液については、常温(25℃)で濾紙による濾過を行って得た溶液をセルロースチューブに充填し、20℃の水道水で3日流水透析し、その後、純水を2〜3時間おきに交換しながら1日透析を行い、凍結乾燥機(東京理科器械株式会社、EYELA FDU-810)で凍結乾燥させることで、クリキュラ繭層からの粉末状のセリシン抽出物(セリシン粉末)を収率13.86%で得ることができた。
【0035】
なお、繭層の絹タンパク質は、繊維軸に沿って配向し分子間の結合と凝集力が強いフィブロイン及び無配向で分子間結合がほとんどないセリシンの2種類で構成されていることは周知である。すなわち、種により難溶の差はあるが、セリシンは水に溶解するという特徴があり、前記(3)の精練工程は、この特徴を利用して積極的にセリシンを除去するための工程である。したがって、精練処理後に分離された固形分はフィブロインであると判断することができる。また、フィブロインが除去された濾液には高分子量のタンパク質が含まれていることが確認され(後述の分子量測定、アミノ酸組成分析)、セリシンを含有する溶液(セリシン溶液)であると判断することができる。
【0036】
<2>セリシン粉末の分子量
本発明の方法で得られたセリシン粉末について、Blue native-PAGE電気泳動法により分子量を次のように測定した。
Blue Native−PAGE電気泳動には4-16 %のグラジエントゲルを用いた(Invitrogen社)。泳動槽に泳動用バッファー(Invitrogen社)を入れ、泳動用試料(20μl)は、等量のサンプルバッファー(Invitrogen社)を加えて調整した。分子量マーカーには、Protein Marker Kit(M.W.Range 97,000〜14,400, GEヘルスケアバイオサイエンス社)を使用した。泳動は、150V定電圧でおこない、泳動後のゲルの脱色はInvitrogen社BN-PAGE Manualに従って行った。具体的には泳動後のゲルを100 mlの固定液(40%メタノール, 10% 酢酸)に入れ、電子レンジで45秒温めた後、シェーカーで室温/ 5分間振とうし、固定液を捨てた。続いて100 ml の脱色液(8%酢酸)を加え、電子レンジで45秒温めた後、バッググラウンドが鮮明になるまでシェーカーで振とうした。なお、電気泳動に使用するタンパク質の定量はBCA protein assay reagent kit(Pierce社)の測定手順に従って行った。
【0037】
結果は、図2に示したように、本発明の方法で得られたセリシン粉末は、47kDaであることが確認された。このセリシン粉末は高分子量であるため、安定性が高く、加工性にも優れていると考えられ、様々な分野での有効に利用することができる。
【0038】
<3>セリシン粉末のアミノ酸組成
本発明の方法で得られたセリシン粉末のアミノ酸組成をアミノ酸アナライザー(日本電子社、JLC-500 / V)によって分析し、家蚕セリシン、天蚕セリシンのアミノ酸組成と比較した。
【0039】
なお、天蚕セリシンについては、特許文献2に記載の方法によって取得したものを使用し、家蚕セリシンについては、特許文献2に記載のデータを引用した。
【0040】
結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
表1に示されているように、本発明の方法で得られたクリキュラトリフェネストラータ(Cricula trifenestrata)繭層からのセリシン粉末(表のT. Cricula欄)のアミノ酸組成は、家蚕セリシン、天蚕セリシンのアミノ酸組成とは異なることが確認された。具体的には、本発明の方法で得られたセリシン粉末(T. Cricula)は、相対的に、セリン、グリシンが多く含まれていた。さらに、本発明の方法で得られたセリシン粉末(T. Cricula)は、家蚕セリシン、天蚕セリシンと比較してヒスチジンが多量に含まれていた。
【0043】
<4>セリシン粉末のスペクトル分析
本発明の方法で得られたセリシン粉末を水に溶解させた溶液について、紫外部および可視部波長吸光度スペクトルを求めた。
【0044】
結果を図3に示すように、吸光度は、短波長225nmにおける極大値から長波長側に沿って放物線を描きながら低下するが、波長240nm、280nm、335nmに小さな凸のピークを、さらに、波長370nm、490nmにかけてなだらかなピークを示すスペクトルが得られた。
【0045】
<5>参考例
(1)本発明の方法における洗浄工程後に固形分(繭層)と分離された濾液を、さらに濾紙で濾過して抽出物A(溶液)を得た。
この抽出物を、本件精製セリシン粉末を取得するため乾燥処理と同様の凍結乾燥をすると抽出物A粉末を得ることができる。抽出物Aの収率は0.32%(乾燥粉末)であった。
【0046】
この抽出物A(溶液)について紫外部および可視部波長吸光度スペクトルを求めたところ、短波長220nmにおける極大値から長波長側に沿って放物線を描きながら低下するが、波長275nm、340nm、370nmに小さな凸のピークを、さらに、波長390nm、490nmにかけてなだらかなピークを示すスペクトルが得られた(図4)。この抽出物Aは黄金色であり、クリキュラ繭層の最外層のセリシン(若干量)、水溶性の色素、夾雑物等が含まれていると考えられる。
【0047】
(2)本発明の方法における洗浄工程後の固形分(繭層)を、98℃の水に浴比1:50で20分〜30分間浸漬処理をした。その後、17Gガラスフィルターで濾過し、その濾液をさらに濾紙で濾過し、抽出物B(溶液)を得た。
この抽出物を、実施例で得た精製セリシン粉末の場合と同様の凍結乾燥をすることで抽出物B粉末を得ることができた。抽出物Bの収率は1.23%(乾燥粉末)であった。この抽出物Bには、繭層の最外層にあるセリシンとそのセリシンと結合する色素が含まれていると考えられる。この抽出物Bは、実施例で得られた精製セリシンとは異なる生理活性を有することが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリキュラ繭層のフィブロインとセリシンの分離方法であって、以下の工程:
(1)クリキュラ繭層を洗浄する洗浄工程;
(2)前記工程(1)を経たクリキュラ繭層を、80℃〜120℃、0.1%〜1.0%のNa2CO3溶液に浴比1:70〜1:150で浸漬してセリシンを溶解させる精練工程;および
(3)前記工程(2)で得られた精練液を濾過し、固形分のフィブロインとセリシン溶液とに分離する分離工程
を含むことを特徴とする分離方法。
【請求項2】
前記(1)の洗浄工程は、クリキュラ繭層を50℃〜80℃の水で洗浄することを特徴とする請求項1の分離方法。
【請求項3】
請求項1または2の分離方法によって得られたフィブロイン。
【請求項4】
請求項1または2の分離方法によって得られたセリシン溶液を透析し、凍結乾燥して得られたセリシン粉末。
【請求項5】
分子量が47kDaであることを特徴とする請求項4のセリシン粉末。
【請求項6】
請求項1または2の分離方法によって得られたセリシン溶液を透析し、凍結乾燥する工程を含むことを特徴とするセリシン粉末の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−82174(P2012−82174A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230994(P2010−230994)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(504165591)国立大学法人岩手大学 (222)
【出願人】(508149009)
【Fターム(参考)】