説明

クレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法

本発明はカード所持者がインターネットを通じて、クレジットカードの利用限度額内においてさらに使用限度額を設定することができ、一定期間内に複数回にわたりこの使用限度額を再度設定することもできようにするものであり、その主な手順はカード所持者が個人の信用管理ページへとアクセスし、クレジットカード発行銀行の設定した信用限度額または当該時点における利用可能残額の範囲内において、一定期間内において複数回にわたる形で使用限度額を設定するという形で、クレジットカード決済に使用可能である適当な額を設定する手順と、クレジットカード発行銀行の与信パソコンは当該時点における利用限度額に残額があるか否かを再計算し、もし残額がゼロであれば、クレジットカードの使用を禁止し、残額がゼロ以上であれば、カード所持者が自分で設定した使用限度の設定値またはこの使用可能額の範囲内で、この後の与信の作業を行う手順を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレジットカードの第三者による不正利用を防止する方法に関するもので、特に、インターネットの即時性・双方向性を利用することで、クレジットカードの与信と支払機能に変化をもたらすものである。インターネットを利用することで、カード発行金融機関とカード所持者の間に新たに緊密なパイプを築くことが可能となる。すなわち、カード発行金融機関の与信システム内のプログラムに小規模の変更を加え、カード所持者の、利用限度額の範囲内における使用限度額の変更の指令にしたがってオペレーションを行う。これにより、随時、クレジットカードの利用限度額内で、即時に使用可能な代替現金の額を適度に調整することができることになる。これは、利用者の多様なニーズに応え、また第三者による不正使用を防止する新しいサービスモデルである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、クレジットカードの利用限度額は相当に高額である。カード所持者がこれを日常的に持ち歩くことは、盗難、強盗および偽造カードなどによる犯罪被害にあう危険を高めることにつながる。
【0003】
現時点において、カード発行銀行が講じているクレジットカードの第三者不正使用の一般的防止策は次のようなものである。
1、カード発行銀行が、カードの盗難から24時間もしくは48時間以内の不正使用による損失を負担し、さらにはカード所持者を完全に免責することにより、クレジットカードのリスクを低減し、これの利用を促進する。
2、スマート・カードの普及を促進することで、カード所持者の信用に関する情報を保護する。しかし犯罪の手口も高度化しており、高度な経験・知識を有する犯罪者にとっては、ICチップ内の情報を読み取ることは困難ではない。一度ICチップ内の情報が読み取られてしまえば、さらに多くの情報および金銭の被害が生ずる。
3、カード発行銀行のデータベースを密にし、外部からのアクセスについて安全性を強化する。
4、一部のカード発行銀行は、カード所持者がインターネットを通じてカードを利用する際に、特別のパスワードもしくはデジタルIDを入力させることで、より確実に真のカード所持者か否かを識別する。
5、カード発行金融機関がオンラインでの監視体制を強化し、即時的なフィルター機能を強化する。
6、ISPのデータベースを密にし、外部からのアクセスについて安全性を強化する。
7、保護の対象とされるべき情報に触れることのできる職員を制限する。
【0004】
ほかにも多様なアイデアは存在するものの、莫大な投資が必要となる、不便である、プライバシーの侵害となる、等の理由により、実施することは困難であるものとして、以下の例などがある。
1、指紋を「焼入磁条」したクレジットカード。米国特許5,509,083号は個人の身分証を利用して身分を確認する方法と装置に関する。
2、1枚のクレジットカードを2つの部分に分割し、使用時に2つの部分をあわせることで始めて利用できるクレジットカード。米国特許5,538,291号のクレジットカードの盗難防止を参照。
3、新しいカードと古いカードを合わせて初めて新しいカードのクレジットカードをつくることができる。米国特許5,648,647号のクレジットカードの第三者による不正使用を防止する管理システムを参照。
4、プログラマブルICチップ内蔵のクレジットカード。米国特許 5,955,961号のプログラマブル化したクレジットカード(「交易カード」)参照。
5、指紋による識別を行うクレジットカード。米国公開特許 20010053239号のクレジットカード詐欺防止システム参照。
6、声紋による識別を利用したインターネット取引。米国公開特許 20020046055号のインターネットサービスの生体認証システムと方法を参照。
7、時間帯、店舗、金額および地域を制限したクレジットカード。米国「公開」 20020099648号のクレジットカードおよび電子商取引における詐欺防止の方法を参照。
【0005】
以上の現行の防止策および未実現のアイデアは、どれほど巧妙であれ、1つの共通点を有する。すなわち、犯罪者集団との間で終わりなき技術上のいたちごっこを繰り広げるのみで、クレジットカード自体の有する「大量の現金」としての犯罪のターゲットのなりやすさについては、全く関心が及んでいないのである。
【0006】
「利用限度額」(Maximum Credit Line)とは、カード発行機関がカード所持者に与える信用の限度額を指し、この額はクレジットカード申請者の財産状況により異なる。
【0007】
これに対し、「使用限度額」(Operating Credit Line)とは、本発明により定義されるところのものであり、カード所持者が利用限度額を任意に分割し(例えば10分の1)、2,3日から1週間におけるカード利用額に適するよう設定するところの、当該時点において利用可能な最高限度の額である。毎回クレジットカードを利用するにあたっての、カード発行銀行の与信額については、利用限度額よりも小額であるこの使用限度額の残額を限度とする。この額は大きくはないものの、日常の消費額にとっては余裕のあるものとする。
【0008】
「使用可能額」(Usable Credit)も本発明により定義されるものであり、1度以上クレジットカードを利用した後の使用限度額の残額である。一般のクレジットカードは利用限度額いっぱいまで使用可能であるが、本発明の新たなモデルの下においては、利用限度額の残額が、使用可能な残額と使用不可能な残額とに分けられることになる。カード所持者は、この使用不可能な部分の利用限度額の残額を使用可能な状態へと転換することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、現時点での技術の不足を克服して、クレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上の目的を達成するため、本発明は以下の技術案を採用する。
カード発行銀行は、申請者に対して一定の利用限度額の下で与信し、またカード所持者のための信用管理のホームページ(以下、「信用管理ページ」とする)を開設する。
カード所持者は信用管理ページにアクセスし、利用限度額あるいは利用限度額の残額に基づき、比較的短期の利用に適当な額を、一定期間内に複数回にわたるような形において、使用限度額を設定する。
カード発行銀行は、当該時点における利用限度額に残額があるか否かを確認し、もし残額がゼロであれば、カード所持者はクレジットカードを使用することができない。残額がゼロ以上であれば、カード発行金融機関は、以下の手順に従ってカード所持者が設定する使用限度額または使用可能額の範囲内で、与信の作業を行う。
カード所持者は、再度上記bの手順を踏むことで、新たに使用可能な金額を設定することができる。
【0011】
この中で、信用管理ページはカード所持者が個人の信用を管理することができる機能を有する。すなわち、利用限度額、使用限度額、当該時点における利用限度額の残額、および当該時点における使用可能額、等を表示することができる。
【0012】
カード所持者は、パソコン、ノートパソコン、携帯電話、PDAなどインターネットに接続可能な装置を用いて、いつどこからでもカード発行銀行の信用管理ページにアクセスすることができる。
【0013】
ただし、安全性を高めるため、本発明は、カード所持者がカード発行銀行のホームページ上で口座番号とパスワードを入力して初めて信用管理ページにアクセスできるよう設定することが可能である。また、カード所持者は必要に応じて自らパスワードを変更することができる。
【0014】
上述の口座番号とパスワードは、1組もしくは複数組の口座番号とパスワードの組み合わせ、デジタルID、またはデジタルIDとパスワードの組合せとすることも可能である。
【0015】
そのほか、本発明は、1組もしくは複数組の口座番号とパスワードの組み合わせに基づきながら、カード所持人が1つもしくは複数の認証を経て初めて信用管理ページにアクセスし、指令を送ることが可能となるよう設定することができる。
【0016】
また、本発明は、カード所持者が特定の付加的パスワードを入力して初めてカード発行銀行のホームページにアクセスすることが可能となるよう設定することができる。例えば、家庭用電話もしくは携帯電話の専用電話番号などは、付加的パスワードとすることが可能である。
【0017】
もしくは、カード所持者は、書面を通じてカード発行銀行がカード所持者に代わって、適当な使用限度額を定めるよう授権することも可能である。
【0018】
信用管理ページ上には、使用可能額を使用限度額まで戻すボタン(以下、「使用可能額復元ボタン」とする)を設け、本発明は使用状況に応じて2つの実施例を設ける。すなわち、1つは、カード所持者が当該ボタンをクリックした場合、使用可能額が自動的に前回設定した使用限度額と等しい額に戻るものである。もう1つは、当該ボタンをクリックした場合、使用可能額が、当該ボタンをクリックする直前の使用可能額と当該カード所持者が設定した使用限度額との和と等しい額に戻るものである。
【0019】
以上により、カード所持者がクレジットカードを盗まれた場合、本発明によりすぐさま信用管理ページにアクセスし信用限度額をゼロとすることで、時間・空間的な制限を受けずに被害を防止するための措置を講ずることが可能となり、もって本発明の目的が達成される。
【0020】
本発明が適用可能なクレジットカードの範囲には、VISA、MasterCard、JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Club、Carte Blanche、Enroute、Discover等、国際的クレジットカード決済機構が発行したものと、国内のクレジットカード決済機構が発行したもの、および、キャッシュカード、当座貸越のカード、振込カード等、クレジットカードの性質を有するものが含まれる。
【0021】
以上のとおり、本発明は、インターネットの即時性・双方向性を利用して、利用限度額を、比較的小額である適当な使用限度額に分割し、カード所持者自身にとって適当な使用限度額を定めることができるようにする。また、カード発行銀行の与信システムは、所持者が設定した使用限度額を使用可能額の上限とする。ただし、カード所持者は自らのカード利用状況に応じて、随時インターネットを通じて使用可能額を使用限度額まで戻すことが可能であり、また、必要に応じて使用限度額を増減させることも可能である。以上により、以下のような効果が生ずる。
1、カード所持者が自らクレジットカードの使用方式をコントロールできる。
2、カード所持者が自ら与信システムの与信の方式をコントロールできる。
3、紛失、盗難等による損失を防止、削減する。
4、クレジットカードに関する犯罪へのインセンティブを大きく削減する。
5、発明の実施により、クレジットカード決済にかかわるカード保持者、加盟店、カード発行銀行三者のコストを増加させることはない。すなわち、取引の手続き、カード利用のたびの与信に必要な時間、クレジットカード利用のために必要な設備等に変更は必要ない。
【0022】
基本的に、本発明は、利用限度額を分割し、一定期間に複数回にわたる形で使用するというもので、クレジットカードにより代替現金として使用可能な額に適度な変更を加えるものである。
【0023】
現在一般的なクレジットカードは、磁気式であれICカード型であれ、カード発行銀行が利用限度を限度として与信し、カード所持者にこの範囲での利用を許容するものであり、カード所持者にとっては、いつも大量の現金を持ち歩いているようなものである。万一第三者に不正使用されることがあれば、その被害は甚大である。
【0024】
現代社会においては、仕事も娯楽もインターネットを抜きにしては考えることができない。そしてすべてのクレジットカード発行機関はホームページを有するが、大概法令や広告等の情報を掲載するのみであり、インターネットを通じたサービスには限りがある。
【0025】
本発明はカード発行銀行が自らのホームページ上で提供できる新たなサービスを可能にする。すなわち、カード所持者に自らの信用管理ページを提供し、自己の設定する適当な使用限度額を設定し、カード利用時には、カード発行銀行はこの使用限度額に基づいて与信を行うこととする。数日後、使用可能額が少なくなってきた際には、カード所持者は再度信用管理ページにアクセスし、使用限度額を元に戻すボタンをクリックすることで、使用可能額を自動的に前回設定した使用限度額まで増加させられる。
【0026】
或いはカード所持者が信用管理ページ上で使用限度額を元に戻すボタンをクリックすると、カード所持者の現時点での使用可能額が自動的にボタンをクリックする直前の使用可能額と使用限度額の和まで増加させることが可能である。
【0027】
この操作を行うことにより、カード所持者は自らが設定した使用限度額の範囲内において安心してカードを利用することができ、また利用限度額の残額もこれに応じて低下するであろう。このように使用可能額は複数回にわたって増加させることができるが、すでに利用限度額に達した場合には、続けてクレジットカードを利用することはできない。もちろんその月の利用額を銀行に支払った後には、利用限度額の残額は再び利用限度額に等しくなる。
【0028】
カード所持者は自己の信用管理ページ上において、利用限度額範囲内において任意にこれを分割して自ら使用限度額を設定することで、代替現金の性格を有する使用限度額を、数日の利用額の水準まで大幅に引き下げることができる。
【0029】
これにより、もしクレジットカードが盗まれても、カード所持者が迅速にインターネット上の信用管理ページにアクセスして使用限度額をゼロとすることで、第三者による不正使用を未然に防ぐことができる。仮にこれが間に合わなかったとしても、使用可能額は低額であるので、被害は大きなものとはならず、クレジットカードに関する犯罪へのインセンティブを大幅に低減することができる。
【0030】
このほかにも、学生の所持するクレジットカードの使用限度額設定権限(パスワード)をその父母に与えることで、学生のクレジットカード債務が支払能力を超えることを未然に防ぐこともできる。
【0031】
以上のように、第三者による不正使用があっても、カード所持者、カード加盟店、カード発行銀行三者の損害を低減させることが可能で、訴訟に発展することも少なくなる。本発明のモデルは、最小のコストにおいて、クレジットカードの第三者不正利用によって生ずる社会コストを低減させることを可能にする。これにより、クレジットカードの発行機関は、第三者の不正使用を防止するために高コストの技術的措置をとる必要性が低下する。また、カード所持者も常々使用可能額を気にすることで、クレジットカードに関する犯罪へのインセンティブを大きく削減し、犯罪による社会的コストを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図を用いながら詳細な実施方式を説明する。
図1,2,3において、ある利用者10が某カード発行銀行のホームページ15にアクセスし、もし当該利用者10が当該銀行のクレジットカード会員20でない場合、新会員21の登録が必要となる。申請はオンラインで申請書22に書き込むことによって行うことができ、また申請書22を郵送することによっても行うことができる。カード発行銀行が利用限度額23を上限として与信を行えば、カード所持者はその範囲内においてクレジットカードを使用することが可能である。もしも利用者10が当該銀行のクレジットカード会員20である場合、当該クレジットカード会員20は約定の口座番号およびパスワードを入力して信用管理ページ30にアクセスし、まずは利用限度額および現在の使用可能額がいくらか35を確認する。そして当日に大口の出費が必要となるか否かを考慮しつつ、使用限度額45を設定することができる。この際の使用可能額は、利用限度額内において当該クレジットカード会員20が任意にこれを分割したものであり、即時に使用可能な代替現金の額である。使用限度額を設定する場合、通常は利用可能額の10分の1から20分の1が適当である。なぜなら、これにより代替現金として使用可能な額を低額に抑えることができ、また日常の用にも困ることはないであろうからである。
【0033】
当該クレジットカード会員20が初めて信用管理ページ30にアクセスするときは、使用可能額はゼロとなっており、利用限度額23の残額は利用限度額と等しい。このときクレジットカード会員20が「使用可能額復元ボタン」50をクリックすると、カード発行銀行のコンピューター管理システムは使用可能額を使用限度額45と等しい額まで引き上げ、利用限度額はこの額の分だけ減少する。もしも当該クレジットカード会員20が以前からの会員である場合、同様に「使用可能額復元ボタン」50をクリックすることで、使用可能額を当該クレジットカード会員20が前回に設定した使用限度額45と等しい額まで引き上げる。当該クレジットカード会員20は信用管理ページ30を閉じた後、直接或いはインターネット上でのクレジットカードの利用55が可能となる。このときのカード発行銀行のシステム上での与信限度額は使用可能額を上限とする60。
【0034】
数日のクレジットカード利用後、使用可能額が低くなった65場合、例えば図2のようにクレジットカード会員20の使用可能額が$58となったとすると、当該クレジットカード会員20はいつどこでもインターネットを通じてカード発行銀行のホームページ15にアクセスし、約定の口座番号とパスワード、もしくは専用電話番号などの特定の付加的パスワード、あるいは1度もしくは複数回の認証を経て、自己の信用管理ページ30へとアクセスし、使用可能額を元の水準50まで復元するか、もしくは再度新たに使用限度額を設定した後、再度クレジットカードを利用できる。例えば、図3に示すように、仮にクレジットカード会員20が使用可能額を元の水準まで復元すると、復元後の使用可能額は直前の$58から使用限度額である$2000へと戻り、または図4のもう1つの実施例によるならば、復元後の使用可能額は、直前の使用可能額$58と設定済みの使用限度額$2000の和である$2058となる。このようにクレジットカードの利用と復元の過程を繰り返して利用限度額がゼロに達すると、続けて当該カードを使用することはできなくなる。利用限度額の残額は、当月の利用額を清算することで利用限度額と等しい額に戻る。
【0035】
図1に示すように、クレジットカード会員20がカード利用後にカードの盗難にあった場合、当該カード所持者はパソコン、ノートパソコン、携帯電話、PDAなどによりインターネットに接続し、自己の信用管理ページ30にアクセスした後、すぐに使用限度額をゼロ70に設定することで、カード発行銀行のシステム上の与信限度額はゼロ75となる。すると、当該カードは実際には使用できなくなり、さらにクレジットカードの不正使用80による被害を受けることはなくなる。このほかに、使用可能額がすでに低い水準にある場合には、仮に第三者によってクレジットカードが不正に使用されたとしても、損失は微小なものにとどまる。これにより、クレジットカードに関する犯罪へのインセンティブを低減することが可能となる。
【0036】
数日毎に信用管理ページ30にアクセスして使用可能額を復元しなければならないことは面倒と感じられるかもしれないが、実際、仕事や娯楽がインターネットと切り離せない現代社会においては、仕事や娯楽が一段落したときに片手間に現在の利用可能額を確認することはたやすい。お年寄りなど一般にインターネットを利用することができず、自らこのような方法で管理をすることができない場合には、書面により、自己に代わりカード発行銀行が使用限度額を設定し、数日毎に自動のシステムにより使用可能額を復元するよう設定することを授権することが可能であり、このような方法であってもクレジットカードの第三者不正使用によるリスクを低減することは可能である。
【0037】
以上のとおり、本発明の、第三者によるクレジットカード不正使用を防止する方法は、カード発行銀行にとって全く新しい与信のシステムであるとともに、またクレジットカードの利用者にとっても、全く新しい使用モデルである。この方法は極小の追加コストにより、大幅にクレジットカードの不正使用による社会的コストを低減する画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のクレジットカードの第三者不正使用防止に関するフローチャート、および信用管理ページの使用プロセスに関するものである。
【図2】本発明における、カード所持者がクレジットカードを利用した後の信用管理ページのサンプル。使用可能額は$58である。
【図3】本発明において、カード所持者が、信用管理ページ上の「使用可能額復元ボタン」をクリックした後の変化を示したものである。使用可能額はあらかじめ設定した使用限度額の$2000となり、これに対して利用限度額は $13709から$11767へと減少している。クレジットカードの使用時には、カード発行銀行の与信システム内の(代替現金として使用可能である)与信の残額は$2000となる。
【図4】本発明のもう1つの実施例であり、利用可能額が$58の状態において、カード所持者が信用管理ページ上の「使用可能額復元ボタン」をクリックした後の状態を示したものである。すでに設定済みの使用限度額である$2000が使用可能額に加算され、クリック後の使用限度額は$2058となっている。これに対して利用限度額は$13709から$11709へと減少している。クレジットカードの使用時には、カード発行銀行の与信システム内の(代替現金として使用可能である)与信の残額は$2058となる。
【符号の説明】
【0039】
10 利用者
15 カード発行銀行のホームページ
20 クレジットカード会員
21 新会員の登録
22 クレジットカード申請書の渡し
23 カード発行銀行が利用限度額を上限として与信を行い
30 信用管理ページ
35 利用限度額および現在の使用可能額がいくらかを確認
40 盗難されるか
45 クレジットカード会員の使用限度額を設定
50 自己の信用管理ページ(30)へとアクセスし、使用可能額を元の水準(50)まで復元する
55 インターネット上でのクレジットカードの利用
60 カード発行銀行のシステム上での与信限度額は使用可能額を上限とする
65 使用可能額の残額の減少
70 使用限度額をゼロに設定する
75 与信限度額はゼロとなる
80 不正使用の防止

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a:クレジットカード発行銀行はカード所持者に対して利用限度額を与信すると共に、カード所持者のために信用管理ページを開設する手順と、
d:カード所持者は手順aの信用管理ページにアクセスし、利用限度額或いは利用限度額の残額によって一定期間内に複数回にわたる形で適切な使用限度額を設定する手順と、
c:クレジットカード発行銀行の与信パソコンはカード所持者の当該時点における利用限度額に残額があるか否かを再計算し、もし残額がゼロであれば、カード所持者はクレジットカードを引き続き使うことができない、残額がゼロ以上であれば、クレジットカード発行銀行の与信パソコンはカード所持者が手順bで自分で設定した使用限度の設定値またはこの使用可能額の範囲内でこの後の与信の作業を行う手順と、
d:カード所持者は再度手順bの手順を踏むことで、新たにカード所持者の使用可能額を設定し直す手順を含むことを特徴とするクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項2】
カード所持者は手順dの手順を踏むことで使用限度額をゼロに設定することによりクレジットカードの第三者による不正使用を防止することを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項3】
カード所持者はパソコン、PDA、ノートパソコンまたはインターネットが利用できる携帯電話のいずれかの一つのインターネットツールにより自己の信用管理ページにアクセスできることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項4】
カード所持者が手順bの手順を踏んで個人の信用管理ページにアクセスするには、約定の口座番号とパスワードを入力しなければならないことを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項5】
前記の約定の口座番号とパスワードは1組あるいは複数組の普通口座番号とパスワード、デジタル IDあるいは組み合わせたデジタルIDと普通のパスワードといった多数の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項6】
カード所持者が手順bを実行するときに、クレジットカード発行銀行の1組または複数組の口座番号とパスワード組み合わせによる一回または複数回の認証を経て、初めて個人の信用管理ページにアクセスできることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項7】
カード所持者が手順bを実行するときに、クレジットカード発行銀行が定める特定の付加的パスワードを入力して初めて個人の信用管理ページにアクセスすることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項8】
前記の特定の付加的パスワードが携帯電話または家庭用電話の専用電話番号であることを特徴とする請求項7に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項9】
手順aが記載された信用管理ページはカード所持者に個人の信用を管理する機能を提供することで、
a:当該時点におけるカード所持者の利用限度額の残額を表示する機能と、
b:カード所持者に適当な使用限度額を設定させることを提供する機能と、
c:当該時点におけるカード所持者の使用可能額を表示する機能を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項10】
前記の信用管理ページ上においてさらにクレジットカード発行銀行がカード所持者に対して利用限度額を表示することを含むことを特徴とする請求項9に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項11】
前記の信用管理ページ上に使用可能額復元ボタンを設置し、カード所持者がこのボタンをクリックするとクレジットカードの利用可能額は自動的に当該カード所持者が前回設定した使用限度額と同じ額に戻ることを特徴とする請求項9に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項12】
前記の信用管理ページ上に使用可能額復元ボタンを設置し、カード所持者がこのボタンをクリックすると、クレジットカードの利用可能額が当該ボタンをクリックする直前の時点における使用可能額と当該カード所持人が設定した使用限度額との和に等しい額に戻ることを特徴とする請求項9に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項13】
クレジットカード発行銀行が与信を行うクレジットカードにはVISAカード、 Masterカード、 JCBカード、 AMERICAN EXPRESSカード、 Diners Clubカード、 Carte Blancheカード、 Enrouteカード、 Discoverカード、あるいはクレジットカードの性質がある金融カード、キャッシュカード、当座貸越のカード、振込カードが含まれることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項14】
カード所持者が手順bを実行するときに、カード所持者は書面により、カード発行銀行が自己に代わって適当な使用限度額を設定するよう授権することができることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。
【請求項15】
カード所持者が手順dを実行するときに、カード所持者は書面により、改めてカード発行銀行が自己に代わって適当な使用限度額を設定するよう授権することができることを特徴とする請求項1に記載するクレジットカードの第三者による不正使用を防止する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−537517(P2007−537517A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511837(P2007−511837)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000655
【国際公開番号】WO2005/111876
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503143459)
【Fターム(参考)】