説明

クリーナ用ノズル、およびクリーナ

【課題】布類の吸い付きと吸い込みを抑える。
【解決手段】本クリーナ用ノズル101を、基端が吸気を生成する電動送風機を内蔵したクリーナ本体に接続される接続口となる一方、先端がクリーナ本体で生成された吸気とともに被掃除物であるカーテン等の布類の塵埃を吸い込む吸込口5となるように、筒状に形成する。吸込口5の先端の周縁7に、筒軸方向に沿って周縁7を部分的に後退させた矩形状の凹部9を等間隔に9カ所設け、凹部9によって、吸込口5の近傍に、側面側から吸気可能な側面吸込口11を形成する。また、吸込口5内には、吸気によって吸込口5から筒内に取り込まれた布類に、側面吸込口11の近傍で当接する当接部13を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーナ用ノズル、およびクリーナに関し、特にノズルの吸込口を塞ぎ易い布類等を被掃除物とするものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クリーナ用ノズルにおいて、カーテン或いはシーツ等の布類や比較的に被掃除面が吸込口に吸い付き易い被掃除物を掃除する際に、被掃除物によるその吸込口の塞ぎを防止する技術として、例えば特許文献1のアタッチメント等が知られている。
この特許文献1の技術は、吸入口近傍の壁面に少数の小孔を穿設し、この少数の小孔から少量の空気を流入することで、モータの過負荷状態を回避可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−61723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、特に被掃除物が布類の場合、クリーナの吸引力が強力になると、吸入口からさらに少数の小孔を塞いでしまう程の奥まで入り込み、結果吸入口の塞ぎを防止できないことがある点で問題があった。
【0005】
そこで、本発明では上記課題を鑑み、布類等の被掃除物の吸い付きと吸い込みを抑えて気流の通路を確保できるクリーナ用ノズル、およびクリーナの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係るクリーナ用ノズルは、基端がクリーナ本体に接続される一方、先端が、前記クリーナ本体で生成した吸気とともに被掃除物の塵埃を吸い込む吸込口となる筒状のクリーナ用ノズルであって、前記吸込口の近傍に、側面から吸気可能な側面吸込口を形成すると共に、前記吸込口内に、吸気による前記被掃除物の吸い込みを阻止する当接部を設けて構成される。
【0007】
請求項2の発明に係るクリーナ用ノズルは、前記当接部を、前記先端側の当接面が前記側面吸込口における基端側の最後退位置と同じ若しくは前記最後退位置よりも前方へ突出するように設けて構成される。
【0008】
請求項3の発明に係るクリーナ用ノズルは、前記当接部を、少なくとも前記先端側の一部が前記吸込口の軸心に位置する棒状体として構成される。
【0009】
請求項4の発明に係るクリーナ用ノズルは、前記当接部を、前記吸込口を直径方向に横切る棒状体として構成される。
【0010】
請求項5の発明に係るクリーナ用ノズルは、前記側面吸込口を、前記吸込口の周縁を部分的に後退させた凹部として構成される。
【0011】
請求項6の発明に係るクリーナは、吸気を生成するクリーナ本体に、請求項1乃至5の何れかに記載のクリーナ用ノズルを接続して構成される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、6の発明によれば、吸込口を布類等の被掃除物に当てて掃除する際、側面吸込口によって、気流の通路を確保でき、被掃除物の吸い付きを抑えることができる。また、吸気量を増加させた場合であっても、吸込口内に設けた当接部によって、吸気による被掃除物の吸い込みを阻止して、被掃除物のそれ以上の吸い込みを抑えることができる。よって、吸い込んだ被掃除物による側面吸込口の塞ぎを防止でき、気流の通路をより確実に確保できる。
請求項2の発明によれば、上記効果に加えて、当接部を、先端側の当接面が少なくとも側面吸込口における基端側の最後退よりも前方へ突出するように設けたので、被掃除物の吸い込みを効果的に防止可能になる。
請求項3の発明によれば、上記効果に加えて、当接部を、少なくとも先端側の一部が吸込口の軸心に位置する棒状体としたので、クリーナ用ノズルの吸込口に床用ノズル等が支障なく接続でき、当接部を設けても汎用性は損なわれない。
請求項4の発明によれば、上記効果に加えて、当接部を、吸込口を直径方向に横切る棒状体としたので、簡単な構成で当接部を形成可能になる。
請求項5の発明によれば、上記効果に加えて、側面吸込口を、吸込口の周縁を部分的に後退させた凹部としたので、側面吸込口が簡単に形成可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るクリーナ用ノズルの一の実施の形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図2】本発明に係るクリーナを示す斜視説明図である。
【図3】本発明に係るクリーナを示す断面説明図である。
【図4】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図5】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図6】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図7】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図8】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図9】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図10】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図11】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図12】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【図13】他の実施形態を示し、(a)は斜視説明図、(b)は断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本クリーナ用ノズル101は、基端が吸気を生成する電動送風機を内蔵したクリーナ本体に接続される接続口となる一方、先端が、クリーナ本体で生成された吸気とともに被掃除物であるカーテン等の布類の塵埃を吸い込む吸込口5となるように、筒状に形成されている。
【0015】
吸込口5の先端の周縁7には、筒軸方向に沿って周縁7を部分的に後退させた矩形状の凹部9が等間隔に9カ所設けられている。周縁7と凹部9は、吸込口5の近傍に、側面側から吸気可能な側面吸込口11を形成している。また、吸込口5内には、吸気によって吸込口5から筒内に取り込まれた布類に側面吸込口11の近傍で当接して、それ以上の布類の吸い込みを阻止する当接部13が設けられている。
【0016】
当接部13は、少なくとも先端側の一部が吸込口5の軸心に位置する略L字状の棒状体で形成されている。その短尺部の基端13aは、側面吸込口11よりも筒奥の内面に固定される一方、長尺部の先端13bは、布類の当接位置である吸込口5の周縁7と等しい位置に配置されている。また先端側の当接面は、側面吸込口11における基端側の最後退位置よりも前方へ突出するように設けられている。
【0017】
上記構成のクリーナ用ノズル101によれば、吸込口5を布類に当てて掃除する際、側面吸込口11によって気流の通路を確保でき、布類の吸い付きを抑えることができる。また、吸気量を増加させた場合であっても、当接部13によって、その先端を側面吸込口11の近傍で布類に当接させ、それ以上の吸い込みを抑えることができる。よって、吸い込んだ布類による側面吸込口11の塞ぎを防止でき、気流の通路をより確実に確保できる。
【0018】
また側面吸込口11を、吸込口5の周縁7を部分的に後退させた凹部としたので、後退させる手間だけで側面吸込口11を簡単に形成可能となる。また当接部13を、先端側の当接面が側面吸込口11における基端側の最後退位置よりも前方へ突出するように設けたので、側面吸込口11を塞ぎにくくでき、被掃除物の吸い込みを効果的に防止可能になる。
【0019】
図2は本クリーナ用ノズル101に床用ノズル21を連結した状態を示す斜視説明図、図3はその断面説明図である。本クリーナ用ノズル101の吸込口5は、床用ノズル21の基端に嵌合するように構成されている。本クリーナノズル101と、その接続口に接続される図示しないクリーナ本体とによって、クリーナ1が構成されている。
図3で明らかなように、当接部13の基端13aは、床用ノズル21の基端を差し込んで当該基端が干渉しない位置に固定されているため、当接部13を設けても、本クリーナノズル101は床用ノズル21等を接続でき通常の床掃除等に支障なく使用可能となる。
【0020】
上記構成のクリーナ1によれば、側面吸込口11によって布類の吸い付きを抑えるとともに、当接部13によって布類の吸い込みを抑えることができる。よって、気流の通路をより確実に確保でき、電動送風機の負担を軽減できる。
【0021】
以下、クリーナ用ノズルの変更例を列記する。
図4のクリーナ用ノズル102は、ノズル101と異なり、当接部13の先端13bが、吸込口5の周縁7よりも筒先へ頭出しした位置を被掃除物の当接位置として配置されるように突設されている。また図5のクリーナ用ノズル103は、ノズル101と異なり、当接部13の先端13bが、吸込口5の周縁7よりも筒奥へ引っ込んだ位置を被掃除物の当接位置として配置されるように突設されている。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0022】
図6のクリーナ用ノズル104は、ノズル101と異なり、当接部13がL字状でなく、直線状の棒状体で形成されている。基端は曲がり部分を過ぎた筒奥の内面に固定される。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0023】
図7のクリーナ用ノズル105は、ノズル101と異なり、当接部13の先端に気流の流れを筒奥に進むにしたがい絞る傘状部を設けて構成されている。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0024】
図8のクリーナ用ノズル106は、ノズル101と異なり、側面吸込口11よりも筒奥位置に側面吸込孔31を全周の7箇所に穿設して構成されている。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0025】
図9のクリーナ用ノズル107は、ノズル101と異なり、周縁7から後退する凹部9が矩形状でなく、L字状に形成されている。凹部9は、軸心を中心とした点対称に2カ所設けられている。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0026】
図10、11のクリーナ用ノズル108、109は、ノズル101と異なり、側面吸込口11が、吸込口5の先端の周縁7に、周縁7から筒軸方向に沿って突出する凸部19を設け、その凸部19と周縁7によって構成されている。ノズル108の場合、凸部19として所定の長さの棒状体が3箇所突設されている。また、ノズル109の場合、凸部19として所定の長さの針状体が複数突設されている。また当接部13は、その先端が、吸込口5の周縁7ではなく、布類の当接位置である凸部19の先端と等しい位置に配置されるように突設されている。その他の構成は、ノズル101と同様である。
【0027】
図12、13のクリーナ用ノズル110、111は、ノズル101と異なり、当接部13を、吸込口5を直径方向に横切る棒状体として構成されている。ノズル110の場合、円柱状の棒状体の両端が吸込口5の周縁7に固定されている。また、ノズル111の場合、角柱状の棒状体の一端が吸込口5の周縁7に固定されている。その他の構成は、ノズル101と同様である。ノズル110、111では、簡単な構成で当接部13が形成可能になる。
【0028】
本クリーナ用ノズル102〜111によっても、ノズル101と同様の作用効果を得ることができる。また本クリーナノズル102〜111のいずれかと、その接続口に接続されるクリーナ本体とによって構成されたクリーナによっても、クリーナ1と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、下記のように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1)吸込口は、筒軸に対して直交する円形の周縁に限らず、筒軸に対して傾斜する楕円形の周縁となるように形成してもよい。この場合は、被掃除物が手元よりも遠い位置にあっても、被掃除面に吸気口面を合わせ易くでき、作業効率を高めることができる。
(2)側面吸込口や側面吸込孔は、2箇所、7箇所や9箇所に限らず、任意で複数設けてもよい。
(3)被掃除物は、カーテンに限らず、布類のような吸い込まれ易い素材からなるものであれば良く、例えば、シーツ、タオル或いはハンカチ等でも良い。
(4)凹部は、矩形状、L字状に限らず、U字状やV字状等の他形状で形成しても良い。
(5)当接部を、先端側の当接面が側面吸込口における基端側の最後退位置と同じ位置になるように設けても良い。
(6)当接部は、別体で構成して、ネジ止め等の取付け手段によって着脱可能に筒内に設けても良い。この場合、側面吸込口に相当する構成のみが設けられているノズルに後付けすれば、本ノズルおよび本クリーナが構成可能となる。
(7)側面吸込口は、凸部として複数突設した針状体によって、いわゆるブラシを構成して形成しても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・クリーナ、5・・吸込口、7・・周縁、9・・凹部、11・・側面吸込口、13・・当接部、19・・凸部、21・・床ノズル、31・・側面吸込孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端がクリーナ本体に接続される一方、先端が、前記クリーナ本体で生成した吸気とともに被掃除物の塵埃を吸い込む吸込口となる筒状のクリーナ用ノズルであって、
前記吸込口の近傍に、側面から吸気可能な側面吸込口を形成すると共に、前記吸込口内に、吸気による前記被掃除物の吸い込みを阻止する当接部を設けた
ことを特徴とするクリーナ用ノズル。
【請求項2】
前記当接部を、前記先端側の当接面が前記側面吸込口における基端側の最後退位置と同じ若しくは前記最後退位置よりも前方へ突出するように設けた
ことを特徴とする請求項1に記載のクリーナ用ノズル。
【請求項3】
前記当接部を、少なくとも前記先端側の一部が前記吸込口の軸心に位置する棒状体とした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーナ用ノズル。
【請求項4】
前記当接部を、前記吸込口を直径方向に横切る棒状体とした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーナ用ノズル。
【請求項5】
前記側面吸込口を、前記吸込口の周縁を部分的に後退させた凹部とした
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のクリーナ用ノズル。
【請求項6】
吸気を生成するクリーナ本体に、請求項1乃至5のいずれかに記載のクリーナ用ノズルを接続してなる、
ことを特徴とするクリーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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