説明

クリーニングローラの洗浄装置及び洗浄方法

【課題】使用済みとなったメラミンローラを再生して使用する場合に、安価で効率良くメラミンローラを洗浄できる方法及び、洗浄装置を提供する
【解決手段】洗浄装置10は、メラミンローラ2bを回転させる回転手段と、メラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、メラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹き付け手段とを備え、回転中のメラミンローラ2bに対して、洗浄液供給ノズル13aから洗浄液をメラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に対して垂れ流し、メラミン樹脂発泡体2b2を湿潤させる。同時に、圧縮空気吹き付けノズル14a2からメラミン樹脂発泡体2b2に向けて圧縮空気を吹き付け、メラミン樹脂発泡体2b2表面に浮き上がったトナーを吹き飛ばして、洗浄液回収部20に吹き落とす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングローラの洗浄装置及びクリーニングローラの洗浄方法に係り、特に芯金の外周にメラミン樹脂発泡体を形成したクリーニングローラの洗浄装置及びその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地球環境保護の気運の高まりから、複写機やプリンタ等の画像形成装置においても、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減を目的として、部品、ユニット、材料などを、再生・再利用(リサイクル)することが必要となってきている。使用済みになって回収された部品、ユニットなどには、劣化したトナーが残留している場合が多く、それを再利用するためには、残留トナーを除去する必要があり、この残留トナーを除去しないと再利用時に画質に影響を及ぼすおそれもある。しかしながら、再生工程における残留トナーの除去は、多くの時間を要し、かつ大量に洗浄液を使用するなど、高コストであるのが現状である。
【0003】
このような問題に対処するために、スチーム噴射ノズルによってスチームを帯電ローラに吹き付けて帯電ローラから付着物を分離し、そして、圧縮空気ノズルによって圧縮空気を帯電ローラに吹き付けて帯電ローラから分離された付着物を吹き飛ばす帯電ローラ洗浄装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−154657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載のものでは、表面にナイロン等の半導電性物質がコーティングされた帯電ロールの洗浄には、好適であるが、このような洗浄装置では、このような帯電ローラと摺接して帯電ローラ表面に付着しているトナー等を除去するクリーニングローラでは、クリーニングローラ内に存在するトナー等を十分に除去することができない。
【0006】
即ち、芯金の外周にメラミン樹脂発泡体を形成したクリーニングローラ(以下メラミンローラという)においては、当該クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体内の残留トナーの除去は、圧縮空気を吹き付けるだけでは、芯金近傍の残留トナーまで除去することができず、トナー残りが発生する。この方法により再生したメラミンローラは、残留トナーの影響により、メラミンローラと摺接して帯電ローラをクリーニングする帯電ローラ清掃性が新品のものと比べ劣っていたり、不十分な清掃性のために、帯電ローラの一様な帯電性が損なわれて画質欠陥が発生するなどの不具合が生じるという問題点がある。
【0007】
また、メラミン樹脂発泡体内に存在する残留トナーが少なく再生可能なレベルのものでも使用するための洗浄に、多くの時間とコストがかかっているのが現状であり、多くの場合、メラミンローラの機能を回復させるまでには至らず、採算性を考慮し、再生は、行われておらず、保証期間あるいは、保証枚数を過ぎてしまうと使用済みローラとして破棄されてきた。
【0008】
本発明の目的は、上記実情を考慮してなされたものであり、使用済みとなったメラミンローラを再生して使用する場合に、安価で効率良くメラミンローラを洗浄できる方法及び、洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、芯金の外周に円筒状のメラミン樹脂発泡体を取り付けたクリーニングローラを回転自在に支持して回転させる回転手段と、当該クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹き付け手段とを有し、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体の表面及び/又は内部に存在するトナーを、前記回転手段によって前記クリーニングローラを回転させながら前記洗浄液供給手段によって洗浄液が供給されたクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に前記圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体から除去することを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置としたものである。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記洗浄液供給手段と圧縮空気吹き付け手段は、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと圧縮空気を供給する圧縮空気吹き付けノズルとを備え、当該各ノズルは、ノズル保持部で一体に保持され、当該ノズル保持部を前記クリーニングローラの軸方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記ノズル保持部は、中心に洗浄液供給用ノズルを備え、当該洗浄液供給用ノズルに対して前記軸方向の両側に圧縮空気吹き付け用ノズルを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体内に存在するトナーを、前記回転手段によって前記クリーニングローラを回転させながら前記洗浄液供給手段によって洗浄液が供給されたクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に前記圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体から除去後に当該メラミン樹脂発泡体を空気を吹き付けて乾燥させる空気吹き付け手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記洗浄液供給手段は、前記クリーニングローラの上方に取り付けられ、当該クリーニングローラの下方に、前記洗浄液供給手段から当該クリーニングローラに供給された洗浄液を回収する回収部を有しており、当該回収部で回収された洗浄液をフィルターでろ過後に前記洗浄液供給手段に送給して洗浄液を循環させる洗浄液循環手段を備えたたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、芯金の外周にメラミン樹脂発泡体を形成したクリーニングローラを回転させながら洗浄液供給手段によって洗浄液をクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に供給し、しかる後又は前記洗浄液の供給と同時に、圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体内に存在するトナーを前記メラミン樹脂発泡体から除去することを特徴とするクリーニングローラの洗浄方法としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体の表面及び/又は内部に存在する残留トナーを、前記回転手段によって前記クリーニングローラを回転させながら前記洗浄液供給手段によって洗浄液が供給されたクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に前記圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体から除去することによって、使用済みとなったメラミンローラを再生して使用する場合に、安価で効率良くメラミンローラを洗浄できる方法及び、洗浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
先ず、本発明による洗浄装置で洗浄されるメラミンローラについて説明する。
図1は、帯電ローラクリーニング機構を備えた画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。画像形成装置は、矢印A方向に回転するドラム状の感光体1と、この感光体1の周囲に感光体1の表面を一様に帯電する帯電装置2、一様に帯電された感光体1の表面に画像情報に応じたレーザー光3aを照射して静電潜像を形成する露光装置3、このようにして形成された静電潜像に対して現像ローラ4aからトナーを供給してトナー像化する現像装置4を備えている。さらに、現像装置4で現像された感光体1上のトナー像は、転写バイアスローラ6bによって、レジストローラ5によって搬送され、従動ローラ6cと駆動ローラ6dに張架されて矢印B方向に回転移送される転写ベルト6a上の転写紙Pに転写される。そして、トナー像を転写紙P上に転写した後に感光体1上に残存する残存トナーは、クリーニング装置8の第1クリーニングブレード8a及び第2クリーニングブレード8bで感光体1の表面から除去されるようになっている。なお、9は感光体1の表面の帯電を除去する除電装置である。
【0017】
このような画像形成装置において、帯電装置2は、芯金の外周に弾性層を設けてなる帯電ローラ2aと帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備えている。そして、帯電ローラ2aに高電圧を印加して帯電ローラ2aと感光体1との間に所定の電圧を印加し、感光体1との間でコロナ放電を発生させて感光体1の表面を一様に帯電する。前述のような画像形成処理を行うと、この帯電ローラ2aの表面には、前述の第2クリーニングブレードでも除去しきれない感光体1の表面の残存トナーが付着して、感光体1の一様な帯電を妨げてしまう。これを防止するために、矢印C方向に回転される帯電ローラ2aと当接して矢印D方向に連れ回りするクリーニングローラ2bが回転自在に取り付けられている。そして、このクリーニングローラ2bは、帯電ローラ2aと連れ回りしながら、帯電ローラ2aに摺接して、帯電ローラ2aの表面に付着した残存トナーをクリーニングローラ2b内に取り込み、帯電ローラ2aの表面をクリーニングするようになっている。
【0018】
このようなクリーニングローラ2bとしては、図2に示すように、金属製芯金2b1に円筒状のメラミン樹脂発泡体2b2を圧入したローラが使用され、メラミン樹脂発泡体2b2の網目状の連続気泡構造内に、帯電ローラ2aとの摺接によって残存トナーを取り込んで帯電ローラ2aの表面をクリーニングするようになっている。この場合、メラミン樹脂発泡体2b2は、脆い性質を有するため、残存トナーを保持したメラミン樹脂発泡体2b2の表面は、帯電ローラ2aとの摺接によって破壊され、クリーニングローラ2bの表面から脱落して残存トナーが付着していない表面を顕出させ、常にフレッシュな面でのクリーニングを可能としている。
【0019】
しかしながら、このクリーニングローラ2bによる帯電ローラ2aのクリーニング作用を長期に亘って行うと、図2に示すように、残存トナーTは、クリーニングローラ2bの内奥の芯金2b1近傍に集まり、最終的には、メラミン樹脂発泡体2b2によるクリーニング作用が低下するため、新しいクリーニングローラ2bに交換するか、クリーニングローラ2bの内奥の芯金2b1近傍に集まった残存トナーをメラミン樹脂発泡体2b2から取除いて使用する必要がある。
【0020】
本発明においては、クリーニングローラ2bの内奥の芯金2b1近傍に集まった残存トナーをメラミン樹脂発泡体2b2から取除くためのクリーニングローラの洗浄装置及び洗浄方法を提供しようとするものである。なお、本発明のクリーニングローラの洗浄装置及び洗浄方法は、トナーがメラミン樹脂発泡体2b2の内部に存在しないで、クリーニングローラ2bの表面又はその近傍に存在する場合で、そのトナーを取除くのにも適用できるものである。
【0021】
図3は、本発明による一実施形態のクリーニングローラの洗浄装置の概略構成を示す図である。本実施形態のクリーニングローラの洗浄装置は、前述のように、芯金2b1の外周に円筒状のメラミン樹脂発泡体2b2を取り付けたメラミンローラ(クリーニングローラ)2bのメラミン樹脂発泡体2b2内に存在するトナーを洗浄、除去する洗浄装置である。この洗浄装置10は、受け台11の上にメラミンローラ2bを回転させる回転手段12と、メラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に洗浄液Sを供給する洗浄液供給手段と、メラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹き付け手段14とを備えている。
【0022】
回転手段は、受け台11上に植立された一対の支持板15a、15bにメラミンローラ2bの回転軸(芯金)2b1を回転自在に支持する軸受部16a、16bを備えている。そして、回転軸2b1の一方には、メラミンローラ2bを回転駆動する駆動モータ23がその回転軸をメラミンローラ2bの回転軸2b1と連結している。
【0023】
支持板15a、15bの上端には、ガイド部材17が取り付けられ、このガイド部材17には、洗浄液供給手段13である洗浄液供給ノズル13aと、圧縮空気吹き付け手段である圧縮空気吹き付けノズル14a1、14a2と一体に保持したノズル保持部18をメラミンローラ2bの軸方向(矢印E方向)に移動させる移動部材19が取り付けられ、図示しない駆動モータ等の駆動手段によってガイド部材17に沿ってノズル保持部18を矢印E方向に移動可能としている。
【0024】
ノズル保持部18は、下方に位置するメラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に向かって矢印Fで示すように洗浄液Sを供給するように洗浄液供給ノズル13aを中央に取り付け、さらに、洗浄液供給ノズル13aに対してメラミンローラ2bの軸方向の両側に、メラミン樹脂発泡体2b2に向かって矢印G1、G2方向で示すように圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹き付けノズル14a1、14a2が取り付けられている。そして、これらのノズル13a,14a1,14a2のメラミン樹脂発泡体2b2に対する配置位置は、図4に示すように、メラミンローラ2bの回転軸2b1の中心位置2b1aからメラミン樹脂発泡体2b2の外周位置2b2aとの間に位置するように取り付けられている。このように、ノズル13a,14a1,14a2の配置位置をメラミンローラ2bの回転軸2b1の中心位置2b1aから偏倚させた状態で取り付けると、後述するように、洗浄液の回収が円滑に行われるだけでなくメラミン樹脂発泡体2b2内奥に保持されているトナーをメラミンローラ2bから適切に取除くことが可能となる。
【0025】
洗浄液供給ノズル13aには、受け台11の洗浄液回収部20内に貯留された常温の水道水等の洗浄液Sをポンプ21によって汲み上げフィルター部22で後述する洗浄液Sと共に洗浄液回収部20内に回収されるトナー等をろ過した液がパイプ13bによって供給される。そして、洗浄液供給ノズル13aからメラミン樹脂発泡体2b2に供給された洗浄液は、洗浄液回収部20に回収され、ポンプ21によって循環されて使用されるようになっており、再利用して資源循環可能な装置としている。これにより、洗浄にかかるコストを大幅に低減させることができる。
【0026】
本発明者は、メラミン樹脂発泡体2b2に保持されたトナーは、十分な水等の液体で湿潤させると、メラミン樹脂発泡体2b2の表面から分離して浮き上がり、また、メラミン樹脂発泡体2b2の回転に伴い、遠心力でメラミン樹脂発泡体2b2の内奥から表面に移動することを見出した。このように、メラミン樹脂発泡体2b2の表面に移動したトナーは、圧縮空気を吹き付けることで容易にメラミン樹脂発泡体2b2から分離され、メラミンローラ2bの表面から吹き落とされることを究明した。
【0027】
このようなメラミン樹脂発泡体2b2に保持されたトナーの分離浮き上がりは、洗浄液をメラミン樹脂発泡体2b2に対して垂れ流す程度の流量で十分であり、要は、メラミン樹脂発泡体2b2が十分に湿潤される程度の液量で十分である。
【0028】
圧縮空気吹き付けノズル14a1、14a2には、図示しない圧縮空気発生装置から送給される圧縮空気がパイプ14bを通じ送給され、メラミン樹脂発泡体2b2の表面から浮き出たトナーを下方の受け台11の洗浄液回収部20内に吹き落とす。この場合の圧縮空気の吹き付け量は、余り強いとメラミン樹脂発泡体2b2を破損するので、メラミン樹脂発泡体2b2を破損しない程度で且つメラミン樹脂発泡体2b2表面から分離しているトナーを吹き落とす程度の吹き付け量であれば十分である。
【0029】
続いて、この洗浄装置を用いてメラミンローラ2bを洗浄する方法について図3に基づいて説明する。
【0030】
先ず、メラミンローラ2bを支持板15a、15bの軸受部16a、16bに取り付け、回転軸2b1を駆動モータ23の回転軸に連結する。駆動モータ23を始動させてメラミンローラ2bを回転させる。回転中のメラミンローラ2bに対して、洗浄液供給ノズル13aから洗浄液をメラミンローラ2bのメラミン樹脂発泡体2b2に対して垂れ流し、十分にメラミン樹脂発泡体2b2を湿潤させる。次に、あるいはそれと同時に、圧縮空気吹き付けノズル14a2からメラミン樹脂発泡体2b2に向けて圧縮空気を吹き付け、メラミン樹脂発泡体2b2表面に浮き上がったトナーを吹き飛ばして、洗浄液回収部20に吹き落とす。
【0031】
因みに、本実施形態においては、例えばメラミンローラの回転速度を50rpm〜200rpm、洗浄水の流量を0.1リットル/min〜5リットル/min、圧縮空気圧を1kgf/cm〜10kgf/cm、ノズルの送り速度を1mm/s〜20mm/sとして作動させることができる。
【0032】
このように、洗浄液供給ノズル13aからメラミン樹脂発泡体2b2に洗浄液を供給し、圧縮空気吹き付けノズル14a2でメラミン樹脂発泡体2b2に付着しているトナーを洗浄液回収部20に吹き落としながら、移動部材19をa方向に移動させる。移動部材19がガイド部材17の右端に到達したときに、移動部材19をガイド部材17の左方(b方向)に移動させる。このとき、圧縮空気吹き付けノズル14a2の圧縮空気の吹き付けを停止させ、代わりに、圧縮空気吹き付けノズル14a1が作動して、圧縮空気をメラミン樹脂発泡体2b2に吹き付けを行うようになっている。このように、圧縮空気吹き付けノズル14a1、14a2の作動を移動部材19の移動方向に従って、変更し、洗浄液供給ノズル13aで湿潤されたメラミン樹脂発泡体2b2の表面に圧縮空気を吹き付けるようにしている。従って、洗浄液供給ノズル13aで湿潤されたメラミン樹脂発泡体2b2の表面に分離、浮き上がってトナーを容易且つ確実にメラミン樹脂発泡体2b2表面から除去することが可能となる。
【0033】
このようにして、移動部材19をガイド部材17に沿って1往復させた後、洗浄液供給ノズル13aからの洗浄液のメラミン樹脂発泡体2b2に対する供給を停止させる。続いて、メラミンローラ2bを回転させた状態で、移動部材19をa方向に移動させながら圧縮空気吹き付けノズル14a2から圧縮空気をメラミン樹脂発泡体2b2に対して吹きつけ、メラミン樹脂発泡体2b2の表面を乾燥させる。移動部材19がガイド部材17の右端に到達したとき、移動部材19を逆方向(b方向)に移動させ1往復させている。この際、圧縮空気のメラミン樹脂発泡体2b2に対する吹き付けを圧縮空気吹き付けノズル14a2から14a1に切替て行いメラミン樹脂発泡体2b2の乾燥を行う。このように、メラミン樹脂発泡体2b2からのトナーの除去とメラミン樹脂発泡体2b2の乾燥を圧縮空気吹き付けノズル14a1,14a2で兼用させるので、メラミンローラ2bの乾燥用の特別の装置を使用することなく、簡単な構造とすることが可能となり、本実施形態の洗浄装置1台で、メラミン樹脂発泡体2b2からのトナーの除去とメラミン樹脂発泡体2b2の乾燥の処理を行うことが可能となる。
【0034】
なお、上記実施形態においては、圧縮空気吹き付けノズル14a1と14a2の作動を移動部材19の移動方向に従って切替するようにしたが、メラミン樹脂発泡体2b2の乾燥処理時には、同時に2個の圧縮空気吹き付けノズル14a1、14a2を使用して、移動部材19の移動方向に関係なく圧縮空気吹き付けノズル14a1,14a2の両方から圧縮空気を吹き付けるようにしても良い。
【0035】
以上のように、本実施形態に係るクリーニングローラの洗浄装置においては、洗浄液供給ノズル13aを使用して、メラミン樹脂発泡体2b2を湿潤させることによってメラミン樹脂発泡体2b2表面からトナーを分離、浮き上がらせるとともに、クリーニングローラ2bを回転させて、メラミン樹脂発泡体2b2の内奥から外周表面にトナーを移動させ、外周表面に移動したトナーを圧縮空気吹き付けノズル14a1,14a2で吹き落としてメラミン樹脂発泡体2b2の表面からトナーを除去するようにしているので、メラミン樹脂発泡体2b2の内奥に存在するトナーも容易、確実に除去することが可能となる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、クリーニングローラとして、帯電ローラ2aのクリーニングローラを例示したが、感光体1の残存するクリーニングローラ、或いは、感光体1からトナー像を転写して、さらに転写紙Pにトナー像を転写する中間転写部材のクリーニングローラであっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による洗浄装置で洗浄される一実施形態のクリーニングローラの構成を示す画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明による洗浄装置で洗浄される一実施形態のクリーニングローラの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明による一実施形態の洗浄装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】図3のA−A線上で切断した断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 感光体
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b クリーニングローラ(メラミンローラ)
2b1 芯金
2b2 メラミン樹脂発泡体
3 露光装置
4 現像装置
5 レジストローラ
8 クリーニング装置
9 除電装置
10 洗浄装置
11 受け台
13a 洗浄液供給ノズル
14a1、14a2 圧縮空気吹き付けノズル
15a、15b 支持板
16a、16b 軸受部
17 ガイド部材
18 ノズル保持部
19 移動部材
20 洗浄液回収部
21 ポンプ
22 フィルター部
23 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯金の外周に円筒状のメラミン樹脂発泡体を取り付けたクリーニングローラを回転自在に支持して回転させる回転手段と、当該クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹き付け手段とを有し、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体の表面及び/又は内部に存在するトナーを、前記回転手段によって前記クリーニングローラを回転させながら前記洗浄液供給手段によって洗浄液が供給されたクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に前記圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体から除去するようにしたことを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記洗浄液供給手段と圧縮空気吹き付け手段は、前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと圧縮空気を供給する圧縮空気吹き付けノズルとを備え、当該各ノズルは、ノズル保持部で一体に保持され、当該ノズル保持部を前記クリーニングローラの軸方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置。
【請求項3】
請求項2記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記ノズル保持部は、中心に洗浄液供給用ノズルを備え、当該洗浄液供給用ノズルに対して前記クリーニングローラの軸方向の両側に圧縮空気吹き付け用ノズルを備えたことを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体内に存在するトナーを、前記回転手段によって前記クリーニングローラを回転させながら前記洗浄液供給手段によって洗浄液が供給されたクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に前記圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体からトナー除去後に当該メラミン樹脂発泡体を空気を吹き付けて乾燥させる空気吹き付け手段を備えたことを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のクリーニングローラの洗浄装置において、
前記洗浄液供給手段は、前記クリーニングローラの上方に取り付けられ、当該クリーニングローラの下方に、前記洗浄液供給手段から当該クリーニングローラに供給された洗浄液を回収する回収部を有しており、当該回収部で回収された洗浄液をフィルターでろ過後に前記洗浄液供給手段に送給して洗浄液を循環させる洗浄液循環手段を備えたたことを特徴とするクリーニングローラの洗浄装置。
【請求項6】
芯金の外周にメラミン樹脂発泡体を形成したクリーニングローラを回転させながら洗浄液供給手段によって洗浄液をクリーニングローラのメラミン樹脂発泡体に供給し、しかる後、圧縮空気吹き付け手段からの圧縮空気の吹き付けによって、クリーニングローラのメラミン樹脂発泡体の表面及び/又は内部に存在するトナーを前記メラミン樹脂発泡体から除去することを特徴とするクリーニングローラの洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−169194(P2009−169194A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8585(P2008−8585)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】